第24回会議配付資料

弁護士隣接法律専門職種としての社会保険労務士について
(梗   概)

平成12年7月7日
全国社会保険労務士会連合会


1 社会保険労務士の現状

 昭和43年に制定された社会保険労務士法に基づく制度
 平成12年3月31日現在の会員数−−25,066人

(1) 社会保険労務士の資格取得
 受験資格(短大卒程度の学歴又は5年以上の専門職歴)
 社会保険労務士試験の内容(労働法、社会保険法及び労働社会保険に関する一般常識計8科目)
 平成12年度受験申込者数5万人−−毎年の合格者2千人前後、合格率7%前後

(2) 社会保険労務士の業務内容
 書類の作成・提出(定型業務であっても受給者の損得を考慮する等判断が必要)
 就業規則の制定改正(法律知識と高度な判断とが必要とされる)
 労務管理(適切な手法の採用と実態との調整が必要とされる)

(3) 社会保険労務士の研修
 平成12年度連合会の研修事業予算(主として県会への補助金) 6,920万円
 平成11年度約400回開催、受講人員約3万人

2 労働社会保険の分野における法律的解決の問題点

 個別労使紛争の多発−−公共機関への相談件数年間30万件
 労働関係事件の増加−−平成10年度の労働関係民事・行政通常事件総数2,519件は平成元年度の2.5倍

(1) 簡易かつ迅速な解決の必要性
 当事者が中小企業関係者−−時間、経費等の面で大きな負担に耐えられない。
 社会保険労務士は常に事業所と接触しており、簡易迅速な解決を行う。

(2) 事件に関する専門的判断
 法令・判例のほか実務的知識経験が必要(例−時間外労働の割増賃金の処理)社会保険労務士は、日常の業務と研鑽で対応している。

(3) 労使の信頼感
 労働関係の特殊性−−人を対象とする労働契約に基づく関係
 労使紛争の解決の内容、仕方によって経営に影響
 労使それぞれから信頼された人物による適法かつ常識的な解決が必要−−労使の信頼を得ている社会保険労務士が適役

3 社会保険労務士業務に対する弁護士法72条の制約

(1) 労使紛争の解決における代理、和解、仲裁等の実施の制約
 現状
 社会保険労務士が簡便に訴訟への関与及び代理、仲裁、和解等の法律事務を執行できないことによる制約の存在
 労使紛争は、ADRによる解決が最適 その最適任者である社会保険労務士がADRを実施できない矛盾が生ずる
 ADRの実施に向けての社会保険労務士の登用の必要
 社会保険労務士の訴訟参加及び代理、仲裁、和解等の法律事務の実施が必要

(2) 行政事件の解決−−訴訟への関与に関する制約の存在
 現状
 社会保険労務士は行政不服審査まで
 訴訟の段階で仕切直ししなければならない訴訟経済上の無駄=国民の権利の実現の阻害
 社会保険労務士の訴訟への参加が必要

4 社会保険労務士の司法制度参入のための対応

(1) 法律事務遂行能力の取得とその証明
 民事訴訟及び民事法に関する高度な研修と修了試験
 連合会で研修の基準及びカリキュラムを作成し、これに適合した研修を実施予定
 修了試験の合格者のみに訴訟関係事務を行わせる。

(2) 社会的存在としての倫理の確立
 依頼者に対するだけでなく、社会的存在としての公正・中立性を保つ新しい倫理の確立−−法律、倫理規程の見直し

5 結語

 依頼者の要請に応える労働社会保険の分野の問題の完全な解決
 社会保険労務士の要望
 現在の業務の延長線上の訴訟代理(簡易裁判所)と出廷陳述権(地裁以上)及び裁判外の代理、仲裁、和解等の法律事務の実施
 これらの簡易迅速な実施により、権利の実現の機会に乏しかった中小企業労使に対する支援を通じ国民経済の発展に寄与する

以 上