司法制度改革

司法制度改革推進法案



目次
 第一章 総則(第一条―第四条)
 第二章 基本方針(第五条・第六条)
 第三章 司法制度改革推進計画(第七条)
 第四章 司法制度改革推進本部(第八条―第十八条)
 附則

   第一章 総則                        
 (目的)
第一条 この法律は、国の規制の撤廃又は緩和の一層の進展その他の内外の社会経済情勢の変化に伴い、司
 法の果たすべき役割がより重要になることにかんがみ、平成十三年六月十二日に内閣に述べられた司法制
 度改革審議会の意見の趣旨にのっとって行われる司法制度の改革と基盤の整備(以下「司法制度改革」と
 いう。)について、その基本的な理念及び方針、国の責務その他の基本となる事項を定めるとともに、司
 法制度改革推進本部を設置すること等により、これを総合的かつ集中的に推進することを目的とする。
 (基本理念)
第二条 司法制度改革は、国民がより容易に利用できるとともに、公正かつ適正な手続の下、より迅速、適
 切かつ実効的にその使命を果たすことができる司法制度を構築し、高度の専門的な法律知識、幅広い教養、
 豊かな人間性及び職業倫理を備えた多数の法曹の養成及び確保その他の司法制度を支える体制の充実強化
 を図り、並びに国民の司法制度への関与の拡充等を通じて司法に対する国民の理解の増進及び信頼の向上
 を目指し、もってより自由かつ公正な社会の形成に資することを基本として行われるものとする。
 (国の責務)
第三条 国は、前条に定める基本理念にのっとり、司法制度改革に関する施策を総合的に策定し、及び実施
 する責務を有する。
 (日本弁護士連合会の責務)
第四条 日本弁護士連合会は、弁護士の使命及び職務の重要性にかんがみ、第二条に定める基本理念にのっ
 とって、司法制度改革の実現のため必要な取組を行うように努めるものとする。

   第二章 基本方針
 (基本方針)
第五条 司法制度改革は、次に掲げる基本方針に基づき、推進されるものとする。
 一 国民がより容易に利用できるとともに、公正かつ適正な手続の下、より迅速、適切かつ実効的にその
  使命を果たすことができる司法制度を構築するため、民事に関し、その解決のため専門的な知見を要す
  る事件その他の事件に関する裁判所における手続の一層の充実及び迅速化、裁判所における手続を利用
  する機会を拡大するために必要な制度の整備、裁判外における紛争処理制度の拡充等を図るとともに、
  刑事に関し、裁判所における手続の一層の充実及び迅速化、被疑者及び被告人に対する公的な弁護制度
  の整備、検察審査会の機能の強化等を図ること。
 二 司法制度を支える体制を充実強化させるため、法曹人口の大幅な増加、裁判所、検察庁等の人的体制
  の充実、法曹養成のための教育を行う大学院に関する制度の整備その他の法曹養成のための制度の見直
  し、裁判官、検察官及び弁護士の能力及び資質の一層の向上のための制度の整備等を図ること。
 三 国民の司法制度への関与の拡充等を通じて司法に対する国民の理解を増進させ、及びその信頼を向上
  させるため、国民が裁判官と共に刑事訴訟手続に関与する制度の導入等を図ること。
 (法制上の措置等)
第六条 政府は、前条に定める基本方針に基づく施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他
 の措置を講じなければならない。

   第三章 司法制度改革推進計画
 (司法制度改革推進計画)
第七条 政府は、政府が司法制度改革に関し講ずべき措置について必要な計画(以下「司法制度改革推進計
 画」という。)を定めなければならない。
2 内閣総理大臣は、司法制度改革推進計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
3 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、これを公表しなければなら
 ない。
4 前二項の規定は、司法制度改革推進計画の変更について準用する。

   第四章 司法制度改革推進本部
 (設置)
第八条 司法制度改革を総合的かつ集中的に推進するため、内閣に、司法制度改革推進本部(以下「本部」
 という。)を置く。
 (所掌事務)
第九条 本部は、次に掲げる事務をつかさどる。
 一 司法制度改革の推進に関する総合調整に関すること。
 二 司法制度改革推進計画の作成及び推進に関すること。
 三 司法制度改革の総合的かつ集中的な推進のために必要な法律案及び政令案の立案に関すること。
 四 司法制度改革の推進に関する関係機関及び関係団体との連絡調整に関すること。
 (組織)
第十条 本部は、司法制度改革推進本部長、司法制度改革推進副本部長及び司法制度改革推進本部員をもっ
 て組織する。
 (司法制度改革推進本部長)
第十一条 本部の長は、司法制度改革推進本部長(以下「本部長」という。)とし、内閣総理大臣をもって
 充てる。
2 本部長は、本部の事務を総括し、所部の職員を指揮監督する。
 (司法制度改革推進副本部長)
第十二条 本部に、司法制度改革推進副本部長(以下「副本部長」という。)を置き、国務大臣をもって充
 てる。
2 副本部長は、本部長の職務を助ける。
 (司法制度改革推進本部員)
第十三条 本部に、司法制度改革推進本部員(以下「本部員」という。)を置く。
2 本部員は、本部長及び副本部長以外のすべての国務大臣をもって充てる。
 (資料の提出その他の協力)
第十四条 本部は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関、最高裁判所及
 び日本弁護士連合会に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。
2 本部は、その所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対
 しても、必要な協力を依頼することができる。
 (事務局)
第十五条 本部に、その事務を処理させるため、事務局を置く。
2 事務局に、事務局長その他の職員を置く。
3 事務局長は、関係のある他の職を占める者をもって充てられるものとする。
4 事務局長は、本部長の命を受け、局務を掌理する。
 (設置期限)
第十六条 本部は、その設置の日から起算して三年を経過する日まで置かれるものとする。
 (主任の大臣)
第十七条 本部に係る事項については、内閣法(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣は、内閣総理
 大臣とする。
 (政令への委任)
第十八条 この法律に定めるもののほか、本部に関し必要な事項は、政令で定める。

   附 則
 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。