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安全保障と防衛力に関する懇談会(第1回)議事要旨


 日  時 平成16年4月27日(火)16:30〜18:00


 場  所 総理大臣官邸小ホール


 出席者
(委 員)
荒木   浩東京電力顧問
五百旗頭 真神戸大学法学部教授
佐藤   謙都市基盤整備公団副総裁(元防衛事務次官)
田中  明彦東京大学東洋文化研究所教授
西元  徹也日本地雷処理を支援する会会長
(元防衛庁統合幕僚会議議長)
樋渡  由美上智大学外国語学部教授
古川 貞二郎前内閣官房副長官
柳井  俊二中央大学法学部教授(前駐米大使)
山崎  正和東亜大学学長
(政府側)
小泉  純一郎内閣総理大臣
福田   康夫内閣官房長官
細田   博之内閣官房副長官(政務・衆)
二橋  正弘内閣官房副長官(事務)
野田  健内閣危機管理監
谷内  正太郎内閣官房副長官補
柳澤   協二内閣官房副長官補


 議事概要
(1)内閣総理大臣挨拶
 我が国の安全保障を巡っては、冷戦時代とは異なり、大量破壊兵器の拡散の進展、国際テロなどの新たな脅威への対応が大きな課題となっており、このような課題に的確に取り組んでいくことが重要である。
 また、今日の国際社会において、我が国の平和と安全は、我が国だけで確保できるものではなく、世界の平和と安定の中にこそ、我が国の安全と繁栄がある。したがって、我が国として国際社会の平和と安定のために、主体的、積極的に取り組んでいくことも極めて重要である。
 このため、新たな安全保障政策を構築するとともに、防衛力全般について抜本的な見直しを行うことが重要である。このような検討を行うに当たっては防衛の分野だけではなく、外交、経済を含む幅広い視点が必要となることから、忌憚のない御議論をいただきたい。


(2)運営方法等
委員の互選により、荒木委員を座長に選任した。
座長の指名により、張委員を座長代理に選任した。


懇談会の議事内容の公表について、以下のとおり確認した。
議事要旨を公表すること
毎回会議終了後、座長から記者へ概要をブリーフィングすること


(3)説明
「我が国の安全保障政策の枠組みについて」を事務局から説明。


(4)意見交換
 戦争という概念も変わってきている中で、従来の冷戦型の脅威ではなく、大量破壊兵器やテロなどの新たな脅威への対応が重要である。
 ミサイル防衛といった大きな絵を描くことと、現在新しい事態の中で緊急に危険度が高まっているテロ攻撃といった課題の双方にしっかり対応することが必要である。
 基盤的防衛力構想が打ち出された1976年と今とで非常に構造的に似ている面はあるが、今後この構想を維持するかどうかを根底から考え直す必要があるのではないか。
 安全保障上、防衛上対応しなければならない事態が、非常に複雑で多様になってきており、政府の各機関が横断的に対応することが必要となっている。
 伝統的に考えてきた脅威というものは、自国に対する攻撃等が中心であったが、今や、周辺地域の安全や世界の安定を確保しないと自国の安定も確保できなくなっており、我が国に脅威を及ぼす構造自体が変化した。また、脅威を及ぼす形態も、ミサイル、テロ、ゲリラ、生物化学兵器等の新たなものへと変化している。
 不審船、テロ、ミサイル等への対応が求められる中で、「情報」が非常に重要になっており、「情報」の問題についても踏み込んだ議論をすることが必要である。
 「防衛力」ということだけでなく、もう少し大きな枠組みとして「安全保障」という文脈の中で「防衛力」というものを考える必要がある。
 北東アジアには、ヨーロッパとは異なり、朝鮮半島の分断、中台の緊張関係といった冷戦型の遺産がある。周辺諸国の情勢も含めて、現在の脅威がどうか、長期的な脅威がどうかを分析する必要がある。
 従来、防衛力整備というと、装備品をどうするという議論が多かったが、そういったハードの面だけでなく、情報、運用、政府機関の連携等のソフト面に重点を置いて議論していくことが重要である。
 防衛計画の大綱という、日本のディフェンスプランニングの基盤となるものを考えるに当っては、日本のケイパビリティーの実態がどうなっているか、今後これをどうするかといったことも考えていくことが必要である。
 現代の安全保障ないし防衛の問題においては、狭義の防衛と治安の境目が曖昧になってきており、日本の国家の持つ実力装置が官僚制の枠を超えて相互に協力していく体制を作ることが内閣主導の眼目である。
 多種多様な脅威に全て対応するというやり方では、予算増ばかりになる可能性がある。プライオリティーを設けて、しっかりした方針をもって議論を進める必要があるのではないか。
 世界の平和と安定への積極的な努力、次に周辺地域における安定確保のための努力が、自国に事を起こさない最も重要なポイントの一つであり、国際平和協力や周辺事態における協力に積極的に取り組むことが必要である。