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安全保障と防衛力に関する懇談会(第3回)議事要旨


 日  時 平成16年6月1日(火)16:00〜17:35


 場  所 総理大臣官邸小ホール


 出席者
(委 員)
荒木   浩東京電力顧問
五百旗頭 真神戸大学法学部教授
佐藤   謙都市基盤整備公団副総裁(元防衛事務次官)
田中  明彦東京大学東洋文化研究所教授
張  富士夫トヨタ自動車株式会社取締役社長
西元  徹也日本地雷処理を支援する会会長
(元防衛庁統合幕僚会議議長)
樋渡  由美上智大学外国語学部教授
古川 貞二郎前内閣官房副長官
柳井  俊二中央大学法学部教授(前駐米大使)
山崎  正和東亜大学学長
(政府側)
細田   博之内閣官房長官
二橋  正弘内閣官房副長官(事務)
野田  健内閣危機管理監
谷内  正太郎内閣官房副長官補
柳澤   協二内閣官房副長官補


 議事概要
(1)事務局説明
 事務局から、武力攻撃、大量殺傷型テロ、武装不審船や武装工作員、在外邦人へのテロ等への対応についての説明とともに、基盤的防衛力構想と今後の課題等について説明があった。


(2)意見交換
 この国の安全保障と防衛力に関しては、自衛隊は議論の中核になるかもしれないが、あまり自衛隊の問題に絞り込みすぎないほうがよい。
 武装不審船の問題は、国民の安全上、重要な問題である。不法行為の問題や警察力の問題ということもあろうが、防衛の問題と絡んできちんと議論すべきである。
 脅威を広くとらえて、武力攻撃に至らない不法行動にとどまるものでも脅威として考えていくべきである。
 安全保障は、被害の規模といった客観的に測れるものだけで決まるというものではない。人的な被害が少なくて、主権が脅かされたと国民が感じるものがあったら、それは、安全保障上の損害はかなり重大なものと考えざるを得ない。
 脅威については、抽象的に論ずるのではなく、固有名詞を持った脅威に具体的に備えるということを考えるべきである。
 法律があるからと言って、現実に存在する組織がそのように実行できるという保証はどこにもない。実行しようとする段階で、誰がやるのかわからないという問題も十分にありえる。オペレーショナルな組織や組織運用の問題点を明らかにすることが必要である。
 国際安全保障は、我が国の繁栄の維持に欠かせないものであり、また、防衛力が果たすべき重要な役割でもある。そのような分野を脅威とは言えないが、どう位置付けるかは重要な課題である。
 脅威に対しては、多くの機関が共同して対応するため、国家として全体的に持っている各機能をどう使うかは非常に重要である。これをコントロールする一元的な統制権をもった組織をどう強化していくかということは、国家の危機管理体制、情報体制につながる重要な課題である。
 従来型の武力攻撃や不審船のような脅威にはそれなりの対応ができつつあるが、テロに対してはまだ非常に不十分な点が多い。
 防衛というのは、結局は意思決定の問題であり、それを将来的にどうすべきかを真剣に議論する必要がある。例えば弾道ミサイルへの対応は、2分、3分を争う案件である。あらかじめ何らかの意思決定の委任をしておく必要がある。
 各省庁が共同して対処するということには、ある意味では隙間が存在する。日本の安全保障の今までの隙間をどうしたらいいかということは難しい問題であるが、結論を出す必要がある。
 安全保障・危機管理の仕事を生涯の仕事としてやるような要員をどう育成確保するかも重要である。
 在来型の脅威には相手を想定して対応が可能であったが、今後は特定できない相手に対処する必要があり、情報を集めることが重要である。その際、諸外国との提携協力、情報交換が重要となるが、国際情報に効果的に対応が可能な体制とはどのようなものか考える必要がある。
 自衛隊の行動を律する法制は、有事になった場合こうすることができるという形になっているが、新たな安全保障環境の下で、今度は逆に平時の自衛隊にどのような任務付与をするかを考えていくことが必要である。 弾道ミサイルへの対処について、例えば、平時から非常に限定なる対応については任務付与しておくといった、法的枠組みも考えてみる必要があるのではないか。
 自衛隊について、効率化、コンパクト化、合理化とか言われるのはわかるが、それで果たして多様な脅威に対応できる体制が十分作れるのか検討が必要である。
 自衛隊の役割に関し、海外での輸送活動が重要になってきており、日本とどの国との協力関係を結ぶかが重要になってくる。実態としてどこまで協力関係ができていて、今後どうしなければいけないのか、綿密に考えていく必要がある。
 テロへの対応などにおいて、諸外国との連携の中では、日本も諸外国と同様のことをやっていく必要がある。他国はできるけど日本はできないとなると、その部分のリンクが弱くなり、当然そこをねらわれる可能性がある。ギブ・アンド・テイクができるよういろいろな制約を見直してみることは必要である。
 防衛力としてどの程度の基盤的なものを保有すべきなのか、その防衛力で多様な事態にどの程度対応できるのか、その場合に何が欠けているのか、新たに付加しなければならない機能はどういうものなのかを、単に日本だけではなく、日本とアメリカとの関係等の中で、具体化していくことが重要な課題である。