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安全保障と防衛力に関する懇談会(第5回)議事要旨


 日  時 平成16年6月29日(火)13:00〜14:30


 場  所 総理大臣官邸小ホール


 出席者
(委 員)
荒木   浩東京電力顧問
五百旗頭 真神戸大学法学部教授
佐藤   謙都市基盤整備公団副総裁(元防衛事務次官)
田中  明彦東京大学東洋文化研究所教授
張  富士夫トヨタ自動車株式会社取締役社長
西元  徹也日本地雷処理を支援する会会長
(元防衛庁統合幕僚会議議長)
樋渡  由美上智大学外国語学部教授
古川 貞二郎前内閣官房副長官
(政府側)
細田   博之内閣官房長官
二橋   正弘内閣官房副長官(事務)
杉浦   正健内閣官房副長官(政務)
野田    健内閣危機管理監
谷内  正太郎内閣官房副長官補
柳澤   協二内閣官房副長官補


 議事概要
(1)事務局説明
 事務局から、「アジア太平洋地域の安全保障環境と地域的な安全保障のための取組」について、現状等の説明があった。


(2)意見交換
 我が国周辺には、冷戦終了後も、朝鮮半島や中国・台湾の問題がある。我が国周辺の安全保障環境は、国際的に見ても他の地域の人に理解しがたいほど非常に特殊な状況にある。
 中国は、国防費や国防政策が不透明である。例えば、兵力をこれだけ削減したなどと言っても、実際減らした分は武装警察か何かに回しており、その実態がわかりにくい。
 中国は今ナショナリズムの高揚期で、この傾向は今後も続いていくと思われる。中国は防衛線を段々と前に出しており、一つ一つの事象に対してきちんと対応していかないといけない。
 中国とどのように向かい合っていくかという点について、防衛上の対応や外交上の対応を含め、総合的な観点から我が国としての方向を議論していく必要がある。
 日米安保体制は重要であり、今一度ここで日米間の役割分担についての戦略協議が必要である。日米間の役割分担は、駐留経費負担、基地問題、沖縄の負担軽減などの問題と密接に関連しており、政府全体として取り組む必要がある。
 中国は、経済力も軍事力も強くして米国に対抗するという希望を持っていても、制約要因も非常に多い。日米同盟と我が国自身の体制がしっかりしていれば、中国もそこはなるべく避けるというふうに傾くであろう。また、中国は制約要因を抱えていることから、日米との友好関係を必要としているので、その辺りを活性化していく努力も重要である。
 中国は軍のハイテク化、特にC4ISRに関して特に気をかけて近代化を進めている。日本も米軍とのインターオペラビリティーを考える上で、C4ISRは重要である。
 我が国の緊急事態において、米国だけではなく、我が国の味方になってくれる国がどこにあるか考えておくことが必要である。例えばオーストラリアなどが重要ではないか。
 北朝鮮については、エネルギー問題の動向の把握も必要である。エネルギーの状況如何で戦力が大きく変わってくることも考えられる。
 中国や朝鮮半島の情勢は、我が国の平和と安全に影響を及ぼしかねない不確定要因を含んでいるので、日米同盟関係の信頼性を高め、それを周囲からもきちんと認識できるような状況に維持していくことが重要である。日米防衛ガイドラインの実効性を高めるだけでなく、トランスフォーメーションの問題についても、受け身でなく、前提となる考え方について、こちらから先んじて政策協議を行っていくことが必要である。
 国と国との関係においては、通常の抑止力が非常に重要な役割を果たしている。中国の中距離ミサイルが日本をほぼ全域射程に収めている現状においても、我が国がパニックに陥らないのは、中国人に対する信頼もあるが、日米安全保障条約があり、アメリカの核抑止というものが依然として機能しているからであろう。このような有効な抑止の体系としての日米関係を強調していくべきである。
 日米の役割分担に関連して、東アジア経済統合のようなものを通じて、我が国が周辺国の繁栄と安定に貢献し、域内の共通インフラ整備や制度、規格の共通化など、経済統合を後押しするような分野にODAを戦略的に活用していくことなどを考えるべきである。