アジア・ゲートウェイ戦略会議 物流(貿易関連手続等)に関する検討会(第1回) | |||||||
| 日 時: | 平成19年2月8日(木)10:00〜11:00 |
| 場 所: | 官邸南会議室(3階) |
| 出席者: | 根本匠内閣総理大臣補佐官、杉山武彦一橋大学長(座長)、八木隆(社)電子情報技術産業協会総合政策部会長、佐々木幹夫(社)日本貿易会会長、中田洋(社)日本物流団体連合会理事長、植村保雄(社)日本船主協会常務理事、名尾良泰(社)日本自動車工業会副会長、森本修日本機械輸出組合専務理事、渡文明(社)日本経済団体連合会副会長、青山幸恭財務省関税局長、平山芳昭国土交通省政策統括官、松井英夫経済産業省商務情報政策局商務流通審議官 |
○杉山座長 それでは、ただいまから第1回「アジア・ゲートウェイ戦略会議 物流(貿易関連手続等)に関する検討会」を開催させていただきます。委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御出席を賜わりまして、誠にありがとうございます。
それでは、根本総理大臣補佐官、ごあいさつをいただきたいと存じます。
○根本内閣総理大臣補佐官 おはようございます。委員の皆様には、大変御多用の中をお集まりいただきまして、本当にありがとうございました。私の方から冒頭、この会議に当たっての趣旨も含めてお話をさせていただきたいと思います。
御承知のように、日本は海に囲まれて資源に乏しい国でありますが、貿易立国として、これからも輝き続けるには、ハードのインフラだけではなくて、むしろソフト、すなわちこれから議論していただく関連制度の改革。これが極めて重要だと思います。
ただ、一般的には非常にわかりにくくて、言わば地味な問題ですので、私は長い間放置されてきたのではないかと思います。産業界を始め、関係者の皆様の努力で、こういう課題にようやく光が当たり始めたのだろうと思います。政府の取組みも進みましたが、各省庁にまたがる課題も多いものですから、意思決定のスピードあるいは改革の徹底、これが必ずしも十分ではないと思っております。
このような膠着状態の解消、これこそ私は官邸の出番だと思います。総理からは、産業競争力を左右する国家的戦略課題として、あくまでも利用者サイドに立って、各省庁の縦割ではなく、民間ユーザーの皆様と一緒に検討すべきであるという指示をいただきました。
この検討会は安倍内閣で始まりました新しい政策形成の形であります。補佐官として柔軟性、機動性いかんなく発揮していきたいと思います。官民が思いを同じくして、力を一つに合わせれば、大きな創造力が生まれると、私は確信をしております。活力ある日本を目指して、是非皆様のお知恵を貸していただきたいと思います
ありがとうございました。
○杉山座長 申し遅れました。私は、この検討会の議事進行の役目を仰せつかりました、一橋大学の杉山でございます。不手際が多いかと思いますが、何とぞ、よろしくお願い申し上げます。
資料は別紙1のとおりでありますが、御了承いただけますでしょうか。
それでは、続きまして、私から委員の皆様方の御紹介を申し上げます。
まず、秋草電子情報技術産業協会会長ですが、本日は八木総合政策部会長に代理で御出席をいただいております。
岡部日本物流団体連合会会長ですが、本日は、中田理事長に代理で御出席をいただいております。
佐々木日本貿易会会長でいらっしゃいます。
鈴木日本船主協会会長ですが、本日は植村常務理事に代理で御出席をいただいております。
張自動車工業会会長ですが、本日は名尾副会長に代理で御出席をいただいております。
宮原日本機械輸出組合理事長ですが、本日は森本専務理事に代理で御出席をいただいております。
渡日本経済団体連合会副会長でいらっしゃいます。
青山財務省関税局長でございます。
松井経済産業省商務流通審議官でいらっしゃいます。
宿利国土交通省総合政策局長ですが、本日は平山政策統括官に代理で御出席をいただいております。
続きまして、根本総理大臣補佐官より、検討項目案について御説明を頂戴したいと存じます。
○根本内閣総理大臣補佐官 それでは、資料2をご覧いただきたいと思います。資料1の次に資料2が配布されていると思います。
それでは、この検討項目につきまして、私の方から若干の説明をさせていただきたいと思います。この検討会で一体何を議論するのか、選択と集中の観点から、各省庁にまたがる重要課題として、3つの論点案を提示したいと思います。
1つ目は「次世代シングル・ウィンドウの見直し」。アジアの規範となる簡素かつ効率的で、グローバルに通用する制度をつくることが重要だと思います。
現在でも、次世代シングル・ウィンドウシステムというのをつくることになっておりますが、今の計画、既定路線で利用者の視点に立って、そうした制度構築が実現できるかどうか、つまり今の案で十分かどうか、これは改めて検討させていただきたいと思います。これについては、いろいろ私も意見を聞いておりますので、是非この点を議論させていただきたい。
2つ目は「日本版C−TPATの構築」であります。セキュリティーと物流効率化の両立という新たな課題が出ております。米欧で進む制度構築に乗り遅れることなく、国際相互認証も視野に入れて、早急に制度設計が必要ではないかと思います。その一環で、各省ごとのコンプライアンス・プログラムの一元化ということも検討したいと思います。
3つ目は「規制見直し、手続きの統一化・簡素化」であります。我が国の関連制度を国際的に遜色のないものとする観点から、深夜、早朝の有効利用につながるようなものも含めて、改革を検討すべき規制は何か、これを明らかにしたいと思います。
更に、地方ごとにばらばらになっている港湾手続の問題、地方自治体の問題として放置しないで、統一化・簡素化に向けて、国として何ができるかを検討したいと思います。
今、私が申し上げた3つの課題は、実は政府内でもだれが責任者か必ずしも明確でありません。制度や規制のあるべき姿、目指すべき方向性とともに、今回の会議が全体を束ねて今の課題をやっていこうという試みでありますが、今後の政府内の推進体制の議論もしていく必要があると考えております。このたたき台として、3つの検討項目を出させていただきましたが、是非皆様の御意見を賜わりたいと思います。
○杉山学長 どうもありがとうございました。それでは、続きまして、関係各省から、これまでの取組みについて、御説明をお願い申し上げます。
まず、財務省からお願いいたします。
○青山関税局長 お手元の資料の3−1と3−2を御参照いただければと思います。
3−2は、私どもの税関当局の取組みで税の徴収と、安全・安心、セキュリティーの部分です。
もう一つは、本検討会にございますような、また経済成長戦略大綱にございますような、全体的なファシリテーションの部分、これらをどういうふうに、私どもとしてとらえてやりつつあるかということでございます。
資料の3−1をお開きいただきたいと思います。私どもの関税の手続面でございますが、電子化の動きでございますけれども、結構これは早うございました。Air−NACCSと言っておりますが、航空NACCSにつきましては、ちょうど成田に開港の時でございますが、1978年、昭和53年にスタートしてございます。言わば電子政府の走りでございますが、これを海にも広げ、かつ、いわゆるリスク判定ということを入れまして、更に2003年でございますが、いわゆるシングル・ウィンドウ化ができたわけでございます。
その後でございますが、FAL条約を締結いたしまして、先ほど補佐官からもお話がございましたような次世代シングル・ウィンドウ、今、関係省庁と共同して、来年の10月稼働ということでやっております。簡単なポンチ絵は次に描いてございますが、説明は省略いたします。
通関の手続自体は、従いまして、97〜98%はほとんど電子化されておりますが、港湾関連なり、あるいは私どもでいいますと、保税関連、ここら辺はまだ今一つという感じがございます。
あと、真ん中のところにリスク管理の制度ということでございます。これは、日本版のC−TPATにつながるような議論でございますが、実はNACCSを最初に稼働させていただいているときから、既に実行上、リスク判定なりをやっているわけです。
ただ、要するに税関がオーソライズして、新たにこうでございますということは言ってございませんが、問題ない貨物については即時許可という形でずっとやらせていただいております。
これを徐々に拡大いたしまして、輸入の段階におきまして、税の申告と引き取りの申告を分けてやっても構いませんというアメリカ型の制度でございますが、これを導入しましたのが2001年でございます。
一昨日、制度改正の国会法案の提出を行いましたが、これをまた見直していこうということでございます。
次に輸出の方でございますが、これは事実上、私ども運用上の制度といたしまして、包括事前審査制度という、輸出申告の前にあらかじめこういう貨物であれば問題ないというものをつくりました。
これを保税地域に搬入する必要がないという仕組みで特定輸出申告制度をつくりましたのが、昨年の3月からでございます。ここら辺の途中の経緯は、実は先ほど補佐官の方からございましたように、いわゆるセキュリティーと円滑化の観点から、アメリカがいろんな制度をつくってきたということに呼応して、少しずつ便利な制度をつくろうということでございます。
ここら辺も、今回の制度改正で大幅に見直そうということで、これともう一つ、その下に書いてございます保税でございますが、保税につきましても、もう少し使い勝手をよくしようかなということで、特定許可者制度を、これも一昨日出しました法案の中に載せてございます。
こういう中で、全体を3つ合わせまして、日本版C−TPATの基盤を整備しつつ、先ほどお話がございましたように、アメリカ、EC等々とも相互に連携を図っていこうかなというところでございます。
制度的には、そういう中身でございまして、実はコンプライアンスの話につきましても、昨日でございますが、私どもと経産省と国交省の担当者と経団連の当局の方で、いろいろお話をさせていただいているわけでございます。言わば、オンゴーイングの話でございます。
あと、税制等につきましても、納期限の延長制度等、既に消費税を導入する際にもやっておるわけでございまして、ここら辺は、むしろ逆に税の面では手続的にはかなり欧米よりも進んでいる、ECよりも進んでいると私どもは理解しております。
それから、先ほどの3番目にありましたが、いわゆる国際的な標準とか、そういう流れの統一化でございますけれども、貿易手続でございますと、貨物にかかります、いわゆる関税率表からスタートいたしますが、これが世界的に統一されたのは、もう大分前でございますが、HSになっております。それから評価制度、これは値段が幾らかというものを定める制度でございますが、これはいわゆるGATTの時代でございますが、東京ラウンドで決まったものをずっと実施している。
更にはTRIPS、これは貿易関連の、いわゆる知的財産の関連でございます。これをやっているというところでございます。
昨今の動きでございますと、先ほどお話にありましたようなセキュリティーとファシリテーションの両方に着目したような動きでずっとやっている。この流れが実は2つございます。
1つは、アメリカの動きでございまして、CSI、C−TPATなり、あるいは24時間ルールというものを9.11以降ずっとやったわけでございますが、それを今度は法制化した動きがございます。これがSAFE PORT Act.というものでございます。
それを更に、またImprementing the 9/11 Commission Recommendations Act. of 2007という法律が、今、下院を通りまして、上院に行きつつある。これは100 %検査をやるというような中身になっておりまして、ここら辺のアメリカの動きが今後どうなるかということだと思っております。
米国の海上セキュリティー対策との連携、これは実は今の9.11の委員会の法案というのは空も入っているようでございまして、ここら辺をどういうふうに考えていくかというような流れがございます。
もう一つは、ECでございますが、これはマーストリヒト条約を踏まえ、カスタムズコードを変えたんですが、その後、2005年でございますけれども、カスタムズコードを新たに変えまして、いわゆるAEOという概念でございます。先ほど補佐官からありましたような、いわゆる相互認証をベースにしたような、こういう議論をスタートさせているということなのですが、まだ実施にはなっておりません。
ここら辺の流れを踏まえて、世界的な共通の流れというのが片方で、小さなところに書いてございます。WCO基準の枠組みというのが書いてございます。一応これをベースに各国やっていきましょうということで、WCOというのは、170 国、全世界が加盟してございますが、この中で、私どもはその流れをスタートさせていこうということです。
WCOの中には、勿論東南アジアの国々あるいは中国もみんな入ってございます。こういう中で、今、御指示いただくような流れをどんどんつくっていかなければいけないということで、基準の議論と、後は実際面で、各国税関をどういうふうにするかというような流れがございます。
なお、いわゆるエンフォースメントといいますか、実施の面でいきますと、私どもの通関体制を注1で書いてございます。休日、夜間という形で、貨物の通関体制がございますが、羽田時代から既に24時間化といいますか、実際に通関自体は夜間体制を取っております。
港湾自体は、2002年から私どもは整備させていただいておりますが、今、主要な港湾につきましては、夜の9時までは常駐させるということになってございます。
説明が長くなりますので、2ページと3ページ目は、御参考までに次世代シングル・ウィンドウのイメージでございます。
ここで一言だけ申し上げますと、将来の接続状況、右のところでございますが、府省共通ポータル、これはNACCSにやらせるという前提で考えているわけでございます。 その下に出てくるのですが、外国政府とどうやってつなげるか、ここが一番のポイントに今後なろうと思います。
次のページでございますが、これは先ほど申し上げました、一昨日出しました法案の中身でございまして、これをまた更にコンプライアンス・プログラムをどうするかという観点から、またいろいろ御相談させていただこうと思っております。
最後に、私どもの今までの外との取組みでございますが、これは今、申し上げました話を、ちょっとポンチ絵風に描いたものが、4ページの絵でございます。
以上、ちょっと端折りまして恐縮でございますけれども、説明を終わらせていただきます。
○杉山座長 どうもありがとうございました。それでは、続きまして、経済産業省からお願いします。
○松井商務流通審議官 それでは、資料4−1をごらんになっていただきたいのですけれども、国際物流競争力強化のための行動計画ということで、昨年12月末に決まったものでございます。
このパートナーシップ会議は、1枚おめくりいただきますと、経済産業大臣と国土交通大臣、以下のメンバー、それから財務省の青山局長にも入っていただいておりまして、関係省庁が連携をして物流システムの効率化を図ろうという問題意識で、昨年12月にとりあえずの行動計画がまとまったわけでございます。
3ページ目をごらんになっていただきたいのですけれども、目的でございます。アジアの物流が高コスト、それからアジアで経済統合の動きが出ている。更に、国内の輸出入関連手続の迅速化、効率化、あるいはインフラ機能強化への高い期待が民間企業のビジネス上の要望であります。
こういうものを踏まえて、4ページにございますような経済戦略大綱等々の中での御議論を踏まえてスタートしたわけでございます。
5ページでございますけれども、目標でございます。我が国企業の国際競争力の強化。それからアジア経済統合の実現。
それから、2015年を目標にしまして、物流コスト、リードタイムの半減をASEAN域内で目指していきたい、そのために協力をしていきたいということでございます。
行動計画は5つございまして、6ページにございます5点でございます。これは1ページごと簡単に御説明をいたします。
7ページでございますけれども、広域物流網の整備に関する行動計画ということで、右の四角の中に行動計画の内容がございます。我が国企業のニーズが高い6つの物流ルートにつきまして、ソフト、ハードのインフラ整備を実現したいということで、具体的にトラックを走らせて、どのようなソフト、ハードの問題があるかというのを検証していきたい。
ちなみにハノイからバンコクまで、現在は飛行機で飛ばす、あるいは船で回しているわけでございますけれども、これを陸路にいたしますと、コストが飛行機の場合の10分の1ぐらい。それから船でやりますと、2週間かかるのが2〜3日になるということでございます。
8ページでございますけれども、人材でございまして、ASEANにはやはり物流管理の専門家がいないということで、日本の物流資格プログラム等を輸出して、ASEAN地域の物流関連人材レベルの向上を実現していきたいということで、19年度はタイを始め、数か国で物流プログラムのモデル的な作成を開始していきたいと思っております。
9ページでございますけれども、物流資材の高度利活用に関する行動計画ということで、現在、開発が進んでおります電子タグを導入していきたいということで、日本の高度なノウハウを輸出して普及をしていくということでございます。これも19年度には具体的な実証実験を実施していきたいと思っております。
10ページでございますけれども、ASEAN統合に向けた輸出入通関手続の電子化に関する行動計画ということで、まだASEAN地域の輸出入通関手続が電子化されておりません。また、ばらばらでございます。したがいまして我が国の標準を向こうに移していきたいということで、日本とASEAN各国が相互接続可能になっていくという形で電子化を進めていきたいということでございます。
最後が、我が国の輸出入通関制度の改革とシステム、インフラの整備に関する行動計画ということで、これは財務省、国交省と協力連携をして制度見直しを行っていこうということでございます。
合同計画の内容にございますように、グローバルにビジネスを展開する我が国企業の要望を受け止めて、アジアの先例となる輸出入通関制度や国際物流インフラの構築を図りたいということで、先ほど財務省からも御説明がございましたように、コンプライアンスに着目した輸出入制度の改革を行うとか、それから、これは現に3省庁でコンプライアンス・プログラムのばらばらになっているのを、なるべく標準化していこうということで話し合いを始めております。
それから、C−TPATの国際連携あるいはシングル・ウィンドウの構築、更には通関システムの構築。それから、国際物流インフラの機能強化と官民一体となった物流インフラのボトルネックの抽出と解決を今後行っていく、こういうことでございます。
本計画につきましては、既にASEAN側にも提示をしておりまして、ASEAN側も是非この協力を受けてやっていきたいという形になっております。関係省庁で詰めた上、今年の6月ごろに中間的なとりまとめ、フォローアップを更にして進めていきたいと思っております。
以上でございます。
○杉山座長 ありがとうございました。それでは、国土交通省からお願いいたします。
○平山政策統括官 資料5に基づいて御説明をさせていただきます。1枚紙でございます。
今、青山局長あるいは松井審議官からお話がございましたように、この3省庁、貿易関係あるいは物流関係の手続については密接な関連をしながら話を進めておりまして、そういう意味で、今、お二方から御説明があった部分については省略をさせていただきます。
特に補佐官の方から地方港湾、いわゆる港湾の手続の話で、ばらばらみたいなものを地方の問題ではなく、国の問題として当然扱うべきだというお話は、そのとおりでございまして、その辺を中心に御説明させていただきたいと思います。
まず、最初に様式の統一化、手続の一本化の話でございますが、現在も入出港に必須の手続、いわゆる入出港届とか、係留施設を使うとか、このような申請については、統一の様式化ができておりまして、また、港湾もEDI化、いわゆる電子申請対応が平成17年11月に完成をしております。
これは、今、先ほど関税局長のお話のポンチ絵にもございましたが、それが今のところ1つのポータルでできていないという問題がありまして、それが平成20年10月に府省共通ポータルという形で、1つのポータルサイトに接続すれば、いわゆる必須手続については統一化され、そこでシングル・ウィンドウ化ができるということで、それに向かいまして、各省庁積極的に進めております。
実は、利用者の観点から見ますと、これが統一化されたら、すべてそこで終わるというのが一番理想なわけでございますが、実は、先ほど補佐官からのお話にもございましたが、主要港において、かなり早い段階から実は電子化とか、いろんな手続化が進んでいるところがございまして、それぞれ独自のものを持っている部分がございます。
下にございますが、例えばタグボートの使用願いとか、荷役機械の申請とか、いわゆる必須ではないけれども、実際に業務をやろうとすると必要な業務というのがあるわけでございますが、こういう部分について、それぞれ独自の港が発展してきたという経緯もございまして、必ずしも統一されていない。そこが利用者の方からごらんいただきますと、シングル・ウィンドウ化と言いながら、それ以外の部分のどうしてもまたアクセスをしなければいけない。これはシングル・ウィンドウ化になっていないのではないかという御指摘を受けておりまして、御批判も受けている。そこをどうするかということが、これからの大きな課題でございます。
そこに向かいまして、現在、統一モデル様式の策定というのを進めております。すべての港がそれでできるかどうかというよりは、まずは業務の効率化の観点から主要港だと思っております。主要港におきます、いわゆる入出港や荷役に関する手続で、必要なものについて統一モデルというものを国の方で作成をしたい。今、この作業がかなり進んでおります。これを主要な港湾管理者には、それを採用していただく。それがある程度統一できた段階で、実はこの上にありますシングル・ウィンドウ、府省共通ポータルのところを取り込んでしまって、本当に窓口ですべてできるようにしたい。
ただ、港湾というのは、いろいろ過去の経緯もございまして、地方港湾もいろいろございます。いろいろ渡っていく港もあれば、そこだけ専用にやっているものを扱っている港もございますので、すべての地方港湾をこれで統一した方がいいのかどうかという議論は、まだ必ずしも詰まっておりません。少なくとも、国際競争力強化とか、日本の貿易とか、いろんな物流に役立つ部分については、統一化をし、上のシングル・ウィンドウの中に取り込んでいくという方向で、国の方も積極的に作業を進めたいと思っておりまして、まだ、いろいろと詰めていかなければいけない問題がありますが、そこは乗り越えて、積極的にできるだけ早い段階でウィンドウ化の中に取り込んでいくという方向で頑張りたいと思っております。
そういう意味では、利用者の方々から、こういう部分を取り込んでほしい、こういうことをやってほしいというのは、是非私たちの方にも寄せていただきまして、できるだけ頻繁な意見交換をしながら、地方公共団体、港湾管理者も入れた形で積極的に進めたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○杉山座長 どうもありがとうございました。それでは、関係の3省からのお話を伺いましたので、続きまして、民間委員の方々から御発言をお願いいたします。
まず、渡委員にお願いできますでしょうか。
○渡副会長 日本経団連副会長の渡でございます。よろしくお願い申し上げます。
まずは、このたび、安倍内閣が掲げるアジア・ゲートウェイ構想の実現に向け、根本補佐官が、戦略会議のテーマとして、物流に関する問題を取り上げていただきましたことを、心より感謝申し上げます。
経団連では、昨年11月、貿易諸制度の抜本的改革を求める提言を取りまとめ、政府に要望してまいりました。このたび、こうした検討会を設置していただいたことは、まさに時宜を得たことであり、重ねて厚く御礼申し上げます。
経団連の提言は、お手元の資料の通り、大きく4つの項目について述べておりますが、本日は、時間の都合もありますので、経済界の問題意識と要望について、ポイントのみお話し申し上げたいと思います。
根本補佐官からご説明がありましたが、検討項目として取り上げられております、日本版C−TPATの構築や次世代シングルウィンドウ・システムの見直しにつきましては、省庁間の縦割りがいかに解消されるかが最大の課題であると考えます。
このうち、日本版C−TPATにつきましては、青山局長から、財務省が中心となって制度を構築するとのお話がありました。私どもは、大変心強く感じており、是非とも財務省が責任をもって、国交省、経産省とも十分連携を取りつつ、制度構築にあたっていただきたいと存じます。
また、具体的な制度設計にあたっては、ユーザーたる民間企業の要望を取り入れていただきたいと思いますが、特に、現在、省庁毎に定められているコンプライアンス・プログラムの統一が肝要であります。私どもは、コンプライアンス・プログラムの統一が、日本版C−TPAT構築の大前提だと考えております。政府のリーダーシップにより、省庁間の連携を強化し、早期に、コンプライアンス・プログラムを統一していただきたく御要請申し上げます。
また、来年10月に完成する次世代シングル・ウィンドウですが、これにつきましても私ども経済界は大変大きな期待をしております。
これにより、真のワンストップサービスが実現するということでありますが、そのためには、関係省庁が、申請に必要な情報や入力項目を整理することが必要です。
また、港湾管理者ごとに異なっている届出書式を統一、電子化し、その上で、港湾管理者が府省共通ポータルに参加することも不可欠であります。
こうした点が解決されない限り、真のワンストップサービスの実現は不可能であります。解決に向けた政府のご尽力を、強く御要請申し上げます。
11月に取り纏めました経団連提言では、日本版C-TPATとシングル・ウィンドウの2項目のほかに、原産地証明と港湾行政の2項目についても要望しております。
残念ながら、原産地証明につきましては、今回の検討項目としては取り上げられておりません。また、昨年12月22日に、経産省、国交省主催の国際物流競争力パートナーシップ会議が開催され、行動計画が取り纏められましたが、その中でも、原産地証明の問題については触れられておりませんでした。
港湾行政につきましては、先ほど根本補佐官から御説明いただいた検討項目には入っておりましたが、国際物流競争力パートナーシップ会議では、スーパー中枢港湾プロジェクトとして一部施策が触れられているだけであり、ポートオーソリティの実現や、届出書式の統一、ペーパーレス化等につきましては、盛り込まれておりませんでした。
こうしたことから、経済界といたしましては、貿易諸制度改革の早期実現という観点から、大変危機感を抱いており、この検討会におきましては、是非、原産地証明制度につきましても検討テーマに加えていただき、港湾行政における抜本的な改革とともに、ご検討いただきたいと考えております。
原産地証明と港湾行政の問題につきまして、簡単に申し上げます。
まず原産地証明につきましては、各国とのEPA、FTAの締結が進んでいく中、企業にとっての喫緊の課題は、原産地証明制度の簡素化であります。現行制度の詳細説明は割愛いたしますが、せっかくEPA、FTAを締結したにも拘わらず、特恵関税を利用しない方が得だというような意見もあるやに聞いております。
日本では、原産地証明書がいつ取得できるか見通しにくく、また諸外国に比べ発給手数料が高いと指摘されております。国際競争力強化の観点から、自己証明を導入する等の工夫も必要かと思います。是非、本会議での検討の程よろしくお願い申し上げます。
2つ目の港湾行政については、先ほどの検討項目に盛り込まれておりましたが、やはり国際的に見ると、我が国の港湾のプレゼンスは、年々相対的に低下しております。その背景には、現在、港湾行政が地方自治体に委ねられていることから、国の通商戦略に沿った港湾行政が行われにくいという事情があるものと考えます。
我が国の主要港湾は、このままではコンテナ船が立ち寄らなくなる、いわゆる抜港の危機に瀕していると、私どもは危惧しております。
政府のリーダーシップにより、諸外国で導入されつつあるポートオーソリティなどの仕組みを活用しながら、港湾の広域連携を一層強化し、企業にとって使い勝手の良い、効率的な運営体制を実現していただきたいと考えております。
以上、日本版C−TPAT、次世代シングル・ウィンドウの実現、更には原産地証明制度の改革、港湾行政の改革等、経団連提言の4つの項目についてのポイントを申し上げましたが、我が国国際競争力強化の観点から、これらは喫緊の課題であり、早期に実現していただきたくお願い申し上げます。
私ども経済界としましては、日本政府の対応は、諸外国に比べて遅れていると申し上げざるを得ません。やはり、その原因は、冒頭申し上げたとおり、各省庁が縦割りの中、現行の貿易諸制度をパッチワーク的に改善するだけにとどまっていることにあると考えます。
しかし、それでは近年の国際社会の急激な変化には対応し切れません。関係省庁が一枚岩になって、制度の再構築に向けて、御尽力いただきたいと思います。
「アジア・ゲートウェイ構想の基本的考え方」に関する資料を拝見いたしますと、「各府省横断的な視点で検討し、官邸主導で優先順位を明確化し、機動的かつ戦略的に取り組む」とございます。是非とも、根本補佐官の強力なリーダーシップをお願い申し上げます。
なお、本検討会と、経産省、国交省主催の国際物流競争力パートナーシップ会議につきましては、内容が重複してくる部分があるかと思います。お互いに連携を取りながら、より大きな果実をつくっていくという点では、大変いいことだと思いますが、一つ間違うと、単に2つの列車が並走してしまうということにもなりかねません。
是非、大きな果実が生まれるよう、根本補佐官の御指導の程、よろしくお願い申し上げます。私は両方の会議に参加させていただいておりますが、そうした点にも注目させていただきたいと思います。
大変長くなりましたが、ありがとうございました。
○杉山座長 どうもありがとうございました。それでは、続きまして佐々木委員にお願い申し上げます。
○佐々木会長 日本貿易会の佐々木でございます。
アジア・ゲートウェイ戦略は、今後の日本にとって大変重要な戦略ですけれども、世の中というか、世界は急速に変化しておりまして、その動向に遅れることなく、具体的な政策にし、そしてアクションに移していくということが肝要ではないかと思います。
その中で、貿易関連手続等につきましても、スピード感を持った取組みが進むことを期待しております。
日本貿易会では、かねてより貿易関連手続の簡素化、効率化につきまして、日本経団連及び関係業界団体と協力いたしまして、提言を行ってまいりました。
したがいまして、ただいま渡副会長より御説明のありました日本経団連の提言の中には、私どもが申し上げてきたということは十分包括されておりますので、特に付け加えるということはございませんけれども、あえてせっかくの機会ですので、補足的に2〜3点申し上げたいと思います。
1つは、ちょっとお話の中に触れられておりましたけれども、原産地証明書のことでありますが、その料金とか、期間ということがございますけれども、一つ私の方から電子化について申し上げたいと思います。
原産地証明のような公的文書、これを電子化することによりまして、現在、民間側が推進しております貿易文書の電子化も、これは一層促進されるのではないかということで、国際物流の効率化も大きく進むのではないかと考えます。
また、FTA、EPAに伴う特恵原産地証明書につきましても、これはたしか商工会議所が発行しているのだと思いますけれども、商工会議所と関税局との間でシステム連携を含めたより密接な連携を進め、電子化の推進をお願いしたいと思います。
2つ目は、シングル・ウィンドウシステムですけれども、来年10月に稼働開始を予定しております我が国の次世代システムは利用者がワンストップで処理できる、先ほどお話しいただきましたけれども、真にシングル・ウィンドウとなるよう、是非そういうシステムになることを期待しております。
また、現在、ASEAN10か国で進められておりますASEANシングル・ウィンドウシステム等とのG to Gというのか、政府間レベルでのシステム連携を実現して、グローバルでオープンな我が国のイー・トレード・プラットフォームとすることを目指し、是非御尽力をいただきたいと思います。
最後に、取組み体制につきまして、これは渡副会長が触れられましたけれども、貿易物流の効率化、セキュリティー強化など、関連省庁にまたがっている機能をまとめ、一元的かつ一体的に検討できる体制が必要なことが日本貿易会として提言をしてまいりました。
先ほど各関係省庁からのお話を聞いておりまして、私は昨年12月の国際物流パートナーシップ会議以降、3省庁本当に連携をしていただいて、こういう形で進めるということで、具体的な行動計画も、今、お示しいただきました。皆様方の熱意も感じましたし、是非この連携を一層強め、それから根本補佐官のリーダーシップの下で、是非このすばらしい構想を実現していただきたいと思っております。
それと同時に、併せてこれも何回か強調していただきましたけれども、利用者の視点という利便性ということでございますけれども、その点も是非取り上げていただいて、言うなれば、方策を見出すために、このような官民協議会というのが持たれて、根本補佐官の下で、こういう会議が持たれたことを、私どもは喜んでおりますし、これが実のあるものにつながっていくことを期待しております。
私からは以上でございます。
○杉山座長 どうもありがとうございました。
それでは、八木様からお願いします。
○八木総合政策部会長 電子情報技術産業協会でございます。先ほどの経団連の渡副会長並びに貿易会の佐々木会長の御意見に強く賛同申し上げます。
当協会は、国際物流競争力パートナーシップ会議にも参加させていただいておりまして、貿易関係手続改善の取組みにつきましても、必要性につきまして主張させていただいてきました。
当協会は、御承知のようにコンピュータ、家電、部品、半導体等幅広いエリアをカバーする、数百社の会員からなっておりまして、非常にグローバルなサプライチェーンを構築してあります。非常に熾烈な競争になっておりまして、その競争に打ち勝つためには、やはりコスト削減、リードタイムの短縮は至上命題だと認識しております。企業業界の努力はさることながら、こういう検討会での討議を通じまして、セキュリティーを確保しつつ、かつ他国と比べて競争上不利に働くことのないような、そういった手続、あるいはインフラの改善、見直しにつきまして、是非とも官邸のリーダーシップの下、関係府省庁が協力して、是非強く進めていただきたいと思っております。
進めるに当たりましては、実際の具体的な方策につきまして、実施年度をなるべく明確にしていただいて、それで取り組んでいただければと思います。我々業界産業界も積極的に御意見を申し上げて、協力を申し上げたいと思いますので、是非ともよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
○杉山座長 ありがとうございました。それでは、あと中田代理、植村代理、名尾代理、森本代理、それぞれ何か御発言がございましたら、お願いを申し上げます。
どうぞ。
○植村常務理事 海運の立場から、ちょっとお願いしたいことがございまして、申し上げたいと思います。
既に経団連の渡副会長、それから佐々木様等から御発言がございましたけれども、1つ私どもは長年の課題が大きくこれで前進するのかなというふうに強い期待を寄せているということで、この動きというのは、大歓迎でございます。
全般的なお話は、既に御説明ございましたので、海運の立場から申し上げますと、私どもの方は港湾諸手続、これがかなり問題だというふうに考えております。
といいますのは、多くの行政機関というのが関与しておりまして、入出港管理手続と言えば、税関、港長、港湾管理者、入国管理国、検疫所というふうに多岐にわたっておりまして、それぞれが独自の法制度を持っているということで、さまざまな手続がこの事業者に課されているということがございます。
もう一つは、行政機関が総合の情報共有というのがなされていないといいますか、重複した手続というものが余儀なくされておりまして、2003年7月にシングル・ウィンドウシステムが導入されたということではありますが、ちょっと厳しい言い方をいたしますと、単にシステムを接続しただけだということで、諸手続、それから申請項目の見直しというものが図られていないということで、残念ながら利用者の利便性の向上ということで、今一つ足りないものがあるのかなという感じを持っております。
一方で、2005年のFAL条約の批准に伴いまして、入港関係書類、それから申請項目、これを大幅に削減されたということは多大に評価させていただいているところではございますが、条約の対象とはなっておりません地方自治体、港湾管理者、この手続がまだ存在しております。
このために、港湾管理者ごとに届出様式、書式というものが統一されていないということで、申請者が個別港湾ごとに異なる対応を取らざるを得なくなっているということでございまして、したがって、ペーパーレス化というものもいまいち進んでいない。紙での手続というものは残っているということで、せっかくの簡素化の効果も半減しているというのが実情ではないかと思っております。
2008年に、先ほど来御紹介ありますが、一本化した府省共通ポータルという貿易関係手続、これのワンストップサービスというものが稼働することになっておりまして、大きな期待というものを持っておりますけれども、すべての輸出入、港湾手続を統合した、本当のワンストップサービスの実現のために、地方自治体、それから港湾管理者の手続も含めたものとすることが大事かと思っております。
昨年11月の経団連さんの提言にも盛り込まれておりますけれども、やはり先ほど来、根本先生から御紹介ございましたように、強力なリーダーシップというものを発揮していただきまして、早急に届出書式の統一、それからペーパーレス化を図っていただきたいということをお願いしたいと思います。
基本的に、輸出入、それから港湾諸手続の簡素化というのは手段でございまして、決して目的ではないのではないか。我々が思っております本当の目的というのは、船、それから貨物のスムーズな流れの実現だということで、私ども海運業界は、いろんな港に立ち寄っておりまして、シンガポール、ホンコンといったほかの国々が本当に真剣に港というものを中心に自分とこの国を考えているということがございますので、是非我が国におきましても、その辺の非効率さというものを解消していっていただければというふうに思っています。
その結果、港というものが使い勝手がいいということになれば、指摘されておりますように、港湾の競争力というものが回復できるということと同時に、我が国産業にとっても非常に競争力が付いていく、そういうインフラというものになっていくのではないかということでございます。是非、一刻も早い改善をお願いしたいと思っております。
以上でございます。
○杉山座長 ありがとうございました。
どうぞ。
○中田理事長 日本物流団体連合会の中田でございます。私どもは、我が国の主要な物流企業、それから物流企業の団体、約100 社で構成されておりまして、陸上における道路輸送でございますとか、鉄道輸送、それから海運、港湾運送、それから航空輸送、更にはフォワーダーといった業界も加入しているところでございます。
そういう意味で、これまでいろいろ提案されてこられました御提言、それから私どもが参加いたしました昨年の国際物流競争力パートナーシップ会議の提言につきましては、勿論、すべての事項につきまして、早急に実現していただくことが理想なのでございますけれども、仮に実際問題として、それが困難な場合には、私たちにもわかるような明確で、かつ透明性の高い工程表をつくっていただきたいと思っております。
また、それが着実に実施していただくということが重要なのではないかというふうに考えております。
これを財務センターの物流事業者側の各種システムの構築に手戻りが生じますし、また、効率的な設備投資ができなくなるというおそれもございます。どうか、その点、よろしく御配慮のほどお願い申し上げます。
○杉山座長 ありがとうございました。ほかに御発言はございますか。
○名尾副会長 自動車工業会の名尾でございます。私どもも昨年来、国際物流競争力パートナーシップ会議に参加させていただきまして、3省の連携の下に、こういった検討課題への取組みが進んでいるということ、各省の御努力にまず敬意を表したいと思います
先ほど、経団連の渡副会長の方から詳細な意見の御開陳がございましたので、特に付け加えることはございませんが、資料2の検討項目で、先ほど根本補佐官がおっしゃられたことを注意深く聞いておりましたら、例えばC−TPATにつきましては、国際相互認証も視野に入れる。それから、コンプライアンス・プログラムの一元化も図る。港湾につきましては、深夜、早朝の活用も含むということ。その辺りが非常に重要な論点で、私どももそういった問題の解決を是非進めていきたいと期待をしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
ありがとうございました。
○杉山座長 ありがとうございました。どうぞ。
○森本専務理事 日本機械輸出組合の森本でございます。
私どもの機械輸出業界は、この問題に大変関心を持っておりまして、かねてからいろいろ御提言を申し上げておりますし、先ほど来、経団連の渡副会長あるいは貿易界の佐々木会長からお話のありましたことについて、基本的に認識を全く同じにしておるところでございます。
経団連の提言というのは、2006年11月に出されたことになっておりますが、実はその2年半ぐらい前に、同じような提言をいたしておるわけでございまして、私どもも参加をいたしましたけれども、勿論、政府御当局、いろいろ改善の御検討をしていただいたことは事実でございますけれども、やはり我々にとってみると、率直にいって不十分ではないかという印象を持っているわけであります。
やはり、制度なり手続というものについて、現行の制度というのを前提にして、その特例を認めるために、どういう要件を付加したらいいかというような形で議論が進められている結果として使いにくい制度になっているというのがあるのではないかという気がいたしております。
もう一つ、この物流については、メーカー、あるいは輸出入業者、フォワーダー、トレーダー、いろいろな関係者がサプライチェーンを構成いたしておるわけでございますけれども、そのそれぞれについて関係の省庁の方々の視点からだけしか検討していないということで、全体のサプライチェーンのセキュリティーなり効率性というものを見ていただいていないのではないかという懸念があるわけです。
先ほど、こういった問題についての政府の責任体制といいますか、推進体制が必ずしもはっきりしていないということを御指摘になられましたけれども、そういう問題が、やはりあるということでございます。
先ほど根本補佐官からの力強いお言葉をいただきましたけれども、やはり制度の根本をもう一回見直す、それから各省庁連携協力の下に、この検討をしていただきたいと思っているわけであります。
その点で、ちょっと2〜3付け加えて申し上げますと、輸出入通関制度につきましては、いろいろC−TPATといいますか、日本版のコンプライアンスを前提とした特例措置が導入されていますが、率直にいって、まだ使われていないということは事実だろうと思うのですけれども、やはり私どもは、経団連の提言にもありますように、輸出許可申請についての保税搬入原則というものが、本当に今でも必要なのだろうかということを含めて御議論をいただきたいと思います。
もう一つ、日本版C−TPATあるいはシングル・ウィンドウもそうなのですけれども、これは国際的な動きとものすごい関連があるわけで、アメリカの24時間ルールもそうですし、先ほど御説明がありましたEUも制度を導入するし、あるいはWCOでもトレードとファシリテーションとセキュリティーを両立させるためのいろいろなフレームワークをつくるというような動きがなされておるわけでございます。
そういった動きに対して、やはり日本側が必ずしも積極的な対応をしていないのではないかという懸念があるわけでございまして、是非ともそういう国際的な問題、その対応を視野に入れた日本版C−TPATの内容をつくっていただきたいと思っております。
あと、原産地証明につきましては、渡副会長からありましたように、ここで議論をしていただくのがいいのか、あるいは電子化も含めてこの場で議論をしていただくのがいいのかあると思いますが、この問題は、私どもも強い認識をしておりますので、検討を頭の中に入れていただければと思っております。
以上です。
○杉山座長 どうも、皆様、大変ありがとうございました。これですべて、いろいろ御意見を伺いましたので、普通の手順ですと、この後、質疑とか意見交換とかに入るべきところですけれども、予定しておりました時間からいいますと、既にそのために用意してあった時間が過ぎております。
もし、今日、この場で確認をしておいた方がよい、あるいはもう少し付け加えた方がよいということがおありになれば、お願い申し上げたいと思いますが、いかがでございましょうか。
よろしゅうございますか。
○杉山座長 それでは、時間の関係もございますので、その意味での意見交換というのは、残念ながら省略をさせていただくことといたします。
根本総理大臣補佐官から御発言をお願い申し上げたいと思います。
○根本内閣総理大臣補佐官 今日は、大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
少し時間の関係で、それぞれの省から、皆様からの御意見についての意見もお聞きしたかったわけでありますが、要は一方通行に会議にするつもりはありません。今日は時間がありませんので、今後の対応ということにしたいと思います。
全体のスケジュール感を申し上げますと、アジア・ゲートウェイ構想を5月までにまとめるというのが総理の指示であります。できれば3月中にもう一度この検討会を開催したいと思います。
今も色々な議論が出ました。ただいまの議論を踏まえて、次回に向けて、この検討会の下に専門チームを設けて、そこで徹底的に議論を深めたいと思います。
今日は、随分さまざまな意見、問題提起がありましたので、これは専門チームで議論を深めたいと思います。人選などは、別途相談をさせていただきたいと思います。
無論、この専門チームに議論を任せ切りにするということは考えておりません。今後の検討会で、大きな方向性について責任を持って専門チームで実務的な議論をする、そういう役割分担を進めたいと思います。
ですから、今日この検討会で出た意見は、ある程度の方向性が出ておりますので、今日の意見も踏まえて、事務的な議論を専門チームでしてもらって、それをフィードバックしようと考えております。
この検討会での検討課題は、私の方から3点お示しをさせていただきました。この提示した3点については、ただいまの議論を聞かせていただいても、特に重要性が高いという認識が共有されたと理解いたしました。
これに加えまして、先ほどの原産地証明などの問題もありましたが、幾つかの問題も指摘されておりますので、問題の所在を明らかにしていただいて、どこに問題があるのか。例えば原産地証明なども含めて、重要な問題であれば、例えば大きな方向性だけでも、この場で示せないか、これは座長と相談させていただきたいと思います。
最後に、委員の皆様へのお願いでありますが、今日来ていただいた3省には利用者の立場に立って検討に参加していただきたいと思います。産業界もこれまでの政府の取組み、これは一定の評価はしていただいていると私は思いました。
今後も、それぞれの省庁につきましては、今後受け身ではなくて、何ができるか、積極的、主体的に提案していただきたいと思います。
1点だけ、今、聞いていて、個別の話で言えば、港湾について随分議論が出ましたけれども、自治体だからということで、国土交通省が、それは自治体の問題ですよというのではなくて、実は私は日本全体を考えた港湾政策を点検する必要があるのではないかと、これは個人的な意見です。
それから、港湾についても、例えば港湾管理者あるいは自治体が参加されて、国土交通省で連絡会議的なものをやると思うのです。
そういう場でも、是非今日出たような議論もヒアリングをしていただいて、そして、全体の政策をまとめられていくという視点に立って、是非御検討をいただきたいと思います。
それから、民間委員の方には、今日は極めて貴重な御意見をいただきました。是非今日のような必要な情報提供をお願いしたいと思います。
役所の方も官僚の皆さんは、大変政策熱心で真面目ですから、よりよい制度にしたいというのは、どこの省も持っていると思うのです。やはり実態がきちんとわからないで制度変更するというのは、なかなか難しいものですから、ここは今日も具体的な問題提起をしてありましたけれども、その提言を裏づけるような問題事例とか、企業の声とか、あるいは海外との比較、先ほどもシンガポールの話もありましたけれども、海外の先進事例などを集めていただいて、どんどん役所にぶつけてほしいと思います。
官邸主導という役割は、この貿易手続のように、各省庁にまたがるテーマ、これはなかなか3省庁集まってやれといっても、やはりリーダーシップを持って引っ張ってくれるところがないと、単なるホチキスになりますから、私はそこが問題なのだろうと思います。ですから、私の役割は、大変偉そうでありますが、ホチキスではなくて、具体的にここで議論をして、制度を前に進めていく、付加価値を付けていく、そういうことだと思いますので、総理補佐官として責任を持ってこの問題に全力で取り組みたいと思いますので、是非御協力をお願いいたします。
○杉山座長 ありがとうございました。大変すばらしい御発言だと思いますので、我々も頑張りたいと思います。
特に、今のお考えで、これで進めるということでよろしゅうございましょうか。
○杉山座長 それでは、これで本日の会議は終了させていただきます。
次回のスケジュール等につきましては、事務局からまた御相談をさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。