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アジア・ゲートウェイ戦略会議(第6回)
議 事 要 旨


日 時:平成19年3月22日(木)15:00〜16:30
場 所:官邸南会議室(3階)
出席者: 安倍内閣総理大臣、根本内閣総理大臣補佐官、伊藤委員(座長)、氏家委員、白石委員、中北委員(座長代理)、深川委員、宮田委員、浜野保樹東京大学教授


○根本内閣総理大臣補佐官 それでは、時間もまいりましたので、ただいまから第6回アジア・ゲートウェイ戦略会議を開会いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙のところ御出席を賜り、本当にありがとうございます。
 出席状況ですが、本日は中村委員が御欠席です。また、本日はゲストスピーカーとして浜野東京大学教授に御出席をいただいております。
 それでは、これからの議事進行は伊藤座長にお願いいたします。

○伊藤座長 それでは、議事次第2の「アジアの活力を取り込む地域戦略について」に入ります。最初に、根本補佐官より御説明をお願いいたします。

○根本内閣総理大臣補佐官 それでは、アジアの活力を取り込む地域戦略につきまして、私の方から御説明をさせていただきます。
 資料1と資料2をごらんいただきたいと思います。資料1「アジアの活力を取り込む地域戦略」を基本に説明させていただいて、資料2は図解として使用させていただきたいと思います。
 2つ目が交流人口の拡大。訪日外国人の7割はアジアから、韓国、中国、台湾で約6割を占めております。アジアとの交流人口拡大が今後の地域活性化の鍵になるだろうと思います。これは資料2の3枚目、4枚目のとおりであります
 欧州では、航空規制緩和や低価格航空会社の出現で国際交流が盛んになっておりまして、アジアでも同様の交流拡大が望まれます。資料2の5枚目、6枚目のとおりであります。
 「2.基本的視点」は3点ございます。1つは、地域の広域的な連携を高めて、地域の自主的・自立的な取り組みを促進することが重要だと思います。
 2点目、地域の視線を東京からアジアに転換することが重要だと思います。姉妹都市交流や地域の経済界が主体となった国際交流など、アジアと世界との直接交流を深めることが重要だと思います。
 3点目は、地域の知恵と工夫で国際競争力のある魅力的な地域、地域ブランドづくりが重要だと思います。地場産品やビジットジャパンキャンペーンの取り組みと連動した地域資源を生かし、個性豊かな取り組みを進め、地域の魅力を強く海外に発信すべきだと思います。
 「3.政策の基本的方向」。具体的な政策としては、4点掲げさせていただきました。
 1つは、これは仮称でありますが、アジア・ゲートウェイ特区を活用して、貿易手続の効率化・簡素化、高度人材の受入れ促進など、アジアとの交流拡大を図る地域の斬新な取り組みを重点的に支援してはどうか。これは資料2の1枚目の左上のとおりであります。
 2点目は、地域主導の国際交流を促進するため、地域支援の再建・発信、その他地域活性化に貢献できる多様な分野の大学、NPO、企業等とありますが、多様な分野の人材の育成ネットワーク化に対する支援を強化し、地域活動を活性化する必要があるのではないか。資料2の1枚目の右上に掲げさせていただいております。
 3点目は、資料2の1枚目の左下になりますが、農産品の輸出促進、地域ブランドの構築など、各省の支援制度やモデル調査事業というものを活用して、地域の知恵と工夫を生かした個性的・先導的な取り組みを支援すべきではないか。
 4点目が、資料2の1枚目の右下になりますが、広域的な地域連携によりまして、地方の自主性・裁量性が高い民間プロジェクトと連携した交通情報通信などの基盤整備を支援する、また、ソフト事業など、ソフト・ハード一体となった総合的な取り組みについても支援してはどうかと思います。
 資料2の7枚目をごらんいただきたいと思います。今、4点説明させていただきましたが、具体的なイメージとして地域で取り組んでいる例、国際交流、地域交流を促すための地方空港の国際化、対日投資、多様な国際交流、観光振興、国際会議の誘致等々が相まって、アジアとの交流を通じて地域を活性化する活動が盛り上がる。今の4点の取り組みによって、現に今出てきておりますが、こういうものを大いに後押しするということで地域活性化を促すということが必要だと思います。
 地域とアジアの交流の活性化を進める上で、更にどのような視点が重要か、また、国としてどのような支援をしていくべきか、これは委員の皆様方の御意見を更にお伺いさせていただきたいと思います。

○伊藤座長 議論あるいは意見の交換は後でまとめてさせていただきたいと思いますので、続けて、議事次第3「日本の魅力の向上・発信について」に移ります。まず、最初に、根本補佐官の方から説明をお願いします。

○根本内閣総理大臣補佐官 それでは、日本の魅力の向上・発信の軸である日本文化産業戦略を中心に説明させていただきます。
 この日本の魅力の向上・発信関係では、資料3、資料4、資料5と3種類用意しております。詳細は資料3と資料4に書いてありますが、時間の制約もありますので、資料5に従って説明をさせていただきたいと思います。
 我が国は、世界に誇り得る美しい自然に恵まれた長い歴史、文化、伝統を持つ国です。アジア・ゲートウェイ構想では魅力があり、信頼され、尊敬される美しい国をつくることが目的の一つになっております。
 日本文化産業戦略を考える基本的視点としては3つ挙げております。1つ目としては、日本人自身が日本の魅力の再認識・再評価をする。2つ目は、文化産業は経済的利益、外交上の利益にも直結する。3点目は、文化産業の背景にある我が国の価値観を世界に発進する。
 現状どうなっているかという現状認識でありますが、まず、世界各国がソフトパワーの獲得に向けて戦略的に取り組みを展開しております。日本のアニメや漫画などのポップカルチャーは世界で高く評価されております。その一方で、幅広い産業次元では日本は今まで「いいものを安く」で成功してきたために、感性をビジネスに展開しにくい風土が存在しているのではないかと思います。また、日本はライフスタイルそのものまで含めて文化資源大国であり、資源の発掘から活用まで戦略的な対応が必要だと思います。デジタル化への対応も鍵になると思います。
 政策の基本的方向としては、日本の魅力を再認識・再評価し、それを世界に発信する。それと同時に、文化産業を支える基盤を強化する。
 このような認識のもとに具体的な政策課題を提示しておりますが、主なものだけ説明させていただきたいと思います。
 例えば、私も先日訪れましたが、文化庁メディア芸術祭、今日は運営委員を務められた浜野教授にも来ていただいております。アニメや漫画などは日本で開花させてきたもので、世界の多くの人々がメディア芸術祭に出品し、評価されたいと思っております。メディア芸術祭のように、日本に独自の評価の枠組みがありますと、海外の人々が魅了されて集まってくるということになりますので、このような日本独自の評価を確立し、発信することが必要だと思います。これを海外に提示するために、日本文化の普及・啓蒙に尽くした外国人あるいは海外の人々があこがれる日本のクリエーターを総理が表彰・顕彰する制度を構築してはいかがかと思っております。
 また、海外の人々がリアルな日本を感じ、好きになってもらう日本の魅力の体感スペースとして、海外に仮称でございますがジャパン・クリエイティブ・センターを設立し、海外での発信基盤の整備を推進したらどうか。実はシンガポールの首相が来られましたが、シンガポールの方で日本文化センターの建物を提供しますので、これを是非日本で使ってくださいという提言を受けております。新しい付加価値をつけたジャパン・クリエイティブ・センターをつくったらどうか、そうしたものを通じて海外での発信基盤の整備を推進したいと思います。
 そのほか、海外展開を視野に入れた文化産業の競争力の強化や、文化産業の基盤整備が重要だと思います。
 日本文化産業戦略では、文化産業を総体的にとらえて基本的な考え方を提示し、各省の取り組みも踏まえて5月の取りまとめを目指したいと思います。文化産業戦略を重点的にやるための検討チーム的なものも考えていきたいと思います。
 資料3に戻っていただきたいと思います。資料3の2ページ以下の内容に文化産業戦略以外のものも含まれておりますが、一言だけ触れさせていただきたいと思います。まず、日本の魅力向上・発信のためには、伝統的なものから現代的なものまで、多様な文化芸術の振興が必要だと思います。また、「美しい国、日本」を支える各地域の文化財の保存・活用、あるいは国際文化交流などの事業が重要だと思います。
 「美しい国、日本」、クリエイティブ・ジャパンには、息の長い取り組みが必要でありますので、国としてどこに力点を置いていくべきか、御意見をちょうだいしたいと思います。
 以上で、私からの説明を終わらせていただきます。

○伊藤座長 では、一応資料3、資料4、資料5を御説明いただいたということで、今日はゲストスピーカーとして浜野東京大学教授に来ていただきましたので、自己紹介も兼ねて御発言をお願いしたいと思います。

○浜野教授 東京大学の浜野でございます。お時間をいただいてありがとうございます。
 大学以外にも、黒澤明文化振興財団の理事や三鷹の森ジブリ美術館の評議委員など、コンテンツをつくる仕事にかかわっています。制作と研究の両面で仕事をしていますので、私論を述べさせていただきたいと思います。
 ハリウッドの映画人から、よく言われるのは、「ヨーロッパには文化がある、アメリカには金がある、日本には市場がある、これをゴールデントライアングルと言うのだ」と。つまり、アメリカがヨーロッパから買ってきて商品化したものを、日本は消費すればいいということです。残念ながら、そのとおりになっています。しかし、今、これほど日本の商品とか作品が海外の家庭に直接入っている時期はなくて、我々がきちんと評価軸を打ち出せる機会だと思います。
 文化というのは基本的にオリジナルの方に向かい、野球選手の野茂、イチロー、松坂などの選手はアメリカに行ってしまい、サッカー選手も同様で、映画人も最大の出世はハリウッドで仕事をするということになっています。
 例えば、ある国では、アメリカに行くこと、つまり国を捨てることが若者の出世であり、文化的アイデンティティを捨てたためにそうなっていて、評価軸をきちんと持って文化のアイデンティティを持たないと、そういうことになりかねないと思います。
 ヨーロッパのアートや商品はハイカルチャーとして育成し、高価な金持ちだけのものですが、世界から高く評価されている日本の表現や商品は、目利きの庶民が購って磨いてきたものです。その伝統が家電製品、車、漫画、アニメーション、和食、建築、そして三宅一生先生がおっしゃっている着物の現代版としてのファッションにつながっているのです。ただ日本のこういったすぐれた文化的な財を学んで、フランスは和食のテイストを入れてヌーベルクジーンを開発したり、漫画が物語の宝庫であるとわかった途端に、フランスの公的部門では「マンガ」ではなく、出自がわからない「バンド・デシネ」と呼ぶようにさせています。アメリカでも「漫画」と言わないで「ビジュアライズノベル」と言うようにして、表現のルーツは日本にないのだということを強調して、どんどん優れた点を取り込もうとしています。かつて浮世絵を基にして西洋絵画が印象派として再生できたように、揺籃システムとして利用されています。そういった中で、日本は自らの評価軸を持って、それを打ち出してゆかなければ、オリジナルが、使い捨てにされる可能性があります。
 日本はすぐ発信ということを言います。発信が大事なことは言うまでもありませんが、最終的に日本で活躍することが目的となるようなことを洗い出して、一点突破、全面展開することも同じように重要です。
 例えば、海外の漫画家志望者にとって日本で出版されることや、日本の漫画家の先生のお弟子さんになることが夢ですが、日本人の仕事を奪うということでビザが出ないのです。たくさんの希望者がいるのですが排除している。日本に行くことが目標であるにもかかわらず、それを阻む制度的な問題点がいっぱいあります。
 評価軸を海外に提示する手段として、日本はこういったものがすぐれているのだとポジティブに気付かせる点で、顕彰事業は有効だと思います。私が前から危惧しているのは、海外では公的部門から受けた勲章などをキャリアパスとして、履歴書に明記してステップアップしていくのに、日本は死ぬ直前にならないと勲章をあげない。そうなると、日本のために尽くしても何の意味もないと受け止められていることです。司馬遼太郎先生が大変評価していたアレックス・カーさんは、日本文化を守り、海外に知らせる努力をしてくださっていたのに、彼の発言に耳をかさなかったため、日本を厳しく批判される本を書いています。顕彰事業を海外ではうまく使っているのに、日本はそれが活用されていない。時機を外さず、活動について注目しているということを知らせるためにも顕彰することが大事だと思います。
 それから、作品そのものというよりも、日本の表現形式を使って表現してくれている人を顕彰し、わが国が何をすぐれた表現として見ているかを示していく必要があると思います。先ほど言ったように、浮世絵がフランスの印象派になってしまいましたし、また「漫画」と言わずに、別の言葉に置き換えて、あえてオリジナルを消そうとしていますが、オリジナルはどこなのだということを示すためにも、表現形式に力点を置いた顕彰事業も必要です。そういった顕彰事業をやっていくと、評価軸が明確になるのではないかと思います。
 もう一つは、海外で評価されている日本人への顕彰事業です。かつてビートルズが外貨を稼いだときに、イギリスのインテリとか貴族からは、何で長髪の不良に勲章をあげるのだという反対意見は出ましたが、女王陛下から勲章が与えられました。一方、ゲームでいえばビートルズに匹敵する宮本茂さんが莫大な外貨を稼いでも、国は無視したままです。その内にアメリカで「ゲームの殿堂」ができて、第1号に宮本茂が選ばれました。早く評価してくれた人に恩義を感じるものです。では、宮本茂は誰に恩義を感じるのでしょうか。そういったことがないようにしていただきたいと思います。
 そういったことを体系的に長期的に考え、計画するために、文化戦略の機関が必要だと思います。イギリスでは『トレードマーク・ブリテン』という文化戦略を書いた報告書を基に文化戦略の委員会ができました。イギリスだけだとまずいからというので、ヨーロッパの文化戦略も同じ方が書いて立てました。勿論、フランスではコルベール以来300年の文化戦略を行っています。
 それと、私の専門なので少しだけ言わせていただきますと、コンテンツ産業というのは著作権で守られているのですが、著作権で守られていないものも守る手だてをしなければならないと思います。例えば、今日私が締めているネクタイはルーブル博物館で5年ほど前に買ったものです。金茶という地の色に家紋が振ってあります。何でこれがルーブル博物館のみやげものなのか。ネクタイになると商品として、なんらかの保護対象になっているのでしょうが、もとも金茶の色合いとか家紋はそうではありません。きっと日本の若い人たちは「おー、やっぱりフランスだから格好いいね」で終わってしまうと思うのです。こういった著作権で守られない服とか食べ物は毎日のことなので、それらもコンテンツ産業と同等に扱うような戦略を立てていかなければならないと思っています。
 フランスとアメリカは文化戦略として自由平等の理念とか民主主義という否定しがたい理念をコンテンツに乗せて普及させました。21世紀の日本の責務として、日本がつちかった環境との共生や、循環型の和の生き方といったものが日本の商品とかコンテンツに乗っているので、それらとともに文化戦略を立てる。和と言うと古くさいと誤解を受けるのですが、和というのは「足す」という意味もあって、海外に常に開かれているということとか、ハーモニーという意味もあります。和と言うと日本だけとか、後ろ向きだと誤解されて、閉鎖的な概念と思われがちですが、大量生産、大量消費、大量廃棄の循環を断つ和の生活様式は最先端の生き方であり、海外に伝えていくことも日本の責務だと思っております。
 以上です。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、2つの大きなテーマ、地域戦略と日本の魅力の向上・発信について御説明いただいたわけですが、あとは委員の皆様から少し御意見をいただきたいと思います。
 宮田先生、いかがですか。

○宮田委員 浜野先生ありがとうございます。思っていたことをスラスラとおっしゃっていただいて、私も私なりの表現の仕方で、ものづくりではなし得なかったこと、特に、宮本茂さんのお話などは私も前々から思っていたことで、同じくビートルズのお話にしてもそうです。それから、和については本当にそのとおりだと思っております。日本の言葉、文字は大変大きな意味を持っておりますので、26日の卒業式に私は一文字を書いて感動させる言葉を伝えたいと思います。そういう意味では、まさしく文化発信が基本的には財産にもなり、かつ、それがステータス、アイデンティティにもなり、生きているという喜びにもなるということですね。

○伊藤座長 白石先生、どうぞ。

○白石委員 文化産業戦略のところを少し述べさせていただきたいと思います。
 先ほど浜野先生が言われたことで、第1点なのですけれども、実は私も特に東南アジアなどの若い人と会うとよく言われるのが、本当に漫画だとかゲームを学びたいということです。そのために日本に行きたいと言うと、奨学金もなければビザも取れないという問題があって、是非日本語の集中コースと組み合わせたようなインターンシップ、言ってみれば徒弟奉公ですけれども、そういうものを外国人政策の一環として是非組み入れていただきたい。
 それから、2番目。実はこれも浜野先生が既に触れられましたけれども、日本の文化交流事業というのはどうしても今のところ伝統文化の方に寄っておりますが、私は伝統文化をやめろとは申しませんけれども、伝統文化と文化産業の両方にきちんとバランスを置いた文化交流事業ということを是非やっていただきたい。
 それから、3点目に、ジャパン・クリエイティブ・センターというのは非常に結構だと思います。特に、シンガポールのようなところでは非常に有効だと思いますが、同時に国費だけを使ってやりますと、どうしても資源に制約がございますのであまり作れない。むしろ、例えば中国が今、孔子学院でやっていること、あれは言ってみればフランチャイズと同じなのですね。つまり、中国語で教育しますと手を挙げると、そこに先生を派遣する。同じようなことで、例えば、日本のコンピュータのゲームをつくるようなコースをどこかの大学で立ち上げると、日本のスターが例えば2日とか3日だけでもそこに行って講義するとか、あるいは漫画のコースをつくると、そこに日本で本当に名の売れた先生がちょっと行って話をするとか、そういう一種のクリエイティブアーティストを日本が派遣する。けれども、お金もエネルギーも基本的には向こうにやってもらう。現に需要があるわけですから、私は国によっては十分できると思うのです。ですから、そういう意味でクリエイティブ・センターと同時に、フランチャイズ方式のクリエイティブアーティストの派遣みたいな事業を是非考えていただきたいという3点を申し上げます。

○伊藤座長 派遣というのは要するに、情報の発信だけだとバーチャルだけですけれども、プラス人間の発信もすると。

○白石委員 そうです。人が行って、例えばサインする。これはすごく大事だとも思います。

○宮田委員 以前に私も提案させていただいた中に書いてあることは、まさしく白石委員がおっしゃったこと、それから、浜野先生がおっしゃったことも全部集約されているものだと思います。特に人材育成ですね。その部分で肝心な部分というのは、例えば、さっきのお話でも日本に来ることに対して、どうしてもハードルがあるということも含めて、教育関係の部分での充実が非常に急務であると思います。そうすると、今のようなばかな話が全部払拭されるという感じがします。浜野先生がご紹介した「トライアングル」なんてとんでもない話ですね。
 漫画、アニメもそうですけれども、もう少し国力として上に持っていきたいなという感じがしております。決して雁行陣で行くわけではなくて、一体となって持っていくのは大変いいことではないかという気がしております。

○伊藤座長 ほかにどうぞ。

○宮田委員 今の話は、安倍総理にはできれば「美しい日本」と言い切るのではなくて、「美しいアジアと日本」というぐらいの大きな部分で持っていただけたら心強いかななんて思ったのですが。

○伊藤座長 是非後で、総理がいらしたときに発言してください。
 ほかにどうぞ。地域の案件も含めて。

○白石委員 では、地域の方について。実はもう随分前ですけれども、大阪市が同じような検討をやりまして、そのときに私が申し上げたことをまたここでも申し上げます。要するに、特に中国だとか東南アジアから来た人というのは買い物がしたいのですね。ともかくやたらとお金を持っていて使うのです。けれども、彼らは食事をした後にもう一遍買い物をしたいのです。ところが、そうすると日本ではもう店は閉まっている。ホテルは意外と安いところで、そんな便利なところにはないですから、例えば夜中まで遊んでいると電車がなくなってタクシーを使う、これは嫌だとか。だから、2つ申し上げたいのです。要するに、夕食の後買い物ができるようにする。それから、夜中でもちゃんと電車がある、この2つは実は小さいようですごく大事なポイントなので是非申し上げたい。
 もう一つは、実は外国人政策一般の問題として、入国管理から医療サービス、教育まで体系的なシステムが現在日本にはあるとは思いません。入管は入管でやっていますし、警察は警察でやっているし、文科省は文科省でやっている。ですから、その意味で、是非アジア・ゲートウェイ特区で、こういう一貫した外国人政策を是非実験していただきたいというのが、もう一点私が申し上げたいことでございます。

○伊藤座長 我々のところでも、ものについてはありますが、是非人についても今言われたような実験で一貫してやると面白いことになるかもしれませんね。
 どちらの論点でも結構ですから、どうぞ。

○宮田委員 先ほど、印象派のお話をしましたが、日本で印象派の展覧会をやると必ず成功するのです。なぜかというと、DNAとして日本人の中に完全に入っているからなのです。モネのハスが何できれいかというと、モネが描いたからじゃないのです。あの中に日本の命が入っているからです。これは大変面白いことなのですね。ですから、皆さん必ずそういう感じで描いておりますし、それがわかるからなのです。芸術というのは難しくなくて、ちゃんとそのDNAがあるということです。そうすると、美しいというのがよりわかるというのがあるのですね。
 それから、アール・ヌーヴォーという大変一斉を風靡したものがありますけれども、あれはほとんどすべてが日本の線です。線というのは一つの物語をつくります。その線の流れというのは、すべて日本の中から伝わってきておりますので、何しろ皆さん自信を持っていただきたいと思います。誇りを持っていただきたいということをとても感じております。

○伊藤座長 浜野さんがおっしゃった顕彰制度は、この中でも大事な柱になっておりますが、もし何かほかの委員の方でそれについてのコメントがあったらお願いします。

○中北座長代理 芸術よりもう少し広い、以前の産業博物館の関連なのですけれども、観光価値と言ったとき、実際にはポテンシャルにはもう少し普通に思われているより広いのではないかと思うのですね。特に、東南アジアや中国から来ている方というのは、いわゆる狭い意味の観光というより、中部圏だと浜松とか豊田とか、実際に名古屋には産業博物館が集中しているのですが、国づくりをしている過程で、兄貴分である日本がどういうステップを踏んできて、どういう功績を残したかを見ていくというものも、買い物と並んで結構旅行のプランの中に入れています。そのウエートが高まっていると聞くのです。そんなふうに考えてみますと、先ほど自信を持ってとおっしゃったのですがそのとおりで、明治以降も少しカテゴリーを広げて、それらもひと続きにしていきますと、またそこで引っ掛かってくる要素が増えるということだと思います。
 それは同時に何を意味するかというと、民の協力というのがやはり非常に大きいのではないかと思うのです。産業博物館の多くというのは、老舗の企業が自費でやっておられるところが多いと思うのですけれども、今は無料で奉仕してやっている。しかし人件費も高いということで、せっかくつくったものをつぶすという流れになってきている。ですから、思い切って適当な料金を取って、多少付加価値の高い、いい内容のコースを設定するというのは、本来それは受けるのだと思うのですが、実際には定款の改正とか、自治体のサイドで言うと、条例の問題等があって、結構調整コストが掛かると聞いています。
 申し上げたいことは、要するに、役所1つだけの役割ではなくて、やはり民の方も関係者もNGOも含めて問題意識を持って、トップの意識を高めていって、コミュニティ全体が対応していく、価値を再評価していくという循環が重要ではないかと思います。もっと言うと、補助金をつけるという時代ではほとんどなくなってきて、それも重要ですけれども、むしろ、そういう縁の下の力持ちを支援していくという意味で、先ほど総理の表彰というのが出ました。そういったことは躊躇せず、どんどん功績を評価していくということは重要ではないかと思います。

○根本内閣総理大臣補佐官 顕彰制度とかは、総理が来られますから、そのときにまた。非常に関心を持っておられます。
 また、構造改革特区の話も先ほど出ましたが、確かに今、港湾・航空の物流は検討チームを使ってやっていますけれども、確かに人の問題は在留資格とか、これは構造改革特区がいいのかなと思います。今まで構造改革特区というのは手挙げ方式できたのですが、今回は少し方向性を示して、アジア・ゲートウェイ特区ということで手を挙げて考えたらいかがですかと。むしろ、こちらから方向性を示して手を挙げさせるということでやると提案が出てくるのではないかと思います。白石先生のお話も、このアジア・ゲートウェイ特区で出てくる話なのだと思います。
 それから、地域の問題は、これからもいろいろ材料を集めて、こういうふうに成功事例があるというものを出してあげないと、どこで景気が回復しているのだという話ばかりになりますから、ここは少し地域で活力をしっかりとアピールしたらどうかと思います。

○伊藤座長 今日、午前中に私が理事長をやっている研究で、委託と助成の違いを議論したのですけれども、やはり特区も今おっしゃったように何かやりなさいと。そうしたら助成するではなくて、こういう特区で実験をやってみたらどうか。特に、アジア・ゲートウェイ絡みで。しかも、この中で出ているような人の話などもいいと思うのですけれども、さらに具体的なイメージみたいなものが出てくると、それはそれで非常にいいのかなと。特に、今のままだと多分アジア・ゲートウェイ特区と言われても、では、何があるのかというイメージが非常に沸きにくいと思うので、こちらの方から出していただくと。補佐官のおっしゃるとおりだと思います。

○根本内閣総理大臣補佐官 例えば、ここで港湾のイメージを出したのですが、北九州市が手を挙げてやっていますけれども、少し具体的なイメージを出して手を挙げさせると。
 それから、アジア・ゲートウェイ戦略がだんだん浸透してきたものですから、いろいろ地方の取り組みで、例えば、最近も韓国から日本の自治制度を学びたいという人たちをNPOを使って受け入れたいとかそんな話もありましたし、芽がだんだん出てくるのだろうと思っています。地域は本当にさまざまな資源の宝庫ですから、ここを少し誘導していってはどうかと思います。

○伊藤座長 浜野さん、また総理が来たときに顕彰制度のことをお願いします。

○浜野教授 補足ですが、今度フランスの大統領候補になっているロワイヤルさんは、日本のアニメーションを批判する本を執筆して有名になりました。題名は、テレビをバチバチとザッパーする赤ちゃんはもううんざりという意味です。フランスのハイカルチャーから見たら日本のアニメーションを批判するのは、フランスの国益を考える政治家として当然のことをしていると思いますが、翻って日本の政治家の先生方はどうなのでしょうか。

○宮田委員 侵略されてしまっているということをものすごく、私たち以上にアメリカもそうですし、ヨーロッパの人たちはアニメにしても、漫画にしても怖がっているんですよね。それが意外と日本の人たちは気がついていないというのがありますね。

○伊藤座長 地域戦略について中村委員の方からありますが、これはどうしましょうか。

○根本内閣総理大臣補佐官 これは私も見させていただきました。中村委員の意見も取り組ませていただきたいと思っております。
 あと、中村委員の意見で法人関係二税、これは経済界の皆さんからはよく話が出てまいります。
 それから、観光立国の実現では、中村委員が御紹介いただいているのは北海道の倶知安町で、オーストラリアの方が倶知安町に来て、今は観光客が多分町の人口と同じぐらいなのだと思うのですが、7,700人に達して25倍になった。これはオーストラリアの資本も入って、不動産、飲食業まで、対日直接投資の成功例みたいなものです。これは非常にいい例だと思います。
 それから、石川県の和倉温泉も台湾の観光客がリピーターで定着していて、非常に宿泊のノウハウ、きめ細かい宿泊対応サービスをやっていただいているものですから、台湾の客が非常増えている。こういうことも実は、地方の空港が今直接アジアと結びついている。倶知安町はオーストラリアですけれども、今まで国際空港というと成田、関空、中部だと思っていましたが、国際空港の多極化が始まっているのではないか。これで地域の活性化が非常に進んでおりまして、その具体的な事例を中村委員からは、なぜ成功したかという秘訣も交えて御提言をいただいているということだと思います。

○伊藤座長 観光カリスマというのは国土交通省でしたか。

○根本内閣総理大臣補佐官 内閣府で観光カリスマ百選というものをやっています。

○伊藤座長 あれは地方の人は結構皆さん意識しているのですよね。ですから、同じように、例えば、アジア・ゲートウェイ百選みたいなものを選んでやると、地域もそれを参考にしながらというような、先ほどの顕彰制度の話は個人だけではなくて、組織とかそういうものもあり得るのかなという気がします。

○根本内閣総理大臣補佐官 そうですね。観光カリスマ百選と言うと、非常に注目して活気が出てくるのです。

○宮田委員 基本は、活気を出させることと自信を持たせることですので、何かいろいろな方法というのが出てきていいのではないですか。

○根本内閣総理大臣補佐官 地域の活性化で日本の食文化とか、これは非常に農業が元気になるのです。深川先生、何かありましたら。

○深川委員 最近は、結構たくさん外国人が観光客で来るようになっているので、見ていると上級者、中級者、初級者みたいなものがあって、初級者の人は大体東京に行ってディズニーランドに行くとか、京都に行って奈良に行くのですけれども、中級者ぐらいになるとそこから一歩足を伸ばして温泉に行くとかになって、上級者になると割とその人の趣味に合った、スキーをしたい人は北海道に行く、ひたすらゴルフしたい人はどこかにまた行くと、どんどん分かれていくと思うのです。そういう感じで割と重層的になっているので、クールジャパンサイトみたいなものが1つあって、あらゆるレベルの人に対応するポータルサイトは1つがいいと思うのです。そこに全部情報が貼り付いていて、倶知安町は倶知安町のホームページとか、九州の温泉は温泉とかホームページは皆さんおつくりだと思うのですが、それがベタベタ張られていて、そこから簡単に選択できるようなものにすると、だんだん集積してきますし、それから、そういう産業をやっている人たちも、他がどういうことをやっているかが情報の共有化というものもできるので、そういうふうにしたらどうかと思います。

○伊藤座長 例えば、アジア・ゲートウェイサイトみたいなものつくるのはいいですよね。
 できるだけ皆さんに見てもらえるようなサイトをつくれば。しかも、つながっていくわけですからね。

○深川委員 そこからどんどんいろいろなところに多分入り込んで、勝手に探していくだろうと思います。

○伊藤座長 是非考えていただきたいと思います。

○伊藤座長 総理がそろそろいらっしゃる御予定でして、時間もありますから、次の議題4「アジア・ゲートウェイ構想の中間論点整理(案)について」に移りたいと思います。初めに、根本補佐官の方から。

○根本内閣総理大臣補佐官 それでは、中間論点整理の案につきまして説明させていただきます。戦略会議も精力的にやっていただきまして、皆様から活発な議論をいただきまして、本当にありがとうございます。
 お手元に、中間論点整理の案を提示させていただきました。なかなか大部なものですから2ページ目で「最重要課題10」と、政策の優先順位をはっきりさせて、具体的で実効性のある提言を取りまとめると。これが戦略会議の基本方針ですから、こういう観点から基本的な優先課題を最重要課題10として抽出させていただきました。
 実は、中には山ほど政策課題があるわけでありますが、この中から厳選した言わば特別強化選手がこの10本の柱ということで、選択と集中の観点で、この10本柱を骨太の政策に力強く育てていくことに力を入れたいと思います。
 8ページ目以降に「重点7分野の論点整理」ということで、重点7分野ごとに10本柱に入れなかったものの、重要なものばかりで整理をさせていただいております。7つの重点分野ごとに課題を整理しておりますが、8ページ目以降の説明は省略させていただきます。どこまで深掘りできるかということになりますけれども、最終取りまとめではこれらも含めてどういう方向性を目指すか、メッセージを出していきたいと思います。
 最重点課題10を重点的に説明させていただきたいと思います。資料7が1枚紙でありますが、資料7で最重点課題10のポイントを御説明させていただきたいと思います。大きなねらい、考え方別に10本の柱を再生利用いたしました。
 1つ目の箱でありますが「アジアとの交流のための『インフラ機能』の強化」というテーマで2点あります。アジア大交流時代の到来は大きなチャンスであります。しかし、交流のパイプが細くては活力を取り込もうにも取り込めませんし、我が国の国際交通インフラ、国際物流インフラは極めて脆弱でありますので、ボトルネックにならないように抜本的に強化する必要があると思います。
 1つ目の柱、アジア・オープンスカイに向けた航空政策の転換であります。オープンスカイという言葉については、アメリカ固有の自由化要求政策として、要は悪の代名詞のように言われております。ただ、利用者の利便性の向上や地域の活性化という観点からは、更なる航空の自由化自体は歓迎すべきことだろうと思います。世界で二国間、地域間の自由化が進展しておりまして、アメリカとEUの間で大西洋をまたぐオープンスカイ協定の交渉も合意に向けた最終段階にありますし、アジアでもASEANなど拡大中であります。例えば、アジアに対して関空など余力のある空港をオープンにする。その上で、航空会社の判断で機動的に増便できる環境をつくるという状況にしますと、我が国航空産業の競争力を図りつつ、アジアとウィンウィンの関係ができるのではないかと思います。関空あるいは中部国際空港の強化は、中村委員も指摘している重要な点だと思います。利用者の視点、地方活性化の視点、国全体の競争力強化の観点から、これまでの航空政策を大転換すべき時期だろうと思います。空港24時間化と併せて、何とか時間を置かずに先延ばしにしないという総理からの御指示もいただいておりますので、これは最重要課題だと思います。
 2つ目が、貿易手続改革プログラムの策定であります。インフラはつくることも大事でありますが、それ以上に使い方が重要だと思います。IT化の推進や不要な手続の見直し・簡素化によりまして、アジアの中で最も高いとされている時間とコストの問題を解決する必要があると思います。官民で今検討会を開催中で、5月までに工程表をつくりたいと思います。

(安倍内閣総理大臣入室)

○根本内閣総理大臣補佐官 それでは、説明を続けさせていただきます。
 2つ目の箱は「アジアや世界の人々を惹きつける『文化力』『知的創造力』の強化」という箱で、4本の柱立てにしております。いわゆるソフトパワーに関連する政策で、世界から日本に来たいと思われる国を目指したいと思います。
 そうした観点で、3つ目の柱は留学生政策。日本としてアジアの若者を育て、アジアのインキュベータになる。アジアのイノベーションを人材投資、教育面で支えて、日本を中心に高度人材ネットワークができ上がる、そういう国づくりを目指す必要があるのではないかと。留学生政策は、やはり国家的な戦略課題で、教育政策としてだけでとらえてはだめなのだろうと思います。戦後初めてそうした観点で留学生政策をとられたのは中曽根内閣で、当時昭和58年に留学生10万人計画、これは画期的でありましたが、来年で四半世紀が経ちます。とにかく数を増やせという時代ではないと思います。より多面的な議論が必要で、安倍内閣において骨太の国家戦略を策定すべきであると思います。
 4本目の世界に開かれた大学づくり。これは、政府内のさまざまなところで議論が盛んに行われております。アジア・ゲートウェイの観点からも貢献する必要があると思いますが、ここでは余り議論されておりませんが、大学の国際化をどう評価するか、この在り方が一つのポイントではないかと思います。留学生政策と併せて、来月にも有識者を集めて議論したいと思います。白石委員からもこの分野について提言をいただいておりました。更に具体化していきたいと思います。
 5番目の日本文化産業戦略の策定、6番目の日本の魅力の海外発信、これは本日の前半に議論したテーマでありますので、詳細は省略させていただきます。ただ、日本は文化資源大国であり、文化力、知的創造力がある国であります。そういう魅力が経済力の源泉でもあり、外交力の源泉でもあります。この分野は最近になってようやく注目されてまいりましたが、まだまだ伸ばす必要があります。ゲートウェイ構想の中でしっかりと位置付けていきたいと思います。有識者を交えた会合を4月にも開いて、政策を具体化していきたいと思います。
 3つ目の箱は「アジアの資金循環の中核となる『金融力』の強化」で、金融資本市場の国際化を挙げさせていただきました。21世紀は情報が何よりも価値を持つ時代で、情報が集まるところには金が集まります。アジアの企業情報やマーケット情報が日本に集まり、日本に行けばアジアのことがわかるという状況になることが、日本がアジアの金融センターになることだと思います。そういう魅力的な市場をどうつくっていくか、引き続き検討させていただきたいと思います。
 4つ目の箱は「アジアと交流しアジアの活力を取り込む『地域力』の強化」としております。地域の目線を東京からアジアへというのが一つのキーワードで、大都市圏ですら中期的に人口が減少してまいりますが、一方でアジアは人口も急拡大しますから、地域はむしろチャンスも拡大すると考えていいのではないか。ただ、そういうマインドを持った人々が地域にはまだ少ないので、先ほども議論させていただきましたが、特区制度などを活用しながら、よい取り組みを伸ばして普及するという取り組みをする必要があるのではないかと思います。
 8本目が、グローバル化の中で成長する農業。農業はベンチャー企業であるし、経営力だというのが私の持論であります。経営者として企業家精神を持って成功している農家も存在しておりますので、厚みのある日本の人材を生かして、そういう担い手を増やしていく必要があると思います。
 9本目が、先ほど御説明いたしましたが、アジア・ゲートウェイ構造改革特区の創設。特区というのはあくまでも地域の自主的取り組みを応援する、これは非常にいい手段で、ゲートウェイ構想の理念に合致するような取り組みは、政府として積極的に支援していく。例えば、港湾手続の簡素化、先ほどもありましたが、高度人材の受入れという内容が考えられると思います。
 最後の箱は「アジアの地域協力を推進する『リーダーシップ』の強化」であります。アジア共通課題に関する研究・協力の中核機能強化を10本目に載せさせていただきました。アジアには環境・エネルギー問題など、各国共通の課題が多数存在しております。日本は解決のための知恵と技術を有する国であり、アジア共通課題克服のトップランナーだと思います。この共通課題克服という点は、深川委員がコメントされている点でもありまして、私も非常に共感するポイントであります。日本の大学や研究機関が研究ネットワークの中核になったり、日本で国際フォーラムを開催したり、例えば、12月にはアジア水フォーラムを別府で開催することになっておりますが、そういう取り組みを地道に重ねることが日本らしい徳のあるリーダーシップの発揮の仕方だと思います。こういう取り組みをもっと増やす方策を考えていきたいと思います。
 最後になりますが、5月の取りまとめまで最重点課題10を中心に検討を進めて、実効性のある政策提言を行う。これからがいよいよラストスパートでありますので、委員の皆様方には御議論をいただいて、今後の検討につなげたいと思います。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。
 私は座長ですが、今のお話について個人的な感想を2つだけ申し上げさせていただきたいと思います。資料7に非常にうまくまとまっていまして、これは戦略ということも併せた会議なのですが、やはり日本の在り方そのものを考えるということがゲートウェイであるということで、これだけ多面的に広がる大事な問題をゲートウェイという視点から考えていくと、非常に大きな方向性が見えるのだと。それをできるだけ特に最終報告では訴える形で出せるかどうかということは、一つの大きなポイントだと私は思っています。
 2つ目は、戦略で重要なのは、補佐官も再度おっしゃっていますけれども、要するにいかに動かすかということで、これを見たらこれから数年でいろいろなことが動くのだという実感を持っていただくということが非常に重要だと思います。先ほど深川さんと一緒に関税審議会に出ていたのですけれども、貿易手続プログラムについては何十年と議論していて、今度動かなかったらもうだめだと、最後のチャンスだというふうに議論している人がいました。まさにそういう期待を飛行機についても思っていると思いますので、是非、今度は動くのだということを総理のリーダーシップのもとでやっていただきたいと思いますし、もし後でチャンスがあったら、今日来ていただいた浜野さんに是非お話ししていただきたいのですけれども、例えば、文化戦略についても顕彰制度のような何か新しい政策のイノベーションみたいなものが、こういうところからいろいろな形で出ればいいのかなと思います。

○白石委員 1つよろしいですか。総理がいらっしゃるときに是非お願いしたいことなのですけれども、今、伊藤座長が言われたとおり、このアジア・ゲートウェイ戦略というのは、日本が本気でアジアにエンゲージしているのだというメッセージを送る上で非常に好機だと思うのです。是非2点考える必要があるのではないかと思います。
 1つは、日本というのはこういう国だというブランド、日本のブランド化ということを是非この機会にやっていただきたい。ちょっと申し訳ありませんけれども、現在「ようこそ!ジャパン」というのがありますが、これは余り効果がない。むしろ、何かというのは本当にブランドの専門家にちゃんと考えていただく必要がありますけれども、それがビューティフルジャパンなのか、クリエイティブ・ジャパンなのか、クールジャパンなのかわかりませんが、ともかくその一言で日本というのはもう一遍非常にバイタリティのある国として、今アジアの国をエンゲージし始めているのだということを是非考えていただきたい。
 それから、もう一つは、日本の政策ということが外国にいますとなかなか伝わらない。ですから、例えば、日本の官庁あるいは日本の政府というのは援助や何かでいろいろなことをやっております。私は以前に、だから陰徳は随分積んでいると申し上げたことがありますけれども、やはり陰徳だけではだめなので、やっているということをきちんとメッセージで伝えると。そうした仕事というのは政治家の仕事だと思うのです。ですから、総理だとかあるいは補佐官だとか外務大臣が忙しいというのはよくわかっていますので、国会議員か何かが、例えばアジアに行く機会に例えば総理のメッセージを持っていく、あるいは外務大臣のメッセージを持っていく。その場その場に応じて、こういうアジア・ゲートウェイに常に引っ掛かるような形で、あるいはブランドに引っ掛かるような形で常にメッセージを出していくということを是非この機会にやっていただきたい。それが実は、日本がもう一遍アジアを本気になってエンゲージしているというものをつくり出す非常に大きな力になると思います。

○深川委員 アジアの方にわかっていただくのも大事だと思うのですけれども、やはりとりあえず納税者の方にも、日本は本気でやるのだという気持ちを持っていただくことが大事だと思うのです。そのためには、私は軸のロードマップというのが要ると思うのです。何の時間軸もなく、何となくこういうことをやりますと言うと、またいつものお考えだけというふうに思われてしまいがちなので、1つは、いつまでに何をどんな感じでやっていくかという、わかりやすいロードマップ。また、官庁間にまたがるものもありますし、非常に錯綜していますので、わかりやすく誰かがグリップしていかないと、いつまでという時間軸がないと何も動かない、さっきの貿易手続の話と同じで、議論はあるけれどもちっともというようになってしまうので、時間は必要だと思います。
 それから、あと、納税者の立場からすると、こういったことをやって、こういう成果がありましたというのを着実にフィードバックしてもらえれば、いいことやっているなという感じは当然あるわけなので、そのためにもロードマップは要ると思うのです。
 もう一つ空間のロードマップが要るかなと思っているのは、今回ずっとテーマの話をしているのですけれども、アジアと言っても発展段階で特別みんな違うものを盛り込んでいる、そうならざるを得ない、どこかに共通したものはあるけれども、そういうのはやはりあると思うのです。そういうふうに考えると、例えば、もっとロードマップの中で、シンガポールなどはもうFTAの見直しの時期に来ているので、この見直しの中に、このアジア・ゲートウェイの中で重点項目を盛り込んでいって、シンガポールと一緒にやる。例えば何をやるかというと、物流とか金融をFTAのアップグレードの中に組み込んでやって、シンガポールが自らアクトしてくれる。だから、空間のロードマップというのは、一緒にやる重点基軸国を幾つかピックアップしてやるとわかりやすいかなと思ったのです。シンガポールは多分金融と物流。
 それから、少子高齢化は少子高齢化に苦しんでいるグループというのがあり、これは韓国、香港なのです。医療とか農業とかはそういうところとやったらいいと思いますし、人はタイなどがいいと思います。中間発展段階にあるのと周辺の途上国を引っ張っていかなければいけないという気持ちを持っているので、人づくりとかについてはタイみたいな国と、しかも、英語圏ではない苦しみをよくわかっているので、一生懸命やっていくと言っていますから、こういうピボタルカントリーをテーマごとにつくるといいかなと思います。

○伊藤座長 白石さんは日本のブランドが課題だとおっしゃたんですが、今、深川さんがおっしゃったことはアジア・ゲートウェイ戦略の地域別のマーケティングが重要だということだと思うのですけれども。

○宮田委員 ここに顕彰制度ということがありますが、これは大変ありがたい話だなと思っています。それと同時に、安倍首相の生の声が聞こえるというようなきっかけづくりをもっともってしていただきたいと思うのですね。
 その中の1つに、例えば、総理が「美しい日本」と言ったときに、私は「美しいアジアと日本」という言葉を使わせてもらっています。アピールの仕方というものがとても大事だと思うのです。それによって、ものすごく信頼度が出てくるということがあると思います。お時間がお忙しいですから大変だろうと思いますが、こういう顕彰制度がまたとてもみんなの元気になるのではないかと。現実とはまさしく生の声、生のスタイル、生の感動というものを感じさせるのかなと思うのです。

○氏家委員 アジア・ゲートウェイ構想を推進するポイント、この論点整理は非常に的確にまとめられていると思うのでございますけれども、1つは人材育成について簡単に、もう一つは、金融資本市場についてコメントさせていただきたい。人材育成、留学生の問題ですけれども、近年アジアの優秀な学生が欧米に流れていっているわけです。端的に言えば、これは日本へ留学するコストとリスクにリターンが見合っていないのだということだと思うのです。ですから、欧米に留学する場合に比べて、卒業した後、本国あるいは日本における就職で必ずしも有利にならないという現実があるのではないかと思います。言ってみれば、生涯の所得を余り増やさないのではないかと。そうすると、この論点整理にも書かれているのですが、やはり産学連携を通じた大学における研究教育体制の強化、これは我が国留学の魅力を向上させるということに加えて、企業にとってコストではなくて、言ってみれば投資になるわけです。ですから、企業側からすると、こういった人たちを育てていくということが仲良くするコストではなくて、将来の成長の投資になるということを打ち出していったらいいのではないかと思っています。
 それから、金融資本市場についてですけれども、アジアの成長資金を日本が提供していく。それから、資金運用によって私たちも豊かになっていくということなのですけれども、そのためには、やはりアジアの金融市場のインフラを整備して、私たちがある程度安心して投資できる、そういった環境をつくっていかなければいけない。そのときに制度改善をアジアに対しても行わなければいけないですけれども、私たち日本の中でも制度を改善していって、アジアの投資を進めることができると思っているのです。少し細かい点になるのですけれども、例えば、お金を調達しないような場合については英語の開示でよろしいということは、一部の上場指数投信というものだけに認められているのです。一般の外国企業は今後2年のうちということなのですが、こういったことはどんどん前倒しでやっていったらいいのではないかと思っています。
 この夏に金融商品取引法が施行されます。そうすると、プロ投資家、特定投資家というのははっきりするわけですから、こういった方たちには英文の目論見書で十分ではないかと思っています。
 それから、金融市場で、日本である程度時間をかけずにいけるのではないかというもう一点目は、外国で当たり前に上場されているような商品、例えば、日本版の預託証券、JDRと呼ばれているもの、それから、投資信託をより積極的に活用するということです。例えば、アジアの指数の投信を上場していくとか、そうすると、日本の金融インフラを使ってアジアにお金を流していくということが進みますので、言ってみればアジアに対して日本の資金を日本の制度を使って流していくということが進んでいくのではないかと考えていますから、最終取りまとめに向けてこういった論点も入れていくことを考えたらどうかと思っています。

○伊藤座長 これは私の個人的な印象なのですけれども、金融の話は経済財政諮問会議でも、それから、金融庁でもやっていますから、ここでは今まさに氏家委員がおっしゃったように、アジア・ゲートウェイの視点から、これをやってもらったらいいというものを少し出させていただいたら、多分ほかとの調和もうまくとれるのかなと。是非またいろいろお知恵をいただきたいと思います。

○根本内閣総理大臣補佐官 金融の部分は我が方も利用者の視点で、いかに使い勝手のいい金融市場にするかということでやっていますから、氏家委員の今のお話も含めて、具体的な制度のメニューをこちらの方で取りまとめたらどうかと思っております。

○伊藤座長 他にいかがですか。

○中北座長代理 留学生の件ですが、やや論争的かもしれませんが、今の国費留学生とか単価をもう少し全体として上げられるかどうか。広い意味でなんですが。というのは、受入れ体制のグレードアップを図って、第2、第3の言わば周恩来をつくり出すというようなイメージで考える。というのは、格差とか差別化ということに関していろいろ議論があるかもしれないけれども、やはりアジアはエリート社会という面も一方であると思います。しかし、他方において、広報や留学活動あるいはODAも含めてですが、どんどん広げていくとリソースに限りがあるということですので、少し複合的なことも視野に入れながら戦略的に設定していくことも重要ではないかと思います。
 ただ、それを全部政府がやるという話では勿論なくて、先ほどの皆さん方のお話のように、民あるいは地域あるいはNGOの力も入れながら、全体として質の高い留学生の受入れを進めていくということです。時間軸では深川さんが言われたとおりなのですが、入り口のところも単に画一的な単価でというのではなくて、少し工夫をしていただいてはどうかと。それから、留学中も広い意味で政治家の方、学者あるいは財界人の方との接触をもっともっと明確に戦略を持って接触してもらって、将来引っ掛かるようなネットワークをつくってもらう、そういう発想もやはり必要であろうと。それを少しずつ慣行化し、できれば制度化していくような努力も一方で必要だと。量を増やすことは勿論重要ですが、一方においてそういう工夫も考える必要が出てくるのではないかと思います。

○伊藤座長 今日は浜野教授に来ていただいて、大変いいお話をしていただきましたので、多少重複しても構いませんので、総理に是非聞いていただきたいと思います。

○浜野教授 総理、メディア芸術祭に来ていただき、ありがとうございました。私が顕彰事業もただやるのではなく、配慮をしてやらなければいけないと思ったきっかけは、日本アカデミー賞が始まるにあたって説明を受けたときの黒澤明監督の反応です。賞の名前が、日本アカデミー賞ではアメリカのアカデミー賞の二番手でいいということになると言われたそうです。志を高くもって、自分たちのものを打ち出すこと、つまり評価軸を出しなさいと。そうしないと、タイトルを聞く度に、アメリカの二番煎じになり、アメリカの真似だと思うことになると。黒澤監督の言葉を肝にめいじて、文化庁メディア芸術祭を始めたときには、漫画やアニメーションを芸術から排除している欧米の芸術感への異議申立てをやろうということにしました。我々の重要な表現である漫画やアニメーションなどを顕彰し、そのことで日本の評価軸を明示し、海外に出していきたいと思いました。だから、海外で賞を取ろうが取るまいが、我々がいいというものを常に顕彰してきました。
 ただ一方、海外で日本の文化の普及啓蒙につくしてくださった人たちが放ったらかしになっています。例えば「ラスト・サムライ」とか、最近ではクリント・イーストウッドの「硫黄島からの手紙」という作品がありました。クリント・イーストウッドは市長をつとめたこともある保守派ですが、多分、世界の映画史上で日本兵を人間として描いた初めての映画だと思います。顕彰事業は、これは認められるという信号を送ることですから、ポジティブフィードバックがかかります。日本に関する表現が、いつも放置されてきたので、いまもって「SAYURI」のような、芸妓と売春婦を間違えて、芸妓を傷つけるような映画が、いまもって作られることになります。親日的なスピルバーグが絡んでも、ああいうことになってしまいます。「ラスト・サムライ」の監督は、日本のことが研究したくてハーバードでライシャワーに学び、西郷隆盛に惚れて、何年もかけて準備して、映画を完成させました。日本人が認められるものであったら、監督なり、プロデューサーをつとめたトム・クルーズを顕彰すれば、日本人に違和感のない日本イメージが形成される一助となったのではないでしょうか。イーストウッドは、日本人を描いたため「硫黄島からの手紙」アメリカでは商業的に失敗したので、よけいそう思いました。食とかファッションも同じです。
 顕彰事業は儀式が大事で、日本の賞は高名なものでも、海外の賞の式典のまねです。私の友人のアメリカ人が日本の大きな賞をもらったときに、受賞した当人が、何で式典でビバルディを演奏するのだと聞くのです。大きな日本の式典とビバルディが結びつかない。これも目的とする海外の賞の後追いになって、せっかくやっても常に二番煎じのままで、せっかくの努力が生きていません。外国人がさすがに日本の賞として感服し、もらって誇らしく、緊張するような式典でなければなりません。
 ショーン・コネリーという俳優は、スコットランドの分離独立の支持者ですが、彼は「007」シリーズで外貨を稼いだので、ナイトの称号を与えられることになりました。受けないのではないかと言われたのですが、民族衣装キルトの正装で式典に出席しました。女王の前に跪き、頭をたれ、女王はコネリーの両肩に剣で触れるのです。厳粛で格好いい。そういう、そこならではの儀式であることが大事で、ビバルディを弾いてタキシードを流しても、借り物の式典にしかなりません。演出やしつらえ、衣装など、すべてに外国人が緊張するぐらいの何かが必要だと思うのです。そのため、顕彰事業は是非、総理のご出席をいただき、演出もきちんとやることで、最大限の感謝の意志を表現して、本当に日本に尽くして良かったと思ってくれるのではないでしょうか。ずっと放ったらかして、一線を退いてから勲章というのは、同朋はそれでいいかもしれませんが、海外の人には早急に改善すべきではないかと思います。

○宮田委員 いいですね。

○伊藤座長 これぞ日本賞とか、ディス・イズ・ジャパン賞とか。

○安倍内閣総理大臣 それは大切なことですね。日本も例えば外国人に勲章を出しているのですが、今までは外国人は勲章を与えても、いわゆるかつての勲一等であっても皇居で天皇陛下からもらうということはなかったのです。大使館が出すのです。それは、もともと本来はその人たちは来るのが大変だからという理由だったのですが、私が官房長官のときに、それはやはり天皇陛下から直接もらいたいのではないかと。もらいたい人は飛行機で来るわけだし、来ない人はいいでしょうということになって、去年からそれをやりました。私はたまたま総理として立ち会ったのですが、やはり皆さん喜ばれるのです。大使からいただくのと、皇居で陛下からいただくのとでは、例えば、アメリカ人などは特にそういうものに対して畏敬の念があるので、違いがある。そういう日本の強みというものを今まで十分に生かしていなかったなという気がします。

○伊藤座長 時間になりましたので、この後の議事の進行を議長代理にお返ししたいと思います。

○根本内閣総理大臣補佐官 今日いただいた意見は、また盛り込ませていただいて、最終取りまとめに向けて精力的にやりたいと思います。貿易手続の問題も別途今やっておりますので、時間軸を考えながらやりたいと思います。

○白石委員 今日、私は留学生のことを申し上げる時間がなかったのですけれども、これはまた改めて時間をいただければ。是非、国費留学生制度の見直しについても考えていただきたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 あと、さっきおっしゃった就職との関係は非常に大きいですね。経産大臣から御手洗会長に言ったらしいのですが、今、経産省で就職に結びつけるという人材育成の制度があるそうです。それと、あと例えば、タイで大学をつくったじゃないですか、あれはほぼ一人残らず就職させると甘利さんが大見得を切ったので、その裏付けをちゃんと御手洗さんにするように言ったら、御手洗さんはやると言っていました。氏家さんの会社もひとつよろしくお願いします。

○氏家委員 それは非常に有効な投資だと思いますね。

○根本内閣総理大臣補佐官 それでは、最後に、議長である安倍内閣総理大臣より御発言をいただきたいと思います。

○安倍内閣総理大臣 今日で6回目ということであります。大変精力的な御議論を、大変お忙しい中いただいておりますことに、本当に感謝を申し上げたいと思います。
 このゲートウェイという言葉もだんだん浸透してまいりまして、先ほどお話があったように、シンガポールの首相からも、言わばアジア・ゲートウェイの考え方に賛同するので協力をしたいという話がありました。協力の仕方はいろいろ模索する必要があるかもしれませんが、だんだんアジアの人たちが注目してきている中において、アジアの人たちの期待を裏切らないことが大切だなと、このように思います。
 今日は、根本補佐官の方から10のポイントが示されたわけでございますが、最優先課題として5月の取りまとめに向けて集中的に詰めていただきたいと思います。また特に、アジア・オープンスカイや大都市圏国際空港の24時間化など、空港や航空政策の問題はアジア経済の活力を取り入れていく前提条件だろうと思います。具体化という点に向けて、スピード感を持って引き続き取り組んでいただきたいと思います。また、この問題はなかなかできないという理由はたくさん挙げられるわけでございますが、私も総理としてリーダーシップを発揮していかなければいけないと思いますし、世界がどんどんこの方向で進んでいる中において、日本が取り残されていく危機的状況だろうという認識を持って取り組んでいきたいと思います。
 今日は、東京大学の浜野先生にゲストスピーカーとしてお越しいただいたわけでありますが、大変わかりやすいお話をいただいたと思います。メディア芸術祭やファッションウィーク等を通した日本からの発信力、これは大変大切なものであり、また、今後更に発信力を強めていくべく我々も努力をしていきたいと思います。
 この日本文化戦略においては、基本的な考え方を示してきていると思います。
 こういう取り組みというのは今まで余り本腰を入れていなかったのだろうと思います。この前、私がメディア芸術祭にお邪魔をしたら、総理としては初めてだということでありましたが、日本は本来この分野は大変強い分野であるにもかかわらず、そういう状況だったのかと、改めてこのように思ったところでございます。
 今後とも更に取りまとめに向けて御努力をいただきますようによろしくお願いいたします。

○根本内閣総理大臣補佐官 ありがとうございました。
 それでは、本日の会議を終了いたします。本日は御多忙のところ、ありがとうございました。