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アジア・ゲートウェイ戦略会議(第7回)
議 事 要 旨


日 時: 平成19年4月25日(水)10時00分〜11時31分
場 所: 総理官邸3階南会議室
出席者: 根本匠内閣総理大臣補佐官、伊藤委員(座長)、氏家委員、中北委員(座長代理)、中村委員、深川委員、秋山喜久(社)関西経済連合会会長、鈴木久恭国土交通省航空局長

○根本内閣総理大臣補佐官 それでは、時間になりましたので、ただいまより第7回「アジア・ゲートウェイ戦略会議」を開会いたします。委員の皆様におかれましては大変お忙しいところお集まりいただきまして、まことにありがとうございました。
 本日はゲストスピーカーとして秋山関西経済連合会会長に御出席をいただいております。また、国土交通省の鈴木航空局長にも来ていただいております。
 それでは、これからの議事進行は伊藤座長にお願いいたします。

○伊藤座長 それでは、早速議事次第2の「航空の自由化、大都市圏国際空港の国際化・24時間について」に入りたいと思います。
 最初に、国土交通省の鈴木航空局長より御説明をお願いいたします。

○鈴木航空局長 航空局の鈴木でございます。本日はお時間いただきましてありがとうございます。お手元に3ページものの資料と、あと参考資料を用意してございますが。資料の説明に入ります前に2点申し上げたいと思います。
 まず、航空交渉というのがどのように行われているかということでございますが、航空交渉というのは、二国間でお互いの航空権益を交換するという外交交渉でございまして、それぞれの国の代表がエアラインでありますとか航空会社でありますとか地域の御意見、いろいろ伺いながらそれを集約して交渉の場に臨む。短いときでも2日、長いときは1週間、さらにまとまらなければ何回もやるというようなことで交渉いたしまして合意に達することであります。
 新しく合意ができまして航空路線が結ばれるということになりますと、二国間の航空協定というのができまして、これが国会に承認にかかる。条約でございますので、承認を受けるというような重要なものでございます。
 我々はそういうことでいろいろな国と交渉を進めておりますが、今、55カ国1地域とこの二国間の協定ができて、国会に承認いただいております。
 それから、もう1つは国際拠点空港の重要性ということでありまして、日本の国際拠点空港は大変出遅れておる、貧弱だと、このままだとアジアの空港間競争にも勝てないのではないかと言われております。ただ、我々ずっと手をこまねいていたわけではなくて、いろいろな知恵を出しながら長い時間と大変な労力と巨額のお金をかけて整備してまいりました。それがまだ確かに不十分だという批判は甘んじて受けたいと思いますが、そこのところはいろいろ努力しているというところを、本日も少し御理解いただければと思います。
 ペーパーの方に入らせていただきますが、本文の方の1ページ、戦略的かつオープンな国際航空ネットワーク構築についてということでありますが。まず、それぞれの空港ごとの基本的な考え方の整理でございます。アジア・ゲートウェイ構想、我々も最大限御協力して進めていたと思っておりますけれども、そのためには限られた資源であります我が国の空港全体を十分活用しながら以下のような方針で航空構想を加速する。
 相手国とお互いに納得する形、これは相手国も納得しないと交渉というのは成立いたしません。そういう形で戦略的、オープンなネットワークの構築を図りたいと思っております。
 その中でまず首都圏、成田・羽田でございますが、2010年以降に今のプロジェクトが完成いたします。10年3月に成田のB滑走路の北伸工事、10年10月に羽田のD滑走路、4本目の滑走路がオープンいたします。この中で成田につきましては現在週1,566便のうちアジア便が半分強ということで、世界中にグローバルネットワークが組まれております。北伸工事で20万から22万回へ年間2万回増加いたします。今2,180メートルということでちょっと寸法が足りない滑走路でありますが、これを2,500メートルにいたしますので、回数が増える。
 それから、羽田は4本目の滑走路ができますと11万回実は増えるわけでありますけれども、このうち羽田は国内基幹空港でありますので、国内のお客様に東京や横浜のお客様に成田から国内線に乗ってくださいというふうにいきませんので、国内線をまず受けなきゃいけません。これを8万回ほど確保した残りの3万回で近距離の国際線を受けたいと思っております。これをうまく使わないとすぐになくなってしまうという大変貴重な枠でございます。
 羽田につきましてよく言われておりますように近距離国際線を入れるわけでありますけれども、国内線の最長距離を1つの目安として考えていると、これがよく問題になるわけであります。これはやはり都心に近い空港は近い路線、都心から遠い空港については遠い路線というのが世界全体としての複数空港の使い方の通例でありまして。やはり遠くに行くお客さんには少しアクセスも遠いのを我慢していただくというようなことで使い分けをします。
 その中で、3万回ということで大体はじきますと、国内線の最長距離であります羽田・石垣の1,947キロというのが1つの目安かなと思っているわけでありますが。ここで決めたということではありませんで、その次に羽田にふさわしい路線と書いてありますが、その内側のところが全部当選ということではなくて、その中から羽田にふさわしい路線を選ぶと。
 そういうことで、3万回で余裕が出れば少し外側の北京とか台北とかだって繰り上げ当選の可能性はあるというような状況だと思っています。これをこれからよく相手国ともきちっと交渉しながら進めていきたいと思っているわけであります。
 そのときに問題になりますが、右の方にグラフがございますが、各国の主要空港は最低その半分ぐらいはその国の企業がやっております。日本は成田40%、関空・中部30%、地方空港については2%という状況でございます。成田については昔の羽田の時代からアメリカと不平等な協定があったものでアメリカに相当枠を取られてしまっていると、それがなかなか直らないということでこの結果でありますので、これから増える貴重な5万回というのは最低フィフティーフィフティーになるように頑張っていきたいと思っているわけであります。
 それから、関空・中部でございますけれども、関空は今年の8月に第2滑走路がオープンいたします。伊丹の騒音問題にかんがみて、泉州沖5キロの沖合を埋め立てましたので、1期の島でも1兆5,000億かかっております。この2期の島はまだ滑走路と誘導路だけですが9,000億かかっております。大変な量の土砂を埋めております。
 それから、中部につきましてはおととし2月にオープンいたしましたが、これは1本の滑走路でやっておりますが、こちらも6,500億ほどかかっております。
 この2つの空港は大変アジアに近いわけであります、距離的に。それから、経済的にも結びつきが企業で相当あり、歴史的にも結びつきがありますので、アジア便がかなりウェイトを占めております。したがいまして、アジアのゲートウェイとしてこの2つの国際拠点空港も十分活用していく必要があります。
 一方、首都圏よりも発着枠には余裕があります。ですから、なるべくオープンな形でかつ戦略的に活用していきたいと思っているわけであります。
 それから、残りの地方空港でありますが、地方空港は観光振興のためにも積極的に誘致したいと思っておりますが、実際この右のグラフにありますようにほとんど外国社が乗り入れております。
 参考資料の方の1ページをお開きいただきたいのでございますが、大変各国からいろいろな路線が張られています。23空港において国際化がなされておりまして、右上のところにありますけれども。うちソウルからは22空港、最近できました新北九州以外はみんな入っております。これをこれからさらにオープンにするために各国との航空交渉をつくって地方空港は自由に乗り入れてもらおうというようなことでやりたいと思っています。手始めに先週、シンガポールとの間でそういう協定を結んだところでございます。
 ただ、これは逆にソウルの仁川(インチョン)空港等のハブ空港化に手を貸すことになりはしないかという議論はございます。日本の地方空港は仁川のスポーク、フィーダー路線みたいなことになってしまうというような問題であります。確かにそういう面はございますが、我々としては地方の活性化なり国際化にかける思いというのを重視して、一方的な乗り入れでソウルの枝線になってもやむを得ないということで、これからここは振興していきたいと思っておるわけでございます。
 それから、この定期便に入る前に参考資料2ページにありますように、チャーター便というのがどんどん今増えております。定期便にするとやはり後戻りがきかないので、チャーター便で様子を見ながら需要があれば定期便にしていくということであります。
 次の参考資料3ページがその例でありまして、石川県の小松空港と能登空港に台湾からのチャーター便が大変飛んでございます。和倉温泉に加賀屋という和倉温泉に旅館があって、これは台湾でものすごく有名で、ここへ泊まりたいというお客さんが1万7,000人も泊まっております。これでうまくいったので小松にこれから定期便を張ろうという動きが現実に出てきておるわけでございます。
 それから、本文2ページの方をごらんいただきたいと思います。大都市圏国際空港の24時間化の問題でございます。こちらは関空・中部につきましては、関空はもう2本目ができますと深夜のメンテナンスで週3日、夜中に3時間ずつメンテナンスをしておりますが、これを交互に実施することで完全に24時間化、1本は必ず空けられるという状況が生じます。中部はまだ1本でございますので、メンテナンスをやっておる状況でございます。そういう形で関空・中部、これはしっかり深夜も含めて使ってまいりたいと思います。
 首都圏の方は成田が騒音問題、内陸空港はそういう問題がありますので、23時から6時までクローズしているという状態になります。これを羽田の方で補完していかなければならないという状況であります。
 まず、再拡張ができる前のすぐできるお話として、羽田の昼間につきまして、今羽田−金浦チャーターというソウルの金浦空港、昔の古い国内空港の方ですが、でもそのチャーター便をやって好評でございますので、上海の国内空港であります虹橋とチャーター便を結んで国内空港同士を結ぶ特例的なチャーターとしてこれを早くやりたいと思っておりますし。
 それから、それに合わせて参考資料4ページの方に暫定国際ターミナルビルの図面がございますけれども、今小さいターミナルがございますが、これがだんだん手狭になってきて到着便が重なるとターンテーブルが1個しかないので2機目は機内で待たされるというような事態も生じておりますので、そのターンテーブルを増やすとか、あるいは税関とか入国の人数を増やすというような増設もやって頑張りたいと思っています。
 それから、参考資料5ページを見ていただきますと、実は羽田から関空に乗り継いで中国とかあるいは中東の方とかに行くお客様が大変多くございます。これは成田よりも関空は上海とか北京へは50分フライト時間が短いので、羽田から乗り継いだ方が早く行けるし楽だということで、こういうパターンが出てきております。そういう組合せも含めて頑張っていきたいと思います。
 それから、本文の方に戻っていただきまして、23時から6時の深夜早朝時間帯、これは今までもやっておりますけれども、国際旅客チャーター便を積極的に促進していきたいと思っております。ただ、参考6ページにありますように、これからD滑走路の夜間工事が始まりまして、背の高い起重機船とか地盤改良船が工事をいたしますので、ここは危ないので3時間は深夜全面閉鎖をするということにしております。こういう間をうまく縫いながらチャーター便も飛ばしていきたいと。日本航空は、今年チャーター便を倍増させたいというような計画も持ってございます。
 それから、本文の最後の方でございますが、2010年以降の成田と羽田の問題であります。これはもう羽田が3万回、近距離の国際線を引き受けて、国際線のお手伝いをするという立場になりますので、カードが2枚になるわけでありますので、それを一体的にうまく使いまして最適なネットワークを組んでいきたいということであります。成田は2万回増加、羽田は3万回増加する。この昼間の時間帯はしっかりと使っていきます。
 それから、深夜につきましては成田がクローズしておりますので、騒音問題で海上ルートといいまして東京湾の洋上を飛びながら入っていかないといけないのですけれども、それに配慮しながら貨物便も含めた国際定期便を羽田で受け入れまして、これと成田との合わせ技で首都圏における24時間化というのを実現したいと思っております。
 以上でございますが、国土交通省としてはできる限りの努力をやらせていただきたいと、冬柴大臣からもそういう指示を受けました。私ども知恵を頑張って出そうとしているところでありますので、よろしくお願い申し上げます。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。
 続きまして、本日ゲストスピーカーとしてお招きしております秋山関西経済連合会会長にお話をお願いしたいと思います。
 ちょっと簡単に御説明いたします。お手元に新聞記事があると思いますけれども、関西経済界のトップとしてアジアとの交流を率先して実践されていらっしゃいます。先週もベトナム・タイを訪問してそれぞれの国の首脳に対して関西国際空港への航空便の増便等を働きかけ、しかも、国内エアラインが減便等を進めている中で経済界が率先して広く海外との連携を推進させていくことによって関西のネットワークの強化をしていくことを模索されているとお伺いしています。
 これは後でまた教えていただきたいのですが、私も実はちょっと調べまして、関空からアメリカ大陸と欧州に行っている日本の航空会社は、JALのロンドン便1便だけであるという驚愕的な事実をちょっと聞いたのですけれども。大阪の人は非常にかわいそうな状況だなと思ったのですが。そういうことも含めてちょっと教えていただければと思います。
 本日はそういうことでいろいろな形で知見をお教えいただいて、航空政策に反映させたいと考えていますので、ぜひよろしくお願いいたします。

○秋山会長 関経連の秋山でございます。今日は発言の機会をいただきましてどうもありがとうございます。
 今、航空局長の方から国としての立場の御意見がございましたので、経済界として、特に関西経済界として意見を述べさせていただきたいというふうに思います。
急にお呼びいただいたものですから、資料がなくて申しわけありません。
 経済界から見ますと、アジア・ゲートウェイ構想につきましては、やはりオープン、アジアに開かれたゲートウェイであるということと、ネットワークということですか、アジアのネットワークの要になるようなものが必要だというのが1つの大きな要望だというふうに思います。
 特に、関西経済界は、今部品レベルでの各国との分業が進んでおります。そういったことでいかに早く便利に物を運ぶか、あるいはネットワークとしていかに充実していくかということが大きなテーマだと思いますので、関西経済界をあげて今エアポートキャンペーンその他をやっているところでございます。
 一方、国全体としてバランスのとれた航空政策をやっていただくという点は、今航空局長のお話にもありましたように、地方空港、これについてはちょっと関西には余りないので別の問題としまして、政府なり、ここで考えていただいていい問題だと思います。
 基幹空港の場合、成田、羽田というのが非常に重要なものを持っているということは我が国としては当然のことでありますけれども、今発着枠がいっぱいだということ。それから、これから増設しましても割合早くいっぱいになってしまうということではないかなと思っています。
 それから、これは政府の問題ですけれども、発着枠の割当というのも国土交通省でいろいろやっておられますけれども、それがいつまでクローズの形でやっていけるのかということがあるかと思います。
この辺は国益として守っていかなきゃいけないという話と、経済界としてはできるだけオープンに自由に入っていった方がいいという話があります。
 ただ、成田・羽田は非常に難しいと思います。ところが、関空・中部の場合には、特に関西空港の場合には幸か不幸か、今は非常に発着枠に余裕があるわけです。今11万6,500回ですか、13万回を今年度で目標としています。これもあと国際線で週14便、国内線で1日8便飛びますと13万回を達成できますけれども。いずれにしても11万回ぐらいでは非常に大きな枠があります。これをアジア各国に日本のゲートウェイとしてできるだけオープンな形で使っていただけるということが必要だと思います。
 また、特に産業界にとりましては、いかに早く運ぶかということが大きなテーマになってきております。
 今、例えば上海と関西の間で、関西の工場を出てから向こうの工場の入口に行くまで2日程度かかっています。飛行機は2時間30分で行くのですけれども、結局こちらの国内の道路網なんかのネットワークの問題、それから通関とか検疫というふうな問題、そういうふうな課題を解決しなければなりません。
 このため、今、上海へ例えば午前2時55分発で試験的に飛ばせまして、この時間をいかに短縮するか。できればシンガポールのように24時間以内でいこうという目標を立てています。そうしますと、結局部品在庫が減りまして非常に大きな経済効果があるということです。今28時間ぐらいまで短くなるような目途が立ったのですけれども、さらに24時間以内のところまで落としていきたいというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、できれば関空というものをできるだけオープンな形でやっていただく。ただ、まだこれは国の基幹空港でありますので、そういった積極的に使うということと秩序あるということを両立させていくということが非常に大事ではないかなというふうに思っています。
 また、そういった使命を果たすためには関西自身の知名度をPRしていくということが必要なので、今座長の方から御紹介ありましたように、各国を知事、市長あるいは経済界が訪問いたしまして、昨年は40カ国を回りましたけれども、そういった形でできるだけ関西をPRしてやっていく。と同時に、関西側の方もそれだけ経済発展をしなきゃいけないわけですけれども、それから観光振興をやらなきゃいかんと思いますけれども、そういった努力をしております。
 ベトナムには昨年11月に安倍首相が行かれまして、ベトナムと日本との戦略的パートナーシップというものの合意をしていただきましたので、そのフォローアップのために、この4月15日から我々中小企業を中心に訪問団を組みまして、これから具体的な向こうのサポーティング・インダストリーをどう助けるかという話し合いをしてきていたときに、ズン首相にぜひこれからそういった産業振興あるいは各国の交流、人材交流、観光交流、これを進めるためには、今、厳密に言うと週3便、6月1日から4便になりますけれども、それを7便にしていただきたいと、こういうお話を申し上げたところ、むしろベトナム側の方がもっと積極的で、ちょっとベトナム航空の方が機材は間に合わないということでしたので、ペンディングになっておりますけれども、1日1便と言わず2便にしてはどうかという申出がありました。
そういったことで、各国でも非常に積極的に航空ネットワークというものの組合せを考えておられると思います。
 日本の国内で、したがって成田、羽田、中部、関西をどう有機的に総合的にどう使っていくかということが大きなテーマになってくると思います。
 関空で言いますと、関西国際空港をネットワークの中心にしていくということのためにはできるだけ地方空港から飛んできていただいて、そこで乗り継いでいっていただく。あるいは羽田から関空に来ていただいて、関空からアジア各国へ飛んでいくと。成田からアジアへ飛ぶよりも関空からアジアへ行く方が大体50分時間が短いので、わざわざ成田まで行かれてアジア各国へ行くよりも、羽田に近い方は羽田に出られて関空へ来てハノイなりアジア各国に行くということの方が時間的にも便利です。それによって首都圏の需要の緩和にもなります。
 この間、ハノイから帰ってきたときに関空に下りて関空から羽田へ行きまして、その日用事がありましたので行ってそれから都内へ入りましたら、成田へ行った方よりも早く都内へ着いております。そういった意味では、時間的に見ましても地理的に見ましても、関空というのはアジアのゲートウェイとしては、それなりの機能を果たし得るのではないのかと思っています。
 また、貿易面でも非常にアジアと関西経済界は非常に近い関係にあるということもありますので、できるだけ地方空港あるいは羽田と関空の間をネットワーク化してうまく活かしながらアジアのゲートウェイというふうにしていく取組が必要だというふうに思います。
 そのための課題としましては、今申し上げましたように、我々としましてはエアポートキャンペーンをして関西の知名度を上げていくということが1つ必要だということを考えています。
 それから、今、高コスト構造で仁川とかシンガポールに比べて2割以上着陸料が高いということになっていますので、これをできるだけ抑えていかなければいけないということですけれども。これは便数を増やせば抑えられるという点が1つありますので、エアポートキャンペーンを一生懸命やらせていただきます。
 それから、非航空事業収入といいまして、着陸料だけでなくて関空の建物をコミュニティプラザにして、そこで催し物をしたりあるいは売店収入を増やして、免税店なども増やして買ってもらうという形で、非航空事業収入が今52%ぐらいですけれども、ヒースローはこれが70%ありますので、そうすると着陸料が安くできるというふうなことがありますから。そういった非航空事業収入を増やすように努力していかなきゃならない。そのためには、関空連絡橋を渡るのが高いのですが、ちょっとこの辺はまた国土交通省の方ともお話し合いさせていただかなくてはいけないと思います。いろいろそういった努力をして、できるだけ高コスト構造を抑えていく。
 それから、金利負担が非常に大きい。関空の場合はさっき航空局長が言われましたように、埋立、しかも会社ということでやりましたので、今金利負担が20%を超えております。成田あたりですと1%ぐらいですけれども。その辺の高コスト構造を是正していくにはある程度国の御協力をいただきながらやっていく必要があるのではないかなというふうに思います。
 最後に、アジアのゲートウェイというときのネットワークということにつきましては、今航空につきましては関空とほかの地方空港あるいは羽田との連携をどうするかというふうなものがありますけれども、これからは陸海空一体となったアジア・ゲートウェイというかネットワークの中心ということが、航空輸送だけではなくて海運と陸運ですか、そういったものを含めたゲートウェイというものが必要になってくるのではないかと考えています。
 特に産業間の交流が増えてきていますので、以前に比べて4倍ぐらい貨物量が増えている。その中で日本の船便の扱い量は急激に減っております。シンガポールとか香港は非常に増えていますので、こういったところの貨物需要を吸収していく必要があるということです。本日の議題ではないので、簡単に御説明させていただきたいと思います。
 関西では今夢洲というオリンピックをやろうとした島が残っております。それが390万平米あります。
今、そこに港はつくりつつありますけれども、そこをロジスティック・ハブにして、そこで高機能のIT化をして、なおかつ部品の加工機能を持ったようなハブをつくることが、アジア各国から部品を集めてそれをまた輸出していくというふうなことが、重要だと思います。
 シンガポールでは26万平米のハブをつくっております。それから、上海が72万平米、それから釜山が120万平米をつくりつつありますので、夢洲は390万平米ありますから、そこにそういったハブをつくっていただいて、貨物、産業界の連携のネットワークとして、活用すべきだと思います。
 もちろん湾岸線に連結する3キロの高速道路をつくっていただきますと関空にもすぐ行けますので、航空のそういった貨物事業の拠点にもなりますし、船便の拠点にもなると。あるいはそこに内航船のフィーダーをつくりますとトラックで輸送するよりCO2の排出が減るじゃないかというふうなことがあります。そういった意味で陸海空全部含めた意味でのネットワーク化ということもどこかで議論していただくことが重要です。
 今日のテーマではございませんので余り深入りすると時間がかかってしまいますので終わらせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても日本国全体でどうしたようなバランスをとっていただくか、その中で関空というのはぜひ経済界としましてはできるだけ積極的に、秩序あるオープンということは必要かと思いますけれども、できるだけオープンな形でどんどん各国を誘致して使っていただくというふうな形の政策をとっていただく。特にアジア・ゲートウェイとして陸海空の拠点として、飛行場の近くにそれだけ空いた海の上の島があるところは関西だけで、世界広しといえども他にないということから見ますと、全体の物流のネットワークの拠点として、また航空の拠点として関空というものの積極的に活用をお願いしたいということでございます。
 以上でございます。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、根本補佐官からアジア・ゲートウェイ構想の論点整理をお願いしたいと思います。

○根本内閣総理大臣補佐官 それでは今、鈴木局長、それから秋山会長からお話がありました。この航空分野の論点は幾つかあると思いますが、大都市圏国際空港の24時間化と、それからアジアオープンスカイという空の自由化、この2つが大きな論点だと思います。
 大都市圏国際空港の24時間化につきましては鈴木局長からお話がありましたように、相当お考えいただいたなと私は思いますが、これからなお詰めていきたいと思います。
 それから、空の自由化については、新聞記事にもあると思いますが、シンガポールと地方空港の航空協定、これは便数の上限撤廃ということで、航空の自由化です。これは決め手のない中で、地方空港の実質の届出が自由化。こういう工夫をしていただいたと思います。
 ただ、羽田、成田、中部、関西、これについては、我々は中間論点整理でもやりましたが、さらなる自由化に向けた取組を期待しております。今後の航空協定上の自由化ということの意味は、航空協定上の便数、事業者、空港、これらの制限を撤廃して、航空会社が需要に応じて機動的に空港に乗り入れていくということでありますが、これはあくまで地域経済の活性化あるいは経済全体の活性化の観点からの空の自由化ということだと思います。この方針を今後決めていくべきだろうと思います。
 首都圏の空港である成田、羽田、これらは満杯ですから、アジアとのネットワーク強化のためには関西空港、中部空港を含めた国際的な航空の自由化によって空港をフル活用することが必要だと思います。ただいま秋山会長からもお話がありましたように、タイからは早くしないと各国へ乗り入れしますよとか、あるいはいかに早くネットワークをつくっていくかが重要です。
 実は航空ネットワークをいかに早くつくっていくかというのが、これからのアジア・ゲートウェイ構想の中でも非常に大事なテーマだと思います。
 要は、早く密なネットワークをつくる、そのために空の自由化が必要ではないかという視点だと思います。
 航空当局の考え方と我々の考え方で多分少し着眼点が違うと思いますのは、航空当局は、国際航空は航空当局間のみによる交渉という、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、私は狭い既成概念にとらわれての判断ではないかと思います。やはり大事なのは、航空の自由化について、経済交流などを含めた幅広い二国間、全体を踏まえた取組が必要だと思います。
 簡単に言えば、経済交流においては、人や物の自由な流れ、アジアにおける急速な経済成長、地域活性化が重要であり、こういう幅広い視点から空の自由化をどう考えていくかということだと思います。
 やはり大事なのは航空の自由化については国家百年の大計を考えて、航空交渉という点に限定せずに、経済交流などを含めた二国間全体を踏まえた広い視点で交渉していくべきではないかと。これが今までの議論の中での論点だと思いますが、皆様の忌憚ない意見交換をお願いしたいと思います。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、少し今日の参加者全員で議論させていただきたいと思いますが、少し論点を明確にするために、あえて僣越なのですけれども、私は3つぐらい論点があると考えております。これ以外でももちろん発言していただきたいと思うのですけれども、こんなことも、もしお考えいただければと思っていまして。
 1つは、やはり何が国益なのかということをよく議論していただきたいというふうに思っています。特に、関空の場合、二期の滑走路ができますと半分ぐらいキャパシティが空いている中で、確かに航空交渉にそれを使うということも1つの国益なのですけれども、それが使われていないということ自身が、その地域の活性化だとか、あるいは日本のユーザーとの関係で大きな損失があるということであるとすると、そこは非常に重要な問題です。
 我々のミッションというのは要するに国全体の観点から考えているということですから、ここをぜひ議論していただきたいと思っています。
 それから2つ目は、我々のミッションの中に戦略という言葉がついているのですが、何が戦略的にできるのかできないのかということを、ぜひ議論していただきたいと思っています。
 いろいろな制約の中で、空港運営をやっているわけですけれども、例えば、先ほどのペリメーター規制の話なんかでも、例えば成田に早朝にアジアからたくさん便が来るわけです。
 仮に、あれを例えば羽田に持ってきて、しかもここが非常に難しいと思うのですけれども、それが折り返しという意味で、また外国へ出発できるというようなことが可能になればいいという声は、ビジネスマンにいっぱいあると思うのです。
 さらに言うと、24時間化はかなり積極的に議論していただいているようですけれど、結局夜のキャパシティというのは、まさに資源であるわけです。これをどう使うかということが重要です。
 これらについて、とにかく何ができるかできないか戦略的に考えていただきたいということだと思います。
 それから、3つ目は、まさに根本補佐官がおっしゃったようにスピード感だと思います。今日は、氏家委員もいらっしゃるので、ちょっと、恐縮な言い方なのですけれども、私が産経新聞に書いたのですけれども、結局、対応が遅れたため、それはまさに重要な3年から5年の対応をおくらせたということで、金融は国益を失った結果で決着した部分が非常に多いと思います。最終的には、正しい対応をしたのかもしれませんけれども。
 航空の場合についても、恐らく今何をやるのか。羽田があるわけですから2010年までに何をやるのか、そしてその後何をやるのかが重要です。
もちろん国家の非常に大きな大計も大事なのでしょうけれども、どうも世界が非常に早く動いているときにどういう工程、スピードでやるかということが大きな論点になるのかなと思います。
 その3つぐらいが大きな論点なのかと。私の整理ですからもちろんそれ以外の点もあると思いますけれども、ぜひいろいろな御意見を、局長も含めて、いただければと思います。
 では、あとはどうぞ、どなたからでも。

○鈴木航空局長 すみません、今の関空のところについて補足させていただきますと、私ども関空を別に閉ざそうということではなくて、どんどんオープンな形でネットワークを張りたいと思っております。例えば中国との交渉が昨年7月にまとまりまして、旅客便2割増し、貨物便は倍増ということで決めたのですが。それもどんどん今枠が埋まっていますので、また3月から新しく交渉を始めてさらに拡大しようということでどんどんやっております。
 ただ、その交渉というのは冒頭申し上げましたように、ベースは、航空権益のお互いの交換でありますので、一部の国で行われているオープンスカイみたいになってしまえば別ですが、通常は航空権益を交換しますので、こちらに出すカードがないと相手も乗ってこないわけです。
 今、成田・羽田が使えない、あるいは新しくできてもまたすぐ使えなくなってしまうというときに、関空・中部はそれに次ぐ大事なカードでもあります。それを全部広げてしまって、なしにしてしまって、切るカードがなくなってしまっていいのかというところを我々はものすごく気にしているわけでございます。そこをうまく戦略的に使ってもらいたいという立場でございます。

○伊藤座長 ただ、広げちゃうということは、逆にそれだけ関空が使われるということですよね。

○鈴木航空局長 いえ、そうじゃなくて、相手と交渉するカードが、こちらがプレゼントするカードがなくなってしまうというのが課題です。成田・羽田が使えないものですので、エースとキングが使えないときにクイーンとジャックは持ってないと、交渉できません。自由化の点では、地方空港を航空交渉のカードとすることはもうあきらめましたけれども。

○伊藤座長 トップのカードを維持するために……

○鈴木航空局長 維持するわけではなくて、その交渉というのは、お互い出し合って権益を交換するというもの。こちらの持っているカードがなくなってしまっていいのかというところをちょっと。

○氏家委員 先ほどの何が国益なのかということに関係してくると思うのです。やはりものづくりが日本のエンジンであるということは確かだと思うのです。一方で、GDPで見てみれば明らかにサービス産業が増えてきているわけです。サービス産業の中心的なものというと金融ないしはそれに関連した部門というのが多くなります。そうなってきますと、やはり東京、つまり成田・羽田というのに、焦点が当たってくるのです。
 それで、東京ないしは日本に国際金融センターをと言ったときに、この前、池尾先生がこの会議で、東京へのアクセスが短くならなければ物事は始まりませんよねというお話をされたかと思うのです。そして、それは国際金融センターの必要最低条件です。
 例えば、具体的に、東京で金融ないしはそれに関係するような会議を開きますと、ヨーロッパに次の日の会議があるがどうやって帰るかという問題が起こるのですよね。
 午前中の会議を東京でやると間に合わない路線が多いのです。
彼らはみんなどうやって飛ぶかといいますと、香港に飛んでオーバーナイトでロンドンに帰ります。多分エールフランスが夜中に1便飛んでいるぐらいでしょう。
 要するに、何で成田(東京)から、ヨーロッパに次の日に帰れないというのが、彼らの1つの悩みなのです。
 大体年間100日とか150日とか海外でビジネスしている人たちから考えますと、彼らの時間コストでいくと日中東京で会議して次の日にロンドンでオフィスにいられないというのはもうほとんど致命的な時間コストの高さなのです。もちろん成田から東京へ移動するという時間コストもあるわけなのです。
 この問題を解決していかないと、サービス産業のエンジンになり得る金融に非常に大きなマイナスではなかろうかと思っております。

○伊藤座長 少し御意見を集めたいので。では、中北さん。

○中北座長代理 やはりその点なのですけれども、何が国益かと言ったときは、私は国益の中身というのはこの場合は空港のサービスとかインフラとか使いやすさということであって、少しはっきり言うと、航空会社そのものの存続というのは第二次的なのではないかというふうに思うのです。もちろん実感はされているわけです。
 それから、あと航空局長が航空交渉のカードとおっしゃったのですが、私も大昔外交関係をやっていたキャリアがあるものですからわかる気はするのですけれども、カードも狭い意味での土俵の中で駆け引きというのもあるでしょうが、やはり関西があるいは日本が全体としてトータルとして魅力あるということも重要ではないかというふうに思うのです。
 そうなると、やはりまずは活性化して、人がたくさん集まって、そこで何かあると、価値が創造されるという観点。一言で言うと、私はサプライサイドよりこの際は消費者という観点からもう少し幅広く自由に発想されることが重要ではないかというふうに私は思いました。それが1点目です。

○中村委員 伊藤座長がおっしゃった、戦略的構想に基づいた航空の在り方について申し上げます。私は秋山会長がプレゼンテーションされました関空について、アジア各国の製造業と日本の製造業、特に関西圏との結びつきはますます強まっていると考えます。それにつれて人的交流が頻繁になってこなければならないと思います。また、貨物の問題は非常に時間的コストが高すぎ、課題であると思います。
 まず人的交流についてですが、既にアジアの人々は関空から大阪あるいは関空から東京、羽田への移動というものに慣れているので、そのような関空を国内ハブとした動きがさらに加速すると思います。そういう点で、私は関空の存在あるいは中部の存在について、もっと戦略的にお考えいただきたいと思います。
 関空は、その高コストを解消することで、人や貨物の動きがぐっと加速するということでありますので、これを機会にぜひ国家的課題として関空の権利負担、高コスト構造の改善についてもう一度再検討、実現をお願いしたいと思います。そうすれば、成田・羽田と非常に近い、同等のネットワーク空港として機能出来るのではないかと考えております。
 いずれにしても、アジア市場と日本の製造業の結びつきを極めて強くしていかなければなりません。そういうゲートウェイが必要であるということを申し上げておきたいと思います。
 以上です。

○伊藤座長 鈴木局長と秋山会長が議論するのは、皆さんの議論を集めてからにしたいと思います。もし深川さん何かあれば。

○深川委員 国益とは何かというのを議論するのは、この会議の役割と思います。そこで、議論の原点にしなければならないのは、やはり最適な航空ネットワークとかを考える主体は国しかできないのかどうかという点だと思います。(航空局長は、)お立場上、当然航空交渉を中心に、お話しされていたように思われるのですけれども、航空交渉をどうするかとかいうのは、戦術の話であって、戦略の話ではないですね。
 戦略のレベルで考えなければいけないのは、日本全体の生産性をどうやってあげられるのか。加えて、日本の航空産業の競争力をどうやって強化できるかということです。その意味でも、例えばオープンスカイなどによって、製造業が持ってきたようなマーケティング能力を身につけて、もっと航空会社が自由な発想と、航空会社自身がマーケティング能力を身につけて、市場をよくウォッチしながら、失敗する責任も自分でとっていただかないといけないわけです。
 特に、日本の場合、アジアを対象にしていかないといけないし、かつ、時代がものすごい速度で変わっているので、やはり、責任を自分で取っていくそういう姿勢にしていかないといけない。
ヨーロッパとか欧米に比べても、アジアの変化の速度というのが尋常じゃなく速いわけですね。そういう意味で、私は、やはり民間による最適ネットワークの設計のメカニズムをつくることが、今、一番、国益の観点から、重要だと思います。
 やはり座長もおっしゃったように、金融の失敗をつくづく繰り返してはいけないと思うのです。金融の世界の趨勢が、全部リテールに向かっているときに、産業金融にしがみついていて、当然だと思い、非効率さを繰り返して、この後に至ったわけです。つまり世界の趨勢に一人だけあらがっても、やはり結局は勝てない。グローバリゼーションの中で、大勢は決まったときには、先手必勝だと思うのです。そういうふうに、まず考えていくべきだと思います。
 もう既にこれはFTAでも繰り返されています。日本の関税の4倍も農業保護やっていた韓国に、米韓FTAなんてできっこないと、みんなたかを括っていたら、できてしまったわけですからね。アジア各国はやはり新興国なので、我々よりははるかに失うものも少ないし、はるかにグローバリゼーションに対するコミットメントは大きいということです。そういう人たちを相手にしていくのです。例えば、のろのろしている間に、中国が主導する「アジアオープンスカイネットワーク戦略構想」などが出された場合には、やはり中国の膨大な人口と市場潜在性というものがものすごい力で、アジアに押し出てくるわけですから、日本の立場はやはり不利にならざるを得ないと思います。
 とにかく、旧態依然とした政策の枠組みの中では、もはや時代にはついていけないということを出発点として、特に国際化の観点に立って、航空政策について、物流の一環としてやはり非常に公共性の大きい産業の面もありますから、果てしもない中小企業の競争みたいな政策にはできないと思います。
 日本では、バランスをとっていく政策立案能力というのは、民にも十分出てきていると思いますし、新しい形の航空政策をつくっていくことが必要と思います。

○伊藤座長 最後に根本補佐官にまとめていただきます。せっかくですから、余り時間はないのですけれども、秋山会長、鈴木局長、一言ずつお願いします。

○秋山会長 確かに、何が国益か、戦略的か、スピード感、この3つが非常に重要だと思います。それで、経済界の方から言いますと、ものづくりであれサービス産業であれ、できるだけオープンな形で、自由にスピードを持っていけるネットワークが必要だということです。これは、国家戦略として国の発展から見ても、あるいはアジア各国との交流から見ても、非常に重要なことだと思います。
 そういった中で、深川先生おっしゃったように、戦術的な航空交渉というのをどうするかということは、まあこれもある意味では国益だと思いますけれども、欧米の先進国とアジアとは分けていただいた方がいいと思います。深川先生がおっしゃったように、アジアの国々は、非常に弱い立場というか、日本を非常に中心に考えていたような国でも、一方では中国が出てきてどんどんネットワーク化していく状況にあります。そうなると、人と物と知識の流れは全部中国へ行ってしまう恐れがあります。そういう中で、日本の国をいかにアジアの中心に、ASEANプラス3の中心にもってくるかということこそが、国家戦略から見て、これがアジア・ゲートウェイ構想だと思います。
 そういった意味では、成田・羽田の物理的な制約を抱えながら、できるだけ航空を自由にしていくという中で、できるだけ関空を活用していただいて、関空ともネットワークしやすいと思います。
 氏家委員がおっしゃったように、ビジネスマンにとっては、あるいは荷物にとっては、全部日帰り圏といいますか、要するに翌日には着いているということが、是非とも求められます。そういった意味では、成田・羽田の24時間化をどうするかということが課題です。関空はもう完全に24時間化できますので、羽田・成田の検討が必要になってくると思います。
 関西からアメリカへ行っている人は87万人います。けれども、それが全部成田経由で直行していくということは非常に不便なので、先ほど中北委員おっしゃったように、消費者という立場から見ると、ぜひ使い勝手がいいようなものにしていきたい。そうなると、例えば、関空に来た便でアメリカへ飛んでくださいというお願いを航空会社にしております。
 少なくとも、日本の航空会社が撤退したところは、どんどん各国の航空会社を入れて飛ぶというふうなオープンな政策が必要になってくるのじゃないかというふうに思います。
 いずれにいたしましても、意思決定の速さと、それから物と人が速くいかに流れるかという、こういうスピード感というものが、国家戦略としては一番重要になってくると思います。
 以上でございます。

○伊藤座長 鈴木局長、お願いします。

○鈴木航空局長 旧態依然というお言葉もいただきましたけれども、やはり二国間の航空交渉はお互いの権益と交換ということで成り立っています。我々は一方的に全部譲歩してしまうということはあり得ないわけであります。アメリカですらオープンスカイと言いながら相手が乗ってこなければ開けないわけでありまして。そこを御理解いただきたい。
 ですから、地方空港を今回一方的にオープンにするというのは我々としては大変な決断でありまして、これは全く見返りなしでやろうと思っております。それに加えて関空・中部までオープンにしてしまったら、もう羽田・成田は使えないわけでありますから、あとは出すカードがなくなってしまう。そうすると、もう相手との取引にならないという状況がございます。そこはぜひとも御理解いただきたいと思います。ただ、その中でどんどん関空・中部もネットワークを張っていこうということで最大限我々今努力をしております。
 それから、成田につきましては、確かにヨーロッパのダイレクトの深夜便はパリ線だけであります。これもニューカレドニアのヌメアからの乗り継ぎ客が3割ぐらい加わってやっと成り立っています。航空路線というのはやはりエアラインが飛ばないと成り立ちません。我々が飛ばせという強制力はありません。ですから、お客さんさえいれば飛ぶわけであります。今は、悲しいかな大型機しか、ダイレクトに飛べませんので、採算がなかなか成り立たないという状況でございます。ですから、今後、B787といった中型機でダイレクトに飛べる飛行機が出てくると、また展開は違ってくるだろうと思います。
 それから、関空の有利子債務の問題については、私どもも頭悩めているところであります。1兆2,000億もございまして、1%で120億でございますので、今低金利だからもっているのですが、金利が上がったらとんでもないことになるということで、これを何とかしなきゃいかん課題だと思っております。

○伊藤座長 では、根本補佐官。

○根本内閣総理大臣補佐官 今日のお話は非常に象徴的だったと思いますが、国益、戦略、スピード感、私はこれがポイントだと思うのです。特に、今日は非常に明快になったと思います。この問題の本質は、国益とは何かということをどう考えるかということだと思います。航空交渉は戦術です。我々がアジア・ゲートウェイ構想で考えているのは、要は戦略です。国際競争力の強化や日本の経済の成長というものを、我々は国益と考えている。そこの差が今日はクリアになったのかなと思います。深川先生がおっしゃったように、民間による最適ネットワークをつくるメカニズムをこれからどのように構築するか、この辺がポイントだろうと思います。
 航空の自由化、国際空港の24時間化は、総理からの指示で、オープンは安倍内閣の経済の柱であります。今日の議論を踏まえまして、航空局長にはアジアにおける戦略的な航空自由化について、さらに議論を深めていただきたいと思います。そして、関西、中部空港を含めた航空の自由化の具体的な道筋を示していただきたいと思います。
 なお、先ほど、航空局長の発言で気になったのは、オープンということについて、一方的に日本がオープンにするということをアジア・ゲートウェイ構想で主張しているわけではない。
 いずれにしても、自由化でも、従来型でも、二国間の交渉やるわけですよね。重要なのは、相手国もオープンにするから、我が方もオープンにしようと、ここは双方オープンにするということを航空交渉で進めていくことだと、私は思います。一方的にこっちがオープンにしてということではないと思います。

○鈴木航空局長 ただ、成田・羽田をオープンにしないと、相手国も乗ってこないというところはあります。

○中北座長代理 鈴木局長と秋山会長のお話は、ベトナムとかタイの方から要望があったらそれを聞いて、話によってということで、その点は矛盾はないと思ったのですけれども。

○鈴木航空局長 頑張りますのでよろしくお願いいたします。お互いが努力することが大事だと思いますので。

○伊藤座長 きょうはいい議論ができたと思います。どうも本当にありがとうございました。

【秋山関西経済連合会会長、鈴木航空局長 退室】

 それでは、次の議題に入りたいと思います。次の議題は今議論いたしました航空以外の重要課題について、意見交換になりますので、最初に根本補佐官の方からお願いします。

○根本内閣総理大臣補佐官 今は航空の議論をしていただきました。航空以外にも文化で懇談会を実施いたしましたし、農業でもきのう懇談会を実施いたしました。留学生政策でも近く懇談会を開催予定であります。広く意見を聞き取っていきたいと思います。
 「貿易手続改革プログラム」、留学生政策と大学の国際化、日本文化産業戦略と文化の懇談会、農業の懇談会については主な指摘などを資料にまとめてあります。それから、金融につきましては、経済財政諮問会議で総合取引所構想などのアイディアが出ておりまして、農業でもさまざまなアイディアが出てきております。当会議でもアジアのゲートウェイとなるために独自のアイディア、諮問会議のアイディアに付加価値をつけたり、それらにプライオリティをつける観点を示していくことが必要だと思います。
 本日は、既に示しております中間論点整理に関する自由な議論の場でありますので、委員の皆様にはぜひそうした観点から自由に活発な御意見をいただきたいと思います。

○伊藤座長 ありがとうございました。
 それでは、委員の皆さんから御意見をお願いしたいと思うのですけれども、ちょっと議論の交通整理ということもございまして、意見交換は最重要課題を順番に伺っていきたいと思います。貿易手続改革プログラム、それから留学生政策、金融、農業、文化及び海外発信、それからアジアの共通課題という順番でいきたいと思います。
 まずは貿易手続改革プログラムの意見交換をしたいと思います。資料1という形で現在できている、いわばたたき台みたいなものがあると思いますけれども、これを少し参考にしながら、もし貿易手続改革プログラムについてどなたか御意見とかコメントがありましたらどうぞいただきたいと思います。
 これは補佐官、もちろん今御意見をいただくのですけれども、ごらんいただいた後でまた御意見をいただくということでも。

○根本内閣総理大臣補佐官 後ほど具体的に御意見をいただければ。

○伊藤座長 後で機会もございますけれども、せっかくですから何かお気づきのこととかございましたら、どうぞ。

○中北座長代理 きょう秋山会長が陸海空の有機的な連携とおっしゃったのですけれども、私たちもそれを念頭に置いて議論はしてきたのだと思うのですが、きょうは非常にその点がクリアになったように思いました。
 例えば、サプライチェーンマネジメントなんかも一方では進んでいる部分もあるわけで、弱いところを改善しながら、強いところをうまく組み合わせるという、そういう総合的な有機的な視点がやはり必要であると思いましたので、これはこれで物流の部分でありますが、できるだけそういう一体感を持って位置づけることが重要かなというふうに思いました。その方が発信力もあるし、説得力もあると思いました。

○深川委員 貿易手続改革プログラムについて、NACCSとか、ああいう話は結構両面があると思うのですよね。割と国主導で全体をカバーしながら標準化をワッと一気にやらなくてはいけない部分と、それから細かい民間のアイディアをどんどんフィードバックしていかなくてはいけない部分と。物流の技術変革も大変激しいので、つくっている端から時代おくれになっていく可能性というのは十分ありますので、その両方をうまくかみ合わせないといけないと思うのです。
 上からやる部分は、ロードマップさえつくって進捗状況を常に確認するメカニズムをつくれば大丈夫だと思うのですけれども、民間から上がってくる細かいアイディア、物流の話ってものすごく細かい話が多いので、これをいかに的確にぱっぱと取り込んでいけるかというのを一つ加えた方がいいのではないかなと思います。

○根本内閣総理大臣補佐官 これはそういう仕組みにしようと思っているのですね。今回は利用者サイドにも入ってもらって、具体的な細かな制度まで実務者で検討してもらいまして、これはなかなかいいものができたのですね。深川先生がおっしゃるように、やはり経済は動いていますから、このフォローアップの仕組みとしては定期的に民間の方から御意見をいただくという仕組みを加えておこうと思います。

○伊藤座長 その点で私もたまたま関税審議会の部会長をやっているものですから、関税局の方には非常に気を使っていただいて、この問題をずっとやっていただいていて非常に結構だと思うのですけれども、これまで余りそういうことをやってこなかったですよね。
 ですから、そういう意味で安倍内閣の中でこれをやったということ自身が非常にモビライズしたと思うのですけれども。これで終わってしまって、またそこでとまってしまうと、深川委員がおっしゃったように、この機会ですから、何かそういう継続的に担当のところが見直していくというか、考えていく、そういうサステイナビリティみたいなものを、何か提案できるといいなと思います。

○根本内閣総理大臣補佐官 そうですね、この議論の中でもそういう話が出ていますから、継続してやってほしいというのは出ています。

○伊藤座長 ほかによろしいですか、貿易手続改革プログラムについては。また、もしあれば後で出していただきたいと思います。

○根本内閣総理大臣補佐官 この貿易手続改革プログラムは、きょうのフィナンシャルタイムズで、安倍総理の訪米を控えて、記事になっています。安倍内閣の改革の一環として。

○伊藤座長 これは地味ですけれども、非常に大事ですよね。非常にうまくやっている。
 先ほどのものづくりなんかともかかわってまいりますので、また中身はぜひ読んでいただいて、早目に御意見をいただければと思います。
 では資料2、留学生について、何かコメントでもいいですし、あるいは追加的な論点でもよろしいですが。お願いします。

○氏家委員 前回か前々回かの会議で私は、我が国への留学の魅力を高めていくという意味で留学生獲得に戦略的に取り組んでいくという点と、それから留学した後にも、留学することの魅力を高めるためにその後のキャリアパスをきちっとやるという点についてコメントさせていただいたのですが、この2点をきちっと入れていただいてどうもありがとうございます。
 それで、追加と言っては恐縮なのですけれども、1つは大学の情報発信の能力の強化というのですか、これは例えば、伊藤先生には申しわけないですけれども、東大はアジアでも世界でも有名だとは思うのですけれども、どんな研究がどういうふうに行われていて、卒業後どんな就職先があるかというような情報の発信に関して、それほど欧米の大学に比べて熱心ではないように思うのでございます。実情を調査して改善していくべきではないのかなと。
 それから、もう一つ。2つ目ですが、これはこの中の主な論点の中でも簡単に触れられているのですけれども、留学の後のフォローアップの強化なのですけれども、当然これはできのいい留学生は本国に帰っても主導的な立場につくわけですよね、官でも民でも。そのときに、卒業生のフォローアップを、特にアメリカは熱心にやっているのです。理事長が来る、学長が来る、集めてパーティーをやると。これによって卒業生の間のネットワークをしっかりメンテナンスしているのですね。この努力をしていかないと、言ってみればその場限りになるというか、投資効率が悪くなってしまうのではないのかなと。
 もしできたらこの2つの論点を入れていただけたらば、ありがたいなと思います。

○伊藤座長 今まで我々は日本の文化や魅力を発信するとか、日本のものを大事にするという議論はしていたのですけれども、そういうコンテクストでは余り大学の話をしてこなかった。実は大学の人材、特に海外、今おっしゃったように日本にとって非常に重要な資産だし、それをショーアップするというのは非常に大事ですよね。

○根本内閣総理大臣補佐官 大事なことだと思います。

○伊藤座長 ほかには。

○中村委員 人材の受け入れ・育成について、最近各企業がアジア各国で基幹人材を採用するということが急速に起こっております。我々の会社でも中国、アジア、あるいはオーストラリア等の国々の人材を本社採用するということが急速に起こっています。これは一面いいことでありまして、そういうことが今後もどんどん起こっていくと思います。
 また、現在アジアに進出している我々の工場なり海外拠点から日本のマザー工場に研修に来る社員の数も非常に増加しております。
 そういった状況を踏まえますと、やはり今問題となりますのが在留許可証明、研修ビザ取得に非常に時間が長くかかっている点です。在留許可証明で大体五、六週間、ビザ発行までさらに一、二週間かかるようです。この辺はやはりもう少し手続の簡略化、審査の迅速化をぜひ検討課題として挙げていただきたいと思います。そして若い人材がもっともっと交流できるように、彼らにとって、日本がもっともっと訪れたい、そこで勉強したいと思われる国になればよいと思います。
 最後にひとつだけ申し上げますと、今、中国では1,800もの大学がありますが、その卒業生の公称30%は就職できないそうです。それが年々累積していくわけですから、かなり深刻な問題になっているようです。
 先般ハノイに行ってまいりましたら、ベトナムでもやはり同じように大学の卒業生の約20%は就職できないそうです。もちろん資質の問題もあるようですが、資質の問題は置いておいて、「大学は出たけれども」と深刻な問題になりつつあります。日本はそういった問題で各国に対して手を差し伸べる、官民挙げて協力していくということでプレゼンスを高めていくことが出来るのではないかと思います。そういった点もご検討いただきたく、よろしくお願いいたします。

○伊藤座長 ちょっと私もまだしっかり調べていないのですが、今、中村委員の意見に関係してくることなのですけれども、私の友人で香港で非常に成功しているビジネスマンがいまして、中国の特別なカードをもらっているのですよ。要するに、パスポートみたいなものですけれども。
 日本の場合には、一般的にアジアの人材に対するいろいろなビザとか、そういうものを緩めるという考え方と、もう一つ今出てきたように、例えば基幹人材とか、あるいは日本にとって非常に貢献している人材に対して、何かいろいろな形で評価する中でそういうことやるという2つの考え方があって、どちらも大事だと思うのですけれども、意外と今後は目に見える形での日本とアジアの人材ということからすると、民間だってANAのシルバーカードなんか持っていますけれども、そうすると非常に便利なのですが、そういうようなものを何か考えると、非常に目に見える形ですぐに動くのかなというふうに思います。もちろん定期的に見直ししないと問題だと思いますし、なかなか入国管理の難しい問題があるのかもしれませんけれども。

○氏家委員 これはちょっと余談になって申しわけないのですけれども、私もベトナムに行ってびっくりしましたのは、ベトナムの社員が社内旅行で中国に行くというと、彼らはパスポートを持たなくて広西自治区に入れるのですよ。日本人だけパスポートを持っていく。かなりあの辺は自由に進んでいる。そういったことを考えると、先ほどのスピード感ではないですけれども、急がないといけないなと思います。

○伊藤座長 そういうスペシャルカードを持った人だけが、例えば日本人のラインに並べるとか。もちろんそのための審査は重要だと思いますが。

○深川委員 ボトムラインがはっきりすればいいのですよね。これがボトムラインで、あと積極的に自由化するという線引きです。最近イージス艦情報流出事件もそうですけれども、企業も秘密流出、トヨタの話とか、ああいうのがあるので、民間の側も秘密保持のボトムラインとかアクセスの問題とか技術の拡散の問題とか、自衛を講じつつ、かつ優秀な人にはもっと、どんどん来て活動されていくような仕組みを官民で考えていかないといけないと思います。
 それから、あとやはりこういうのは私は自分が国立大学をやめたからじゃないのですけれども、国立大学の独法の評価にどんどん踏み込んでいって、国立大学改革の中に国際化の枠を組み込んでいくというのが大事だと思うのです。私学はマーケットに押されていますから、言われなくても情報開示を必死にやっている。ホームページも充実しているが、研究の中身がお寒い、という状態だったりします。あるものを公開していないのではなくて、ないものを公開しようとしているような世界になっている。それが国立大学は逆で、ジャブジャブおありになるのでしょうけれども、ほとんど全然情報がないから何をやっているのか全然わからない状態になっている。逆です。
 やはり独法化した意味というのは、もっと効率化してもらわないといけないということですし、やはり教員の授業負担だって、それははるかに国立大学の方が軽いわけですから、その分頑張って研究をやってくださいという趣旨なのですから、それをやはり前面に出していかないと、外の大学生にはなかなか伝わらない。やはり東大だから留学してくるのであって。

○伊藤座長 この前、実は教育再生会議に出させていただきまして、大学のところ、今そこのところを一番我々としては強調したかったのです。

○根本内閣総理大臣補佐官 報告いただいた大学の評価というのは柱の1つです。

○伊藤座長 そこのところは、ぜひさらに強調していきたいなと。ほかにこの留学生政策とか、あるいは大学について何か。
 もしよろしければ、時間がちょっと押していますので、次の金融について御意見を。これも資料があると思いますが。

○根本内閣総理大臣補佐官 中間論点整理のところです。

○根本内閣総理大臣補佐官 金融は、伊藤座長がおっしゃられたように、今10項目ぐらいに絞り込んでいます。スピード感をもってやりましょうという項目を整理して、また議論させていただきたいと思います。

○氏家委員 案を見せてもらって、極めてよく整理されているという印象を持ちました。

○伊藤座長 金融については何か。もしまた何か追加的にあればお願いしたいと思います。
 次は農業ですが、これは昨日意見交換会をしまして、それに関して配布資料もあると思いますけれども、もし農業について何かあれば。

○根本内閣総理大臣補佐官 資料4−1、農業については企業家精神を核にした農業の活性化という観点から、今までの日本の場合は生産を非常に重視していたのですが、流通、販売のところに農業者は必ずしも十分に取り組んでいなかったので、やはり生産から販売を視野に入れた経営を展開していく。農業が「儲かるビジネス」として産業として自立する。そういうところに焦点を当ててやっていきたいと思います。
 国内市場だけ見るのではなくて、アジアにも大きなチャンスが今生まれてきていますから、輸出も出てきているので、国内でしっかりと生産から販売までを視野に入れた強い経営体をつくって、さらにその先にアジアがあると。
 今、農業者でもこの5年から10年でいろいろな先進的な取組が出てきております。大きな経営をして生産から販売までいろいろな工夫をしてやっている農業経営者や、あるいは中山間地域で1,100人の村でゆずを特産品にして33億の売上を出しているとか、いろいろ先端事例が出てきておりますので、その最先端の事例、新しい例を取り込んで政策としてプッシュするような、そういう方向性で農業はまとめていったらいかがかと思っております。

○伊藤座長 どうぞ。

○中北座長代理 私はきのう聞かせていただいて、大変興味深くて、特にこういう事実経過のお話を聞いて頭が下がる思いでした。
 一つ感じましたのは、私は農業の産業政策といいますか、農業が普通の産業として認識して、普遍的な産業の一つとして認識して、それでそれを育成していく。簡単に言うとマーケティングだとか情報化だかと、もっと言うと、すぐれた経営者をそこに配置できるように、またそれを育成していく、そういう政策と、つまり競争力をつけていく政策と。
 もう一つはここにあるのですが、山間地の話とか、それから環境の問題とか、これは私は多分ちょっと異質じゃないかというふうに思うのですね。認識の問題としては私は峻別しておく必要があるというふうに思いました、私個人は。つまり、後者の方は環境保全、あるいは地域の活性化というのは、公共財の問題というか社会全体、あるいは政治の問題であって、これまでは余り区別の認識もなく行われてきて、それがある意味ではまたむだを呼んだりとかモラルハザードを生んだ面もあるわけなのですが、むしろこれからはちょうどこの市場原理が次第に働いてきた中で、両者を区別して、前者の方。つまりきのうはいろいろお話ありしましたけれども、農業というのは潜在力があって、いい経営者、あるいはいい事業計画を立てれば、強い産業としてすぐれた経営力も見せることはできるのだと。こういう事例がたくさんきのう挙げられました。ですから、そちらはまさに流動化とか、あるいは不要な規制を撤去していくという形で潜在力を発揮していくという方向で力をつける。それが将来の国際化への本当のさらなる基盤になるということだと思いますが、一方で地域社会の保全とか環境問題、林業とか、あるいは小規模農業、例えば山間地域の問題というのは、これはもっと社会全体の問題であって、私個人はひょっとしたら官邸主導で取り組んだ方がいいのではないかと。現実は一つの省で両方やっているために、つまり市場原理が働くところと、もう一つは市場原理が働かないところを一緒に予算もほとんど丸ごとでやっているというところに問題があるのではないかということだと思うのですよ。
 逆に、そこの手段と目的が峻別されないために、ややもすると経済学者はいたずらに市場原理を叫んでいるというふうに、時には曲解、誤解を生んでしまったりということがあるので、その考え方、それからポリシーメーキング、運用、実行の枠組みを少し峻別して、できたら私は組織体も分けていった方がいいと。地域社会の保全に関しては国全体の問題なので、そういった意味でオーバーオールな観点から官邸とか、こういったところでまた別の次元で議論するということが重要かなと思いました。

○伊藤座長 ほかに農業に関して何か御意見はございますか。

○深川委員 私もやはり農業の生産性を上げる、競争力をつけるという話とコミュニティの話とは余り混同しない方がいいと思います。もちろん外部性が大きい産業であるとは思いますけれども、産業政策的な観点と外部性の話がごちゃごちゃになった結果、やはり予算も非効率というのが生まれると望ましくないということだと思います。
 あともう一つは、やはり人の交流というのを農業の中にもっと積極的に取り込んで、経営者、農家の農業経営というのを育てていくというのも一つあります。これから日豪のFTA交渉に入るのですが、オーストラリアの農民も結構かわいそうな目に遭っているのですよね。一生懸命日本のうどんのため小麦をつくったら、干ばつになってしまって。やはりお互いの農業者間の協力というのを前面に出した方がFTAもうまくまとまると思いますし、いずれ我々も若い人口が減っていくわけですから、オーストラリアに土地を買って農業をやって持って帰る人たちもふえるかもしれないし、日本の輸出だってオーストラリア人はどういう食べ物を好きかとかいうマーケティングはオーストラリア人にやってもらった方がいいでしょう。そういうところに農協のアドバイザーで来てもらったりとか、いろいろな国際交流を前面に出してやっていくということだと思います。

○伊藤座長 これは農業については、特に農業の人たちの国際交流というのは、別途に入れてはいかがでしょうかね。

○根本内閣総理大臣補佐官 そうですね、それは非常に貴重な御指摘だと思います。

○伊藤座長 でないと、ほかのところだけで国際交流というと、何となく農業とはだれも思いつかないですよね。

○根本内閣総理大臣補佐官 そうですね。将来、今の話に出たように、どんどん輸出入が盛んになれば、それはだれの交流でもできると思うのですが、日本の技術を向こうに教えたり、向こうから来たり、マーケティングなんかまさにそうですよね。向こうの方に売ろうと思ったらそのプロがいないと。
 農業はおっしゃるように、このペーパーはこのペーパーになっていますが、私もその全体の整理としては農業の産業政策という分野と、それから農村政策と、それは環境保全も入りますけれども、やはりそこのところをきちんと整理した上で政策体系を構築していかないと、そこはもうごちゃごちゃになってしまうと。だから、これをまとめるときの前提のペーパーとしては、そういう整理はきちんとしたいと思います。

○氏家委員 お教えいただきたいというか、少し混乱しているというか、このアジア・ゲートウェイでは農業を産業としてとらえているのですか。それ以外の言ってみれば経済外部性ですとかセーフティネットですとか、それはこの会議は言ってみれば扱わないというスタンスでよろしいのですか。

○伊藤座長 資料4−2というのをごらんになるといいと思いますが、例えば中山間地域の活性化とか、こういうところは地域政策みたいなところにも配慮するということだと。

○氏家委員 そうですよね。それで、今までのお話を伺っていたら、これは明らかに分けないといけないと私も思うのですね。分けたときに、言ってみればどちらに焦点を当てるかというのをはっきりさせないから、どうもなかなか議論が先へ進まないのではないのか。もしこの産業政策をきちっと位置づけるのだったら、農業を先端産業として育成していくためには市場原理、競争原理が働くような制度設計と、それからそのために必要な土地の利用の法整備等々をやっていかなくてはいけないと、こういう筋書きになりますよね。それで、確かに日本でも比較的自由に競争している農業商品は強いわけですから。ただそのときにいつでも、いやそれだけではないという部分が混ざっているもので、話が難しくなる。逆に言うと、取ってみたらどうなるかと。暴論かもしれませんけれども。この会議では、農業を先端企業として育成するために、ほかの側面があるものの、産業という側面に焦点を合わせてはいかがでしょうか。

○根本内閣総理大臣補佐官 これは「国内市場型」産業という概念があったかと思うのです。今まで国内市場だけ見ていた産業が実は海外も視野に入れればもっと出ていけるじゃないかと。その象徴的なのが農業ですよと。あと保育ビジネスが海外に出ていったり、ピアノ教室も海外へ出ていったりと。その中で農業を特記している。ですから、これはあくまでも産業として農業を見ましょうというトーンでまとめているのです。だから、全体の柱はそういうトーンで。
 それと、実はもう一つ。アジア・ゲートウェイ構想には、地域活性化という柱がありますけれども、農業というのはまさに地域の基幹産業ですから、地域の活性化にも資するのですよと。この(3)の項目では、一定の直接支払いをベースとして、これはある意味では中山間地域に対する直接所得補償ですから、そういう政策の枠組みがあるのですよね。そういうものを有効に活用して地域の特性を活かしたブランド化を図る。
 きのうの懇談会で、馬路村はゆずを中心にして丸ごと馬路村をブランドとして売り出してしまうと、そうすると都市住民も来ると。こういうことをやっている優良事例なものですから、やればできるということで、ここに位置づけたのですね。とにかく産業政策で農業を強くしようということであることには変わりはありません。

○氏家委員 そちらに軸足があるということは。

○根本内閣総理大臣補佐官 そこに軸足があるというのはやはり。

○氏家委員 はい、ありがとうございます。

○伊藤座長 ちょっと個人的なお話をさせていただいてよろしいですか。農業について、もう時間がなくなってしまったので後でまた見ていただきたいのですけれども、ここに非公表というので「アジア・ゲートウェイ構想序文」という、これは本当のまだたたき台のたたき台で、ちょっと外に出していただくものではなくて、皆さんにたたいていただきたいのですけれども、全体としてアジア・ゲートウェイ構想をどういう戦略で考えたらいいかということを書いてあるのですけれども。書いているうちにだんだん気がついてきたのです。きのう根本補佐官にも申し上げたのですけれども、実はひょっとしたらこの農業の問題というのは、この全体の中で一番重要だという面もなきにしもあらずと、戦略という意味では。
 それはどうしてかというと、ちょっとここは言い過ぎかもしれませんけれども、ない影に怯えて農業者がいわゆるこういうアジア・ゲートウェイというか、自由化に対して非常に消極的になっていると。ですから、実は一番重要なことは、農業のような代表的なところでも実はグローバル化と輸出は一緒にやっていけるし、チャンスはあるし、あるいはそれをやるために強化してもらうのだというメッセージを伝えることが非常に重要だろうと思うのですね。
 それと恐らくセットで、さはさりながら競争だけで切れないような環境とか、地域問題というのはあるから、そこはしっかりわかっていて分けて考えるのだと、そういうメッセージを序文で出すのがいいのか、ここに出すか、両方に出すべきだと思うのですけれども、そういう戦略が何かあると、こういう具体的な戦術というか政策みたいなものが表に出てくるのかなと。これから一つのやはり大きな目的というのは、これがすごくアジア・ゲートウェイ構想の中では実は重要なテーマになっていくということをいかにうまくショーアップできるかということになるかなと。
 具体的な中身については、細かいことはやはりもうちょっと農水省とか、そういうところにやってもらわなくてはいけない部分もあるのだと思います。

○根本内閣総理大臣補佐官 結局、農業のアジア・ゲートウェイというと、普通の農業者はどう見るかというと、どんどんほかから入ってきて農業が衰退すると思うわけです。ですから、ここは可能性があるのだと。守りから攻めですよと。だから、伊藤先生がおっしゃったように、峻別すれば非常に出てくると思います。アジア・ゲートウェイといったら、農業はみんな逆に考えるのですよ。

○伊藤座長 これからの工夫だと思います。

○中北座長代理 要するに、弱い産業というイメージが浸透しているが、やはり潜在力があって、ヒューマンキャピタルをちゃんと育成すれば立ち直れる。
 ただ、峻別と申し上げたのですけれども、例えば今回の日豪のFTAなりを考えると、ちょっと境界線上に近いのかもしれませんが、食料安全保障ということを考える上で非常にいい試金石になるのじゃないかと思うのですね。非常に良質な安定した先進国ですから、そこと交渉するというのは日本としていいモデル、白地に割といい絵をかけるケースなので、そんな意味でもまた国際化と言われたのですけれども、プラスの要素も考えること、この場で考えられるのじゃないかと思いますね。豪州はアジアかどうか知りませんけれども。

○伊藤座長 時間が大分迫ってきましたので、残りの時間であと2つまだ残っておりまして、文化、海外発信の部分と、これは配布資料がございます。それから、配布資料はないのですけれども、特区について何か御意見があればいただきたいと思います。さらにアジアの共通課題について何か御意見がございましたら、あとは残りの時間で今の2つのことについて少し御意見、時間が制約されますから、後でまたもし必要であれば事務局に文書でいただいても結構だと思いますけれども、何かありますか。
 補佐官の方から何かありますか。

○根本内閣総理大臣補佐官 要は地方の活性化の観点から、アジア・ゲートウェイ特区というのを出しています。今までの特区は下から上へ上げてくるものだったと思いますが、アジア・ゲートウェイ特区では、こういうテーマでやったらいかがですかということを提案しようと思っています。
 それと、先ほどの秋山会長のような話とかがアジア・ゲートウェイ特区の具体策になってくると思います。土地利用を展開しなくちゃいけないとか、そういう話が出てきますので、きょうのような話はアジア・ゲートウェイ特区的なところでマッチングしてくるかなと思います。

○深川委員 アジア・ゲートウェイ特区というのは、既成の行政の枠にとらわれないで、やはり政治主導で垣根を越えて、本当にこれを実現するために戦略的に位置づけてやる!というコミットメントが必要だと思いますね。やはり有権者も選挙前にそれを望んでいるわけですから、何か今までにない違うやり方をしない限り、この閉塞状況を打破できないような気がして、だからそういう強い政治メッセージを出さないといけないと思いますね。

○伊藤座長 これは例えば、きのうサミットの場所が洞爺湖に決まりましたが、あれは1箇所しか選べないからすごいメッセージになるのですよね。サミットの候補を例えば10個選べといったらみんな手を挙げますから。だから、もちろん最終的にはたくさんあってもいいですけれども、例えばアジア・ゲートウェイ特区というのは本当に少数に絞って、そこをやるというのは。そういうのは難しいのでしょうか。

○根本内閣総理大臣補佐官 大体モデル事業というと数をふやしてみますから。

○伊藤座長 みんな手を挙げちゃいますよね。

○根本内閣総理大臣補佐官 だから、それは絞り込んで、具体的な提案もやはり適切な提案というのは少ないとは思うのですよ。象徴的な提案が出てきて、そこをやれと。

○深川委員 これはみんな素人の人たちも「そこまでやるか」という成功を見たいのだと思うのですよね。そうすると、後をついて行きますから。

○根本内閣総理大臣補佐官 沖縄あたりでもアジア・ゲートウェイ特区という声が上がっていますから。

○伊藤座長 例えば、沖縄なんていうのは、僕は個人的に言えば非常に自然だと思うのですけれども、それがうまく成功するとほかに広がっていく。もちろんほかで出してもいいのですけれども。

○深川委員 やはりあと文化戦略とかもそうだと思いますけれども、民の主導という軸をずらさないようにしないと。結局これも後から法律が出てきたり、マンガの国家検定とかをつくるのですか。最近、何かそういううわさがどこか新聞で出ましたけれども、何でああいうものに行政的な枠が必要なのかなと思うのです。

○根本内閣総理大臣補佐官 文化は当然そういう分野があるのですよね。ここはアジア・ゲートウェイ戦略会議ですから、そういう失敗するような内容とは違うと。我々のレベル的にはできますから。

○深川委員 文化は自由な発想を持った、既存の秩序観からみると、かなりいかがわしい人たちもいて、その自由なところから活力が生まれてくるものですね。だから、法律でギチギチにやれるものではないのではないでしょうか。

○根本内閣総理大臣補佐官 中間とりまとめにはそういう趣旨のことを入れ込んであります。先生のおっしゃられるようなこと、そもそも文化というのはこういうものだと。

○伊藤座長 ちょっと時間がもうなくなってきたので、一つだけ。やはり後でこれから私も考えなくてはいけないと思うのですけれども、アジアの人がこれを見たときに何か自分たちにとって非常に大きなインパクトがあるという、そういう見せ方もしなきゃいけないのかなと。特に最後のアジアの共通課題のところだから、もう少し何かさらに、留学生とかそこをまたぜひ皆さんに知恵をいただいて、もちろん国内ではそのメッセージが一番重要なのですけれども、アジアに対して補佐官なり総理が英語でこれを持っていって現地で発表したときに、向こうがどう受けとめるか。多分そういう質問が出てくるのですね。自分たちにとってどういう事案なのかと。それを発信力のあるような形にできるといいなと。

○深川委員 これが出れば多分、各国の大使館は一斉に分析して本国に打電して、経済官僚たちとかが、これでうちに何かおいしいものはないかな?というふうに考えますよね。そのときに魅力があるようなものになっていなければいけない。ある意味でアジアの在京の商務官とか、経済アタッシュとかを集めてやってもいいのですよね。

○伊藤座長 シンポジウムみたいなものをね。

○深川委員 ええ、バーンと。

○伊藤座長 そうですね。

○深川委員 そうすると、彼らからもいいアイディアが出てきますから、またそれをフィードバックしていけばいいし。

○中北座長代理 この間、時間軸で考えようというのがありましたね。政治のリーダーシップ、そういうことも視野に入れながら考えていくといいのじゃないですか。加速していきますし。

○深川委員 あとは日本が持っている市場の力、市場からわいてくる知恵というのをやはりアジアに見せるというのが多分リーダーシップとしては望ましい方法だと思います。アジアの人たち自身もそれを今、希求しているので。

○伊藤座長 中村さんがやったような新日本様式が、そういう一つだろうと思います。
 そろそろ時間が来ましたので、議事の進行をお返しします。

○根本内閣総理大臣補佐官 きょうは大変充実した密度の濃い議論をしていただきましてありがとうございました。
 きょうのいただいた議論、それから後ほど追加的な御意見もいただきたいと思いますが、ゴールデンウィーク明け、5月7日の週には構想の素案を提示して、再度意見交換をさせていただきたいと思います。そして、5月14日の週にアジア・ゲートウェイ構想をとりまとめたいと思います。
 日程のない中で大変恐縮ですが、事務局から連絡をさせていただくということでお願いしたいと思います。お忙しいところ御無理を言うかもしれませんが、御協力のほどよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。