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アジア・ゲートウェイ戦略会議(第8回)
議 事 要 旨


日 時: 平成19年5月10日(木)18時02分〜19時24分
場 所: 総理官邸3階南会議室
出席者: 塩崎内閣官房長官、根本内閣総理大臣補佐官、伊藤委員(座長)、白石委員、中北委員(座長代理)、深川委員、宮田委員、伊藤経済財政諮問会議グローバル化改革専門調査会会長、中条規制改革会議委員、鈴木国土交通省航空局長

○根本内閣総理大臣補佐官 時間も参りましたので、ただいまより第8回アジア・ゲートウェイ戦略会議を開会いたします。
 委員の皆様におかれましては御多忙のところ御出席を賜り、ありがとうございました。
 本日はゲストスピーカーとして、規制改革会議委員の中条潮慶應大学教授、経済財政諮問会議の民間議員である伊藤隆敏東京大学大学院教授に御出席いただいております。
 また、国土交通省の鈴木航空局長にも来ていただいております。
 それでは、これからの議事進行は伊藤座長にお願いいたします。

○伊藤座長 それでは早速、議事次第の2「航空の自由化、大都市圏空港の国際化・24時間化について」の議論に入りたいと思います。
 最初に、規制改革会議の中条委員より御発言をお願いいたします。

○中条氏 それでは、手短に御説明申し上げます。
 お手元に「アジアオープンスカイ構想(アジア・ゲートウェイ会議用メモ)」と題したものがございます。それに沿ってお話しいたします。
 航空自由化については、オープンスカイから空港民営化に至るまで、既に規制改革会議としては7日に意見を公表したところでありますけれども、ここにお配りしたものは、その中で特に重要な項目のみ選んで説明したものです。
 まず第1点、日本主導のアジア版オープンスカイ政策の導入。
 この点につきましては、そこに書いてあるとおりであります。まずは日中のオープンスカイを始め日韓、日印、日−ASEANなどのアジア諸国との間での自由化を実現すべきである。これがうまく軌道に乗れば、さらに欧州やオーストラリアといったところもあっていいと思いますけれども、とりあえずはアジアからということであります。
 この点については、首都圏の空港に制約があるという点が一つのポイントになるかと思いますけれども、その前に、まずは関西空港、中部空港、を初めとする地方空港の完全開放、こういう形でオープンスカイを進めていくことが1つ考えられます。
 地方空港や関西空港、中部空港については、もう既に開放しているという御意見があるかと思いますが、私はそうではないと思っております。
 1つは、運賃の自由化という点でまだまだ不十分な点があると考えます。関西空港に入ってきたジェットスターという航空会社は、もっと安い運賃をつけたかったわけでありますけれども、これが阻まれてきた。それから、私たち日本の周りには大変たくさんのローコスト・キャリアズが現在、誕生しております。その中のエアアジアという航空会社は、日本航空の4分の1の単位当たりコストで運航運行しています。そういった会社が入りやすくするための運賃の自由化を進めるといった形で、関西空港や中部空港を始め、とする地方空港にもさらに多くの航空会社が入ってくる可能性が十分にあると考えております。
 もう一つは、地方空港の受け入れ態勢が不十分である。そのために、地方空港に入ることを表明したのに断念したローコスト・キャリアもございます。そういったところが自由に入ってこられるような形にしていくべきであろう。
 それから、関西と中部を出してしまうと航空交渉のカードがないという御意見も一方であると聞いております。しかしながら、これは権益の交換ということを非常に狭い範囲でしか考えていないのではないか。チョコレートとミカンを交換するという交換の仕方もあれば、チョコレートをあげるから今度、自分の仕事を手伝ってくれという交換の仕方もある。もっと大きい視点で権益の交換ということを考えていくべき時代ではないかと考えております。
 さはさりながら、やはり自由化の中では首都圏の空港の容量を考えていかなければいけないわけでありますけれども、羽田に関しては2010年に新しい滑走路ができることになります。その前にさらにいろいろな努力をしていただいて、少しでも発着枠を増やしていっていただきたい。公用機枠の一部活用であるとか発着間隔の見直しであるとか、そういったことによって1時間に1枠増やせば、これで年間5,000ぐらいの枠が出てくることになります。さらに1枠増やす努力をしていただくことによって、2010年の前に、羽田に関しても国際線が入れるよう努力していただきたいというのが2番目の第1点であります。
 あわせまして、当然、今、国際線の運航運行が認められていない昼間の時間帯についても、一部枠を国際線に割り振っていく。そして早朝・深夜の時間帯は当たり前でありますし、さらには特定時間帯と呼ばれている早朝・深夜と昼間の間の時間帯についても、国際定期便ないしは現在の羽田−金浦型のプログラムチャーター便─これはチャーター便でありますけれども、基本的に定期航空とほぼ同じような形で運航されている、一人一人の個人で切符を買うことができるチャーター便でございますが、そういったものを受け入れる形にしていただきたい。
 それから、そういったことを考えていったときに、路線距離において羽田空港に入れる国際チャーター便を制限するペリメーター規制は、採用すべきではないというのが規制改革会議の考え方であります。
 距離の長い路線は遠い空港─成田空港を使いなさい、距離の短い路線は近い羽田空港を使いなさいというのは一見わかりやすい考え方であります。しかし、それであるならば、国際と国内で区別するのはおかしな考え方であることになります。
 それとあわせて、お客さんの数を考えるべきだろう。500キロメートルの路線と3,000キロメートルの路線があって、500キロメートルの路線には100人のお客さんしか乗っていない、3,000キロメートルの路線には1,000人のお客さんが乗っているのであるならば、3,000キロメートルの路線に近い空港を使わせる方が社会的な便益は大きくなります。ですので、距離に応じたペリメーター規制は採用すべきではないというのが私たちの考え方であります。
 あわせまして、航空輸送がどんどん多様化している中にあって、羽田への乗り入れを機材の座席数だけで制限するというやり方をとるべきではない。現在、羽田空港については60席以上の飛行機しか入ってはいけないことになっております。しかし、世界では今や、通常200席くらいの機材を全席ビジネスクラスにして48席にして飛ばすといったような航空会社がどんどん出てきております。北大西洋線にはそういった航空会社が4社も登場しております。そういった時代において、この規制は時代遅れであろう。
 こういった措置をとることによりまして、今、既にほぼ実現する予定になっております羽田と上海の虹橋の空港間のみならず、例えばでありますけれども、北京、香港、ホノルル、ムンバイといった都市を結ぶ定期的な国際便を、できれば年内、遅くとも2年以内に実現すべきであるという考え方を持っております。
 これが羽田についてのお話でありますけれども、成田空港につきましても、こちらは平行滑走路を2010年に延ばした段階で22万回の発着枠を実現するという計画になっておりますけれども、それを2010年を待たずに前倒しを図るべきである。22万回は無理としても、さまざまな工夫をすることによって増枠は十分に可能であろう。もちろん地元に対しては、22万回を2010年という形で騒音対策等のお約束をしておりますから、この点については地元と話をしていただき、それを前倒しする努力をしていただきたいというのが成田についての話であります。
 最後に、外国資源の活用をさまざまに阻んでいる日本の航空会社に対する規制については、この規制を緩めることによって、日本の航空会社が外国の航空会社あるいは外国籍の航空会社をどんどん活用して、コストを下げて競争力を高めていく、そして世界と競争できるような航空会社になってほしいということから、こういった規制を撤廃すべきであるということを提言しております。
 以上が私たち規制改革会議がまとめた内容でございます。
 最後に1つだけ申し上げておきたいのは、この意見書を公表したのは、もちろんアジア・ゲートウェイ戦略会議をサポートするためでありますけれども、決してアジア・ゲートウェイ戦略会議のために意見書を作成したわけではございません。規制改革会議もアジア・ゲートウェイ戦略会議も、そして経済財政諮問会議もそれぞれ別個に議論してきて、同じ答にたどり着いたということです。その点が重要な点であると思います。つまり、普通の頭の人が普通に考えて、3つの会議とも当たり前の結論に至ったということです。
 もう一つ大事な点は、これが総理のお考えでもあるという点であります。3つの総理の諮問機関が総理の思いと同じ結論に至ったのに、これを尊重しなければ総理の権威をないがしろにするものであると私は考えます。私が将来、書く本に「日本は2007年に安倍総理の下で、根本補佐官の下で、鈴木航空局長の下で、国際航空政策の自由化に向けた舵を切った」と書けるようにぜひなってほしいと願っております。
 以上です。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。
 続きまして、経済財政諮問会議の伊藤隆敏民間議員よりお話をお願いいたします。

○伊藤氏 ありがとうございます。
 私からは4点、最優先事項という形でそこに申し上げております。もちろん、たくさん論点はあり得ますし、また、中条さんから数多くの論点を出されておりますが、我々としては骨太を睨んでおりまして、とにかく今すぐできることの中で一番重要なのは何なのかということを押さえておきたいということで、この4点に絞らせていただきました。
 1番目の点でありますが、2007年度内に羽田空港の深夜・早朝時間帯及び特定時間帯に定期的な国際便が就航できるようにするということであります。これは、そういった申請があった場合には許可する、特に内外の航空会社は平等に扱うということであります。
 さらに、CIQあるいは公共交通機関の延長運転が必要になりますから、これについては調整を行うということで、実際にこれが飛び立つことをぜひお願いしたいと思っております。これは我々がやっております金融資本市場で日本が再び国際金融センターとして羽ばたく、東京をロンドンやニューヨークに並べたものにするといったときに、必ず「空港アクセスが悪いから東京はだめなのよ」という意見が出てくることから考えても、ぜひ実現していただきたい非常に重要な点です。
 特に、この深夜・早朝が実現するであろう路線としては、深夜発ヨーロッパ行き、それから早朝にヨーロッパからの便が帰ってくる、これによってヨーロッパとの利便性が飛躍的に向上すると思います。それから、近距離アジア─というのは北京、香港、マニラを年頭に置いておりますが、ここが実は日帰り出張ができない。つまり、帰ってくる便が非常に早く終わってしまうということがあります。したがって、北京、香港、マニラから深夜に羽田に到着することが実現すれば、日帰り圏の飛躍的な拡大が考えられます。
 このようにして、ビジネス客のみならず観光客も当然、宿泊費用を浮かせることができる等で増えるでしょうし、非常に利便性の高い便を生み出すことができると考えております。
 2番目に重要な点として、我が国が今後、オープンスカイ政策に転換するという方針を宣言していただきたい。「オープンスカイ宣言」と名付けております。
 この場はアジア・ゲートウェイですから、日本−アジアが中心になる。その中でも、なかんずく日中オープンスカイというのは非常に実現性も高く、重要性も高く、需要も高いと考えております。オープンスカイをする場合に、混雑空港があってもできるのかという議論が恐らく出てくるかと思いますが、現在の状況では恐らく成田、羽田が除外され、向こうは北京、上海を除外するかもしれない。そうだとしてもそれ以外の空港で、非常に大きな国内市場を日本も中国も抱えておりますので、その間同士では、もうとにかく完全に自由にするという意義は大きいと考えております。そこは国内市場の広さという点で、オープンスカイの相手国として、韓国とは比べ物にならない適切さがあると考えております。
 それと同時に、ASEAN全体についてもオープンスカイを働きかけていくことが重要になると思います。
 それから、アジア・ゲートウェイから若干外れるのですが、オープンスカイの相手としては、ヨーロッパは非常に重要であると考えております。これはヨーロッパが既にアメリカとオープンスカイを実現したということがありますから、ヨーロッパはオープンスカイをやりたがっているわけですね。2国間の協定はEU協定違反であるとブリュッセルは決めておりますので、日仏、日独の改定はできない。これはEUに移行しなくてはいけないと考えられますので、日−EUの交渉をぜひ早く立ち上げて、これをオープンスカイ型のものにすることは非常に大きな意義があると考えております。
 この場合に、混雑空港は除外するということで、成田、羽田は離着陸権の、いわゆるスロットに制限がかかったままでオープンスカイに踏み切ることはやむを得ないと考えておりますが、それ以外の関空、中部は、カードとして使うのは結構ですけれども、実現する協定はオープンスカイ型のものにするべきであると考えております。
 3点目、羽田からの昼間の時間帯の、いわゆるペリメータールール。ここは先ほどの中条さんの御意見とほぼ一緒ですので、詳しい説明は省きますが、基本的には、どこが羽田から飛び立つのにふさわしいかは航空会社が決めればいいことでありまして、基本的には、航空会社がどの路線に飛ぶかを決めていくということでよろしいのではないかと考えております。
 4点目の、成田空港のキャパシティの拡大については、中条さんと全く同じですので、これも省略させていただきます。
 2枚目は、諮問会議の場で総理からあった「24時間化をぜひやってほしい」という指示に近い形のお言葉を抜粋して、そこに挙げております。したがって、空港・港湾24時間体制、オープンスカイについては、総理の完全な指示があることであると私は考えております。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。
 続きまして、国土交通省の鈴木航空局長より、ただいまの中条委員あるいは伊藤隆敏会長の意見も踏まえてお話し願います。

○鈴木航空局長 中条先生、伊藤先生とは我々もディスカッションさせていただいておりますが、お考えについては我々として必ずしも了解したということではなくて、一方的な御提言でありますので、かなり大きな隔たりがある部分もございます。そこら辺も含めまして、国土交通省の考え方を御説明させていただきます。
 お手元に5月10日付の資料がございますが、1枚めくっていただきますと、この前、航空交渉のやり方ということでいろいろ御説明したのですが、具体例がなくてなかなか御理解いただけなかったということで、その具体例も含めまして、もう一回御説明させていただきます。
 航空交渉では、自国企業が相手に乗り入れる権利、相手国企業が自国に乗り入れる権利を交換して、両方で拡大して人的・物流の活発化を図ろうというものでありまして、これによって利用者の利便性も向上しますし、観光振興など地域の活性化も図られていくということであります。
 ただ、こういう乗り入れ権の交換でありますので、自国の主要空港の一部が使えない場合には、余裕のある他の地方空港をカードとして活用していく必要があるわけです。
 その具体例が日中の例でありまして、中国は北京、上海を制限しておりますけれども、2001年の合意で全体の輸送力、地方空港も含めた全体は6割増とか5割増とか増えたわけでありますが、問題の空港のところは当時、成田が暫定平行滑走路、2本目の滑走路が2002年にできるということがありましたもので、たまたま41便出せたということで、当時の名古屋空港と合わせて北京、上海と交換したところでございます。
 2003年におきましては、暫定平行滑走路が満杯になってしまいましたので、成田は出せずに関空と上海を交換した。その後、2005年に相当交渉がもつれたのでありますが、これは日本側が北京、上海への増便を要求したのに対して中国側は成田もないと嫌だということを大分言いまして、これで難航したのですが、最終的に成田の国内線に若干余裕がありました。国内線を年間2万回で予定していたのですが、乗り継ぎ便だけしか飛びませんもので余裕がありまして、それを国際線に転用するということで、2006年7月に成田14便と関空、中部を合わせて北京、上海と交換しております。
 これもだんだん満杯になってまいりましたので、今年3月からまた交渉を開始しておりますが、いよいよ成田の国内線の枠もなくなりましたので、関空、中部を交渉カードとして、今、交渉を始めたところであります。
 それから、ロシアとの交渉の例でありますが、ロシアについては、こちらが乗り入れるというよりロシアの上空を通過することが大変重要な権利であります。シベリア上空通過便についてはロシアがものすごく制限しておりまして、しかも高額の通過料を取っております。額は定かではありませんが、聞くところによると、日本企業で年間数十億円取られているようでございます。これも払いながらどんどん拡大してきたわけでありますが、1997年以降、ロシア側がしばらく拒否しておりまして、増やせない状況が続きました。これに対して、たまたまロシア側から新貨物企業の乗り入れ要望がありましたので、「成田はだめだ」ということでやったら「中部でいいよ」ということになりましたので、中部の乗り入れと上空通過便の増便、あるいは日本貨物航空は飛べなかったのですが、これも飛んでいいよということで、JALと全日空に加えて日本貨物航空も飛べるというのを交換して成立した。
 こういうことで、関空、中部も大事なカードとして使えることがあるのだということを御理解いただきたいと思います。
 次に2ページ、オープンスカイの問題であります。
 これは冬柴大臣も3月27日に経済財政諮問会議で御説明させていただきましたが、「オープンスカイ」というのはアメリカが昔、言い出して、2国間の航空路線、便数、企業数について相互に無制限に追加するということで相手国に要求して、自国も開放する、双方でオープンスカイにするということであります。
 ただ、日本側は首都圏の空港への制約があって、ここは出せませんので、首都圏を制限したままで相手にオープンスカイを迫るというのは、やはり大変失礼な話ではないか。相手国は、まず「成田」と言ってくるわけであります。成田が満杯で使えないということで、渋々「関空、中部でいいや」こういうことでおさまるわけであります。そこのところを制限したままでオープンスカイを要求するのはいかがなものかというのが我々の基本的な考え方です。
 それから、オープンスカイはどんどん広がっているということでありますが、その下にありますように、例えばオーストラリア、ニュージーランドは、もう兄弟同士みたいな国でありますし、アメリカと結んだアジアの国は国内市場がないか、小さいために、国際に打って出なければいかんということで結んでおる。山東省と韓国、中国の事例でありますが、これは儒教の聖地でありまして、しかも湾をまたいですぐ対岸でありますので、非常に緊密な関係にある地域でございます。
 EUと米国がやりましたのは、EU委員会が各国の交渉権を一本化したかったという事情、それから、27カ国全体ならアメリカと十分戦えるということで、オープンスカイをやったわけでありまして、このEU27カ国とアメリカ以外の各国は、オープンスカイをやることについては大変消極的であります。それぞれ各国と結んでいる権益を27カ国に開放してしまうことになりますので、EUの中から好きなように飛んでこられることになりますので、みんな慎重であります。
 それから、ASEANにおきましては、まず4カ国が始めまして、2015年までに全体でやろうということでありますが、これはEUと同じようにASEAN域内で6月からやろうということでありますので、これも違う事例だろうと思っております。
 そういう意味で、やはりアジアの主要国同士では、今後とも2国間航空交渉でお互いの交流拡大を進めることが主流でございます。
 そういう状況下で私ども、それぞれをどう活用していくかというのがその次のスケジュール表でありますが、首都圏につきましては、羽田、成田は2010年にそれぞれのプロジェクト完成を見て、できます。ただ、わずか年5万回の増加でありますので、これは大事に使っていかなければいかんということで、相手国や便数を最適に決定していく必要があると思っております。
 その先、国内線が羽田で余り増えなければ若干増加する可能性もありますが、それもすぐ満杯になるということで、ここはずっと制限がついてしまう。
 そうなると、関空、中部につきましては、やはり二番手のカードとして魅力的なマーケットでありますので、国際拠点空港でありますので、どんどん拡大するという姿勢は変わっておりませんけれども、これをうまく使っていく必要があるということであります。
 一方、地方空港は、今でも片乗り入れということで相手国が一方的に乗り入れておりますので、便数、乗り入れ地点をもうオープンにするということで決意いたしまして、もう既に4月にシンガポールと交渉を行いまして、地方空港はシンガポールに対してオープン化いたしております。そういう交渉を、これから2008年ぐらいまでにかけてどんどんやっていこうと思っておるわけであります。
 一方で、下にありますように、これから諸外国のいろいろな空港整備も出てまいります。これに向けて、交流の拡大を図っていくためにどういうやり方がいいのか真剣に考えていきたいと思っております。
 それから、中条先生と伊藤先生の御意見について若干コメントさせていただきますと、両方重複している部分もございますが、まず中条先生の方について申し上げますと、オープンスカイの考え方は、今、述べたとおりでありますが、特に「関空、中部を初めとする地方空港」というのは、私ども非常に引っかかる部分であります。関空、中部は国際拠点空港であると我々は認識しておりまして、それ以外が地方空港ということで考えております。関空、中部は苦労してここまで整備してきた空港でありますので、首都圏に次ぐ大事なカードとしてしっかり使っていきたいと思っております。
 運賃の自由化等につきましては、これからよく議論させていただきたいと思います。
 首都圏の空港への拡大でありますが、公用機枠というのは1日出発、到着15便、15枠ずつございます。ただ、これは各時間帯に割り振られておりまして、それを陛下、総理などが使われる政府専用機あるいは保安庁の救難機、報道の飛行機、そういうものが使っておるわけでありまして、使用率は半分弱でありますけれども、これは余裕を持たせないと急に使えないわけでありますので、そういうことで、これを活用するのは正しくないと思っております。
 そういう中で、管制方式の見直し、あるいは誘導の整備などで少しでも増やせないかという努力はしておりまして、この前、1時間1便ずつ出しまして、さらに誘導の改良で検討しておりますけれども、それで出る便は非常に限定的でありますので、これは、これから大事に使う必要があると思っております。
 それから深夜・早朝は、今でも一般のチャーター便は国際チャーター便、可能であります。今度、羽田の工事が始まりまして、突貫工事のために零時40分から3時40分の3時間、滑走路を閉鎖せないかんという事態が生じておりますので、その前後の特定時間帯といいまして片側だけ空いている時間、朝の到着と深夜の出発、これは相手の地方空港ありませんので空いておりますので、ここの時間帯の活用は課題だと思っております。今、千葉県などと調整を始めておるところであります。
 ペリメーター規制につきましては、羽田の2010年の再拡張ができた後、近距離国際線で供用開始時は年間3万回、国内線の距離を一つの目安とするというようなことでやっております。これは冬柴大臣も経済財政諮問会議で申し上げましたが、平成15年6月に首都圏の八都県市、四都県と四政令市と国土交通大臣との会議で決めた方針でありますので、これをきちっと守っていかなければならないと思っています。
 ただ、そのやり方については、これから十分考えていきたいと思っております。
 国際拠点空港をつくるには、やはり国の力だけではできませんで、地元の協力が要るわけでございます。特に騒音の問題がございますし、漁業補償等いろいろ地元地域との調整がございます。それから、これから羽田を埋める土砂が要るわけですが、千葉県内を1日6,000台ぐらいダンプが走り回るといった状況もございます。そういう地域との関係もよく考えながら、我々は対応していきたいと思っております。
 それから、機材の座席数の問題でありますが、羽田は本当に発着枠が満杯で、大事な枠でありますので、小さい飛行機で運ぶのはどうなのかということで、60席以上の制限をしているわけでございます。したがいまして、これは今のような満杯の状況では堅持する必要があると思っております。最近、全日空さんから「ムンバイにオールビジネスの36席の飛行機を飛ばしたいけれども、どうだ」といったお話もありましたが、そういう意味で、お断りした状況にございます。
 それから、今、羽田と上海の虹橋空港を金浦と同じようなチャーター便でやろうとしております。これはお互い国内空港同士を特別に結ぶチャーター便ということで、例外的にやっているものでございまして、羽田−金浦と虹橋以外は、当面そういうものは出てこないのではないかと思っております。それ以外のここにありますような地点への定期的な国際便は、羽田の新しい滑走路ができるまでは、先ほどの地元との約束もありますし、定期便をバラバラに入れますと収拾がつかなくなりますので、これは滑走路ができてから検討すべき課題だと思っておりますし、その際にどこまでいっているか。やはり近い空港に近い路線をというのが私どもの基本的な考え方でありますので、それをよく考えていきたいと思っております。
 それから、国内線と国際線の考え方も、もともと羽田に国内、国際両方あったのを、満杯でどうしようもないということで国際線を成田に移したわけでございます。さらにお客さんとの関係でも、東京や横浜の人が成田から北海道に行ってくれるわけはありませんし、北海道の人が成田から来てくれるわけもありません。やはり羽田でまず国内線を受けることが大事だと思っております。
 それから、成田の22万回の問題につきましても、地元と1年かけて100回以上協議をいたしまして、ようやっとこの2010年の延長のときに22万回ということが成り立ったわけであります。その騒音対策はこれから実施するわけでありますので、これはまず2010年までに22万回の実現を図るということでやっていきたいと思っております。
 それから、外国資源の活用等の話は規制改革会議の問題だと思いますが、特にパイロットと客室責任者の連携の問題につきましては、ハイジャックとかトラブルのとき等にうまくチームワークがとれるのか。パイロットは操縦室の中にいますので、よく連絡がとれるのかというのが大事な課題でありますので、そこら辺もよく見直していきたいと思っております。
 3空港の完全民営化につきましても、今、航空分科会で議論しておりますけれども、やはり経営の自由化のほかに、空港の公共性とか、あるいは二度とつくれない、代替性がないといった問題もありますので、よく考えて制度設計をしていきたいと考えております。
 伊藤先生の方も、大体今のことと重複するお話しでありますので、よろしくお願いいたします。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。
 それでは、これから議論を始めたいと思いますが、本日は取りまとめに向けた議論をいただくわけで、なるべく議論を重要な点に集中させた方がいいと思いますので、私の方でお手元の論点メモを作成しました。それを簡単に御説明いたしますので、これからの議論の参考にしていただければと思います。
 我々が皆さんに御議論いただきたい点として、まず【航空の自由化について】1、2、3と書いてありますが、1点、成田や羽田といった混雑空港を抱えていることは、いわゆるオープンスカイ政策をとることの妨げにはならないのではないかと考えるわけですけれども、この点についてどう考えるのか。
 第2点として、相互に航空の自由化をすれば、相手国との航空権益は平等に確保できると考えられます。それでもなお航空協定のカードとして残る意義はあるのかどうかという点。
 さらに3番目として、成田や羽田への乗り入れを制限したままで自由化を要求することは各国の反発を招くのか、あるいはすぐにでも乗り入れることができる関空や中部との交流の拡大を望む国も多いのではないだろうか。
 小さなケースですけれども、先ほどの、地方空港とシンガポールの間では交渉を始めたということも多少関係しているのかもしれませんけれども、この3点。
 2番目のグループとして4、5と書いてありますが、【日本の目指すべき方向】として、4、航空の自由化が進む中で、航空交渉が目指すところの最終的な目的─国益をどのように考えていくべきなのか。「2国間で航空権益を交換する外交交渉」という発想を超えて、地域経済の活性化や利用者の利便性向上などを目的とした航空の自由化を目指すべきではないだろうか。
 それから第5として、容量に余裕のある関空、中部については、便数、事業者、路線、空港の制限を撤廃した方がネットワークもスピーディに構築できるのではないか。便数の上限によって結果的に成田への集中を加速させているのではないだろうかといった点がございます。
 3つ目のカテゴリーとして【羽田の国際化・24時間化】ですが、第6として、羽田(成田)の国際枠について、自由化を進める観点から、日本とのオープンスカイ協定に積極的な国、地域に優先販売するといった戦略的に使い方はできないだろうか。
 あるいは第7、羽田は24時間利用が可能であり、深夜・早朝をフル活用する施策を講ずるべきではないだろうか。要するに、ただ使うというよりむしろ積極的にそれを有効活用することはできないだろうか。そして、国際線についてフル活用を促進していくためには、具体的な政策としてどのようなことが考えられるだろうか。
 もちろんこれ以外にも論点はあると思いますけれども、できるだけ大きな視点で議論していただきたいと思いますので、私の方でこういった論点を選びました。
 これは私、座長というより個人的な意見を一言申し上げさせていただきたいと思いますが、我々がこのアジア・ゲートウェイ構想の中で総理から指示されていることは、要するに、いろいろな意味で日本を開いていく。ゲートウェイというのはクローズするためにあるものではなくて、開くためにあるわけで、しかも我々の議論の中で、今日の話と直接は関係ありませんが、我々が取り組んでいる金融の問題ですとか物流の問題ですとか、いろいろな、いわゆるゲートウェイというのが相互に非常に密接にかかわってきている。もちろん、観光もそうだろうと思いますけれども。
 そういう意味で、我々アジア・ゲートウェイ戦略会議がこれからどういうメッセージを出すかは極めて重要でございまして、そのときに、やはりオープンスカイ政策というのは極めてインパクトが強くて、しかも方向性を表す上で、私、個人的には非常に有益で効果的ではないかと思いますけれども、その点についてもどういうお考えがあるか、今日はゲストの方と委員の方、それぞれにいろいろな御意見をいただきたいと思います。
 それでは、どなたからでも結構ですので。

○伊藤氏 鈴木航空局長からのお話で、幾つか考え方の違う点が明らかになったと思います。少しばらばらになりますけれども、ページを見ながらいきたいと思います。
 航空局長の出された資料の1ページ目、日中、日−ロシアが出ています。日中の方について私は、こういうことを交渉していく中で、最後のところに関空、中部が交渉のカードと。それはそのとおりだと思います。さらにこれに羽田を入れることもできるだろうと考えています。それで次の交渉は、何便ずつ増やすという交渉ではなく、混雑空港については離発着権について制約が残るものの、他の空港を含む関空、中部についてはオープンにしようという交渉でよろしいのではないか。これが日中オープンスカイの意義だと思うのですね。
 したがって、向こうは「では我々も北京、上海の2空港を除外する」と言うかもしれません。その場合には、その4空港については便数の制限があるままで、それ以外の空港についてはもう全部オープンにしましょう、プラス以遠権もオープンにしましょう、あるいはもうちょっと含んで、例えば相手の国に子会社をつくるのもオープンにしましょうというように幾らでも考えることはできるわけで、後の方に書いてありますように、非常に大きな固まりとして日中オープンスカイというものをこちらから働きかけることで反発を招くということは、私はないと思います。
 およそ働きかけ方にもよると思いますけれども、それは「自由化は重要なのだ」ということでいくことが非常に重要だと思います。
 あと、アメリカ−中国がひょっとしたらオープンスカイを結ぶかもしれない。貨物についてはもうほとんどオープンスカイでありまして、例えば、フィリピンにあった貨物基地を中国に移して貨物便のハブを中国につくるということをアメリカはもうやってしまって、中国はそれをウェルカムしているわけですね。そういった形でアジアのゲートウェイが中国になってしまうことは十分あり得ることで、今、日本がアジアの中でリーダーシップをとっていくことが、まさに求められていると思います。
 それから日−ロシアについて、高額な上空通貨料というのは確かにそのとおりで、これは日本企業にとって非常に不利な条件になっています。ヨーロッパではEUがEU−ロシアという交渉をして、2006年11月にこれをまとめて、2010年から2013年にかけて上空通過料を撤廃することをロシアに飲ませているのですね。ですから、こういった交渉をぜひ航空局、日本の政府にはやっていただきたい。なぜEUにできて日本にできないのだと。ですから、便数を制限するなんていうのはもう全部オープンにして、集中すべき一番重要な仕事、こういったロシアとの交渉で上空通過料をやめさせるといったことに注力していただきたい。これはちょっと脱線したかもしれませんけれども、お願いです。
 それからシンガポールとの話。これは紙に書いていませんけれども、お話の中で出てきた件で、言ってみれば、これはまさにオープンスカイなのですね。日本で乗り入れ空港を制限していたのを自由化する代わりにシンガポールからの以遠権をとったということで、これは非常によい交渉だったと私は思います。
 だから、カードに使うというのは、私は全くそのとおりだと思うのですね。一方的に裸になれということがオープンではありませんから、交渉に使うことはいいのだけれども、その交渉した後、次の交渉で求めていくものはやはりオープンスカイでしょうと。段階的に便数を少しずつ増やしていくということではない、一気に自由化しましょうということ。私の求めている2のオープンスカイ宣言というのは、そういうことであります。
 私は、首都圏の利用を制限したままで、標榜─という言葉が適当かどうかはわかりませんが、オープンスカイ政策を働きかけていくことは、反発を招くことではないと考えております。アメリカにも便数制限のある空港はあるわけですが、その中でアメリカはオープンスカイということを働きかけていて、反発したということを私は聞いていませんので、それは十分に理解される範囲の制約条件であると考えております。

○塩崎内閣官房長官 ちょっと先に出ないといけませんので、すみません。遅れて来て先に出るのは大変失礼ですが、お許し願います。
 もう多くは申し上げません。今日はプロの先生方がたくさんおいでなので。
 伊藤隆敏先生にお配りいただいた総理の発言、私は官房長官ですから、これだけ申し上げておきますと、最初の経済財政諮問会議でも「何とか時間を置かずに、私の内閣でぜひ取り組んで解決をしていただきたい」次のアジア・ゲートウェイでも「何とか時間を置かずに、先延ばしせずに、私の内閣でしっかりと実現をしていきたい」それから、4番目の経済財政諮問会議でも「国際的に遜色のない空の自由化に向けて、これまでの政策を大きく方向転換をして、スピード感を持って改革を進めていく必要がある」こういう総理の固い決意です。この「時間を置かず、先延ばしせず」というのは、2010年に来る成田及び羽田の転換点を待たずしてという意味だとしか解釈がないと思います。
 ですから、ここのところを肝に銘じて、根本補佐官を中心にこれをまとめていただいて、何しろアジア・ゲートウェイの今回のまとめが言ってみればこの航空政策のまとめに、多分このチャンスを逸すると、あと1年先とかまでない。今日、鈴木局長から配っていただいた海外の動きを見ると、北京の第3滑走路、上海浦東の第3滑走路、仁川の第3滑走路、いずれも2010年より前にできるわけで、その間、手をこまねいて何もしないわけにはなかなかいかないなと感じております。
 そのことだけ言わせていただいて、失礼いたしたいと思います。すみません。

○鈴木航空局長 まず、今の「オープンスカイ」という言葉でありますが、これは我が冬柴大臣も経済財政諮問会議で適切でないと申し上げましたし、その前に、実は総理のところにもお伺いして、「オープンスカイという言葉は適切ではありません」というお話を申し上げました。
 伊藤先生にお配りいただいた3月21日の経済財政諮問会議の総理の後のコメントのところで、「いわゆるオープンスカイ─呼び方はいろいろあるのだと思うが」というところは、そういう話を受けての総理の御発言だと思っております。
 その趣旨は、「オープンスカイ」というのは、アメリカが全部オープンにしようということで各国に押しつけようとした固有名詞でありまして、「オープスカイ」という言葉を我が方が用いてアジア各国に「自由化しようぜ」といったことを迫るのは正しくないというのが国交省の考え方であります。我々もアメリカに言われて、向こうの方が強大でありますので、それは嫌だなと思ったのと同じように、アジアの小さい国は、日本が「オープンスカイ」と言うと、やはり日本が押しかけてくるのかということで、まず怯えます。さらに首都圏の空港を制限したままでオープンスカイというのは、二重に怒らせてしまうことになりますので、まず、これはアジア・ゲートウェイ構想の趣旨に反する言葉遣いであろうと思っております。これだけはまずきちっと言っておきたいと思います。
 それから、今の伊藤先生のお話でありますが、日露の上空通過料は確かにいろいろ問題ありますし、我々もこれは改善しようと思って頑張っております。
 日中につきましては、アメリカと中国もオープンスカイをやっていますけれども、なかなか進展しておりません。ただ、先生おっしゃるように、貨物というのは一つのやりやすい分野かなと私ども、見ております。我々も貨物のそういうやり方、オープンスカイという言葉は適切ではないのですが、自由化みたいなことはあるかと思っております。
 それから、関空、中部等ほかの空港でやればいいではないかということでありますが、先ほど御覧いただきましたように、関空、中部を出して北京とか上海をとらなければいかん、そういうカードの使い方も要るわけであります。それから、首都圏と北京と上海が釣り合うのか、あるいは関空、中部以下と残りが釣り合うのかというお互いのバランスの問題もあって、なかなか簡単にいかない問題だろうと思っております。
 シンガポールにつきましては、相手には地方空港がありません。当然チャンギ1個しかありませんので。私どもは地方空港をオープンにするときに、とるものがなかったので以遠権と交換した。ですから、うちの地方空港については一方的にオープン化したというようなことで、交渉をまとめたわけで、これはもう既に実施しております。ですから、地方空港のオープン化には既に着手しておるということで、御理解いただきたいと思います。

○中条氏 「オープンスカイ」というのが米国の専売特許の言葉のようにお使いになるのは、私は間違っていると思います。私の記憶が正しければ、世界で最初にオープンスカイ協定を結んだのはイギリスとオランダの間である。ですから、オープンスカイというのはかなり広い意味であって、私たち学者はみんな先ほど伊藤隆敏先生がおっしゃったような意味で「オープンスカイ」と使っておりますし、決してアメリカのやり方だけがオープンスカイではない。もしそれが非常に言葉として気になるのであれば、そこは名前を改めればいいだけの話であると私は思っています。
 それから、伊藤元重先生が出してくださいました論点の中で、私は、2番と4番がかなり重要なところだと思います。
 私のように航空のことを勉強している、航空村のことしか知らない人間からしますと、先ほど申し上げたように、どうしても食い物同士、チョコレートとミカンを交換することしか考えないのですね。しかし、そうではなくて、やはり4番目の点が大事なところだと思います。権益というのはもう少し広い視点で考えていくべきものであろう。それをやっていただくのは、やはりアジア・ゲートウェイ戦略会議でしかないと私は思っております。ですから、こういう広い視点から権益の交換ということを考えるべきである。今までの2国間航空協定の中で、とった、とられたという中で考えることも必要ですし、その中でも伊藤隆敏先生がおっしゃったようにいろいろな工夫が私はあると思いますけれども、さらにもっと広い点から考えていくべきであろうと思います。
 それから、60席以下のものはだめだという規制。これはもう世界の大きな流れの中で、さまざまな形の航空輸送が市場の競争の中で出てきている。非常に安い航空会社も出てきている一方で、全席ビジネスクラスという航空会社も出てきている。そういった多様なものを認めていくことが航空の利用者の便益に資する話でありますし、小型の飛行機を認めろと言っているのではないわけです。機材の大きさとしては、先ほど申し上げたように、200席の飛行機を48席で使って、全部ビジネスクラスで北大西洋線を運航している会社がもう4社も出てきている、こういう世界の流れの中で考えていただきたいということです。

○白石委員 この伊藤座長の整理は非常によくできていて、私は本当に感心しましたが、私が申し上げたいのは、この4点がまさにアジア・ゲートウェイ戦略会議にとって一番重要なポイントだろうということです。
 そこで、この座長の整理しておられる国益というものをどう考えるかということ。そのときの国益というのは、地域経済の活性化であるとか消費者の利便性の向上、あるいはもっと広く言って日本をアジアのネットワークのハブにすること、これがいわば日本の国益で、「オープンスカイ」という言葉を使うかどうかは別にしましても、その趣旨を活かすことが一番重要なことではないだろうかと私は思います。

○伊藤座長 今、話題になっている4番のところ、私、ちょっと説明が足りなかったかもしれませんので少し加えさせていただきたいと思います。
 私、個人的に過去に政府のメンバーの中に入りまして、シンガポールとタイの自由貿易協定の交渉に臨んだことがございまして、例えば、もしタイと日本の間で農業についてお互いに自由化して交渉しようとすると、ほとんど不可能なのですね。つまり、それはもうそもそも交渉ではないので。ですから、例えば工業製品と農業製品だとか、あるいは今はなかなか農業に難しい問題があるとすれば、その代わりに人で埋めるとか、そもそも交渉というのはできるだけ幅広い中でやることが本来のやり方であるかなと、当時、非常に強く思っていました。
 それから、そのときにもう一つ非常に考えたのは、今回このアジア・ゲートウェイ戦略会議のお話をお引き受けするときに本当に思ったのですけれども、日本がこれからアジアといろいろな形で交渉するときに─もちろん交渉だけではなくて協力もするのですけれども、彼らに何を提供できるのかというときに、個別の分野だけではなくて、例えばオープンスカイ政策というものが仮にあるとすると、これは勝手にあげるものではなくて、広い意味での日本のスタンスとして、ほかのものとの協力とか、そういうものとワンセットでできる。ですから、私が個人的な意見としてオープンスカイをぜひ入れてほしいと思ったのは、単に言葉だけではなくて、実はこれは、ひょっとしたら日本がこれから近隣諸国と外交をするときの非常に重要なカードになる可能性があるわけで、しかも、いろいろな方が意見しているように、それは日本にとってデメリットというわけではなくて、うまく使いますと非常に大きなメリットになる可能性もあるのかなと。
 ちょっと長くなりましたけれども、4のところは説明が舌足らずだったので、補足で説明させていただきました。

○鈴木航空局長 今のお話の点ですが、私どもも、どんどん交流を拡大して日本の空港をいっぱい使ってもらおうという思いは一緒でございます。そこのところは変わらないということだけ御理解いただきたいと思います。
 ただ、そのやり方として、2国間の交渉というのは、どうしてもお互いの権利の交換ということでずっとやっていまして、我々だけではなく相手もそういう形で出てくるもので、そこのところをうまく交換しながら交流を拡大していくというやり方でいかないと現実に進まないという、現実的な問題であります。
 それから、観念的な権利というのは売り物になりませんで、実際に使えるところがないと意味がないわけであります。相手国も日本もそうですが、それぞれの航空企業などの意見を聞きながら、どこがいいのか、ちゃんと使いやすいところを狙ってくるということであります。その一番大事な首都圏が売れないという辛いところが私どもにはありまして、それを今、頑張って早く拡張して、少しでも枠をつくろうと思っておりますが、それもまたすぐなくなってしまうということで、今、いろいろ考えておるところであります。

○中条氏 観念的だとおっしゃるのですけれども、そうではなくて、今までの航空交渉における権益の交換というのは、自国の航空会社の権益の交換にとどまっていたと私は思うのですね。そうではなくて、やはり元重先生がお書きになった4番のところのように、地域経済の活性化や消費者の利便性向上、消費者の利益、こういった点を十分に考えながら交渉していったら、今までとは違うやり方が当然出てくるだろうというのが1つです。
 それからもう一つ、今度はちょっと狭い話になりますけれども、先ほど局長のお話では、早朝・深夜と特定時間帯、これはいろいろ考えていますということでしたけれども、そこだけオープンにしても、そこから出た飛行機が帰ってきたときに、やはり昼間のところがあいていないと非常に使いにくいわけですよね。そこの部分で、これは非常に努力をしておられるのは私もわかります、あと一枠、あと一枠のために努力しておられるのはわかりますけれども、そこをもうあと一枠何とか、あと二枠何とかということをお願いしているのです。
 それによって、2010年からさらに滑走路が伸びて枠が増えたときの準備ですね、これはもう航空会社も心の準備もあるでしょう、あるいは事業上の準備もあるでしょう、しかし方向がそちらの方に行くのだということを、今、自由化宣言をしておくことによって対応していくことが私は大事だと思うのですね。ですから、それまでに出てくる枠が2枠でも3枠でも、少なくてもいいわけです。そこで体制をきちんと整えておく。それを整えるだけでも航空局としてはおやりにならなければいけないことがたくさんあると思うのですよ。だから、2010年までにぜひやっていただきたい。

○鈴木航空局長 2010年までにやるべきことはやりたいと思っていまして、今、いろいろな努力をしております。ただ、そこで出てきた枠は、羽田の場合はまずは国内線に、国内線も今、どんどん増便の要望があるわけでございますので、そこを考えなければいかんし、それから、先ほどの虹橋のチャーター便みたいな例外的な、国内空港同士を結ぶ便というのもございます。そういうものをよく考えなければいかんということで、我々は今、努力をしているところです。

○伊藤座長 羽田の国際化・24時間化については余り議論が出ていませんが、何か。

○伊藤氏 私のメモの1番目の、深夜・早朝、特定時間帯の国際線距離制限なしが容易に就航できるようにするということについては、深夜であれば飛べるのだということが御回答だったと受け取りましたので……

○鈴木航空局長 一般のチャーター便は今、深夜・早朝でやっておりまして、それを特定時間帯に広げられないかという努力は、今……

○伊藤氏 定期的なチャーター便は。

○鈴木航空局長 定期的なチャーター便、一般のチャーター便でございます。例えば、ワールドカップのときにヨーロッパなどに飛んでいったチャーター便がありましたね。

○伊藤氏 昼間の羽田−金浦のような……

○鈴木航空局長 あれは国内空港同士を結ぶ例外的なチャーター便でありますので、ああいう形でやっておるところです。

○伊藤氏 それを我々は深夜・早朝、特定時間帯に……

○鈴木航空局長 それを深夜・早朝でやることは、考えておりません。一般のチャーター便でございます。

○中条氏 だから、そこをもっと。

○伊藤氏 そこがなぜいけないのかが全く理解できないのです。金浦−羽田型のだれでも使えるチャーター便で飛ばせるようにするのが……

○鈴木航空局長 金浦−羽田は、お互いの国内空港同士を特別にあけて、特にワールドカップのときに実施したものでありまして、あれは例外中の例外でありまして、定期的にやっておるというのも、国際的なあれから見ると、他の国などから見ると「何だ」ということになるのですが、そこは今、例外だということで必死に説明をしておりまして、それをどんどん広げる気はありません。

○伊藤氏 成田が飛べない時間帯ですよね。だから、成田に……

○鈴木航空局長 ただ、羽田に定期便を入れるとなると、それは人も決河しますし収拾がつかなくなりますので、それは2010年以降、ちゃんと定期便を入れられるような状態になってからということで、地元の八都県市とも了解しておるわけですね。

○中条氏 だけれどもその準備として、言葉として「定期便」というのが難しいのであるならば、それはプログラムチャーター便でも私はいいと思うのですよ。利用者にとって便利であればいいので、名前なんかどうでもいいだろうと私は思います。

○伊藤氏 名前はどうでもいいのですけれども、定期的に……

○鈴木航空局長 さっき先生がおっしゃったように、昼間は全然無理であります。

○中条氏 だから、そこを1便でも2便でも。そこが出てこないと結局、せっかくの深夜・早朝、特定時間帯が宝の持ち腐れになってしまうということなのです。

○鈴木航空局長 そこは2010年以降、定期便が飛ぶようになったときに考えていきたいと思っております。

○伊藤氏 でもそれは、やはり内際分離ということにチャレンジしないとしても、成田が飛べない時間帯に飛ぶということは、国際空港、いわゆる成田を補完するという意味で何の問題もないと考えますけれども。

○鈴木航空局長 それは地元の合意もありますし、羽田の定期便化は2010年以降ということでやっておりますので、そういう形で私ども整理しております。

○伊藤座長 そういうことを議論するために今日、やっているわけですから、できるだけ総理の御指示を実現するように、また考えていきたいと思います。

○根本内閣総理大臣補佐官 今日は航空の自由化及び首都圏空港の国際化・24時間化、非常に専門的な、密度の濃い、意味のある議論ができたと思います。
 私も聞いていて、今回の国交省との議論の中で、幾つかの考え方の違いが明確化したと思います。最大の違いは、随分議論が出ていました、航空の自由化についての国益をどう認識するか。この認識の差が私は非常に大きいと思います。
 国土交通省が2国間航空交渉を繰り返すことで互いに権益を交換する、そして日本のエアラインに有利な路線を確保する、こういう考え方も一つの国益だとは思います。しかし、現在、非常に航空市場、スピード感のある動きが出ておりますし、アジアとどんどん緊密化しているという状況を考えますと、先ほど来、出ていましたように、消費者の利益とか、あるいは地域経済の活性化、アジアネットワークのハブをつくる、要は国民経済的な視点から国益を判断する必要があるというのが、私は、アジア・ゲートウェイ戦略会議の考えだと思います。
 航空の自由化は、単に航空権益のやりとりといった次元の話ではないと思います。オープンを標榜するのは、安倍政権の基本政策にかかわる重要な課題であります。残念ながら、この点では、アジア・ゲートウェイ戦略会議としては、国土交通省の考えは受け入れられません。アジア・ゲートウェイ戦略会議との考え方の違いは、議長である総理に最終的な判断をいただく必要があると思います。
 また、今日は羽田の24時間化、あるいはペリメーター規制、こういうテーマについても意見をいただきました。羽田の深夜フル活用のために、深夜に離着陸の一方がかかわるゲートの有効活用も含めて、重要な課題だと思います。これらについてもアジア・ゲートウェイ戦略会議の最終報告に位置づけていきたいと思います。
 今日は航空局長に御出席いただきましたが、本日の会議の議論結果を踏まえまして、国土交通省内部で検討して、明日中に最終的な国土交通省の考えを私に提出いただきたいと思います。その上で総理に御報告をしたいと思います。
 なお、先ほど官房長官からも話がありましたし、委員の皆様からのお話もありました。伊藤隆敏委員には総理の御発言のペーパーも出していただきました。やはり十分に認識していただきたいのは、総理の指示内容。従来の航空政策の大転換、国際的に遜色のない自由化、スピード感、この総理の大方針の持つ意味を重く受けとめるべきだと思いますし、重く受けとめていただきたいと思います。

○伊藤座長 どうもありがとうございました。
 ゲストの中条委員、伊藤会長、鈴木航空局長、今日はいろいろな御議論、どうもありがとうございました。

(ゲストスピーカー退席)

○伊藤座長 それでは、次の議題に入りたいと思います。
 次の議題は、航空以外の最重要課題などについての意見交換となります。
 それでは、委員の皆様から御意見をお願いしたいと思いますが、その前に、本日御欠席の氏家委員と中村委員から御意見をいただいておりますので、書面で配付させていただきました。これは皆さんに読んでいただければよろしいでしょうかね。
 それでは、これから議論する中で読んでいただけるなら御意見をいただくということで、むしろ皆さんの方から報告書(案)についていろいろ御意見いただければと思います。
 スケジュールは、大体どういう感じで考えればよろしいでしょうか。

○根本内閣総理大臣補佐官 今日、御議論いただいて、月曜日までに最終的にメモをいただければ。

○伊藤座長 恐らく皆さん余りゆっくり読まれる時間がなかったと思いますので、今日一応御意見をいただいて、できましたらさらに読んでいただいて、週末までに書面でいただくということで、とりあえず今日、もし何かございましたら。

○中北委員 全般的に、まだ引用とか資料的な箇所は整理されるのだと思いますので、それはあれですが、全体的なトーンとして、だめだ、だめだということよりも「こうするとよくなる」とか「既にこんなによくなっている、それを延長して拡張すればさらによくなる」とか、書くトーンとしてはこういう基調にすることが重要かなと。ここで1回どうするのか議論すべきだとは思いますけれども、私は、基本的には全体としてそういうふうにエンカレッジして、既に前進しているところもスペースがあれば言及しながらという、そういうふうにエンカレッジしていくという発想がトーンとして重要かなと、まず全般的には思いました。
 重要な点だけ二、三申し上げますと、先ほど伊藤先生から自由貿易協定のお話がありました。これは米韓とかヨーロッパとの関係で外務大臣が注目すべき発言をされたとか、いろいろ報道はありますが、やはりネックなのは農業ではないかと思うのですね。農業に関しては、この間、分科会で議論しましたけれども、以下の2点が重要だと私は思います。
 1つは、マーケティング、人材養成を支援する産業政策と中山間地の活性化のための社会政策、これを基本的に区別する。峻別というのは強いかもしれませんが、それをごっちゃにしない方が非常に説得力が出ていいのではないか。力がない人は「また社会政策と混在するのではないか」、厳しい地方の場合には「競争に晒されるのではないか」と、いずれも心配すると思うのですね。だから、そこはもう少し区別していけば、もうそれを受け入れられるような事実関係はかなりある、そういう視点を挿入していただいた方がいいと私は思いました。
 もう一点は、先ほど伊藤先生が言われたことに近いのですが、農業に関して、日本は単純なFTAではなくて、EPAということで連携協定を結んでいますね。ですから、関税を上げた、下げたというだけではなくて、ITだとか労働だとか金融だとか投資だとか、いろいろなサービスだとかが入っていますので、そういうパッケージの中で全体的な自由化、開放化を目指しているのだという、いわば伝統的、古典的なものよりもう一つ次元が高いといったことをもう少し強調して、それで違いを浮き立たせるということが1つあります。もう一つは、やはり農業にストレートに、集中的に開放の力が及んでこない。そういう意味でも、そういったEPAの特徴を少し強調することが重要かなと。
 実際、国内型のサービス産業だとかそういう議論を我々はしているわけですから、人的交流だとか。そういう視点が重要だと思いました。
 以上が一番重要な点。
 もう一つは、金融に関してはグローバルな視点からの議論、それから大変しっかりしたペーパーも既に出て、補佐官もそれ以前から出しておられますけれども、アジア固有のプロパーの事情にもう少し配慮を払った視点も入れた方がいいのではないかと私は思います。今日の航空の話ともちょっとパラレルになっていると思いますが、グローバルに協調していくという話と、しかし、差し当たってアジアに対してオープン化を強調するという話と、もちろん重なってはいるのですが全く同じではないわけですから、金融に関しては、具体的には、アジアの全般的な金融水準をもう少し向上するための人的あるいは技術的、あるいはその他の支援といったことも日本は相当やる能力がある。そんな意味で、いろいろ実績がありますから、その辺ももう少し強調されるといいと思いました。
 一応ペーパーで出しましたので、また細かくは御覧いただければ。その2点です。

○伊藤座長 できるだけ前向きな方向でいきたいと思いますので、先ほどおっしゃった前向きなトーンが必要だというところ、もしよければ後で、紙で「具体的にこういうところ」と指摘していただければと思います。
 2点目の農業のところは、少しきちっと書かなければいけないと思うのですけれども、やはり農業が非常にしっかりするということと自由化ということが、まさに両輪、非常に大事な話だというかかわりで、多分、たたき台で出した序文のところが十分書き切れていなかったと思いますので、そこはぜひ書き換えたいと思います。
 それから、これは後で事務局にこなしていただきたいと思うのですけれども、今、言われて気になったのは、金融のところをアジアの視点で見るということで、今の段階で「チェンマイ・イニシアチブのマルチ化に取り組む」となっているのですけれども、実際はその先を行っているわけですから、もうちょっと踏み込んで。AMFという言葉を書くかどうかは別として、アジアで取り組むというところもぜひ触れていただきたいと思います。

○白石委員 私もまださっと見たばかりで、明日か明後日にはもう少しきちっとしたものを紙の形で出したいと思いますが、全般的に言うと、非常によくできていると思います。本当に根本補佐官とスタッフの方は努力されたのではないかと思います。
 2点だけ申し上げます。
 1つは20ページ、ジャパン・クリエイティブ・センターのところで、これはこれで結構なのですが、全部のジャパン・クリエイティブ・センターを日本政府としてつくるというのでは、やはり資源もいっぱいかかりますし、数がどうしてもこなせない。私は、孔子学院をモデルにしろと言うつもりは全くありませんが、時限でジャパン・クリエイティブ・プログラムみたいなものをつくって、例えば、そういうものをアジアの大学がつくるのであればそこにいろいろな助成をしますよ、そういう一種のフランチャイズ方式ですね、そういうものを同時につくることが、量を達成する上では非常に大事なのではないだろうかということです。
 もう一点は21ページで、アジア共通課題に対する研究・協力の中核機能の強化。これはこのとおりで、これが非常に重要なのですけれども、環境・エネルギーと並んで「等」の中に入っていると言われればそれまでですけれども、環境・エネルギーと並んで、実は非常に重要なのは人の移動でございます。これは、例えばアジアにおける統合といったときに、では、どういう人がこれから統合を担っていくかというと、ヨーロッパの場合には、明らかにプロフェッショナルなのですね。だけれども、同時にローアークラスの人の移動は、例えば人身売買のような犯罪をもたらすとか、人の移動というのは実は非常に重要ですので、人の移動についての共通のデータベースの整理であるとか研究ということを、ぜひ項目の具体的な取り組みの1つにつけ加えていただければと思います。
 とりあえず、この2点だけ。
 ただ、全体としてさっと見せていただいた印象では、我々がこれまで申し上げたことを組み入れていただいて、非常にいいものができていると思います。

○宮田委員 12ページに大学の問題がございますが、今、白石委員がおっしゃったことは、この大学間においても同じように拠点の共有化をするということになると、もっともっと豊富な人材がアジアから世界に発せられるのではないかと思うのですね。
 ここでは、いわゆる資金配分だけを言っておりますが、実は現在、日本の国立大学は資金のことだけで皆さんすごく疲弊してしまっているものですから、そういう問題ではなくて、本当の意味でアジアからという大きな力を持っていけたらいいのかなというところを、ここにプラスアルファしてもらえたらいいなと思っております。

○深川委員 私もまだ細かいところまで読み切れていないのですけれども、何人かの方からも御指摘があったように、「はじめに」のところでなぜアジアを取り上げているのかをもっと強烈に出さないと、経済財政諮問会議でも規制改革でも同じようなイシューをやっていますけれども、ここは「アジア」と最初からタイトルがつけられているので、そこをしっかりしないと、ここが埋没してしまう懸念があって、なぜアジアにこういうことをやる必要があるのかを書き込む必要があると思います。
 その中で、さっきの航空交渉方式がいいかオープンスカイ方式がいいかという議論は非常に象徴的だと思うのですけれども、アジアの場合、発展段階が非常に多様なので、多様なカードを持たないとうまい交渉ができないという基本的な問題があるのですね。これはEUやアメリカとは全然違います。なので、本当にラオス、カンボジア、ミャンマーの世界から韓国、シンガポールのところまであるわけですから、なるべくたくさんのカードを包括的につくっていって、相手に応じてカードを出せるようにするという交渉の仕方をしっかり位置づけるべきだと思います。
 その意味では、一部のアジアについて「アジア」と一括りにするのは非常に危険で、何か「弱くて、日本が強く出ると震える」とか、もう鼻で笑われている世界もあるので、そういうことでアプローチしない方がいい。最早十分に水平的で、ローコスト・キャリア的にはかなり熾烈な競争を我々は強いられるわけですので、いずれ早晩。そういう妙な感傷にとらわれない方がいい。
 アジアは日本人が考えているより感傷的ではありませんから、あれは日本人の勝手な感傷なのであって、向こうは極めてグローバリズムは冷徹に見ていて、強いものには巻かれるしかないと思っているのですよ。だからオープンスカイが世界の潮流になれば、しかもグローバリズムで1回、通貨危機で敗北していますから、長いものに巻かれなかったときの痛みは自分で知っているわけですね。ですから、そんなセンチメンタリズムについてくるわけはなくて、世界がオープンスカイでいくなら自分もというふうに、ついてくるのですよ。そこを勝手に間違えていると戦略を間違えてしまう。ですから、ある種の水平的な趣向、水平的、戦略的な趣向と、しかし発展段階は多様だからカードをなるべく包括的に持って、ポケットをいっぱい増やして交渉していくというのを、なぜアジアかというところにつけ加えていただければ、あとは非常にバランスよくできていますので。
 でも、余りバランスよくできたレポートというのはパンチがないです。「結局、何が大事なのですか」となってしまうので。それを象徴するものとして、やはりオープンスカイとか羽田の話は譲れないところで、それは全部にかかわってくるのですよね。貿易手続もそうですし、いっぱい留学生が来てくれたとしても、航空運賃が競争で下がって「すごく安く故郷に帰れる」という気持ちがあって来るのと「自分は2年間、絶対帰れない」と死ぬ思いで来るのと全然違いますよね。1カ月アルバイトしたら国に帰れるという気持ちで気軽に来てもらわないといけないので、すべてに連動するインフラとしてここは譲れないということを前面に出した方が、たくさんの同意を得やすくなると思います。

○白石委員 賛成です。

○中北委員 私も賛成です。

○伊藤座長 これは最終的には根本補佐官がお決めになることですが、オープンスカイということをもし出すとすると、今、言ったようなことで、それは別に航空の問題だけではなくて、金融の問題であり人の問題であり、あるいはアジアのということを入れたいと思いますけれども、それは後ろの中身との関係で。
 最初の話は、もしよければ深川委員に二、三行いただけるといいなと思います。すごく大事なことをおっしゃっていて、余り書かなかったのですけれども、私の頭の裏にあるのは、アジアを回っていると、彼らは今、ある意味で日本を見下しているのですよね。「日本は何やっているのだ」と。アジアで最もクローズで、このまま行ったら日本をパスして中国や─という話になって、それが正しい認識かどうかは別として、我々は、彼らがそういう認識を持っている部分もあるということを認めた上で、やはり水平なもの、もうアジアの強者・日本がアジアに対してどうやっていくかという話ではなくて、まさに今、おっしゃったようなことなのですよね。それを書かなければいけないと思うので……

○白石委員 おっしゃるとおりだと思うのです。私、全く深川さんと同じ考えを持っておりまして、もう日本だけが屹立している巨人ではないのですよ。むしろ日本はこの七、八年、エンゲージしなかった。だけれども、日本がエンゲージしてくれると、今、台頭している中国とバランスをとっていく上でのいろいろな動きもできるようになる。ですから、日本に対する失望と期待というのは裏表なのですね。
 だけれども、そのときに、やはりもう少しきめ細かく、先ほど深川委員が言われたみたいに、いろいろなカードを日本が持って対応することがすごく大事だと思います。

○伊藤座長 では、ぜひお二人からそれぞれ二、三行ずつ、今のお話をいただきたいと思います。
 まだ少し時間がありますので、他に何かありましたら。
 実際、皆さんまだ十分に読み切れていないと思いますから、恐縮ですけれども、今週末まだ3日ありますのでまたしっかり読んでいただいて、これは事務局の方にメールでランダムに送っていただければいいと思いますので、お願いします。対応できるところはできるだけしたいと思いますし、序文についても、私と中北委員、あるいは事務局と相談しながらアップグレードさせていただいて、必要に応じてまた中間で投げて、いろいろコメントしていただきたいと思います。
 その他に、何か。

○根本内閣総理大臣補佐官 今日はまた大変いい御意見をいただきまして、ありがとうございました。
 私も改めて、アジア・ゲートウェイ構想の意味は何か、やはり我々は、はっきりとしたメッセージを出す必要があると思います。
 それから、このペーパー、私が担当で言うと少し面はゆいですが、私もなかなかの労作だと思います。これは最初からこの戦略会議で私も考えておりましたが、委員の先生方はできるだけ小人数で、そしてブレーンストーミングを繰り返して政策的に大きな方向づけをしていこうということでやらせていただきましたので、ここまでうまくまとめられたのは、まさに委員の先生方のディスカッションの成果なのですね。それから、それぞれの専門分野の先生方、直接いろいろな分野の先生方から御意見をお聞きした、それも反映されておりますので、今までの役所的な審議会のペーパーとは、私は、なかなか官邸主導にふさわしい内容のものをまとめつつあると思っております。まだ最終ではありませんけれども。
 今日はまた貴重な御意見をいただきましたので、具体的に我々も修文、入れ込み作業をさせていただきますが、具体的なキーワードのようなものもぜひ出していただきましたら、それを込めさせていただいて、より内容のある、充実したものに仕上げていきたいと思います。
 もう来週で基本的には仕上げたいと思いますので、よろしくお願いします。

○宮田委員 いつも表紙が詰まらないのですよ。中身をよくするには表紙なのですよ。もしよろしければ。

○伊藤座長 ぜひ、それはもう。「オープンナントカ」と入れるとか、ちょっと考えましょう。

○根本内閣総理大臣補佐官 歴史に残るように。

○伊藤座長 それでは、まだ時間はありますけれども、もう大体議論しまして、あと細かいところはまだ皆さん十分読み込んでいらっしゃらないと思いますから、後で御意見をいただくということで。
 今日は余り御紹介できなかったのですが、中村委員と氏家委員の御意見もぜひごらんいただきたいと思います。

○根本内閣総理大臣補佐官 今日は大変内容の濃い議論をしていただきまして、ありがとうございました。
 今日いただいた先生方の御意見をさらに最終的な報告、取りまとめに反映させていただいて、ぜひ協力していいものをつくり上げていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

○伊藤座長 ありがとうございました。