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アジア・ゲートウェイ戦略会議(第9回)
議 事 要 旨


日 時: 平成19年5月16日(水)16時31分〜16時57分
場 所: 総理官邸3階南会議室
出席者: 安倍内閣総理大臣、根本内閣総理大臣補佐官、伊藤委員(座長)、氏家委員、白石委員、中北委員(座長代理)、中村委員、深川委員

○根本内閣総理大臣補佐官 時間もまいりましたので、ただいまより第9回アジア・ゲートウェイ戦略会議を開会いたします。
 委員の皆様におかれましては、本日はお忙しいところお集まりいただき、まことにありがとうございました。ただいま総理が入られます。
 それでは、これからの議事進行は伊藤座長にお願いいたします。

○伊藤座長 それでは議事次第2の「アジア・ゲートウェイ構想のとりまとめ」に入りたいと思います。
 最初に、根本内閣総理大臣補佐官より御説明をお願いいたします。

○根本内閣総理大臣補佐官 それでは、資料1「アジア・ゲートウェイ構想(案)」をごらんいただきたいと思います。この1枚紙で簡単に説明させていただきます。
 本日は、アジア・ゲートウェイ構想のとりまとめに向けた最後の会議であります。4月の会議でも、前回の会議でも議論いたしましたが、最大のポイントは空の自由化、アジア・オープンスカイ、そして首都圏空港の24時間化、国際化、これが最大のポイントであります。これについては国土交通省初め関係省庁、与党内でも非常に関心が高く、委員の皆様からもこのアジア・ゲートウェイ構想全体にかかわる重要な課題という指摘も受けておりました。そのために、私が中心になって、伊藤座長にも御相談しながら、さまざまな関係者と調整を進めてまいりました。
 皆様の議論にありましたように、国益とは何か、本来の国益は消費者、利用者の利便性、あるいは国際競争力の強化、あるいは地域の活性化、経済の成長発展、これが大きな国益ではないか、こういうものを念頭に調整を続けてまいりました。内容は皆様の御期待に沿うものになっているものと思います。一言一言がさまざまな交渉を重ねた結果の表現でありまして、ぜひこの案で了解していただければと思います。これは航空の部分でございます。
 それで、航空の部分の大きなポイントは、アジア・オープンスカイへと大きく政策転換したことであります。実はこの名称もいろいろな意見がありました。いろんな意見がありましたが、最終的には総理に御判断をいただき、このままの名称といたしました。本文では8ページになります。
 地方空港に加えまして、関空、中部国際空港のアジア各国との自由化を進めることになりましたし、混雑空港である成田、羽田についても、容量拡大等をにらみながらさらに自由化を検討するということになっております。羽田空港の国際化、24時間化につきましては、昼間の国際チャーター便など、2010年までに国民に成果を示すのだとなっております。
 いわゆるペリメーター規制につきましても、距離のみの基準を相対化して、需要やあるいは重要な路線、これをあわせて判断するということになっております。
 その他の項目につきましても、特に「貿易手続改革プログラム」、これは産業界の利用者の立場の皆様にも入っていただいて、そして関係省庁集まって、官邸主導でとりまとめさせていただきました。この貿易手続改革プログラム、これによって貿易手続が迅速化・簡素化しますから、これは非常に経済成長にとっても大きな力になると私は思います。
 さらに、個別にまとめさせていただきましたのが、「日本文化産業戦略」であります。これも先生方のいろいろな知恵、意見、これをとりまとめまして、日本文化産業戦略としてとりまとめさせていただいております。
 そのほか、「最重要項目10」ということで、10本の柱に絞り出していただきました。「アジア高度人材ネットワークのハブを目指した留学生政策の再構築」、これは特に我が方の戦略会議の視点としては受入シェアの確保、留学生の留学した後のフォローも含めた産学連携の推進、あるいは留学生が日本に来る前の留学生の現地での海外現地機能の留学生の支援、こういうものが我々のゲートウェイ会議としての視点として新味のあるところだと思います。
 それから、「世界に開かれた大学づくり」での我が方の視点は、国際化の評価の充実、あるいは競争的な資金配分の抜本的拡充という視点でありますし、金融の分野については、アジアの利用者にとって最も魅力的なという視点で、ゲートウェイ会議としての付加価値をつけていくということが特徴だと思います。
 さらに、「グローバル化の中で成長する農業」農業は非常に潜在的可能性にあふれた産業でありますから、特に企業家精神を核にして農業の花を開かせていこうということであります。「アジア・ゲートウェイ構造改革特区」については、構造改革特区は今まで手上げ方式でありましたが、むしろ我々はアジア・ゲートウェイ戦略の中で、アジア・ゲートウェイ構造改革特区の具体的なイメージを提示して、そして特区を推進していこうという、これも1つの大きな新しい視点だと思います。
 「日本文化産業戦略」それから「日本の魅力の海外発信」、日本の魅力の海外発信は、特に総理大臣が自ら表彰・顕彰する制度、これの構築、これは特に世界が憧れる日本の表現者や日本の魅力の向上・発信に貢献した外国人、これも表彰しましょうということで、日本の魅力の発信の一つの推進力にしたいと思います。さらに「ジャパン・クリエイティブ・センター」これは従来型というよりは、日本の魅力を体感してもらえるようなスペース、ここはさらに知恵を絞って、より魅力のあるものをこれから構築していきたいと思います。
 10本目の柱が、アジアの発展を支える、日本がリーダーシップを発揮していくということから、「アジア共通課題に関する協力・研究の中核機能の強化」ということでまとめさせていただいております。
 先生方からは御意見あるいは書面でいただいた意見につきまして、できる限り反映させていただいたものになっていると思います。全体像を踏まえて御議論いただければと思います。
 さらに、この戦略会議は、我々複線型の政策形成という視点から、今までの霞ヶ関から上がってくる政策だけではなくて、こういうアジア・ゲートウェイ戦略会議で外部の皆様の専門家の知恵や情報を取り入れて、政策を複線型で形成しようというねらいでありました。この会議はできるだけ委員の先生方にフリーにディスカッションをしていただいて、ブレーンストーミングの中で提言を盛り込むというスタイルもとらしていただきました。委員の先生の皆様方以外にも、私も100人以上の専門家の先生方の意見を聞きながら、それを盛り込むという形であります。したがって、単なる霞ヶ関でとりまとめる審議会の答申ということではなくて、この我々のまとめた構想は、皆様の知恵や情報、これを政策の素材として取り組んで、そして中身は実際に動く提言となったので、官邸主導の一つのモデル事例に私はなるのではないかと思います。委員の皆様のさらなる御意見を今日お伺いいただいて、最終的なとりまとめとさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

○伊藤座長 それでは委員の皆様からそれぞれ御意見をいただければと思います。どなたか。

○白石委員 私はこれで結構だと思います。

○伊藤座長 何か御意見。

○中村委員 1点だけございます。
 今根本補佐官が言われましたように、これほどスピーディーに、論点整理、そして最重要項目10本がまとめられているのは極めて驚異的で、感嘆しております。
 この基本理念にあります「開放的で魅力ある日本を創る」「訪れたい、学びたい、働きたい、住みたい」という国にするために、このアジア・ゲートウェイ構想に呼応して産業界が競争力を持つことが重要な使命であります。最近のIMDの発表によりますと、世界競争力年鑑で日本の順位が昨年度16位から24位に下がったとあります。これには反論もありますが、素直に受けとめて、産業界として競争力を強化することに最大限の努力を傾けていくべきであると思います。そして特に技術力で優位性を保つということを維持していかなければならないと、改めて痛感しております。そういう点で官民一体となって産業競争力の強化を目標にして取組んでいきたいと考えております。
 以上です。

○伊藤座長 どうぞ氏家さん。

○氏家委員 今、根本補佐官の方からこのアジア・ゲートウェイ構想の主要な論点を改めて御説明いただきまして、この構想を進めるに当たっての重要なポイントを非常に的確に、それも思い切った提言をなされていると考えておりまして、総理それから根本補佐官初め関係者の皆様の努力に賛意を表したいと思います。
 それと、最近この会議での検討事項が盛んに報道されるようになってきたように私は感じておりまして、注目が非常に高まってきていると思っています。私の専門分野である金融について考えますと、この会議だけでなくて、経済財政諮問会議それから金融審議会でも議論されております。こういった状況というのは、改革を進めるに当たって大きな機会だと思うのでございます。ですからスピード感を持ってさまざまな試みを実施していく、そういったときではないのかなと思っています。
 この構想の案の初めのところにも書かれてありますけれども、我が国をオープンにする、これを進めていってアジアの発展に貢献して、それがさらに我が国が成長するという過程になるということですか、こういう好循環をつくり出す、それが国の長期的な成長の基盤になっていくということだと考えています。
 私も幸いにしてこの構想づくりに参加させていただきましたので、今後とも金融の立場からぜひ協力していきたいと、そのように考えています。

○深川委員 これから多分総理からこの全容というのを国民に御説明になると思うのですけれども、やはりグローバル時代というのは先手必勝だと思うのですね。先にやった者の独占利益が大きいですので、正しい方向の政策というのを持って、国民がこれまで割とストレスをためてきた、日本はいつも受け身で遅いじゃないかというストレスを晴らす方向でぜひ御発表いただければなと思います。
 それから、私はアジアの専門ですので、うるさい方々にこれを説明するという役割を恐らく担わなければいけないかと思うのですけれども、そのときに、彼らが憧れてくれる、たくさんこれだけいいアイデアがあって、それを着実に実行していける強い日本というイメージで政策を出していく方が、アジアにとっても魅力のあるものになるのではないかなというふうに思っております。

○中北委員 私もこの場をかりて皆さんに本当に御礼申し上げたいと思います。私も大変勉強になりましたし、それから、これまでよく整理・展開していただきました。それから、10項目、重点7分野だけじゃなくて、総論といいますか、「はじめに」というのも、事務局と伊藤先生が中心になっておやりになったのだと理解していますが、非常に調和が取れていて、読みやすくて、戦略的で、統一性があってよかったというように思っています。ありがとうございました。
 それで、ちょっと1点、2点ほどなのですが、今報道とか対外発表のお話がありましたけれども、フォローアップみたいなことが恐らくメディアの方から御質問があるのではないかなという感じがちょっとします。たまたまですが、一昨日この貿易手続改革プログラムに参加しましたら、補佐官が、非常に段取りよく進めておられまして、それでフォローアップを強調しておられました。いろいろ難しい体制の問題があるのだと思うのですが、もしそれと同じような形で何らか定期的にモニターあるいはフォローアップということができるということであれば、それを御検討いただいて、記者会見の場でも結構だと思うのですが、ちょっとご説明いただくと、報告書の信憑性というか、コミットメントの深さというのですか、説得力というのがまた増すのではないかなというふうに個人的にはちょっと思っています。
 あとはまた機会がありましたら補佐官のみならず、やはり総理の方から、御外遊のときにこの趣旨を踏まえて演説等をされるとなおさらいいのではないか、そんなふうに思っています。
 ありがとうございます。

○根本内閣総理大臣補佐官 アジア・ゲートウェイ構想は大きな基本的な考えをまとめて、そして具体的には各省庁にやってもらうのですね。それは我が方も後押しをしていきたいと思いますし、そういう観点から、例えば構造改革特区の話とか、あるいは日本の魅力の海外発信、クリエイティブ・センター、こういうものをさらに充実した内容のものにしていく必要がありますから、そこは大きな意味で我々が方向性を出して、これを推進していく。そして適切に物を申していくということだと思います。

○白石委員 一言だけ申し上げさせていただくと、私も本当にこの会議に参加させていただいて非常に光栄だったと思います。本当にいろいろなことを学ばせていただきました。
 それで、私もずっとアジアのことを勉強しておりまして、アジアの、特に政治家からよく言われることは、日本はいろんなことをやっているのだけれども、大きいイメージがなかなかできない。それで何か日本としてやはりエンゲージしてくれという、そういう希望というのは特にこの数年非常に強くなっておりまして、ぜひ総理、根本補佐官、こういうものをベースにして、あらゆる機会に日本はアジアにエンゲージしているのだという、そういうメッセージをぜひ伝えていただければと思います。

○伊藤座長 私もちょっと一言。
 最後まで本当に大変なことで、事務局の方に大変いつも頑張っていただいたと思います。
 ちょっと感想めいたことをお話させていただきますけれども、実は小泉内閣の最後のときに経済財政諮問委員会の下にいわゆるグローバル戦略部会というのがありまして、私、とりまとめをさせていただいたのです。そのときにすごく感じたことは、いわゆる日本を外に向かって開くという、開放というのが、政策のプライオリティーの中でやっと上に上がってきたのかなという印象を持ちまして、それまでも過去たびたび、このアジアの問題とかあるいはグローバル化の問題というのはもちろんそのときどきの政権の中で出てくるのですけれども、ほかにもっと重要な問題がいっぱいあって、何かその上で言うと5番目、6番目というような印象はどうしてもぬぐえなかったのだと思います。
 そういう意味では、安倍内閣になって、このいわゆるアジア・ゲートウェイというのが、特に経済だけではないのですけれども、経済を中心とした施策の中で上の方に置いていただいたというふうに私は理解しているわけです。こういう形で議論させていただいて、結果としてここに出てきたものは、かなりいいものが出てきたというように個人的には思っておりますので、ぜひそういう意味で今後もこのアジア・ゲートウェイというのを安倍内閣の中で重要な政策の柱として推進していただければなというふうに思っております。
 それで、先ほどから皆さんおっしゃったように、フォローアップとそれから発信ということが非常に重要でありまして、私も、今までは座長だったのですけれども、これからはセールスマンでこれをいろいろなところに売り込んでいきたいと思うのです。これはまた総理ぜひお考えいただけると思うのですけれども、この会議の中でも何度か出てきた、これをいわゆるアジア・ゲートウェイ戦略だけではなくて安倍ドクトリンというのか、安倍イニシアティブというのかわかりませんけれども、やはり福田ドクトリンの30年前以来の日本にとって非常に重要な大きな転換であるということで、ぜひどこかの機会でアジアのしかるべきところで、またいろいろな形で発信していただければ、これはさらに生きていくというふうに思っております。
 もう時間ですので、そういうことで根本補佐官の方に。

○根本内閣総理大臣補佐官 先生の最後のお話にありましたように、安倍イニシアティブで、安倍総理が主導的に提起して、それで引っ張っていたものですね、これはその典型になると思いますから。
 それでは最後に、議長である安倍内閣総理大臣より御発言をいただきます。

○安倍内閣総理大臣 昨年の11月8日にこの会をスタートしていただいたわけでありますが、その席で、このアジア・ゲートウェイに関する私の基本的なコンセプトについて話をいたしました。そのコンセプトの上に、まさに皆様方が、理念をしっかりとこれを固めていただきまして、そしてそれとともに具体的な重要な柱、さらにそれを施策として落としていくという方向性についてもおまとめいただきました。すばらしいこの構想案をとりまとめていただいた、感謝申し上げたい、このように思います。この会議の場以外におきましても、物流の検討会あるいは文化、農業、人材などの懇談会等々を通じて、本当に中身の濃い御議論をいただいたと、このように思います。
 大変スムーズに進んでいった分野と、なかなか困難で手がかかった分野があるわけであります。スムーズにいった分野は余り報道されないという日本の傾向があるわけでありますが、なかなか困難な分野におきましても皆様方積極的に御発言をいただき、また根本補佐官に本当にお骨折りをいただいたと、このように思っています。
 しかし、皆様がおまとめをいただいたこのアジア・ゲートウェイ構想こそ、日本の未来であり、私はアジアの未来でもないかと、こう思います。セブ島の東アジアサミットにおいても、このゲートウェイ構想について話をいたしまして、それぞれの首脳は大変興味を持っていただきました。また世界的にも、日本以外にも、日本が言い出してからゲートウェイということを言う国も出てきたようでございまして、そういう意味では、先ほど深川先生がおっしゃったのですが、珍しく日本が先鞭をつけているということにもなるのかなと思います。むしろこのゲートウェイという考え方としては、日本がトップランナーとしてこれから具体的にその姿を示していくことが大切だろうと、このように思います。
 この中でも、特にこの「アジア・オープンスカイ」や大都市圏国際空港の24時間化などの航空路線や空港の問題は国民的な関心も大変高いわけでありますが、国際的にも我が国の姿勢を示すことが大変大切であろう、このように思います。
 このアジア・オープンスカイにつきましても、冬柴大臣にも御決断をいただいたわけでありまして、感謝申し上げたい、このようにも思っております。そのほかにも貿易手続の改革、留学生政策や日本の魅力海外発信などの課題も、いずれもアジアのゲートウェイとなるための必要な課題であろうと思います。アジアの国々もこの日本のゲートウェイ構想が進んでいくことについての期待も高いと思いますし、世界からも注目されていると思います。
 今後ともどうぞよろしくお願いをいたします。

○根本内閣総理大臣補佐官 それでは報道の方、退室をお願いします。
 それでは、本日は忌憚のない御意見をいただきましてまことにありがとうございました。
 本日は正式にアジア・ゲートウェイ構想の御提言をいただくことができました。改めて委員の先生方のご尽力に心から御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

○安倍内閣総理大臣 東アジアサミットでは、この10番目の環境・エネルギーの日本の技術をぜひ学びたいし、日本がそれを広めてもらいたいという要望が大変強かったのです。ユドヨノ大統領からもアロヨ大統領からも直接、それをぜひやってもらいたいと。日本が今度バイオエタノールにチャレンジすることを大変興味を示していますので、そういう意味でもこの構想をどんどん進めていっていただければと思っています。
 どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。