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第4回BT戦略会議 議事録


1 日 時 : 平成14年11月26日(火)17:00〜18:00

2 場 所 : 内閣総理大臣官邸 大会議室

3 出 席 者 : 【別紙】

4 議事内容 :

(1)開会

○岸本座長 それでは,ただいまから,BT戦略会議第4回の会合を開催させていただきたいと思います。本日は,ご多忙のところご参集いただきましてありがとうございます。なお,小泉総理は他の公務のため,本日はご欠席でございます。
 本日は,「バイオテクノロジー戦略大綱」(素案)を議題の中心といたしますが,最後に「健康・バイオテクノロジー」産業発掘戦略(案)についてもご審議をお願いします。

(2)「バイオテクノロジー戦略大綱」(素案)について

○岸本座長 それでは,「バイオテクノロジー戦略大綱」(素案)についてご議論をいただきます。前回の会議で提示されました,バイオテクノロジー戦略大綱「中間的な議論の整理」(案)について,皆様方からいただいたご意見を踏まえて,起草委員会において具体的に検討を進めていただき,本日「バイオテクノロジー戦略大綱」(素案)をご提出いただいております。
 最初に,起草委員長の伊丹委員からご説明をお願いします。

○伊丹委員 お手元に資料1として,パワーポイントの資料があります。これを中心に説明をいたします。今,岸本座長からお話がありましたように,前回の会議で「中間的な議論の整理」(案)の議論をし,それをベースにしましてお手元のページを開いてください。1ページの「バイオテクノロジー(BT)戦略大綱の構成」の第一部のところ,これが前回議論していただいた部分にあたる総論でして,この部分につきましては,若干の文言修正はあるものの前回の内容とほとんど変わっていません。変更があるとすれば,国民の理解を得るための新しい社会像の目標として新たなものを加え,あるいは検討中というものであったものがはっきりした姿になったという,その2点だけです。
 そのときに,戦略が3つ必要だということを申し上げました。研究開発の圧倒的充実,産業化プロセスの抜本的強化,国民理解の徹底的浸透ですが,そのそれぞれの戦略ごとに,第二部の「行動計画と未来像」が構成されています。この第二部を説明するのが今日の趣旨ですが,この行動計画は全体で200の詳細行動計画を各府省の大変なご努力でおまとめをいただきました。それを事務局及び起草委員会で大まかに50の行動指針に分け,それが更に88の基本行動計画に分かれ,その88の基本行動計画が200の詳細行動計画に分かれているという構成をしました。これが構成上の特徴でして,具体的な内容については200の詳細行動計画を全部ご説明しますと明日の朝までかかりますので割愛させていただきます。
 もう一つ特筆すべきは,それぞれの詳細計画ごとに,着手はいつ,完成目標はいつという時期を明記したことです。
 次に,そうは申しましても内容を少しご説明しますと,次の2ページは先ほど申した第一部総論(案)の概要です。これは前回と変わっていません。それから,その次の3ページが3つの戦略ごとに行動計画をまとめて書いたものでして,このパワーポイントのまとめの中には200の詳細行動計画の中で特にバイオテクノロジーらしいもの等を主に書きました。ここには記載されていない,より基本的な事柄も,各論の第二章に書いてあることもありますので,それについてお話をいたします。
 前回,岸本座長のまとめにもございましたように,要するに基本的に大切なのは人はどうするのか,お金はどうつくのか,どういうインセンティブが与えられるのか,そして組織として,国家としての戦略をどのような形態でやるのか,その3点でした。それを中心に資料を説明いたします。
 まず,戦略1の最初の行に,BT人材の育成についての大まかな基本的な計画の骨子が書いています。これは文部科学省の方で大変なご努力をいただいて,おそらく現行の3倍ぐらいの学位の数が必要になるであろうという予想をした上で,具体的な計画をつくっていただいています。
 それから,お金の面の予算については,大体過去5年間でこの分野における政府の投入する研究開発予算が約2倍というスピードで増えてきました。今後,その加速に努めるということを総論ではっきり書いていただき,各論では具体的な数字は書きませんでしたが,その必要な予算の確保に努めるということを行動計画として明記しました。これは,関係大臣,関係府省で実施していただくことを起草委員会としてはよろしくお願いしたいと思います。
 そのお金を一体どのような分野に使うかということを書いたのが,お手元のパワーポイントの2行目から主に4行目までの医療,医薬品,微生物,バイオ,機能性食品,農業バイオの分野,あるいは異分野との連携の分野,更には田中耕一さんのノーベル化学賞授賞に代表されるバイオツールの産業,バイオインフォマティクスの産業等の重点投資,これが重点項目として挙げられたわけです。
 こういった研究開発のプロセスを,特に研究開発予算の全体をつかさどる司令塔のような組織の早急な検討が必要だということを前回のこの会議でお話ししました。またその検討のプロセスは現在進行中でして,これも各論でファンディングエージェンシーをつくる,プログラムオフィサーをつくる,そういう人たちが総合科学技術会議で全体の調整の総合会議を開く,そういう会議体をつくることによって司令塔としての役割を果たす。そのようなイメージが具体的を書きました。3ページの中ほど以降は,具体的な様々な研究分野の代表的なものを書いています。ご覧いただければと思います。
 次に4ページをお開きいただきまして,戦略2で「産業化プロセスの抜本的強化」です。ここではベンチャー企業の活性化が必要である,あるいはBT産業の集積する拠点をつくる等々,産業基盤,環境に関わることが書いていまして,この点で特筆すべきは,各論の中で様々に書き込まれている様々な産業,このバイオテクノロジーに関連する産業の将来ビジョンをつくり,それに向けての指導の政策を各府省が考えるという文言が入ったことかと思います。更に,この分野で非常に大切なことは産業化のインセンティブです。これについても,例えばその3行目に薬価・医療機器に関する算定制度を適切に運用すると書いているように,技術革新に対するインセンティブを更に検討していただく文言もきちんと入りました。あるいは,生分解性プラスチック,バイオマス導入のためのインセンティブのシステムについても明言しています。
 戦略3は「国民理解の徹底的浸透」でして,ここは非常に大切なポイントですが,国全体で双方向のコミュニケーションを図る,あるいは様々な国民理解行動計画をつくることです。例として,ここには遺伝子組換え作物のことが書いていますが,そういうものをつくり,更には一番最後の行ですが,様々な医薬品等,食品等の審査のプロセスをしっかりと行い,早くすることによって,しかも安全を確保する。その組織とプロセスの全体を強化することによって国民の関心を高めようという意図の文言が加わりました。
 最後の5ページは,こういう行動計画を実行することによってどのような社会の未来像が提示されるかについて,より詳しく,例示的に書いたものです。これもお読みいただければと思いますが,個々人の健康が非常によくなることから食料の自給が高まり,プロセスがよくなる。更には,地球温暖化の防止にもバイオテクノロジーが役立つと,いうようなことが書いています。以上です。

○岸本座長 ありがとうございました。
 それでは,次に,事前に申し出のありました関係大臣からご発言を頂戴いたします。細田大臣,遠山大臣,大島大臣,平沼大臣,渡辺大臣政務官,望月大臣政務官からご発言をお願いいたします。時間の関係もありますので,恐縮ですが,手短にお願いしたいと思います。それでは,細田大臣からお願いいたします。

○細田科学技術政策担当大臣 「バイオテクノロジー戦略大綱」(素案)を取りまとめていただきまして,起草委員をはじめ有識者委員の皆様方に心から御礼を申し上げます。総合科学技術会議では本戦略会議の議論をも踏まえて,来年度概算要求における科学技術関係予算の優先順位付けを実施したところです。もう予算編成までは1か月弱ですし,更にその前に補正予算の議論も行われますが,本日ご出席の各大臣と一緒になりまして,相協力して,いい予算づけをしてまいりたいと考えています。
 また,BT分野はまだまだ発展途上であり,今後の基礎研究の進展により,今までにない画期的な技術の創出が期待できることから,質の高い研究成果を創出するための推進体制の構築が非常に重要と認識しています。したがって,この戦略大綱を踏まえて,総合科学技術会議としては,第1にBTにかかる科学技術政策の総合調整機能の強化に努めるとともに,第2に競争的資金制度に関して各省においてプログラムディレクターやプログラムオフィサーが適切に配置され,より透明で公正な審査執行が行われるよう努めてまいりたいと思います。
 最後に,総合科学技術会議のBT研究開発プロジェクトチームでの検討の成果を,適切に素案に盛り込んでいただいたことに感謝いたします。以上です。

○岸本座長 ありがとうございました。それでは,次に遠山大臣お願いいたします。

○遠山文部科学大臣 日本におけるこれからのバイオテクノロジー発展の鍵を握る今回の戦略大綱の素案を,短期間に,大変わかりやすくおまとめいただきました起草委員会のご努力に敬意を表したいと思います。我が省としても,省内にプロジェクトチームを立ち上げまして,今回の戦略づくりの取組を積極的に進めてまいりました。そこにおいて,人材供給,研究開発,産学官連携などの面について関連する行動計画を素案に盛り込んでいただいたところです。特に,前回各委員からご指摘のありました人材供給に関わる施策については,先ほど伊丹委員からもご紹介がありましたけれども,人材養成の拠点整備をはじめとした質量両面にわたる総合的施策を講じるための計画を作成しまして,その推進を図っていきたいと考えています。この戦略大綱の30,31ページあたりにそのことが書いていますのでご覧いただきたいと思います。
 また,日本におけるバイオテクノロジー分野の研究体制は,欧米に比してまだまだ不十分と考えますが,我が省としても全力でその充実に取り組んで,一刻も早く世界を牽引することができるように努力してまいりたいと思います。以上です。

○岸本座長 ありがとうございました。それでは,次に大島大臣お願いいたします。

○大島農林水産大臣 非常にわかりやすく,「生きる,食べる,暮らす」という3つの視点に立って何を目指すか整理していただいたことを本当に高く評価します。「生きる,食べる,暮らす」という観点に関して,我が省は農林水産・食品分野のバイオテクノロジーの裾野の広がりを有しているわけですが,特に,「よりよく食べる」の分野において,機能性食品の開発をはじめ,安全,安心で高品質な農水産物の生産加工技術等を通じて重要な役割を担わせていただくものと認識しています。
 こうした中で,あらゆる作物研究の基礎となるイネゲノムの研究について,我が国が先導してきた国際コンソーシアムが,いよいよ来月には重要部分の塩基配列の高精度解読終了を世界に向けて宣言できる見通しがたちました。今後は,世界が遺伝子機能解明等にしのぎを削る大競争時代に本格的に突入することから,我が国としては,引き続き世界のトップランナーとして,ゲノム解読の成果を画期的な新作物の開発等に着実につなげていくことが極めて重要だと思っています。
 また,我が省と関係府省が連携をして進めてきたバイオマス利活用の総合的な推進方策についての国家戦略である,「バイオマス・ニッポン総合戦略」の策定作業が,現在大詰めの段階を迎えており,本BT戦略と相まって推進するべく,最終取りまとめに向けて努力してまいりますので,関係府省には引き続き,またご協力のほどをよろしくお願い申し上げます。以上です。

○岸本座長 ありがとうございました。それでは,次に平沼大臣お願いいたします。

○平沼経済産業大臣 前回の第3回会合において,具体的な行動計画を策定する上で参考としていただきたい事項としまして,バイオ医療産業とバイオ機器産業など,4分野ごとに検討の方向性を提示させていただきました。そして,その具体的な肉付けをお願いをしたところです。今回ご提示いただいた「バイオテクノロジー戦略大綱」(素案)には,このような検討の方向性を考慮して,200もの具体的な行動計画からなる各論へと展開していただき,内容の大変充実したものとなったと評価をさせていただいています。起草委員の皆様方に心から感謝申し上げたいと思います。
 本バイオテクノロジー戦略大綱が採択された後は,個々の行動計画を強力に実現していく必要があると考えていまして,私としましても関係府省と連携をしつつ,バイオ産業の活性化に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。特に,バイオ分野における経営人材の育成,バイオ機器,情報分野における研究開発の重点投資をはじめとした,バイオ産業発展に資する環境整備を着実に実施していくことが極めて重要だと考えています。委員の皆様方におかれては,今回の大綱の着実な実施を担保するためにも,その実施状況のフォローアップを今後とも行っていただけるよう,私としてもよろしくお願いを申し上げたいと思います。以上です。

○岸本座長 ありがとうございました。次に,渡辺大臣政務官お願いいたします。

○渡辺厚生労働大臣政務官 坂口大臣が出席できませんので,大臣政務官の渡辺でございますが,私から発言をさせていただきます。
 まず,本日,「バイオテクノロジー戦略大綱」(素案)を取りまとめていただいた委員の皆様に敬意を表したいと思います。そして,この素案の中に,厚生労働省としては特に医療・健康,食料の両分野について具体的行動計画として,1番目はテイラーメイド医療,再生医療等の先端医療に関わる各種研究,2番目に先ほど伊丹委員にもコメントいただきましたが,医療機器産業ビジョンの策定など,医薬品,医療機器等の開発の推進方策,3番目として医薬品等の審査体制の強化,期間を縮めるなどの強化や,食品のリスク管理に関する本省組織の再編等の安全確保対策などを提案させていただいています。
 今後,厚生労働省としては関係府省とも連携を図って,具体的行動計画の実現に努めるとともに,特に医薬品,医療機器分野については先般の医薬品産業ビジョンの着実な実施に向けて,今後省内での推進体制を整備していきたいと思っており,既にその準備を進めているところです。以上です。

○岸本座長 ありがとうございました。それでは,次に望月大臣政務官お願いいたします。

○望月環境大臣政務官 本日は大臣が出席できませんので,私が代わって発言いたします。
 環境保全への適用の取組の強化,これはそのとおりですが,環境省としては,やはり環境への影響の防止が,要するにこういうバイオテクノロジーの場合には何となくいいからということで,いけいけどんどんでいってしまった場合にどうなるのかを,我々は心配しています。もちろん環境省としてもそういうものを特に利用したい,我々の生活を豊かにしたいということと考えていますが,同時に,その辺りも非常に大切ではないかと思っています。そのような意味では,「バイオテクノロジー戦略大綱」(素案)は環境への影響の防止の重要性にも触れていますので,大変高く評価させていただきたいと我々は思っています。
 遺伝子組換え生物による生物多様性の影響については,国際的にも大変重要な案件で各国で取り組んでいますが,今回のカルタヘナ議定書の国内担保法については,我々も全力で国会の方へ提出を目指していきたいと考えており,各府省としっかり連絡をとっていかなくてはならない問題であると考えています。以上です。

○岸本座長 ありがとうございました。それでは,本案について有識者委員の皆様方からご意見,ご感想をお願いしたいと思います。時間の関係で,お一人2分以内でご発言をお願いします。それでは,庄山委員からお願いします。

○庄山委員 伊丹委員長をはじめとして,この起草委員の皆様方のご尽力で,大変わかりやすい大綱素案ができたことに御礼を申し上げたいと思います。
 第1点は,やはりBTに関連が深い医療,食料の分野での今後の政策展開にあたっては,この大綱の考え方を,是非踏襲していただくようにお願いをしたいと思いますし,健康寿命のあるべき数値や,医療保険の取扱いなど,BTの視点だけでは考えられないような分野の検討についても,是非BTの技術革新の活用を検討の重要な視点の一つにしていただきたいと思います。
 第2点は,産業界としてもBT技術革新の活用に向けて最大限の努力をしてまいりますが,この大綱について期限やご担当が入っておりますが,着実な実行とタイムリーな見直しが進められるように十分なフォローアップを行っていただきたいと思います。
 なお,例えば,現時点でのがんの5年生存率を20%に改善するということになっていますが,基準値がはっきりしていませんので,是非そういう統計も取っていただくようにお願いしたいと思います。以上です。

○岸本座長 ありがとうございました。それでは,次に杉山委員お願いします。

○杉山委員 第二部に関わる起草委員会に私も度々参加させていただきましたので,内容については異論はありません。最終的には,私は非常に短時間でおまとめいただいたということで起草委員会にお礼を申し上げたいと思います。
 ただ1点,これは趣旨にもうたってありますが,バイオテクノロジーの動きは早いと,また想像しなかった技術や方向性の出現ということも十分考えられます。したがいまして,行動計画の規定段階もおそらく移り変わるものであろうと考えますので,今後のBT戦略の進め方というところに私は最後の取りまとめの結集がされていると思いますが,度々ここでもほかの方に指摘されましたように,フォローアップをしながら実効を高めていくということを特にお願いしたいと思います。以上です。

○岸本座長 ありがとうございました。それでは,寺田委員お願いします。

○寺田委員 私もこの起草委員会に時々参加させていただきましたが,大変いい形にまとめていただいてありがたく思っています。最初にこの会で,BTをやるためには安全,評価,それから国民の理解ということを申し上げましたが,それは全部入っておりますし,途中で申し上げた教育の重要性,基礎研究の重要性とすべて入れていただいておりまして,大変よくまとまっていると思います。フォローアップも是非やっていただきたいと思います。以上です。

○岸本座長 ありがとうございました。それでは,平田委員どうぞ。

○平田委員 私も起草委員会に出席させていただき,提言しましたことが多く盛っていただいておりまして,ありがたく思っております。何と言いましても,やはりBTを担う人材の育成・確保による質量両面での充実が極めて肝要と思いますので,先ほど文部科学大臣からも意思表明がありましたように,是非これから,海外からの積極的人材導入を含め,数値目標・スケジュール化を図り,着実且つスピーディーにこの充実に努めていただくことを特にお願いしたいと思います。

○岸本座長 ありがとうございました。それでは,藤山委員お願いします。

○藤山委員 この戦略大綱は,大変わかりやすくよくまとまっていると思います。起草委員の皆さん,それから事務局のご努力に対して感謝を申し上げたいと思います。あえて2点,私は申し上げたいと思います。
 第1は,これまでも私は再三発言をしてまいりました治験の問題です。これは我が国に基盤を置く医薬品企業にとりましては大変深刻な問題でして,わかりやすいように具体例で申し上げますと,私どもの会社で自社の研究所でつくりました化合物について,現在開発進行中のプロジェクトの中,日本で実際に治験を実施しているのは3分の1弱にすぎないというのが実態です。残りの3分の2のプロジェクトは欧米のみで先行をしています。これは,日本でやっていたのでは激しい国際競争の中で,主として時間的な面でとても競争に勝てないということが主たる要因です。日本のように医学や医療の水準が非常に高い国にありながら,自国で治験が十分できないというのは大変異常なことです。
 治験なしではどのようなものも薬にはなりませんので,これは日本の企業にとっては大きなハンディになります。是非,厚生労働省,それから文部科学省が一体となっていただいて,この大綱に書かれている以上,実施計画に書かれている以上の改善を早急に努めていただくように,重ねてお願いをしたいと思います。
 第2に,BTを基盤として創出された優れた新薬について,薬価の面でももっと配慮をお願いをしたいということを再三申し上げて,この大綱にも盛り込んでいただきました。先ほど伊丹委員からお話のあったとおりです。ただ,本日は各大臣にご出席いただいておりますので,政治として是非お考えいただきたいということであえて申し上げます。少し大綱とは離れるかもしれませんが,我が国の医療費の対GDP比は先進国の中で英国に次いで低い方から2番目ですが,英国ではブレア首相がこれでは国民に満足な医療提供ができないということで,他の欧州諸国並みの9%まで引き上げるということを宣言して,強力に現在進めておられます。このままでは間もなく日本が先進諸国の中で最低になります。
 イノベーションにはお金がかかります。決して私は薬のことだけ申し上げているのではありませんが,国民がより進んだ先進的先端医療の恩恵に預かるためには,やはりそれなりの負担が必要です。医療保険財政が厳しいことは百も承知していますが,国民が真にどのような医療を望んでいるのかという視点で,医療と医療費の在り方について,それをどのような形で負担していくかということも含めて,もっと幅広い議論が必要ではないかということを,あえてここで申し上げさせていただきたいと思います。以上です。

○岸本座長 どうもありがとうございました。非常に重要な問題をご指摘いただきました。それでは,三保谷委員お願いいたします。

○三保谷委員 起草委員会に数回出席させていただきまして,国民理解の浸透というものの,具体的な方法がかなり難しいということを皆さんおっしゃっていたかと思います。
 ただ,こういう形でわかりやすい形になったので,これを実践することだと思いますが,結局,研究者ばかりが育っても仕方のないわけで,科学技術に関する国民理解の裾野を幅広く広げるという意味で学校教育や社会教育の充実に,是非力を注いでいただきたいと思います。また,合わせて,この戦略大綱の内容については,国民理解の点はあまり焦らず,時間をかけて国民の声を聞きながら,かつ説明をしながら,是非わかりやすい言葉で信頼関係を築いていくことを努力するように,よりよい方向に向かっていくことを願っております。以上です。

○岸本座長 どうもありがとうございました。それでは,新井委員お願いいたします。

○新井委員 私も2回ほど起草委員会には出させていただきまして,この大綱にある3つの戦略は大変わかりやすくてよいと思います。それから,各委員も,また各府省の皆様も,これは実行することが課題だということを言われたことについても基本的には賛成です。また,前回の会議で私もいろいろ意見を言いましたが,まとめるプロセスの説明をしていただいた結果,行政としては府省の縦割りを超えた調整により到達した合意点という形でこれがまとめられていると私は理解をしています。それはそれで結構ですが,調整の結果もあるのでしょうが,項目がいっぱいあって行動目標がこのまま読むとやや羅列的という印象を私は持つことがありました。多くの項目はどのような関連にあり,どういう構造でこれらの目標が掲げられているかをもう一回掘り下げないと,国民にはなかなかわかりにくいのではないかと考えます。
 以上が,委員としてのむしろ自画自賛の方に加わった発言です。今度はもう一つ,実際にこれを実現するためにどのような問題があるかということについて述べます。まずはじめに実行のスピードがあります。この課題の中に書き込むべきかどうかについてのご検討は任せます。また行政の問題か,政治の問題か,研究体制の問題かはわかりませんが,実行する方法としてトップダウンの方向が強調されていると思うのです。スピードをもって実行するために,基本的にはトップダウンは大事です。しかし本当にこのトップダウンのアプローチが生かされるためには,明晰な頭脳と強い足腰を持った研究者たちのボトムアップ型のシステムがなければ支えられないと思うのです。
 しかし,何回も指摘していることですが,第1の問題としては日本では個人の責任に基づく個人型の研究システムは形成されていないという基本問題があると思います。この件に関しては,本大綱の中でも文部科学省を中心に,是非やりますとか,概して実施中と書いてあるようにも見えます。若手研究者とか,女性や外国人を登用しようとかですね。しかし,実際に考えたときには,システムとしての講座制のもとではなかなか女性の研究者とか若手を登用することは難しいという問題があります。ですから,これはお金を付けるだけでは解決しないシステム上の問題があると思います。是非,今後の検討課題としてお聞き願いたいということであります。個人をベースとする研究システムの実現を強く希望します。
 第2の問題としては,この中で総合科学技術会議を含めて行政としての研究評価システムをきちんとするということが盛られているのは大変よろしいと思います。それと同時に,研究費が決まったら研究の執行に対するシステムを整備することは非常に重要であると思います。特に既存の領域や産業に属さない新たな分野の研究開発を効果的に行うには,府省の壁を超えた新たなシステムが必要だと思います。この点についても,今後の検討課題としてご検討いただければと思います。この点では,このプログラムディレクターやオフィサーを付けるということは非常に積極的だと思います。しかし,これが行政システムに属するものなのか,行政から独立した執行側のアメリカのNIHや,イギリスのリサーチカウンセルのような性格のものかということを明確にしないといけません。その辺がここでは読み取れないなという感じを私自身は持っています。
 第3番目は,研究開発の特区について随分議論をしたと思います。特区という形で言うのがいいのかどうかわかりませんが,このことがあまり整理されていないのではないか。また,あまり明確に出されていないなという感じがあります。そういう分野においては特区の議論は非常にやりにくいことはわかりますが,例えば医療の分野では2つの問題を区別する必要があると思います。1つ目は,まだ医療としては確立していない実験的な探索型の医療の特区,このようなものは大学や研究所を中心にやられております。この中で医師免許については外国人でもいいようにするとか,一定程度そのような反映はあります。しかし,もう少し大胆にこういう先端的な分野については,新しい学術的な研究特区として行うということが言われるべきだと思います。2つ目は今,藤山委員も言われましたが,新薬の臨床試験だと思います。治験の問題は現実の医療とも絡むし,現実の新薬開発とも絡んでいます。この部分に関しては,医療全般と絡めれば大変難しくなると思いますが,治験に関する特区的な仕組みですね。あえて言うならば,治験のメディカルセンター的な特区というものは,是非ご検討をお願いできればと思います。
 第4番目は平沼大臣にも申し上げましたが,1000社のベンチャーをつくるということがこの中から出てくると思いますが,つくるのはいいけれども,これを本当に持続して産業にまで育てるのは大変な時間と経費がかかります。そういう人材養成を文部科学省でも大学院生を含めて3倍増ということを言われるのはよいでしょう。それと同時に,世界から人を集めるというアジア・太平洋地域に開かれた頭脳立国ですか。今度のBT戦略大綱では,ある意味では明治以来の100年のやり方とは変わったやり方をすることに踏み込んでメッセージが出るとわかりやすいと思います。最後ですが,こういったことを内外に宣言するためにも,これは日本語だけで終わらせないで全文英語にしていただいて世界発信をしていただきたいということを,是非お願いしたいと思います。以上です。

○岸本座長 どうもありがとうございました。確かにそうで,日本語と英語の両方でつくってホームページにでもこれを出していただくということは重要だと思います。次に,井村委員お願いします。

○井村委員 この戦略大綱はバイオテクノロジーの日本の現状を的確にとらえ,重要な問題をすべて網羅したものであります。ちょっと網羅的に過ぎるという批判が出ましたが,適切な内容であったのではないかと考えます。伊丹起草委員長には大変ご苦労をいただきまして感謝を申し上げます。私の申し上げたいことはほとんど出ましたが,2つだけこの機会に申し述べておきます。
 1つは,非常にたくさんの行動計画がありますが,これが絵にかいた餅に終わってはだめですから,実現をしていかないといけない。そのための仕組みをどうするかということです。先ほど細田大臣が総合科学技術会議としての決意をお述べになりましたが,やはり総合科学技術会議が中心になってやっていくことが重要だと考えています。ただ,総合科学技術会議のみでは実現できないところも多々ありますので,ここにご出席の各省大臣の方々のご支援を是非お願いしたいと思います。
 特に競争的資金の在り方については,これも先ほどから議論が出ましたように,私は諸外国のようにファンディング・エージェンシーをつくっていくことが重要ではないか。そこが研究費の配分からすべての実務を担当し,そこにプログラムディレクターを置いて,全体を見通して適切な研究費の配分を行っていくということが大変重要だと思います。そのことは,この起草委員会でも繰り返し議論になりました。それでは不十分だという考え方もありましたが,現状では,各府省がそれぞれファンディング・エージェンシーをつくっていただいて,ディレクターの会合を行って意見を交換していく。それが現在の制度でできる限界ではないかと考えていますので,この点を是非ご協力をいただきたいと思います。
 第2は,私は臨床の出身ですが,やはり基礎的な研究の成果が臨床に生かされない限り,患者さんには還元されません。現在,我が国の基礎的研究は随分進歩をしてきて,非常に高いレベルの研究が発表されるようになりました。しかし,残念ながら患者さんを対象とした臨床研究はまだ低い状態にあります。その理由は,おそらくいろいろな障壁があるためであろうと考えますので,今後,患者さんを対象とした臨床研究,これはトランスレーショナル・リサーチと言われますが,それに対する制度的な支援,研究費の支援,それからまた規制の緩和等を是非お願いしたいと考えます。以上です。

○岸本座長 どうもありがとうございました。それでは,歌田委員お願いいたします。

○歌田委員 私は,日本バイオ産業人会議の代表世話人をやっていますし,起草委員も務めさせていただきました。感想を3つほど申し上げたいと思います。
 第1番目は,私ども産業人会議としてこの国家総合戦略というものは是非必要だということを今までに何度も申し上げてきましたものが,ようやくできたということで,この策定について大変よかったなという感じがいたします。非常に感銘をしているところです。特に理念,目標については,非常に明快に掲げられたという点は非常にいいと思いますが,それ以上に私どもがよかったのは,この具体的な行動計画がきちんと明記されたということです。
 しかも,何年に着手して,達成が何年で,そして担当官庁はどこどこであるということを明記したということについては,総花的過ぎるというご意見もあるかもしれませんが,私はやはりこれをやってよかったのではないかと思います。絵にかいた餅,理念だけではなくて実際に行動に移れるということですから,達成年次を待たずに一刻も早く実現する構えが重要だと思います。こういうことができた以上,私ども産業界としても学会とともに,やはり合わせて努力をしていかなければいけないと思っています。
 2番目は,今回のいろいろな討議の中で,やはり最後にもめてなかなか決着がつきにくかった問題が幾つかございます。根本的な面で,従来の政策とぶつかり合うような面がどうしても出てきたということです。これから国際的な競争,あるいは構造改革の問題,早くしなければいけない問題,あるいは新科学技術と産業との空洞化現象が起きるとか,特にこれから世界的な潮流として多国間のWTO方式から2,3ヶ国間のFTA方式に移行という状況の中で,日本が生き残っていく,あるいは勝ち残っていくためには,どうしてもこういう点に問題があると今回も痛感いたしました。この点はひとつ政治に是非,期待を申し上げたいと思います。
 3番目は,この会議を継続するということを言及していただいています。これは高く私ども評価したいと存じます。フォローであるとか,あるいはリバイスであるとか,あるいは研究開発の方は総合科学技術会議がおやりになると思いますが,いわゆる司令塔論というのが盛んに出ましたが,産業化の問題,あるいは国民理解の問題など,こういう問題について特に司令塔的働きをこの戦略会議が持っていただくことを,是非期待を申し上げたいと思います。以上です。

○岸本座長 どうもありがとうございました。それでは,最後に大石委員お願いいたします。

○大石委員 私は戦略会議の起草委員会のメンバーでしたが,同時に総合科学技術会議のBTプロジェクトチームの座長でして,そこでいわゆる実務者,実際の研究に携わっている第一線の方々から,何回かの会合で現場の意見を皆さんにお伺いいたしました。それをまとめまして戦略会議にご報告したわけですが,起草委員会の場でもそれを提起し,申し上げました。
 我々のこのプロジェクトチームの意見と,起草委員会の意見とは基本的には一致しておりまして,我々の方がどちらかと言いますと具体的な方策について,現実的な現場からの議論が多かったと理解しておりますし,この点は非常に高く,この草案ができたことを満足しております。私個人の起草委員会及びプロジェクトチームの座長としての印象としましては,一貫して我々は現場の方も起草委員の方も,もちろん戦略会議の委員の方も,日本の現在のバイオの状況に非常に危機感を持っている。このままでは本当に先行きが危ないという認識です。
 それからもう一つ,バイオテクノロジーの持っている特徴ですが,今までのような技術から産業へのやり方,いわゆるパラダイムがほとんど通用しなくなっていまして,新しいタイプのかなり斬新的ないろいろな政策,あるいは研究組織がないと,おそらく日本は近い将来,世界に取り残されるのではないかということです。バイオは従来ほとんど関係がないと思われた農業と医学の分野でも,今,ほとんど全く同じ技術を使って,同じコンセプトで,全く同じというわけです。非常にそういう面で共通であるにもかかわらず,依然としてそれが幾つかの官庁に分かれているということは,これをやはり現実問題と実際の問題とどのようにするかは別としまして,何らかの知恵を出して解決しなければ,日本は非常に厳しい状況に置かれるのではないかと,そのように私は理解しています。以上です。

○岸本座長 どうもありがとうございました。今日は,委員の方々それぞれ非常に簡潔にお話いただきまして,私も別に無駄なことは何も言いませんでしたので時間がまだ5分ほどあります。では,全体の意見を聞かれて起草委員長としていかがですか。

○伊丹委員 今,関係大臣及び委員の何人もの方から,フォローアップ体制の話がありました。これについて起草委員会としての考えを,お手元の文章を使いながら簡単にご説明します。
 資料2の素案の文章の方の69ページをお開きいただきますと,「今後のバイオテクノロジー戦略の進め方」という一節があります。ここに書いてありますように,今後ともこの戦略会議を適宜開催をして大綱の実施状況の確認,あるいは今,出ましたようにフォローアップ,更にはリバイスすることが必要になるのであればそういうことをする体制をきちんととることが必要です。私ども起草委員会の理解としては,岸本座長に事前に何らかの委員会なりメンバー,グループ等を指名していただいて,実務的にそのようなチェックをした上で,本会議を開いていただく。そういうプロセスが何回か起きるということを想定しているということを,明確に意識してここで書いています。以上です。

○岸本座長 どうもありがとうございました。ほかに何か追加はありませんか。
 自画自賛になるかもしれませんが,この大綱は,「生きる,食べる,暮らす」というメインテーマで,非常にわかりやすくつくっていただきましたし,人と金と組織と,それをいかにやっていくか,そうすると,10年先にどういう姿が見えてくるかということを国民にもわかるようにつくっていただいたと思います。しかも,先ほどからご意見をいただきましたように,どこの府省が何年までにどのようにするかというはっきりした行動計画が掲げられていて,非常によくできている。できていると自分で言うのも何ですが,これは伊丹起草委員長をはじめ起草委員の方々に御礼を申し上げたいと思います。
 しかし,これからいろいろ変化も起こりますし,きちんと実行されているかということをフォローアップしていくためにも,委員の先生方に適宜お集まりいただき,ご検討いただくということは,今,伊丹起草委員長からもお話があって,最後に書かれていることであります。
 それでは,これでご意見をいただくのは終わりにしまして,いろいろとご意見をいただきました。特に新井委員からもいろいろご意見をいただきましたが,本日のご議論も踏まえまして,それを起草委員の方々及び各委員の皆様とご相談しながら最終的なチェック,加筆修正等を行いまして,大綱の最終案を12月までに作成したいと思います。
 本日のご議論で概ねのご了解をいただいていると思いますので,細かい点につきましては座長である私にご一任させていただきたいと思いますが,よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○岸本座長 ありがとうございました。それでは,私が責任を持ちまして最終案を作成し,次回の会合では,小泉総理にバイオテクノロジー戦略大綱を提出させていただきたいと思います。 (3)「健康・バイオテクノロジー」産業発掘戦略(案)について

○岸本座長 それでは,ここで最初に申しましたように,「健康・バイオテクノロジー」産業発掘戦略(案)を議題として,事務局から説明をしていただきたいと思います。

○小川内閣審議官 それでは,お手元の資料3「健康・バイオテクノロジー戦略」(案),これは戦略策定タスクフォースでおまとめいただいたものですが,それをご覧いただきたいと思います。
 前回の会議でもご説明いたしましたように,今年の6月に閣議決定をいたしました「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」,いわゆる第2骨太方針と言っておりますが,ここで4つの分野,具体的にはこの健康・バイオテクノロジー,それから環境・エネルギー,情報家電・ブロードバンド・IT,それにナノテクノロジー・材料,この4つの分野につきまして産業発掘戦略を策定することとなっております。
 健康・バイオテクノロジー戦略の策定にあたりましては,本日ご審議いただきました「バイオテクノロジー戦略大綱」(素案)と整合性を持ち,一体として検討する必要がございますので,戦略の起草にあたっていただきますタスクフォースには,関係府省の担当者に加えまして,本戦略会議の起草委員でいらっしゃいます伊丹委員,井村委員,歌田委員,大石委員にお忙しい中,ご参加をいただいたわけでございます。この戦略大綱の検討作業と並行いたしまして,資料3のとおり戦略についてお取りまとめをいただいたわけでございます。
 戦略の構成について,お手元の資料3でご覧になっていただけますように,他の3分野と同じように,まずは戦略的意義,それから国際的な状況,将来これを使いまして実現される社会の姿,更には戦略目標と具体的な行動計画という形で構成されているところでございます。その具体的な内容でございますが,先ほど来,ご議論いただきました「バイオテクノロジー戦略大綱」(素案)の内容,いわばエッセンスをここに取り込んでいただいておりまして,戦略大綱の内容と整合性を持ってまとめていただいておりますので,説明は省略をさせていただきたいと思います。
 なお,こうやってまとめていただきました4分野の戦略につきましては,12月のしかるべきタイミングで,経済財政諮問会議に報告される予定でございます。以上でございます。

○岸本座長 どうもありがとうございました。それでは,本案は先ほどご審議いただきました「バイオテクノロジー戦略大綱」(素案)と一体となって検討したものでありますので,今後の細部の調整につきましては,起草委員をはじめタスクフォースにご一任いただきたいと思いますが,いかがでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○岸本座長 ありがとうございました。起草委員をはじめタスクフォースの皆様にはよろしくお願いいたしたいと思います。
 これで大体,本日用意いたしました議題は全部終わりましたが,少し時間が早いので,もし特にご発言がありましたら,どういうことでも結構ですのでお願いします。

○細田科学技術政策担当大臣 評価の在り方,プログラムマネージメントに関してですが,プログラムディレクターやマネージャーの置き方については,先ほど井村委員がおっしゃいましたように,やはり膨大な競争的資金もありますので,どうしても各省の中で責任ある体制を取っていただかなければいけないというのが第1点です。各省の事業の進め方自体が,またいろいろで,NIHなどでやっているやり方とは大分違うという指摘もありまして,日本的な意味でどのような客観・公正な評価の在り方を実現するのかということを一つ一つ検証したり,フィードバックする必要があります。総合科学技術会議の中で具体的に検討し,各省と協議をするということも必要です。また,第2点として,総合科学技術会議が対象とする範囲の問題があります。どのぐらいの予算を考えるか。何百万円と分けられるような予算まで一々目を届かせることもまた不可能でございますし,この辺のやり方が非常に難しいのです。また,補助金,委託費など個別のものをどこまで細かく対象とすべきなのかということもあります。これは非常に大事な問題ですので,是非,検討を深めてまいりたいと思いますし,先生方にもお願いをしたいと思います。

○岸本座長 最初に大臣におっしゃっていただきましたように総合調整ということ,そのための言うなればバーチャルNIH的な組織をつくることを早急に検討するというのは,この戦略大綱の中にも書いていただいていますので,そういうことを検討していただきたいと思います。
 それでは,この辺で最後に内閣官房長官からごあいさつをいただきますが,その前にプレスが入室します。

(報道関係者入室)


(4)福田内閣官房長官あいさつ

 それでは,一言ごあいさつを申し上げます。
 バイオテクノロジー戦略大綱の素案をおまとめくださいまして,大変ありがとうございました。これによりまして,このバイオテクノロジーの産業化や実用化への道筋がわかりやすく提示された,または整理されているものと思っております。バイオテクノロジーは,国民生活や産業社会に非常に深く関わりがあります。その重要さをここで強く認識し,そしてまたこういう未来像について国民にわかりやすく伝える,これは大事なことでございます。今回の戦略大綱により,そういうことが可能になるだろうということを私ども大変期待をいたしているところでございます。
 本日,このように取りまとめていただきまして,これから正式な大綱に最終的にまとめていただくわけでございますけれども,岸本座長,そしてまた起草委員の皆様方に本当にご苦労いただいて,本当に短時間でございますけれども,よくぞここまでまとめてくださったという思いがいたしておりまして,心から厚く御礼を申し上げます。
 小泉総理にすばらしいこの大綱をお出しくださいますことを心から願って,ごあいさつにさせていただきます。ありがとうございました。

(報道関係者退室)

(5)閉会

○岸本座長 どうもありがとうございました。それでは,予定の時間がまいりましたので,本日の会合を閉会させていただきたいと思います。
 本日の会合の内容につきましては,前回までと同様,会合終了後,私から記者会見を行わせていただきます。
 次回の会合は,12月6日(金)午後5時半を目途に開催したいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。それでは,本日はご多忙のところご参集いただきまして,ありがとうございました。



第4回BT戦略会議 出席者

(政府側)
福田 康夫内閣官房長官
細田 博之科学技術政策担当大臣
遠山 敦子文部科学大臣
坂口 力厚生労働大臣
(渡辺 具能 厚生労働大臣政務官が代理出席)
大島 理森農林水産大臣
平沼 赳夫経済産業大臣
鈴木 俊一環境大臣
(望月 義夫 環境大臣政務官が代理出席)
安倍 晋三内閣官房副長官(政務・衆)
上野 公成内閣官房副長官(政務・参)
古川貞二郎内閣官房副長官(事務)

(委員)
岸本 忠三座長・大阪大学総長
新井 賢一東京大学医科学研究所所長
伊丹 敬之一橋大学大学院商学研究科教授
井村 裕夫総合科学技術会議議員
歌田 勝弘日本バイオ産業人会議世話人代表・味の素株式会社相談役
大石 道夫財団法人かずさディー・エヌ・エー研究所所長
庄山 悦彦(社)日本経済団体連合会産業技術委員会委員長・
(株)日立製作所代表取締役社長
杉山 達夫理化学研究所植物科学研究センター長
寺田 雅昭国立がんセンター名誉総長
平田  正協和発酵工業株式会社代表取締役社長
藤山 朗日本製薬団体連合会会長・藤沢薬品工業株式会社代表取締役会長
三保谷智子女子栄養大学出版部「栄養と料理」編集長