平成25年12月10日
内閣官房副長官補付

「犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画(仮称)」(案)に
対する意見の募集結果について

 平成25年11月6日(水)から同年11月18日(月)までの間、「犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画(仮称)」(案)に対する意見の募集を行いました。
 別添のとおり、いただいた主な御意見及び御意見に対する考え方等について公表いたします。いただいた御意見については、必要に応じ、分類整理・要約した上で記載しております。
 なお、パブリック・コメント開始時には、新たな行動計画の名称を、「犯罪に強い社会の実現のための新たな行動計画(仮称)」と表現しておりましたが、その後、これを「「世界一安全な日本」創造戦略」といたしました。別添の御意見に対する考え方では、「戦略」と表現しております。
 また、中項目の名称(「世界最高水準の安全なサイバー空間の構築」等)についても一部変更しており、別添の「2 各論」においては、変更後の表現を用いております。

(参考)
  いただいた御意見の総数    7件
  (内訳)
    電子メール       7件

  別添
    主な御意見と御意見に対する考え方について

  1. 総論

    ○ 本素案について、ただ漠然と施策を羅列しただけに感じられる。これでは新たな計画を作ることによって何をしたいのか不明である。また、新たな計画を策定することで何を保護しようとしているのかも明確ではない。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     本戦略の目的・背景、各施策の位置付け等については、本戦略の「序」及び「第一編」に記載いたしました。
  2. 各論

    (1)「1  世界最高水準の安全なサイバー空間の構築」について

    @  本素案1(4)「○通信履歴(ログ)の保存の在り方及び新たな捜査手法についての検討」に、「サイバー犯罪捜査においては、事後的な犯人の追跡に困難を伴うケースが多々あることから、買受け捜査を積極的に活用する」と記載してあるが、買受け捜査は、いわゆるおとり捜査の一種であって、その道義的・法的な妥当性には、疑問があると思われる。したがって、サイバー事犯の一つ一つをしっかりと検討し、やむを得ない事情がある場合に限り、買受け捜査を慎重に活用するべきである。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     サイバー犯罪捜査における買受け捜査としては、例えば、インターネットを利用した薬物密売事犯が挙げられます。同事犯は、サイバー空間の特性である匿名性を最大限に悪用して広域かつ巧妙に行われるため、通常の捜査手法では違法薬物の該当性、犯人等を特定し難いなどの事情があることから、買受け捜査が有効かつ妥当な捜査手法と考えて活用しています。

    A 本素案1(4)「○通信履歴(ログ)の保存の在り方及び新たな捜査手法についての検討」に、「新たな捜査手法について検討する」とありますが、最近施行された刑事訴訟法第197条第3項を「新たな捜査手法」として活用するべきである。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     「新たな捜査手法」としては、現時点でまだ実施していない捜査手法を想定しており、御指摘の刑事訴訟法第197条第3項に基づく保全要請については、既に必要に応じて活用しています。

    (2)「2 G8サミット、オリンピック等を見据えたテロ対策・カウンターインテリジェンス等」について

    @ オリンピック東京大会での犯罪対策に関し、司法解剖、負傷者の創傷鑑定、薬物・DNA鑑定等を行っている首都圏の大学医学部・医科大学の法医学教室との連携を密にすべきである。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     各種犯罪対策を推進するに当たり、大学や法医学教室等の専門性を有する機関との必要に応じた連携を引き続き図ってまいります。

    A 思想工作員を重点にスパイの取り締まりを行うべきである。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     本戦略第2編の2(5)D「カウンターインテリジェンス機能の強化」に記載しているとおり、外国による様々な対日有害活動に的確に対処するため、幅広い情報の収集・分析に努めるとともに、違法行為に対して厳正な取締りを行ってまいります。

    (3)「4 社会を脅かす組織犯罪への対処」について

    @ 暴力犯罪組織に対し財産没収が行えるようにするべきである。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     犯罪収益の剥奪を含む犯罪組織の資金に着目した各種対策を進めることは、組織犯罪対策の推進上重要なことと考えており、本戦略第2編の4(1)B「○ 暴力団からの資金剥奪の強化」や同編の4(2)@「○ マネー・ローンダリングに対する厳正な処分の促進」において、組織的犯罪処罰法等の積極的な活用や課税の徹底を記載しているところです。今後も、現行の法体系等も踏まえつつ、より効果的な対策の在り方について、検討を進めてまいります。

    A 全ての金融口座と口座保有者の個人番号・法人番号とを結び付け、口座保有者の正確な顧客情報を継続的に把握できる仕組み作りを行うべきであり、その際には、現在共通番号制度の対象となっていない個人の預貯金に関しても新規・既存を問わず対象とすべきである。また、継続的顧客管理のためには、最新の顧客情報把握が必要であり、行政の保有する住所等の最新情報と金融機関保有の口座情報とを結び付ける仕組みを官民共同で作るべきである。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
      行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律附則第6条第1項の規定において、同法の施行の状況等を勘案し、個人番号の利用及び情報提供ネットワークシステムを使用した特定個人情報の提供の範囲を拡大すること並びに特定個人情報以外の情報の提供に情報提供ネットワークシステムを活用することができるようにすること等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて、国民の理解を得つつ、所要の措置を講ずることとされていることを踏まえ、御指摘いただいた、金融口座への個人番号付番による継続的な顧客管理の在り方等について検討してまいります。

    (4)「6 安心して外国人と共生できる社会の実現に向けた不法滞在対策」について

    @ 日本で犯罪を多発させた国に対して入国制限を行うべきである。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     現行法上、本邦に上陸しようとする外国人が、本邦において行おうとする活動が虚偽のものでないとは認められない場合や、本邦又は本邦以外の国の法令に違反して一年以上の懲役に処せられたことがあるなどの上陸拒否事由に該当する場合は、原則として本邦への上陸が拒否されることとなっており、今後ともそのような本邦の治安を脅かす外国人に対しては厳正に対処してまいります。
     また、今後も在外公館における厳格なビザ審査に鋭意取り組んでまいります。

    A 在日外国人に対する全指紋スキャンを復活させるべきである。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     現状において在留外国人に全ての指紋の提供を義務付ける予定はありません。
     なお、テロリストや犯罪者等の外国人の入国を水際で阻止するため、平成19年11月20日から個人識別情報(両手各一指の指紋・顔写真)を活用した入国審査を実施しています。

    B 犯罪を行った外国人の国外追放を徹底させるべきである。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     現行法上、本邦において在留する外国人が、本邦の法令に違反して一定の刑に処せられるなどして退去強制事由に該当することとなった場合は、原則として退去強制されることとなっており、退去強制が決定された外国人については安全かつ確実に送還を実施することとしています。今後ともそのような本邦の治安を脅かす外国人に対しては厳正に対処してまいります。

    C 所在不明の外国人については、名前と顔写真入りでインターネット上に公開すべきである。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     不法滞在者に対しては今後も積極的な摘発を図ることとしていますが、入国管理局が保有する顔写真及び氏名については、個人情報保護の関係もあり、所在不明というだけで一般に公開することは考えていません。
     なお、本邦に中長期間在留する外国人には、住居地の届出義務を課しているところ、正当な理由なく住居地の届出をしない者や虚偽の住居地を届け出た者に対しては在留資格の取消しを行うなど、不適切な在留を続ける外国人に対しては厳正に対処しています。

    (5)「7 「世界一安全な日本」創造のための治安基盤の強化」について

    @ 犯罪対策に関する研究全般に関して、大学教員を含む研究者を対象とした研究助成金の公募をされたらいかがか。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     本戦略第2編中に記載がある各種施策の検討を行う際に、必要に応じ、その分野の研究者の知見を活用することとしているところ、可能な限り、研究助成制度を適切に活用してまいります。

    A 証拠の管理不備や捏造が冤罪や犯人の逃亡幇助につながるため、「証拠管理の高度化と証拠の正確度向上」を求める。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     現在、警察の取り扱う刑事事件の証拠品については、専用の保管庫に収納し、適切な管理に努めています。このほか、都道府県警察の実情に応じ、二次元コードを活用した証拠品管理システムを構築するなど、証拠品の適正かつ効率的な管理を推進しています。
     引き続き、刑事裁判における証拠の重要性に鑑み、証拠品の適正な管理、取扱い等に係る指導・教育に努めてまいります。

    B 最新鋭のうそ発見器を導入するべきである。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     警察においては、被検査者に対し、検査事件に関して特定の質問を行い、その時に生じる生理的反応を測定することにより、事件に関する事実を認識しているか否かを検査するためのポリグラフ装置を全国に配備し、有効に活用するとともに、その高度化に努めています。

    C 虚偽の供述に対する厳罰化を行うべきである。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     刑事裁判においては、法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、3月以上10年以下の懲役に処することとされています(刑法第169条)。加えて、法制審議会では、時代に即した新たな刑事司法制度を構築するための方策の一環として、新たな供述証拠の収集手段が用いられる場面において虚偽の供述をする行為を処罰対象とすること等についての検討が行われており、法制審議会における調査審議の結果も踏まえて、必要な検討を進めてまいりたいと考えています。

    D 死因究明体制の強化に関して、省庁に国内の解剖を統括する事務局(統括事務局)を設置し、解剖を行っている大学医学部・医科大学の法医学教室と連携する体制を検討されればいかがか。

    との御意見をいただきました。

    (考え方)
     内閣府に設置された死因究明等推進会議及び同会議決定に基づいて設置された死因究明等推進計画検討会において、引き続き、我が国の死因究明体制の在り方等について、幅広く検討してまいります。