普天間飛行場代替施設に関する協議会

第2回代替施設協議会協議概要



○開催日:平成12年10月3日(火)

○場 所:内閣総理大臣官邸大食堂

○出席者:構成員

(政府側)中川内閣官房長官・沖縄開発庁長官、虎島防衛庁長官、河野外務大臣、森田運輸大臣
(沖縄側)稲嶺沖縄県知事、岸本名護市長、宮城東村長、浦崎宜野座村長
その他
(政府側)古川内閣官房副長官、竹島内閣内政審議室長、安達内閣内政審議室沖縄問題担当室長
(沖縄側)石川沖縄県副知事、宮城名護市助役、平良東村助役、新里宜野座村助役

○議 題:
(1)軍民共用飛行場としての民間機能の位置づけについて(沖縄県説明)
(2)その他

○配布資料:
○配布資料:軍民共用飛行場としての民間機能の位置づけについて

○会議録:

(内閣官房長官)
 只今から「第2回代替施設協議会」を開催いたします。
 本日は、軍民共用飛行場としての民間機能の位置づけについて、沖縄県から説明していただき、協議いたしたいと存じます。それでは、稲嶺県知事お願いいたします。

(沖縄県知事)
 私は、県知事選挙において、普天間飛行場の代替施設については、海上ヘリ基地案は責任をもって政府に見直しを求め、そのかわり県民の財産となる新空港を建設させ、一定期間に限定して軍民共用とし、当該地域には臨空型の産業振興や特別の配慮をした振興開発をセットするという公約を掲げました。
 また、移設先候補地の選定をした際にも、移設に当たって整備すべき条件の一つとして、「代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用飛行場とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであること」を申しました。
 政府におかれましては、昨年末の閣議決定において、代替施設は軍民共用飛行場を念頭に整備を図ることが示され、移設先及び周辺地域の振興や北部地域の振興についても、新たな法制の整備を含め、沖縄振興新法の実現、予算上の特別の配慮など、政策の具体化の方向が提示されました。
 これらの取組方針に基づく施策の展開により、移設先を始めとする地域の振興が図られるものと確信しており、改めて政府に対し御礼申し上げます。
 手元の資料に添って説明いたします。
 キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域に建設されます代替施設は、普天間飛行場の代替施設として建設される飛行場でありますが、新たな基地負担を軽減するためにも、同施設は、地元地域の発展にとって真に有意義なものとなるよう、民間の航空機が就航できるようにするとともに、空港関連産業の育成・誘致及び空港を活用した産業等のための条件の整備・検討を進め、具体的な事業展開が図れるようにする必要があると考えています。
 そのため、代替施設には、民間機能としてのエプロン等の基本施設や旅客ターミナル等を併せて設けることが必要であると考えています。
 県としては、同飛行場の民間機能を活用し、雇用機会の確保や産業の振興を図り、地域経済発展の拠点を形成していく必要があると考えております。
 沖縄県にとって航空機は、本土と沖縄を結ぶ唯一の高速交通機関であり、そのため航空機を利用する割合が高く、那覇空港の平成10年の国内線旅客実績は約1千万人で全国5位、国内線貨物実績は約14万9千トンで全国4位となっております。
 これまで那覇空港の旅客及び貨物の航空輸送実績は順調に伸びており、この傾向は、今後続くものと考えています。
 運輸省航空局が行った那覇空港における旅客動態調査によると、那覇空港の国内線旅客のうち北部地域を「出発地」或いは「目的地」とする旅客は、全体の約12.3%を占めています。内訳は、名護市が2.8%、国頭郡が9.5%で、そのうち地元客の占める割合が、名護市で40.8%、国頭郡で7.4%と、いずれも地元客が少なく、地元客以外の観光客が多くなっています。
 北部地域は、名護市等12市町村からなり、人口は約12万4千人でありますが、同地域には、国営沖縄記念公園を始めとする観光施設や大型リゾートホテルが立地しております。
 代替施設を中心とした30分圏内の恩納村、名護市等に北部地域の主なリゾートホテルの過半が含まれており、同地域に所在する主要ホテルの平成11年の年間稼働率は約60%で、延べ約260万人の観光客に利用されております。
 以上のことから、北部地域における航空旅客の利用の可能性については、現状においても一定程度あるものと考えられますが、将来的には、12市町村の地元客や県外からの観光客を含め、名護市で開催された九州・沖縄サミット効果を含め、沖縄経済振興21世紀プランの中の北部地域定住目標15万人に向けた施策や別途に協議されている北部振興策並びに移設先及び周辺地域振興策が展開されることにより、さらなる観光振興や産業振興が図られ、これに伴う旅客利用の増加が期待できるものと考えております。
 沖縄県独自の推計では、2010年度には関東・関西・中部方面に、1日あたり6便、3往復の就航を見込んでおります。
 また、沖縄県における園芸作物や航空郵便などの航空貨物は、把握できるもので平成10年で約6万6千トンであり、そのうち北部地域は全体の約25%、約1万6千トンを占めております。その内訳を見ますと、園芸作物については沖縄県全体の約45%を、航空郵便貨物、いわゆる「ゆうパック」については約14%となっております。
 したがって、県としては、代替施設は、コンテナ輸送が可能なジェット機が就航できることが必要であると考えております。
 また、基本計画の策定に当たっては、普天間飛行場の移設に伴う機能及び民間機能の双方の確保を図る中で、安全・環境面に十分な配慮がなされる必要があると考えております。
 次に、民間機能として代替施設に設置される飛行場施設の管理運営については、国及び地元地方公共団体と相談の上、県を中心として検討していきたいと考えております。
 終わりに、代替施設は、普天間飛行場の代替施設として建設されるものであり、設置される民間機能は、県外からの直接のアクセス、他の経済圏域とのネットワークの強化を図れることから、北部地域の振興開発を推進するものとして期待されております。
 そのため、代替施設における民間機能と別途協議されております空港活用機能は、一体的な展開が必要であると考えており、その実現を図るためには、国の特段の配慮が必要であります。
 県としては、設置されるこれらの機能を十分に活かし、移設先の地域はもとより北部地域の自立的発展と振興につながっていくよう取り組んでいきたいと考えております。

(内閣官房長官)
 只今稲嶺県知事から説明のありました軍民共用飛行場としての民間機能の位置づけについて、名護市長、東村長、宜野座村長から発言がございましたらお願いいたします。

(名護市長)
 軍民共用飛行場における民間機能は、北部地域の住民の交通の利便性や産業の振興に寄与するものと考えますので、その充実に、国、県のなお一層の配慮を頂きたいと思います。

(内閣官房長官)
 東村長お願いします。

(東村長)
 只今稲嶺知事と岸本名護市長から、代替施設の民間機能についての県及び地元の考え方について説明がありましたが、本村としても北部地域全体の産業振興につながるよう特段の配慮をお願いします。

(内閣官房長官)
 宜野座村長お願いします。

(宜野座村長)
 宜野座村は、金武町に移設が予定されている象のオリ、名護市に移設が計画されている普天間飛行場代替施設の両米軍基地に挟まれることになります。
 代替施設の規模、工法、建設場所については、これから検討されることになると思いますが、村民の生活に支障がないようにお願いいたします。

(内閣官房長官)
 それでは、政府側から意見又は質問をいただきたいと思います。まず、森田運輸大臣いかがでしょうか。

(運輸大臣)
 まず、代替施設における民間機能の位置づけに関しまして考え方を取りまとめられた沖縄県の努力を極めて高く評価したいと思います。
 本日は、民間機能についての県の考えを伺ったところでありますが、代替施設の基本計画の策定に向けて、沖縄県におきまして、今後とも引き続き本日の議論を深めていただくことが肝要であると考えております。
 運輸省としても、民間飛行場の整備についてのノウハウ、専門的な知見を有する立場から、引き続き協力をさせていただきたいと思っております。

(内閣官房長官)
 只今運輸大臣からございました意見に対する県からの意見につきましては、後程他の閣僚からの意見等へのお答えと併せましてお願いすることとし、次に、虎島防衛庁長官に発言をお願いいたします。

(防衛庁長官)
 只今沖縄県知事から、軍民共用飛行場としての民間機能の位置づけについて、沖縄県の考えを説明いただきました。防衛庁としては、普天間飛行場移設に伴う機能及び適切な民間機能の双方を確保した普天間飛行場代替施設の在り方について検討してまいりたいと考えております。運輸省の助言もいただきながら、沖縄県とも引き続き協議をさせていただきたいと思います。

(内閣官房長官)
 次に外務大臣、いかがでしょうか。

(外務大臣)
 先程、軍民共用飛行場としての民間機能の位置づけについて沖縄県より説明いただきましたが、今後、代替施設の基本計画の策定を行っていくためには、昨年末の閣議決定にあるとおり、米側とも緊密に協議していくことが必要と考えています。
 このため、先般の日米安全保障協議委員会、いわゆる2+2におきまして、私より普天間実施委員会の早期再開を提起し、米軍の運用所要等の具体的検討事項について協議していくことにつき米側より賛同がありました。
 今後、本協議会での協議と並行しながら、普天間飛行場の移設が円滑に進むよう米側とも緊密に協議してまいる考えでございます。

(内閣官房長官)
 それでは、私から一つ質問させていただきます。
 只今の稲嶺県知事からの説明の中で、民間機能として建設される飛行場施設の管理運営について、県を中心として検討していくとの発言がありました。
 普天間飛行場代替施設は、昨年11月の県知事からの要請を受け、民間航空機の就航できる軍民共用飛行場を念頭に整備を図るとの方針の下、取り組んでいるところであります。
 もとより、代替施設は、米軍に提供する施設・区域として整備され、その管理権は米軍に属することとなりますが、旅客ターミナル等専ら民間機能に係る飛行場施設の管理運営に関しては、県が主体となって取り組んでいくという理解でよろしいでしょうか、県の認識を伺います。
 それでは、これまでの意見・質問に対して、県知事からお考えを伺いたいと存じます。

(沖縄県知事)
 県としては、本日説明いたしました民間機能について、機能の具体化を図る中で議論を深めながら検討を重ねていきたいと考えております。運輸省におかれましては、引き続き協力をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 軍民共用飛行場としての民間機能の位置づけについては、新たな基地負担を軽減するためにも、同飛行場は、地元地域の発展に真に有意義なものでなければならないと考えております。
 防衛庁におかれましては、民間機能の必要性を十分酌み取っていただき、軍民共用飛行場としての民間機能が確保されますよう検討をよろしくお願いいたしたいと思います。
 再開されます普天間実施委員会(FIG)で、日米双方の協議が並行して行われることにより、本協議会での協議が円滑に進むことを期待しております。
 旅客ターミナル等専ら民間機能に係る飛行場施設の管理運営の在り方については、県民にとって最も望ましいものになるよう、県が主体となって取り組んでまいります。
 沖縄県としては、一日でも早く、軍民共用飛行場に民間航空機が就航できることを願っております。しかしながら、軍民共用飛行場は、県にとっては初めての経験でありますので、今後、様々な問題や課題が生じてくるものと考えております。
 県としては、軍民共用飛行場の円滑な整備が図られるよう、皆様方の指導と協力をお願い申し上げます。
 また、軍民共用飛行場の民間機能を活用し、雇用機会の確保や産業の振興を図り、地域経済発展の拠点を形成していく必要があると考えますので、その実現のため、国の特段の配慮をお願いしたいと思います。

(内閣官房長官)
 他に意見・質問はございますでしょうか。

(なし)

(内閣官房長官)
 県からの民間機能の位置づけに関する説明につきまして、全員の皆様から意見をいただき、また、質疑を行ったわけでありますが、只今いただきました意見等を今後の協議に活かしていくことにいたしたいと思います。

 それでは、次に移ります。
 本日は、予め予定する議題はございませんが、お集まりの皆様で発言のある方、よろしくお願いいたします。防衛庁長官、いかがでしょうか。

(防衛庁長官)
 第1回協議会におきまして、名護市長から、本協議会の本来の協議事項ではないかもしれませんがとお断りの上で、別途に協議していただきたいと要請があった代替施設の使用に関する協定、既存の米軍施設・区域に係る事項につきましては、沖縄県の協力をも得て、名護市との間で、外務省とともに防衛施設庁の実務者レベルにおいて、早急に協議を開始することとしたいと存じます。

(内閣官房長官)
 只今防衛庁長官から、使用協定等に係る実務者レベルでの協議開始の提案がございましたが、本件に関し、外務大臣、いかがでしょうか。

(外務大臣)
 只今防衛庁長官より発言がありました件につきましては、昨年末の閣議決定に盛り込まれた事項を着実に進展させるべく、外務省といたしましてもできるだけの協力をしてまいる考えでございます。

(内閣官房長官)
 只今防衛庁長官及び外務大臣から、本協議会の初会合において岸本名護市長から要請がございました代替施設の使用協定及び既存の米軍施設等に係る事項に関し、実務者レベルにおける協議を開始したい旨の提案がございました。本件について、岸本名護市長、稲嶺県知事から発言をお願いします。

(名護市長)
 先の第1回協議会における私の要請に対しまして、防衛庁長官、外務大臣より発言がございました。私も非常に心強く思っております。感謝申し上げたいと思います。

(内閣官房長官)
 県知事いかがでしょうか。

(沖縄県知事)
 名護市の要望に対し、実務的な協議がなされることになり、県としても、名護市の意向が実現できるよう協力してまいりたいと考えております。

(内閣官房長官)
 それでは、代替施設の使用協定及び既存米軍施設等に係る事項については、関係者間で別途実務者レベルでの協議を開始していただくことにいたしたいと存じます。異議ございませんか。

(構成員全員)
 異議なし。

(内閣官房長官)
 その他の案件について、発言はございますか。

(名護市長)
 いわゆるジュゴン問題に関してでありますが、ジュゴンの生態につきましては、不明確な部分が多いと承知しております。しかし、地元に、名護市でもそうですが、ジュゴンを保護すべきとの強い声もあることですし、基本計画策定前に、ジュゴンの調査を実施していただけないものかと考えております。

(内閣官房長官)
 只今名護市長からジュゴン調査についての要請がございました。本件について、防衛庁長官、意見はございますか。

(防衛庁長官)
 ジュゴンについては、分布及び生態に関する知見や資料が少なく、地域に即した効果的な調査手法の設定が困難な状況にあるものと承知しておりますが、昨年末の閣議決定において、「自然環境に著しい影響を及ぼすことのないよう最大限の努力を行う」とされているところであり、防衛庁としては、工事着手前に行う環境アセスメント手続とは別に、環境庁からも技術的な助言をいただきながら、ジュゴンの生息状況について予備的調査を実施し、出来るだけ早期に本協議会に報告することといたします。

(内閣官房長官)
 只今防衛庁長官から、環境庁の技術的な助言を得ながら、ジュゴンの生息状況について予備的調査を実施し、極力早期に本協議会に報告する旨発言がございました。本件について、異議ございませんか。

(構成員全員)
 異議なし。

(内閣官房長官)
 それでは、ここで私から、この協議会の総括をさせていただきたいと思います。
 まず第1に、軍民共用飛行場としての民間機能の位置づけにつきましては、今後の協議に活かしていくため、本日の県からの説明及び質疑を踏まえ、運輸省の知見も得ながら、引き続き関係部局で検討を深めていただきたいと思います。
 第2に、名護市長から要請のあった代替施設の使用協定及び既存の米軍施設・区域に係る事項につきましては、防衛庁が外務省とともに、沖縄県の協力をいただいて、名護市との間で実務者レベルにおける協議を早期に開始することを確認いたしました。
 第3に、ジュゴンの生息状況の予備的調査については、防衛庁が、環境庁から技術的な助言を得て実施し、出来るだけ早期に本協議会に報告することとなりました。
 以上をもって、本日の協議会における協議概要のまとめということで、よろしゅうございましょうか。

(構成員全員)
 異議なし。

(内閣官房長官)
 それではそのようにさせていただきます。
 さて、ここで次回の協議会の議題について、お諮りいたしたいと存じます。
 本協議会の初会合においても確認させていただきましたが、協議に当たっては、安全・環境面で十分留意することが必要でございます。
 そこで次回協議会におきましては、防衛庁から、代替施設の建設地点である「キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸域」の地形、生物分布等の状況について説明いただき協議することを提案いたします。また、次回は環境に係る議題を協議することから、協議会の設置要綱に基づきまして、環境庁長官の出席を求めることといたしたいと存じます。
 只今私から、次回協議会の議題及び次回協議会への環境庁長官の出席要請について提案申し上げましたが、このことについて、異議ございませんでしょうか。

(構成員全員)
 異議なし。

(内閣官房長官)
 そのようにさせていただきたいと存じます。
 協議の終了に当たって、特に何か発言がございますか。

(沖縄県知事)
まず、ジュゴンの予備調査が実施されますことに対し、お礼申し上げたいと思います。
 本協議会本来の協議事項である基本計画の策定という事項には入りませんが、この場をお借りして改めて要望申し上げます。政府におかれましては、県民の強い要望を理解いただき、代替施設の15年使用期限問題の一日も早い解決に向け、積極的に取り組んでいただくようお願いいたします。

(内閣官房長官)
 只今稲嶺県知事から代替施設の使用期限問題について、発言がございました。この問題につきましては、本協議会の初会合においても、稲嶺県知事及び岸本名護市長から、それぞれ発言があったところでございます。
 政府としては、この要請を重く受け止め、昨年の閣議決定に従い、適切に対処してまいる所存であることを、改めて申し述べさせていだたきます。
 それでは、本日の会議を終了させていただきます。
 次回協議会の開催日程等につきましては、今後調整してまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

(以 上)