普天間飛行場代替施設に関する協議会

第9回代替施設協議会協議概要



○開催日:平成14年7月29日(月)

○場 所:内閣総理大臣官邸大会議室

○出席者:

構成員(政府側)尾身沖縄及び北方対策担当大臣、中谷防衛庁長官、川口外務大臣、扇国土交通大臣、大木環境大臣
 (沖縄側)稲嶺沖縄県知事、岸本名護市長、宮城東村長、浦崎宜野座村長
その他(政府側)嘉数内閣府大臣政務官、古川内閣官房副長官、大坪内閣府審議官(沖縄担当)、安達内閣府政策統括官(沖縄担当)、武田内閣府沖縄振興局長、山本内閣府大臣官房審議官(沖縄担当)、嶋口防衛施設庁長官、大古防衛施設庁施設部長、中矢防衛施設庁建設部長、山崎那覇防衛施設局長、橋本特命全権大使(沖縄担当)
 (沖縄側)比嘉沖縄県副知事、末松名護市助役、平良東村助役、新里宜野座村助役

○議題:
(1) 代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針に基づく検討結果について
(2) その他関連事項

○配布資料:
(1) 代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針に基づく検討資料
(2) 普天間飛行場代替施設の基本計画について(案)

○会議録:
(沖縄及び北方対策担当大臣)
 只今から、第9回代替施設協議会を開催いたします。
 本日は、まず、岸本名護市長及び稲嶺沖縄県知事から、今月23日、名護市内において発生した銃弾着弾事故につきまして発言の申し出がありますので、よろしくお願いいたします。はじめに、岸本名護市長、お願いいたします。

(名護市長)
 去る7月23日、キャンプ・シュワブ演習場から米軍が発射したとみられる銃弾による被弾事故が発生しました。一歩間違えば、人命にかかわる重大な事故につながりかねず、市民に大きな不安と衝撃を与えております。事故の徹底した原因の究明を行い、その結果を踏まえ、住民地域でこのような事故が発生することのないよう、訓練の場所や内容、方法等について、実弾射撃訓練の廃止を含む徹底した対策を講じていただきたいと考えております。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 続きまして、稲嶺沖縄県知事、お願いいたします。

(沖縄県知事)
 それでは、名護市長に引き続きまして述べさせていただきます。去る7月23日に名護市数久田区内において被弾事故が発生しました。今回の事故は、一歩間違えば人命に関わる重大な事故につながりかねず、極めて遺憾であり、県民に大きな不安を与えております。今回の事故原因の徹底究明を求めるとともに、再発防止及び今後なお一層の安全管理の徹底並びに同施設内での実弾射撃演習の中止を米軍に対し強く働きかけていただくよう要請いたします。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 只今の要請に対しまして、政府側から発言をお願いいたします。まずは、川口外務大臣、お願いいたします。

(外務大臣)
 外務省としては、本件を受けて、23日午後、橋本沖縄担当大使よりラーセン四軍調整官代理に対し、本件の事実関係の確認について米軍の全面的な協力を要請するとともに、本件の原因が究明されるまで近傍での演習を中止してもらいたい旨要請しました。また、24日午後には、橋本沖縄担当大使よりグレグソン四軍調整官に対して改めて要請等を行いました。また、23日午後、藤崎北米局長よりクリステンソン在京米大臨時代理大使に対し、仮に本件が米軍によるものであれば大変遺憾であると言わざるを得ないと述べるとともに、事実関係を究明し、これが判明するまでは訓練を中止すること、また、本件が米軍によるものであれば、必要な再発防止策をとることを申し入れました。右に対し、米国側からは、直ちに訓練は中止した旨述べるとともに、米国としては事実関係の究明に全面的に協力するとしております。
 本件については、早急に原因の究明がなされる必要がありますが、弾丸が訓練中の米軍により発射されたものであれば極めて遺憾であり、必要な再発防止策をとり、安全管理を徹底する必要があると考えております。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 次に、中谷防衛庁長官、お願いいたします。

(防衛庁長官)
 先ほど、沖縄県知事、名護市長から言及のありました名護市内で発生した銃弾着弾事故につきましては、当庁としては、このような事故は起きてはならないものと考えておりまして、本件について連絡を受けた那覇防衛施設局は、米側に対し、事実関係の照会、早期の原因究明、原因がはっきりするまでの間の射撃訓練の中止を要請したところであり、米側も、現在、レンジ10における重機関銃による射撃訓練を中止し、徹底的な調査を行った上でないと射撃訓練は再開しないとの方針を示したところでございます。更に、那覇防衛施設局の要請を受け、在沖米海兵隊は、今後、レンジ10における訓練改善の方法等についても検討していきたい旨の考えを示したところでございます。いずれにせよ、現在、外務省とも連携の上、今回の事故原因の究明につき米側に対し、照会し、協力を求めているところでございますが、今後、再発防止策等についても強く要請してまいりたいと考えております。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 私からも一言申し上げます。
 本件につきましては、先ほど指摘があったとおり、一歩間違えれば住民の命にかかわる事故になりかねなかったものであり、このような事故が生じたこと自体、誠に遺憾であります。本件につきましては、徹底した原因究明を進めるとともに、それに基づき、訓練等のあり方の見直しを含む実効性のある再発防止措置を実施することが何よりも重要と考えております。内閣府といたしましては、外務省及び防衛庁と緊密に連携しつつ、政府全体として的確に対応できるよう全力を尽くしてまいる所存であります。
 それでは、次に、前回の協議会において決定されました代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針に基づき、日米間で緊密に協議を行いつつ、防衛庁等が中心となって関係省庁等の協力を得て行った検討結果について、お諮りしたいと存じます。はじめに、中谷防衛庁長官、お願いいたします。

(防衛庁長官)
 昨年12月末の第8回代替施設協議会において決定された代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針に基づき、日米間で緊密に協議をしつつ、防衛庁として、関係省庁等の協力を得て所要の検討を行い、結果をとりまとめましたので、その結果についてスクリーンに沿って説明いたします。
 まず、規模であります。この規模に関しましては、「軍民共用飛行場を前提に、種々制約条件があると思うが、名護市長からの御要望にも鑑み、米側との協議も踏まえつつ、さらなる工夫について検討する」との取扱い方針に従い、米国とも緊密に協議しつつ、検討いたしました。その結果、滑走路両端のオーバーラン部分について我が国及びICAO(国際民間航空機関)における民間飛行場の基準を踏まえたものとすること等により、代替施設本体の面積は最大約184ヘクタール、その形状は、長さ約2,500メートル、幅約730メートルの長方形といたしております。これを第7回代替施設協議会における説明で想定していた規模と比較しますと、面積で約13ヘクタール、長さで、最長部分と比較して約240メートル、最短部分との比較では約140メートルの減となっております。
 次に具体的建設場所に関しましては、「地元の意向を踏まえたリーフ上の案とし、環境面、技術面等を考慮し、可能な範囲で極力沖側及び北東側に位置させる方向で検討する」との取扱い方針に従い、検討いたしました。代替施設の具体的建設場所は、図に示すとおりでございます。この位置は、辺野古集落の中心から滑走路中心線までの最短距離が約2.2キロメートル、平島から代替施設本体までの最短距離が約0.6キロメートルの位置としております。また、滑走路の方位は、約55度といたしております。この位置に関しましては、地域住民の方々の生活環境を保全する上で重要な航空機騒音について、環境省が定める「航空機騒音に係る環境基準」のうち最も厳しい基準値70W以上の騒音が民間地域に及ばず、滑走路の延長線上に周辺の住宅地域が存在しない位置とする前提の下で、@より沖側に位置させる場合、代替施設の沖側部分の位置の水深がさらに深くなり、より複雑な地形となること、珊瑚に及ぼす影響が相当増大すること、Aより北東側に位置させる場合、平島、長島の存在により、同方向に位置させることに制約があること、藻場に及ぼす影響が増大する可能性があることなど、環境面や技術面等を考慮し、検討したものでございます。なお、実際の建設位置につきましては、今後、海底地形調査に基づく設計上の考慮や環境影響評価等を踏まえ、最終的に確定することとなります。
 次に、代替施設の工法に関しましては、「具体的建設場所を踏まえた最適な工法を検討する」との取扱い方針に従い、技術的、専門的知見を有する関係省庁等の協力を得て、検討いたしました。第7回代替施設協議会において説明したリーフ上の場所における案は埋立工法のみでありましたが、杭式桟橋工法、ポンツーン工法についても、改めて同場所における適応性を検討した結果、埋立工法と杭式桟橋工法について詳細検討を行いました。検討結果の概要につきましては防衛施設庁建設部長に説明させていただきますが、防衛庁といたしましては、施設の構造、維持管理、施設の安全対策といった技術的見地からの評価により、リーフ上の位置における代替施設の工法については、埋立工法が適当であると考えております。
 それでは、建設部長の方から詳細に説明をさせていただきます。

(防衛施設庁建設部長)
 防衛施設庁建設部長でございます。只今、大臣が申し上げましたように、第7回代替施設協議会において説明したリーフ上の場所における案は埋立工法のみでありましたが、杭式桟橋工法、ポンツーン工法についても、改めて同場所における適応性を検討したところ、杭式桟橋工法については、委託した工法団体が水理模型実験により行った砕波や波浪の影響等に関する検討結果について、その適否を直ちに評価することは困難であり、リーフ上で建設可能か否かを判断するには至りませんでした。ポンツーン工法については、箱形構造物を浮かせる工法の特性上、リーフ上の場所での適応性は認められないと判断いたしました。このため、埋立工法とともに、杭式桟橋工法について詳細検討を行いました。その検討結果の概要について、説明いたします。
 まず施設の構造についてでございます。施設の構造に関しましては、埋立工法については、護岸構造は、技術基準に基づき安定性が検討されており、十分実績のある工法であります。杭式桟橋工法については、建設場所が非常に複雑な地形であり、かつ、極めて大きな波浪が及ぶ区域であることから、飛行場のような大規模施設について施工実績のない本工法の適用に当たっては、シミュレーションやより詳細な水理模型実験・風洞実験などにより慎重な検討が必要となります。
 次に、工期についてでございます。工期に関しましては、工事着手後の工期は、埋立工法は約9.5年、杭式桟橋工法は約7年となります。
 次に、環境に与える影響でございます。環境に与える影響に関しましては、影響面積は、埋立工法については、珊瑚約50ヘクタール9年度調査約97ヘクタール、藻場約2ヘクタール9年度調査約4ヘクタールとなっております。杭式桟橋工法については、珊瑚約27へクタール9年度調査約79ヘクタール、藻場約1ヘクタール9年度調査約3ヘクタールとなっております。
 次に、維持管理等についてございます。維持管理等に関しましては、埋立工法については、護岸の点検方法や頻度は、陸上の飛行場及び港湾施設と同程度であり、その手法は妥当であります。杭式桟橋工法については、中型の民間航空機の使用が予定される軍民共用飛行場として、厳しい自然条件下で、長期かつ安定的に使用するためには、施工時の安全確認とともに点検確認できることが必要不可欠です。上部構造物内部については、塗装による防食対策を施すことが必要ですが、その点検に関しましては、極めて広い内部区画について、高温多湿の気象条件下で、かつ、適切な換気を行いつつ密閉された区画内部で実施する作業効率は著しく低く、上部構造物内部の細かく仕切られた空間が約20万区画という膨大な箇所を点検することは、実際上困難なものと考えられます。
 次に、施設の安全対策でございますが、施設の安全対策に関しましては、埋立工法については、施設本体が航空機や船舶の衝突等により損傷を受けた場合でも、陸上の飛行場と同程度の損傷と予測され、その復旧は比較的容易であります。杭式桟橋工法については、航空機のエンジンの落下衝突のシミュレーションを行い、局部的な損傷に留まるとしておりますが、場所によっては航空機の運航ができなくなり、また復旧には相当の技術力と時間を要します。また、航空機の走行する区画の杭が2、3本破損した場合、航空機の運航ができなくなり、飛行機の墜落等の不測の事態に至った場合には、さらに大きな影響が生じるものと考えられ、この場合の被害と機能復旧について、十分な検討が必要です。
 最後に、経費についてでございます。建設費に関しましては、公平に比較するため、積算基準や実勢価格に基づく標準的な手法により算定しております。埋立工法については、約3,300億円と見積もっています。杭式桟橋工法については、約6,700億円と見積もっておりますが、この額は、委託した工法団体の見積額を基に、大量発注を理由とする浮体ユニットやジャケット式ユニットなどの製作費や諸経費に係る積算基準を上回る低減や上部構造物内部の塗装費等について、補正したものであります。
 維持管理費に関しましては、埋立工法については年額約0.8億円、杭式桟橋工法については年額約3.1億円と見積もっています。
 以上説明いたしましたけれども、先ほど、大臣が申し上げましたとおり、施設の構造、維持管理、施設の安全対策といった技術的見地からの評価により、リーフ上の場所における代替施設の工法については、埋立工法が適当であると考えます。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 それでは、次に、川口外務大臣、お願いいたします。

(外務大臣)
 私、外務大臣として、この協議会に出席をさせていただくのは初めてでございます。普天間飛行場の移設・返還の早期実現に向けましては、環境大臣であった時と同様に、最大限努力をいたしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 普天間飛行場の代替施設の規模につきましては、これまでも米側との間で緊密に協議を行ってきたところですが、只今防衛庁長官から発言のありました規模については、米政府よりも、米軍の運用所要を満たす旨の確認を得ていることを報告申し上げます。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 次に、大木環境大臣、お願いいたします。

(環境大臣)
 本年2月から川口大臣の後を受けて、環境大臣を勤めさせていただいておりますが、この協議会は初めてでございます。どうぞよろしくお願いします。
 先ほど、防衛庁長官から報告のございました検討に当たりましては、環境省としては、ジュゴンの保護とその餌場としての藻場の保全、あるいはサンゴの保全並びに騒音を含めた生活環境の保全、潮流や水質への配慮に十分留意する必要があると考え、助言を行ってきたところでございます。今後、さらに事業についての詳細な検討が進められると存じますが、環境影響評価の手続等を通じ、適切な環境配慮を行うことが重要でありますので、環境省としても、このような観点から必要な助言等を行うとともに、環境影響評価の審査を行ってまいりたいと思っております。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 次に、扇国土交通大臣、お願いいたします。

(国土交通大臣)
 国土交通省といたしましては、これまでも、民間空港の整備に知見を有する立場から必要な協力、助言を行ってまいりました。
 只今も、取扱い方針に基づく検討結果について報告がございましたけれども、この内容につきましては、これまでも協力させていただいた立場から見て、妥当なものと考えております。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 防衛庁を始めとする関係省庁の尽力に感謝申し上げます。それでは、只今の政府側の報告に対して、沖縄県側から発言をお願いしたいと存じます。では、はじめに、岸本名護市長、お願いいたします。

(名護市長)
 先ほど報告のありました検討結果につきましては、技術的知見等を基に総合的に検討されたことと承知しておりますが、今後は、環境影響評価や米軍及び民間空港の運用所要並びに地元の意見、要望を踏まえた、より詳細な検討を進めていく必要があるものと考えております。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 次に、宮城東村長、お願いいたします。

(東村長)
 前回の協議会において、地域住民の生活や自然環境に著しい影響を及ぼすことがないよう最大限の配慮を払っていただくようお願いいたしましたが、本日の政府側報告は地元意見を踏まえて検討されたものであると考えます。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 続きまして、浦崎宜野座村長、お願いいたします。

(宜野座村長)
 宜野座村長の浦崎康克でございます。政府側からの規模、具体的建設場所、工法に係る検討結果の報告については、第8回協議会における具体的建設場所及び総体的な規模縮小に関する地元意見等を十分踏まえたものと思われます。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 最後に、稲嶺沖縄県知事、お願いいたします。

(沖縄県知事)
 只今、岸本名護市長、宮城東村長、浦崎宜野座村長から地元の意見がございましたが、沖縄県としましては、規模については、オーバーランの長さを我が国の民間飛行場の基準に合わせて短縮することで総体的な規模縮小が図られ、第8回代替施設協議会で了承された代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針に沿ったものであると理解しております。
 具体的建設場所については、リーフ上とした上で、環境面、技術面等に考慮して、可能な範囲で沖側及び北東側に位置させる方向で検討するとの取扱い方針に沿ったものであり、地元の意向に配慮されたものであると理解しております。
 提案された工法については、具体的建設場所及び規模を踏まえ、専門技術的な観点から審査・評価した結果、選択されたものであると考えております。
 従って、提案された内容については、第8回代替施設協議会における沖縄県、名護市、東村、及び宜野座村の意見等を踏まえたものであると評価しております。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 他に何か発言はございませんでしょうか。

(なし)

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 これ以上発言がないようでしたら、私の方から、代替施設基本計画主要事項についてまとめさせていただきたいと存じます。
 本日の政府側の検討結果の報告、これに対する沖縄県側の発言等を総合的に踏まえた場合、代替施設基本計画主要事項の規模、具体的建設場所及び工法については、本協議会として、政府側の検討結果を了承することとしてはいかがかと存じますが、異議ございませんか。

(構成員全員)
 異議なし

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 それでは、そのように協議会として了承することといたします。これより暫く休憩していただき、その後、只今協議会として了承いたしました検討結果に基づいて政府側が作成いたします代替施設基本計画案について協議してはいかがかと存じますが、異議ございませんか。

(構成員全員)
 異議なし

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 それでは、そのようにさせていただきます。それではちょっと暫くこのままお待ちいただきたいと思いますが、暫く休憩し、準備が出来次第、再開いたします。



 ー休  憩ー


(沖縄及び北方対策担当大臣)
 それでは会議を再開いたします。政府側が作成した普天間飛行場代替施設基本計画案について、事務局から説明願います。

(事務局説明)
 それでは、お手元に配らせていただきました資料の読み上げをもって説明に代えさせていただきます。
 普天間飛行場代替施設の基本計画について(案)。「普天間飛行場の移設に係る政府方針」(平成11年12月28日閣議決定)に基づき、普天間飛行場代替施設の基本計画を次のとおり定める。

1 規模
 (1) 滑走路

普天間飛行場代替施設(以下「代替施設」という。)の滑走路の数は、1本とする。
滑走路の方向は、おおむね真方位N55°Eとする。
滑走路の長さは、2,000メートルとする。

 (2) 面積及び形状

代替施設本体の面積は、最大約184ヘクタールとする。
代替施設本体の形状は、おおむね長方形とする。長さ約2,500メートル、幅約730メートルとする。
2 工法
 代替施設の建設は、埋立工法で行うものとする。

3 具体的建設場所
 代替施設の具体的建設場所は、辺野古集落の中心、辺野古交番から滑走路中心線までの最短距離が約2.2キロメートル、平島から代替施設本体までの最短距離が約0.6キロメートルの位置とする。別図を参照下さい。
 なお、同位置については、海底地形調査に基づく設計上の考慮や環境影響評価等を踏まえ、最終的に確定する。

4 環境対策
 代替施設の建設に当たっては、環境影響評価を実施するとともに、その影響を最小限に止めるための適切な対策を講じる。
以上でございます。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 只今説明がございました普天間飛行場代替施設基本計画案について、沖縄県側から発言をお願いしたいと存じます。稲嶺沖縄県知事、お願いいたします。

(沖縄県知事)
 只今代替施設基本計画案についての説明をお聞きしました。本案は、平成12年8月の代替施設協議会発足以来、関係省庁、沖縄県、名護市、東村、宜野座村が約2年間、9回にわたる協議を行い、地元の意向を配慮しつつ総合的に検討した結果、とりまとめられたものであると認識しております。
 なお、基本計画が決定された後も、代替施設については、引き続き、政府、沖縄県及び名護市をはじめとする地元地方公共団体が、緊密に協議していく必要があると考えております。このため、平成11年12月に閣議決定された政府方針にあるように、代替施設の基本計画に基づく建設及びその後の運用段階においても、適切な協議機関等を設置し、地域の住民生活に著しい影響を及ぼさないよう取り組むこととし、また、代替施設の使用に関する協定及び環境問題についての定期的なフォローアップを行うなど実施体制の確立をお願い申し上げます。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 次に、岸本名護市長、お願いいたします。

(名護市長)
 先ほどの知事の発言と基本的には同じでございますが、基本計画案は、これまでの代替協議会での協議を基に、総合的に検討した結果、とりまとめられたものと承知しておりますが、今後の詳細検討においても、環境影響評価や米軍及び民間空港の運用所要並びに地元の意見、要望を踏まえ、引き続き工夫を行っていただきたいと考えております。
 また、代替施設につきましては、基本計画策定後も、建設及びその後の運用段階において、政府、沖縄県及び地元地方公共団体が緊密に協議していく必要があると考えており、引き続き適切な協議機関を設置していただきたいと考えております。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 次に、宮城東村長、お願いいたします。

(東村長)
 本基本計画案は、先ほど稲嶺知事から発言がございましたように、地元の意向に配慮したものであると考えます。これから予定されます代替施設の設計・工事施工に際しましては、住民生活や沖縄の貴重な自然環境に最大限の配慮を払っていただく必要があります。
 また、本村には、村域の4割強を占める広大な北部訓練場が所在しており、代替施設完成後は米軍のヘリや車輌の往来が増えるのではないかということが懸念されます。このため、引き続き地元と緊密に協議しつつ進めていただきますようお願いいたします。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 次に、浦崎宜野座村長、お願いいたします。

(宜野座村長)
 基本計画案はまとまりましたが、基本計画が決定された後も、代替施設について、引き続き、沖縄県及び名護市、東村、宜野座村が緊密に協議しつつ進めていく必要があると考えます。地元松田区では、将来、代替施設の供用に伴い飛行ルートミス等により松田区上空を飛行するのではないかとの不安がありますので、運用にあたっては適切な措置を講じていただく必要があると考えており、基本計画に基づく建設及びその後の運用段階における適切な協議体制の確保を政府側に要請いたします。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 他に沖縄県側から何か発言はございませんか。

(なし)

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 他に発言がないようでございましたら、普天間飛行場代替施設基本計画案につきましては、本協議会として了承、決定することといたしたいと考えますが、異議ございませんか。

(構成員全員)
 異議なし

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 それでは、本協議会として、普天間飛行場代替施設基本計画案を了承し、決定することといたします。本日決定いたしました代替施設基本計画につきましては、所要の手続を経て、これを政府として決定いたしたいと存じます。
 また、稲嶺沖縄県知事、岸本名護市長、宮城東村長及び浦崎宜野座村長から要請のありました基本計画に基づく建設及びその後の運用段階における実施体制の確保等につきましては、平成11年の政府方針に従い、政府としては、適切な協議機関等を設置し、地域の住民生活に著しい影響を及ぼさないよう取り組むとともに、代替施設の使用協定及び環境問題についての定期的なフォローアップを行っていくこととしたいと考えております。後日、改めて沖縄県及び地元地方公共団体の皆様に、本件について協議いたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、次に、関連事項の協議に移らせていただきたいと存じます。まずは、中谷防衛庁長官から代替施設の使用協定に関して報告をいただきたいと存じます。

(防衛庁長官)
 代替施設の使用協定に関し、前回の協議会において申し上げたとおり、その基本的な事項について基本計画策定時までに確認できるよう、関係者の協力も得つつ精力的に取り組んできたところでございますが、本日開かれました実務者連絡調整会議において、代替施設の使用協定に係る基本合意書案がとりまとめられましたことを報告いたします。
 実務者連絡調整会議においてとりまとめられた内容について、尾身大臣、川口大臣、稲嶺知事並びに岸本市長の同意が得られれば、本協議会終了後、同基本合意書に署名を行いたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 只今の防衛庁長官の提案につきましては、私といたしましては異存ございません。川口外務大臣いかがでしょうか。

(外務大臣)
 使用協定に関する基本合意書については、これに署名を行うとの提案に同意いたします。外務省としては、代替施設の供用開始時の使用協定の締結に向け、代替施設の整備の進展を踏まえつつ、引き続き米側との協議を積み重ねていく考えです。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 稲嶺沖縄県知事いかがでしょうか。

(沖縄県知事)
 使用協定につきましては、前回の協議会において、基本計画策定時までには使用協定に関する基本的な事項について確認し、地元住民の懸念している諸問題の解決が図れるよう協議を進めていただくことをお願いしたところであります。この度、基本合意書案がとりまとめられたことについて、関係者の尽力に対し、深く敬意を表するものであります。提案の使用協定の基本合意書案に署名を行うことについては、同意いたします。
 今後は、地域の安全対策や代替施設から発生する諸問題の対策等を講じるため、県や名護市の意見が反映されたものとなるよう、政府は誠意をもって米国政府と協議を行っていただくようお願い申し上げます。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 岸本名護市長いかがですか。

(名護市長)
 実務者連絡調整会議で、本日、基本合意書案がとりまとめられたことに対しまして、関係機関の理解と尽力に対し敬意を表しております。
 使用協定の内容につきましては、今後、基本合意書に基づき協議を行うことになりますが、安全性、騒音及び環境への影響等住民生活への影響を最小限に抑えるとともに、住民の将来にわたる不安を解消するため、政府並びに沖縄県の取組をお願いしたいと思います。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 それでは、使用協定に係る基本合意書への署名につきましては、この協議会終了後に行うこととさせていただきます。また、使用協定につきましては、政府としては、平成11年度の政府方針及び今後はこの基本合意に従い、引き続き誠意をもってその締結に向けて取り組むことといたしたいと考えております。
 引き続き、その他の関連事項につきまして、沖縄県側から発言をお願いしたいと存じます。まず、岸本名護市長、お願いいたします。

(名護市長)
 軍民共用飛行場の民間部分につきましては、将来にわたって、その機能が発揮され、北部地域の振興と発展に寄与するものでなければならないと考えております。
 民間部分の管理・運営の主体並びにその利活用に対する政府並びに沖縄県のそれぞれの考え方を示していただきたいと思っております。
 代替施設や地域振興に対する地元地域の懸念や要望については、最大限配慮する必要があると考えており、政府並びに沖縄県の特段の取組をお願いしたいと考えております。
 また、代替施設に対する名護市の立場は、平成11年12月27日に私が受入を表明した際に提示した7つの条件の履行にあり、政府並びに沖縄県の尽力を要望したいと考えております。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 次に、宮城東村長、お願いいたします。

(東村長)
 只今名護市長からも発言がございましたように、移設先及び周辺地域の振興に引き続き高配を賜りますようお願いいたします。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 次に、浦崎宜野座村長、お願いいたします。

(宜野座村長)
 北部地域は、自然景観に恵まれた地域でありますが、中南部と比較した場合、産業基盤や生活環境双方において整備水準が低く、雇用機会が少なく若年層が定着できない状況にあります。今後、移設先及び周辺地域振興を考えるとき、地域が確実に変化を感じるような実効性のある取組が望まれており、移設先及び周辺地域の振興事業の実施については、国、県の十分なる措置を講じていただきますよう要請いたします。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 次に、稲嶺沖縄県知事、お願いいたします。

(沖縄県知事)
 軍民共用飛行場につきましては、その機能を活用し、雇用機会の確保や産業の振興を図るなど、地域経済発展の新たな拠点を形成し、北部地域の発展につなげていきたいと考えております。先般、策定された沖縄振興計画においても、軍民共用空港を念頭に置いた普天間飛行場代替施設及び民間航空関連施設の整備を図ること並びに同空港を活用した空港活用型産業の誘致・育成を図ることが明確にうたわれております。県としては、県が主体となって、民間部分の管理・運営並びにその利活用についてあらゆる方策を検討し、軍民共用飛行場としての民間機能が十分発揮されるよう、国とも連携しながら全力で取り組んでまいります。
 また、移設先及び周辺地域の振興については、地元からの要望を踏まえつつ、今後とも政府と連携を図り、取り組んでまいります。
 15年使用期限問題については、これまで何度もお願いしておりますが、再度この場をお借りして要望申し上げます。沖縄は、戦後57年余も過重な米軍基地を抱え、県民の大きな負担となっております。基地の整理縮小は県民の総意であり、普天間飛行場代替施設の15年使用期限の設定は、基地の固定化を避け、基地の整理縮小を求める県民感情から、沖縄県が移設にあたって整備すべき条件とし、名護市が受け入れ条件としたものであります。政府におかれては、過重な基地負担をしている沖縄の現状に鑑み、基地の提供責任者として、15年使用期限問題の早期解決に向けて、引き続きなお一層の尽力を賜り、着工までには、政府から一定の方向性を示していただくよう強く要望いたします。長い間、過重な基地負担を背負わされてきている沖縄の現状や課題について全国民がもっと認識し、沖縄という一つの地域だけでなく日本全体の問題として、しっかりと受け止めてもらいたいと考えております。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 只今稲嶺沖縄県知事から発言がございました代替施設の使用期限の問題について、岸本名護市長いかがでしょうか。

(名護市長)
 15年使用期限問題につきましては、住民生活への影響を鑑みた場合、大変重要な課題であると考えており、その解決に向け、なお一層の尽力をお願いしたいと考えております。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 他に沖縄県側から何か発言はございませんか。

(なし)

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 それでは、只今の沖縄県側の皆様からの発言に対して、政府側から発言をいただきたいと存じます。まず、川口外務大臣、お願いいたします。

(外務大臣)
 普天間飛行場代替施設の使用期限の問題については、平成11年末の閣議決定にあるとおり、政府としては、国際情勢もあり厳しい問題があるとの認識を有しておりますが、沖縄県知事及び名護市長から要請がなされたことを重く受け止め、これを米国政府との話し合いの中で重ねて取り上げてきております。去る2月18日の日米首脳会談においては、沖縄に関連する問題について閣僚レベルで話をさせることで一致し、これを受けて、私自身も同日及び先般6月12日の日米外相会談において、パウエル国務長官に対し、使用期限の問題について取り上げたところでございます。使用期限問題の背景に、平和を願う沖縄県民の切なるお気持ちがあり、政府としては、厳しい国際情勢があるとはいえ、こうした県民のお気持ちを重く受け止め、一歩でも二歩でも県民にとっての理想の姿に国際情勢が肯定的に変化していくよう、引き続き努力してまいりたいと考えます。また、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含め、在沖縄米軍の兵力構成等の軍事態勢につき、米国政府と引き続き協議してまいります。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 次に、中谷防衛庁長官、お願いいたします。

(防衛庁長官)
 防衛庁として、SACO最終報告の実現に尽くすとともに、平成11年末の閣議決定に従いつつ、平和を願う沖縄県民のお気持ちに少しでも応えられるよう、全力を尽くしてまいりたいと考えております。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 私からは、名護市からの民間機能発揮のための取組並びに地元要望に対する対応及び7つの受入条件の履行に関する要請について、また、宜野座村及び東村からの移設先及び周辺地域振興等に関する要請について、申し上げたいと思います。
 まず、軍民共用飛行場の民間機能発揮のための取組につきましては、私どもとして、沖縄県の取組に対して積極的にサポートすべくベストを尽くしてまいりたいと考えております。地元要望に対する対応及び7つの受入条件の履行につきましては、政府として、引き続き誠意をもって対応してまいりたいと考えております。移設先及び周辺地域振興につきましては、移設先及び周辺地域振興協議会を中心に協議し、政府においても沖縄県と連携しつつ、地元の期待に沿えるよう努力してまいりたいと考えております。
 他に発言はございませんか。

(なし)

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 特にないようですので、本日の協議会を終了するにあたり、稲嶺沖縄県知事から発言をお願いいたします。

(沖縄県知事)
 最後に、本協議会が足かけ3ヶ年、9回にわたる協議を重ね、本日、代替施設の基本計画案が取りまとめられたことについて、関係各位の努力に対して、心から敬意を表すものであります。今後、計画を実施していく段階で、政府、沖縄県、名護市をはじめとする地元地方公共団体の緊密な協議が必要と考えておりますので、普天間飛行場移設問題の解決について関係省庁の一層の尽力をお願い申し上げます。

(沖縄及び北方対策担当大臣)
 それでは、最後に私から一言申し上げたいと存じます。
 本協議会は、代替施設の規模、工法、具体的建設場所その他基本計画の策定に必要な事項について協議することを目的として平成12年8月25日に設置され、これまで9回にわたり協議を重ねてまいりましたが、本日、その集大成として、普天間飛行場代替施設の基本計画案を決定することができました。本協議会は、この基本計画案の決定をもってその役割を終えることになりますが、これまでの皆様の真摯な取組に対しまして、心から感謝申し上げます。先ほども申し上げましたが、基本計画に基づく建設及びその後の運用段階における適切な協議機関を設置することにつきましては、今後、沖縄県及び地元地方公共団体の皆様と十分協議いたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 皆様におかれましては、この普天間飛行場の早期移設・返還に向け、今後とも引き続き、協力賜りますようお願い申し上げます。
 以上をもちまして、本協議会を終了させていただきます。

(以 上)