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第11回IT戦略本部 議事録


1.日 時:平成14年4月9日(火) 17:15〜18:15

2.場 所:内閣総理大臣官邸大食堂

3.出席者:[別紙]

4.会議の模様

(1) 竹中IT担当大臣から以下のとおり挨拶。

  • IT戦略本部第11回会合を開催する。本日は、御多忙のところ御参集いただき感謝する。
  • 本日の議題は、1番目は「『e-Japan重点計画』見直しの基本的考え方について」、2番目は「情報セキュリティ対策について」、3番目は「世界の情報拠点(ハブ)を目指して」である。
  • 本日は、まずIT政策について成果が出ているものについての報告を行い、次に議題に関する説明の後、まとめて自由討議を行う予定としている。時間の制約もあるのでよろしくお願いしたい。

(2) 平沼経済産業大臣から、電子商取引等に関する準則について以下のとおり報告。

 電子商取引市場を考えるに当たっては、だれでも参加ができて、それから多様でかつ変化のスピードが早くて、そして国境という制約のない市場が形成されるといったサイバー空間の特質を十分に認識することが必要だと考えている。
したがって、電子商取引の発展のためには、1番目としてだれでも安心して取引に参加ができるような環境を整備すること、2番目としては市場の創意工夫を最大限引き出すように事前の規制から事後の対応を基本とすること、3番目は繰り返しになるが、国際的な調和を図ること。この3つの原則を念頭に置いたルール整備を行うことが必要である。
 ここ数年間、こうした原則に従い、政府全体としても新法の作成や現行法の改正といった各種法整備を急ピッチで進めてきたところである。しかしながら、これらの法整備というのはサイバー上で発生するトラブルの一部に対応するものであり、第1に民法を始めとする現行法を適用するのに当たって解釈は必ずしも明らかでない場合が多く、また、第2に法整備という方法のみでは、電子商取引の多様性やスピードに十分対応ができないといった問題が発生していることも事実である。この結果、新たに発生する問題、トラブルに迅速に対応できないばかりか、そもそも電子商取引に参加することをためらうといった弊害が一方で指摘されている。
 そこで、こうした問題に対応するために消費者団体、事業者団体、関係府省の御協力をいただきながら、経済産業省として本年3月末に電子商取引等に関する準則を策定させていただいた。本準則は、電子商取引に関するさまざまな法的問題点について、民法を始めとする関係諸法令がどのように適用されるのかについて1つの解釈を示すものであり、市場に参加する者の予見可能性を高めて取引の円滑化に資することを目的としている。
具体的には、1つは事業者がビジネスモデルを検討するに当たって指針となると共に、2つ目は消費者が電子商取引に参加する際に注意すべき事項となるなど、消費者啓蒙の効果が生まれることがこれによって期待される。本準則については新しい法的問題点を追加するなど、今後とも取引実務や技術の変化、国際的なルール整備の動向等に迅速かつ柔軟に対応していきたいと思っている。
 本準則においては、インターネットショッピングモールの運営者の責任がどのように判断されるか、そういったさまざまな法的問題点に対する法律の適用及び解釈を提示する。こういう形で本準則によって電子商取引が円滑に発展することを期待する。こういう形でこの準則を設けさせていただいた。
 なお、それぞれ対応するものが20項目以上あるので、御希望があればこれらをお示しすることができる。そういった対応をさせていただいているということを私から御報告をさせていただく。

(3)扇国土交通大臣から、電子入札に関する国土交通省の取り組み状況について以下のとおり報告。

 電子入札に関する国土交通省の取り組みは、本来はもう少し先だったが、13年度10月から電子入札システムの手続を開始し、今、約100件実施している。そして、15年と1年前倒しして約4万件、国土交通省の入札だけで1年間に4万4,000件あるが、4万件を実施する。22年度を目安に40万件、これは全省庁の入札を含めてである。
 そして、このノウハウというのを開発しているので、この電子入札のシステムというものを国土交通省自ら開発し、これを各省に無償で提供している。その提供している中で、どうしても皆さん方に御利用いただきたいと思うのは、各々お使いになるところが全部違う方法を取ったのでは結局、最後無駄遣いということになるからである。
 各公共工事の発注機関が27機関ある。27機関の中で、現在13機関でこの国土交通省が開発した電子入札の機種を入れようとしているが、これを今国土交通省では略称で電子入札コアシステムと言っている。ただ、余りにも私は名称に色気がないので、もう少し名称を考えているが、もしアイデアがあれば、おっしゃっていただきたい。
 それから、電子入札のシステムを国際的に統一していこう、国際入札も電子入札で参加できるようにということで、UNのCEFACTというのがある。これは標準会議の場であるが、このUN/CEFACTで国土交通省の今のシステムを国際標準化しようと言っていただいている。そして、これが国際標準化された場合は各省庁、そして各機関、全部同じシステムにしておくと自動的に国際システムに載るということで大変効率がいいものであるから、是非これを皆さん方に提供するので、御利用いただき、また地方公共団体等々でこのシステムがわからないとおっしゃるところには、国土交通省からすべて無料で御指示、御指導させていただくので、これを御利用いただきたいということである。あとは1日も早く実施するということで、このオープンな環境での電子入札のシステムを構築しようということで、なおかつこれを国際水準に国土交通省のシステムを持っていくということで今取り組んでいるので、是非御協力いただきたい。

(4)総務省 高原情報通信政策局長から、公益事業者の電柱・管路等使用に関するガイドラインについて以下のとおり報告。

 「公益事業者の電柱・管路等使用に関するガイドライン」の改正について御報告する。本件は、平成12年11月に前のIT戦略会議・IT戦略本部で御報告した内容を受け、公益事業者の電柱・管路等の提供ルールを定めて通信事業者の光ファイバー整備促進を図るということである。平成13年4月から運用している。この運用により、電柱等の貸与の件数はこの1年間で約4割増加している。
 それから、この1年間、運用してきた中でニーズが強かったものが2件ある。これが複数の通信線を束ねる一束化ルールと、それから5年未満の短期賃貸ルールというものである。これを追加して、この4月にルールを改正したところである。今回のこのルールの追加により、更に超高速インターネット網の整備促進を図っていく所存である。

(5)内閣官房から、GISアクションプログラムについて以下のとおり報告。

 地理情報システム、GISのアクションプログラムというものを去る2月に関係省庁連絡会議で決めさせていただいた。その内容を御報告する。
 1番目の空間データの標準化であるが、国全体の地勢とか行政単位あるいは位置を特定する各種データというものがあるが、こういう基盤となる空間のデータをJIS化等によって標準化して、官民各主体が相互に利活用できるような体制をつくろうということである。
 2番目であるが、GISの普及を図る上で重要な行政が持っている地図というものがある。例えば、都市計画の地図あるいは不動産登記の備付け図面、森林計画図、道路台帳附属図面等々、こういう重要な19種類の行政が保管している地図について、今後整理すべき課題を有するものがあるものの、原則として、来年度から電子化を進めるべく具体的な措置をとっている。
 3番目に、今年度、数値地図25000をインターネットで提供する。既に2500については提供済みであるが、この数値地図は国土地理院が刊行しているデジタル地図データである。それから、来年度、原則として政府が保有しているすべての地理情報をコンピュータで検索可能にする。
 4番目であるが、地方自治体における部局間をまたがる統合型のGISと言っているが、これの普及促進を図るという各種施策を進めていきたい。そのほか、技術開発に努める。

(6)事務局から、「e-Japan重点計画」見直しの基本的考え方について以下のとおり説明。

○竹中IT担当大臣  それでは、報告事項が終わったところで本日の議事に改めて入りたい。まず「『e-Japan重点計画』見直しの基本的考え方について」である。これまでの計画の実施状況や新たな課題に対する対応の方向を踏まえ、「e-Japan重点計画」を見直し、本年の5月に新重点計画の案をお諮りし、パブリックコメントに付した後、6月には本部決定する予定であるが、今回はその基本的な考え方の案について事務局から説明をさせる。

○事務局  昨年の3月に「e-Japan重点計画」をつくり、220の具体的施策を決めたわけであるが、このうち、103の施策は昨年度中に実施するという予定になっていた。現在、精査しているが、この103の施策はいずれも既に実施したところである。そういったことや、「e-Japan2002プログラム」、「e-Japan加速・前倒し」といったものをすべて取り込み、成果を評価し、国際比較をしながら新しい重点計画を策定していきたいと考えている。この新しい重点計画に基づいていろいろな施策を講じることにより、2005年に世界最先端のIT国家となるという「e-Japan戦略」の目標を達成していきたいと考えている。
 今回は基本的な考え方を御審議いただき、その考え方に沿い、次回5月には新重点計画の具体的な案をお示しし、パブリックコメントを経た上で、最終的な取りまとめを行いたいと考えている。
 柱立てについて御説明する。新重点計画の構成であるが、5本の重点政策の柱がある。1番目は、世界最高水準のネットワークをつくっていくこと、2番目は、人材育成や教育・学習の振興をしっかりと行っていくこと、3番目は、電子商取引を促進すること、4番目は、電子政府をしっかりとつくっていくこと、5番目は、セキュリティの確保をきちんとしていくことである。
 そういった重点5分野に対して、横断的な課題として、研究開発の促進であるとか国際的な協調、デジタルディバイドの是正、雇用問題への対応、更に国民の理解を深めるための措置といった項目を掲げ、対応していくことにしている。この縦糸と横糸を組み合わせたような形で全体の施策を実施し、2005年の世界最先端のIT国家になるという目標に向かって進んでいきたいと考えている。

(7)事務局から、情報セキュリティ対策について以下のとおり説明。

○竹中IT担当大臣  2番目は「情報セキュリティ対策について」である。情報セキュリティ対策は、電子政府・電子自治体の実現、電子商取引の促進等に不可欠であり、世界最先端のIT国家を目指すのに重要な役割を担うものである。この情報セキュリティ対策については、昨年11月の本部会合において事務方から説明させたところであるが、その後、緊急事態対応チーム発足など対策が具体化してきていることから、本日は情報セキュリティ対策推進室からその現状について説明をさせる。

○事務局  電子政府は極めて便利な仕組みであるが、他方でよくない考えを持った人たちにとってはある種の標的になるおそれがある。例えば、産業スパイが競争相手のデータを盗みにくる。あるいは、テロリストの人たちが個人情報を盗んでなりすますということがあり得るわけであるし、更には内外の政治的な意図を持ったグループが示威行動の一環として、例えばコンピュータウイルスを送りつけることによって電子政府の業務を妨害するということも否定できないわけであり、こうした脅威に対してはやはり技術が基本になる。 しかしながら、政府には必ずしも情報セキュリティ技術の専門家が数多くいるわけではない。省によっては、発注先の企業等に任せ切りになっているという場合もあるのではないかと懸念されており、やはり政府の情報管理の根本というのを外注先の企業だけに頼るという体制では不十分であるので、政府の中にも核となるグループをつくる必要があるのではないかと考えている。
 このような考え方に基づき、去る4月1日内閣官房に緊急対応支援チーム(NIRT)というのを設置した。官民からよりすぐった専門家15名から成るチームであり、各省あるいは場合によっては通信、金融、電力といった重要インフラで情報システムがサイバー攻撃を受ける場合に技術的な助言、あるいは指導を行う。各省庁がばらばらに対応するというのではなくて、それぞれの経験をこのチームを通じ共有できることにより、政府全体の技術力もアップするのではないかと期待している。
 ただ、情報セキュリティというのは技術だけの問題ではなく、むしろ人あるいは組織をどういうふうに管理していくかというのが大事だと言われている。
 そこで、各省の対策の実効性を確保するために内閣官房が中心になり、現行の施策を評価し、ガイドラインや模範例を示すということを考えている。擬似アタックなど、いろいろな形の訓練を実施することにより、実効性の確保を図りたいと考えている。
 このほか、サイバー攻撃は海外からもやってくることから、海外との協力も重要である。我が国を含め、30か国余りが署名しているサイバー犯罪条約の批准のための国内法制整備も必要である。長期的にはこの分野でも人材の育成ということが最重要の課題だと考えている。

(8)事務局から、「世界の情報拠点(ハブ)を目指して」について以下のとおり説明。

○竹中IT担当大臣  世界先端のIT国家になるということでずっと議論を進めているわけあるが、以前、村井教授を始め何人かの方々から、どうしても議論が国内の問題に偏っているのではないか、もう少しグローバルな視点がこの戦略の中に入るべきではないかという御指摘があった。こうした観点から、我が国のIT政策に関する国際的取り組みの強化について考えているので、事務局から説明させる。

○事務局  まず国際的情報流通の現状について御説明する。アジア、北米、欧州を世界の貿易流通について見ると、この3極はほぼ均衡した関係にある。これに対して情報流通については、はなはだしい不均衡がある。今後、アジアが世界の発展から取り残されないためには、この不均衡の是正が急務となっている。
 続いて、アジア地域内の情報流通の現状について見れば、北米と日本の間を除き、いずれも非常に細い。とりわけアジア域内における情報流通のネットワークというのは細い毛細血管のような状態にある。このような現状を踏まえて、今後取り組むべき政策課題として3点御説明申し上げる。
 まず取り組むべき政策の第1は、アジア地域内の次世代高速インターネット網の整備である。情報拠点として世界各国の都市を比較すると、アジアでは東京がやっと下から2番目に出てくる程度である。アジアを北米や欧州並みの情報拠点とするためには、情報創造力を強化すると同時に、域内のパイプを太い動脈に変えていくことが必要となってくる。具体的には、アジア地域内の幹線網等の整備に関してアジアブロードバンド計画を策定し、我が国がどのような貢献ができるかということを示しつつ、アジア諸国と連携して取り組んでいく必要がある。この課題については、後ほど片山総務大臣より御発言があると聞いている。
 このほか、アジアを世界の情報拠点とするためには、例えば将来、中国などにインターネットが普及した場合にもアドレスが枯渇しないよう、IPv6の普及促進に取り組むことや、また海外の人材育成を図ること、更に、海外の高度な人材の受入れを促進することなどが必要である等、第2、第3の課題があるが、時間の関係上、御説明は割愛させていただく。

(9)自由討議。

○片山総務大臣  今、報告していただいた、「ハブを目指して」であるが、アジアが世界の情報通信の拠点となるよう、私どもの方も積極的に各種の施策を展開してもらいたいと思う。特にアジアにおけるブロードバンド環境の整備に我が国が積極的に貢献していきたいということを含め、アジアブロードバンド計画の策定を進めていったらどうかと考えている。その計画の具体策を検討するために研究会を立ち上げたい。そこで、アジアにおける次世代インターネットの構築や、アジアから世界に向けた情報発信や我が国としての具体的な貢献策について検討してもらいたいと考えている。九州・沖縄サミットの際に採択されたIT憲章においても、ITは21世紀を形づくる最強の力の一つであるとうたわれており、その利益を世界の人々が享受するように力を尽くすことが我が国の責務ではないかと考えている。
 私自身、本年1月、年明け早々に中国、韓国を訪問し、日中韓の連携、移動体通信やIPv6などの技術開発等に対する官民の協力に合意してきた。また日中韓3国での情報通信大臣の定期会合を開くことについても合意したところである。
 今後こういう枠組みを活用しながら、アジアひいてはグローバルな情報通信社会の形成に向けて積極的に取り組んでまいりたいと思うので、御指導、御支援をよろしくお願い申し上げる。

○武部農林水産大臣  農山漁村の現状は過疎化、高齢化等、今、崩壊寸前といって過言ではない。一方で、都市住民の皆さん方もライフスタイル志向が変わってきており、おいしい水、きれいな空気、美しい自然を求めていると考えている。
 そこで、私は農山漁村において都市と農山漁村の共生・対流に向けた人、もの、情報の循環を可能とする新たなコミュニティの形成が重要であり、集落再編の重要性、市町村合併の動きをも考慮し、これらの課題に対処するにはITが不可欠と考え、情報通信基盤整備を含む新たなむらづくりを進めてきているところである。デジタルディバイドの是正を図るには、こうした施策と連携を図り、進めることが重要である。都市の住民と農山漁村の住民が行ったりきたりできる、双方向で二重生活が享受できるようなライフスタイルというものを実現したいと考えている。
 次に、トレーサビリティシステムの考え方について申し上げたい。御案内のとおり、昨年来のBSEの発生等もあり、国民の食に対する安全・安心への関心がこれまでにも増して高まっており、今後の社会システムの一つとして食品の生産方法等の履歴情報を的確に提供するトレーサビリティシステムの推進が重要であり、農林水産省としても積極的に対応していく所存である。
 現在、軸足を消費者サイドに大きく移し、食と農の再生を目指した農林水産政策の抜本的な改革に取り組んでいるところであるが、そのためにはITを活用した農業経営や都市と遜色のない農村の情報基盤とプラットフォームの実現が不可欠であり、「e-Japan 重点計画」を踏まえ「e-むらづくり計画」として関連施策の積極的な展開について考えているところである。各本部員の御理解と御協力を是非お願い申し上げたい。

○尾身国務大臣  実は、日本の情報産業の大部分の分野でメーカーサイドの国際競争力がハード、ソフト共にこの10年間程度で急速に低下している。例えば、メモリの分野においても、今3兆円ぐらいの市場規模があるDRAMであるが、日本のメーカーは80年代の後半には7割のシェアを持っていたわけであるが、2000年にはこのシェアが2割と急激に低下している。これは、90年代の後半に新鋭設備の投資が不十分であったこととか、あるいは画期的な技術開発ができなかったこと等により、コスト競争力が日本メーカーは低下し、韓国のサムソンとか米国のマイクロン等が優位に立っているためである。
 それから、液晶ディスプレイにおいても、約3兆円の市場規模があるが、90年代初頭にはシャープとかエプソン等の日本メーカーが約9割強のシェアを占めて圧倒的に強い分野であった。しかし、現在は韓国のサムソンとか、ラッキーゴールドスターとか、台湾のメーカーが急激に追い上げており、日本メーカーのシェアが2001年で世界の5割程度に低下している。これもDRAMの分野と同じように、新鋭業設備の大規模投資、あるいはコスト等で韓国等が優位になってきているのが原因である。
 それから、パソコンの基本ソフトは、皆さんも御存じのとおりウィンドウズがディファクトスタンダードを獲得しており、マイクロソフトが圧倒的に世界を制覇しているという状況である。
 それから、パソコンのプロセッサー分野でのインテルあるいはインターネットのルーター分野のシスコシステムなどがこのソフトの分野でディファクトスタンダードを獲得しており、8割程度のシェアを持って世界を圧倒的に制覇しているという状況である。
 このように日本のメーカーがディファクトスタンダードを取れないで新規市場に参入できなかったり、あるいは一時高いシェアを確保していたものが、国際競争力とシェアが低下したりしている分野が多い。こういう分野のこの状況を打開するために、13年度の補正予算で次世代の半導体設計、製造技術や、あるいは大型の高精細平面ディスプレイのプロジェクトを立ち上げた。今度更に半導体の「MIRAI」プロジェクトとか、あるいは極端紫外線露光技術のEUVのプロジェクト、あるいはソフトの分野でのオープンソース型のプロジェクトの立ち上げなどを是非進めてまいりたい。
 このような技術開発を世界的なディファクトスタンダードを獲得するということを目的として、プロジェクトベースで幾つか立ち上げていきたい。そして、産学官の連携の下でこれを進めていきたい。これを戦略的視点から進めていきたいと考えているので、皆様の御支援をお願いしたい。

○出井会長  今の尾身大臣のお話だが、政府が産業界を温かく見守っていただくということに関しては大変歓迎したいが、一方で、やはり私は国が余りそういうところを支援しても、国が自動車をつくるようなもので、なかなかうまくいかないのではないかなという気もする。それよりも、民間同士の競争をどう活性化させるかという環境整備の方が重要かなと思う。
 それから、国際ハブの件では東京からの情報発信が非常に少ない。それは基本的には資本市場など、日本が非常に閉ざされているということもあって、ー装置だけ対応してもデータの流通量というのは増えないかもしれない。したがって、そういう面でもう少しデータが日本から出て行く、出入りが必要な工夫をするというのが必要なのではないか。それに関しても、通信事業者間の競争条件の整備とか、ダークファイバをどうするかとか、日本の中でどんどんデータが流れるように対応していくということが非常に重要だと思う。
 先ほどセキュリティの問題も出たが、セキュリティも今のセキュリティは全部ウィンテル、要するにPCのセキュリティになってしまうが、今後日本のメーカーからは、強力にネットワークにつながるコンシューマー・エレクトロニクスを、各冷蔵庫から普通の電話までわっと出てくるわけであるが、このセキュリティも視野に入れてやっていかなければならない。そのやり方は幾らでもある。それは鈴木社長とか村井教授が専門家で、これは我々メーカーとしてもやっていかなければいけないことだと思うが、PCの問題と、それからこれから日本が得意なコンシューマー・エレクトロニクスの問題の両方を考えた方がいいと思う。
 我々がもう一つ心配なのは著作権なのだが、ネットワーク上の著作権というのは、やはり今の著作権を守るというのが基本的に今の我々の業界、例えばCDの著作権とか、放送の著作権とかあるが、ネットワーク上の著作権になると全くどこの国もリードをとっていないので、アメリカも全くこれに関してはいい答えがない。したがって、既存の業者の利益を守るよりは、やはりネットワーク時代の著作権というのは著作物が行き交う度にちょっとずつマイクロペイメントを取るような仕組みというのはやればできると思うので、そういうふうに新しい著作権の在り方を考えないと、今の既存業者の保護という観点では本当はいけないのではないか。我々も既存業者ではあるが、それではいかんと思う。

○竹中IT担当大臣  最後の問題は、知的財産戦略会議等々でも議論になる問題だと思っている。

○岸会長  重点計画の見直しに当たっては、昨年も申し上げたことであるが、やりやすいことをやるということではなくて、やるべきことを計画に盛り込むことが重要である。
 第1は、競争の促進を妨げている規制を緩和、撤廃し、原則自由な通信市場を確立する必要があるということである。そのためには、現行の事業区分及びそれに基づく事前規制を撤廃すべきであろうと思う。そうすることは通信回線の調達市場の自由化をもたらし、光ファイバーの有効利用にもつながると考える。
 併せて、携帯電話などを迅速に市場に投入するための基準認証制度の改革も必要である。また、電波の効率的利用促進など、IT関連規制改革専門調査会の報告に盛り込まれている改革の方向性に沿った施策を計画に反映すべきである。
 通信事業を原則自由化するための施策を講ずることは、事業者規制法とも言える現状の枠組みを、より競争促進的な枠組みに転換するための第一歩である。その場合、部分改良的なアプローチを取るのではなく、新しい通信法をゼロからつくり上げるという発想、アプローチが必要である。新通信法の最大のねらいは、利用者利益の最大化である。
 第2は、効率的で質の高い電子政府の実現である。今国会では、行政手続等のオンライン化を可能とするための法整備が行われるというふうに伺っているが、電子政府実現の取り組みもいよいよ山場に差し掛かっていると思う。そのような中で気になるのは、電子化が本当に行政の効率化や、国民企業の利便性向上につながるのかということである。各省が策定している手続の電子化に関するアクションプランに、行政の効率化や国民企業の利便性向上などに関する成果目標を明示し、その目標に向けてアクションをとる。その結果、目標が達成されたかどうかを分析して次の改定に反映させていく。このようなアクションプランのプラン・ドゥー・チェックのサイクルをIT戦略本部が専門家の協力も得ながら責任を持って監視、評価していく必要がある。
 第3は、公共分野におけるITの活用の一環としてITSの利用を促進することである。ITSは年々深刻化する交通問題の緩和や経済活性化の切り札として期待されているが、先行きの展望が開けていないのが現状である。輸出入港湾手続のワンストップサービス化が成果を上げつつあることを参考に、ITSについても国家戦略として推進する観点から、官民共同で省庁横断的に新しいビジョンと、それを実現するためのアクションプランを作成する必要がある。いずれにしても、集中重点的に予算を投入すべきであろうと思う。省庁部局ごとに展開されている類似プロジェクトも整理統合した上で推進する必要がある。
 以上、申し上げた項目を是非重点計画に反映していただき、総理を始め大臣の皆様のリーダーシップで推進していただきたい。

○鈴木社長  1点目は、情報拠点を目指してということでアジアのハブということなのだが、私どもは95年以来インターネットをバックボーンとして11か国のアジアにインターネットバックボーンを提供しているが、日本ハブと言った時にアジア各国がもつ反感を考慮していかないといけない。ハブというのは、どうしても日本を中心としたスター状のネットワークという事になって、私どもの交渉過程においても慎重に進めてきた。ハブ論議というものは微妙なものがある。アジア各国ともハブについては非常に強い意識を持っているし、シンガポール、韓国あるいは中国各国がハブ競争をするというような面もあるので、是非とも慎重な進め方をしていただきたいと考えている。もちろん、アジアのインターネット網とかインフラ網ができるということは非常に重要だが、一方でハブというものを前面に出したときの問題点というのは必ず出てくるのではないかというのが私の経験である。
 2点目は、インターネットについてである。インターネットは、IPというプロトコールを利用したひとつの通信技術だが、パブリックのインターネット網というものから多様なネットワークサービス、あるいは、IPを利用しながらも閉じたサービスが現実化してきたという状況で、セキュリティというものに対しても違う観点から検討できるのではないか。
 もう一点は端末についてであるが、やはりもうPCにとらわれないでインターネットのカスタマーのほとんどがメールとウェブを見るというようなことを考えると、日本のコンシューマー・エレクトロニクスは世界で冠たるものであるという意味で、端末あるいはインターネットのネットワークをもうちょっと広い視野で考えたらいいのではないか。その際、よく考えていけばいくほど、日本は非常に世界的にも面白いポジションにある。そういった意味で、PCにもつながれば、冷蔵庫にもつながれば、テレビで見てもいいというような発想で次の発想を自由に考えていいのではないかと考えている。

○梶原知事  最初に、情報セキュリティ政策である。いよいよ電子自治体は本格化し、全国知事会で今いろいろ意見をまとめているが、どの県もセキュリティ問題は非常に重大関心事である。岐阜県もいろいろやっているが、地方レベル、個々の自治体レベルでは何ともならないという面もある。国家政策としてよろしくお願いしたい。
 次に、岐阜県はインド本国とずっと提携して技術者も来ていただいているが、この度シリコンバレーに行き、シリコンバレーにおけるインド系の技術者の方が岐阜県に来るということで、向こうの方では非常に積極的でインド系の協会とも正式に協定をしてきた。いろいろ課題はあるが、是非ともバックアップをお願いしたい。
 そして、先ほど総務大臣がおっしゃっていたアジアブロードバンド構想については、インド以外ともいろいろ交流、提携を進めているので是非ともよろしくお願いしたい。また、岐阜県も国際IXという会社をつくって今、立ち上げつつある。国策として是非よろしくお願い申し上げたい。
 3番目に、日米電子自治体会議というものを今年の秋にアメリカで第1回の会議をやりたいと思っている。向こうの全米州政府CIO会議議長をされたP・K・アグローアルさんと先般お話をし、アメリカの州政府知事の有志と日本の知事の有志ということでこの日米電子自治体会議というものを立ち上げて、ポリシー、テクノロジー、ケーススタディ、この3本柱で提言していこうということであるが、そのポリシーについてe-ガバメント、あるいはd-ガバメント、まだまだはっきりしたものが出ていないことから、両者で話し合ってこのポリシーのスタンダードというものをつくっていきたいと思っている。そういうようなことも自治体レベルで進めている。こうした点も総務省の方にもバックアップをお願いしているが、自治体レベルでどんどん国際提携を進めていくので、よろしくお願い申し上げたい。

○村井教授  まずハブというのは確かに少しセンシティブな部分もあるかなという気もしたが、「世界一大きな貢献」というぐらいの目標を持っていくのがこの戦略本部としては国際的に見てとても大切なことになるのではないか。
 それからもう一点は、物理的なケーブルがやはり日本での集約性が非常に高い。したがって、これはニワトリと卵みたいなところがあり、一つのこの戦略会議のときからの考え方はデジタル情報を本当に自由にだれでも使えるようにというのが目標設定で、これはIT基本法の精神でもある。それで、本当に自由にデジタル情報を共有して交換できるときに新しいものが生まれ、そして非常にITの活動というのは活発化すると、こういうこともあるので、そういう意味ではそういった枠が先なのか、それとも中身が先かという議論はあるが、枠に関してはしっかりやらなければいけない。そういう意味でハブという、要するに拠点をちゃんとつくっていくのだという目標設定は大変いいのではないかと思う。
 それで、私はそれを更に具体化することがやはり必要だと思うが、3つのハブ、拠点というのは考えられるべきではないか。1つ目は、その技術の推進と展開の拠点であるということである。これは、実際には私どものところで何度も話が出ている。例えばモバイルインターネットであるとか、インターネットITSであるとか、IPv6であるといったところ、それからそれぞれ今度はそのようなIT関係の分野がどんどん出てくると思うが、そのようなところが拠点化するような、あるいはそこから生まれてくるようなということを意識した意味での、要するに技術のハブである。
 2つ目は、やはりサービスとかビジネスがハブとして拠点化しなければいけない。そうすると、具体的にはISPのサービスなどもそうだが、例えばコンテンツの流通のハブ、こういったものが中身のボリュームを持ってくるので、これも一つのフォーカスポイントだと思う。
 3つ目は、アジアにとってはやはり人材育成のハブではないかと思う。つまり、IT関係で人材育成を本当に進められるのは、どこなのだといったときには、やはり我が国の責任は大変重いのではないか。インターネットを使って衛星で遠隔教育をして、それで留学生をピックアップするような仕組みをやっている実験を行っているが、これも日本がハブになっているために日本からの大学の授業がアジアの大学の授業になる。こうなってくると、人材的には非常に透明な、つまりいい人が本当に日本の役に立つ、あるいはアジアのIT人材の育成に貢献すると、こういうことになるのではないかと思う。実は、この衛星の技術は日本から今、国際標準をやっている技術を使っており、そうなってくるとミャンマーとか今までインターネットが禁止だった国が新たにこれによってインターネットを導入する。大学の教育だからと、こういうところが出てきたわけである。
 そうなってくると、研究開発ネットワークというのは世界中で大分出ており、ちょうど4月5日のニュースでDODが研究開発ネットワークの新しいビディングの結果が出たというのが出ている。何とこれにはIPv6がネイティブでサポートされなければいけないということが仕様の中に入っていたが、残念ながらこれはアメリカのキャリアに落ちた。したがって、そういったフォローも必要かと思うが、いずれにせよアメリカのインターネットの歴史を見ると、研究開発のネットワークがこうやってでき、それが今まではどちらかと言うと、進化をして商用になっていくということをやっていたような気がする。つまり研究者、真ん中のところは研究開発のためのネットワークである。アーパネットなどはこういうものである。それからサービスネットワーク、つまりネットワークを使って研究開発が進むようにということで、これはNSFネットなどがアメリカではそうだったわけである。それでコマーシャルへものすごく発展していったという発展があったのだと思う。
 けれども、今のこのアジアの状況とかを考えると、実はもう一つ別の方向への発展が考えられているのではないか。デジタルディバイドを解消するためのネットワークをつくって、それがその地域のネットワークになる。先日アフリカへ行ってきたが、アフリカも、それから南米もこの形の発展をしている。それで、それぞれがアメリカあるいはヨーロッパを中心としたイニシアチブの中からそうやってマーケットができていくという方向になると思う。
 アジアで見ると、これは先ほどの衛星の実験はあるのだが、このイニシアチブはアジアのどこの国もやっていない。デジタルディバイド解消を広げていくというイニシアチブを持ち、それから商用のサービスや、その上の先ほどの人材教育その他につないでいくと、この全体の計画をやはり持つべきではないか。そこまではやはり政府の役割ではないか。
 最後に、先ほどから出てきているところで我々は本当に何をやらなければいけないかということの技術的な課題の一つに、皆さんのお話に多分全部今日出てきたのではないかと思うが、モバイル、インターネット、ワイヤレスインターネット、あるいはITSの基盤も多分そのワイヤレスのインターネットということになると思う。ここも大変強い。今の衛星もワイヤーがないという意味でワイヤレスである。これはいずれも集約される部分は無線と周波数のエリアだと思う。したがって、前も申し上げたが、ワイヤレスLANとか、それから周波数というのはどうしても今まではローカルな国の中のドメスティックなイシューだった。ところが、これはマーケットから見るともうグローバルなイシューになっている。だから、グローバルな中でインターネットの中のモバイルインターネットは日本が最先端をいくという目標を掲げた場合にやらなければいけないことは、今までは周波数は届かないから国内のことでいいのだと言っていた部分も含めて、これはグローバルなマーケットを考えた展開、戦略が必要なのだということで、これは大変重要な領域になるのではないかと思う。

○宮内会長  総合規制改革会議の立場で申し上げると、規制改革では重点6分野というのをつくり、そういう面では着実に検討が進んでいると考えているが、このIT分野の規制改革は当本部にゆだねられているという形になっており、我々規制改革会議の委員の中から、このIT分野の規制改革について同じようなスピードで進んでいるのだろうかということについて大変懸念があるということを申し上げておきたいと思う。
 それから、今日の「e-Japan重点計画」見直しの話の中でも、この基本方針を見る限り、去年の12月の規制改革専門調査会でその方向性について提案を申し上げたわけだが、これがほとんど盛りこまれていない。非常に基本的な規制改革の方向性が盛られていない。したがって、私はやはりそういう方向性を示すということ、その方向性に沿って具体的な施策をスピード感を持って実施していくべきではないかと思っている。技術革新というものを見込んだ競争基盤を確立するということからすべて始まっていかないといけないのではないかと思う。したがって、包括的なものでなく、個別具体的な規制改革の細目、時期を明示したものでないといけないと思う。そういう観点から、この見直しについて特に3つの点だけを申し上げたい。
 1つ目は通信制度の改革である。通信事業者間の競争条件はまだ公平とはとても言えないということであり、卸・小売の分離など市場構造の改革という基本的な問題に向けて更に取り組みが必要だと思う。
 2つ目は、ダークファイバと言われるものの有効利用の促進である。いわゆる多様なネットワーク構築を進めるには帯域、波長による提供の実現など、いわゆるダークファイバの一層の開放が進まないと促進ができない。そういうことで、ダークファイバの有効利用ということである。
 3つ目は、電波のこれも有効利用の促進である。この利用状況の調査公開というものに今度踏み切ったということで、これは一つの大きな前進だと思う。次のステップとして電波の再配分、これを具体的にどのようにしていくか、この具体論を明示するという時期にきているので、そういうことをやっていただきたいと思う。
 それからその他であるが、いつも同じことを申し上げるが、前回も議論された通信・放送の融合促進という、こういう技術の流れに対して制度面での対応、これは今後も継続して議論をしていく。これがなければ、日本の将来をまた誤るという危険性もある。重点計画でもそうした考え方を是非お示しいただきたい。

○奥山副会長  重点計画の見直しと、それからアジアハブ構想、両方に関連する問題であるので申し上げたいのだが、重点計画の見直しの中で重点5分野それぞれ書いてあり、これはこれで結構であるが、これまでのこの場での議論の流れ、あるいは方向性を考えると、先ほど宮内会長がいみじくもおっしゃったように、例えば規制改革専門調査会等で議論を深められた項目等について、昨年よりは今年の重点計画が一歩も二歩も進んだのだという形が見えなければ、国民に対してこの戦略本部の鼎の軽重を問われるのではないかと思うので、今総務省でもいろいろ検討しているようだが、この場でもいろいろ議論が出たような新たな競争政策の枠組み等について、従来よりは一歩進んだような書き方を是非、盛り込んでいただきたい。具体的な話はパブリックコメント等でもまた申し上げたいと思うので、それらを参考にしていただきたい。
 それに関連するが、先ほどアジアのハブについていろいろ御見解が披瀝されたが、先ほど事務局からの説明の中で情報動脈の確立が重要だということ、これはもちろん異論ないが、ただ、こういうハードの動脈を敷設しただけでは意味がなく、率直に申し上げて衛星にせよ、あるいは海底ケーブルにしても、実はだぶだぶに余っているというのが現状である。エンロンと同様に同様にグローバルクロッシングなどという海底ケーブル会社が破綻に瀕しているのもそういう意味であって、むしろこの需要を喚起することが先決である。今あるケーブル、海底ケーブルならば海底ケーブルの容量をアップグレードすることは現在の技術では簡単なことであるので、これを2束にすること自体は何ら問題はないと思っている。むしろそれよりもやはり重点計画で盛り込まれているような規制緩和を促進することによって、情報流通がより拡大するような環境を整備することの方が先決だろうと思うので、一言触れておきたい。

○出井会長  先ほど放送と通信の融合の必然性を宮内会長が述べられ、先回も氏家会長その他からこの件に関してのご見解があった。確かに放送と言うと今のテレビを想像し、通信と言うと今の電話を想像するわけだが、何も今の電話とテレビが融合するということを言っているわけではなくて、将来の放送というのは例えばインターネット放送になる可能性が非常に大きく、どこの放送でも世界中アクセスできるようなことになる。それから、通信も電話でなくて恐らくインターネットをベースとした電話もできるわけなので、そういう広い意味での融合が必然性としてあり、やはり日本はその部分でリーダーシップをとった方がいいというのが今のポイントだ。今規制されているマスメディアとしての放送会社をどうとかという問題ではない。ちょっと先のことを考えただけで次のことが見える。

○片山総務大臣  毎回また同じ御意見を聞いて、私も同じことを言っているのだが、事業区分の見直しは情報通信審議会のIT特別部会で6月までに結論を出してもらう。これはダークファイバの開放も絡むが、もちろん規制緩和も含めてということであるが、そこで一応の結論を出そうということを考えている。
 それから、電波資源の再分配や活用については、この国会に間もなく電波法を出す。そこで先ほどもお話があったが、電波の現在の利用状況調査、公表をやる。あるいは、無線局の情報についての提供制度が新たに入る。これは大変な私は前進だと思っている。
 それから今、電子政府の通則については目標云々という話があったが、目標はできれば書き込みたいと思っている。

(10) 「e-Japan重点計画」見直しの基本的考え方(案)について、本部了承。

○竹中IT担当大臣  この重点計画見直しの基本的考え方については、今日の基本的な案に基づいて皆様の御意見を反映させながら取りまとめるということで御了承賜りたいと思うが、よろしいか。[異議なし]
 ありがとうございました。これに沿って、次回本部において新重点計画の案をお諮りしたい。また、「情報セキュリティ対策」、「世界の情報拠点(ハブ)を目指して」については、本日の議論を踏まえ、御説明した方向に沿って新重点計画に盛り込んでいきたい。

(11) 小泉内閣総理大臣から以下のとおり挨拶。

  • 今日もお忙しいところお集まりいただき、感謝。
  • この本部発足以来、約1年が経過したが、着実に政府のIT化が進んでいることに心強く思う。具体的には既に約500の手続で電子申請を開始している。公共事業の電子入札は国で約100件、地方自治体では我が地元横須賀市で70件に及んでいる。
  • これから「e-Japan戦略」の目標年次に向けて中間段階に差し掛かるが、本日議論のあった情報セキュリティはIT化推進の必要条件であり、その対策をしっかりと講じてまいりたい。また、国際的な情報の流れをもっと太くするよう、国際的情報拠点の形成に早急に取り組んでもらいたい。
  • これからも日本経済の活性化の大きな鍵を握っているIT戦略本部なので、一層御協力、御指導をお願いしたい。ありがとうございました。

(11) 竹中IT 担当大臣から以下のとおり閉会の辞。

  • 次回会合は5月9日、その次は6月18日を予定させていただいている。
  • なお、今回はこの官邸における最後のIT戦略本部の会合であるということであるので、是非、名残惜しんでいただきたい。次回は新しい官邸で気持ちを新たにまた議論を進めてまいりたい。


(別紙)

第11回IT戦略本部メンバー一覧

 小泉 純一郎内閣総理大臣
竹中 平蔵情報通信技術(IT)担当大臣
・経済財政政策担当大臣
福田 康夫内閣官房長官・男女共同参画担当大臣
片山 虎之助総務大臣
平沼 赳夫経済産業大臣
森山 眞弓法務大臣
(欠)川口 順子外務大臣
(※水野賢一 外務大臣政務官 代理出席)
(欠)塩川 正十郎財務大臣
(※吉田幸弘 財務大臣政務官 代理出席)
(欠)遠山 敦子文部科学大臣
(※加納時男 文部科学大臣政務官 代理出席)
坂口  力厚生労働大臣
武部  勤農林水産大臣
扇  千景国土交通大臣
(欠)大木 浩環境大臣
(※奥谷 通 環境大臣政務官 代理出席)
村井  仁国家公安委員会委員長・防災担当大臣
(欠)中谷  元防衛庁長官
(※木村太郎 防衛庁長官政務官 代理出席)
尾身 幸次沖縄及び北方対策・科学技術政策担当大臣
(欠)柳澤 伯夫金融担当大臣
(※村田吉隆 内閣府副大臣 代理出席)
(欠)石原 伸晃行政改革・規制改革担当大臣
(※熊代昭彦 内閣府副大臣 代理出席)

(欠)秋草 直之富士通株式会社社長
 出井 伸之ソニー株式会社会長兼CEO
奥山 雄材KDDI株式会社副会長
梶原  拓岐阜県知事
岸  暁株式会社東京三菱銀行会長
鈴木 幸一株式会社インターネットイニシアティブ社長
(欠)松永 真理エディター
(欠)宮津 純一郎日本電信電話株式会社社長
村井  純慶應義塾大学環境情報学部教授

上記の他、以下が出席。
 安倍 晋三内閣官房副長官(政務、衆)
(欠)上野 公成内閣官房副長官(政務、参)
古川 貞二郎内閣官房副長官(事務)
根來 泰周公正取引委員会委員長
宮内 義彦総合規制改革会議議長