首相官邸 首相官邸 トップページ
首相官邸 カテゴリーなし
 トップ会議一覧IT戦略本部開催状況 印刷用(PDF)

 

第18回IT戦略本部 議事録


 

1.日 時:平成15年5月15日(木)17:15 〜17:55

2.場 所:内閣総理大臣官邸 大会議室

3.出席者:別紙

4.会議の模様


(1) 細田IT担当大臣から、以下のとおり挨拶及び報告事項等について説明。

<挨拶>
 ただいまから「IT戦略本部」第18回会合を開会する。

<報告事項>
 昨年9月に設置された各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議において検討を進めてきた「電子政府構築計画(仮称)の策定に向けて」については、3月末のCIO連絡会議において決定された。今後はこれを踏まえ、利用者本位の行政サービスの提供、365日24時間ノンストップ・ワンストップサービス及び予算効率の高い簡素な政府の実現に重点を置いた政府全体の電子政府構築計画及び各府省の計画の策定作業に入り、6月のCIO連絡会議において決定する予定である。

<議題>
 新IT戦略案については、昨年11月から「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」を設置して検討を進めていたところであり、今般、新戦略案の報告が取りまとめられた。
 本日は、同専門調査会座長の出井本部員からこの新戦略案について報告いただく。


(2)出井会長及び村井教授から新IT戦略案について報告

【出井会長】私が座長、村井教授が座長代理として、昨年の11月から8回にわたって専門調査会を開催した。
 新IT戦略につきましては大変活発な議論を行い、先月末にお手元の戦略原案をまとめた。17名の委員の方々には膨大な時間を費やしていただき、心より本当に感謝する。また、細田大臣にはほとんどの会に出席いただき、大変なリーダーシップとバックアップの両方をしていただけたと思っている。さらに、IT担当室の方々にも各省庁との橋渡し役として大変難しい議論をまとめることに御協力いただいた。戦略概要を御説明申し上げる。
 第1章基本理念としては、今回のIT戦略の第二期として利活用ということに焦点を当てて、21世紀型社会へ日本が変革することを目指している。いわば日本再生のためのIT利活用戦略ということである。基盤整備が達成されつつある今こそ、ITを社会の中で徹底的に活用し、また社会や経済構造改革を行っていくことで、更なる新たな産業や市場を創造することを目指すべきである。これが基本理念である。現在までの第一期は、まずインフラの方を手がけてきたが、これからの第二期では、インフラも忘れないが、その上で、今まで整備したインフラを使っていこうということである。
 第2章は、先導的取り組みによるIT利活用の推進ということで、その新戦力の目玉として、構造改革と新価値の創造を同時に実現可能とするためには、どういうふうに経営資源を再配置するかという観点より、7つの先導的な取り組みをまとめた。ここでは、政府と民間が協力して、府省が横断的にITを活用するため共通的な電子的インフラをつくるという意味で、縦割りでなく縦横の新しい行政の役割を示した。例えば、医療については医療情報が効果的に共有された患者を基点とするサービスの実現であるとか、ITによる医療機関の経営効率を目指しており、そのためには、電子カルテのネットワークの転送や診療報酬の請求時業務のオンライン化を官民協力して推進することを提言している。
 なお、これまでこの7分野というのは例示的に突破口として、パイロットプロジェクトを書いてあり、ここを突破口にして、他のさまざまな分野でITによる改革の和が広がることを目的としている。
 第3章は新しいIT社会基盤である。このIT基盤の整備というものは、今までで終わったわけではなくて、その基盤整備の加速や追加が必要だと認識している。そこで、新しいIT社会基盤として、今後引き続き重要な5分野を明記した。2年前のIT戦略では、高速インターネットアクセス網に3,000万世帯、超高速インターネットアクセス網に1,000万世帯という数字が話題になり、これまでに利用可能環境の整備が実現できたと考えているが、その上で今回は本当に実利用を目指すこととした。また、新たな産業となり得る電力線通信や電子タグの問題についても、既存の電波行政との兼ね合いでさまざまな問題がある中で踏み込んだ提案を行っている。2年前のIT戦略で目指した超高速のインフラの実現は、かなり日本としては早いスピードで、世界の中でもインフラの環境整備が進んだと認識している。
 第4章は、方策の一覧表である。新戦略は、構成上画期的な点として、先導的取り組みを実現するために、政府と民間が何をすべきかということを目標と併せて、政府の仕事と民間のなすべきことを列挙している。例えばインフラ事業では、政府は何をすべきか、民間はどういうことをすべきかというようなことを別々に書いている。また、本文に政府の役割と民間の役割というものを併記することで表現してある。
 それから、今後のIT戦略本部による指導体制についてであるが、私も含めたIT戦略本部が、この戦略を確実に重点計画として具現化し、その後、実行段階まで責任を持つ必要がある。この点、小泉総理や細田大臣のバックアップ及びリーダーシップというものに大いに期待したい。そのために、IT戦略本部の権限強化に触れ、新たに民間有識者から構成される評価機関を設置することを盛り込んである。IT戦略を作ったら各府省に任せっきりになるのではなくて、IT戦略本部が継続的に新しい戦略を生み出すようにしたい。
 最後に、何度も申し上げたとおり、日本は優れた技術及び人材がいる国である。IT革命はこれからが本番であり、ITを効果的に活用すれば必ず日本の経済というものが再生可能だと信じている。この画期的な戦略が実行されれば、日本は米国にも先んじて世界最先端になる電子的なインフラというものをつくることができる。日本全体が元気を取り戻すよう、政府、民間を挙げて取り組んでいくつもりで今後もIT戦略本部員として取り組んで行きたい。
 では、村井教授から補足があればお願いしたい。

【村井教授】私は座長代理としてこの専門調査会の取りまとめ役を果してきたので、その立場から少しお話をさせていただきたいと思う。
 まず、このIT基本戦略を最初に策定した1999年の当時は、我が国の技術は世界最先端の力を持っているということに対して疑いを持つ人は多分誰もいなかったと思う。
 しかしながら、社会の中での展開の観点等から見ると、例えば競争力の順位について、二十何位とか、百何位など、信じられないような数値が出ていた。
 日本としてこのままではいけないという想いから、戦略的な取り組みを策定する必要があることから取り組んだ。
 かかる状況の下で、技術力はあるものの、社会の中での展開の力がないということが課題であった。その課題に対して緊急的に取り組むことにより、例えばインターネットを皆が使うことができる状況になった。これは、前戦略を策定したときは一番利用料金が高かったが、今は一番安い国になったことも要因の一つであり、まさに先日、ITUが日本はインターネットの利用料金が一番安いということを発表したところである。
 本当に使いやすい状況を整えるために、産官学、皆で力を合わせた努力の結果である。私はこの成果に対する評価は、ものすごく大きな意味を持っていると考える。
 今後、いままで整備してきた様々なインフラが使えることになったことから、我々の仕事・生活等といった身近な視点から問題を戦略的にとらえることにより、真のITを基盤とした元気のある、あるいは世界に一番貢献のできる最先端の社会ができていくと思う。
 また、方法論的には、目標値を挙げているというところに特徴がある。先程、出井会長がおっしゃったように、目標値を設定しているところについては、議論もたくさんあった。特に目標値というのは、これは民間主導でいくべきだが、しかし、民間任せではいけない。こういう本当の意味の産官学の連携ということを考えていく上で、この努力目標値というものを明確に設定し、そこに向かって皆で頑張る。こういうところが先程申し上げた大きな成果を上げるために必要な部分だと思うので、今度は私たちの生活や私たちの仕事、私たちの社会という視点で、明確に目標を掲げることで、本当の意味での世界最先端のIT国家が見えてくると思う。その最先端になるステップに移行するためにも、今後ともよろしくお願いしたい。

【細田IT担当大臣】このIT基本戦略は座長の出井会長、座長代理の村井教授、そして鈴木社長もおられるが、この3人を中心として16人の先生方が、本当に自ら筆を執られ、調整をしてできたものであり、それを役所が受けて、各府省に強くお願いしながら調整してでき上がってきたことを申し添える。


(3)「e-Japan 重点計画2003」について事務局より説明

【細田IT担当大臣】次に「e-Japan 重点計画2003」の骨子案について事務方から報告させる。この基本戦略IIを踏まえて、新しく重点計画を策定する必要があるため、その骨子案を作成した。

【事務局】それでは、「e-Japan 重点計画2003」について御説明申し上げる。重点計画というものは、このe-Japan 戦略を具体化し、IT社会を実現する政府の行動計画という位置付けである。すべての政策について、原則として府省名、実施年限を記述し、責任体制を明確化していく。
 次に重点計画の構成だが、基本的な方針ということで、戦略の方針を踏まえ、先導的取り組み7分野、医療、食、生活といった分野につき、政府としてどのような政策を実施していくのかということを記載する予定である。
 更に、重点政策5分野、これは法律にもあるインフラ、人材育成、電子商取引、行政情報化、セキュリティ、あるいは横断的な課題として、研究開発、国際問題、デジタル・デバイド、こういったものについても戦略に沿った形で政府として戦略がしっかりと実行できるような政策を記載してまいりたい。
 詳細につきましては、次回の戦略本部で御審議をお願い申し上げる。


(4)自由討議

【細田IT担当大臣】最初に、前回は南場代表取締役は欠席されたため、今日初めてIT戦略本部に出席されたので皆さんに御紹介させていただく。

【南場代表取締役】前回から本部員になった株式会社ディ・エヌ・エーの南場です。どうぞよろしくお願いします。ここにおられる方々の中では最も恐らく若輩で、かつ何でこんな会社がというくらい小さなベンチャーの社長をしている。
 今回、出席させていただき、資料などを拝見させていただいた。最近のITUの発表などにあるとおり、利用環境、それからブロードバンドの価格という面では最先端の国になったということを踏まえ、利活用の拡大ということにフォーカスを絞っておられるというのは非常にタイムリーである。
 それで、我が国のIT分野における国際競争力というのを思い切って強化するということがこの本部の目的の一つだと思うが、それは1つには国際的に競争力のある企業の裾野をどれぐらい拡大するかということが非常に重要である。ソニーとかIBMといったクラスの企業が新しく日本から10社、20社と生まれてきたら、非常に元気の出る話だと思う。いま、ソニーやIBMという例を出したが、業態の話ではなくてグローバルリーダーシップ、国際的な競争力の面で、そういった会社が更に10社、20社と新しく生まれてくるということは非常に重要である。
 ところが、問題は過去30年間に真のグローバルリーダーと言える企業が日本からIT分野において一体何社生まれただろうかということである。米国では過去30年間と言うと70年代の後半にはマイクロソフトとオラクル、80年代になるとサンマイクロやDELL、シスコといった超一流の巨大IT企業が生まれています。こういった企業というのは、20年前は存在しないか、小さなベンチャーだった。
 そういった観点から、この新IT戦略の中で一体何ができるのかということを考えてみると、今回7つの先導的取り組みの行政サービスの中で調達に伴う手続の改革にも触れられているが、思い切ってここのポイントをベンチャーの育成という視点で、特にテクノロジーベンチャーで先鋭化させてみてはいかがかと考える。日本では競争力のあるベンチャーでも、政府調達ではなかなか元請けには参加しにくい。これは、政府調達のプロセスについて、従前より不透明性、特定企業への案件集中ということで問題の指摘は広く行われている上、既に政府部内において検討が行われており、入札参加資格制度や評価方式の見直しが行われていることは承知しており、評価している。しかしながら、実態の変化がいかんせん遅いと感じる。それで、思い切ってベンチャーの調達枠というものを設けることを提案をしたい。
 米国のセットアサイドプログラムというのがあるが、これは政府調達の23%は元請事業者として中小企業を選ばなければいけないということを義務付けるものである。地方政府も連邦政府のお金が入っていれば同じく規制というか、義務を負っている。これは、もともとは米国の人種等の経済格差の是正というのが主目的で、米国特有の事情があるのだが、実態として連邦政府の調達20兆を優に超える調達において、中小企業が23%以上の元請けを担っているということは非常に評価できる話だと考える。
 DELLとかオラクルがこういった政府のプロジェクトで成長したというのは非常に有名な話だが、何しろ調達というのは利権が絡む話であるので、こういう領域の改革にはプロセス論ではなくて結果論、結果目標を立てて取り組むべきである。新しいIT社会基盤の横断的取り組みの5項目の中の6項目目に是非ともこちらの具体的な数字を挙げた調達の枠というものを掲げていただきたいと御提案申し上げる。

【和田社長】まず、この基本戦略IIというものを御報告いただいたが、全く同感である。先導的取り組みというのが出ておるが、これはIT活用・拡大の起爆剤ということになると思う。
 それで、今日1つだけお願いしておきたい。このITの利活用が国民の間に浸透していくと、IT基盤の信頼性の確保だとか、あるいは企業や個人の情報を確保するためのセキュリティの確保だとか、多くの端末間の通信が可能となるのでアドレスの確保とか、まだいろいろな重要な課題が残っている。これらに関わる技術というのは先ほどもお話にあったように、日本は非常に高いものをもっている。ただ、これを広めていくためには、国際標準というものを作っていくということが非常に肝要である。今まで私どもは、国際標準をめぐる闘いというものをずっとやってきているが、民間だけでは非常に難しいという問題がある。
 そこで、今回、この基本戦略の柱にアジアにおけるIT化推進構想というものが掲げられており、既に政府の方で取り組んでいることを非常に心強く思っている。まさに官民を挙げて取り組み、アジアにおける日本のIT技術、それからサービスというもののプレゼンスを高めること。そういうことをすることによって国際標準を確保していくことが、我々にとって国際戦略上も、国家戦略上も重要なことではないか。是非よろしくお願いする。

【宮内会長】まず、私もこの調査会に1度出させていただいたが、大変多くの意見をこういう形でまとめ、しかも、このIT戦略本部としては第二期、1段上のレベルへこういう形で持っていこうという御提言を行ったことに対し、敬意を表したいと思う。
 やはりこの基本理念、それから戦略思想という初めの数ページのところが、まさにこれからやっていこうとすることであり、一番重要である。また、特に政府としてのビジョンとか目標ということが掲げられている。例えば「戦略の構成と政府の役割」というようなことが書かれている。この政府の役割という部分では、何をすべきかということは、極めて重要な指摘であり、とりまとめの際には、こういう一番骨太の部分を前面に出して、政府の宣言のような形にしていただきたい。
 それから、規制改革の観点から申し上げると、競争政策の強力な推進、各事業を所管する府省による公正競争ルールの整備等、これからいろいろなことをITでやっていくためには、規制改革というものをきっちり入れ込まないといけない。しかも、それがすべての産業でそうでないとITが動かない。電子政府も動かない。そこで、IT産業自身が競争力を高めなければいけないという意味合いで、この競争政策あるいは規制改革についての政府方針を、是非、e-Japan重点計画−2003の中の重要な課題であり、政府の役割を明確に書き込んでいただきたい。そうでない限り、下手をすると絵にかいたもちになりかねない。民間が主導して十分に切磋琢磨できる、そういうインフラ整備があってこそIT戦略IIというものが生きてくるのではないかと思う。

【石原社長】第一に、今回の新戦略案が利用者の視点から作成されている点を高く評価したい。ともすれば国のIT戦略というと、大きな話で国民にはわかりにくく、難しいという印象があるわけだが、今回の新戦略案は7つの先導的取り組みにあるとおり、各府省あるいは業界別の縦割りの整理ではなく、生活者あるいは利用者の身近な視点で、民を主役に官が支援をするという立場で具体的にわかりやすく表現されている。何を目指すかということも明確になっていると思う。
私ども企業にとっても、経営の効率化、あるいは競争力の強化によって産業の再生に資する重要事項が数多く含まれている。一例としては、民間で長期保存を義務付けられている書類、これを電子保存化することの実現に向けての検討が示されているが、これは紙の資料の保管コストに比べ大幅な削減と同時に、環境問題への対応としてのペーパレス社会の推進にも寄与するものと考える。
 2番目には、評価の重要性と官民を挙げての戦略の推進、実行について申し上げる。新戦略の推進に当たり、投下するコストと得られる利益を把握し、比較考量した上で行うプロセス管理が何よりも重要であり、その点でこの新しい戦略案にある評価機関の果たす役割は極めて大きいと思う。特にばらばらでない一つの電子政府、これは業務改革の徹底なしには実現できない。行政の情報化が、国民や、あるいは企業の利便性向上、効率化につながっているかどうか。きちんと評価していただきたい。
 また、評価に際しては、民の自由な経済活動を制約することのないよう留意する必要がある。併せて評価の状況については、是非このIT戦略本部にもタイムリーに報告していただきたい。
 いよいよわが国のIT戦略も第二期の利活用の段階に入るわけであり、その推進と実行がより重要になってくる。そのためには、国民一人ひとりの参画意欲を大いに高めることが重要で、広く情報提供を行うべきである。小泉総理におかれては、国も真剣に取り組む決意であるが、同時に国民の取り組みが不可欠であり、官民が一体となって世界最先端のIT国家づくりをやるのだということを是非国民に呼び掛けていただきたい。

【出井会長】3点申し上げる。
 まず、IT戦略本部の役割の強化について。私ども民間企業でもITを入れる場合に組織が縦割りのまま入れると入らない。縦とが重要なことはいうまでもないが、縦と横とをうまく整合的に組み合わせるために、IT戦略本部及びIT担当室の機能強化というものを是非お願いしたい。
 2点目は、今、石原社長からもお話があったように、新戦略が本部決定をした後、速やかに評価機関というものを設置していただきたい。
 3点目は、国の役割に関して積極的に小泉総理及び細田大臣から、IT戦略について、「政府はこういう役割でやっている」などということを積極的にアピールしていただきたい。

【沢田市長】今回のe-Japan 戦略IIについては、各方面に目配りが行き届いていると同時にめり張りの効いたよい案であると思う。取りまとめられた出井座長を始め、関係の皆様の御努力に敬意を表したい。
 地方自治体及び地域の電子化について発言をさせていただく。全国市長会に電子自治体専門部会を設置し、種々検討をした結果をとりまとめ、去る3月25日に細田IT担当大臣及び片山総務大臣に提出させていただいた。本日、そのうち3点に絞って簡単に発言させていただきたい。
 第1は、基盤整備の一層の推進についてである。全国3,260の自治体の中で着実に整備が進んで、整備済みは半分をようやく超えたところであるが、まだまだ残りが約半分ある。より一層の整備を促進するためには、人材育成がもちろん必要であるが、特に過疎地帯等、基盤整備が進まない地域については、支援措置を充実する必要があると考えるので、御配慮をお願いしたい。
 第2は、国の各府省のネットワークの集約等について、具体的にはLGWANへの集約統合をおこなうことである。国の各府省と都道府県及び市町村を接続するネットワークは、業務ごと、あるいは組織ごとに整備運用されているのが実態である。自治体としては、それぞれのシステムごとに別々に専用回線を引かなければならない状況になる。セキュリティやプライバシー保護に配慮しながら、可能な限りLGWAN等への集約統合を図っていただきたい。
 最後に第3であるが、国の各府省、都道府県、市町村の実務者の連絡組織の設置である。国の電子化政策で地方に関するものについては、政策立案段階から自治体職員の実務担当者の意見を聞くことにより、制度やシステムの全体的な最適化、即ち国、地方を合わせた全体経費を最小にすること、及び実務の円滑な推進を図るという見地から、是非、市町村の実務担当者を政策立案段階から参加させるシステムをつくっていただきたい。

【鈴木社長】2つほど申し上げる。第1点は、日米のインターネットトラヒック量の比較をすると、未だ1対20です。これはひとえに民間企業の通信利用あるいはIT利用が遅れている。けた違いに遅れているのが現状である。
 第2点は、通信業をトータルで考えると、例えば産業連関表で見ると、通信産業の裾野がどんどん小さくなり、通信産業全体としては、縮小傾向が続いている。かかる点を踏まえて、このような提言あるいはストラテジーにより、何とかインプルーブしていくということを真剣に考えていくべきである。

【細田IT担当大臣】 ありがとうございました。
 各委員の御意見を踏まえながら、またパブリックコメントに付したいと思う。
 なお、総理はまもなくご退出になられる。現在、各省とも調整を行っているところであり、御意見もいただいているところである。特に、今後のアジアとのITイニシアチブ、ブロードバンド構想等については、総理に先頭に立っていただき、総務大臣、経済産業大臣の指導のもと、国際的な面でも大いにアジアのIT分野の発展に貢献、協力するということも大きな柱に入っている。これは、もちろん外務省とも連携をとっていく必要がある。
 それでは、総理から御挨拶をいただく。

(報道陣入室)


(5)小泉内閣総理大臣から以下のとおり挨拶

【小泉内閣総理大臣】今日はお忙しいところありがとうございます。また、出井会長、村井教授、鈴木社長におかれては、専門調査会の報告、取りまとめに格別な御尽力をいただきありがとうございます。一部の専門家だけではなく、国民全体がITの恩恵を受けられるように、更に取り組みを強化していきたい。
 森内閣から掲げていた世界最先端のIT国家の実現を目指していくという、この方針に沿って官民一体となって協力していかなければならないので、今後とも格別の御指導、御協力をお願いしたい。ありがとうございました。

(報道陣退室)


(6)細田IT担当大臣から閉会の辞

【細田IT担当大臣】 ありがとうございました。
 それでは、「e-Japan重点計画−2003」について具体的な案文作成も進めてまいりたい。また、時間の関係で、各省からもさまざまなコメントが出る予定であったが、事務局で承りながら、いろいろな対応をとってまいりたいと思う。
 本日は、お忙しいところを本当にありがとうございました。


(別紙)

高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部 名簿

 小 泉  純一郎内閣総理大臣
 細 田  博 之情報通信技術(IT)担当大臣
沖縄及び北方対策・科学技術政策担当大臣
 福 田  康 夫内閣官房長官・男女共同参画担当大臣
 片 山  虎之助総務大臣
 平 沼  赳 夫経済産業大臣
 森 山  眞 弓法務大臣
(欠)川 口  順 子外務大臣
(※日出 英輔 外務大臣政務官 代理出席)
(欠)塩 川  正十郎財務大臣
(※田中 和徳 財務大臣政務官 代理出席)
(欠)遠 山  敦 子文部科学大臣
(※河村 建夫 文部科学大臣副大臣 代理出席)
(欠)坂 口   力厚生労働大臣
(※森田 次夫 厚生労働大臣政務官 代理出席)
 亀 井  善 之農林水産大臣
(欠)扇    千 景国土交通大臣
(※鶴保 庸介 国土交通大臣政務官 代理出席)
(欠)鈴 木  俊 一環境大臣
(※望月 義夫 環境大臣政務官 代理出席)
 谷 垣  禎 一国家公安委員会委員長
産業再生機構(仮称)担当大臣
(欠)石 破   茂防衛庁長官
(※小島 敏男 防衛庁長官政務官 代理出席)
(欠)竹 中  平 蔵金融担当大臣・経済財政政策担当大臣
(欠)石 原  伸 晃行政改革・規制改革担当大臣
(欠)鴻 池  祥 肇防災担当大臣
   
 石 原  邦 夫東京海上火災保険会社代表取締役社長
 出 井  伸 之ソニー株式会社会長兼CEO
(欠)大 歳  卓 麻日本アイ・ビー・エム株式会社代表取締役社長
 沢 田  秀 男横須賀市長
 鈴 木  幸 一株式会社インターネットイニシアティブ社長
 南 場  智 子株式会社ディー・エヌ・エー代表取締役
 村 井   純慶應義塾大学環境情報学部教授
 和 田  紀 夫日本電信電話株式会社代表取締役社長
   
上記の他、以下が出席。
 古 川  貞二郎内閣官房副長官(事務)
 宮 内  義 彦総合規制改革会議議長
 竹 島  一 彦公正取引委員会委員長