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第22回IT戦略本部 議事録


 

1.日 時:平成15年12月18日(木) 17:00〜18:00

2.場 所:内閣総理大臣官邸大会議室

3.出席者:[別紙]

4.会議の模様


(1)茂木IT担当大臣から開会の辞

 【茂木IT担当大臣】
 ただいまから「IT戦略本部」の第22回会合を開催する。
 本日は、御多忙のところ御参集いただき、誠にありがとうございます。
 本日の議題は、(1)「IT分野における国際的取組」について、(2)「e-Japan 戦略II加速化パッケージ」についてである。議題に関する説明を行い、その後まとめて自由討議を行いたい。
 まず、報告事項が1点ある。前々回第20回の会合において設置した評価専門調査会について、今般、7名の方々を委員として内定した。
 本日は、委員を代表して、庄山悦彦株式会社日立製作所社長に御出席をいただいているので、一言ごあいさついただく。

【庄山社長】
 日立製作所の庄山です。今回の評価専門調査会を担当することになりました。よろしくお願い申し上げる。
 IT戦略は、総理を始めとして、皆様の大変な御努力により、かなり進んでいるが、しかしまだ解決すべき問題がたくさんあると思う。そういう意味において、民間の立場で個の観点で是非この評価をやってまいりたい。
 いずれにしても、今日お集まりのIT戦略本部を始めとして、各府省の皆様方の御協力がなければ成り立たない。是非よろしくお願い申し上げる。

 【茂木IT担当大臣】
 精力的に評価の作業をやっていただけるということであり、よろしくお願いする。


(2)IT分野における国際的取組について

 【茂木IT担当大臣】
 それでは、本日の議題に入りたい。まず「IT分野における国際的取組」についてである。IT分野において、アジアとの協力関係の構築等々に進展がありましたので、まず私の方から簡単に報告をさせていただく。
 e-Japan戦略IIにおいて、ITの国際戦略は、特にアジア諸国との間で2008年までに10か国以上と協力関係を構築し、これを通じて、アジア地域内の連携を強化し、アジアを世界の情報ハブへと発展させるということとなっている。
 これに関連して、アジアITイニシアティブの進捗状況を簡単に報告させていただくと、まず今年の6月にe-Japan 戦略IIの国際面での柱になる、アジアITイニシアティブの推進のため、内閣官房の下に関係省庁及びJICA、JBICなどの機関を含めた、省庁横断的メンバーからなるタスクフフォースを設置した。
 続いて7月に、アジアITイニシアティブのミッションをアジアの5か国に派遣した。その後、ベトナム、フィリピン、インドネシアの3か国から、それぞれ具体的協力案件の提示があったことを受け、11月の上旬にミッションを3か国に再度派遣し、先方政府へ日本案を提示した。
 11月下旬には、各国のIT担当大臣の合意を得て、先週12月11日、日・ASEAN特別首脳会議の開催に合わせ、私の方でインドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国と共同宣言にそれぞれ調印し、成果を挙げることができた。
 同時に、日・ASEAN特別首脳会議において、東京宣言の行動計画の中に、アジアITイニシアティブを盛り込んだところである。
 今後の取り組みについては、今回の調印は日本と相手国の2か国の協議であるが、今後はこういったバイの協力の拡大、更に日本とASEAN全体など、他国間協力の構築についても推進をするとともに、このIT戦略本部の下で、国際政策に関わる基本的な考え方について検討し、それに基づいてアジアを中心としたITに関する国際政策を総合的、かつ整合的に推進していきたいという方針である。
 続いて、麻生総務大臣から、今月の10日〜12日までの間、スイスのジュネーブにおいて開催された「世界情報社会サミット」について、御報告をお願いする。

 【麻生総務大臣】
 お手元の「World Summit on the Information Society 」という横紙の資料をご覧いただきたい。
 この情報サミットは、情報通信関連の国連サミットとしては、初めての開催である。ITU、International Telecommunication Union という138 年の歴史がある、多分国連の組織としては最も古い組織だと思うが、この組織の事務総局長を今、日本から出しておるのは、御存知のとおりだが、ここが準備を主導し「世界情報社会サミット」を開催している。世界中から、176 か国、フランスの総理大臣、エジプト等、各国首脳が約五十四か国、通信大臣等々が83人、全員で約二万人がスイスのジュネーブで、約三日間の会議を行った。日本から私の方が政府代表として行かせていただいた。
 準備段階からこの事の重要性というものを、アジア太平洋地域での会議が大事だということで、今年の1月ぐらいから既に準備をしていたところである。
 ここで、基本宣言というのは、情報社会に向けて、共通ビジョンを持ってもらいたいということで、産業革命に匹敵する大きなことが今、起きているという認識が全然ないと、先行との差がもっとつくことになるので、原則としてそこに11の原則とか幾つか書いているが、行動計画として10項目、いろんな形で目標を設定しており、国際協力の必要性をうたっている。
 そして、こういった形で文章の中で初めて日本から言葉としてユビキタスという、元ラテン語の言葉が正式に文章に盛り込まれ、また同じように、ブロードバンドの重要性ということが文章の中に正式に盛り込まれたことが重要だったと思う。
 デジタルの連帯基金というものをつくるべきだという発展途上国側の意見に対して、これはフランス、ドイツ、いずれも反対というところだったが、いずれもこの種の資金援助については、デジタル・ディバイド解消のためには幾つかやるべきこともあるのではないかということで、少なくともそういった連帯基金の創設を含めて検討するとことを、国連で検討するということになった。
 インターネットの管理の在り方については、これはご承知のようにアメリカの民間組織が行っているが、『国際機関で統治すべきであり、インターネットをアメリカだけ、しかも一民間機関に抑えさせるべきではない。』という意見が出されたのに対し、これもいろいろ論議があったが、このインターネットの管理に関する作業部会を国連で設置するということを、アナン事務総長が出席しておられたので、それに対して正式に要請することになっている。
 私もこのたびステイトメントをさせていただいたが、とにかく情報通信技術というものが非常に将来の繁栄をもたらすという話を、先ほど産業革命を例に引いたが、そういった話をして、ブロードバンドの普及状況の紹介と、アジアブロードバンドという計画を今やっているので、それを基本宣言・行動計画の実施に貢献していくこと。そして、ユビキタスという言葉を韓国がやっと使い始めましたけれども、そういった意味で社会構築の重要性を述べた。
 また、ASEANの担当大臣が来ておりましたので、このような担当大臣等を一斉に招いて、このアジアブロードバンドの重要性というのは、アジアからの情報だけが細く情報で、ほかのところが大きいというのはいかがなものかという話で、広くする必要性を言い、かつそのほかにも2か国間で韓国、また中国の情報通信担当大臣と会食をさせていただいた。第2回目は、チュニジアで2005年に開催されるということで、第2フェーズに取り組むことになると思うので、情報社会の構築に引き続き頑張ってまいりたい。

 【茂木IT担当大臣】
 麻生大臣、ありがとうございます。
 まず議題の説明を先にさせていただくが、2つ目の議題の「e-Japan 戦略II加速化パッケージ」についての議論に入りたいと思う。前回の会合において、e-Japan 戦略IIの加速化について、活発な御議論をいただき、会合の最後に私の方から、このe-Japan 戦略II加速化のための政策のパッケージの素案をとりまとめてみたいと申し上げた。
 今回、私の方から、資料に基づきポイントを説明させていただきたい。
 ここにあるのは6項目だが、各項目ごとにご覧いただける形にもなっている。
 最初の部分は、A、アジアである。先ほど申し上げたように、今月の11日に日・ASEAN東京宣言が行われたわけであるが、これを踏まえてITの国際政策を総合的・整合的に推進をしていきたい。現在、各省ばらばらの施策の統一的な方向性を示すという意味で、国際政策に関わる基本的な考え方を、このIT戦略本部の下で策定をしていきたいと思っている。
 それから、インドネシア、フィリピン、ベトナム、これが協力について調印をしたわけであるが、こういった2国間のものを広げていくと同時に、多国間の協力も更に推進をしていきたいと考えている。
 セキュリティー、Bはブロック、バックアップとしてあるが、これは2つの側面がある。1つはITそのものを守る、IT社会を守る。もう一つは、ITの技術によって、我々の生活であったり、企業であったり、さまざまなものを守っていく。こういう2つの側面がある。
 まず、ITを守る方について、公共分野、重要インフラの情報セキュリティーの強化と、またそのための人的な基盤の充実として、内閣における充実も必要である。同時に、地方公共団体等におけるセキュリティー対策の効果的、そして効率的な実施、この中には恐らく複数の自治体で共同のセキュリティー対策を検討するという項目も入ってくると思うが、そういったITを守るという側面である。
 もう一つは、ITで我々の国民生活、社会経済の基盤を守っていくということで、例えば空港とか港湾、これのテロ対策の充実・強化、言ってみると電子ポートをつくっていくと、こういう構想についても検討してみたいと考えている。
 3つ目、C、コンテンツの問題である。これは、知的財産戦略本部の方でも相当議論いただいているわけだが、そういった知的財産戦略本部における積極的な検討を要請して、それについてこの本部でもフォローしていきたい。
 前回、NHKのアーカイブスについて、47万本のビデオがあるが、著作権の関係で1本もネット上では見られないというお話も申し上げたが、例えば裁定制度の関係でいうと、現在著作権者が不明な場合の裁定制度、これは全国誌等に広告を出す必要があり、非常に利用しにくい。このために利用がどれぐらいされたかというと、30年で30件という実績であり、これは裁定制度の運用の見直し、こういったこともこれに関連して必要になってくると考えている。
 また、日本版のバイドール制度、特許の関連であるが、この研究成果の開発者帰属について、これをコンテンツとかソフトウェアの請負まで拡大していくことも、検討を加えたいと考えている。
 4つ目が規制緩和、ディレギュレーションの関係である。前回これは相当御議論いただいたわけであるが、法令等により保存が義務づけられている、財務とか税務関係の書類、文書、こういったものを電子保存することにより、各企業、経済において、相当なコスト削減になっていく。これをここでは「e−文書イニシアティブ」という形で呼んでいる。100 本ぐらいの法律が関係してくるので、通称「e−文書法」といった制定も視野に検討を深めていきたいと考えている。
 また、IT化が遅れている分野、幾つかあるわけであるが、例えばNPO法人の議決権の行使の問題、聴問における対面の行政手続の問題、それから医療分野での処方せん等の電子化、こういうIT化が遅れている分野の規制緩和についても検討していきたい。それから、現実の世界とサイバースペースの違い、これの違いの制度的な整合性をどう取っていくかという問題もあり、例えば診断書などオンラインで転送する場合の医師の証明をどうするか、サイバースペース上でも医師、弁護士等が活動できるような手続をどうするか、これは電子手形でも同じであり、実際の社会では転々と譲渡する手形と、これをサイバー上で円滑に行うための仕組みづくり、こういうことも検討する必要があると考えている。
 5つ目、Eだが、これは評価、エバリエーションである。先ほど庄山社長の方からもごあいさつをいただいたが、本年8月この評価専門調査会の設置が決まった。この審議をしていただいた結果を、e-Japan 重点計画-2004に反映をさせるために、できたら本年度内にIT戦略本部に対し御提言をいただけると大変ありがたい。
 最後6つ目、電子政府・自治体の推進、e−ガバメントであるが、もうEはエバリエーションで使ってしまいましたので、フレンドリー・e−ガバメントとFにした。これが6つ目であり、今、ペーパーレス化等々も進めているわけであるが、ペーパーレス化そのものを目標にするのではなく、ペーパーレス化によってコストをどう削減していくか、また時間をどう削減していくかという新たな目標設定ということもあるし、また公務員のテレワーク、省庁にこなくてもいろんな仕事ができるといったことも考えて、先ほど麻生大臣の方からもユビキタスという言葉があったが、ユビキタス公務員をつくっていくということも考えてみたい。
 それから、ITベンチャーからの政府調達の拡大、先日南場本部員の方からも出た話であるが、そういうことをやっていきたい。
 また、電子自治体、これの関連で市町村レベルではなかなか行政サービスの電子化が進んでいない。例えば、地方税の電子申告、これは市町村レベルでは80%が未定、未実施という段階であり、この自治体における電子化をどう進めていくかという課題についても、さまざまな項目について検討を加えたいと考えている。
 これらについては、今日御議論をいただいた上で、次回のIT戦略本部において、加速化パッケージをとりまとめていければと考えている。
 私の方からの説明は以上でありまして、これから自由討論に入りたい。前回の経験から、大変活発な御議論をいただいており、時間が足りなくなるということで、できたらお一人1回3分以内にお願いしたい。
 村井教授からお願いする。

 【村井教授】
 1点目は、御報告が先ほど麻生大臣からあったWSISのこと。ICANN、ここでは米国籍非営利団体と書いてあるが、ICANNが民間の団体からグローバルな組織づくりへということでリーダーシップを取ってきた。私もICANNの最初の理事であるし、ICANNを動かしてきた日本の力は大変大きかったと思う。そのときの考え方は民主導であった。このIT戦略が初めにできたときも、民主導ということを何度も議論してきた。それでうまくいって、それが国際的にどういうふうに広がっていくかということになってくるかと思うので、そういう考え方が、このWSISの中で話していただけたので、大変よかった。これからの国際関係とグローバルな今のインターネットの関係とが、調和を取って発展していくために大変重要なステップだと思う。日本の責任はすごく大きい。民主導でここまできたのがこのIT戦略会議であり、それのいい見本を私たちは持っているので、そこのところが重要かと思う。
 民主導ということで考えると、その次のセキュリティー政策の強化で、人的基盤が充実し、それから先日もほかの国と比べてセキュリティー関係の人材がどのぐらい厚みがあるかという話があったと思うが、そういったことも含め、しっかりと進めていくのはとても大事だと思う。
 ただ一つだけ、これは前回も言ったが、この国で気になっていることがある。これは民間の中でのITセキュリティーの力が、さっきの民主導ということであり、それから行政の方でのセキュリティーの力があり、この2つが両方バランスよくとれて、本当に強い力ができる。
 そうすると、民間側のセキュリティーの体制が、私の幾つかの観測では日本では少し弱い部分がある。従って、行政の側を強くするというのも1つのアジェンダであるが、これは多分民間の責任ということもあるが、民間側でセキュリティーの体制をつくるのが重要と思う。
 それに関連して、長野県の住基ネットの議論であるが、あれもネットワークの安全性を上げていくというプラスの方向に色々な話が出ていかなければならない。脆弱性のチェックというのは、私は訓練としてはとても大事だと思う。しかし、訓練というのは安全性を向上させるためにあるわけで、その議論と、システムとして幾つかのところに不具合があるということから、別の議論とすり替えられているというのは、多分これはいろいろな意味で不幸な例ではないかと思う。この辺りも含めてセキュリティーの関係のことを考えていただければと思う。
 それから、3点目、この規制改革の推進や、電子政府・自治体の推進、評価、これら全てに関わることであるが、例えばこのペーパーレス化、これはIT戦略の1のときのアジェンダで、これは関連する法律等の洗い出しをして、各省庁に全部チェックをしていただいている。その中でやはりできたことできなかったことがあり、これを是非庄山社長が座長をしていらっしゃる評価専門調査会でもチェックをしていただく必要がある。非常に進んだこともあるけれども忘れられていることもあると思う。
 ここでは、今まで私たちが議論してきたe-Japan戦略IIというのもあるが、e-Japan戦略でやはりアジェンダとして挙げられた重要なことがあり、これが本当に今どうなっているかということを評価すべきだと思う。これだけ社会が進化したのだから状況も当時と大きく変わっている。状況が変わっていると、もう一度リビジットすることによってまたすごい効果が上がる。あのときに紙はペーパーレスにしようよと言ったときと、今、ペーパーレスにしようよと言ったときとの意味が全然違う。聞いてくださる方の理解の度合いも変わった。
 だから、是非そのことも含めて総合的にe-Japan戦略のときのアジェンダも忘れずに、この評価等々を進めていくのがいいと思う。

 【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございます。
 e-Japan戦略のレビューの必要性というのはあると思うので、庄山社長の評価専門調査会の方でもよろしくお願いする。
 鈴木社長、続いて大歳社長から、お願いする。

 【鈴木社長】
 麻生大臣が先ほどおっしゃった、産業革命に匹敵するものだという事は全く同感である。産業革命はイギリスで進んだのですが、別にイギリス人が進めたわけではなくて、あそこにはあらゆる技術屋が集まった。集積する場がイギリスであった。インターネットはアメリカという場で発展した。その意味で日本でこうした形でIT戦略を進めることは世界的にも非常に面白い。
 現状、セキュリティー問題一つ取っても、技術的にはアメリカが先行している世界である。その意味で、日本のIT戦略の今後を考えると、サービス面だけでなく、通信サービスの基盤である技術とインフラにもう少し配慮していくべきだと思います。
 通信機器について、日本はかつてすごかったが、ITという分野では、庄山社長を前にして悪いが、かなり遅れた。その意味で、ITを支えるのは通信であって、それはインフラだったり、機器だったり、あるいはソフトウェアだったりする。本質的なところを、いつも配慮していく、あるいはそこを考えていかないと、こうした動きが本当に画期的なものにならないという気がいつもしている。私は別に否定しているわけではないが、そういったことを本当に支えているところに目を向けてほしい。
 つまり、いつも私たちは通信というと、最近はサービスにしか目がいかない。ただ、やはりそこはインフラと技術だということで、是非そちらの方に多大な関心を払ってほしいし、こういったことをやることにより、日本という場に、そういう技術とか資本とかが集積するような政策を是非打っていただきたいと思う。
 付け加えると、ICANNについては、村井さんがよくお話ししているが、今回そういった形で、民主導の在り方をグローバルにどうやっていくかというのは、今後難しいとは思うが、是非、慎重な対応を取っていただきたい。

 【茂木IT担当大臣】
 大歳本部員、お願いする。

 【大歳社長】
 世界経済フォーラム(WEF)から最新のIT報告が出されたが、日本は12位で、昨年の20位から韓国や英国を抜いて随分上がった。2005年に世界最先端のIT国家になるのが我々の目標なので、文字通り戦略を加速化して、1位あるいは最低でも5位以内というのが目標だろうと思う。
 加速化パッケージについて、3点述べさせていただきたい。
 1つは、村井本部員もおっしゃったセキュリティーについてである。これまでもいろいろ取り組んでおられるが、通信ネットワークも基幹の情報システムも非常に重要な社会インフラなので、関係府省毎の取り組みだけではなくて、やはり内閣レベルでの取り組みということで、予算や人材を是非強化していただきたい。その際、民間のスペシャリストの活用といった対応も重要だと思う。
 世界経済フォーラムの報告で、政策・規制という観点で見ると、日本は37位である。去年も37位、今年も37位と横ばいで、まだまだ規制によってIT化が思うように図れない部分があると、少なくとも見られているし、事実そういう部分があると思う。電子カルテの保存・転送や、帳票の電子保存など、もっともっと規制緩和をお願いしたいのが、第2点である。
 3つ目は、電子政府・自治体であるが、これは評価が随分上がっている。昨年の41位から14位へ急上昇しているが、それでもまだ民間企業や個人と比べると順位が低い。企業、個人はそれぞれ10位、12位なので、政府のIT化に関してはまだ低い。新聞にも41%の公務員の方々の給料が現金で支払われているという記事があった。情報発信や住民サービスは進みつつあると思うが、政府の中の業務プロセスそのものの改革、あるいは、職員IDのICカード化やテレワークも推進していくことが重要で、公務員の生産性や政府全体の効率の向上につながると思う。
 電子自治体についても、業務の共通化やシステムの共同化によって、更に効率の向上が図れると思う。そのためにネットワークのインフラ整備等を進めていただきたい。
 いずれも縦割ではなくて、やはり横同士の連携したプレーが重要になるので、小泉総理、茂木大臣の非常に強いリーダーシップで是非推進していただきたい。

 【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございます。セキュリティー関係は、内閣官房主導で予算確保もというお話であるが、16年度の予算もあるが、緊急を要する問題であるので、必要に応じて15年度の補正等々でもでき得ることがあったら考えなければいけないと思う。
 出井本部員からお願いする。

 【出井会長】
 このIT戦略会議を何のためにやっているかという本質であるが、麻生大臣も産業革命に匹敵するとおっしゃられたが、20世紀型の国家というものから21世紀に日本がやっていくための、基本的な日本の構造の抜本的な効率を、ITを使って上げていこうというところに基本があると思う。
 小泉さんがやっておられる構造改革というのは、基本的にはITを使えば、国も、企業も、国民も、より競争力がある社会に住めるわけで、我々は会社の中でやっている、例えばソニーのことを正直に分析すると、1993年や94年に、特にIBMなど、いろんな会社が構造改革をやった。そういうところに比べて、我々は10年遅れて企業としてやっている。例えばシスコシステムズという会社は2001年に構造改革をやっており、そのレベルまで、我々はこの3年間ぐらいでやっていかなければいけない。現在、まともに取り組んでいるが、ソニーの悩みというのは、基本的にブロック的に昔のものを大量につくって、大量に売るという会社になっているから、これはよほど腹据えて構造改革しないと、ITそのものを組織を変えずに入れようと思っても全く無理である。
 我々がそういうことをやっていくと、方々のそういうことを経験したところから、こういうノウハウがあるぞということを、勿論IBMの大歳社長を始めとしていろいろと享受いただいているわけで、日本は基本的にそこがポイントだと思う。
 今の組織のままITを入れたとしても、日本の競争力は本当に上がらないかもしれないということを考えてやったらどうかと思う。
 それから、ITは、確かに村井教授おっしゃったように民間で伸びたが、基本的には軍事技術が企業の商用化に至った間に大学が非常に協力した。ここまでくると国が使って、商用化されて企業が使って、個人がこれだけものすごく使っていると、日本のトラフィックはものすごく伸びている。この前も議論されたが、これは本当に爆発状態だと思う。
 そして、基本的にネットワーク上で大量のものを流すのは、本当に一遍考えてみないと、何がインフラで何がネットワークで、例えばテレビみたいなものでばっと流す方が、もしかして能率的かもしれないし、これを併せて使うことも考えられる。この辺でやはりインターネットって何だろうかということをもう一遍考えてみないと、もしこの国に地震だとかいろんなことがあったら、これに頼っている企業は全部だめになってしまう。そういう面で小さなセキュリティーというのも確かにあるけれども、例えばウイルスのメールだとか、そういうメールみたいなことを超えて、もしかして本当に何か起こった場合、それでも大丈夫だというような強いネットワークというのが必要ではないかと思う。まだどこの国もそういうポリシー持っていないから、水道とか電気とか家と同じようなライフライン的な強いネットワークはどうあるべきかについて、村井教授、和田社長、鈴木社長と、IT戦略本部には通信系の専門家がおられるので、再度、是非専門家で議論を進めていってほしいと思う。日本としてのインフラはいかにあるべきかについて、しっかりとした考えをもてば、先ほど、麻生大臣が出られたような世界情報社会サミットや、FTA等における、非常に有力な外交の武器になると思う。この辺の基本的な考え方をまとめることで、勿論細かい連続的な改革も必要で、庄山社長がこれをお引き受けいただいたことに関しては、非常に心強く思っているが、そういう面で、そこをやっていくとIT戦略本部の次が見えてくると思う。私なりの回答を持って言っているわけではないが、この脆弱性というのは住基ネットがどうのこうのという問題ではなくて、もっと大きな問題が私はあると思うので、是非ともそういう見地からこういう場で有効な話ができればいいと思う。
 あと南場代表取締役から何回も御発言いただいた、ベンチャーに対する政府の調達の拡大ということも、今日メンションいただいて非常によかったと思う。ややもすると大企業と政府ということになりがちであるが、このベンチャーがたくさん出てくるということが活気づけることなので、是非ともその面も今後もよろしくお願いしたい。

 【茂木IT担当大臣】
 どうもありがとうございました。
 今、御指摘のあった大きなセキュリティーというか、強いネットワークの話、一度できたら次回の有識者会合でも少し深く議論ができればと思うので、よろしくお願いする。
 竹中大臣からお願いする。

 【竹中内閣府特命担当大臣(金融・経済財政)】
 今、出井会長がおっしゃったこと、非常に今日的なことだと思うので、私も一言だけ是非付け加えさせていただきたい。3年前にIT戦略会議が始まり、それこそ出井会長や村井教授と一緒にこれを始めたときと比べると、日本の状況は本当に夢のように変わったと思う。
 そういう時期であるからこそ、今、冒頭でおっしゃったそもそも論、本質論は大変、重要だと思う。
 一言で言えば、まさにe-Japan 戦略を加速するということを今、我々は議論しているが、そもそもITは、構造改革を加速するために活用できるのだと。まさに経済を、社会を、そして経営を改革するためにIT化、デジタル革命が活用されたのだと。そこが一番重要なポイントだと思う。
 そういう意味で、例えばテロとの関係で、セキュリティーが大変重要になっている。そういう意味では先ほど御指摘があった国家公務員の身分証明書をICカード化するとか、こういうのは戦略的にプランの中に是非入ってきてほしいと思う。そうすることによって、それが恐らく決済にも使えるので、新しいデジタルマネーのきっかけにもなる。これは国家公務員に関しては、今だってセキュリティーのためのカードはあるわけだから、それをICカード化するというのはすぐにでもできる。非常に即効性のあるポイントだと思う。
 これに関連して同じようなものが幾つかあると思うが、実は先般の閣議で成田空港で入管の際のラインのことが国土交通大臣と法務大臣から問題提起された。そういう意味では、実はパスポートをIC化すればいいということになる。これはテロ対策の観点からもなるし、まさにアジア戦略としての非常に重要な意味を持ってくる。こういう目に見えるものを是非入れていただきたい。
 改革という観点からは、地域振興が大事で、公的部門のアウトソーシングを今、議論しているが、これは実はe−ガバメントが進化すれば、それをまとめて、いわゆるスケールメリットを生かしながら、規格化してアウトソーシングすることが可能になる。
 そういう意味で、これは我々の責任でもあるが、構造改革を加速化するためにどのようにITを活用できるかという観点を、是非それぞれの素案の中に入れていく努力をさせていただきたい。

 【茂木IT担当大臣】
 それでは、宮内会長、よろしくお願いする。

 【宮内会長】
 今、茂木大臣からプレゼンしていただいたこの加速化パッケージは、いずれも重要であり、ここまでうまくやってきた政策を更に次につなげるという意味で、本当に推進できればという気持ちでお聞きしていた。
 規制改革について、いつも同じようなことを申し上げるかもしれないが、ここに書かれている以外のことで申しあげると、大くくりな枠というか、より民間活力が引き出せる大枠づくりという意味で、競争政策の推進、あるいは確立ということが、やはり規制改革の一番大きな枠ではないか。そこのところも全体の規制改革の推進の中で取り組んでいくべきだと思う。
 また、これからの技術を考えると、光ファイバーが非常に重要になってくる。これの敷設・共用化が、そこに自由な競争をどう入れ込むかということが、直ちに大きな問題になる。
 それから、もう少し大きく、日本全体に光ファイバーをこれから十分行き届かせるという意味では、だれがこの敷設を推進していくのか、この辺についての制度のしっかりした方針がないと、国全体としても資源の無駄使いになりはしないかという気がする。
 細かいことでもう一点申し上げさせていただくと、規制改革のところで処方せん等の医療関係のことが書かれているが、規制改革会議ではかねてレセプトの電子化をやっている。レセプトの電子って何だということであるが、これが電子化され、その次にカルテの標準化・電子化ということになると、医療の内容が非常にデータが集積され分析されるようになる。そうすると、医療の標準化が進み、診療報酬制度も現在の方法からいわゆる定額払い、あるいは包括払いというふうに移行できるわけで、医療の効率的で高度な改革ができる。そこまでつながっていく一番ベースのところである。
 これについて、例えば平成13年12月に策定された計画では、レセプトの電子化の目標が平成16年度で50%、18年度で70%という目標を設定しているが、実は今年の8月現在で4.7 %しか進んでいない。このままではほとんど絶望的かなという状況になっている。そういう意味では各論で、各論の中でもやはり医療全体に影響を与える一番入口のレセプトのところでもたついているという事実もある。
 そういう意味で、この内容については、評価がこれからあるということではあるが、そういう重要性に応じた評価をして、我々にまた問題提起をしていただくこが必要と思う。また総合規制改革会議とも密接な連絡を保って取り組んでまいりたいと思っている。

 【茂木IT担当大臣】
 先ほど規制改革の分野で遅れている分野の中の幾つかの例として処方せんの問題を挙げたが、宮内議長御指摘のように、レセプトの電子化も遅れており、大変重要分野だという認識を持っている。
 それでは、南場本部員、お願いする。

 【南場代表取締役】
 私もセキュリティーの件に関して1点のみであるが、やはり民間経済人の立場としては、インターネットそのものが麻痺することが、そういったサイバーテロのようなものが一番身近なものとして怖い。経済全体が麻痺してしまう可能性を含むものであり、技術的に守るということと、啓蒙活動もあると思うが、もう一つが取り締り、警察の部分だが、この部分を是非強化していく必要があると思う。
 小さい犯罪が大きい犯罪を呼んでいくというのが、これはリアルの世界と全く一緒だが、他人のサーバーにちょっと入ってみるみたいなことは、リアルの世界であれは他人の住居に入ると不法侵入ということで、悪いことだとみんなわかっているんですけれども、他人のサーバーにちょっと入るようなことが、これは違法であり、そして取り締まられることであることを、啓蒙すると同時に実際の治安活動としてきっちりと摘発し、取り締まっていくべきだと思っている。その辺が私どももIT関連のサービスをしていて、警察等の接点は非常に多いが、その意識が県によって随分温度差があるなと感じていて、これは是非全国的にレベルをそろえて、サイバー空間の、あるいはインターネット空間の治安維持ということを取り締まるという視点も必要だと思う。

 【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございます。先ほど来挙手いただいている、石原本部員、それから中川経産大臣の方からお願いする。

 【石原社長】
 先ほどもお話があったように、ITは、小泉内閣の構造改革の中でも顕著な成果が上がっている分野と評価しており、私ども企業の立場から申し上げると、特にDのITに関する規制改革の推進が、やはり生産性の向上、あるいは競争力の強化のために何よりも大事であると思う。
 その一例として、本日も「e−文書イニシアティブ」として、文書の電子保存ついて触れられているが、是非、本件の早期の実現をお願いしたい。ただ、この実現のためには、100 本以上の法律が関連しているという話も伺っており、省庁横断的な決意の下にお願いいたしたい。
 一方、既にワンストップ化が関係府省のご努力によって実現しているものもあり、例えば、輸出入・港湾手続のワンストップ化がスタートしているが、まだまだ各省庁の様々な規制等もあるようで、この取り組みを更に推進していくことが重要であると思う。本件は、輸出入、あるいは物流等についての国際的な競争力という観点からも重要であると思う。
 E(評価)であるが、IT戦略関係の予算のうちの約半分が、先回の資料にもあったようにe−ガバメント、電子政府の関係で占められている。IT化のためのIT化ではなく、まさに業務改革あってのIT化、業務改革のためのIT化であるべきである。この観点で、本当に企業や住民にとって、フレンドリーで、やさしい行政サービスを実現していただきたい。
 民間の場合、その業務実態や業務改革は、市場原理によって評価されるが、他方、政府の場合には、事後評価がどうしても大事になってくる。その意味で、今回設けられた評価専門調査会においては、民間に関するところは市場原理による評価を原則とし、政府で行われる施策についての評価を中心にしていただきたいと考える。
 セキュリティーについては、皆さんも触れられているが、まさに各省庁の縦割の問題点をいかに排除していくかがポイントであると思う。また縦割の問題と同時に、国と地方公共団体の二重構造といった問題もある。住民にとっては地方公共団体が先ず直接の窓口になるので、国・自治体を総合した取り組みを是非お願いしたい。
 最後にアジア政策、Aであるが、先ほど大歳社長からもお話があったように、各国の状況を比較すると、分野によっては、正直言って我が国より大分進んでいる国もある。特にシンガポールなどが1つの例だと思うが、是非そういったところとの比較も行っていただき、我が国が遅れている部分については、キャッチアップするために何をしていくべきなのか、という観点も取り入れながら、活動につなげていただければと思う。

 【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございます。中川大臣、続けてお願いする。

 【中川経済産業大臣】
 今、本部員の方々から、ITを進めることの利便性とリスク、問題点という御指摘があったが、リスクの方で言うと、のぞき見、改ざん、なりすましというものが象徴的だと思う。具体的な面について、民間文書に関係するが、文書の領収書のIT化、これは党としても何年も前から議論してきたところであるが、文書でそのまま保存しなければいけない。このコストが経団連の試算では、年間3,000 億円もかかる、そしてそれが5年も7年も保存しなければいけないということであるので、これは大変な無駄だと思う。
 政府当局としては文字どおりのぞき見なり改ざんの危険性があるということだが、税調の方では国税事務の観点の仕事だということで、事務的にこの文書の真正性を守る前提で、積極的にこれを進めていかなければならないとなっているので、我々としてもその方向で努力をしていきたい。
 なお、竹中大臣から出たICカードの問題であるが、経済産業省としては、本人のIDと決済機能を付けたICカードを100 人〜200 人を対象に、今年度内に実験的に導入していきたいと考えている。

 【茂木IT担当大臣】
 先ほど来の議論の中で、かなり総務大臣に関連した分野が多いと思うので、よろしくお願いする。

 【麻生総務大臣】
 幾つかあったが、最初にこのアジアのIT分野の国際戦略の中で、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国に限って書いてあるが、逆にこの3か国だけやるかのごとき誤解を招くので、この際「など」を使われるか、むしろ別の国の名前を入れられた方がよい。
 村井委員から言われた長野県の住基ネットワークは、基本的には御存知のように技術的には審理がされておらぬわけである。指定情報処理機関への本人情報確認は、全く問題がない。あれは外から入ることもファイアーウォールでだめでしたし、問題は身内が中にある町内のドアを開けて、中に入って、それでいわゆるラックのかぎを開けるところまでやっているから、本当の意味で外から入ったという実験としては適格性をはなはだしく欠いている。
 しかし、あれだけ一回あの種のテレビで言われると、いかにもこの住基ネットに安全性がないかのように映るところが問題である。
 これはなかなか難しくて、既に役所としての記者会見等々で、この点はきちっと反論はしてあるが、おのれがしゃべったところをテレビで見るとどうなるかというと、いかにも悪党が、田中知事を切ったように見える。田中知事の方が、次にテレビでにこにこと笑いながら、町民・県民の安全を考えただけですと、これだけやられると、我々の言っていることが一切反論もしなければ肯定もしないので、これはいかにも田中殿下のごとく映るという図式となってしまう。
 3つ目のランキングの話が、大歳社長から出たが、今回もサミット会場にいる事務総局長等に、順位は何を基準に順位を付けているのかとコメントしてきた。ブロードバンドなんか出てない。ブロードバンドはヨーロッパではほとんど使ってないから、ブロードバンドの順位なんかほとんど考慮されてないというのは、これは美の基準を決めるのと同じで、何を基準に決めるかが明確でない。言いたいことはこちらもいっぱいある。こんなに低いはずがないという感じがする。3年前これをスタートしたときには、韓国の背中が遠くて見えなかったぐらいだったが、今回韓国の陳情報通信担当大臣で、三星電子から移られた人であったが、もう完全に幾つかやられたという感じで言われ、競争になっているとしたら結構強いところだと思う。
 最後に、先ほど中川大臣の言われた税務の話であるが、やはり日本でファックスというものがこれだけはやった最大の功労者はだれかといえば、これは大蔵省主税局である。大蔵省主税局は、日本で最初にファックスの領収書を認めたところ。だから、みんなファックスになった。そういった意味では、最大の功労者である。ついでに、ゴルフがこれだけはやったのは、ゴルフを交際費としては認めた大蔵省が一番偉いと私はよく言うが、それと同じことで、これはだれかが認めなければいけないところだと思う。そうすれば、これは少なくとも介入されるというけれども、フロッピーに保存すればそれと同じことという感じがするので、これは経費節減にものすごくなるので、是非という感じが私の率直なところである。

 【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございます。この加速化パッケージの中のインドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国しか書いてなかったのは、私が文章をつくったので、済みません。意図していたのは、このインドネシア、フィリピン、ベトナムとの協力を、他国へ更に拡大していくこと。文章については、もう一回工夫をしたい。
 ちょっと時間も迫っている。もしどうしてもという方がいなければ、締めくくりの方に入りたい。よろしいか。

(「はい」と声あり)

 【茂木IT担当大臣】
 今日の活発な御議論、幾つかポイントがあったかと思う。まず1つは、ITの分野の改革、小泉改革の中で最も進んでいる分野であり、このIT基本法に関しては、前回、そして本日の議論を踏まえると、近く3年間の見直しの時期を迎えるが、今後もその基本的な枠組みは有効と考えられるのではないかと考える。今の枠組みを当面の間継続することにしたいと思う。
 それから、住基ネットの御議論があったが、意見集約すると、今回の長野県の対応はあたかも住基ネットに欠陥があるかのような誤解を与え、これによって電子政府・電子自治体に対する、国民の不安感をいたずらにあおる恐れがあるというのが1点だったと思う。
 2点目に、いずれにしても政府としては今後とも安全・安心な電子政府・電子自治体の構築に向けて、引き続きセキュリティー対策に万全を期すとともに、国民の理解と協力が得られるよう努めていく必要があること。そういう2点に集約をされるのではないかと思う。
 3点目に、竹中大臣、中川大臣の方から、ICカードのお話があったが、民間では既にセキュリティーの観点からICカード、身分証明書として実際に使っている。ところが、霞が関の方はまだプラスチックのカード、偽造もできる、チェックも甘いということであり、ここは改善していく必要がある。
 霞が関の公務員全員で5万人になるかと思うが、ICカードを持たせると、セキュリティーは格段に向上する。同時にそれに電子マネーを組み合わせたら、利便性もふくらみ、健康保険証にもつながっていくということで、更に利便性もあり、それに伴ういろんな経済波及効果も出てくる。この問題については、そういう御意見もいただいたので、今回の政策パッケージの中に入れ込む方向で検討したい。
 今日の御議論を踏まえ、e-Japan 戦略IIの加速化パッケージについては、本日いただいた議論をベースにして、来年の1月の有識者会合において、再度議論を深めさせていただいて、次回の2月6日になるかと思うが、IT戦略本部会合において、その成果を提出したいと考えている。それでよろしいか。

(「異議なし」と声あり)

 【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございます。
 それでは、そのように取り運びをさせていただく。前回、総理の締めくくりの御発言の中にもあったように、e-Japan 戦略IIの加速化により、新しいビジネスとか、サービスが近未来にどんどん生まれてくるということで、前回は電子書籍、そして携帯電話の着メロをごらんいただいたが、今回は加速化パッケージの中にある、電子政府のインフラ、それからアジア各国との意思疎通、こういうことへの応用が期待されている、音声翻訳、こういった分野の最新の技術につき、大歳本部員の方から簡単なデモをお願いする。

 【大歳社長】
 今日ご紹介させていただく技術は、9か国語に対応しているが、読み上げた新聞の文章を認識して、文字にして、その文字を日本語から英語に翻訳して、英語を読み上げる。全部つなぎ合わせると同時通訳になるが、今の技術ではまだ少し時間がかかる。

  【向山日本IBM株式会社副部長】
  「これはIBMの音声認識と機械翻訳、そして音声合成を組み合わせたデモンストレーションである。」(読み上げた文章をパソコン上で英訳し、英語で読み上げ)
  では、新聞を読んでみる。
  「夫の勤務地、アメリカピッバーグでめくった1冊の電話帳。
  電子レンジ料理の生徒募集広告が、料理好きの主婦、千葉マチコさん(51)の人生を変えた。」(読み上げた文章をパソコン上で英訳し、英語で読み上げ)


 【小泉内閣総理大臣】
 これが機械でできてしまうのか。携帯になるのか。

 【大歳社長】
 近いものがある。この電子手帳は、命令したら、その指示に応答する。ここを押さえていただいて。(小泉総理に発声による命令をお願い)

 【小泉内閣総理大臣】
 カレンダー。来年のカレンダー。
 今日の予定は、いっぱいだ。

 【大歳社長】
 あとメールも読める。(小泉総理に発声による命令をお願い)

 【小泉内閣総理大臣】
 1番のメール。
 もし携帯の同時翻訳機ができたら、爆発的に売れると思う。もうじきできるんじゃないか。

 【和田社長】
 文章だったらできるが、話すのはなかなか難しい。

 【小泉内閣総理大臣】
 文章だったらもうできるのか。

 【和田社長】
 できる。

 【小泉内閣総理大臣】
 昔、高杉晋作なんかは上海に行って筆談していた。

 【和田社長】
 話し言葉で「え」とか「あ」というのは、大体文章になってないものが多い。

 【村井教授】
 英語はできる。テレビで字幕が出るが、あれは今かなり自動認識を使い始めている。

 【小泉内閣総理大臣】
 犬の言葉でもわかるのだから、できるぞ。

 【和田社長】
 音声認識は、その言葉が持っている意味の派生語というのをいろいろ結び付けてやるが、話し言葉というのは非常にロジカルじゃない。

 【小泉内閣総理大臣】
 人間の会話だってロジカルじゃない。

 【和田社長】
 そう。だから、非常に音声で同時通訳というのはなかなか難しい。

 【村井教授】
 でも、例えば手話とか、そういうものの方向で使っていくという技術にはとてもアシストになる。そういう応用分野もある。

 【大歳社長】
 車のカーナビでは、声で命令するから、触らなくてよいので安全である。そういうものも商用化されてきている。

 【茂木IT担当大臣】
 すばらしいプレゼンテーションをありがとうございました。先ほどの総理のメールによると、イラクは復興・人道支援だそうである。
 最後に、小泉総理の方から締めくくりのごあいさつをいただきたい。その前にプレスが入る。

(報道関係者入室)

 【小泉内閣総理大臣】
 いろいろありがとうございました。最先端のIT国家になるという目標に向かって、皆さんの御努力がだんだん成果を出してきたころだと思う。この目標に向けまして、日本国民もだんだんこのIT国家、個人においても、企業においても、自治体においても、中央政府においても、利便性を受けているなと、IT国家というのはすごいなというのをだんだん感じてきたのではないかと思う。
 今後この目標に向かって、最先端のIT国家になるという目標に向かって、一段の御協力、御指導をお願いしたいと思う。
 今日で今年は最後になるが、来年もよろしくお願いする。
 ありがとうございました。

 【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございました。この翻訳機はすばらしかった。

(報道関係者退室)

 【茂木IT担当大臣】
 次回の本部会合につきましては、来年の2月6日を予定いたしている。本日は皆様大変お忙しい中お集まりいただき、ありがとうございました。

(会合終了)


(別紙)

《 出席者名簿 》

 小 泉 純一郎内閣総理大臣
 茂 木 敏 充情報通信技術(IT)担当大臣
内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、個人情報保護、科学技術政策)
 福 田 康 夫内閣官房長官、内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
 麻 生 太 郎総務大臣
 中 川 昭 一経済産業大臣
 野 沢 太 三法務大臣
(欠)川 口 順 子外務大臣
(※荒井 正吾 外務大臣政務官 代理出席)
(欠)谷 垣 禎 一財務大臣
(※七条  明 財務大臣政務官 代理出席)
 河 村 建 夫文部科学大臣
(欠)坂 口  力厚生労働大臣
(※森  英介 厚生労働副大臣 代理出席)
 亀 井 善 之農林水産大臣
(欠)石 原 伸 晃国土交通大臣
(※佐藤 泰三 国土交通副大臣 代理出席)
(欠)小 池 百合子環境大臣
(※砂田 圭祐 環境大臣政務官 代理出席)
 小 野 清 子国家公安委員会委員長
内閣府特命担当大臣(青少年育成及び少子化対策、食品安全)
(欠)石 破  茂防衛庁長官
(※浜田 靖一 防衛庁副長官 代理出席)
 竹 中 平 蔵内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)
 金 子 一 義内閣府特命担当大臣(規制改革、産業再生機構)
 井 上 喜 一内閣府特命担当大臣(防災)
   
 石 原 邦 夫東京海上火災保険会社代表取締役社長
 出 井 伸 之ソニー株式会社会長兼CEO
 大 歳 卓 麻日本アイ・ビー・エム株式会社代表取締役社長
(欠)沢 田 秀 男横須賀市長
 鈴 木 幸 一株式会社インターネットイニシアティブ社長
 南 場 智 子株式会社ディー・エヌ・エー代表取締役
 村 井  純慶應義塾大学環境情報学部教授
 和 田 紀 夫日本電信電話株式会社代表取締役社長
   
上記の他、以下が出席。
 細 田 博 之内閣官房副長官(政務、衆)
 山 崎 正 昭内閣官房副長官(政務、参)
 二 橋 正 弘内閣官房副長官(事務)
 宮 内 義 彦総合規制改革会議議長
 竹 島 一 彦公正取引委員会委員長
 庄 山 悦 彦評価専門調査会座長