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第24回IT戦略本部 議事録


 
 

1.日 時:平成16年4月5日(月) 17:30〜18:30

2.場 所:内閣総理大臣官邸大会議室

3.出席者:[別紙]

4.会議の模様


(1)茂木IT担当大臣から開会の辞

【茂木IT担当大臣】 ただいまからIT戦略本部の第24回会合を開催する。
 本日は、報告事項2件と議題2件がある。報告事項として、1つは個人情報の保護に関する基本方針が閣議決定されましたのでその御報告と、2点目として「e-Japan 戦略U加速化パッケージ」、これはさまざまな御議論をいただいてきたところであるが、その進捗状況について2件報告させていただく。
 その後、本日の議題として評価専門調査会の中間報告書について、それからもう一点は「e-Japan 重点計画-2004」作成の基本的な考え方について、この2点を協議させていただきたい。後半の議題についてはまとめて説明を行った上で質疑に入らせていただきたい。
 なお、3月末付けで総合規制改革会議が廃止されて、この4月より新たに規制改革・民間開放推進会議が発足した。規制改革・民間開放推進会議の議長には、選任され次第この本部に御参加いただきたいと思う。本日は、規制改革・民間開放推進会議委員の内定者の代表で宮内委員に御参加いただいている。よろしくお願いしたい。
 それでは、報告事項の1点目であるが、4月2日に閣議決定した個人情報の保護に関する基本方針について、内閣府から説明したい。

【内閣府官房審議官】 個人情報の保護に関する基本方針について御説明いたします。
 個人情報の保護に関する基本方針は、個人情報保護法第7条の規定に基づき、4月2日に閣議決定されたものである。
 その内容の論点を幾つか申し上げると、国の構ずべき措置としては事業等の分野の実情に応じてガイドライン等の策定、見直しを早急に検討すること。個別の事案が発生した際には各省庁が迅速に対応するとともに、事例を蓄積、整備して関係省庁が共有すべきこと。事業者の取り組みにおいては、個人情報保護に関する事業者の考え方などの対外的明確化、個人情報保護管理者の設置等、責任体制の確保、従業者の個人情報保護意識の徹底が重要であることなどを盛り込んでいる。
 政府としては、最近の大規模な個人情報の流出事案の発生を踏まえ、民間の事業者における個人情報の管理徹底について3月12日に緊急に申合せを行ったが、今後更に来年4月の法の全面施行に向けて関係省庁が十分に連携を図り、基本方針に則した取り組みを決めることとしている。

【茂木IT担当大臣】 それでは、引き続き報告事項の2点目として、前回のIT戦略本部で決定した「e-Japan 戦略U加速化パッケージ」の主な施策について、その進捗状況を3点御報告させていただく。
 まず前回、前々回と御議論いただいた民間文書の電子保存の推進についてであるが、お手元の資料5にあるとおり全体として電子保存容認の方向である。先週の4月1日に各府省の協力を得て内閣官房に法案の準備室を設置し、今後法案の早期国会提出に向けて作業を本格化させたいと考えている。
 2点目として、セキュリティの政策についてである。セキュリティの体制強化のため、奈良先端科学技術大学院大学の山口英教授を情報セキュリティ補佐官に内定した。山口補佐官は今月よりほぼ常勤に近い形で情報セキュリティ対策についての全般的見直しと、重要施策についての助言、支援をしていただくこととなっている。
 3点目であるが、IT分野の国際戦略については今年の夏ごろまでに国際政策の基本的な考え方をまとめることとなっている。このため、近く幅広く意見を聴取し、議論を深める場として、国際協力に関する民間有識者等からなる私的懇談会、仮称であるが、「IT国際政策懇談会」を開催する予定である。
 以上、「e-Japan 戦略U加速化パッケージ」の主な施策について3点、進捗状況の御報告をさせていただいた。
 それでは、引き続き本日の議題の方に入りたいと思う。まず評価専門調査会の中間報告についてである。評価専門調査会には昨年12月から「e-Japan 戦略」及び「e-Japan 戦略U」の取り組みの状況について評価をお願いしていたが、3月30日、評価結果の中間報告書として取りまとめが行われた。本日は、専門調査会の庄山座長、國領座長代行にお越しをいただいている。御両名には大変熱心に御議論いただきました。4回の本会議以外にも相当メール等でやりとりを行ったり、200項目にわたる政府の要求に対して御議論をいただいた。庄山座長の方から、御報告をお願いしたいと思う。よろしくお願いする。

(2)評価専門調査会の中間報告書について

【庄山社長】 資料は、お手元に中間報告書ということで資料1(2)があるが、今日の御説明は「中間報告書概要」に従ってポイントのみを御説明させていただく。
 最初の「評価活動の経緯」であるが、今、大臣からも御説明があったように、都合4回ではあるが、その他にメーリングリストであるとか、色々な会合をこの他に持って、色々な形での意見を活発に出させていただいた。
 評価専門調査会は民間の立場のメンバーであり、特に事務方としては国領先生、あるいは村井先生の研究員の方、あるいは日立の研究員の方にも入っていただいて若い人、特に過半は女性の方々にも入っていただいて、現場を含めて実態調査をしていただいた。この間、3か月間でまとめるということに対して各府省から大変な御協力をいただきましたことを厚く御礼を申し上げる。
 2ページ目は「評価の基本的な考え方」である。あくまでも今回のものは利活用環境の整備ということがポイントであり、特にプラン・ドゥー・チェック・アクトというPDCAのサイクルを確立させる。そして、民間の立場で成果主義を中心として評価するという形をとらせていただいた。
 この評価の方法としては成果主義ということであるが、既にe-Japan 戦略あるいはe-Japan 戦略Uというものが出されているわけで、この全体評価というものについて総合的な視点からの評価を行った。
 また、今回は重点評価としては4項目、電子政府・電子自治体、ブロードバンド・ユビキタスネットワーク、あるいは教育・人材、医療、この4テーマについて、より踏み込んだ形での評価を実施した。
 3ページが「全体評価」に対しての考え方である。本計画は2005年までにインターネット利用環境は世界で最も整った国となることが目標であるが、この辺はかなり進んでいる面もあるが、やはり利活用面での課題があるという認識である。そのためには、目標達成に向けた取り組みとしてインターネット常時接続を市場原理で普及させた。これは非常にすばらしいことだと思うが、一方、更なる継続対応あるいは地域間格差の是正などが必要ということで、今回の調査報告書に書いている。
 また、戦略遂行の体制としてもここにあるように、総合的に推進する体系の整備、あるいは民間主導の体制の確立、達成年限や数値目標の明記などを遂行するようにお願いしているが、規制改革についても通信分野では世界でも稀に見る競争条件が整った一方で、インフラは整備されたが、利活用面での取り組みが遅れているという認識である。
 4ページは、国民が求める成果目標と行政担当者が目指す施策の実施目標との乖離があるということである。例えば、病院での待ち時間などについて、国民はそれを望んでいるし、行政もそれに近付いた形での対応が今後必要になるのではないだろうかということであり、提言としては成果目標と施策実施、アウトプット目標の2つの概念を導入したらどうかということであり、この重点計画には成果目標を設定していくということである。それから、より一層の調整能力であるとか、PDCAのサイクルを定期的に見直していくということ、あるいは長期の総合的な戦略の見直しは今後も必要だという認識である。
 以上が総合的な「全体評価」に対してであるが、以下4項目の「重点評価」について5ページ以降で御説明する。
 1番は「電子政府、電子自治体」ということである。「行政サービスの利便性向上」という意味においては、手続きの簡素化・廃止・統合による国民の利便性向上などが今後の課題という認識である。港湾設備のワンストップ化などかなり進んでいるところもあるが、まだまだ整備が必要ではないかというところもこの中に入っているし、文書の電子保存容認、これはかなり今、精力的に進めていただいているが、これらも更なる推進が必要ではないかと思っている。
 それから「情報の公開と市民参加の推進」では、政策形成過程の情報について、より一層の公開を進めるべきではないか。
 「政府・地方自治体業務の効率化」については、システムの標準化と仕様公開が必要であり、これらを実現する世界に先駆けた基盤づくりを推進していただきたいと思っている。
 2番目は「ブロードバンド・ユビキタスネットワーク」である。これについては、高速・超高速のインターネットアクセスへの加入可能数が既に当初の目標を上回る成果を挙げていて、今回の答申書で更に高い数値目標をチャレンジ目標ということで提言した。これは、実際の加入可能性が無線なども進んできたので増えていることも含めて描いている。具体的には従来3,000万世帯あるいは超高速1,000万というのが現状からすると4,000万で、更に無線を含めまして1,000万くらいにまでなるのではないかということで、その目標を上回るような成果を挙げているが、更なるチャレンジ目標を提言している。
 「無線アクセスによる通信環境整備」については、周波数の再配分である、あるいは「携帯インターネットによる通信環境整備」などについても述べさせていただいた。
 次に6ページであるが、「教育・人材」についてである。「IT人材の高度化」ということで、IT専門家の数は増加はしているが、より高度な能力を持った人材の育成が不十分と思っていて、ITのスキルを持った人材を増やさなければいけない。一方、受ける人もまだ少ないこともあり、この辺のところを是非推進していく必要があるのではないかと思っている。
 「専門職によるIT活用能力の向上」では、専門職大学院では実務家の受講を可能にする遠隔教育のニーズか高いということで、例えば医者であるとか弁護士であるとか、そういうことについても是非ITの活用能力の向上が必要なのではないかということである。
 「多様な学習スタイルの実現」についても、インターネット授業での単位認定の拡大、あるいは遠隔教育についての支援体制が必要だと評価している。
 4番目の「医療」であるが、医療機関あるいは部門連携については診療情報の共有を行う医療機関に対して、電子カルテ、レセプトについて、国の明確な支援の意思表示が必要ではないかと提案している。 「情報公開」についても、政府が積極的に情報公開に関わることが、今後ますます必要になるのではないか。
 「請求業務の効率化」については、先ほど申し上げたようにレセプト電算化を加速するために請求業務の効率化による中期的なコスト削減効果、それから電子レセプトを導入した医療機関に還元することも是非検討していくべきではないかという提言である。
 最後の7ページは「今後の進め方」についてである。「評価の継続」という意味において「2005年までに世界最先端のIT国家になる」というのが今回のIT戦略の目標であり、そのために私共は半年に1回程度色々な重点項目を含めた項目について提言を行っていこうと思っている。今回民間の立場で、いろいろな方々に事務方に入ってもらったが、そういうことから色々な意味においてIT化戦略の意図に従って関連している幾つかの施策の実施状況を明示できる手法の確立が必要である。あるいは、PDCAのサイクルをより徹底していく必要があるということである。
 今回、この3か月ほどで相当膨大な資料をまとめたことについて、各府省の御担当の方々の大変な御尽力に重ねて御礼を申し上げまして、中間報告とさせていただく。ありがとうございました。

【茂木IT担当大臣】 ありがとうございました。國領代理からのご発言はよろしいですか。

【國領教授】 結構です。

【茂木IT担当大臣】 様々な分野で貴重な御提言をいただいたことを重く受け止め、しっかり今後の施策に反映させていきたいと思っている。庄山座長を中心に、専門調査会の方々には引き続きよろしくお願いする。

(3)「e-Japan 重点計画-2004」作成の基本的な考え方について

【茂木IT担当大臣】 引き続き次の議題の「e-Japan 重点計画-2004」作成の基本的考え方の案について、まず説明をさせていただく。
 重点計画については、IT基本法に基づいて当本部で作成することとされているが、ただいま御報告のあった評価専門調査会中間報告書や「e-Japan 戦略U加速化パッケージ」等の施策の進捗状況を踏まえ、新たに「e-Japan 重点計画-2004」を作成する予定である。
 そこで、「e-Japan 重点計画-2004」作成の基本的な考え方の案を作成したので、私の方から説明をさせていただく。資料は2になる。
 1ページをごらんいただくと、「e-Japan 重点計画-2004」の基本的な考え方としてポイントが3つある。「e-Japan 重点計画」についてはこれまで2001年、それから2002、2003と3回作っているが、この重点計画2004は2005年度の予算に基本的には反映させていくということを考えると、このe-Japan の戦略において2005年に世界最先端のIT国家になるという仕上げの年、ラストプログラム、2005年の目標を確実に達成する施策に重点的に取り組むということが一つのポイントになってくるかと思う。
 同時に、「e-Japan 戦略U」においては単に2005年だけではなくて2006年以降も最先端であり続ける。これらを考えると、2006年以降の布石となるような施策も盛り込みたい。これが2つ目のポイントである。
 そして、そういった施策を進めるに当たっては今、庄山座長の方からも御報告があったようにPDCAのサイクルを確立して、成果目標を導入して、しっかりした評価を行って、どれだけ進んでいるのか、何を変えていくのかを見えるようなプロセスをつくっていきたい。これが基本的な重点計画2004のポイントである。
 次の2ページ目をごらんいただくと、まず2005年の目標達成に向けて施策の重点化・体制の整備をしていくということである。例えば「e-Japan 戦略U」を見てみると、その施策の中で先導的7分野と呼ばれているものがあるが、そこに施策をきちんとシフトというか、重点化をすることによって、ITの利活用を一層促進する。2004はこれが大きな目標になってくると思っている。そして、それを担保するために体制面においては、CIOの連絡会議等々を活用して省庁間の施策の連携強化を一層図ってまいりたいと考えている。
 「e-Japan 戦略U加速化パッケージ」で申し上げると、施策として6つの重点分野を定めているが、その重点施策の加速化を図っていくと同時に、体制面においては政策の加速化のための体制の整備として、例えばIT関係省庁連絡会議による府省間の連携を強化していく。そして、先ほど申し上げたように情報セキュリティ対策の体制の強化もしていきたい。まずは2005年の目標を確実にするための計画が重点計画2004だと御理解をいただければと思っている。
 3ページ目は、2005年の話、と2006年以降の話を明確に峻別をしていきたいということである。加速化パッケージは3つの分野があるが、その中の電子政府・電子自治体で申し上げても、2005年までの目標達成を確実にする施策として書面手続きの電子化の一環のe-文書イニシアティブを2005年にきちんとやりたい。その一方で、IT化が遅れている先ほど御報告があった医療等の分野の規制改革、これにつきましてはしっかりした芽を出して2006年以降拡大をしていくということで考えたいと思っている。
 また、ITの規制改革の話を申し上げたが、セキュリティの分野で言うとIT社会の安全を確保するセキュリティ政策の強化を先行させて、その上で2004年から始めるわけであるが、IT技術のセキュリティへの応用、例えば公務員身分証のICカード化、パスポートのIC化の推進といったことは2006年以降に発展し、効果を発揮する施策として位置付けたいと考えている。
 それから、電子政府・電子自治体に関しては電子政府、国の政府であるが、これを支える業務・システムの効率化を重点的に2004の施策として進める。その一方で電子自治体の構築、これについては進んでいる部分もあるが、若干時間がかかるということもあって、2006年以降に引き継ぐ政策として位置付けたいと考えている。4ページをごらんいただきたい。2006年以降への布石であるが、御案内のとおりIT革命を支える技術や市場は日進月歩であり、変化を見据えて将来のIT社会の種をまくという観点から、施策の選別に当たっては重点化を図っていきたい。こういったことから、継続施策の中でも今後廃止の検討も必要だと考えているし、拡充の検討、例えばモバイル、光技術、情報家電等の研究開発、IT人材の育成、拡充といったものもあると思う。同時に、新しい施策として、例えばe-Japan の加速化パッケージの中にも盛り込んでいるが、現実社会とサイバースペース上の制度の整合性をとるといったことも考えていく必要があると思っている。
 そして、そういったものを横串にして、今後の施策をきちんと評価していく体制、手法を導入する。5ページであるが、「e-Japan 重点計画-2004」においては、初めて過去の重点計画を評価して重点計画-2004に反映をしていきたいと考えている。この面では評価専門調査会の中間報告でしっかり反映させたいと思っている。
 そこの中で評価目標の導入、それからPlan、Do、Check、Act、このPDCAのサイクルの確立が大きな柱になってくるかと思うが、成果目標の導入に関しては先ほど庄山座長からもあったように、利用者側から見た成果と、具体的な省庁での施策の実施をきっちり結び付ける。それぞれがばらばらにやるのではなくて、成果目標とこの施策がマッチングするような形をつくっていきたい。同時に、成果目標の達成に貢献する施策については統合、連携化を図っていきたい。
 どういうことかというと、例えばオンライン手続き、自動車の登録などにおいても、それぞれの省庁毎のシステムではなくて、一つのところにアクセスをしたらその手続きは全部できるというワークショップをつくっていきたい。教育の情報化においてもインフラをつくる部分、コンテンツをつくる部分、この連携というものが今後重要であると考えていて、そういった成果目標の達成に貢献する施策を統合し、連携していく。このことを重視したいと考えている。
 最後に、今まで申し上げたことをもう一度整理をさせていただくと、これまで重点計画2002、2003で既存の施策としてIT利活用の促進、それから重点政策5分野、これはインフラ、人材の育成等々、それから研究開発等の横断的な課題という施策を取り上げてきた。これらの施策を踏まえて、重点計画-2004においてはまず「2005年にITの先端国家になる」このために目標を達成するのにどうしても必要な、重要な施策というものをきっちり選び出す。
 同時に2つ目として、2006年以降最先端の国家であり続けるために必要な布石、芽というものをきちんとこの重点計画2004の中に位置付けておきたいと思っている。そして、そういったことを横串できちんと評価するような体制をつくる。こういう考え方の下にe-Japan 重点計画2004を今後つくっていきたいと考えている。以上で、基本的な考え方についての説明の部分を終わらせていただく。
 それでは、先ほど申し上げました評価専門調査会の中間報告、そして今、御説明を申し上げた「e-Japan 重点計画-2004」について、一括して自由討議に移りたいと思う。それぞれ御自由に御意見を賜れればと思うので、よろしくお願いする。
 それでは、村井先生どうぞ。

【村井教授】 まずこの評価専門調査会の中間報告書には私もオブザーバーとして参加したけれども、皆さんご覧のように大変緻密なというか、大変熱のこもったというか、はっきり言ってこれを本当に続けていったらたくさんの人が倒れるのではないかと思うくらいの情報量があったが、当初多分予想した目標以上の非常に立派な評価をしていただいたという点に深く感謝をすると同時に、敬意を表したいと思う。
 それで、この評価は今、御説明があったように、我々が今まで取り組んできた「e-Japan 戦略」そのものの評価、それから戦略Uに関しての評価ということの両方が守備範囲になっており、結果として先程大臣から御説明のあった2005年に世界最先端という目標を実現するための基盤になる評価になったと思う。
 私が言いたいことはここからであるが、最先端になったという感覚或いは直感は私は技術者としてあって、多分この目標は達成できるだろうと思う。そして、2006年以降も最先端であり続けなければいけない。これも以前戦略本部で言わせていただいたことがあるのが、大変重要な側面だと思う。
 そして、技術的には、基盤として世界から着目される先端になり、本当にそうあり続けるということの意味はどういうことになってくるかというと、これはお手本になるものをどこかから持ってくれば先端でいられるということではないということである。つまり、これは作り出していかなければいけない。この中で大変重要な側面は、やはり最先端というのは世界との比較の中で日本が本当に一番クオリティが高い社会を作る。ITというのは全ての人の活動の基盤であるから、そのクオリティが最高であり続けるということは、グローバルな社会に対する非常に強いリーダーシップを持ち得るような機能をすべての分野で持っていけるということだと思う。
 ですから、その方向へ向けての今回の評価も大変重要であるし、先程大臣が御説明になった国際的な関係、つまり世界との位置付けの中でのイメージを持って先に進め続けるということと、それからリーダーシップという言葉が適切かどうかわからないが、そういうことを思うと、このIT戦略本部の責任は非常に大きくなるのではないかと思った。以上である。

【IT担当・内閣府特命担当大臣】 ありがとうございました。それでは、出井本部員お願いする。

【出井会長】 庄山社長、國領先生、大変御苦労様でした。國領先生は2回連続なので大変だったと思うが、大変よくまとまった緻密な報告書だと思っている。
 IT改革がここまで進んだということ、つまりインフラが整ってきたということは小泉総理の改革の一番の成果である。競争がある面では行き過ぎたとおっしゃる方もいるが、基本的には競争政策がちょうどうまく導入されたのではないかと思う。携帯電話も無線もあらゆる意味での競争の原理が働いてきたと思う。そういう意味では、フェイズ1を分析することによって将来やることが着実に見えてきているのではないかと思う。
 では、今後これをどうするかということであるが、この3年間で見ていると、ユーザーにとって便利ではないものはどうやっても受け入れられていない。例えば、いわゆる著作権が保護されている音楽をダウンロードで流そうという話がいろいろあった。アメリカで音楽業界がこぞって使いにくいシステムを提案したのだが、全く受け入れられなかった。我々も1999年くらいからいろいろ規格を作ってやっているが、音楽のダウンロードは難しく、アップルさんがiチューンなどを始め、日本でも携帯電話で着うたができて、それに伴いレコード会社の収益が上がり出してきて、これはすごいということで著作権をやっている人たちがその方に向いたという状況である。つまり、便利ではないものというのは全く普及しない。
 また、最近爆発的に普及しそうになっているのがICカード、電子マネーである。例えば、ソニーでも携帯電話分野で非接触型ICカードの技術を使って、NTTドコモさんと一生懸命やっていて、オープンなプラットフォームをやろうということで他社にも使っていただこうと思っているわけであるが、電話の中にICカードが入ることで、恐らくそれはスイカやエディなどと一緒になって日本の携帯電話会社のどこに入ってもお金がダウンロードできるし、音楽も聴けるしということで非常に便利になる。これは考えただけでも絶対普及すると思うのだが、技術的にはものすごく難しいが、それはソニーのものであっても、どこの会社のものであっても全部電子マネーができるということで、これは画期的に変わると思う。
 そういう面では、それに関連するインフラができただけでものすごく我々も盛り上がるわけだし、システムをつくっている企業にも関係があるようなシステムができてくるわけで、そういう意味では非常にいいことだと思う。
 では、今後どのようにやっていくかということであるが、余り技術を意識しないで皆が便利だというものをどんどんやっていただきたいということである。それから、IPv.6というのは随分初期に話題になった後最近は余り言われていないけれど、これは村井先生がおっしゃるように確実に来る。それを余り意識しないで使うということができるわけで、IPv.6を意識しなくても新しい電話やいろいろなものを使っていればそれが自然にIT環境になる。これは日本は絶対先端をいけるし、どんどんやるべきだと思う。
 それから、今アメリカの方を見ているとワイヤレスが非常に進歩している。802.11というものが余り意識されていなかったのであるが、今はほとんどイーサネットに代わって普及し始めているように、技術というのはものすごい勢いでオープンなプラットフォームに広がっている。それで、初めは家庭内くらいだったのが、町そのものがブロードバンドのワイヤレスになって、それと無線の携帯電話と両立するだろうと言われているが、これはこの2年くらいものすごい変化である。このようなものにはもしかしたら国家主権が働いて、日本のものと中国のものとで違うものができる可能性があるが、これはグローバルなものをやっていただきたいと思う。
 それから携帯電話であるが、日本の携帯電話は海外では一部を除いて使えないという非常に不便なところがあるので、やはり次にやるべきことというのは見えている。最近次世代をどのようにするかという話になっているけれども、これも今のワイヤレスの話と非常に関係があるが、どのように日本の携帯電話産業をデザインするかによって日本の産業が強くなることも弱くなることもある。日本の携帯電話メーカーが全部あわさっても韓国メーカー1社に及ばないというのは日本の携帯電話が日本固有のものであるということに起因すると思うので、グローバルなものをやっていただきたい。
 それからテレビであるが、今、地上デジタルが始まってデジタル化が進んでいるが、これもまだ不十分で、例えば、これとインターネットが結びついたシステムで日本に来るとテレビがすごいと言われるようになると、日本のコンスーマエレクトロニクス産業は盛り上がると思う。日本のテレビはすごいと言われるようなことをやっていくと、国民が自慢できるものができると思う。そういうことによって利活用が促進されるので、決して押しつけたようなものでは利活用は進まないと思う。
 日本国民が自慢できるような仕組みをどんどんやっていくことによって、日本という国は世界の先端たるリーダーシップがとれる。今はその普及がちょうどできてきたというふうに理解しているので、今後とも是非頑張っていただきたいと思う。

【茂木IT担当大臣】 ありがとうございます。ほとんどすべての分野をカバーしていただいたようであるが、重点計画-2004の中でも今、出井本部員からおっしゃっていただいたように、利用者の視点に立って利用者にとってどう利便性が高まるかとか、使えるものかということを基本に考えながら、それと省庁の施策をくっ付けていくということで考えたいと思っている。音楽のダウンロードは、価格がまだアメリカの倍はするのでよろしくお願いする。
 それでは、鈴木本部員お願いします。

【鈴木社長】 今、出井さんのおっしゃったように、適正な競争で日本のインターネットはアメリカの35分の1以下になった。適正な競争かどうかは議論の余地があると思うのであるけれども、提供者側から言うとほとんど儲けのないインターネットになっている。これは桁違いに安いということでサービス提供者側には分が悪いのであるけれども、世界中でも異例に安いということだけは申し上げておきたい。
 それで、申し上げたいのはこの中でインフラはいいから利活用だというようなことにはちょっと私は異論がある。いまだに私どもは十何年やっているけれども、電話業の方が作ったインフラのアーキテクチャーでヤドカリ的にインターネット、データ通信のサービスをやっている。つまり、今までは用意してくれていたものを使って私たちはやっただけで、決して40Gとかという新しいインフラを世界に先駆けて持っているわけではない。そういう意味では、インフラについては私は次のアーキテクチャーは世界最先端と言うには、現実には40Gといった従来電話がなかったネットワークのアーキテクチャーをつくり上げていくべきであろうということである。
 それからもう一つは、年々民間企業のIT投資についてアメリカとの差が付いていくばかりである。アメリカの説明によれば、IT投資によって生産性が向上して結果的にいいんだというような議論があるけれども、私共のサイドですけれども、IT投資は10年前と比べてもまだまだ乖離の幅が広がっている。もちろんIT会議でやって個人セクターで非常に大きな伸びを示したのはいいのだけれども、やはり世界のトップを走るということは、アメリカに負けないIT投資というものを企業自らがやっていかないといけないということではないか。90年代に比べると去年ベースで10倍以上の乖離がアメリカとある。アメリカはそこは生産性の伸びというような指標を出しているけれども、そういう点で必ずしも自画自賛しているばかりではなくて、その裏側もきちんとやりたいということである。
 最後であるけれども、最近ネットスカイQというようなウイルスが蔓延した。ああいったワームとかウイルスというのは世界のネットワークで弱そうなところを突いてくる。今回は日本がターゲットのような気がしたし、多分官庁でも大変な騒ぎになったと思う。そういう意味で、非常に安い価格でブロードバンドが提供されて常時接続をやるということもインターネットの一つであるが、これが世界の狙われやすい環境にあるということで、それへの対応をしっかりやっていただかないと難しい。機械の常時接続ということで無限にウイルスはいるので、そういった点を配慮しながら進めていくべきだろう。やはりグローバルというのは世界中で攻撃したら非常に被害が多そうなところ、あるいは弱いところに集中する。日本がこれだけIT会議のお陰もあって進んだということは、格好の対象になっているという認識を持ちながら、今後進めていただきたいと考えている。以上である。

【茂木IT担当大臣】 ありがとうございます。それでは石原本部員、大歳本部員の順でお願いいたします。

【石原社長】 先ほどお話があったように、短期間の間に極めて精力的に御検討いただき、かつ極めて示唆に富んだ報告をまとめられた庄山座長を始め委員の皆様に敬意を表したいと思う。
 このIT戦略を実効あるものにするためには、この報告書にもあるようにPDCAの実践が極めて重要であるということはまさに我が意を得たりという感じがする。したがって、今回の評価と提言が次期の重点計画の策定において十分に尊重されるべきであると考える次第である。今後の評価に当っては、ここで世界最先端のIT国家たる目標と言っているわけであり、客観的にこれを検証しながら前進していくためにも、先進諸国と比較する場合の尺度を明確にしていただき、その結果の評価も是非まとめていただき、海外にも発信していただければと思う次第である。
 その他、幾つか申し上げると、次期重点計画の策定に当って成果目標の設定が提言されているが、まさにそのとおりと思う。企業を含む利用者のニーズを踏まえて、できるだけわかりやすい目標にしていただき、なおかつ事後的な検証が必要と考える。
 それから、重点計画にはいろいろあるが、やはり電子政府・電子自治体関連が最重要ではないかと考える。それは何と言っても予算的に多額で、なおかつ国民生活への影響が大きいからである。昨年度末時点での政府の申請、届出手続きのほとんどがオンライン化される中で、いよいよ国民にとっての具体的な成果が問われると考えている。さらに、行政サービスのIT化は、我が国の経済社会活動全体でITが利活用されるための大きな先導的な役割を果たすものと思う。
 最後に行政サービスに関する施策であるが、先ほど茂木大臣からお話があったe-文書イニシアティブ、これについては関係省庁において前向きな検討が行われていると承知しているが、電子保存の具体的な要件の設定に当っては、より多くの企業が利用できるように、できるだけハードルを低くしていただきたいと考える。
 また、輸出入・港湾手続きのワンストップ化など複数の省庁にまたがる施策については是非利用者の要望を踏まえた検証可能な成果目標を立てていただいて、各省庁が実行すべき内容をスケジュール化し、明確化した上で連携して推進していただきたいと思う次第である。輸出入・港湾手続きについては業務改革の一層の促進を進めていただくとともに、評価専門調査会の評価対象にも加えていただければありがたいと思う。

【茂木IT担当大臣】 では、大歳本部員お願いします。

【大歳社長】 皆さんおっしゃっていますけれども、庄山座長、國領座長代理を始めとして本当にすごくいいまとめで、なおかつ具体的でわかりやすいと思う。心から敬意を表したいと思う。今後の進め方について3つほどお願いしたい。
 1つはブロードバンド、IT活用の環境というのは間違いなく着実な成果を挙げてきていると思う。ただ、世の中の変化も非常に早いので、既に指摘されているように、確実にチェックポイントを設けて評価をしながら次の高い目標に進んでいくことが大事だと思う。非常に身近なところで、少なくともアメリカ、シンガポール、インド、中国等と比べると、日本でホテルに泊まったときのインターネット接続、あるいはワイヤレス環境というのはまだまだ遅れていると思う。家庭などそれ以外のところはかなり完備しているのだが、懸念は海外から来た人がホテルに泊まってインターネットが使えない、ワイヤレスもないという環境がまだまだ日本にはほかの国と比べると多いと思う。そういうところも具体的にやっていけば効果が出やすいと思うので、注目していただければと思う。
 それから、こうしたことはすべて企業の競争力や個人の利便性につながるためにやっていると思うが、後で沢田市長がお話になるようですが、自治体の皆さんは非常に苦労をして縦割りのものを一つにまとめることをなさっておられるように思う。ですから、中央でいろいろなことに手を打たれるに当たっても部分最適ではなくて全体最適に対して目標を設定して、それに対する達成度合いを測ってもらえれば、自治体あるいは企業、個人がもっと助かるのではないかと思う。
 最後に、電子政府や電子自治体に関して、オープンな標準の採用、それからITの人材、これも質、量ともに確保する何らかの目安や達成目標の設定、更に政府、自治体の調達制度は随分改善はされてきているけれども、まだまだ課題が残っている部分があると思うので、そういった観点での取組みも是非さらにお願いしたいと思う。以上です。

【茂木IT担当大臣】 ありがとうございます。海外から来た人にとって日本がIT国家としていい国ということで、先日総理からカードの話もありましたが、ホテルでインターネットを使うという意味ではまだ遅れているというのは重要な指摘だと思う。
 それから、自治体関連については全体の最適評価というか、最適性を求める。そういう方向で庄山座長、國領座長代理以下に検討をいただいているという報告を受けている。
 それでは、引き続いて宮内会長お願いします。

【宮内会長】 e-Japan というのはやはり世界の最先端を目指すという意味で、現在日本の政策として最も成功しつつあるものだと思っている。したがって、そういう意味でだんだん要求水準が高くなるということにならざるを得ないので、そういう観点で申し上げたいと思います。
 評価専門調査会の中間報告書で書かれていることはほとんど本当にそのとおりだと思うけれども、例えば競争条件の問題でこれが整ってきたというのは確かにそうですが、一面でまだ競争条件という意味では、例えば電波の配分政策とか、放送通信というものが融合している。そういう中での光ファイバー時代の新しい競争政策というようなものを模索する余地があるのではないか。あるいは監視機関の問題はいつもここで申し上げてきたが、そういう面も海外でやはり日本より少し先にいっている部分があるのではないか。そういう先進例との比較というようなことも含めて、まだ取り組む問題があるのだろうと思う。
 ただ、ここでおっしゃっている利活用が問題だということもまた真実でありまして、利活用を高めていくということはITの分野だけが、例えば競争条件が整い、規制改革が進むということでは不十分であって、その利活用をする部分の市場化ということが実現しない限り、本当の意味の生産性向上というのは生まれてこないわけで、この重点計画の2006年以降の布石の中で例示されていた、例えば医療分野の規制改革がされない限り、幾らITが進んでも利活用が行われない。医療分野を一つ取りましても非常に多くのITの未活用分野、これから使っていくと国民にどれだけ便宜が図れるかという部分があるということを指摘させていただきたいと思う。
 そういう意味で、今度新たに規制改革・民間開放推進3か年計画でこの規制改革事項が記載されている。したがって、新たに生まれます規制改革・民間開放推進会議というところで当本部と連携をよくしながら、2006年以降、課題ということではなくて早期実現していくということで、連携も深めさせていただくことが重要ではないかと考えている。以上でございます。

【茂木IT担当大臣】 よろしくお願いいたします。
 先ほどから、電波の配分の問題や、電子自治体の問題が議論されているが、麻生大臣が大変熱心にメモをとっておられますので、麻生大臣からお願いいたします。

【総務大臣】 電波の割当て再配分をする。これはかなり積極的に事が進んでいて、今、免許をとっておられる方の未利用の部分においてはどいてもらう。
 それから今、言われた中で役所の方も結構この時代に合わせて事が進んでいて、今日お見えではないですけれども、例えば国土交通省は身体障害者、心身障害者等々を含めて飛行場に入る、駅に行く、何に行く、すべてITを使って全く差別なく、どうやったら全く問題なく、北海道の人が東京へ出てきても同じ機械を使って、周波数も全部合わせて全部いけるというようなものを考えて公共工事をやるというような発想に基づいて、ユニバーサルに参画できるというような大目標を掲げて、国土交通省は昨日本部を立ち上げておられると思う。これは結構各地方自治体ともにこういうことを進めていると思うので、大変いいことだと思っている。
 今回、庄山座長の中間報告書の中で私が見ていて一番大変だなと思ったのは人ですね。人材育成に一番手間がかかるかなと思う。セキュリティは大分いろいろな騒ぎも起きましたおかげで結構セキュリティというのは大事なんだなという認識がやっと広まったような感じがするし、私もそう思っている。
 最後に、前に鈴木本部員が言われたようにこれは非常に電気を使う。六本木ヒルズのすべての電力消費量の78%は1社、ワンフロアで使っているという話が出たけれども、こういったような基礎的なインフラというものは、電力などは一番中の一番なんですけれども、これは忘れられているような感じがする。これはすごく大事なところだと思うので、私どもとしてはこの点についてはコンテンツ、ダークファイバー、いろいろあるが、インフラの部分としては基本的に手を抜かずにやっていかねばならぬと思っている。

【茂木IT担当大臣】 ありがとうございます。時間の方が若干押しておりますが、もしどなたかお1人かお2人、簡潔に御発言いただければと思う。
 では、南場本部員にお願いします。

【南場代表取締役】 こちらの評価専門調査会の中間報告書は私も本当に力作だと思っていて、こんなにはっきりとわかりやすい文章はこちらの場では初めて見たと思うくらい、内容も充実しているんですけれども、8ページに2つの大きな指摘がある。成果目標と施策実施目標の乖離という御指摘と、それからもう一つは一番下にあるが、調整不足というか、各府省から提案された施策が相互の調整なく羅列されている感がぬぐえない。私としてはこちらの中間報告書をほめたたえるという立場ではなく、むしろこちらを謙虚に受け止める立場ではないだろうかと思っていて、今後その重点計画2004年を作成するに当たって、同じ施策の羅列に終わるということがないようにするためには、恐らく施策の詰め方も本来変わってこなければいけないんだろうと思っていまして、より実質的な議論が行われるということをこれまでとは本当に明確に違ったアプローチでやっていかないと、また同じ御批判をいただくのではないかと受け止める次第です。
 それから、同じ報告書の中に地域間格差の問題が指摘されている。これは、高度情報通信ネットワークだけではなくて普通のインターネットの利活用ということを見ても、首都圏がGDPに占める割合とインターネット上の売買に占める割合というものを比べると、インターネット上は更に大きい割合を首都圏が占める。逆に地方の県を見てみますと、GDPに占める割合以下の利用しかないんです。こういった本当は空間を超えるメディアであるべきであり、首都圏から距離があっても何ら関係なく市場や情報に参画できるというのがインターネットの良さ、そして高度情報通信ネットワークの良さであるはずですけれども、なぜか地域間の格差が拡大してしまうという問題が存在する。こちらで指摘されているのはインフラの問題ですけれども、利活用の面でも実は非常に奥の深い問題があるのではないかと思って、そこまで突っ込んだ議論を今後していかなければいけないと思う。それから、利活用の面や、需要の面だけではなくて供給者側についても議論しなければいけないという点については鈴木本部員と全く同じ意見である。投資の規模というだけではなく、技術のリーダーシップという点においても日本の産業がもっともっとリーダーシップをとっていけるようにということが非常に重要なポイントになっていくのではないかと思って、そちらの視点も今後重要だと思う。
 更に、最後のポイントですが、こちらの評価は非常にうまく機能しているというふうに本日わかりましたので、加速化パッケージというのは私どもがずっと特に重要な施策であるということでつくってきたものであるので、そちらの方の評価も引き続きやっていただけたらと思う。以上です。

【茂木IT担当大臣】 ありがとうございます。重点計画-2004に関連して3点あった。
 1つは、いわゆる施策の羅列ではなく重点化していくこと。また、省庁間の連携を更に強化していく必要があること。資料の2ページに書かせていただいている。それからもう一つ、国民の側から見た成果、そして省庁がやっているそれぞれの施策の目標を連結していくことについても、5ページのところでそういう方向で今後計画をつくっていきたいと考えている。では、中川大臣お願いします。

【経済産業大臣】 先ほどから一々なごもっともだと思って、庄山さんのレポートを中心に非常に勉強させていただいた。
 世界一ということで、一部分は世界一だし、これからまたずっと世界一を目指すということで我々も頑張らなければいけないんだか、実はアメリカも今年の1月に産業競争力レポートというものを出して、ちょうど20年前のヤングレポート、あれは競争力だったんですが、今回はどちらかというと雇用確保ということが全体で産業をどうやって強くしていくかということがポイントのようであり、もちろん研究、税制、投資、そして人材育成というレポートのようである。
 実は日本が世界一を目指すと頑張っていることは既に世界中も注目しているでしょうから、アメリカも、多分EUも、中国も韓国もインドも皆やはり頑張るんだろうと思うので、大変失礼な言い方かもしれませんけれども、そのときにこの中にはライバル関係の会社のトップの方もいらっしゃいますし、学会の方もいらっしゃるし、またより川下に近い側の方々もいて、さてオールジャパンで世界一を目指すというときにどうやって日本の力を結集するのか。もちろん各省が垣根を取り払い、ハードルを低くするということは総理のリーダーシップの下で大前提になるわけで、先週私どものところも非接触型のICカードというものを実験的に導入して、非常に便利だなということでスタートいたしましたけれども、結局は人材と総合力ということになるので、その辺を我々としても皆さん方に今後御指導いただきながらやっていかなければいけない。
 今日は、非常に勉強させていただいて検討をするための大きな材料をいただいたという印象だけ申し上げさせていただきたいと思う。

【茂木IT担当大臣】 ありがとうございます。活発な御議論をいただいたが、時間の関係で議論の方は以上で閉じさせていただきたいと思うが、よろしいか。
 それでは、評価専門調査会の中間報告書に盛り込まれたさまざまな御提言については、できる限り「e-Japan 重点計画-2004」の中に反映をさせてまいりたいと考えている。また、今後の進め方であるが、本日御説明申し上げた基本的考え方に沿って重点計画の案文の作成に入りたいと思っているが、よろしいか。 「異議なし」との声あり。
 それでは、そのように取り運ばせていただきたいと思う。前回のIT戦略本部において、沢田本部員から横須賀市が2003年のインテリジェントな世界自治体のトップ7に選ばれたという御報告があった。また、評価専門調査会の提言の中でも住民に身近な行政サービスを提供する自治体の電子化に関して、利用者の利便性の向上という視点を重視する必要があるという御提言をいただいている。これまでこの本部は既に電子書籍とか、先ほどありました着うた付きの携帯電話、更には読み上げた日本語の記事を英語に翻訳をする、テレビ電話によって住宅設計の作業をする、こういったデモも御紹介をさせていただいた。
 本日は、電子自治体に焦点を当てて、ホームページによる住民への地図情報の提供、ITを使った被害状況の即時把握、インターネットを使った電子入札など、最先端の電子自治体の取り組み事例について沢田本部員から御紹介をいただきたいと思う。 御紹介の前に、テレビカメラに入っていただくので、少しお待ちください。

(報道陣入室)

【沢田市長】 それでは、3点について簡単に御説明申し上げる。
 最初は、統合型地理情報システムである。ごらんのとおり、従来市民は土地に関する情報について調べるために、いちいち市役所を訪れる必要があった。そこで座布団2枚を横にしたような大きな地図を見て必要な情報を得ていたが、それを電子化することによって自宅からもインターネットで地図情報を入手することができるようになった。
 まず、基本的には地形図をベースにしている。地形図というのは、それぞれ何丁目何番がどうなっているか、あるいはこの場所が何丁目何番かということであって、それをベースにして、その上に航空写真を重ねると立体感あふれるものになる。あるいは、地形図を元に都市計画の図面を重ね合わせると、そこの何丁目何番というのは商業系の地域であるか、住居系の地域であるかという用途がわかるのである。今まで紙の地図ですと重ね合わせることができなかったが、電子地図だと何枚でも重ねられる。したがって、各部がそれぞれ持っている情報を何枚か重ねることによって、全庁的に同一の地図情報を共有することができるという利点がある。かつ市民あるいは事業所は自宅または事務所からインターネットを使って必要な地図情報を取得することができるということであって、利便性が非常に実感できると思う。
 この地図情報をまとめたものには、1日当たり約2,900件のアクセスがある。紙の地図を置くスペースがそれだけ要らなくなるし、倉庫が要らなくなる。あるいは、お客さんが見えた場合に重いものを抱えて持っていってめくっていって、場所がわかったらその場所に伴ういろいろな資料をまた取りにいくというようなことが要らなくなる。
 一方、庁内において各部局が情報を共有することができるということであって、ここには商工会議所その他いろいろなところから協力を得て、例えば病院や開業医がどこにあるか、歯医者さんがどこにあるかということを地図の中に落としているわけである。あるいは動物病院がどこにあるかとか、あるいは観光の名所はどこにあるかとか、どこの商店街が今セールをやっているかとか、横須賀海軍カレーの店がどこにあるかというようなこともこれによってわかるというようなことである。
 2番目は、三浦半島地域災害情報通信ネットワークについてである。これは、災害が起こって、左の大きな図面は大きな石が落ちてきたという景色である。そこに対して、3点セットというものがある。今、総理の前に置いてあるが、デジカメが1つ目、2つ目がパソコン、3つ目が携帯電話もしくはPHSである。この3点をバッグの中に入れて、消防職員が現地を見て、そこでまずデジカメで被害の風景を撮る。そしてパソコンに入力してそれを本部に送ることにより、本部にいて災害対策本部に詰めている人たちが現地の被害状況を文字情報を含めて知ることができる。

【内閣総理大臣】 これはどこか。

【沢田市長】 市内の走水という場所で、実際にあったものを撮ったものである。それが即座に災対本部に詰めている職員の前に映るわけである。それで次の指示を的確、迅速に行うことができるということであって、後ろを向いているのが私である。

【内閣総理大臣】 山のそばだな。

【沢田市長】 そうである。
 次に、電子入札についての取り組みである。今までは、市役所に業者が来ていろいろな情報を入手していた。例えばいつどこの場所でどういう工事の入札があるかという入札情報を取得していた。つまり、役所へ来て、役所の契約課の前の掲示を見てそれを知る。そうすると業者は何人かこれを見ているから、どこどこの業者が関心を持っているということがわかることになる。業者同士で顔を合わせるということが一番談合の元になるわけである。
 そこで、そういうことがないようにということである。

【横須賀市】 では、この部分は事務方から御説明をさせていただく。
 今、総理のお手元にあるパソコンと前の画面は同じ画面である。総理に電子入札を行っていただく。それで、ここでは総理は横須賀建設の入札担当者という設定にさせていただいていて、この画面が入札書の作成の画面である。この部分に金額を入力していただくけれども、本日は7,770万円と入力をお願いする。
 入札書が第三者に書き換えられたりしないように、今、暗号化をしている。この部分が暗号になった。
 これを送信する。このボタンをクリックすると送信する。それで、今、間違いなく市役所の方に届いたということで返事が返ってきた。こちらの画面は以上である。
 続いて、市役所の方で札を開く際の画面をごらんいただく。この設定では1億円を予定価格としてあるが、本市では最低制限価格を設けていて、入札参加事業者のうち安い方から10社の平均入札額の90%という設定である。それでは、落札者の候補決定する。
 このようになって、横須賀建設が落札ということになった。

【内閣総理大臣】 安ければいいというものでもないのですね。これは談合の余地はないですね。

【横須賀市】 これより安いところは2つあるが、最低制限価格を下回っているので対象外となっている。以上である。

【沢田市長】 以上でデモを終わらせていただく。貴重な時間をいただきありがとうございました。
 最後に、いいニュースを1つ御披露させていただく。前回に続いてなのでちょっと恐縮するが、横須賀市の今ごらんになった電子入札システムがWITSA IT賞の最有力候補になった。
 WITSAというのはワールド・インフォメーション・テクノロジー・アンド・サービシーズ・アライアンスと言って、世界情報技術産業会議である。世界を代表するベストITユーザーとして民間部門から2つ、公共部門から2団体、表彰されるわけである。2年に1回行っているが、今年はオリンピックも控えているアテネで5月に行われる。過去いろいろ見ると、クリントン前大統領とか、そういう方々が基調講演をする。そして、日本のみならず全世界から1,500人くらいのCEOクラスあるいはそれに準ずる方が出席をするような大会議であって、そこで横須賀市の電子入札が最有力候補ということでいわば内定ということになって、我が国で初めてというようなことになる。以上、報告をさせていただく。

【茂木IT担当大臣】沢田本部員、ありがとうございました。
 最後に総理より締めくくりの御発言をお願いいたしたいと思います。

【内閣総理大臣】どうもありがとうございました。庄山さん、国領さん、ありがとうございます。大変忙しい中で中間報告書を取りまとめていただきまして、厚く御礼申し上げます。
 今日議論になった問題はいずれも大事なことばかりであります。「e-Japan 重点計画-2004」については、本日の基本的考え方をベースに作業を進めまして、2005年に世界最先端のIT国家となるという目標に向けて更に皆さん方の御協力をお願いしたいと思います。
 今日は、私の地元である横須賀市の電子自治体の具体例を拝見いたしましたけれども、なるほど、これがITの恩恵を実感できるものかとよくわかりました。これからも皆様方の御協力をいただきまして真に世界最先端のIT国家になるように、格段の御協力、御指導をお願いしたいと思います。本当にありがとうございました。

【茂木IT担当大臣】 ありがとうございました。

(報道陣退室)

【茂木IT担当大臣】 以上で、本日のIT戦略本部を閉会したい。次回の本部会合については、改めて事務局の方から御連絡を差し上げたいと思う。本日、皆様にはお忙しい中お集まりいただきまして本当にありがとうございました。
 庄山座長、國領座長代理、本当にありがとうございました。

(会合終了)


(別紙)

高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部 名簿

 小 泉  純一郎内閣総理大臣
 茂 木  敏 充情報通信技術(IT)担当大臣
内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、個人情報保護、科学技術政策)
 福 田  康 夫内閣官房長官、内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
 麻 生  太 郎総務大臣
 中 川  昭 一経済産業大臣
 野 沢  太 三法務大臣
(欠)川 口  順 子外務大臣
(※荒井 正吾 外務大臣政務官 代理出席)
(欠)谷 垣  禎 一財務大臣
(※山本 有二 財務副大臣   代理出席)
(欠)河 村  建 夫文部科学大臣
(※原田 義昭 文部科学副大臣 代理出席)
(欠)坂 口   力 厚生労働大臣
(※谷畑 孝  厚生労働副大臣 代理出席)
 亀 井  善 之農林水産大臣
(欠)石 原  伸 晃国土交通大臣
(欠)小 池  百合子環境大臣
(※砂田 圭祐 環境大臣政務官 代理出席)
 小 野  清 子国家公安委員会委員長
内閣府特命担当大臣(青少年育成及び少子化対策、食品安全)
(欠)石 破   茂 防衛庁長官
(※中島啓雄 防衛庁長官政務官 代理出席)
 竹 中  平 蔵内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)
(欠)金 子  一 義内閣府特命担当大臣(規制改革、産業再生機構)
 井 上  喜 一内閣府特命担当大臣(防災)
 石 原  邦 夫東京海上火災保険株式会社代表取締役社長
 出 井  伸 之ソニー株式会社会長兼グループCEO
 大 歳  卓 麻日本アイ・ビー・エム株式会社代表取締役社長
 沢 田  秀 男横須賀市長
 鈴 木  幸 一株式会社インターネットイニシアティブ社長
 南 場  智 子株式会社ディー・エヌ・エー代表取締役
 村 井   純 慶應義塾大学環境情報学部教授
 和 田  紀 夫日本電信電話株式会社代表取締役社長
   
上記の他、以下が出席。
 細 田  博 之内閣官房副長官(政務、衆)
 山 崎  正 昭内閣官房副長官(政務、参)
 二 橋  正 弘内閣官房副長官(事務)
 宮 内  義 彦総合規制改革会議議長
 竹 島  一 彦公正取引委員会委員長
 庄 山  悦 彦評価専門調査会座長
 國 領  二 郎評価専門調査会座長代理