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第25回IT戦略本部 議事録


 

1.日 時:平成16年5月20日(木)17:20〜18:20

2.場 所:内閣総理大臣官邸大会議室

3.出席者:[別紙]

4.会議の模様


(1)茂木IT担当大臣から開会の辞

【茂木IT担当大臣】
 それでは、ただいまからIT戦略本部の第25回の会合を開会する。
 総理は公務で遅れるということで、この会議の途中から参加されることになると思う。
 本日の案件は、「e-Japan 重点計画−2004」についてであるが、その前に報告事項として、情報セキュリティ補佐官の任命について報告をさせていただく。情報セキュリティ補佐官の設置については、この2月6日のIT戦略本部で御決定いただいたわけであるが、これを踏まえて4月末に奈良先端大の山口英教授が情報セキュリティ補佐官に任命された。山口補佐官はまだ30代ということであり、これまでの経験を生かして情報セキュリティ対策全般について忌憚のない御意見を賜われればと思う。
 本日は、山口補佐官御本人に御出席いただいているので、一言ごあいさついただくと同時に、今後の情報セキュリティ対策についても簡単に御説明をお願いできればと思う。

【山口教授】
 ただいま御紹介いただきました奈良先端科学技術大学院大学より4月30日に着任しました山口です。
 私はずっと大学の方におりましたので、民間の企業の方々ともセキュリティ関係のことを一緒にやってきた。その中で、今回政府の中で活動をしていくということで、外から来た人間の視点と、それから情報システム、あるいは情報ネットワークの専門家の立場として頑張っていきたいと思う。
 ちょうど今日が着任をしてから2週間目になる。この2週間の間にいろいろな方々と話をして、現在政府の中で行っている情報セキュリティ施策のことに関して、私なりに課題だと思っていることを伝えたいと思う。お手元の資料の最後に資料2という形で付いているので、見ていただきたい。2ページ目のところであるが、セキュリティ対策をやっていく中で2002年に「キーロガー」というもので銀行のオンラインバンキングの情報がインターネットカフェで盗まれて、その後1,600万円のお金が取られるという事件が発生した。昨日の新聞でもこれは出ていたけれども、私はこの事件が発生したというのは大変ショックで、これまではウエブの書換えとか、そういったことはたくさんあったわけであるが、直接インターネットの利用者のインターネットの上で取り扱われる情報を使って事件が起き、実際に経済的な被害が発生したというのはまさにエポックメーキングだったし、また情報通信技術の弱点を突いた事件だったと思っている。
 次のページをごらんいただきたい。それ以降インターネットの上でもそうであるし、それ以外の情報通信システムを使った重要なシステムの上でたくさんのトラブルがこれまで発生してきている。みずほのこともあったし、また航空システムで我が国においてトラブルが発生している。更に最近は非常に一般的になってしまったけれども、ウイルスの蔓延の問題、更には運用システムが停止する問題、本日も報道発表があったけれども、個人情報の流出の問題というのが大変大きな問題になっている。これらは、国民に対して大変大きな不安を与えているというのが事実である。
 次のページをごらんいただきたい。最近、米国でも研究が進んでいるし、また我が国においても研究が始まっているけれども、重要インフラなどの重要システムというのはトラブルが一つの場所で発生すると、これは相互に依存しているのでどんどん時間の中でトラブルが伝播していってドミノ倒しを起こすということが大分わかってきている。このような解明に基づいて、いろいろな形での対策を官民一体となってやっていかなければいけないということが大分大きく認知されてきているのが現状だと思う。
 さて、2週間政府の中にいていろいろな方々と話をしたけれども、政府における情報セキュリティ対策というものはまだまだ行わなければならないことが数多くあると思っている。次のページをごらんいただきたい。
 第1に、情報システムというものが政府の中にあって、電子政府の進展に伴い、数多くの情報システムが政府内で運用されている状況にある。ただ、多くの担当の方々や対策を行われている方と話をすると、民間で起きていることと政府で起きることは多分違うというような形の意識を持たれている方がまだまだいるということが感じられる。情報セキュリティの問題は民間の問題だけではない。これは政府の問題でもある。その意味での意識改革がまず必要だと思っている。
 2番目に思っていることは、政府が抱えているシステム、あるいは取り扱っている情報は民間で扱っているものとは種類がかなり違うところもあるけれども、政府というものは多分このe-Japan の中でも安全・安心という言葉が出ているように、信頼感を与えて国民の皆さんに安心を持っていただくということが非常に大切であり、そういう中で信頼、あるいは安心感を与えるということは非常に時間がかかる。一方で、失うのはあっという間にできるわけで、そういう中で特に政府からの情報漏洩というようなもの、個人情報の漏洩というようなものに関して極力発生を抑制するような取り組みが今、行われなければならないと思っている。
 第3に、情報セキュリティ対策は単一省庁で取り扱う問題ではない。全ての省庁で協力し合って全体のレベルアップを図っていかなければ、どうしようもない状態にある。対策に関しては、各省庁が行っていることは数多くあるけれども、その中でも効率と整合性を確保していくということが今、一番求められていることだと思う。
 次のページをお願いしたい。セキュリティ対策には非常に多くの側面がある。特に技術の面に関しては多くのフォーカスが当たっているところがあるけれども、それ以外にも情報セキュリティあるいは情報の管理、あるいは人の管理といったようなところで、多くの道具が現在政府の中でもあると思う。例えば法律にしろ、省令にしろ、告示にしろ、いろいろなことがあると思う。これらの道具を有効に使って適切な、あるいは効果の高い対策を打ち出していくことが必要だと思う。
 ただ、これをやっていくと、多くの場合、私はよく言っているが、セキュリティ対策原理主義という形でどんどんシステムを使いにくくしていって政府内にも規制ばかりを加えていく。そういうことをしていくと、やはり今ITの利益を享受して政府の活動を行っていかなければいけないわけであるから、先進的な情報技術というもの、通信技術というものを取り入れ、メリットを最大にしながら、同時にセキュリティを守っていくという取り組みを継続的に行っていかなければならないと思っている。
 もう一つ指摘したいところは、この図で、トラブル発生源としてのユーザーの取扱いという書き方をしているが、ストレートに言って今までの政府内の情報システムのつくり方というのは、恐らく性善説に基づいたシステムのつくり方になっていると思う。すなわち、政府職員は悪いことをしない、あるいは間違いを犯さない。ところが、やはり重要情報を取り扱うユーザーに関しては性善説ではなくて性悪説あるいはトラブルが発生することを前提にしたシステムづくりをしていかなければいけないというふうに強く感じている。この辺りが今、形としてはかなり手薄なところになっているのではないかということをこの2週間で感じている。
 このような多くの構成要素を含んだ情報セキュリティ対策に関して、政府は省庁の枠組みを超えて一丸となって取り組むことが私は必須だと思っている。今後、有効な対策をどんどん打ち出して、国民の皆様からしっかりやっていると言われるよう、補佐官として頑張っていきたいと思っている。これをやるには、私個人だけでは到底できないので、各省庁の皆様の協力の中で行っていくことが必須である。
 そのようなところもあるので、これから頑張っていきたいと思うので、今後ともよろしくお願いする。どうもありがとうございました。

【総務大臣】
 最後まで頑張ってください。しばらくすると流されていってだんだんしゃべれなくなるから、今の勢いを落とさないようにしておかなければいけません。

【内閣官房長官】
 皆で彼を政府に引っ張ってきましたので、是非、皆さんよろしくお願いする。

【茂木IT担当大臣】
 めったに人をほめることのない麻生大臣が頑張れということであるから、頑張っていただきたいと思う。それから、山口補佐官だけではやはりできる仕事に限界があるので、是非内閣官房の職員、そして各省庁の事務方の方も全面的に協力していただければと思っているのでよろしくお願いする。

(2)「e-Japan 重点計画−2004」(案)について

【茂木IT担当大臣】
 それでは、本日の議題である「e-Japan 重点計画−2004」の案に入らせていただきたいと思う。「e-Japan 重点計画−2004」については、前回のIT戦略本部において御審議をいただいた「e-Japan 重点計画−2004」の作成の基本的考え方に沿って関係各省とも調整しつつ、取りまとめ作業を進めてきた。これについて、まず私の方から説明をさせていただく。皆さんのお手元に何枚かスクリーンと同じ紙、それから分厚いものも配っている。どちらでも結構ですので、ご覧いただきたい。
 我が国のIT戦略の場合、今まで御案内のとおりスリーステップを踏んでやってきた。2001年にe-Japan 戦略をつくりまして、この段階でインフラ基盤整備を進めた。そして2003年、昨年の7月であるが、e-Japan 戦略Uをつくり、基盤の整備から利活用、特に先導7分野を決めさせていただいた。そして、今年の2月に第3弾目のロケットであるe-Japan 戦略U加速化パッケージをつくらせていただいて世界最先端のIT国家を目指す。そのために必要な重点施策として、国際化であったり、コンテンツであったり、セキュリティ、こういった分野について明示をさせていただいたわけである。その中で、これらの3弾ロケットにつきまして重点計画、重点計画2002、2003とやってきて、今回の重点計画−2004が4回目の重点計画という形になっている。
 それで、この計画の内容である、今回の「e-Japan 重点計画−2004」は大きく言って2つの特徴を持っている。昨年までやってきた重点政策5分野であったり、横断的な課題、いわゆるIT基本法に基づいて各省庁の施策を束ねるということはもちろん重要であるが、同時に大切な分野として2つある。1つは2005年に世界最先端のIT国家になる。そのために一番大切な対策、2005年の目標達成を確実にする施策を加速化5分野、先導7分野、インフラといった形で特出しをさせていただいた。そして、2005年にとどまらず2006年以降も最先端の国家であり続けるために、プレプログラムとして2006年以降の布石となる施策を盛り込んでいる。こういう2つの特徴を持っている。
 それからもう一つの特徴であるが、このIT施策については各省庁間の連携が必要である。このことから、今年はIT関係省庁連絡会議もつくらせてもらった。それから規制改革・民間開放推進会議等々、他の会議との連携も進める。こういう連携体制を強化するということが1つである。
 そしてもう一つは評価手法の導入、前回のIT戦略本部において庄山会長から専門調査会の中間報告について御報告をいただいたわけであるが、これらからしっかりと「e-Japan 重点計画−2004」に反映をさせていただきたいことが2つある。その1つは、成果目標と各施策が乖離しないようにしっかり成果目標を出して、それと各施策を結び付けていくという形である。同時に今後はPDCA、つまり計画を立てて、その計画を実行して、それをチェックして、修正があれば修正を加えていく。このPDCAのサイクルをきちんと来年以降していきたい。こういう特徴の下で進めたいと思っている。
 今回の重点計画−2004は全体では368の施策が含まれている。その中には2005年の目標達成の施策の重点化・体制整備として141の施策、そして2006年以降の布石として12の施策、それからインフラであったり、人材教育であったり、電子商取引であったりという重点施策5分野について174の施策、そして横断的な課題として研究開発であったり、国際関係であったり、この分野で41の施策が含まれている。この中で特に重要になってくる2005年の目標達成のための施策の中の加速化5分野、先導的7分野、インフラ、更に2006年以降に向けての布石の施策、これについて若干補足的に説明をさせていただく。
 まず、加速化5分野については、見ていただいている6つの分野について、特に2004の計画では重点化をしていきたい。アジアの関係においては、国際政策に関わる基本的な考え方の策定を今年の夏ぐらいまでにやっていきたいと考えている。
 また、セキュリティ政策の強化、先ほど山口補佐官の方から基本的な考え方については説明をしていただいたわけであるが、各府省、政府全体で統一のとれた安全対策の推進を今年の6月までに方針体制を検討していきたいと考えており、重要インフラの情報セキュリティの確保、技術的水準、運用基準等の検討を今年度中に結論を出したいと考えている。
 同時に、ITで守るという側面もあるわけで、これについては、例えばパスポートのIC化の推進を今年中に実証実験をして、2005年度中に導入を図っていきたいと考えている。
 それから、コンテンツ政策の推進については2005年までに世界的に評価される魅力的なコンテンツが数多く制作され流通されるように、例えば今、国会にかかっているが、日本版のバイドール制度の拡充を本年度中に措置したいと考えている。それから、IT規制改革の推進については、何度もこちらのIT戦略本部の方でも御議論いただいているが、民間文書の電子保存を推進していくということから、e-文書イニシアティブという形でこちらの方に既に法案の準備室もつくらせていただいて、今年のできるだけ早いタイミングにこの法案を成立させるということで努力をしたいと考えている。
 また、電子政府・電子自治体の部分についても、2004年度までにワンストップサービスを整備していく。また、業務・システム最適化計画については各府省で、例えば給与のシステムだったり、そういった共通のシステム21、それからいわゆるレガシーと言われる個別府省の業務システム51等々について、最適化計画を2005年度末までに取りまとめていく。こんなことを考えている。
 それから先導的7分野についてであるが、つまり利活用の部分でどんなことを更に進めていくか。医療に関しましては、レセプトの電子化とオンライン請求の普及を促進する。2010年までに希望する医療機関に対して100%対応可能になっていく。こうするために、医療機関における電子レセプトの普及促進を2004年度中に検討していきたいと考えている。
 それから、食に関して、食の安全に対する意識は大変高まっていて、こうしたことからトレーサビリティのシステムの普及を2004年に始めて、2005年までに消費者が全部の国産牛の精肉の生産の履歴情報を確認できる体制を順次とっていきたいと考えている。
 それから、知の分野においては専門職が遠隔教育によって継続的に知識の向上ができるようにするために、2005年度までに遠隔教育を実施する大学の学部数を3年前の3倍にしていくということを考えている。
 それから生活の関連で申し上げると、来年度、2005年度までに家庭において日常の健康管理などに利用するために必要な、例えば在宅健康管理システムを実現していきたい。これについても2005年度である。それから就労・労働の分野においても、2005年度までに電子的な手段で情報を入手し、職を得る人を年間100万人にする。こういう目標の下にさまざまなシステムの改革を図っていきたいと考えている。大体、先導的7分野の主なところを御紹介させていただいた。
 3番目にインフラであるが、この分野については目標を再設定させていただきたい。インフラの整備がきちんと進んできている部分はある。しかし、更に高い目標を掲げ、そしてまた目標自体も明確にしていきたい。このようなことから、目標の再定義ということで高速インターネットのアクセス、これは今まで3,000万人であったが、これを4,000万人加入、そして超高速インターネットアクセス、これは1,000万であるが、高速インターネットアクセスの速さをどう定義するのか。これについて、高速、超高速インターネット、これも30Mb/秒というふうに具体的に超高速というのはどこまであると、高速というのはどこまでであるといったことも今回定義をさせていただいている。
 そして、2006年以降に向けての布石、主な施策である。最初の国際政策に関しては、これからアジアを中心にしてまずは二国間での協力を進める。しかし、二国間だけではなくて今後は標準化等々の問題がたくさん出てくるわけであって、いわゆる多国間のプログラムの積極的な推進を埋め込んでいきたいと考えている。
 それから、情報セキュリティに関しては研究開発、人材育成、セキュリティ意識・文化の定着と、政府全体でのより高度な統一性のある情報セキュリティ対策の実施を行っていきたい。つまり、例えばウィルスであったり、個別の対策もしっかりしていかなくてはならない。同時に、政府全体としてどういうことがあっても対応できるような体制そのものをつくっていく。こんな布石をとってまいりたいと考えている。
 それから、行政の情報化に関しては97%の行政手続きがオンラインでできるようになる。しかし、例えば自動車の登録をするとなっても、一つ一つの省庁に対して全部インターネットでやったのでは結局、紙と何ら変わらない。一回ボタンを押したら全部できるといった形のワンストップのサービスをやっていく。この推進が大きな課題になってきているし、中央政府レベルと比べて遅れている地方公共団体の業務・システムの標準化・共同化、こういったことも重要になってくると考えている。
 それから、人材・教育の面でも、これまで学校に対してネットが引けたという段階から、それぞれの学校でITを実際に使った授業をどれだけ実現するかということが重要であり、ITのメリットを最大限に生かした事業の実施等々の問題が出てくる。
 研究開発の分野においてはやはり国際競争力の維持に不可欠な、例えば光ネットワーク技術、次世代の半導体等、大切な技術の開発を行っていくことが必要だと考えている。
 電子商取引に関しては、電子商取引のボリューム自体はアメリカに次いで2位であるが、このボリューム自体を増やしていくということも非常に重要である。例えばここにあるように属性認証、医者、弁護士、こういった人たちがサイバースペースであたかも現実の世界と同様に活動できる、実施可能となる質的な意味での電子商取引等々を広げていく必要があるのではないかと思っている。
 インフラに関しては恐らく麻生大臣からあると思いますが、だれもが使える環境の実現、安さ、速さに加えてアクセスの実現ということも重要であるし、同時に情報家電のネットワーク化、ということも進めてまいりたいと思っている。大体、私からの説明は以上であるが、重点計画−2004においては2005年に向けてこれが実質的には最後の計画になっている。こうしたことから、2005年の最先端国家としての目標を確実にする。しかし、同時に2006年以降も最先端であり続けるために今から何が必要なのかといったことを考えた布石の施策を盛り込んだ、全体として368の施策から成っている。私からは以上である。
 それでは今、説明させていただいた内容も踏まて自由討議に入りたいと思う。どなたからでも結構です。
 では、南場本部員お願いします。

【南場代表取締役】
 大変わかりやすい御説明をいただいて、この重点計画−2004の案というのは非常に構成的にもわかりやすいし、評価専門調査会からの提言を受ける形で利用者の視点に立った社会的に実現した状態を示す成果目標というものを新たに設定するようになさったところは非常に評価できると思う。
 ただ、その成果目標の設定において、達成の時期と数値が明示されていないものがまだあって、そこは数値化が難しいものもあるかもしれないが、それであれば定性的な状態でも結構であるが、何が達成されたか、その評価の基準というものをはっきりと示していただけたらと思う。
 例えば、12ページの「コンテンツ産業の国際競争力強化」というところに書いてある、世界的に評価される魅力的なコンテンツが数多く制作され、流通されるようになるというのは、目標というよりもスローガンに近いものであって、こういった目標をもう少し達成したかどうかということの評価がはっきりできるような基準を示していただきたいし、そもそも当該施策の必要性の検討が必要な場合もあるかもしれないと思う。 あとは各論についてであるが、2005年の目標達成への施策の重点化についてのところで、「アジア等IT分野の国際戦略」の「基本的な考え方」のところであるが、ここが戦略です。日本が何を得るのか、何を達成したいのかというところがやや書きにくい部分もあるかもしれないが、国益として何を狙いにいっているのか。6ページ、7ページ辺りであるけれども、もう少しはっきりした方がいいという感じがした。
 更に電子政府・電子自治体のところで、当初から主張させていただいております技術ベンチャーからの政府調達の拡大についても、やはり目標を設定していただきたいということを再度お願いする次第である。
 最後に、「2006年以降に向けての布石」というところは、人材育成について関連する施策としてインターネット大学、大学院の設置基準の改正等が挙げられているのであるが、私の場合は技術ベンチャーではなくてサービス、それから流通のベンチャーであるが、システム開発等で大変優秀な若手社員に話を聞くと、小学校4年生とか小学校3年生のときからのインターネットやパソコンであるとか、ITへの触れ方というものが全然違った人間がやはり非常に優秀なパフォーマンスを示しているので、こちらに大学、それから大学院の施策が書いてあるけれども、もっと低年齢層からの教育育成というものを考えられてはどうか。それに関しては、重点施策に新たな項目というのはとても間に合うタイミングではないと思うが、今後の日本の競争力ということを考えたときに、若年層からのITの教育ということは重点の項目としてお考えいただきたいと思う。以上です。

【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございました。成果目標をできるだけ具体化していくということについてはおっしゃるとおりだと思っていて、もちろん定性的になる部分はあると思うが、更にレビューをして明確にできる部分についてはそうしていきたいと思っている。
 それから、国際政策についてである。これは今も実際に更に細かいことを検討しているが、なかなか相手もあることで余りぎらぎらし過ぎてもいけないということで文章の工夫が必要だと思うが、御意見を踏まえてもう一度検討していきたいと思っている。
 先日、私はスウェーデンに行ってきたのでが、スウェーデンで小学校4年生の英語の授業でパソコンを使っている。そういう形であって、早い段階からほかの授業であってもいろいろなことでそういったことに習熟していくというのは非常に重要な指摘ではないかと思っている。
 それでは、坂本副大臣お願いします。

【経済産業副大臣】
 経済産業大臣の代理で参りました副大臣の坂本でございます。
 電子政府について、アクセンチュアの調査では昨年の15位から今年は11位と着実に上昇してきている。法律改正などにより、制度面では97%の電算化が行われ、その評価で言うと世界第4位まできていると聞いているが、ただ、利用者の利便性の面では19位であって、合計では11位である。今後は、この利用者の視点に立った施策を盛り込み、世界最先端に向けてしっかり実現していきたいと考えている。
 また、今回の重点計画でただいまも話があったように成果目標を導入したことは大変意義深いことであって、成果目標を実現するためにはインセンティブが不可欠ではないかと考えている。
 例えば、英国では電子納税を行った場合は最高で50ポンドの税金を還付するという制度がある。これは日本円にして約1万円である。これと全く同じことを日本でやるべきというわけではないけれども、具体的な利用促進策の検討が必要だと思っている。例えば、経済産業省は特許出願については電子出願でない場合、書面1枚当たり700円余分に手数料を取っている。電子出願であればその700円を還付というか、インセンティブを与えている。現在、電子出願比率は96%なんです。これは書面ですと50枚くらい書類があるわけなので、大変である。それから、高さにして30センチくらいの審査がざらだと言うわけであるから、これを電子出願にしたときのインセンティブを考えれば非常にスピーディーになるということである。 いろいろありますが、この辺にいたします。

【茂木IT担当大臣】
 では、伊藤副大臣お願いします。

【内閣府副大臣】
 竹中大臣の代理として出席をさせていただいた。経済財政の視点から発言をさせていただきたいと思う。
 今、茂木大臣から話があって、このIT戦略というものは日本の競争力を回復し、そして国民生活を向上させていくために極めて重要なものだと考えている。今、経済財政諮問会議で基本方針2004の議論をさせていただいているわけであるが、その中でもこのIT戦略というものは極めて重要だ。そうした認識の中で今、議論を詰めさせていただいているところである。
 併せて、今日も評価手法の問題について大臣から話があったが、これは大変重要なことだと考えているところである。世界最先端を目指すということで、国際的な視点から成果目標を一つひとつ丁寧に設定して、実行する。そして、それを評価して、またそれを次につなげていく。こうしたことをしっかり確立していくということは大変意義深いものではないかと思っている。
 また、併せて予算制度の改革の問題についても議論をさせていただいているところであり、麻生大臣が政務調査会長のときにモデル事業の導入ということで、IT予算の向上のために政府にさまざまな申入れをされたわけであるが、そうしたものをしっかり私どもとしても受け止めて、このIT戦略本部のさまざまな試みというものを予算制度の改革、政策の質の向上にもつなげていく。そうしたことを私どもとしてもしっかりやっていかなければいけないと思っている。特にモデル事業の問題については電子政府関連の予算に幅広く導入をしていきたいと思っているので、本部の皆様方の御指導御鞭撻のほどを心からお願い申し上げたい。

【茂木IT担当大臣】
 先ほど来、成果目標、そして評価手法の話が相次いでいるので、評価専門調査会の庄山座長からお願いできればと思う。

【庄山社長】
 評価専門調査会の立場から、意見を申し上げたいと思う。
 前回の4月5日にここでいろいろ中間報告をさせていただいた。その中で、この戦略に描かれている達成したい成果目標と施策実施目標というのを区別して書いてほしいということを申し上げたら、今回の資料では全部そのように取り上げていただいたことについてお礼を申し上げたいと思っている。是非わかりやすい生活者の立場に立っての対応を今後とも評価の中心にしていきたいと思っている。
 それから、高速インターネットの4,000万加入とか、従来よりもインフラの高い数値目標をお願いした。これも50ページにきちんと書いていただいており、民間文書の電子保存拡大に向けたe-文書法、これは15、16ページに書いている。こういう形で、評価専門調査会から出した具体的な意見を十分に反映していただいたことについてお礼を申し上げたいと思っている。
 なお、この成果目標に関してはこの評価専門調査会の方で9月いっぱいに第2次の報告書をまとめるわけであるけれども、これに十分に反映してまいるので、府省庁の皆様方には引き続きよろしくお願い申し上げる。以上である。

【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございました。それでは、麻生総務大臣お願いします。

【総務大臣】
 この中で368の施策が出されているんですが、そのうち実に144が総務省関係ということになっているので、ちょっと責任の重さを感じているところである。これは完全にやらないと先に進まないのでしっかりやっていきたいと思っている。
 なお、総務省は2005年以降の話になるけれども、ユビキタスという言葉をこの間WSISで使わせていただいて、一応今、日本発のラテン語というのは珍しいとよく笑われるが、今はユニバーサルのUかという人が多くなるくらいUの方が出てきた。
 私どもとしては、少なくともITの安心も大事なところですが、ITによって安心した生活を送れるということで、少なくとも身体障害者とか心身障害者とか、また要介護者の人たちも普通の健常者と同じように生活に参加できるようにすることによって、避け難い高齢化の中にあって要介護者が普通に生活できるようにするシステムというものがもし仮に成功させられれば、活力ある高齢化社会として世界は間違いなく日本を見習うと私は思っているので、この方向にいきたいということでそういったものを考えているということだけ申し上げさせていただいて、いつか機会があればしゃべらせていただければと思っている。

【茂木IT担当大臣】
 それでは、出井本部員お願いします。

【出井会長】
 これだけIT戦略がどんどん進んで着実に進歩しているというのは、2001年に始めた当時では考えられないくらいの進歩で、この変化の大きさに驚くわけである。
 今、何が世界で起こっているかというと、いろいろなことが起こっているが、それを全部技術的な側面などをとって考えると、基本的には一人ひとりの個人がものすごい力を持ち始めていていろいろなものに影響を与えている。先ほどのセキュリティのアタックでもどこかで18歳くらいの若者が何かやった途端に世界中が麻痺したり、大学の先生がファイルのトランスファーだったり、いろいろなことが個人の力というわけである。
 それだけではなく、例えば銀行でもネットバンキングだとか、証券だとか、すごい勢いで伸びており、このままいくと個人のパワーというのがすごく上がってきて、後から歴史を考えると今は個人へのパワーシフトというのはすごいということになろう。それがいろいろな意味で影響を与えており、企業にも影響を与えつつあるし、自治体や国のアーキテクチャーそのものにもすごい影響を与えていて、真ん中にいるものが要らなくなってくる時代になってきているわけである。例えば、流通業界などは真ん中のところが厳しくなってきて、生き残るのはものすごく小さいか、ものすごく大きいかという状況になっているわけである。
 そういう意味では、このIT戦略本部というのは恐らくこのフェイズでもって、いったんはかなり今までの連続性でまとまるのであるが、これだけの各大臣が出ておられるからには、次は基本的には日本の国そのものについて政府の在り方とか、行政の在り方とか、何も省庁を減らせといったことではなくて、どうすればもっと能率のいい仕組みになるかということを基本的に考える時期にきていると思う。ものすごくパワーを持った個人と、それから政府の役割、企業の役割というのは随分変わってくる時期にきていて、日本はそういう面ではいいスタートを切っていると思うので、これは技術論ではなくて何かもう少し次の部分に結び付けることが必要である。
 先ほどのユビキタスの話になるけれども、麻生大臣が言われたようにユビキタスが進むともっと個人がパワーを持つようになって、企業とは関係なく、例えばミュージックをダウンロードしたらそれが次にファイル転送されてもユビキタスワールドになってだれにも止められなく状態になると音楽会社はどうやって食べていくのだろうと考えると暗くなることもあるのだが、それでも必ずもっといいシステムがあるに違いないと思うから、今度はトランスファーするファイルに何か番号を付けて、コンテンツは売っているけれども、それを開けるには承認が必要な仕組みをつくらなければいけない。ですから、ユビキタスワールドが進むと全然違うことになってしまって、セキュリティもものすごく違う考え方になってくるはずである。
 そういう面で、もし先導的なことを言うのであれもう少し飛んで、今までのことは全部実行することにして、2010年以後にどのようになるかということをから考えると、初めはブロードバンドなどはあり得ないと思っていて1万アクセスくらいしかなかったのが今は加入数が1,500万に達するくらいだから、この延長線上でいくということは、今の実行計画でこれだけすばらしいものができたわけであり、その先をやると、本当に先導的なことになるのではないか。
 米国ではブッシュ政権で今ごろブロードバンドとかいろいろなことを言い出しているが、そういう面ではかなりコンセプト的には追いついているか、もしくは先にいっていると思うので、ユビキタスのときにどういう産業ができるとか、個人がどういう得をするとか、政府はどうなんだとか、選挙の方法はどうなんだとか、最近いろいろ問題になっている払い忘れみたいなものは全部チェックできるような仕組みが必ずできるわけであるから、もう少し皆さんが得するような仕組みを考えていく。そこまできているように思うので、是非ともこの線で頑張っていただきたいという応援演説である。

【茂木IT担当大臣】
 払い忘れについては私も反省しております。
 今後に向けて、この重点計画−2004だけではなくて更にどうやっていくかということで大変重要な御指摘をいただいたと思っているし、これからe-Japan 戦略Vになるのかどうかわからないが、そういう頭出しをしていただいたという思いも持っているところである。
 では、村井本部員お願いします。

【村井本部員】
 私も2001年からのことを振り返ると、やはり状況はすごく違うと思っている。このIT戦略本部を始めたときは、日本が社会の中のいろいろな制度の中でITの環境、あるいはインターネットの環境が世界一高価で、要するに遅れてしまった、何とかしなければといった状況で始めたわけである。
 しかし、ちょうどこの計画で今日御説明いただいたように、2005年に世界最先端という目標どおり、これが最後のアプローチである。今年頑張っておけば2005年に目標が到達できる。手の届くところにきたかなと思うと、やはりこれは相当大きな成果があったのだろうという気がする。
 今日、最初に山口補佐官の方から非常に力強いお話があって大変よかったと思うけれども、行政システムのIT化ということで安心の規範みたいなものがこの国の中につくられなければいけないという中で、かつ先端に向けてということが前提だという話は大変重要なことだと思う。ユビキタスというのは我々の生きている空間、空気全体がこのITを基盤にしたものとして新しく生まれ変わるようなところがある。そういう意味では先端の情報社会というのはできてくるのですが、以前にも申し上げたように、私は実はこのモビリティとか、電波を使ったこういう空間の中での情報化とか、それから今もはや手にしたITの基盤、まだまだ課題はたくさんありますけれども、やはり先端にいくという目的は達成しつつあると思います。先程最初に申し上げた、遅れてしまったことを何とかしようかというスピリットとは異なり、これから先、今から取り組むのは2005年から先の話を見据えた話で、大臣もいわれたが私はもう開拓者だと思っている。
 これは、ほかにだれも経験をしていない世界をつくり上げていくというフロンティアのスピリットになってくると思う。そうだとすると、これは相当マインドが違うということだと思う。情報社会の開拓者としての役割を私たちは担い始めた。その意識はとても大事になるということが1点目である。
 もう一つは、そうだとするとこの次の話は茂木大臣からもお話があったように、フロンティア、つまり先端を走っていて、その中でいろいろな問題を抱えたり、いろいろなものに挑戦したりするわけですから、ある意味の新しい闘いとか、新しい傷とかも背負いながら私たちは前に進むことになる。このスピリットを、そろそろメッセージとして、今年の2004年には出していった方がいいと思う。我々はフロンティアなんだ。だから、ちょっとぶつかってくるものもあって傷もあるかもしれないけれども、でもその中で頑張っているんだ。これがフロンティア、開拓者というものである。追いかけているのではなく、そういうスピリットに切り換えて、是非メッセージを出していくべきだというのが2点目である。
 そうだとすると、今度は世界に対しては役割が変わってくる。この中でもアジア国際戦略というのが大分議論として出てきた。思い出していただくと、2001年にはこんなにも議論にはなっておらず、世界に対してどうするんだということよりもむしろ、早く世界最先端になりましょうと言っていたのです。それが、こういうことがどんどん普通に議論されるようになったということは、やはり私たちはフロンティアとして世界に対する大きな貢献の責任を感じてきたということだと思う。そうすると、このモデルをどうやっていくのかということでアジアから出発する、あるいはアジアでの責任ということがこの2004年の中でしっかりと書かれているというのはとても重要な意味を持っていると思う。まさにこの開拓者として日本の情報社会を開拓することが、世界に大きく貢献をしていく、いろいろな影響を与えていく。この責任を具体的に考えていくということが、これから1年間やらなければいけないことだと私は思います。

【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございます。コメントいただいた「世界におけるフロンティア」というニュアンスがもっときちんと出るように、若干の文章の工夫をさせていただきたいと思っている。
 では、鈴木本部員お願いします。

【鈴木社長】
 2001年にIT戦略本部ができてから、本当にサプライヤーとしてはもうからない時代ができたという意味では、IT戦略本部は画期的だ。アメリカの40分の1になっていいのかどうかはわからないけれども、ITの基本は情報通信の機器だったり、インフラだったり、あるいは技術だったりする。それで、当時と何ら変わっていないのは、ほとんど使う機器がアメリカの機器である。しかも、我が国からはなかなか出てこない。本当の意味で世界に貢献するというのは、新しいコンセプトの企業を作ったり、あるいは日本の非常に強い家電というような分野が通信につながるとか、そういった意味で私どもは使う側でトップかもしれないけれども、実際のサプライする側で本当にトップなのか。
 そういった意味で、抜本的な官民一体の政策を打ち出してほしい。今までどおりであれば、2005年になると本当にすべてのパッケージはアメリカ製になってしまう。なおかつセキュリティ問題もそこにあると思うけれども、産業としてのITと考えればインフラと機器というのは必須なものである。それを捨ててすべてのものを使って、使いこなすのがナンバーワンということだけではいささか寂しいということで、是非そこら辺に留意していただきたいと考えている。

【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございました。それでは、石原本部員お願いします。

【石原社長】
 非常にまとまった重要な計画だと思う。後は実行ということで、いかにしっかりと推進するかということがポイントではないかと思う。
 二点申しあげる。1つ目はいろいろシステムとか制度をつくるのは良いが、作っておしまいかということではなく、実際に使われなければ意味はない、使いやすくなければ意味がない、それから、安心して使えなければ意味がない、こういうことかと思う。したがって、そのような観点から先ほど山口補佐官から話をいただいたように専門家の方にも御活躍いただいて、また皆で協力して最高級のセキュリティを確保した上で政府間、あるいは国と自治体間の標準化であるとか、共同化も含めた効率的なシステムの構築を行うことが重要と思う。
 次に、システムや制度の積極的な利活用という点から申し上げると、先ほども話があったように例えばインセンティブの導入であるとか、あるいは要件の緩和ということが何よりも大事だと思っている。e-文書イニシアティブが今回取り上げられており、そこでは原則として全ての文書を電子化するというふうになっているが、できるだけ例外を少なくして、より広い範囲の書類を対象に含めることが何よりも大事なのではないかと考える。
 また、輸出入・港湾手続きのワンストップ化など、複数の省庁に関連する重要案件があるが、これはまさに政策目標を数値化した上で、各省の役割分担だとか、スケジュールというか、工程管理をしっかり行っていくことが必要なのではないかと思う。
 2番目は、少し観点が違って人材育成についてである。先ほど小さいときからの教育という話があったが、やはり世界最先端のIT国家というためには、技術やインフラの面で世界最先端であることも重要だと思うけれども、一方、我々国民がIT社会のルールであるとかマナーを守って利活用をフェアプレイで行うという国家であること、これがまた何よりも大事なのではないかと思う。よく情報ハイウェイなどと言っているけれども、ドライバーたる利用者が技術的な知識だけではなくて、先ほどのセキュリティであるとか、ルールであるとか、エチケットであるとか、いわゆるネチケットというようであるが、これらを十分に理解して行動しなければいけない。
 最近、著作権の侵害問題、あるいはインターネットの掲示板の行き過ぎた内容の書き込みの問題等があるが、そういった意味からいくと子どもはもちろん、国民各層におけるこの面での教育、あるいは広報の重要性というのはますます増しているわけであり、それをやってこそ本来の意味のITリテラシー、情報リテラシーということも言えようかと思うので、そのことも付言させていただきたい。

【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございます。それでは、沢田本部員お願いします。

【沢田市長】
 今日、世界情報技術産業会議のアテネの大会で、公共分野から世界で2か国、民間部門から世界で2か国、優秀なシステムについて表彰されるのですが、公共分野で横須賀市の電子入札が今日表彰されることになった。それから、民間分野でJR東日本のスイカが表彰されることになって、合計4つの賞のうち2つを日本が獲得するということで、世界の注目を浴びることになるのではないかと思っている。
 具体的なことについてであるが、先ほど来、教育のことが言われている。私も初等教育の段階からITを広範な学習分野で活用するための教育訓練が大事であると思っている。ITスキルの教育に合わせて、広範な学習の分野にそれを活用するということが初期の教育で特に必要であると思っている。
 そのためには、1つ目は教材コンテンツを充実させることだと思う。2つ目は、指導方法を開発すること、3つ目は、現場の教員がやる気を起こしていき、その普及を図っていくことだと思う。学校により、あるいは教師により、大変大きな格差が出ているので、教員の指導能力をレベルアップすることと、その格差をならしていくことが大事であると思っている。これらについては本重点計画の中に盛り込んでいただき、力を入れて取り組んでいただいていることに対して大いに期待をしている。
 2つ目は、観光客誘致のための情報化推進についてである。やがて総人口が減少していく中で、個々の地域でも例外なくというか、ほとんどの地域で定住人口は減少していく。したがって、これからの地域の維持のためには交流人口に着目して諸施策を展開していかなければならない。その中で政府が観光立国を考えているが、地域においても自治体においても観光ということに力を入れていかなければいけない。
 今は行政が指導をして企業を引っ張っていくという状況で、必ずしも行政と地域とが一体的にうまく動いていくというところまでになかなかなっていかないわけであるが、これからはそれが一体化していかなければいけない。そういう中で、海外からの観光客向けの観光ポータルサイト、「YOKOSO!」というのがあるが、それを全国の自治体の観光サイトへうまくつなぎ、アクセスを容易にするとともに、わかりやすい外国版のサイトづくりを自治体に対して支援していただければ大変ありがたいと思っている。以上です。

【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございます。それでは、規制改革の宮内会長御願いします。

【宮内会長】
 規制改革については、この4月から規制改革・民間開放推進会議というところで新たに規制改革に取り組んでいくということで、当本部との連携ということも非常に重要になってきまして、その点ではできるだけ協力して新しい形の規制の在り方ということについて検討を進めてまいりたいと思っている。
 2005年に世界最高のIT国家という非常に高いレベルの段階での規制改革ということを考えてみると、今後IT戦略本部においてはインフラ整備等、非常に大きな政策的課題について、言うならば省庁の壁を乗り越えてこの本部で積極的にそういう課題に取り組んでいただくということが、恐らくビヨンド2005年にとりまして非常に大きな、さらなる推進の原動力になるのではないか。そういう意味で、非常に高いレベルの話であるけれども、更に将来に期待をしたいと思う。
 それから、2005年の実際上のレベルについてどういうことになるのだろうということを考えてみると、一つの例として24、25ページに医療の問題でレセプトとかカルテの電子化の問題が出ているが、目標を達成いたしたとしても、これは実は世界最先端ではないのではないか。まだ先をいっているところがある。各論で見るとそういう部分が非常にある。インフラとしては世界最高水準だけれども、個別分野ではそうではないところがある。なぜそうならないんだろうというと、やはりそこに技術的な問題と、あとは施策がそれについてきているかどうかというところで、そのずれというものがいろいろなところで出てきているんだろうと思う。 そういう意味では、例えば書類の電子化ということについては非常に大きな進歩があるわけである。しかし、ただ書類を電子化したということだけでなく、そこにやはり手続きそのものの簡素化、効率化というものがないと本当の意味が出てこない。そういう意味で、本当に実質の生活そのものがITによって動いたんだという実感の持てるような方向性を今後求めていくことが非常に重要になるのではないかと思っている。

【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございました。御指摘いただいたように、全体的にはいい形で進んでいても、分野を細かく見ていくとまだ本当に最先端とは言えない。こういう分野があるのは確かだと思う。そういったことに対する施策をもう一段充実させていく。こういうことは今後大きな課題として考えなければいけないと思っている。
 では、和田本部員お願いします。

【和田社長】
 この2004年重点計画は非常に意欲的な内容であるし、仕組みも非常に意欲的だと思う。それから、先ほどの麻生大臣の方から、高齢化社会を活力あるものにするのに非常にこれは役立つという御指摘があって、私もそのように思っている。
 それで、大変期待は大きいけれども、ただ、今までの皆さん方の話を聞いていると、インフラ屋としての私にとりましては非常につらい話ばかりでありまして、アクセスの分野は確かに高速アクセスが進んできたが、バックボーンのネットワークというのは必ずしも爆発的に増えようとしているトラックを本当に信頼ある形でさばけるのかとか、しかもそれが今のような安いコストで賄えるのかとか、いろいろな問題がある。
 そういう意味では汗が出る思いをしているわけであるが、先ほど少し話があったように今、世界は日本のe-Japan 計画なり、私どもの取り組みなり、通信事業者であるけれども、全体の取り組みを見ている。非常に注目をしているので、そういう意味では2005年以降の先端的な取り組みというものは世界をも巻き込めるのではないかというふうに考えている。
 そういうことで、セキュリティの担当補佐官の山口さんもいらっしゃっているので、皆様方と相談し、意見交換しながら信頼できるブロードバンド、ユビキタスのバックボーンネットワークというものをつくり上げていきたい。それを通じて、世界における日本の技術力というものを示していきたいと考えているので、是非よろしくお願いする。

【茂木IT担当大臣】
 大変活発な御議論をいただきましてありがとうございます。まだ御意見はあるかと思うが、時間の関係もあるので取りまとめをさせていただきたい。
 各本部員の皆様、今日は特に民間の有識者の本部員の皆さんには全員御発言いただいたわけであるが、皆様からの御意見では重点計画の基本ラインについては御了解いただいたと思うので、本日いただいた御意見も踏まえて、速やかに「e-Japan 重点計画−2004」の案をパブリックコメントに付したいと考えている。その際、今日いただいた御意見も踏まえて、加筆修正等については私と事務局の方で適切に対処させていただきたいと考えている。
 なお、パブリックコメントを経ました最終案については、次回のIT戦略本部にお諮りをしたい。このような形で取り運びたいと思っているがよろしいか。

(「異議なし」と声あり)

【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございます。それでは、そのように取り運ばせていただく。
 この本部では、これまで4回にわたって最新のITの技術であったり、製品についてデモをごらんいただいたわけであるが、今日は山口補佐官からセキュリティの問題もあったことから、情報セキュリティに関連してコンピュータウイルスにつきまして鈴木本部員から御紹介いただきたいと思う。

【鈴木社長】
 セキュリティにも色々あるが、一番皆さんが経験しやすいというか、だれでも経験できるようなものの代表的なものとしてコンピュータウイルスがある。どうやった経路で感染するかというと、一般的にはメールとかホームページ、ファイル、よく添付というようなことになっているけれども、あとは直接コンピュータを攻撃するとか、結果としてコンピュータが使えなくなったり、自分のコンピュータのデータが大量に流出してしまうといったようなことが起こる。ただ、こういったウイルスをビジュアルにして御理解いただくというのは非常に難しくて、多分人間が病気になってもなかなかそのウイルスがどうなっているのかということは難しいかと思うけれども、ちょっと今、お見せする。
 通常の電子メールで、これは小泉内閣のメールマガジンですけれども、ここにウイルスが入る。よく添付というプログラムが付いているのであるが、それを開けようとした途端、この場合は花火が出るわけである。非常に愛嬌があるが、この花火が出た途端にウイルスに感染してしまうというような一つの例である。
 この一つの感染したパソコンが次々と他のパソコンを攻撃して、結局蔓延してしまう。世界に1つのウイルスがどれくらいの速度で蔓延するかというと、10秒足らずで世界中にウイルスが蔓延してしまう。特にインターネットの場合、こういった知識をほとんど理解していない方が多く使っている。つまり、昔、自動車の免許を持っていないで自動車に乗っているようなものだというような非常に危険性を申したことがあるんですが、こういったことに対して無関心でいる方が多いというようなことと、また我が国の場合は常時接続という形でして、常時接続というのはいつでもこういったものをパソコンが更新しているというようなことがなかなか理解されないということで、非常に危険性が高いというふうに考えている。
 それで、要するにブラウザークラッシャーということで、ホームページを見ている最中にかかっていろいろな悪さをするわけであるけれども、非常に気持ちの悪い画像が突然出てきたり、今日はお見せしないが、コンピュータが使えなくなったり、コンピュータが最悪は壊れてしまうというようなこともある。
 これは小泉内閣の官邸のウエブであるが、これがウイルスによってこういう形でどんどん動いていく。クラッシャーの例であるけれども、これがどんどん増殖して、気持ちが悪いんですが、こんな形に画面がなってしまうという経験をした方は多分いらっしゃるかと思う。
 こういったクラッシャーとか、さっきのウイルスというものをまき散らす人が世界中で日々そういった活動をして攻撃をしている。そういう意味では、非常にウイルスというようなレベルでも大量の、遊びも交えてですけれども、追いかけっこをしているというのが現状である。
 これは一つの先ほどの官邸の例であるが、自分のパソコンの画面が突然こんなことになってしまう。あるいは、あるサイトを押した途端にこういったものが出てきてパソコンが壊れて使えなくなってしまうというような例がよくある。
 非常に単純なセキュリティとして皆さん一般の方々がやってほしいことは、メールやホームページがウイルスに感染しているか調べて、感染していたらすぐウイルスを駆除するとか、あるいはワクチンでパソコン内のウイルスを駆除する。一番の前提はかぎをかけるといいますか、空き巣にねらわれるにしてもかぎを開けて入ってくる空き巣というのは割と少ないんですけれども、ファイアーウォールでネットワークからの攻撃を防ぐといった最低限のことをどうやって皆さんにやっていただくかということが非常に重要なのではないかと考えています。
 セキュリティ対策というのはここに書いたようにプロバイダーとして私どもはやっているけれども、危険なページのアクセスを遮断してくれたり、それぞれに入ってくるメールをチェックしてウイルスを駆除するような方策をプロバイダーはやっている。ただ、セキュリティというのはただではないので、安いということもいいのであるが、やはりこういったことにお金を払う。あるいは、こういったことが非常に危険なんだということを是非理解していただきたいと思う。

【茂木IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 今まで細田官房長官には副長官として御出席いただいていましたが、官房長官としての御出席は初めてでありますので、一言ごあいさつをいただきたいと思います。

【内閣官房長官】
 今日は文部科学副大臣の急遽の交替があって、宮中での発令行事がありましたので、総理大臣が出席することがとうとうできませんでした。私もこんな格好で最後に出てきましたけれども、大変失礼があったことをおわび申し上げますとともに、私も先般、急遽官房長官を拝命いたしました。これまでの御縁も深いわけでございますので、私も一生懸命やってまいりますし、また山口補佐官にもお願いしたわけでございますので、大いに今後皆で活用と言うと言葉は悪いんですけれども、日本国のために頑張っていただきたいと思いますので、何とぞよろしく御願い申し上げます。
 ありがとうございました。

(報道陣入室)

【茂木IT担当大臣】
 長時間にわたりまして御議論いただき、ありがとうございました。
 本日は「e-Japan 重点計画−2004」の案につきまして活発な御議論をいただいたわけであるが、基本的な方向について皆様の方から御了解いただいたということで、この後、この案をパブリックコメントにかけて、それを踏まえて次回のIT戦略本部で決定をさせていただきたいと考えている。
 それでは、以上で本日のIT戦略本部を閉会とさせていただく。ありがとうございました。



(別紙)

《 出席者名簿 》

(欠)小 泉  純一郎内閣総理大臣
 茂 木  敏 充情報通信技術(IT)担当大臣
内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、個人情報保護、科学技術政策)
 細 田  博 之内閣官房長官、内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
 麻 生  太 郎総務大臣
 中 川  昭 一経済産業大臣
 野 沢  太 三法務大臣
(欠)川 口  順 子外務大臣
(※田中 和徳 外務大臣政務官 代理出席)
(欠)谷 垣  禎 一財務大臣
(※七条 明 財務大臣政務官 代理出席)
(欠)河 村  建 夫文部科学大臣
(※馳 浩 文部科学大臣政務官 代理出席)
(欠)坂 口   力 厚生労働大臣
(※谷畑 孝 厚生労働副大臣 代理出席)
(欠)亀 井  善 之農林水産大臣
(※金田 英行 農林水産副大臣 代理出席)
(欠)石 原  伸 晃国土交通大臣
(※鶴保 庸介 国土交通大臣政務官 代理出席)
(欠)小 池  百合子環境大臣
(※砂田 圭祐 環境大臣政務官 代理出席)
 小 野  清 子国家公安委員会委員長
内閣府特命担当大臣(青少年育成及び少子化対策、食品安全)
(欠)石 破   茂防衛庁長官
(※中島 啓雄 防衛庁長官政務官 代理出席)
(欠)竹 中  平 蔵内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)
(※伊藤 達也 副大臣 代理出席)
(欠)金 子  一 義内閣府特命担当大臣(規制改革、産業再生機構)
 井 上  喜 一内閣府特命担当大臣(防災)
 石 原  邦 夫東京海上火災保険株式会社代表取締役社長
 出 井  伸 之ソニー株式会社会長兼グループCEO
(欠)大 歳  卓 麻日本アイ・ビー・エム株式会社代表取締役社長
 沢 田  秀 男横須賀市長
 鈴 木  幸 一株式会社インターネットイニシアティブ社長
 南 場  智 子株式会社ディー・エヌ・エー代表取締役
 村 井   純慶應義塾大学環境情報学部教授
 和 田  紀 夫日本電信電話株式会社代表取締役社長


上記の他、以下が出席。
 杉 浦  正 健内閣官房副長官(政務、衆)
 山 崎  正 昭内閣官房副長官(政務、参)
 二 橋  正 弘内閣官房副長官(事務)
 宮 内  義 彦総合規制改革会議議長
 竹 島  一 彦公正取引委員会委員長
 庄 山  悦 彦評価専門調査会座長
 山 口   英情報セキュリティ補佐官