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第27回IT戦略本部 議事録


 

1.日 時:平成16年 9月10日(金)16時30分〜17時30分

2.場 所:内閣総理大臣官邸大会議室

3.出席者:[別紙]

4.会議の模様


(1)茂木IT担当大臣から開会の辞

【茂木IT担当大臣】 総理は25分ほど遅れるということで、先に始めておいてほしいということであるので、ただいまからIT戦略本部の第27回会合を始めさせていただく。
 本日の案件は4件ある。
 まず1つ目が「評価専門調査会の第二次の中間報告について」。
 2つ目が「情報セキュリティ政策について」。
 3つ目が「各省のIT政策への取組について」、今日は総務省と経済産業省の方から御説明をいただく。
 4つ目が、前回も御議論いただいた「IT国際政策の基本的考え方等について」である。
 最初の議題は「評価専門調査会の第二次中間報告について」であるが、評価専門調査会では4月のIT戦略本部で第1次の中間報告をいただいたところである。その後も重点分野の評価をお願いしていたが、昨日第二次の中間報告が取りまとめられたということである。本日は、これについて専門調査会の庄山座長から御報告をいただきたいと思う。よろしくお願いする。

(2)評価専門調査会の第二次中間報告書について

【庄山社長】 庄山でございます。お手元の資料1−1及び1−2であるが、1−1に沿ってポイントだけ御説明させていただきたいと思う。
 1ページ目であるが、左側のところに書いてあるように、前回報告ではPDCAサイクルの導入により評価の位置付けを明確化する必要があること、、あくまでも利用者視点に立った評価を行うということを、それぞれ御提言申し上げた。その結果として、e-Japan 重点計画-2004にこの件を大幅に反映いただいたわけである。
 今回の報告は、まず第1に民間の改善手法を用いたIT戦略達成に向けた目標と施策の体系化を提案している。2点目としては、今後の評価を進める上での必要な成果目標の指標化の考え方を提示している。そして、3点目としてはIT人材と、電子政府、電子自治体についての体系化を行い、個別の評価を行っている。
 それでは、2枚目の「目標と施策の体系化」を御説明したいと思う。これは改善活動や品質管理でよく用いられる特性要因分析、いわゆるフィッシュボーンを応用したイメージのものである。さまざまな課題が絡み合うIT戦略ではこのように取り組みを体系化し、右端にあるような戦略目標である実現したいことに向けて取り組むべきことを明確化して、その阻害要因は何か、そして、更にはその要因を突破するための施策は何かを追求していくことが大切である。こうした体系化を行った上で、目標の達成状況を計測するために必要な指標を検討することも大切になってくる。
 3ページ目は指標についてであるが、2つの観点から検討をした方がよいということである。すなわち、利用者の観点からいわゆる利用指標というもの、それからサービス提供者の視点からの利用環境指標というような表現であるが、あくまでも利用指標としては例えば利用者の視点に立った成果主義の観点から、民間の利用者が行政手続きにかけている時間とコストというものがどれだけ下がったかというようなことを考えている。また、利用環境指標というところでは右にあるようにFTTHの世帯カバー率というものがどうかということであり、評価専門調査会はこの利用指標と利用環境指標の2つの指標でIT戦略の達成度合いを評価していくことを考えている。
 次に、この具体的な事例である4ページ目であるが、これは電子政府・電子自治体の例である。右端の戦略目標の達成に向けて、例えば質の高い便利なサービスが実現されるという成果目標と、その阻害要因やとるべき施策というものを整理している例である。電子政府、電子自治体についてはおおむねシステム基盤は整ってきつつあるけれども、やはり利用者の国民あるいは企業の視点から見た場合に成果を上げているかというと、まだまだであるという感は否めない。利用者の視点に立ったさらなる取組の強化が必要であると思っている。
 次の5ページ目であるが、成果目標の達成を図る指標についてであるが、いろいろな考え方があるのだが、このようにオンライン化率やその利用率にばらつきがある理由や、そもそも国民や企業の視点からはオンライン化率が96.2%となったことの便利さ、ありがたさといったITの果実がまだ実感としては出ていないという印象である。今後は、この利用指標の方をより利用者の視点に立ったものとして設定するなり、精査していく必要があると考えているわけである。
 6ページの図は、IT人材の例を示している。今回焦点を当てた初等・中等教育に関わる部分について見ると、例えばより多くの人が実生活の中でITを使いこなせるようにするという成果目標とその阻害要因であるとか、あるいはとるべき施策を例えばこのように整理をしている。また、教育におけるIT活用の満足度といった利用指標であるとか、校内LANの整備率といった利用環境指標についてもこの図の中に表現することができるわけであり、この図からこの阻害要因と施策を抜粋し、整理してみると次の7ページのようになるわけである。
 例えば、成果目標の達成を拒む要因である小中学校でのIT利活用への認識不足については、IT利活用の意識向上を目指し、ITを読み・書き・算盤に次ぐ第4の基本的な技能としての位置付けが必要であると考えている。
 最後の8ページは、今後の進め方ということについてである。次回は2005年の3月を予定しているが、今回提示した考え方に基づいて利用指標と利用環境指標の具体的な指標を提案する予定としている。また、残された重要な課題を取り上げて個別評価も行う予定にしている。いずれにしても、評価専門調査会はIT戦略本部と連携して元気、安心、感動、便利な社会の実現に寄与していきたいと考えていて、今後とも御協力をお願いいたしたいと思う。
 以上で、評価専門調査会の第2次の中間報告を終わらせていただく。どうもありがとうございました。

【茂木IT担当大臣】 庄山座長、ありがとうございます。座長を中心にして専門調査会の方で今回よく概念を整理していただいた。IT政策を進めるに当たって大きな実現したいことを戦略目標、それからその取り組むべきことを成果目標、そしてそれを妨げる要因と、その妨げる要因を突破するための施策を体系化していただいて、それから成果目標について達成の指標も利用者の側から見る。同時に、利用者の側から見ながらもそれを提供するサービスというのはどうなのか。こういう形から利用しようという利用環境指標の整理をしていただいたわけであり、これに沿って更にそれぞれの分野の御評価をいただければ大変ありがたいと思っている。
 議論については最後に一括して行いたいと思うので、引き続き2つ目の議題である情報セキュリティ政策に移りたいと思う。情報セキュリティに関しては、前回のIT戦略本部において情報セキュリティ基本問題委員会の設置について御報告をしたところである。この委員会には委員長である金杉NEC社長を始め、有識者の方々に御参集いただき、7月から官民における情報セキュリティ対策に関わる基本的な問題について御議論いただいているところである。本日は金杉委員長より、その検討の状況について御報告をいただきたいと思う。よろしくお願いする。

(3)情報セキュリティ政策について

【金杉社長】 金杉でございます。よろしくお願いする。
 それでは、情報セキュリティ基本問題委員会の検討状況について、お手元の資料2に基づいて御報告申し上げる。
 まず1ページであるが、情報セキュリティ基本問題委員会の役割である。IT社会の基盤となる情報セキュリティに関する国家としての戦略を専門家の知見を集約して、右の図にあるようにIT戦略本部に提言するものである。委員は左下に記載したとおりである。4月末から着任しておられる山口情報セキュリティ補佐官が事務局を取りまとめていただいている。
 それでは、委員会での検討内容の方向について次ページをごらんいただきたいと思う。情報セキュリティ問題はごらんの図のように最近いろいろと事案が発生している個人情報保護問題から企業及び交通、電力、通信等の社会重要インフラ、そして政府組織の情報インフラへの障害であるとか、サイバー攻撃への対策等、広範囲に及んでいる。
 そこで、当委員会では1次、2次、3次に分けてごらんのような予定で検討を進めてまいりたいと考えている。すなわち、情報セキュリティのグランドデサインや情報セキュリティ政策全般の実行体制と、それから政府自身の情報セキュリティ対策については第1次提言として本年10月末を、そして重要インフラの分野については来年3月末、そして個人情報、一般的な企業の情報セキュリティについては来年の7月末を予定している。
 そして、3ページに今後の「第1次提言の方向性」をお伝えしている。まず1として、情報セキュリティ政策全般の実行体制については国としてのグランドデザインの不在、または各省庁の独自対応、専門性の不足といった現状の課題を解消するため、各省庁の情報セキュリティ政策を専門的知見を元に一元的に評価する枠組みを設置することを検討したい。そして、政府自身の情報セキュリティ対策については民間部門に比べても対策が遅れていると言わざるを得ない状況を解消するために政府統一的な安全基準、セキュリティポリシーの策定と評価の実施、そして情報収集、分析機能の強化や関連機関間の連携の強化といったことに取り組みたい。そして、これらを実現するために政府としての中核機関の強化が必要であり、仮称ではあるが、国家情報セキュリティセンターを設置することが必要であるという認識が委員会の内部では一致しつつある。
 ちなみに、諸外国を見ましても同様の中核機関は米国の国土安全保障省の情報セキュリティ担当部門で800名、フランスで100名、英国で70名といった規模で政策を推進している。それに対して我が国の内閣官房の担当部局は現在17名であり、この大幅な強化発展が強く望まれると考えている。今後、更に詳細な検討を加え、10月末までに第1次提言をまとめる所存である。御出席の皆様方、戦略本部各位の御助言と御協力をお願いする次第である。以上である。

【茂木IT担当大臣】 ありがとうございます。内閣官房の方も鋭意増やしてきているが、それでもまだ17名である。アメリカが800名、フランスが100名、英国が70名、単純な比較はできないが、それにしてもまだ相当な差があると思っている。
それでは、引き続き御報告をお願いしたいと思う。3つ目の議題である各省のIT政策への取組である。本日は総務省、経済産業省の方からそれぞれのIT政策への取組状況について御報告をいただきたいと思う。
 まずは麻生総務大臣から、u-Japan 構想について御報告をいただく。よろしくお願いいする。

(4)各省のIT政策への取組について

【総務大臣】 それでは、資料3の1ページ目をごらんいただきたいと思う。先ほど庄山さんの方からお話があったように、インフラ面を中心としては目的がかなり達成直前で96%という数字も挙がっていたけれども、分野によって着実な成果が上がっているのは御存じのとおりかと思う。
 2005年の目標に向けては今、世界最先端のICT国家へということで、ここはプロの方ばかりなのであえて言う必要もないと思うが、インフォメーション・テクノロジーにインフォメーション・アンド・コミュニケーションズ・テクノロジーというCが入ったところが日本にとって大きな節目だと思っている。総務省としてはICTという言葉を使い始めるようにさせているけれども、この中に情報セキュリティを含めた安心・安全といったような最先端のIT国家実現を目指している。人口は減る、高齢化はするということで将来の問題が山積しているが、このICTという技術進歩によって少なくとも要介護者と言われる身体障害者、心身障害者、高齢者等々が健常者と同様に社会に参画できるか否かということは、高齢化社会の先端をいく日本にとってはものすごく大きな問題であって、和田NTT社長にほめていただいた活力ある高齢化社会というものを、私どもは基本的にはこの方向で目指している。だんだんその世代に私も近付いてきたので、特に基本的にこれだと思っている。
 そこで、2010年をターゲットとして、いつでもどこでも何でも誰でもという、いわゆるユビキタスという言葉を使わせていただいている。2ページ目をごらんいただくと、私どもはユビキタスという日本人が世界で最初に発信したラテン語だと思って多分、後世の歴史に名をとどめるだろうと期待しているが、ユニバーサルだとか、ユニークとか、ゴルフをやっている方々だとユーティリティとか、いろいろなUという言葉が使われた。今は高齢者であっても健常者と同様なことができれば納税者になり得るということで2ページ目、3ページ目にその概念、基本理念を書いている。
 4ページ目をめくっていただくと、将来課題と重要施策と上下に2つに分けている。生活者がどのような課題を望んでいるかというのは大体、私どもの調査でこんなところだと思っているのであるが、その上段に2010年の方向性というものを出してきたということである。
 その下に重要施策のパッケージとして書いているが、これはネットワークの高度化、産業活性化、利用環境整備と3分野に分けて書いているが、これらの戦略については2010年までのスケジュールなどを明示して工程表というものをきちんと作って、関係各省とも密接にやっていきたいと思う。
 次に5ページをめくっていただくと、中長期ビジョンをまとめる一方で早急に着手しなければならぬという、平成17年度の重点施策をまとめたものである。
 例として幾つか書いているが、IIJの鈴木さんが昔、言っておられたように、急増するトラフィックに対応できるバックボーンというのはかなり問題だと思っている。ここら辺はNTTなどはいろいろ悩みの大きいところで、端末はいいのだけれども、真ん中のところだけ抜けて、余りもうからないところは民間会社としてはなかなか金をかけないということになってくると将来問題だと思っている。そういった意味で、人材育成を含めこの点は考えなければいかぬと思っておるということが5ページ目、6ページ目に書いてあります。このu-Japan 構想というのは12月にはu-Japan の政策パッケージとして出したいと思っているので、この戦略本部においても次世代のIT戦略というものをまとめる必要があれば、是非このu-Japan の話も参考にしていただければということをお願い申し上げて、時間であるので終わります。

【茂木IT担当大臣】 ありがとうございます。
 それでは、続いて江田経済産業大臣政務官の方から、新産業創造戦略を踏まえた情報政策の展開について御報告をいただきたいと思う。

【経済産業大臣政務官】 経済産業大臣政務官の江田でございます。中川大臣に替わって、経済産業省の取組について資料4を元に説明をさせていただきたいと思う。1ページであるけれども、この1年、IT市場は御存知のようにインフラばかりではなく、情報家電や電子商取引など、さまざまな面で更に成長を遂げた。経済産業省としては1ページに示したようにe-Japan 戦略、新産業創造戦略を踏まえて3つの柱に沿って世界最先端のIT国家を実現すべくIT政策に取り組んでまいる考えである。政策の1番目はe-Japan 戦略の確実な実現であり、政策の2番目は情報産業の競争力強化である。そして、3番目はITを通じた信頼性社会の実現ということである。
 2ページであるが、第1の柱が「e-Japan 戦略の確実な実現」である。ITインフラ、電子政府などとともに医療等の先進的なIT利活用を実証実験などを通じて着実に推進する方針である。政府全体としては、この目標を明確化していくとともに、こうした取組へインセンティブを与えることも鍵となるのではないかと考えている。引き続き各府省が一丸となって取り組むことが重要と考えている。
 3ページであるが、第2の柱がITの担い手である「情報産業の競争力強化」である。特に新産業創造戦略の7分野に位置付けた情報家電とコンテンツ分野、そこで黄色で示しているが、この2つの分野の育成が鍵である。情報家電では産業界に選択と集中の具体的な動きも表れ始めていて、技術開発や標準化などを通じて競争力強化を図っている。また、コンテンツ分野では海外進出や知的財産保護などに力を入れていく方針である。今後、これらの戦略を実現するために具体的な取組を進めてまいりたいと思っている。
 飛びまして6ページであるが、この第3の柱が先ほど御説明もあった情報セキュリティの強化による高信頼性社会の構築である。e-Japan 戦略を実践して、この産業社会によるIT利用が進めば進むほど、情報化のインフラとしてこのセキュリティ確保が重要な鍵を握ってくる。内閣主導による政府サイドの取組は充実しつつあるが、諸外国と比べるとそこにもあるように体制整備とか予算の手当てにおいてはいまだ劣っている状況である。今後の重要な課題と思っている。同時に、当省としては特に民間サイドの取組のために技術開発や制度的な環境の整備を強化してまいりたいと思っている。以上である。

【茂木IT担当大臣】 ありがとうございます。総務省、経済産業省の方からそれぞれの省のIT政策の取組について御説明いただいた。先ほどの麻生大臣の説明を見ると、u-Japan 構想という形であって、2ページ目にUが4つに分かれている。アルファベットでも漢字でもやはりUは4つなのかなという感想を持った。

(5)IT国際政策の基本的考え方等について

【茂木IT担当大臣】  それでは、次の議題のIT国際政策の基本的考え方等に移る。IT分野の国際戦略については、前回の本部においてIT国際政策の基本的考え方について皆様から御議論、御意見をいただき、基本的な方向性について御了承をいただいたところである。皆様からの御意見を踏まえて、また関係省庁とも協議を進めて、より具体化した最終案を本日取りまとめたので、その内容について私の方から説明させていただきたいと思う。最終案についてはお手元のA4の縦長の4枚の文章を配布しているが、その内容について3枚のチャートで説明をさせていただきたいと思う。
 まず、アジアを中心とするIT国際戦略がなぜ必要かということであるが、1つはアジア、特にITに関連する特徴として、前回もごらんいただいたが、アジアと欧米の間で情報流通に相当な偏在がある。また、アジアの域内を見ても情報流通の偏在がある。しかし、一方でアジアという地域を見ると経済成長率、それから市場規模からも相当これから経済的なポテンシャルは高い。その一方で、言語の問題をとらえてみても社会、文化の多様性、こういう特徴があるわけである。
 そして、最近数年のITに関するアジアの環境の変化というところで言うと、ITが国境を越えて広がりを見せ、アジアの各国でIT拠点としての発展の萌芽が今、見えつつある。そこの中にあって、日本は特に今、e-Japan 戦略の下でIT先端国家としての台頭を遂げているという形である。同時にETA、FTAを始め経済連携の動きも本格化していて、そこの中でアジア各国から日本のITに対する期待が高まっている。これが環境の変化、そして現状認識であると思っている。これらを踏まえて、まさに今、日本がイニシアティブを取ってアジアワイドのIT社会の構築の戦略的な取組が必要な時期にきている。このような認識を持っている。
 2ページ目であるが、そういった中でIT国際政策の基本方針、それからどんな体制で推進をしていくかということであるが、基本方針として前回も御報告申し上げたように、やはり対象分野、対象国というものを重点化していく必要があるのではないか。対象分野については特に人材の育成の話、そしてアジアのIT基盤の整備といった問題が中心になってくると思う。
 そして、2つ目にITの先進国との間で、例えば次世代の移動通信等の標準化といった2国間、それから場合によってはICタグのように日中韓という3国くらいの連携の強化という問題がある。
 それから、3つ目としてアジア全域をカバーするe−パスポートであったりとか、多言語の翻訳であったりとか、そういった多国間協力の一層の推進である。
 そして、これは当然政府だけではできないから民間との協力、ODAの問題、公的資金、輸出信用等々を通じた官民を挙げての取組を進める必要がある。
 こういった4つの基本方針を踏まえてどう進めていくかということであるが、今後重点分野、対象国等の具体的な目標、達成期間をこのIT戦略本部においてe-Japan 重点計画の中にしっかりと定めていくことが重要だと思っている。そして、この重点計画を踏まえて関係府省が連携をしまして、重点分野対象国での迅速、具体的な案件の形成に努めていくことが必要だと思っている。
 そして、先ほど庄山座長の方からも御報告いただいたが、そういった具体的な施策についてしっかりとした評価を行い、それをまたこのIT戦略本部の方にフィードバックをしていただく。こういったサイクルを回すことによって、しっかりした推進体制をつくってまいりたいと考えている。
 最後に3ページ目であるが、重点プロジェクトについては今、申し上げたとおりである。そして、前回も御議論いただいた制度及び運用の改善に関してであるが、まずはその政策対話を重視をしていく。そしてODA、特にこのIT分野については相当なスピード感が要求をされるということから、要請から実施までの期間について短縮をしていきたい。無償資金協力等において本年度中に標準の処理期間の導入を行いたいと考えている。また、緊急性・迅速性の高い案件についてはいつでも受け付けられる体制をつくっていきたいと考えている。それからもう一つ、ハードとソフトがばらばらという形から、運用基準の明確化、透明化を図ることによってハード、そしてソフトウェアの一括発注の基準の明確化ということも図っていきたいと考えている。
 更に、先ほども申し上げたが、経済連携協定の中で自由化と協力、これが大きな柱になるわけであるが、この協力分野の中でITというものを主要な柱と位置付けて積極的に進めていきたいと考えている。
 最終的なゴールとしては、今はe-Japan という形であるが、各国のIT政策も包含して全体のアジア共通のIT戦略、つまりe-Asiaといったものをつくってまいりたいと考えている。
 以上が、国際政策についての最終案の概要についての説明である。
 最後に、IT戦略本部の今後のスケジュールについて資料6に全体をまとめているが、そこの中で前回、前々回、御議論をいただいたe−文書法、それから国家公務員身分証のICカード化の進捗状況について簡単に説明をさせていただきたいと思う。
 まずe−文書法案についてであるが、前回の本部において説明した基本的な立案方針に従って、資料7のとおり通則法及び整備法を今、策定中である。前回の本部以降、今日までの段階でe−文書イニシアティブによって電子化を容認する候補となる法律、大体これが250本くらいあるが、この全てについて既に関係府省との調整は終了している。現在、法案としての最終的な詰めの作業を進めていて、来年4月の施行を目指してできるだけ早い段階で国会に提出できるように、引き続き準備を進めてまいりたいと考えている。
 それからもう一つの国家公務員証のICカード化については、前回の本部において今後の導入に向けたスケジュールを説明させていただいたが、今般、来年度の本格導入に向けて資料8のとおり各府省の予算の概算要求の状況がまとまった。来年度について見ると、先行導入府省として内閣官房、内閣府、防衛庁、外務省、経済産業省の5府省が概算要求をしている。その他の府省についても、早期の導入に向けた検討を加速化していただきたいと考えている。
 以上が今日の全体の議題であるけれども、今日説明させていただいたのは最初に庄山座長の方から評価専門調査会、前回に引き続いて今回は評価手法の体系化の問題、それから人材と電子政府についての評価の御報告をいただいて、先ほど国際政策の最終案の取りまとめの御報告を申し上げた。それから、情報セキュリティに関して金杉委員長の方から、今後の取組のスケジュール等々の基本的な考え方について御説明をいただいた。また、関係府省ということで総務省、経済産業省の方から現在の取組状況について御報告をいただいたところである。次回については、また評価専門調査会の報告等々もあると考えている。
 それから、情報セキュリティに関しては10月末を目途に一つのまずは政府としての取組をまとめていただけるということであるので、その報告も次回はお聞きをしたい。 それから医療の情報化、そして最近情報モラル教育という問題も極めて重要であるので、次回については厚生労働省の関係、そして文部科学省の関係から御報告をいただければと考えている。
 それから、国際政策に関しては先ほど申し上げたように、今回の最終案を踏まえて標準処理期間の導入を年度末に図っていきたいと考えている。
 そして、e−文書イニシアティブに関しては今回の骨子をベースにして、できるだけ早いタイミングで国会に法案を提出したいと考えている。
 以上、盛りだくさんな項目になったわけであるが、どなたからでも結構なので、御意見を賜われればと思う。
 それでは、出井本部員お願いする。

【出井会長】この評価専門調査会の方には大変御努力をいただいて、評価がかなり具体的に進んできたと思う。この成果をさらに詳細に分析するなどしてもう一歩進んでいただくことを是非お願いしたいと思う。特に国民の側から使ってどのように便利かという視点は非常に重要だと思うのでよろしくお願いしたい。
 庄山社長のご説明の中で国の申請手続きが96.2%オンライン化されているという説明があったが、どうも実感とは懸け離れているところがあるように感じられる。一方で日本にはものすごく変化し進んでいるところも多くあり、何かギャップがあるような感じがする。そこを結び付けるとものすごいことが日本で起こるのではないかと思う。
 最近日本ではいろいろなものが進んでいるが、どの程度進んでいるかと思って自分でいろいろなトライアルをしているのだが、例えばブロードバンド環境で東京と軽井沢を直接つなぐと、軽井沢で東京のチャンネルを全部テレビで見られるようになる。そういう意味でものすごい変化があって、これは光ファイバーとIEEE802.11のワイヤレスでテレビ放送を視聴するという組合せであるが、今はこういうことができる時代で距離が消滅したと言ってもいいと思う。そういう面ですごい変化を今、日本は起こしつつあって、光でもいろいろなものがつながるようになった。
 総理大臣も楽しまれたと思うが、オリンピックをあれだけ高画質で楽しんだ国は日本をおいて他には絶対にないだろう。例えばアメリカでは標準テレビの画像で見られていたと思うが、日本ではBSデジタルの高画質のものを毎日見ていたわけで、こんなことをやっている国は他になく、これはすごいことだと思う。
 また、今、FOMAを使うとテレビ電話やテレビチャットができるが、先日、アメリカのバーモントに行く機会があったが、デジタル電話もなくアナログの携帯電話しかないので、ニューヨークから1時間くらい飛行機で行ったところではの疎外感を感じてしまう。それに比べると日本は大変ものすごい状況だと思う。
 それから、フェリカチップが携帯電話にも入り、NTTドコモさんの携帯電話で買い物がどんどんできるようになった。これはものすごい個人的な革命ともいえ、自分の携帯電話でいろいろなことができるようになってきた。これもものすごい勢いで普及しつつある。
 あとは、車の運転中に電話をしてはいけないことになったので、ベンチャー企業がグループユースの電話で実際にできるものをたくさん作り出して、今はシガレットライターにぽんと入れるだけで電話ができるようになった。ものすごい勢いで世の中は変化している。だから、アプリケーションの方は変化をしないようだけれども、この変化をもっと加速するようなことを盛り上げると、日本は圧倒的にうまくいけるところまできているのではないかと思う。
 そういう面で、ITが小泉総理のイニシアティブでここまできたわけであるから、今のインターネットの発達と、携帯電話の発達と、それからワイヤレスの無線の発達の組合せによって、今後ものすごい変化がこの4、5年で起こってくるので、是非ともこれをいい方向に向けてやったらすばらしい国になると思う。

【茂木IT担当大臣】 では、村井本部員お願いする。

【村井教授】 私も今、出井さんがおっしゃったようなことを思っているけれども、もう一つ心配なのは、ゴールとして最後まで本当に世界最先端というものを確立していかなければならないということです。確かに今おっしゃったようなことは大変強くなってきているんだけれども、2005年までまだ1年ありますから、油断してはいけないというところがあるのではないかと思うので、ゴールに入るまではきちんとしっかりやりたい。
 そういう視点で見ると今、出井さんがおっしゃったようなモバイルだとか、無線の環境であるとか、地上デジタル放送の環境であるとか、よいモデルはたくさんできつつあるんですが、これらが本当に世界最先端で強くなるためには、その基盤をセキュリティレベルの高い信頼性のあるものにしなければいけない。今、出井さんがおっしゃったこと全部に関わってくることですから、無線をどのように使っていけばいいのかということの行政面の責任は非常に大きいと思います。光と無線、これが基盤の件です。
 それから、成果の件で今日、評価委員会からいただいように、やはり利用者の視点での物差しというのはとても重要で、ここでも世界最先端というのはきちんと言えなければいけない。この間ワールドカップの決勝戦をやったときに総理がこういう国際イベントではサッカーだけではなくて、訪れた方に先端のITをしっかり使っていただくということも大変重要だとおっしゃった。つまり、成果が評価されるというのは国内でももちろんそうだし、我々の中でもそうであるけれども、世界から世界最先端と評価されなければいけない。
 そういうチャンスというのは幾つかある。ワールドカップもそうだったし、今のオリンピックもそうだった。オリンピックのときにFOMAとか、ハイビジョンが見られたというのは一つの国際的にわかりやすい評価で大きな成果である。それから、FOMAはオリンピックの会場にもたしかあったかと思う。そうすると、これから10月に開催されるITSの国際会議、それから来年の愛知万博、進行中の「ようこそジャパン」政策。これは、日本にお客さんが来るだけではなくて世界に対して、世界とのつながりの中で日本にお客さんを呼び込むことが重要です。これは日本から今度は世界に発信するというような政策だと思いますから、そういうようなところでしっかりとITを利用した積極的なプロモーションをするのがよい。
 それから、ITの成果が一部でなく、全部の分野に関わりがある点も重要である。例えば「みんなのうた」で皆さんも育ったと思うけれども、今まであれはデジタル化されなかったが、この間、初めて1曲を24時間かけたらしいが、ようやくデジタル化した。ああいうのはNHKだからできるんだと思うが、デジタル化して文化として残るのはとてもよいことだ。例えば建築学会の人と話をしたら建築の業界は『新建築』という雑誌で日本の建築の歴史が記録されているが、全部アナログで、アナログだとそろそろ消滅の危機があるそうだ。この「新建築」のような文化遺産とか学術遺産みたいなものをデジタル化しておくといくというのは今が最後のチャンスかもしれない。こういうことがきちんとできていれば、世界はやはりこれは最先端だなという評価をするチャンスが各分野でいっぱい出てくると思う。
 それから、国際戦略で先ほど茂木大臣の言われたことは大変重要かと思うけれども、やはりアジアを中心にして世界に対して貢献する。この中で、グローバルな世界をつくっていくということで私たちはいい見本をすごく持っている。例えば、前も言ったが、.jpというドメイン名というのは日本からつくり始めて、今は世界中のインターネットガバナンスの見本になっている。これは民間が先に立ってきちんと作り、それから政府がきちんとサポートをするという産学官連携のいいモデルで、こういうものがどんどん登場して、それが世界に対して大きな貢献をする。
 今、ISOの標準化、WIPOでの議論、インターネットの上での著作権の議論、ITUでのWSISなどの議論、それから人材教育、こういったところでの世界に対する一番よい見本というのはやはり日本にあるから、これを出していかなければいけない。そういう意味では、セキュリティの話はさっき金杉さんから御報告があったけれども、ああいうのもよい見本だろう。世界に対してアジアを中心にスタートしていく。アジアの人材と先端の活動をする。そのよい見本から強い日本、先端の日本ということを世界に見せていくことが大事だと思う。それができて初めて今度はそうあり続けられるかということになり、それを踏まえて2006年以降の議論になるので、是非最後まできちんと2005年の目標を達成するまで全力でいきたいと思う。

【茂木IT担当大臣】 それでは、鈴木本部員お願いする。

【鈴木社長】 3点ほど、話します。第一点は、中核となるセキュリティセンターを作ろうという提案であるが、基本的には賛成である。インターネットは、周知の通り、技術、利用の仕方とも発展段階にある通信であって、無条件に安心して利用できるまでには至っていない。その意味で、安心・安全といった利用を推進するための重要な課題の一つであるセキュリティに焦点を当てて、中核的なセンターを作るというのは意味のある事だと思う。
ただし、セキュリティと言っても、さまざまなレイヤーがあり、そのアプローチの仕方も、役割によっては大きく異なるわけである。その意味で、役割と機能を明確にした上で、推進していただきたい。
 第2に、日本の通信インフラの利用を見ていると、確かにインターネットの料金が、ビット単価にすると世界で一番安く、アメリカの50分の1となっているが、長い目で見れば、キリギリスのようなもので、過去、電話という通信のために営々として築いたインフラを食い潰しているだけで、デジタル通信に相応しいインフラをつくるための投資規模がどれくらいの大きさで、それを誰がやるのかが見えてこないまま、ひたすら食い潰しているような気がする。また、インフラと言う意味では、何度か申し上げているが、IT社会が進めば進むほど、電気というエネルギーの消費は莫大なものになるわけで、その点、是非留意していただきたい。
 3点目は、世界最先端のIT社会というけれど、サービスを提供する側の実感で言うと、利用している機器、ソフトウエア、セキュリティなど、どれをとっても、日本製が少なくて、運用の技術やツールの利用と言った面で、辛うじて世界的にも高品質なサービスを提供できている状況で、とても世界最先端とは恥ずかしくていい難い。
 また、ブロードバンドの普及は、放送と通信を融合していく筈ですが、基幹となる通信機器である次世代ルーターをみても、今、トップにある海外の機器メーカーの発表された製品を見ると、単なる通信機器の枠を超えて、将来の想定される通信のアーキテクチャーを包含するような発想がある。そのアーキテクチャーのもとで、やればいいかもしれないが、広義のセキュリティを視野に入れれば、わが国が本当に世界最先端と言える施策を出していくべきだと思う。

【茂木IT担当大臣】 では、宮内会長お願いする。

【宮内会長】 今日お話いただいたことでIT化がどれだけ進んだかということは非常にわかるけれども、各省庁の政策の立案、実行ということと、それから全体最適ということを考えると、やはりますます当IT戦略本部の総合調整機能というようなものを発揮していただかないとばらばらになる危険があるのではないかという感じがした。そういう意味で、この本部の全体を取りまとめる御努力を期待したいと思う。
 それから規制改革関連では、今日お話があったe−文書法案というものが提出されるということで、これは大変大きな進歩だと思う。医療分野については、いろいろとまだ実現という意味では未達ではないかと思われる部分がある。ただ、次回御報告があるということなので、是非これも前向きに、本当に動くという形にしていただければと思う。
 それからもう一点であるが、新産業創造戦略ということでコンテンツの話が出ているけれども、ITの利活用という意味でコンテンツについては著作権の厳格な管理、したがって私的複製を抑制しようという動きは、技術がどんどん進んでくるから当然だと思う。しかし、今度は著作権者をそういう形で囲い込むことと、それからそういうコンテンツはどんどん利用されてこそ世の中に役に立つという動きがあるので、きっちりと著作権を保護するということと、その次に新しい技術を使ってもっと流通していくという段階に入っていく。それがやはり利用者とか消費者の最も求めるところではないかというような観点があろうかと思うので、その辺も是非御検討いただければ、言うならばインフラ整備とか制度整備ということを消費者、利用者本位ということのIT社会が一番重要ではないかと思う。
 そういう意味で、当本部のますます重要性が増したなと、私どもの会議とも連携させていただきたいと思うし、知財戦略本部との連携も必要になってきた。そういう意味で、総合化が必要になってきた時代だという感じがした。以上である。

【茂木IT担当大臣】 ありがとうございます。大歳本部員お願いする。

【大歳社長】 利用者の視点で達成目標を設定するというのは非常に正しいと思うけれども、制度や仕組みなど、特に医療や教育ではまだ制約があって、本来こうやればよいということもできないことが幾つもあると思う。そういう意味で、いわゆる規制改革を含めて法整備を是非お願いしたいことが1つである。
 それから、よりよいサービスあるいは効率化がITを使って実践できることを示すのはやはり行政、住民サービスの分野が一番見えやすいと思う。よりよいサービスや効率化を本当に目指すのであれば、政府・自治体などの公的な仕事も、民間に任せた方がより安く、早く、いいサービスを提供できる部分があると思うので、追及していただきたいことが2つ目である。
 最後にセキュリティで、国家情報セキュリティセンターは早期に設立するとよい。また来年4月から個人情報保護法が施行される。ただ聞くところによると、例えば、個人情報を不当に持ち出しても、フロッピーとか磁気媒体という物理的なものを会社から持ち出すと罪に問われるが、情報を送り出すだけでは今の法律では罪に問われないということなので、そうした面の整備もお願いしたいと思う。以上である。

【茂木IT担当大臣】 沢田本部員お願いする。

【沢田市長】 2点、簡単に申し上げたいと思う。
 1つは行政事務の最適化である。行政事務の最適化を進めるに当たっては、地方に関わりのある事務については地方も含めた全体の最適化が必要だと思う。それで本当の意味の全体最適になると思うが、計画を策定するに当たっては地方の意見が十分に反映されるように御配慮をお願いしたいと思う。
 もう一点は今、大歳さんからお話があった国家情報セキュリティセンターの件であるが、非常に重要であると考えている。我が国でも早急に体制強化を図る必要があると思う。地方自治体は直接国民の個人情報を預かっており、圧倒的に多くを占めていることから、自治体の情報セキュリティ確保が極めて大きな課題であると思う。地方も是非その枠組みの中に加えていただくことを期待したいと思う。
 横須賀市においては、大げさに言えば国家的な見地に立って横須賀リサーチパーク、YRPの中の3セクが総務省の助成を得て企業のセキュリティ対策の中核的人材育成センターというものを今年度開設する。年間1,000人育成しようということで頑張っていきたい。5年間努力していきたいと思っているので、今後とも積極的に御支援をお願い申し上げる。以上である。

【茂木IT担当大臣】 それでは、麻生総務大臣お願いする。

【総務大臣】 今の沢田本部員のお話はよくわかっているので、きちんと対応させていただきたいと思う。
 ただ、皆さん御存じの方ばかりなのだが、情報とかセキュリティとかという話は大体日本では余り偉い人はやらない。そう思われたことはないか。日本で防衛庁でも情報将校が将官になった例は一昨年まではゼロである。一番偉くても佐官である。大体CIAとかMI6など情報とかインテリジェンスというのは、インテリジェンスというくらいSirが付く人がやるわけである。日本では大体、江戸時代から偉くない人がやる仕事であるからもともと評価が高くない。そういう人は大体会社では出世しないから、よほど給料がいいとか、そこら辺のところは会社でも育ててやるという意識が大事だと思っている。
 技術屋の話でいくと、娘さんたちがパソコンを立ち上げるときに親に見られたくないとか、村井さんみたいな人を親に持つと娘は中をのぞかれてはかなわぬとか、そのような理由もあって皆、全部消すわけである。会社もそうである。そうすると、また立ち上げるまでに時間がかかる。
 そのためのセキュリティをある会社が開発し、電波と電波を微弱なものでつないでおけば、これはどんな強いものでも離れたら消えるということで基本特許を押さえ、周辺特許も押さえて、アメリカも日本も全部この特許を取ったということである。例の戦艦大和を発見した魚探をつくっている会社の社員がつくり上げたと聞くが、そういったものというのはセキュリティがものすごく便利であれば即買うという人は実はいっぱいいるはずだけれども、その種の方が銭になるとかという話で会社で何とかしていただかないと、なかなかそちらの方にはいい人材はいかない。
 警察でもサイバーというものを3年くらい前に小泉総理の下で始めたときに、今はサイバーのおまわりさんというのがいるけれども、警視庁に行ったらわかるが、ピンクのワイシャツでよれよれの髪の毛の長い人がやっているわけである。そこを、やはり世の中でこれが大事なんだとしてやらないといけない。
 そこのところが大事で、そこは一番インテリの人がやるからインテリジェンスと言うんだとか、いろいろなことを言ってやらない限りは変わらない。講演を頼まれて学校に行ってきたけれども、出てくる人は暗い感じの人が多い気がした。この種のことをもう少し社会で評価してやるということがとても大事なんじゃないかと私はセキュリティについてはいつも思ってきたので、是非企業におられる皆さん方もその点だけはひとつよろしくお願いする。

【石原社長】 ただいまの情報セキュリティの問題であるけれども、来年4月に個人情報保護法が全面施行されることもあり、今民間の各企業では、コンプライアンスも含めて、経営課題の相当上の方に位置づけるようになっている。大臣がおっしゃられた点について、時代の変化の中で、民間として既に取組を始めつつあるということである。
 そういった中で、先ほど大歳本部員が言われたように企業の責任が重くなってくる一方、企業の保有情報を持ち出す個人の責任といったものがどうあるべきかかという観点もあり、そういった点についても検討を行っていく必要があろうし、その範囲は広範にわたるので、包括的な措置ということも必要になるのではないかと思っている。

【和田社長】 IT国際戦略に関する基本方針についてであるけれども、大変時宜を得たものと思っているが、1つだけ御配慮いただきたいと思うのは、ICTの政策というのは今、各国の国家戦略になっている。それだけに相互接続とか通信の方式の問題とか、セキュリティを確保するための暗号技術だとか、そういうものは標準化のために熾烈な競争になっている。もちろんこれに勝つためには技術の優位性というものがなければならない。これは最低の条件であるけれども、それだけでは実は標準化されない。やはり国際条理で支持を得なければいかぬ。俗な言葉で言えば、多数派工作で勝ち取らなければいかぬという話である。
 そうなると、やはりビジネスベースだけではなかなか勝てない。どうしても各省庁の皆様方の強い各国とのパイプというようなものとの抱合せといいますか、情報の共通化、共有化とか、あるいは政策戦略のすり合わせというものがお互いになされて攻めないとなかなかうまくいかないという面があるので、このICTの国際政策の中のどこかにそういう視点も入れておいていただきたいと思っている。

【茂木IT担当大臣】 パッケージの中では政策対話という上品な言葉を使っているわけであるけれども、実際に和田本部員がおっしゃるような視点というのは必要だと思いながら今後の対策を進めていきたいと思っている。時間の関係もあるので、よろしいか。
 活発な御議論をいただきありがとうございました。1つ決めなくてはならないことがある。先ほど御報告申し上げた国際政策の基本的な考え方であるが、この本部で決定をさせていただきたいと思うが、よろしいか。

(「異議なし」と声あり。)

 それでは、そのように取り計らいをさせていただく。
 それから、評価専門調査会は大変エネルギッシュに作業をやっていただいていて、本当に感謝を申し上げる。今回、人材と電子政府についてやっていただいて、また更に幅広くやっていただくということであるが、先ほど宮内会長の方からも医療を始め非常に重要な分野があるということであるので、できたら大変恐縮なのであるが、次回医療等について評価が間に合ったらお願いできればと思う。同時に、利用環境は整ったんだけれども自治体の利用が進んでいない。そうなると、やはり何かのインセンティブを与えたり、制度改正といったことも必要になってくると思うので、それも含めて御検討いただけるとありがたいと考えている。
 それから、情報セキュリティに関しては基本問題委員会の第1次提言を10月末にまとめていただけるということであり、まとまりましたらIT戦略本部の方に御報告をいただければありがたいと思っている。
 議題については以上であるが、この本部ではこれまで6回にわたりましてITの一番新しい技術とかサービスをごらんいただいたわけであるが、今日はそちらに大きな仕掛けが既に用意しており、360度のあらゆる角度から3次元の立体映像を見ることができるテレビということである。庄山座長の方から御紹介いただきたいと思うが、この技術は今後医療とか教育の分野で応用ができるのではないか。もし総理、よろしければ近くまで行ってごらんいただいても結構である。

(報道陣入室)

【庄山社長】 先ほどもオリンピックの話であるとか、画質がきれい云々の話がありましたが、更に感動を覚えていただくために立体、360度テレビを今日は持ってきた。遠い方にはカメラでこちらに映させていただくが、是非ごらんいただければと思う。

【総理大臣】 これがテレビか。こちらからは背中に見える。全部見えるわけですね。

【庄山社長】 はい。360度見られるということである。

○ 普通のテレビは中の物をぐるりと回転させなければいけないのであるが、これは見る方がぐるっと回っていただくと見られる。

【総理大臣】 横から見ると横、後ろから見ると後ろ、前から見ると前。これが将来のテレビか。

【庄山社長】 総理にこれをここに付けていただくと、こういうふうに……。

○ 今ぐるっと回っていただくと、どこから見ていただいても総理が見える。これを是非いずれは立体で。

【総理大臣】 これは家庭に入ることになるのか。

○ 目の前で総理にお話いただくというメッセージの伝え方ができるのではないかと思う。

【総理大臣】 これを小型化しているのか。

【庄山社長】 そういうことである。これはまだ卵であるので、これからきとんとしたものにしていきたいと思う。

【総理大臣】 これからは薄型から筒型になるわけだな。

【茂木IT担当大臣】 庄山座長ありがとうございました。
 それでは、最後に小泉総理より締めくくりのごあいさつをいただきたいと思う。

(6)内閣総理大臣挨拶

【総理大臣】 今日もありがとうございました。いろいろ先端的な話を聞かせていただいき、大分勉強になった。
 小泉内閣の構造改革の分野でもITは最も進んでいる分野であるので、これからも各府省が連携をとって2005年にはIT最先端国家になるという目標に向かって更に努力をしていかなければならないと思うので、今後ともよろしく御協力、御指導をお願いしたいと思う。ありがとうございました。

(報道陣退室)

(7)閉会

【茂木IT担当大臣】 以上をもって、本日のIT戦略本部は閉会いたしたいと思う。御協力ありがとうございました。



(別紙)

《 出席者名簿 》

 小 泉  純一郎内閣総理大臣
 茂 木  敏 充情報通信技術(IT)担当大臣
内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、個人情報保護、科学技術政策)
 細 田  博 之内閣官房長官、内閣府特命担当大臣(男女共同参画)
 麻 生  太 郎総務大臣
(欠)中 川  昭 一経済産業大臣
(※江田 康幸 経済産業大臣政務官 代理出席)
 野 沢  太 三法務大臣
(欠)川 口  順 子外務大臣
(※田中 和徳外務大臣政務官 代理出席)
(欠)谷 垣  禎 一財務大臣
(※七条 明 財務大臣政務官 代理出席)
(欠)河 村  建 夫文部科学大臣
(欠)坂 口   力厚生労働大臣
(※谷畑 孝 厚生労働副大臣 代理出席)
(欠)亀 井  善 之農林水産大臣
(欠)石 原  伸 晃国土交通大臣
(欠)小 池  百合子環境大臣
(※砂田 圭祐 環境大臣政務官 代理出席)
 小 野  清 子国家公安委員会委員長
内閣府特命担当大臣(青少年育成及び少子化対策、食品安全)
(欠)石 破   茂防衛庁長官
(※中島 啓雄 防衛庁長官政務官 代理出席)
(欠)竹 中  平 蔵内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)
(※伊藤 達也 副大臣 代理出席)
(欠)金 子  一 義内閣府特命担当大臣(規制改革、産業再生機構)
 井 上  喜 一内閣府特命担当大臣(防災)
 石 原  邦 夫東京海上火災保険株式会社代表取締役社長
 出 井  伸 之ソニー株式会社会長兼グループCEO
 大 歳  卓 麻日本アイ・ビー・エム株式会社代表取締役社長
 沢 田  秀 男横須賀市長
 鈴 木  幸 一株式会社インターネットイニシアティブ社長
(欠)南 場  智 子株式会社ディー・エヌ・エー代表取締役
 村 井   純慶應義塾大学環境情報学部教授
 和 田  紀 夫日本電信電話株式会社代表取締役社長
上記の他、以下が出席。
 杉 浦  正 健内閣官房副長官(政務、衆)
 二 橋  正 弘内閣官房副長官(事務)
 宮 内  義 彦総合規制改革会議議長
 竹 島  一 彦公正取引委員会委員長
 庄 山  悦 彦評価専門調査会座長
 金 杉  明 信情報セキュリティ基本問題委員会委員長