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第34回IT戦略本部 議事録


1.日 時:平成17年12月8日(木)17時15分〜18時15分

2.場 所:内閣総理大臣官邸大会議室

3.出席者:[別紙]

4.会議の模様



(1)開会

【松田IT担当大臣】
 ただいまから、第34回「IT戦略本部」会合を開催いたします。本日は、お忙しい中御参集いただき、誠にありがとうございます。
 本日の議題は「2.評価専門調査会の報告書について」と「3.新戦略(案)について」の2件であります。

(2)評価専門調査会の報告書について

【松田IT担当大臣】
 最初の議題「2.評価専門調査会の報告書について」であります。
 「評価専門調査会」では、e−Japan戦略やe−Japan戦略IIに関して、民間と政府が一丸となって推進してきた取組みについて、利用者の視点の立った評価を進めてきたところでございますが、このたび総合評価としてとりまとめられた報告書が作成されております。本日は、これについて「評価専門調査会」の庄山座長から御報告いただきたいと存じます。

【庄山評価専門調査会座長】
 早速ですが「評価専門調査会報告書の概要」につきまして、お手元の資料1、2でございますが、特に資料1に沿いまして御説明させていただきたいと思います。
 1ページ目でございますが、今まで5回にわたりまして報告書を出させていただきました。この2年間の活動の総括という位置づけで、今回、6回目のものをまとめています。内容につきましては、現在、この本部で議論されている新戦略にもいろんな場面におきまして活用いただいております。この場をお借りして、厚く御礼を申し上げたいと思います。
 それではまず、総論部分から見てみたいと思います。
 2ページ目でございますが、戦略Iにつきましては特にインフラ整備に主眼が置かれてきました。現在は世界でも最も安く、そして最も速いインフラが整備されたという認識でございます。この意味から、今後はこの先端を目指すところから世界を先導するということを意識して進めていく必要があるだろうと思っております。
 それでは各論でございますが、3ページ目に「重点5分野」の総合評価をまとめております。特に本日は「電子政府・電子自治体(行政サービス)」と「教育・人材」についてお話ししたいと思います。
 4ページ目でございます。まず「電子政府・電子自治体(行政サービス)」です。先端的な基盤は整備されつつありますけれども、やはり利用者になかなかその恩恵が伝わっていないということだと思います。政府の代表ポータルサイトへのアクセス経験率を見てみますと「経験あり」というのは、わずか15%ということで、この右側の絵のように、各国と大きな開きがあるということでございます。
 また、既存の手続の見直しが不十分なために添付書類の問題も残っているということ、あるいは今後は国民が利用しやすいように特に再入力をなくすという観点から、複雑な手続を抜本的に見直していくことが必要ではないかと思います。
 5ページ目は、「教育・人材」でございます。校内LAN整備やITを指導できる教員の数などは、国際的に見ても不十分な状況にあります。今後のユビキタスネットワーク社会に対応するため、そして初等・中等教育を魅力的かつ効果的なものにするためにも、ITが必須であるという認識が不足しているということでございます。あるいは厳しい地方財政事情もありまして、取組みが進んでいないといった問題点もあると思います。
 これにつきましては地域を巻き込みつつ、ネットデイなどのあらゆる手段を講じて推進すべきであろうということで「今後に向けた提言」のところに書かせていただいております。
 6ページ目は、戦略IIの「先導的7分野」と、次のページにかかりますけれども「技術競争力」の総合評価をまとめたものでございます。特に、本日はこの中から「医療」についてコメントしたいと思います。
 7ページ目は、先ほどの7分野の残りでございます。
 8ページ目の「医療」につきまして、特にレセプトの問題についてはこれまでも取り上げてまいりましたけれども、医療機関、審査支払機関、保険者と流れていく過程で、依然として紙出力とその再入力が行われているというのが現状でございます。レセプトシステムは着実に普及しつつありますが、その普及率はまだ21.5%にとどまっておりまして、さらなる取組みが必要だと思います。
 また、レセプトのオンライン化につきましては紙による取扱いの停止時期を明確にするなど、一歩踏み込んだ取組みが必要だと思います。
 最後の9ページ目は、「今後に向けて」のことでございます。「電子政府・電子自治体」などこれまでの戦略で遅れが見られる分野、そして「環境」など国民にとっての喫緊の課題につきましては、利用者視点の成果を重視し取組みを進めていくことが必要だと思います。
 「評価専門調査会」はこの2年間、今回を含めまして6度にわたりまして報告書をまとめてまいりました。これらは皆、素案の段階からすべて民間委員が文章にまとめてきたものでございます。私どもの意見に対しまして府省照会いたしますと、かなりの数の、数百件に上るような意見をいただくなど、ときには府省との激しいやりとりということもございました。この報告書は、民と官で協力してまとめた結果でございまして、民の評価を官が理解して実行に移していただいた結果だろうというふうに思っております。今後、新戦略を進めるにあたりましても、こうした役割分担が必要なのではないかというふうに思っている次第でございます。
 以上で「評価専門調査会」からの報告を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

(3)新戦略(案)について

【松田IT担当大臣】
 とりまとめ、御苦労様でございました。ありがとうございました。
 それでは、議論は最後に一括してお願いしたいと思いますので、引き続き次の議題「3.新戦略(案)について」に移ります。2006年以降の新たなIT戦略につきましては、これまで「IT戦略本部」や「有識者会合」において活発な議論が行われてまいりました。特に、有識者本部員におかれましては、新戦略の具体的な内容について、本当に熱心に御議論をいただきまして、ありがとうございました。その後、関係省庁の協力の下、精力的にとりまとめ作業を進めてまいりました。
 本日、私の方から、この新戦略の案について御説明を申し上げたいと存じます。お手元の資料3をお願いいたします。1ページから、逐次申します。
 初めに「我が国のIT戦略の歩み」について、簡単に御説明いたします。我が国では2001年1月に、IT基本法の施行と「IT戦略本部」の設置を行いました。同時に、e−Japan戦略を策定し、2005年に世界最先端のIT国家になるという大目標を掲げまして、IT化に取組んでまいりました。
 e−Japan戦略では、インフラ等の基盤整備に重点を置きました。また、2003年7月にはe−Japan戦略IIを策定し、国民に身近な分野を中心としたITの利用、活用の推進に取組んでまいりました。これまでの5年間の取組みにより、今、お話がありましたとおり、ブロードバンドインフラ等において、世界最先端を実現するなど、我が国は21世紀のIT社会の構築において、世界を先導する局面へと来ております。
 今後は、ITによる改革を我が国の総力を結集して推し進め、技術の進展が社会改革に直結する「自律的IT社会を実現」し、これまでのキャッチアップから飛躍して「世界のIT革命を先導するフロントランナー」を目指してまいります。
 2ページ目にまいりまして、次に新戦略案の柱となります考え方と3つの理念を御説明いたします。今後、我が国が直面する本格的な人口減少と高齢化、さらには経済のグローバル化という大きな社会の変化の中で、引き続き世界を先導するとともに、豊かな国民生活を実現していくためには、IT化を妨げる社会的制約を力強く取り除いていくとともに、改革を支えるツールとしてのITを一体として活用し、改革に積極的に取組んでいく必要があります。
 こうした観点から、新たなIT戦略の中で我々が取組む課題は、ITによる改革の仕上げとそのための基盤整備であります。それが、我が国が引き続き繁栄するための唯一の道でもあると確信します。このような戦略を貫く基本認識の下、3つの理念を掲げました。 第1に「構造改革による飛躍」という理念です。少子高齢化等の21世紀の我が国が抱える社会的課題に対して、ITを駆使して構造改革を推進します。
 第2に「利用者・生活者重視」という理念です。真にIT化の恩恵を国民皆が享受できる社会をつくり上げるというIT革命の仕上げの段階において、最も大切な視点だと存じます。
 第3に「国際貢献・国際競争力強化」という理念です。世界に先駆けて実現した課題解決力を通じた、国際貢献や国際競争力強化を進めます。
 3ページをおめくりください。次に「今後のIT施策の重点」について御説明いたします。今後、重点的に取組むIT施策は大きく3つの施策群から構成されます。
 第1の施策群は、ITの構造改革力を追求して、日本の社会が抱えるさまざまな課題解決をITによって実現していこうという施策です。この施策として、最初の2つが21世紀に日本が世界に先駆けて直面する課題をITにより解決するための取組みであります。「ITによる医療の構造改革」、「ITを駆使した環境配慮型社会」の実現を取り上げています。例えば、前者につきましては、レセプトの完全オンライン化をこの5か年間でやり遂げるということを政策目標として掲げています。
 次の2つが、安全で安心に暮らせる社会を実験するための取組みであります。防災治安や食品分野において「世界に誇れる安全で安心な社会」の実現。「世界一安全な道路交通社会」の実現を取り上げています。
 最後の3つが、行政、企業、民間が効率的にかつ意義深く活動するための取組みであります。「世界一便利で効率的な電子行政」の実現、「IT経営の確立による企業の競争力強化」、「生涯を通じた豊かな生活」の実現を取り上げています。例えば、電子行政については、オンライン申請率の50%達成を政策目標として掲げています。
 4ページにまいりまして、第2の政策群は、このような構造改革力を支え、また来るべきユビキタスネットワーク社会のためのIT基盤の整備を行う施策群です。この施策として、最初の2つが、情報格差のないIT社会の構築とユビキタスネットワークの高度化に向けた取組みであります。「ユニバーサルデザイン化されたIT社会」の実現、「デジタル・ディバイドのないインフラ整備」を取り上げています。更には、情報セキュリティに関して、安心してITを使える環境の整備に向けた取組みを進めてまいります。
 4つ目、5つ目の政策が、IT社会を根底から支える人材の育成に向けた取組みであります。「次世代を見据えた人的基盤づくり」、「世界の通用する高度IT人材の育成」を取り上げています。
 その次に、IT社会を支える研究開発を我が国が先導するための取組みを掲げています。
 第3の施策群は、こうした構造改革力の世界への発信と国際貢献のための施策群です。 この施策として第1に、国際社会における日本のプレゼンスの向上のための取組み、第2に課題解決モデルの提供による、アジア等への貢献のための取組みを掲げています。
 5ページにまいりまして、最後に「IT戦略の推進体制」についてであります。今後は、分野横断的、府省横断的な課題の解決が必要となることから、IT政策の推進に当たっては「IT戦略本部」のリーダーシップの下、重要政策課題の選定や予算要求の過程における重複投資の回避や優先順位の判断、電子政府の効率的な構築・運用のための調整などを行ってまいります。また、PDCAサイクルの確実な実施など、IT政策における評価体制のさらなる強化を図るとともに、方策の提案や実施において「経済財政諮問会議」等の他の会議との緊密な連携を図り、その効果を最大化してまいります。
 以上で説明を終わります。口早で恐縮でございましたが、私からの説明は以上でございます。

(4)自由討議

【松田IT担当大臣】
 それでは、自由討議に移りたいと思います。時間が限られておりますので、私の方から指名させていただきます。誠に申し訳ございませんが、できましたらお一人3分程度でお願い申し上げたいと思います。
 なお、本日、御欠席でありますけれども、資料5のとおり、中村維夫本部員からは資料の提出がございます。
 まず、有識者本部員の皆様から御発言をお願い申し上げます。
 伊丹本部員、お願い申し上げます。

【伊丹有識者本部員】
 ありがとうございました。
 昨日の夜でしたか、資料4−2の文書の案が届きました。内容づくりに私も参加させていただきましたので、内容については特に異論は全くございませんで、この戦略案で決めるべきだというふうに思いますし、特に「はじめに」というようなところで、ITによって日本の構造改革を推進するというような力強い文章が入ったのは、私自身が7月の会議ぐらいからでしたでしょうか、ITの持っている構造改革へのインパクトということを、是非、積極的に利用すべきだと主張してまいりましたので、大変心強い戦略案ができ上がったというふうに思っております。
 したがいまして、内容については異論は全くないんですが、昨日初めて見ました副題の付いた戦略の案の名前、表紙のところでございますが、これについてはちょっと議論の余地があるかなというふうに思いますので、それについてだけ意見を言わせていただきます。
 「IT新改革戦略−ITによる日本の改革−」というのは、両方ともダブりがあって、せっかく副題を付けるのであれば、別な観点からの副題の方が、私にとっては、この戦略全体の内容に、よりぴったりするのではないかという感じがいたします。NTTドコモの中村本部員も同じように思われたのでしょうか、やはり副題のところをもうちょっと工夫したらどうかという御意見がございますが、私も基本的な方向としては、その御意見に賛成でございます。今のままですと、日本の改革という点は力強く訴えられて大変よろしいんですが、先ほど大臣がおっしゃいましたように、日本がインフラの整備がある意味で世界一になり、これからは世界を先導するような局面になるというような、世界に向けての発信のような観点を考えますと、一体日本がどういうIT社会を目指して動こうとしているかということが、名は体をあらわすと申しましょうか、短い言葉で表現できるような副題が入った方がよろしいかというふうに思います。
 案としては、例えばu−Japan戦略というような、総務省が常々言ってこられた名前でもよろしいかもしれませんし、あるいはユビキタスネットワーク社会を目指してという、インフラ整備のところで大臣が先ほど強調なさった名前をそのままここへ副題として使ってもよろしいかというふうにも思いますし、それについては今日、是非、有識者本部員も含めて議論をさせていただいたらいかがかと思います。
 以上でございます。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして、上野本部員からお願いいたします。

【上野有識者本部員】
 中小企業の経営者の上野でございます。今回、ものづくりの立場でいろいろ提言してまいりました。その中に、IT経営というキーワードを入れさせていただきました。ITというのは、今までは経営のツールという位置づけでございましたけれども、非常に重要な位置づけとしてITを経営に使わなければ駄目なような状態になってきました。ものづくりでは、日本は世界に誇れる技能、技術を持っていると思っています。しかし、それをより強くする上では、私はこのITを活用してやっていくということが非常に重要だと思っております。
 そのために、従来の受発注では、産業分野ごとにそれぞれ独自の受発注システムをおつくりでございますので、それでいきますと、私ども中小企業のものづくりの企業は大変たくさんあるのですけれども、それぞれの業界、会社に合わせてソフトや端末を用意しなければいけないという不都合が起きます。そこで、プラットホームをつくり、そこに大手の発注する方々が参加していただいて、我々中小企業がそこにアクセスすれば、また書き換えがなしにできるということが起きます。日本のものづくりをより強くするという意味では、国際競争力を高める上で、是非、そういうITを活用したものづくりのところに力を入れていきたいと思っています。その分野でIT経営確立による企業の競争力の強化というところで、大変多くの提言を申し上げまして、それをこの提言の中に強く打ち出しておりますので、私はこれをあとは我々が一緒になって実行できるように協力してまいりたいと思っております。是非、この戦略が日本のものづくりの競争力を強めるという視点で、私は本当に大賛成だと考えております。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 大山本部員、お願いします。

【大山有識者本部員】
 東工大の大山でございます。最初に、前回の戦略本部で、首相がレセプトのオンライン化を含む医療分野の情報化に対して強く言っていただいたことに、深く感謝申し上げたいと思います。あれ以降、厚生労働省さんを含めた関係部署の協力を得て、非常にスムーズに計画ができ上がってまいりました。私の個人的な思いでは20年来の課題がやっと動きはじめたと感じています。
 確かに戦略の案はできましたが、今はまだ紙に書かれた状態で、現実にはまだ実現していません。これから戦略の確実な実施が必要であることは、言うまでもないことかと思います。
 一山越えたような雰囲気になると、時間を無駄に過ごしてしまうことが良くあるので、戦略に書かれている実現に向けた方策については、毎年各項目に関する実績、その評価、残された課題、そしてその対策をまとめて行くのが大切ではないかと思います。そうすることにより、各項目の内容がリフレッシュされて、残された問題点がより明確になると考えます。
  電子政府に関しては、国全体の最適化を進めることが必要です。このことは、前から申し上げている件ですが、一方では利用率向上を図るためにも、さまざまな新しいサービスを提供することが必要です。新しいサービスを提供するには、当然コンピュータシステムの追加投資が必要になりますが、その財源を全く真水で支出するということでは無く、例えばシステムの刷新等で捻出される削減分を回すというようなルールをつくり上げることが重要です。結果として、関係者全員が努力する非常に良いポジティブなフィードバックがかかるような仕掛けがつくれるのではないかと期待します。
 全体最適化の観点からは、川崎大臣の下で社会保険庁の仕事をしていて強く思うのですが、やはり社会保障全般のサービスを一元化する、すなわち国民を中心に集約していくのが、きわめて重要と考えます。
 今日の話題にもあるように、例えば、レセプトの開示を考えれば、開示すべき人を間違えたら大変なことになりますので、本人確認を確実に行わなければなりません。この開示を現実に行うことを考えると、受診している医療機関または保健組合が、責任を持って確実な本人確認を行うことが必要になります。この時に何をもって本人を確認するのかに、結局は、この問題も戻っていくと思います。このことを深く考えると、今使われているパスポートや運転免許証と同じような公的かつ確実な身分証明書が、社会保障全般で使えるようにすることが必要になると結論されます。このような考え方をすることにより、国民一人ひとりが社会からも守ってもらい、なおかつ自分も社会に貢献するという認識を持つようになるのではないかと私は期待いたします。確実な実施をお願いしたいと思います。
 以上です。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 清原本部員、どうぞ。

【清原有識者本部員】
 三鷹市長の清原です。今回、この新しい戦略をまとめるにつきまして、本当に事務局の皆様、各府省の皆様が総力を結集してまとめられたことにまず感謝を申し上げたいと思います。
 その上で、3点申し上げます。
 第1点目でございますが、私はe−Japan戦略IIを検討する専門委員をさせていただき、その後設置された「評価専門調査会」の委員もさせていただきました。この間、6度にわたる報告書をまとめてきて、最終的な報告書が今回まとまったのですが、その副題として「先端から先導へ」とあることは、大変意義深いことだと思っています。「2005年までに世界最先端のIT国家を目指す」と、これは大変具体的な目標でございました。それはまずは基盤整備をということでしたし、だれにでも使いやすい条件整備を国を挙げて準備していくということでした。
 ところが、その先端の先に何があるかというところで、今回の「新改革戦略」では、まさにITの構造改革が目指すべき社会の方向性として種々ある課題解決ということについて、具体的な取組みをしていくのだということ、つまり先導的な取組みを日本が発信していくのだということが明確に示されたということは、この時点で大変意味あることだと位置づけます。
 2点目に、その中で特に私は自治体の立場でございますので、「電子政府」はそれなりに進んできたわけですが、「電子自治体」の取組みについては、今回「評価専門調査会」の指摘にもありましたように、まだまだ課題が多くあると言わなければなりません。また、教育の分野においても、公教育、義務教育の段階でも、まだまだ大変地域差があるとか、取組みに個性というよりもまだ格差があるような状況の中で、やはり引き続き重点的に取組むべきであるということについても申し上げます。1つにはネットワークも引き続き広くあまねく整備し、その上で教育や電子自治体のような基盤的な取組みについて重点を置くというところが明記された点でも、重要な意味があると思います。
 3点目でございますが、そうであるとすれば、先ほどまさに問題提起がございましたように、今回のこの戦略を、更にインパクトとインセンティブを持って、官民挙げて協働で取り組んでいく場合には、この戦略のメインタイトルは「IT新改革戦略」でもよいのでございますけれども、国際的なインパクト、あるいは国民へのインセンティブも含めますと、例えば、伊丹先生も例示された「e−Japan戦略」から「u−Japan戦略」へ、あるいは今回この今後のIT施策の重点2として大臣が御指摘されました「ユビキタスネットワーク社会」というキーワードを生かすことで、「e−Japan戦略」の最初から次のステップに進み、2010年を目指して、どう具体的な社会をイメージするかというときに効果的ではないかと考えました。「u」は「ユビキタス」、そして「ユニバーサルデザイン」ということでもございますので、是非こうしたことを付け加えることで、国民あるいは民間事業者の方にもよりこの戦略の趣旨が通じればありがたいと考えております。
 以上でございます。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 鈴木本部員、お願いします。

【鈴木有識者本部員】
 鈴木でございます。今回、関係者の皆様方には、非常に短期間の間にとりまとめをしていただきまして、誠に御苦労様でございました。
 ただいま御説明がありました新戦略の内容は、構造改革へ向けた取組みを力強く打ち出されており、高い目標に対するチャレンジの意欲が伺われる内容になっており、非常に高く評価させていただいております。
 このような意欲的な内容にできた要因の1つとしては、「評価専門調査会」による進捗状況の評価があり、それを踏まえたアクションを作成するというPDCAサイクルが適切に機能し始めたということではないかと思います。今後もこの推進体制を維持・発展させていくべきだと考えております。
 さて、本文の方も事前に拝見させていただきました。本文には、目指すべき将来の社会の項目があります。これは非常に重要な視点です。将来の姿、すなわち過去からの延長ではなくあるべき未来から現在をとらえるということで、本当に必要な改革は何かを考えるということができるからでございます。
 構造改革断行のためには、このようなブレークスルー的な発想が欠かせません。この新戦略を具体的な政策として実行する際にも、このあるべき未来から考える視点を忘れないで取り組んでいただきたいと思います。
 個々の重点政策について見ていきますと、環境配慮、食品流通のトレーサビリティー、防災など、企業として取り組むべきテーマも多数あります。
 食品流通のトレーサビリティーについては、前回の本部会で当社の取組みを紹介させていただきました。その他、さまざまな分野においても取組みを強化していきたいと考えております。
 また、官と民の協力が必要なものについても、タブーを設けず、過去を白紙にしてみだりに議論を重ねるよりも、まずやってみるという精神を持って、失敗をおそれずに強力に進めていきたいと思います。
 なお、政策面では、こうした取組みに対し、特に経済合理性を持たせることにより後押しをお願いしたいと思います。
 最後になりますが、先ほどからもいろいろ御提案がございましたように、この新戦略の呼び名について、私もe−Japan戦略という言葉は、日本のITの取組みを世界へ発信するキーワードになっていたと思います。そういう意味で、今度の新戦略にもう一つ国民にわかりやすいというようなキャッチフレーズを付けた方がよろしいと思います。今、私が特別ここでどうという案を持っているわけではございませんが、この点についてもう少し検討をいただけたらと思います。
 以上でございます。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 中村邦夫本部員、お願いします。

【中村(邦)有識者本部員】
 今回の戦略案は、これまで議論してきました中でも、いわゆるハードルが高いと思われるものまで積極的に取り入れた内容になっていると思います。
 また、多くの項目につきまして、実施時期、数値目標を明示いただいていることは、国民にとって非常にわかりやすく、PDCAサイクルによるフォローにつながっていくと思っております。
 特に基本理念の中で、私も提言してまいりましたが、利用者、生活者重視ということを明確にされ、ITが利用者にとって空気、水のように意識することのない使いやすさを備えたインフラとなると表現されております。このことはまさに生活密着のITの実現でありまして、今回の新戦略の核の1つになる重要な視点だと思います。
 そういう視点で、今回の戦略につきましては、大いに国民的賛同、支持を得られるものと確信しております。
 以上です。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 村井本部員、お願いします。

【村井有識者本部員】
 私もこの戦略の策定には関わらせていただいたので、内容に関しては改めて申し上げませんけれども、最初から関わっていた者として、是非確認しておきたい点が3点あります。
 1つは、このIT戦略というのは、基本的にはデジタル情報のインフラストラクチャーが日本の中にあり、これを国民、社会が自由に使える環境をつくるということを目標にやってきたわけです。それが最先端の状態になったということは、大変大きな成果だと思いますが、その中で戦略策定当初から非常によく使われていたのが民主導というキーワードです。世界一使いやすい情報環境を有する国になったというのは、やはりこのマーケットに競争を導入するということで実現できたのだと思います。そうだとすると、このマーケットは、インターネットの使い方一つを取っても、コンピュータの使い方一つ取っても、この5年間で全く変わってきています。つまり新しいマーケットに対応した新しいアプローチが、この民主導あるいは競争という概念にも必要になってきていると思います。そのことをきちんと理解して、そしてそういう新たなアプローチをしていくことが、これからの戦略を進めるにあたってとても大事だと思います。
 2点目は、今回の新戦略において国際戦略のことを強く打ち出しているということは、大変重要なことだと思います。なぜなら、日本が最先端になり、世界から多くの人々が日本を見に来ています。この戦略も見に来ているし、環境も見に来ている。現状としては、既に諸外国から追い付かれる状況になってきているということもありますし、世界或いはアジアの情報の環境が本当に日本の貢献で発展しているかということを考える必要もあります。実は国際的な日本の活躍と言いますか、役割に関しては、今から取り組まなければならないことが非常にたくさんあると思います。つまり民主導というのは、民任せということではないわけですから、やはりこれは国家戦略として、世界の中での日本の情報化がどういう貢献をしているかということをきちんと考えていく必要がある。こういう時期だと思うのです。そのためには、きちんとした議論と、それから現状を把握するアプローチがどうしても必要だと思います。今までそういった議論やアプローチが十分できていたかというところを見直しつつ、今後の国際戦略を進めることが必要かと思います。
 最後に、日本の中で先端の情報社会をつくるということがある程度できたということは、そのことにプライドと自信を持つべきだということでございます。これはセキュリティに関することですが、安全な情報社会をつくっていく上で、先頭ランナーだからこそ経験する問題があります。問題を解決しながら、前向きにアプローチをし、さらに新しいものをつくり出すという責任を日本は持っており、このことを自信を持って進めることが今後非常に重要になってくると思います。  
 それから、情報を使いこなすことに最高の能力を持っているのは私たちの子どもたちの世代だと思いますので、これをますます大きな将来の力になるよう、次の世代を担う子供たちの環境を考えていくということが必要だと思います。
 以上でございます。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 庄山座長、どうぞ。 

【庄山評価専門調査会座長】
 先ほど「評価専門調査会」としての報告をさせていただきましたが、これに参加させていただいた者として思いますのは、やはりまだまだ高齢者でありますとか、あるいは障害者のような方々のお立場からの観点というのが、私ども産業界もそうでありますけれども、国全体として不足しているということが第1点目です。ですから、もっともっとそれを考えるべきだということです。
 2点目は、この「評価専門調査会」というのは民側中心でやらせていただいたわけです。この文章をつくるのも筆を入れるのも民間のメンバーがやってきたわけでございます。こういうことは他のものにおいても、非常に重要なことではないかと思っております。この「評価専門調査会」の成果というのはいろんな場面で御採用いただきましたので、こうした民と官の役割分担は特によろしかったのではないかと思います。
 それから3点目ですが、PDCAサイクル、これはまだまだ始まりでございまして、しつこく着実に実行あるのみだと思っております。是非、引き続き取組みをよろしくお願いしたいと思います。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 宮内議長、お願いします。

【宮内規制改革・民間開放推進会議議長】
 新戦略につきましては、非常に早いスピードで、非常に高い目標を掲げることができるようになったという意味で、大変評価させていただきたいと思います。
 ただ、この目標をどう達成するかということになりますと、途中でも評価を行い、確実にその目標に達成できるように臨機応変に対応していくことが重要であり、そのための推進体制というものの充実が必要だろうと思います。
 また、このITのお話になりますと、技術が主導権をにぎるような議論になる場合が多いわけでございますけれども、それとともにそれに関わります制度とか規制等、そういうものを改革して、前広に何でもできるようにしておきませんと、IT技術が生かされないのではないでしょうか。前にも申し上げましたけれども、今後もそういうことについて常に留意する必要があろうかと思います。
 前回の本部にて、総理の御指示によりまして、レセプトのオンライン化のための方策は急速に進展いたしまして、これにつきましては本当にすばらしいことだと思っております。
 ただ、レセプトをオンライン化するというのは、決して最終目標ではございませんで、電子化、オンライン化したデータが蓄積されて、それによって広範囲の情報収集がいまよりも容易に可能になり、我が国の医療の在り方が変わっていくということが必要でございます。それが広く分析・研究等に活用されて、標準的な医療技術等の構築、精緻化された診療報酬制度の導入ということができないとレセプトのオンライン化の意味がないわけでございます。
 そういう意味で、このデータをどのように集積するか。国家規模の医療情報データ、ナショナルデータベースというものを、どこかで集約して利用できるようにするということが、次に必要になろうと思っております。レセプトのオンライン化は、そういう意味で医療へのIT利用の入口であって、これからやるべきことは大変多いということでございます。そういう点で、ようやく大きな一歩が進みましたので、次への足掛かりにしていただければと思っております。
 それから、この「新戦略」の中では通信と放送ということにつきましては、2011年にハーモナイゼーションが図られるということで、詳細については余り触れられておりませんが、実は4年前の2001年12月6日の当本部で、私から放送と通信の融合ということを申し上げましたけれども、そのときにはまだIT化が今のように進展しておらず、時期尚早ということで中長期的な課題とされました。しかし、この4年間でIT環境は大きく変わり、飛躍的に進歩しております。すでに通信、放送というのは事実上融合していると言えるわけでございまして、そういう中でこのIT戦略本部はそれにどう関わっていくかということも課題ではないかと思います。
 例えば、テレビ番組をインターネットで送信するといった途端に、今の制度は通信と放送と別々になっておりまして縦割的でございますために、制度的な障害が出てきます。技術の進歩が制度に阻害されるということも考えられるわけでございます。
 そういう意味で、競争監視機構の構築とか、コンテンツの充実のための著作権の問題、いろいろな問題がインターネット時代に出てきており、これらも我々の課題ではないかということを付け加えさせていただきたいと思います。
 以上でございます。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 それでは、竹中総務大臣、お願いします。

【竹中総務大臣】
 まず、この新戦略の策定に関しまして、有識者の皆様方には本当に御尽力をいただきましたことに感謝を申し上げます。
 さっきから思い返していたんでございますが、この「IT戦略本部」の前身である「IT戦略会議」というのがあって、私はそのときは民間人としてそこに参加をさせていただきました。その後、IT担当大臣を拝命して、このe−Japan戦略の推進に取り組まさせていただきました。
 5年前は、世界で一番早くて安いインターネットインフラをつくると言っても、多くの方は信用してくれなかった。私自身も半分ぐらい信用できなかった。しかし、これが見事にできたということは、やはりすごいことなんだと思います。
 実は、そうしていくうちに、先ほど村井先生がおっしゃったように、やはり我々を取り巻く技術の環境、コンセプトというのがどんどん変わってきて、安くて早いのは当たり前なんだと、その後、いつでも、どこでも、何でも、だれでもというような概念が出てきて、そしてそういう概念が広がれば広がるほど、利活用の面で問題があるということが出てきたというのが現状だと思います。
 そういう現状を踏まえて、今回の提言がなされているということを、我々はやはり重く受け止めたいと思います。
 とりわけ、具体的に総務省の直接担当する問題といいますと、やはり電子政府が遅れている。これは御指摘のとおりだと思います。今回、PDCAの問題を明示していただいて、申請率を5年で50%以上にすると。実は汎用的な電子申請システムの申請率は0.7 %なんです。ほとんど整備はされたけれども活用されてないというのが、残念ながら現実だと思いますので、明確に成果目標を掲げて、チェックの推進体制をやって、これはもう責任を持って是非実行していきたいと思います。
 それと、宮内議長がおっしゃった、通信と放送の問題です。これも本当に技術の環境が数年前と画期的に変わったということだと思います。そういう点についても、一体将来のビジョンをどのように描いて、それに基づいて何ができるかということの、総務省の中で私の私的な専門家による懇談会をつくることを考えておりまして、またその御報告も是非させていただきたいし、恐らくその懇談会に先生方をお呼びしてお話をいただく機会もあろうかと思いますので、是非ともよろしくお願い申し上げます。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 小坂文部科学大臣、お願いします。

【小坂文部科学大臣】
 ありがとうございます。今、総務大臣のお話がございましたけれども、私も郵政総括政務次官で、ADSLの日本への導入に関わり、また総務副大臣になりまして、省庁再編でのe−ガバメントポータルの設置を提案して、それを推進してきた。
 また、e−Japanの特命委員会の委員長代理等をさせていただきながら、ここにおいでのほかのメンバーと一緒になって、党の方におけるe−Japanの推進等に関わってまいりました。
 そういう観点からいたしますと、当初よりは大変に進んだわけでございますけれども、当初から懸念しておったデジタル・ディバイドが、非常に現実のものになっていると思うわけでございます。そして村井先生からもお話ありましたように、今のインターネットの使い勝手というものがどんどん変化している中で、例えば、今、宮内議長のお話にもございましたけれども、昔はビデオオンデマンドということを言っていたわけですけれども、今はストリーミングがマルチキャストになって、どんどん変わってまいりました。
 そして、学校の現場はいまだにADSLが超高速と呼ばれているわけでありまして、これは私が最初にISDNが高速だということに対して、ADSLがなぜ入らないかと言っていた時代と全く変わってない。そういう意味では、ファイバー・ツー・ザ・ホームということで言っているならば、ファイバー・ツー・ザ・スクールでなければいけない。これからコンテンツがそういう形で流通しやすい環境をつくることが、私どもはまず人材育成の根本である部分で、非常に大きなギャップが出てくる。それをまず推進しなければいけないという危機感を持っております。
 そういう意味において、総務大臣と危機感を共有させていただきまして、学校現場における目標値の達成率を飛躍的に追い駆けて、そしてこれを達成させたいということで、事務方には特伝の指示を出したところでございます。
 しかしながら、残念なことに財政面ではなかなか難しい環境にありまして、そういった意味で民間本部員の皆様、有識者の皆様の後押しもいただきながら、世論を盛り上げて、そして内閣においての内閣世論も盛り上げて頑張っていきたいと思っていることでございます。
 今回の新戦略におきまして提案されております、初等・中等教育段階からの環境整備、また産学官連携による高度IT人材の育成、戦略的な研究開発の推進、こういったものについて精一杯努力したいと思いますし、青少年を有害情報から守ることや、あるいは情報モラル教育に対しても、十分な対策を行うことといたしたいと存じます。
 今度とも、総務省、経済産業省、また関係各省と連携を取りながら努力いたしますので、よろしくお願い申し上げます。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 川崎厚生労働大臣、お願いします。

【川崎厚生労働大臣】
 私も小坂さん同様、突き上げる方の役目をしてきたものですから、今度は突き上げられる方になったなと思っております。特に私がやっておりましたデジタル放送の促進、アナログ放送の停波という問題、要は期限を切ってそこまでにやると取組みと同様に、今度のレセプトの問題について、5年間という期限で、もうそれ以外の請求には応じない言い方を、この間医師会にいたしたところでございます。
 これをどのぐらい受け止めながら、医療機関全体が動いてくれるかという段階を迎えてきたんだろうと思いますが、すべての医療機関がついて来られるかという問題が当然出てくる。そこをどうクリアーするかというのが、我々の課題になってくるんだろうと思っております。
 今、御指摘いただいたように、第1段階で医療のIT化というのが、まず第1に進み、この後個人の医療情報とIT化、しかしながらそこには個人情報保護という問題が密接に重なり合いながら、どう構築していくかという問題があり、ICカード問題も含めてなかなか大きな課題だなというふうに今、思っております。
 ただ、行くべき方向というのははっきりいたしておりますので、極力その方向へ向けて努力してまいりたいと思います。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 国家公安委員長、沓掛大臣、どうぞ。

【沓掛国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)】
 私は、国家公安委員長と防災担当大臣と有事法制担当大臣をやらせていただいているんですが、警視庁の、いわゆる警察関係のパトカーがどこにいて、どこで犯人を追いかけて、どうするというものを大きな部屋で一度に見られるシステムが確立しているのを見て、私が考えていた時代と随分違うなと。また、私自身も防災をずっとやってきたんですが、防災担当大臣室の隣にまたそういうものがあって、いろいろなところが局部的にすぐ拡大して見られるとか、やはりこれから警察、防災ともに非常に時間を早くやらなければならない分野でございまして、こういう分野においてこれからこういうものを更に一層推進していただきたいし、また多くの問題も抱えております。
 例えば、最近問題になっている幼児誘拐の例があるけれども、こういう問題にも通学路とかいろいろに活用しながらできないかどうか検討してほしいというふうに今、事務局でもいろいろ話しておりますが、これからの日本のいろいろな面での発展、幸せのために欠かせない大事な分野だと思い、本日提案の新戦略は非常にすばらしいものだと思って感心して聞いておりました。今後ともみんなで力を合わせて頑張らせていただきたいと思います。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 それでは、松経済産業副大臣。

【松経済産業副大臣】
 まず、民間の本部員の先生方に、心から感謝申し上げたいと思います。我が国が2006年以降も世界のITのトップランナーとして最先端を走り続ける。あるいはなかんずく先導する日本であるために、やはりこの2つの大事な柱を打ち出されたということはすばらしいと思っております。
 1つは、ITを使って企業の競争力を強化するという視点、先ほど上野本部員もおっしゃいました、日本のものづくりを支えるという意味でも非常に大事だと。IT経営というものが大事だということをおっしゃいました。この視点が1つです。
 それから、少子高齢化や環境問題といった社会的な課題をITによって解決するという視点、こういう視点がきちんと出てきたというのは初めてではないかと。
 この2点が明確に位置づけられたということは、すばらしいことであると思っております。
 先ほど、社会保障全般のIT化の話も出ました。勿論これには今のプライバシーの問題等々ありますけれども、大事なことは国民の皆様がITの恩恵を実感する社会をつくり出すことが一番大事ではないかと思っております。
 私ども経済産業省も、そのためにITによる改革の推進に全力で取り組んでまいります。ありがとうございました。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。
 それぞれ皆さんから、大変活発な御意見・御提案がございました。皆さんの御意見を承りまして、新戦略の基本的なラインについては御了解をいただいたのかなと受け止めさせていただきました。
 本日いただきました御意見を踏まえまして、速やかに新戦略の案をパブリック・コメントに付したいと存じます。その際、御意見のありました副題も含めまして、加筆・修正等に関しましては、私にて適切に対応させていただきたく存じます。よろしくお願い申し上げます。
 なお、パブリック・コメントを経た最終案につきましては、次回の「IT戦略本部」においてお諮りしたいと思います。
 以上のように取り計らいたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。

                (「異議なし」と声あり)

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。それでは、そのように取り運ばさせていただきます。

(5)中村(邦)有識者本部員によるデモンストレーション 〜地域に密着した災害時情報配信システム〜

【松田IT担当大臣】
 次に、中村本部員より地域に密着した、災害時情報配信システムについて御紹介をいただきます。よろしくお願いいたします。

                (報道関係者入室)

【中村邦夫本部員】
 中村でございます。本日は、地域に密着した災害時の情報配信の試作実験システムを紹介させていただきます。ご承知のとおり、地震や台風などの自然災害は我々国民にとって大きな脅威となっております。
 災害時の情報伝達については、@早く伝えるために複数のインフラを併用する、AわかりやすくするためITユニバーサルデザインの考え方を導入する、B必要な人に必要な情報を伝えるため対象地域を絞った情報を配信する、といったことが今後重要になってこようかと思います。
 こういう背景を受けまして、これより地上デジタル放送の特徴を活かした実験システムを御紹介したいと思います。
 まず、大雨による洪水の恐れがあり、避難指示が出されるという想定でデモを行います。こちらの画面は、御家庭にあるデジタルテレビで地上デジタル放送を受信しております。
 デジタルテレビは、購入設置時に郵便番号を設定することになっておりまして、この機能を活用することで対象地域を絞って情報伝達ができます。
 それでは、避難指示を発令し、対象地域に情報発信をしたいと思います。
 テレビ画面をご覧ください。テレビに災害情報が届き、ご覧のように画面にメッセージが表示されました。同時にライトが光り、アラームが鳴りました。これにより仮にテレビが消えていても待機状態になっておりますと、緊急の避難情報が届いたということを知ることができます。
 次に自動的に画面が切り替わり、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れた大雨と洪水を示すイラストが表示されました。
 続いて、避難指示画面が表示されました。テレビのリモコン操作で、簡単に情報を選択することができます。
 それでは、避難場所に関する情報を選択してみます。デジタルテレビに設定した郵便番号を認識し、自宅に近い避難場所から順番に表示していきます。「詳しく」というボタンを押しますと、避難場所の地図を表示することも可能であります。
 次に河川の水位に関する情報を選択してみたいと思います。ライブカメラの映像により、危険が迫っていることを実感していただくことができます。
 2つ目に、災害発生後の被災者への支援情報提供についてのデモをしてみたいと思います。映像はNHK様に御協力をいただいております。リモコン操作で、通常のデータ放送画面に切り替えます。更に対象地域の場合は「被災者の方へ」というボタンが表示され、それを選択することで災害に関する情報のメニューが表示されます。これは、地上デジタル放送の特徴を生かしたものであります。
 それでは、その中から「避難所生活支援」の情報を選択してみます。まず、最寄の避難所の生活支援状況の一覧が表示されました。例えば、給水について「詳しく」というボタンを選択してみますと、給水車の巡回時間と給水場所を確認することもできます。 
 中越地震の際には、車の中で生活されていた方が多くいらっしゃいました。先ほどの家庭のテレビと全く同じことが、地上デジタル放送対応のカーテレビでも可能であります。ご覧の画面は、走行中にカーテレビで受信したデジタル放送です。デジタル放送では、アナログ放送でおこる画面の乱れは少なく、鮮明であることに加え、このように先ほどのデータ放送を活用した情報配信も可能であります。
 カーテレビの場合は、郵便番号の代わりにGPSを活用いたします。
 携帯電話の場合は、来年4月から開始されます携帯電話向けのワンセグ放送でデータ放送の受信ができます。ただいま総理にご覧いただいております画面は、ワンセグの試験放送を受信しているものであります。
 以上、試作実験システムですので、不完全な部分もございますが、一例をデモいたしました。このようなシステムの実現には、公共性を持っておられる民放各社の協力も必要です。また、メーカーとしては待機時の電力を極小にするよう取り組む必要があります。実現に向けた課題は沢山ありますが、防災行政無線等の活用に加えて、複数のITインフラを使って様々な端末に局所的な情報を伝える新しい地域防災システムの構築についても進めるべきだと思っております。
 ありがとうございました。

【松田IT担当大臣】
 ありがとうございました。以上でデモンストレーションは終了でございます。

(6)内閣総理大臣挨拶

【松田IT担当大臣】
 それでは、予定の時間もまいりましたので、ここで小泉総理より御発言がございます。よろしくお願いいたします。

【小泉内閣総理大臣】
 ありがとうございます。お陰様で、世界最先端のIT国家になろうという目標は皆さんの御努力・御支援で実現したわけですが、今日のお話でも今度はそれに甘んずることなく、ITの恩恵を実感できる社会、そのための改革が必要だということだと思います。
 政府も全力を挙げて取り組みますので、今後とも皆さんよろしく御指導・御協力をお願いします。ありがとうございました。

                (報道関係者退室)

(7)閉会

【松田IT担当大臣】
 以上で、本日の「IT戦略本部」を閉会したいと存じます。なお、本日の会議につきましては、この後内閣官房の事務方からブリーフィングを行うこととしております。
 本日は、どうもありがとうございました。


(別紙)

《出席者名簿》

 小 泉  純一郎内閣総理大臣
 松 田  岩 夫情報通信技術(IT)担当大臣
内閣府特命担当大臣(科学技術政策・食品安全・食育)
 安 倍  晋 三内閣官房長官
 竹 中  平 蔵総務大臣
(欠)二 階  俊 博経済産業大臣
(※松 あきら 経済産業副大臣 代理出席)
 杉 浦  正 健法務大臣
(欠)麻 生  太 郎外務大臣
(※遠山 清彦 外務大臣政務官 代理出席)
(欠)谷 垣  禎 一財務大臣
(※野上 浩太郎 財務大臣政務官 代理出席)
 小 坂  憲 次文部科学大臣
 川 崎  二 郎厚生労働大臣
(欠)中 川  昭 一農林水産大臣
(欠)北 側  一 雄国土交通大臣
(※松村 龍二 国土交通副大臣 代理出席)
(欠)小 池  百合子環境大臣・内閣府特命担当大臣 (沖縄及び北方対策)
(※平井 たくや 内閣府大臣政務官 代理出席)
(※竹下 亘 環境大臣政務官 代理出席)
 沓 掛  哲 男国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(防災)
(欠)額 賀  nu郎防衛庁長官
(※高木 毅 防衛庁長官政務官 代理出席)
(欠)与謝野  馨内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策)
(※櫻田 義孝 内閣府副大臣 代理出席)
 中 馬  弘 毅内閣府特命担当大臣(規制改革・産業再生機構)
 猪 口  邦 子内閣府特命担当大臣(少子化・男女共同参画)
 伊 丹  敬 之国立大学法人一橋大学大学院商学研究科教授
 上 野   保 東成エレクトロビーム株式会社 代表取締役社長
 大 山  永 昭国立大学法人東京工業大学大学院理工学研究科教授
 清 原  慶 子三鷹市長
 鈴 木  敏 文株式会社セブン&アイ・ホールディングス 代表取締役会長
 中 村  邦 夫松下電器産業株式会社 代表取締役社長
(欠)中 村  維 夫株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ 代表取締役社長
 村 井   純 慶應義塾大学環境情報学部教授
上記の他、以下が出席。
 長 勢  甚 遠内閣官房副長官(衆)
 鈴 木  政 二内閣官房副長官(参)
 二 橋  正 弘内閣官房副長官(事務)
 庄 山  悦 彦評価専門調査会座長
 宮 内  義 彦規制改革・民間開放推進会議議長