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第4回IT戦略本部 議事録



1.日 時:平成13年5月31日(木) 8:45〜9:45

2.場 所:内閣総理大臣官邸大食堂

3.出席者:[別紙]

4.会議の模様

(1) 竹中IT担当大臣から以下のとおり挨拶。
 ・それでは時間ですので、第4回のIT戦略本部を開催させていただきます。進行を務めます竹中平蔵です。前回までは有識者側に座らせていただいていたのですが、このたび閣僚側に座ることになりました。引き続きよろしくお願いいたします。
 ・まず、言うまでもありませんけれども、小泉内閣が発足しまして最初のIT戦略本部ということにもなります。是非小泉総理の方から一言御挨拶をお願いしたいと存じます。

(2) 小泉内閣総理大臣から以下のとおり挨拶。
 ・おはようございます。早朝より御苦労様でございます。
 ・森内閣のときに、5年以内にITの先進国家になるように頑張ろうということでこの会議が発足されたと思います。小泉内閣になって初めての会議ではございますが、これから明るい希望を持って、新世紀に向かう意味においてもITの問題は大変重要な問題だと思っております。森内閣の方針が実現できるように、竹中大臣を中心にいたしまして皆さんと一丸となって取り組んでまいりたいと思いますので、今後ともよろしく御指導、御協力をお願いしたいと思います。今日は本当に御苦労様でございました。

(3) 竹中IT担当大臣から本日の議題について説明。
 今日議論していただきたいことは2つある。「e-Japan2002プログラム」という一種の中間目標を設定するということが総理の所信表明演説の中で述べられているが、このIT化を進めるための中間目標についての議論をお願いしたいということ、これが第1点である。
 第2点としては、今後この本部において検討すべき課題をどのようにしていくかということをフリーディスカッションしていただきたい。問題の分野は広いが、日本国全体としてどのようにこのIT戦略を進めていったらいいかという全体の戦略的な部分についての御議論をそれぞれの立場からお願いしたい。
 なお、規制改革委員会の廃止と総合規制改革会議の発足に伴い、IT戦略本部の本部決定を一部修正する必要が出てきている。組織は変更されたが、宮内会長には引き続き規制改革を推進する立場からこの会議に参加していただくこととする。

(4) 竹中IT担当大臣からIT戦略本部での検討の方向について説明。
 総理御自身初めて御出席いただく、また新しい大臣の方も初めて御出席いただくということもあるので、確認の意味もこめて、このIT戦略本部での検討の方向について私なりの考えを数分間で簡単に是非申し上げたい。
 まず、これは本部員の皆様方には言うまでもないことであるが、このIT戦略本部が今までどのような経緯でここに至っているかということである。平成12年の7月にIT戦略会議が設置された。森内閣に設置されたが、この構想そのものは実は小渕内閣から引き継がれて、12年の7月にITという非常に戦略的な分野に国を挙げて取り組むという目的からIT戦略会議が設置された。そこで事務方に非常に御努力いただいて突貫作業で11月にIT基本戦略が策定された。更にIT基本法等々に基づき、13年の1月にIT戦略本部という形で戦略会議から戦略本部に形を変えている。それで、IT戦略会議の議論に基づいて「e-Japan戦略」をこの13年の1月に決定した。IT基本法は1月から施行されている。それに基づいて、今年の3月に「e-Japan重点計画」を決定し、IT基本戦略に基づいた重点計画として220 項目をリストアップしているというのが今日までの状況である。
 それで、これまでの成果を是非確認しておきたいが、まずIT戦略会議の議論を踏まえて長期的な目標を設定した。これはIT戦略会議の議長をお願いした出井会長のリーダーシップによって非常に野心的な、アンビシャスな計画がつくられていると申し上げてよろしいかと思う。日本を5年以内に最先端のIT国家とする。特にITの基本インフラ、高速インターネットインフラを中心に5年以内に世界の最先端に持っていくのだという野心的な計画である。これはとりも直さず日本には技術もあり、投資資金もあるが、さまざまな要因が重なって残念だが今のところそのポテンシャルを十分に発揮できないでいるという一つの反省も踏まえた戦略的な決定である。
 それで、分野別にも具体的な取組が始まっており、インフラの整備の話、更には人材の育成、これは情報リテラシーを高めると言ってよいかと思うが、今度は人間側の問題がある。具体的な経済取引としての電子商取引の問題、更には一つの非常に大きな推進力としての電子政府の建設の問題、その他の問題としてはセキュリティ、デジタル・ディバイドの是正というような問題もこれまでの取組の中で徐々にではあるが、計画として重点計画の中に織り込まれている。
 それを受け、今後の検討の重点ということになるが、所信表明の中で先ほど申し上げたように、2002年の中間目標を掲げるということを総理にお願い申し上げて、総理がそれは所信表明の中で述べていただいた。実はこの考え方というのはそこにいらっしゃる村井教授の御示唆に基づいているが、2002年にはワールドカップがある。考えてみると、人類がインターネットと携帯電話を使うようになってから、世界中の人が日本に初めて集まる機会であろう。その意味では、日本のITの実力が世界にさらされるし、世界から評価される時期になる。その意味を込めて、2002年というのは一つの重点的な年として少し求心力を高めていこうではないかというのがこの2002年の中間目標の趣旨である。申し上げたように、後で是非御議論いただきたいと思う。
 その中で私自身の反省も込め、今までこの一連の会議と、本部でなし得たこととなし得ていないことがあるように思う。重点の今後の課題として、私なりに3つにまとめさせていただいた。
 それはまずインフラ、高速インターネットインフラの整備は大変重要である。それを、競争政策を通じて実現するということが、一貫してこの会議の中で主張されてきたが、具体論として、具体的な段階としてどのように競争政策を進めてこれを実現していくのかというのはまさに今後の非常に重要な課題になっている。日本全体が構造改革を進める、その中で競争政策が重要だという位置付けも所信表明の中では与えられているが、そういった全体の競争政策の中で特に重点分野としてのこの電気通信関係の分野での競争政策をいかに進めていくかということは、まさにこの会議の成果が問われているところだと思う。
 第2番目の問題としては、インフラを作らなければいけないが、なかなかまだ困難もある。しかし、インフラができたとしてもやはりそれを使うのは人間の側であり、インターネットの利用人口が最近非常に急速に上昇しつつあるという大変喜ばしい数字があるが、少なくともスタートの時点では非常に低くて、まだまだ目指すところから見ると不十分である。情報リテラシーの抜本的向上に向けた集中的取組が必要である。御承知のように、今年の4月から自治体を中心にIT講習会を試験的に始めたわけだが、伺い知るところによるとどこの教室もかなり応募率が高くて好評である。いいスタートを切ったというふうに聞いているが、これを更に推し進めるということが私は必要であろうかと思う。
 第3番目としては、目に見える形でのIT革命の成果、便益の国民への提示ではないかと思う。イメージとしては、どこかにITの地域的なショールームみたいなものがあるというのが私は一つだと思う。デジタルタウンのようなものがどこかにあるというのも一つの考え方ではないかと思う。ITに関しては一部にITバブル崩壊とか面白おかしく書かれて、それによってむしろITの求心力というのが一時に比べると社会的に低下しているということは否めないと思う。昨年IT革命という言葉が日本の流行語大賞を取ったわけであり、今年もう一度流行語大賞を取ろうという意味ではないが、国民にデジタルな革命の意味というのを理解してもらうための仕組みづくりというのが必要なのではないかと考えている。以上の問題意識に基づいて是非積極的な御議論をいただきたいと思う。
 まず、議題に従い「e-Japan2002プログラム」、それと今後本部において検討すべき項目について事務局から説明を行った上で自由に討議の時間を設けたいと思う。一昨日の新聞で「e-Japan2002プログラム」の内容がこういうふうに決まったという報道がなされているが、何も決まっていないので、たたき台を事務局から説明していただき、是非この場で御議論をいただきたいと思う。それでは、「e-Japan2002プログラム(案)」の説明を事務局にお願いしたい。

(5) 事務局から以下のとおり説明。
 それでは、「e-Japan2002プログラム(案)」について御説明申し上げる。全体の構成は「基本的方針」と「分野別施策」ということで構成をしている。今日はこの中の「基本的方針」の部分を簡単に御説明をしたいと思う。
 まず「基本的方針」の中でこれまでやってきたことを簡単に書いているが、先ほど竹中大臣からお話があったので、この辺りは少し割愛をさせていただく。
 今までやってきた「e-Japan戦略」、それから「e-Japan重点計画」を今度は「e-Japan2002プログラム」ということで取りまとめて、その基本方針に基づいて施策を推進して、政府を挙げて重点的かつ戦略的にIT施策を一層積極的に推進していくということでこのプログラムを考えている。
 柱立てであるが、5本の柱を立てている。1番目は、「高速・超高速インターネットの普及の推進」である。この項目については公正競争の促進、規制改革の着実な推進といった事項を中心に議論を進めていきたいと思う。
 2番目の「教育の情報化・人材育成の強化」である。平成17年度までにIT人的資源大国となるということでいろいろな施策を講じていこうということである。 
 第3の柱は「ネットワークコンテンツの充実」である。世界に発信される良質なコンテンツを飛躍的に増大させていくことが必要だと考えている。
 4番目の柱は「電子政府・電子自治体の着実な推進」である。政府は平成15年度までに電子政府を実現するということを約束している。このために、必要な基盤整備を平成14年度中に進めるということである。
 5番目の柱は「国際的な取組の強化」である。我が国がアジアのインターネット網のハブの役割を担えるようにするといったことを考えていきたいと思っている。この5つの柱については、分野別の施策の中にそれぞれの項目について検討責任省庁を明示した上で、こういう方向で検討すべしということを記している。 
 重点化と同時に、幾つか限られた予算の効率化を図るためのチェックも十分やっていかなければいけない。これは例えば「e-Japan戦略」及び「e-Japan重点計画」を踏まえたものであるかどうか。また、民間企業に任せるべき領域は民間企業にやっていただくということではないかといったことから、既存の施策も大胆に見直しをして、こういった基本方針に基づいて施策を重点的かつ戦略的に推進をしていくということでいきたいということである。
 IT施策を集中的・包括的に実施することにより、「e-Japan戦略」に掲げられた目標の確実な達成を図るとともに、IT革命の推進を通ずる我が国の社会経済構造の改革を断行していく。分野別課題については、やや細かくなるが、それぞれこういう項目をこの省が中心になって検討していくということで、内閣からこういう方向で検討してもらいたいというものを案としている。

(6) 「今後本部において検討すべき課題(案)」について事務局から以下のとおり説明。

【事務局】「今後本部において検討すべき課題(案)」についてであるが、これは、事前に各本部員の方々のところに伺い、御意見を伺いながら6本の柱にまとめたものである。例えば、1番目の柱である「高度情報通信ネットワークの形成」というところでは今後の競争政策の在り方。「教育・人材の育成」のところでは情報リテラシー向上のための施策、人材の育成についての議論である。「電子商取引等の促進」のところではコンテンツの流通促進方策。また、「行政・公共分野の情報化」のところでは電子政府・電子自治体の推進のために議論していかなければいけない点を議論していただきたいと思う。また、情報セキュリティのところではサイバーテロとかハイテク犯罪といったものが出ている。そういうものにどう対応するのかということも御意見をいただきたいと思う。
 こういう5つの柱に共通の、分野横断的な課題が幾つかある。例えば雇用であるとか情報格差、デジタル・ディバイドといったものがある。そういったものにどう対応していくのか。また、国際的な協調、貢献をどのように進めていくのかということについて御検討、御議論をいただければありがたいと思っている。

【竹中IT担当大臣】時間の関係があるので、自由討議は「e-Japan2002プログラム」、それと今の「今後の課題」、両方合わせて議論をさせていただく方がよいと思う。
 自由討議に入る前に、前回の第3回の会合で奥山本部員からこの会合で御発言があるという旨お話があったので、5分程度でプレゼンテーションをお願いしたい。

(7) 奥山本部員から以下のとおり説明。
 前回、3回目に申し上げたが、先ほどの竹中大臣の今後の検討の重点の中で競争政策、競争についての御言及があった。競争の促進等を通じた世界最高水準の情報インフラの整備というお話があったが、大変心強いお言葉だと受け止めさせていただいた。順次簡単に申し上げたいと思う。
 まず、これまでIT戦略本部等で整理された情報通信の高度化に関する議論の集約を簡単にまとめてみる。皆様方には釈迦に説法であるが簡単に申し上げると、御承知のとおりかつては電話は電話網、ファックスはファクシミリ網を、データ伝送はデータ網というふうにそれぞれのネットワークが構築されていたので、NTTとか私どものような情報通信の基盤を持たない方々は、新しいサービスを提供しようにも提供できなかったというのが以前の状態である。
 それが、インターネットが登場したために、情報通信基盤を持たない方々でもインターネットを利用することによって新しいサービスをどんどん提供できるような状況が見えてきたというのが現在の状況である。 
 それから、IT戦略本部で整理された今後の姿として、先ほど総理のお話にもあったように、5年以内に世界最先端のIT国家を目指すために超高速インフラの整備をする。電子商取引以下、今後発展するであろうサービスの種類があるが、いずれにしてもこういった超高速のインターネットにより今後新しい時代が訪れるということで、それを構造的に見ている。
 現在それらを支える構図はどうなっているのかということであるが、現在はNTTの東西の地域会社が地域における情報通信の基盤を、100 %近く独占をしているような状態になっている。それで、日本対米・欧の相互接続、これは森前総理にも大変御心労を煩わせた、いわゆるアクセスチャージの問題であり、今後も接続問題が残っている。
 更にNTTコミュニケーションズ、NTTドコモというNTTの持ち株会社の下に包括されている地域会社あるいは国際通信会社、移動体の会社があり、それらが一体となって、新しいサービス分野に進出をされているというのが現在の状態である。それで、情報通信基盤を利用したサービス分野として、そこに電子商取引、電子政府の教育・環境・福祉、高度道路通信システム等々ある。要はインターネットを中心としてITから生み出される高度の情報通信の世界が、個人と言わず企業と言わず国家と言わず、それらの社会活動、経済活動全般を一変させる。それがこのIT戦略会議の目指すところでもあると考えている。先ほど大臣からもお話があったように、これらを実現するためにはいずれにしても公平公正な新しい競争政策が不可欠だということを申し上げたい。
 情報通信分野の利用展開の状況をNTTを例にとって説明したい。これは既に発表されている電気通信審議会の資料から抜粋させていただいたものであるが、地域、NTT東日本、西日本、長距離NTTコミュニケーションズ、移動体、NTTドコモ、その他NTTデータとあるが、これらはこれまでの競争政策のむしろ重点であったととらえていいと思う。こういう表現が適当かどうかわからないが、いわば水平的な市場支配力について専ら問題にされてきたというのがこれまでの競争政策であったと思う。
 しかしながら、このIT戦略本部が目指すような社会を実現するためには、これに加えて新しい競争政策が是非とも必要である。上下、つまり垂直的な方向での市場での展開、競争の実現ということが是非とも必要ではないか、非常に重要になってくるのではないかと考えている。よくこれだけNTTブランドがあるものだという感じがするのではないかという気がするが、縦横いずれにしてもNTTがこれだけ事業を展開されているのは、これは別にNTTを誹謗するわけでも何でもない。NTTの経営者としては当然だろうと思う。なぜかというと、地域の通信網をほとんど独占的に支配しておられる以上、そこでの競争が進まないうちに社会と技術の方がどんどん進むので、当然経営者としては縦の方向、つまり上下の方向にどんどん増殖をして事業拡大を目指すというのは当然であるので、私どもとしてはこれをこのまま放置することはいかがかなというのが次の大きな課題になるだろうと思っている。
 したがって、今日出席の有識者本部員の方々には、恐らくこのような状況にかんがみ御自身のところでの事業展開をいろいろ御不自由に感じていらっしゃる方もあるのではないかと推察をしている。いずれにしても、こうした水平的な市場支配力、そこへの競争導入と同時に垂直的な統合の解消というものも非常に重要であるということを申し上げたかったわけである。
 あとは最後に結論として、先ほどお話申し上げたように、これまでの競争政策の一層の促進をお願いしたい。つまり、市場支配力の強い会社の競争の促進を動機づけるような方策がこれまでも検討されてきたし、今後も是非それを助長していただきたいと思う。当面は政府与党の大変な御努力で電気通信事業法の改正案が今国会で審議中であるので、当面是非これを速やかに御成立させていただきたいというのが第1点である。
 そして、今後は更にそこで立ち止まっていただいては困るということを申し上げたいわけであり、2番目として、新しい競争政策の導入が是非必要だということを先ほど来申し上げたところである。そのためにはどうしても情報通信分野における競争構造の改革という、ここでも構造改革というところに行き着かざるを得ないと私は考えている。競争構造の見直しに最終的に行き着くのではないかと思っている。

(8) 意見交換。

【梶原知事】自治体という立場であるが、地方の立場、ユーザーの立場、そして社会的弱者の立場をこれまで代弁させていただいた。戦略会議では出井議長のリードで野心的な戦略ができたが、どうか本部においても総理の指導力と竹中大臣の調整力で野心的な計画ができていくことを期待している。
 事業者政策は、今奥山社長もおっしゃったように大変重要であるが、同時にユーザー対策もこれから重点を置いていただきたいと思う。『鳥の目』から『虫の目』といっているが、企業は自由競争の市場原理が基本だと思う。同時に、自治体とかユーザーは機会均等化という公共原理が働いていかなければならない。市場原理と公共原理があいまって国民的なIT戦略がうまくいくと思っており、私たちは公共原理の立場でこれからも発言をさせていただきたいと思う。
 そういう観点から申して、この御提出の案の中でデジタル・ディバイドは余り強調されていないような気がするので、基本方針の中でそれを明確に謳っていただいた方がいいのではないか。沖縄憲章でもデジタル・ディバイドが主たるテーマであった。そういうことをお考えいただきたいと思う。それで、弱者支援の公共政策だとか、地方支援の公共分野におけるITの利活用だとか、あるいはユーザー、消費者支援の家庭や生活におけるITの恩恵の実感、これは竹中大臣の説明の最後にあったように、国民に具体的なIT便益を提示していくということが国民的なIT戦略の成功の秘訣だと思う。是非虫の目からの点検をしていただきたいと思う。
 「岐阜県IT戦略」というものを立てて、安全・安心・便利・快適・活力というような柱で今、申し上げた虫の目からIT戦略を立ち上げている。その実績によってこれからもいろいろ発言をさせていただきたいと思う。
 数年前から、全国移動体通信等普及推進協議会というものを構成してITのインフラの整備の推進をして、国にもいろいろお願いをしている。46都道府県に入っていただいているが、なぜか大阪府だけは参加されない。これは横山ノック知事のころであるが、46団体御参加いただいており、たまたま私が座長であるのでいろいろな意見の取りまとめをしている。
 そういうことも含め、「e-Japan2002プログラム」において配慮すべき事項、この世界最高水準のインフラを形成する上で地方のインフラ整備を是非お願いしたい。それから、家庭の主婦のニーズを踏まえたデジタル家電の普及促進。IT講習をどんどんやっているが、今までの実績を見ると50代の女性が大変御熱心で一番数が多い。これは日本のIT戦略の一つの鍵になっているのではないか。デジタル家電というものが爆発的に普及する可能性があると我々は思う。我々女房族に財布を握られているので、女房族がその気になればデジタル家電はものすごく普及する。パソコンにものすごく熱心になる。これは、これからの経済政策を立ち上げていく上で非常に重要なことではないか。
 我々は、新しい情報社会の三種の神器はデジタル家電とデジタルカー、ITSとかGISを駆使したデジタルカーが三種の神器の一つになる。それからもう一つは、ITの対局にある自然を求めるというセカンドハウス、我々はセパレートハウスと言っているが、大都会では家の拡張はなかなか難しいから、距離的に離れているが緑豊かなところにセパレートハウスをつくる。そうすると、家財道具をまた買わなければならない。それで、我々が岐阜県でつくっている陶磁器が売れる、包丁が売れるということになるので、岐阜県自体でセパレートハウス、緑の健康住宅というものを進めており、大都会の人たちにとって非常に関心が高い。だから、デジタル家電とデジタルカー、セカンドハウスないしはセパレートハウスが情報社会の三種の神器ではないかと考えている。是非そういう地域の現場のニーズをとらえてインフラ整備等もお願いしたい。
 それから教育、学習については岐阜県下の高等学校から幼稚園まで一つの学校にしてしまえということで光ファイバーでつないでバーチャルスクール、高校の授業を幼稚園でも受けることができる。そういうような体制を今とりつつあるが、是非御支援をお願いしたい。
 それから3番目の電子商取引である。地場産業が中国等の輸入攻勢で非常な打撃を受けているが、中小企業対策がある。
 それから4番目の行政の情報化であるが、公共モデルを慶応大学、それから東海3県で共同に開発するということにしている。是非竹中大臣がおっしゃったようにモデル的なところを優先的に取り上げてもらう。まるごとITタウンとか、頑張っているところを支援する。努力する者は報われる。護送船団方式はやめていただきたいと思っている。
 最後に、外国人の技術者の関係で、トルコとかモンゴルが岐阜県と共同で人材養成をしたいという申入れがある。是非ODAを使いたいと思っているので、よろしくお願いしたい。

【村井教授】皆さんのお話されていること、それからそもそもこの原案の「e-Japan2002プログラム」に入っていること、それぞれ重要なことばかりであるが、ちょっと視点の違うことで幾つかお話をしたいと思う。
 まずは、私は、「e-Japan」の体制全体を考えて、欠けているもの、それに対してやらなければいけないことを常にチェックすることが必要だと思う。IT化というのは、構造改革にしろ、雇用促進にしろ、経済の活性化とか国民の力といった、それぞれの非常に重要な考え方を支えるためのものである。それらにきちんと貢献するような形で十分な力と体制ができているかということも重要であり、その中の要素に技術もある。それで、その中で規制改革の話は今もずっとされているかと思うが、これはどうしても電話線がうまく使えればこれでOKということになっていないかというのが一つの心配である。
 というのは、つまりインターネットの基盤になるのは電話線だけではなくて、ガス管だとか下水道、電力の線、それから地方行政で整備している線、こういった光ファイバーあるいは電線、既存の線の利用、新しい線の敷設、これが重要であるし、また今、話が何度も出ているように電波の件、これはETCのDSRC(狭域通信)、携帯電話、それから従来の業務無線がこれからどうなるのか。放送と通信の融合の、電波の部分がどうなるのか。こういったことそれぞれが重要な足回りになるので、これらのそれぞれで競争が促進されて発展をするという体制が整備されている。これが重要なので、そういったところで考える必要がある。
 それからメディアの改革であるが、私は最近大変重要だと思っているのはコミュニケーションがブロードバンドで発展していくと、いろいろと情報の伝達のメカニズムが相当変わってくるので、つまりメディア、マスメディアをも含めたメディアが新しい展開をしていくと思う。放送と通信の融合というのはそのことを含んでいると思うが、そのことは今、大変ポリティカルにも話題になっているので、このことがこのIT戦略本部の中できちんと議論される必要があるだろうということである。新しい点ばかりではないが、重要な点を5点、今日申し上げたいと思う。
 1点目は技術そのもので世界にきちんと貢献するという点である。情報通信というのは要するに私は地球を包む血管だと思う。だから、血管あるいは心臓、そのパイプ、ポンプになる心臓を、だれがどこで作ってコントロールしていくのかということは、将来その中に全部の栄養が流れるわけなので、必ずここが首ねっこを抑えるということになると思う。そういうわけで、これは情報基盤技術そのもので世界にきちんと貢献する。要するに、勝つということを申し上げたい。
 2点目は、コンテンツを持っていないといけない。コンテンツを引きにパイプがつながってくるという考え方がとても重要で、結局はデジタルコンテンツの質と量がトラフィックを生む。だから、そこにケーブルの競争が生まれていく。そうすると、どんな優れたコンテンツが日本に大量にあるかというのが、戦略的に大変大きな意味がある。そうだとすると今、放送局だとか、ハリウッドは非常に重要なコンテンツになると思うが、今テレビの放送局などが持っている放送コンテンツをデジタル化してビジネスとして世界に展開していくような必要があるかと思う。それから、著作権に関して大変大きな問題が出るが、これはグローバルな空間なのでグローバルな説得ができないと日本だけでやっていてもだめである。というわけで、そのグローバルな展開に対する著作権の問題が2点目である。
 それから3点目は、地方のテレビ局にいいコンテンツがある。そうすると、これを地方で置いておくというのがとても重要だと思う。フレッシュな情報でそれをアーカイブする。具体的には地方にブロードバンド用のデータセンターがきちんとある。これがとても重要だと思う。
 4点目は、ハリウッドのコンテンツなどもそうだが、インターネットの上で日本ではきちんとコンテンツのビジネスができるのだと。この体制をつくればハリウッドとの交渉も胸を張ってできるし、それから実際には世界に対する新しいビジネスの形をつくっていけると思う。これは大変重要な点だと思う。ここには認証だとか課金のシステムの技術的なこと、ICカードへのアプローチも大変重要な関係が出てくると思う。
 最後に、これは前回の最後にも申し上げたが、グローバルな空間の中で知的な情報、知識、情報が流通するときには言語で表現される。そうすると、日本語がこの上でグローバルにどう扱われているのか。それから、どういうふうに日本語を知りたい人が勉強できるのか。内容が日本語であるときにどういう支援ができるのか。テクノロジーの上で日本語をどうやってサポートするのか。インターネット上で日本語はどう取り扱われるのか。このインターネットテクノロジーはだれもやってくれないので、絶対日本がやらなければならない。このことは日本の文化あるいは日本の情報、日本の国力、国益、こういったことに大変大きな関わりがあると思うので、下手に扱うととても警戒される可能性があるが、きちんと考えた体制をインターナルには持っていなければいけないと思う。

【出井会長】前回のIT戦略本部の会議を通じて、問題点がだんだん整理されてきて、何をやるべきかということが見えてきたということは大変着実な進歩をしていると思う。
 ただ、今、竹中大臣が御指摘のように、競争政策そのものを置いておいてディテールに入っていくということは、枝葉末節な議論を取り上げると切りがないほどたくさんある。それで私は今、奥山社長と村井教授がおっしゃったことは非常にいい点をまとめておられると思う。このIT戦略会議が一番初めに起こったとき、もともとはITと電話というものを分けて考える。要するに、インターネットが電話の上に架設されているという状況を認識して電話のサービスをどうするか。それから、インターネットを発展させるにはどうするかということを秩序立てて考えていこうということで5年という年月を置いているので、実際このITだけを取ってみれば3年でもできるかもしれない。だから、これは非常に構造改革の問題と絡んでいて、この競争の場を提供するということはかなり順番を追ってやっていかなければならない。
 しかし、この競争政策ということと、それから電話の政策とインターネットをどうやって普及させるかということと、本質問題を取り付けないで末端の議論をやると、きりがなくなるので、是非とも森総理の時代には私は遠慮して5年と申し上げたが、小泉総理の新内閣においては是非これを3年ぐらいに縮めてやっていただくということで、全面的に応援をさせていただきたいと思う。

【松永エディター】総花的ではなく重点項目が絞られていくというのは本当にわかりやすくなっていいと思う。それでIT講習会であるが、例えば講師の力量にばらつきがあるとか、テキストがわかりづらいということが多少はあっても本当におおむね好評で、インターネットの楽しさを知れたということで主婦の方だとか、70歳の方が喜んでいらっしゃる。これは大変すばらしい政策であったと思う。
 ただ、やはりそういう中から出てきている言葉は、次がわからないという言葉である。一度手に触れて楽しさはわかったが、すぐ忘れるし、この後どうしたらいいのと。だから、私はデジタル・ディバイド対策とか、そういう難しい言葉で言うのではなくて、フォローしていくというその体制のわかりやすさを明確に出していただければと思う。
 あとは今後の検討のことだと思うが、やはり目に見える形でというのが本当に国民一人ひとりがITを実感できる一番大事なポイントだと思う。例えば運転免許の書き換えを3年に1回やると思うが、今、運転免許は8,000 万人の方が持っていらっしゃると思う。その8,000 万人の人が自分たちでできたと思うだけでもこれをリアリティとして感じられると思う。運転免許とか大変いろいろ難しい部分もあるかと思うが、そこも是非やっていただきたいと思う。

【岸会長】重点計画を推進していく上で、競争促進的な方向でやるということは全くどなたも異論がないことであろうと思うが、もう一つ重要なことはITの本質から言って政策を進めていただく上で是非ともこれは省庁横断的にやっていただかなくてはいけないということだろうと思う。縦割りの考え方を引きずっている間は、やはりITの成果として十分なものが出てこない。昨年来、「e-Japan戦略」の取りまとめに携わっており、あるときには本当に日本のお役所も変わって具体的な考え方をされるようになったなと思って大変心強く感じたこともあるが、次の瞬間には、やっぱり余り変わっていないなという失望を覚えたこともある。竹中大臣には是非ひとつリーダーシップを発揮していただいて、省庁横断的な観点から推進をしていただきたいと思う。
 経団連の考え方の中で1つだけ挙げるとすれば、大変声の強い要望として、輸出入とか港湾の諸手続の365 日ワンストップ化を是非やってほしい。シンガポールなどはもう既にそういうことが実現しているので、是非そういうことをやってほしいという声が非常に強いということを付け加えさせていただく。

【宮内会長】規制改革の観点も踏まえて発言をさせていただきたいと思う。私はIT戦略会議から参加させていただき、当初の熱意というものに非常に感動したわけであるが、それがIT戦略本部ができて少し沈静化したかなという心配をしていた。しかし、今日のお話等をお伺いして総理、竹中大臣の熱意、意気込みを感じて大変心強く思っている。その中で、5年間で世界最先端ということであるが、やはり2002年という年はかなり重要である。5年の話ばかりして結局できなかったということになりかねない。中間目標という意味で極めて具体的に2002年には何をするのだという明確な目標を打ち出すというのが今、必要ではないかという気がしている。 
 そういう中で、いつも繰り返して申し上げているし、他の皆様もおっしゃったが、やはり競争政策というのがこの情報通信分野の中で最も重要なのではなかろうか。私は競争というものを通じてコストが下がり、創造力が刺激されて新しいものが生まれてくる。そして、それが国民にプラスになる。そういうメカニズムを常に持っていると思うが、世界に公正で有効な競争環境を本当につくっていくということが一番大事だろうと思う。そういう意味で今このIT関係では2つ問題点があるのではないかと思っている。
 1つは先ほど来出ているが、電話の世界からモバイル、インターネットという通信と放送が融合して1つになっていくという新しい世界でのルールというものがまだ確立されていないのではないか。そういう新しい技術の進歩と、新しい社会にふさわしい状況を反映した規制改革を行っていくということが重要だろうということである。
 第2点は、この競争政策をつかさどる監督機関というか、そういうものであるが、現在のところは総務省が懸命にやっておられるわけであるが、これはやはり応援団とコーチと審判が1人でやっているというような極めていびつな状況であろう。したがって、この一つひとつの機能を分けた形でチェック・アンド・バランスということで競争を確保していくということが今どうしても必要なのではなかろうかというような気持ちである。そういう意味で総合的に規制改革とか監督行政の在り方を今、集中的に検討していくというようなことをしないと、5年後の姿としてはいびつな中で本当に世界最先端のものができるということにはなかなかなりにくいのではないかということを懸念している。

【宮津社長】競争に関してはいろいろ御意見が出ているし、当然これから取り組むが、森内閣になってから今まで1年間ほどたっている。当面やらなければならないことも随分あり、1つはっきり言えば回線の値段は下げてしまった。国際的なレベルにまで落としている。また、その影響でNTTの経営自体は沈んでしまっているが、これは3年間かけて直すということをやっている。だから、そういう意味でインフラの面から言えば料金の面、需要を上げていく、そういう面ではひとつ成果が出ていると思う。
 それから、この次の問題としては、競争政策はこれからこちらでいろいろ議論をすると思うのでここでは省略するが、設備上のインフラとしてこれから先の問題としてやはり光化の問題があり、これは競争政策だけで律し切れるかどうかわからない。さっきデジタル・ディバイドの話もあったが、光は新しく線を引かなければいけないので、こういうものに関しては今度の予算もいろいろとあると思うが、総務省辺りがいわゆる政府として競争だけに任せておけない面はどうしても出てくる。だから、そういう点をはっきりさせた方がいいのではないかと思っている。

【鈴木社長】ブロードバンドもいいが、高速道路に自転車が走っているような状況というのが現実の姿である。1つにはインターネットのコンテンツは余りお金をかけていないので、ろくなコンテンツがないのが実態である。放送が過去に持っているコンテンツを放送と通信という垣根を取ることによって違った形ができる。ブロードバンドによってほとんどテレビと変わらないような映像が各家庭で至るところで見られるが、その上を流れるコンテンツは実は高速道路に自転車が走っているようなものである。
 あとはアジアのハブとかおっしゃっていたが、やはり日本語の問題というのがあり、現実に日本から国際に出ていくトラフィックあるいは日本に来るトラフィックというのは国内トラフィックに比べて伸びが鈍化している。1つにはこれはヨーロッパ、アメリカの国際電話がいまだに成長しているのと同じような問題で、日本の国際電話は横ばいになっているのと同じようなものであるが、やはり言語の問題があってそこをわきまえないとなかなか難しい。アジア各国から、ともかく韓国から日本というのは非常にトラフィックが急増しているが、それは非常によくわかる話である。ところが、アメリカから日本へトラフィックを見ると減っている。減っているとは言えないが、要するに日本語同士のインターネットの世界のコンテンツになっているというのが現状である。そういったことを踏まえないと、アジアのネットワークというものは何かということはなかなか難しい。確かに日本人が英語を使うのは難しいが、そこら辺のインターナショナルな発想がないと逆にインターネットというのは難しいというのが第2点である。
 もう一つ、なかなか議論しにくいと思うが、やはり個人のidと認証という問題はネットワーク社会において一種のキーであるが、非常に議論がしにくい話になっている。何らかの議論をしていかないと我が国のアイデンティフィケーションのカードはだれも持っていないが、だれがそれを管理するかということは国民総背番号とかになってしまうと困るが、そこはキーの議論だろというふうに思う。議論の仕方もあるが、そこを通っていかないとなかなかネットワークを利用したいろいろな取引そのものが抜本的な発展をしていかないのではないかということを考えている。

【秋草社長】前回も申し上げたが、この「e-Japan」の最大の受益者というのは実は国民でなくてはならないと思っている。もちろん行政がいろいろよくなるというのはあるが、国民から見て便利になったとか、安くなったとかと同時に、問題解決をしてくれるかということの視点が必要で、そうしないと、でき上がったがそれでどうなったという話になってしまう。そういう意味では、一般家庭から見たアセスメントというのが必要だと思う。そういう仕組みがまた必要だと思っているので、それをよろしくお願いしたいと思う。
 もう一点、先ほどの人材育成であるが、情報リテラシーということで国民一般の人が触れるというのが必要であるが、一方では高度な技術者、例えばモバイルに必要な無線の技術者とか半導体とか光とか、そういう技術者が圧倒的に供給不足である。日本の大学はそういうことに対して手を打っていない。それで、我々はどうしても外国とやらざるを得ないということになっている。それについては別途またどうしたらいいかという民間と教育機関との融合についての促進策が必要だと思っている。

【片山総務大臣】時間が余りないので、まとめてお話をさせていただく。私どもの方も「e-Japan2002プログラム」の年次目標をつくるということは賛成であるので、是非よいものにしたいと思う。
 それから、いろいろお話があった競争政策であるが、この戦略本部での議論、あるいは今までの規制改革委員会の議論、あるいは電気通信審議会の答申等によって今、「電気通信事業法等の一部を改正する法律案」をこの国会に出しており、今日衆議院の委員会で採決していただく。10時から審議が始まるが、その中で非対称規制、市場支配力を持つ事業者に対する各種の監視、弊害の除去、こういうものとそれ以外の事業者に対する規制緩和を盛り込んでいる。ドミナント規制というそうであるが、それが1つ。
 それから、各種の開放政策を更に徹底するということで、光ファイバー網はもとより電柱あるいは管路、その他について更に開放を徹底する。
 それから、紛争処理については八条委員会として特別の委員会をつくって、そこで集中的に処理していただくということで、この法案は是非早急に整理してその着実な実行を図りたい。
 そこで更に奥山社長からの話があったが、今までの答申ではドミナント規制ともう一つ、インセンティブ型の規制を入れたらどうかということなので、これは法律では附則に書いた。あとは5月8日にNTTに私どもの方から要請をして自主的な開放政策の計画をつくっていただいて、その実行を図ってほしいということで、いろいろお話があったが、その1つは地域通信網の開放、2番目はドコモやコムズに対する出資比率の引下げ等による相互の競争体制をつくっていただく。3番目は、経営体質を強化していただいて効率化を図っていただきたい。こういうことを申し上げているので、そのうちしっかりした答えをいただけると思うし、その状況を見ながら後の対応を考えたい。宮内会長が御承知のように、「規制改革推進3か年計画」には、「場合によれば抜本的見直し」ということも書いているので、我々はそういう線でやらせていただきたいと思っている。
 それから、怒る方と、褒める方と、おだてる方と、3つが一緒ではないかと、いつも宮内会長にお叱りを受けるが、アメリカのFCCというのは行政委員会というだけであり、やっていることは日本と一緒なので、この辺は更に検討させていただき、いろいろ考えさせていただきたいと思っている。
 それから、いろいろお話があった中でインフラ整備はどうしても必要なので、今度のこの国会に出している法律でも例えば今、光ファイバーだけの助成をケーブルテレビにもDSLにもその他にもと、こういう拡充の法案を出しているし、また梶原知事からお話があった地方におけるインフラの整備についていろいろな手法をこれから考えていかなければならないだろう。場合によれば公共投資、公共事業の中身を見直していただく。私はIT投資を公共事業の主要なものとして位置づけてほしいと言っているので、これは今後この本部を中心に御議論賜りたいと思う。
 それから、やはり電子自治体が一番国民にとっては恩恵がある。届出申請をオンラインでやるということも必要である。輸出入、港湾もそうなので、これは2003年までに更に大々的に進めていく。
 それから、IT講習は今やっており、550 万であるが、これについては松永本部員からお話があったようにあとのフォローをどうするかが私も問題だと思っており、これも考えさせていただく。
 それから、コンテンツの流通促進育成も大きな課題であるので、これも各省庁横断的に取り組む必要があると思う。

【平沼経済産業大臣】今日は各本部員から大変有益な御意見を賜った。私どもとしても、やはり競争というものがITの原動力だと思っているので、そういう意味では規制の構造改革と競争政策の強化が必要だと思っている。
 アメリカの90年代は、非常に今アメリカをリードしている企業が輩出した。それはやはりイノベーションだったと思っている。そういう意味では、イノベーションというものを我が国では強力にインセンティブを与えて立ち上げるようにしていく。このことも重要だと思っている。
 それから御指摘があった電子政府、これはやはり行政の構造改革であり、この電子政府を政府が率先してやることによってITを国民の皆様方に理解を進めることも重要であるので、今日の御指摘を踏まえて私どもとしても一生懸命取り組んでいきたいと思っている。

【扇国土交通大臣】今話題に出た公共工事の話であるが、前回も私は電柱まできている家庭とつなぐラストワンマイル、これをどうしても公共工事に認めてほしいということも申したが、これはまだ公共工事として認められないという財政当局の難しい話もあるので、頑張っていきたいと思う。
 それからもう一つ、私は国土交通省という役所なので、去年通していただいた「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の中に電子入札というのを入れている。そして、4月から仮に導入し、インターネットで一元的に入札を申し込んでほしいということをいっているが、10月には国土交通省の直轄事業でいよいよ電子入札を本格的に始める。そういう意味では不正もなくなるし、そして多くの皆さんが参加できるし、あるところへ登録してもらえれば電子入札で全部できるということになるので、こういう意味では私は先ほど松永本部員がおっしゃったように、実感として多くの皆さん方が感じ得ることができると思っているので頑張りたいと思う。

【竹中IT担当大臣】6月14日に私の主催という形で有識者本部員との懇談会を持たせていただく。今日のお話の中で概ね方向としてはエンドースいただいたということであるが、細かい点については、メモ等で事務局に御連絡をお願いする。
 今まで私たちが議論してきた中で、今日のお話を聞いて不十分なのかなと思う点が2点ある。1つはデジタルコンテンツとの関係で放送と通信の融合、つまり放送の問題というのを私たちは余りこれまで明示的に議論してこなかったが、そのこともタイムスパンはともかくとして避けては通れないという御指摘かと思う。
 もう一つは5年という目標を立てているが、ドッグイヤーの中でもっとアンビシャスでもよいのではないかという御指摘であったかと思う。実現可能性等々の問題はあるが、次回に議論をさせていただきたいと思う。

【小泉内閣総理大臣】いろいろありがとうございました。政治家が一番関心を持つ具体的なものは電子投票である。電子政府、電子自治体の実現というなら電子投票できる自治体に、それが希望者にはできるような体制を是非ともとっていただきたい。法律的な問題もあると思うが、そうすると政治家もなるほど、こういう時代だとわかる。電子投票制度、これはあっという間にわかるので、いろいろ問題はあると思うが、意欲のある自治体にはやってもらうような道を開く。来年くらいにはどこかの自治体でやろうと思えばできるというような実例を見せていただければ、5年後には国会議員の選挙も電子投票でできるかもしれない。そういうことによって、この最先端のIT国家だというのを世界にわかってもらう。また、そうすれば世界に輸出できるかもしれない。よろしく御協力をお願いしたいと思う。

【竹中IT担当大臣】非常に総理らしい御発言を最後にいただいた。それに合わせて閣僚同士がせめてもう少しeメールでいろいろできるようなシステムをやりたいと思うので、総理も是非お願いしたい。どうもありがとうございました。


(別紙)

第4回IT戦略本部メンバー一覧
 小 泉 純一郎内閣総理大臣
竹 中 平 蔵情報通信技術(IT)担当大臣・経済財政政策担当大臣
(欠)福 田 康 夫内閣官房長官・男女共同参画担当大臣
片 山  虎之助総務大臣
平 沼 赳 夫経済産業大臣
森 山 眞 弓法務大臣
(欠)田 中 真紀子外務大臣
(※小島敏男 外務大臣政務官 代理出席)
(欠)塩 川正十郎財務大臣
(※中野清 財務大臣政務官 代理出席)
遠 山 敦 子文部科学大臣
坂 口   力厚生労働大臣
武 部  勤農林水産大臣
扇 千 景国土交通大臣
川 口 順 子環境大臣
村 井  仁国家公安委員会委員長・防災担当大臣
(欠)中 谷 元 防衛庁長官
尾 身 幸 次沖縄及び北方対策・科学技術政策担当大臣
柳 澤 伯 夫金融担当大臣
石 原 伸 晃行政改革・規制改革担当大臣

秋 草 直 之富士通株式会社社長
出 井 伸 之ソニー株式会社会長兼ceo
奥 山 雄 材株式会社ディーディーアイ社長
梶 原  拓岐阜県知事
岸   暁株式会社東京三菱銀行会長
鈴 木 幸 一株式会社インターネットイニシアティブ社長
松 永 真 理エディター
宮 津 純一郎日本電信電話株式会社社長
村 井  純慶應義塾大学環境情報学部教授

上記の他、以下が出席。
 安 倍 晋 三内閣官房副長官(政務、衆)
(欠)上 野 公 成内閣官房副長官(政務、参)
 古 川 貞二郎内閣官房副長官(事務)
根 來 泰 周公正取引委員会委員長
宮 内 義 彦規制改革委員会委員長