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第44回IT戦略本部 議事録


1.日 時:平成20年2月19日(火)17時29分〜18時37分

2.場 所:内閣総理大臣官邸大会議室

3.出席者:[別紙]

4.会議の模様



(1)開会

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ただいまから第44回IT戦略本部会合を開催いたします。
 本日は、お忙しい中、お集まりいただき、まことにありがとうございます。
 本日の議題は、議事次第にございますとおりでございます。少々盛りだくさんでありますので、早速議題に入りたいと思います。

(2)ITによる地域活性化等緊急プログラムについて

 最初の議題は、ITによる地域活性化等緊急プログラムについてです。
 私のほうから御説明をさせていただきます。
 前回、昨年11月7日に開催しましたIT戦略本部で決定をいただきました骨子に基づきまして、資料1−1のとおり、「『ITによる地域活性化等緊急プログラム(案)』の概要」を取りまとめましたので、御説明をさせていただきます。
 なお、本文のほうは資料1−2となりますので、あわせて御参照いただければと存じます。
 資料1−1の1ページ上段をごらんいただきたいと存じます。
 政府の喫緊の課題である地域活性化に関しまして、ITが有効に活用されていないという現状があります。こうしたことから、ITによる地域への支援をより強化かつ迅速に政府一体で実施するため、このプログラムを取りまとめたいと考えております。
 同じページの下段というか、下の四角をごらんいただきたいと存じます。
 プログラムの概要についてですが、全国で既に行われている成功している16の取組を紹介するとともに、ITによる地域活性化に資する施策を7つの区分で整理しております。なお、平成19年度は73件924億、平成20年度は97件2,362億円と来年度に向けて施策数、あるいは予算額ともに増加しておりまして、地域活性化への取組を強化しております。
 また、下の段ですが、来年度までを支援強化期間として施策の前倒し等を行うとともに、内閣官房に設置しました「ITサポート本部」で地方自治体等からの相談を受け付けるなど、政府一体で支援体制を強化しているところであります。
 以上が、本プログラムの主な内容であります。
 ただいま御説明いたしましたこの案を本部決定したいと存じますが、いかがでございましょうか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、決定させていただきたいと存じます。ありがとうございました。
 それでは、次の議題に入ります。
 情報セキュリティ政策について、情報セキュリティ政策会議議長の町村内閣官房長官から御説明をお願いいたします。

(3)今後のIT戦略本部の進め方について

【町村内閣官房長官】
 資料2という横長の色刷りの資料がありますので、ごらんいただければと思います。
 私が議長を務めております情報セキュリティ政策会議の成果として、我が国の国際的な取組みにつきまして、一言申し上げたいと存じます。
 1ページ目をご覧らんをいただけるくとありがたいのんですが、私はがこれまで世界各国を訪れるますたびに、日本の企業がは現地で大変活躍をしているのを目の当たりにしてまいりました。こうした企業活動のがグローバル化するにつれまして、国際的な情報セキュリティへの取組が非常に重要な課題となっております。また、インターネットの普及に伴いましてサイバー攻撃等のITに対する脅威につきましても、先進国、途上国を問わない問題となってきているところでございます。
 例えば、この円グラフをご覧らんいただきますと、「世界に対する攻撃源国」と「日本向けの不正アクセス」というのがわかります。、これは例えば右側の円グラフ中、赤く着色されている部分はいの中国からの不正アクセスを示しておであります。ただし、これはが、非常に中国発といっても、全部のおおもとが中国であるのかどうかはわからないと思うんですりません。中国以外の国からの攻撃が中国を経由している場合のも含め、我が国に対してはて圧倒的に中国からの不正アクセスが多いというったような問題があるようであります。
 2ページ目をごらんいただきますが、「情報セキュリティ分野の国際協調・貢献に向けたついて取組み」についてでございます。国際的なこうした課題に対応しまするために、情報セキュリティ会議は昨年の10月、取組の方向性を示す基本方針を策定をしたところでございます。その中ので主な取組みを若干申し上げますと、例えば「セキュア・アジアビジネス環境構想」といったようなものもございますし、「リスクのないICT構想」でありますとか、「様々な国際フォーラム等における提案や議論への積極的な参加」、こういった方針を決めたところでございます。
 3ページ目をご覧らんいただきたいと存じますが、例えばこの情報セキュリティ分野では多数の国際的な会合が存在をしております。これらの国際的な会合への積極的な参加のほか、我が国の強みを生かすために、地域、あるいは二国間での戦略的な取組が必要となっております。
 具体的には、例えば総務省及び経済産業省の協力のもとで、経済関係が深化をしておりますASEAN諸国との間の政策会合というのを立ち上げまして、域内における情報セキュリティ意識の向上、対策の推進による安心なビジネス環境整備を行っていくこととしております。平成20年度中には我が国におきまして、第1回アジア諸国との会合を開こうということで準備を進めているところであります。
 また、国民生活や社会経済活動の基盤であります重要なインフラへのサイバー攻撃など、ITに対する脅威への対策につきましては、例えば日米間でいろいろな取組みを行っやっているところでございます。
 これらの取組みを充実させまして、他の地域にも順次これを広げていきたいものだと思っております。
 今後、我が国はIT先進国であるとの自覚を持ちながら、IT戦略本部とも十分連携しながら、さらに国際分野の取組を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
 以上であります。 以上であります。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 次の議題は、社会保障カード(仮称)基本構想についてです。
 舛添厚生労働大臣から御説明をいただきます。

(4)社会保障カード(仮称)基本構想について

【舛添厚生労働大臣】
 資料3をお手元にお持ちください。
 社会保障カードにつきましては、厚生労働省に有識者からなる社会保障カードの在り方に関する検討会を設置いたしまして、ここにおられる大山委員に座長になっていただきまして検討を進めてまいりました。これまでの議論の整理として報告書を取りまとめたところでありますが、そのポイント、資料1枚目、2枚目にお書きしましたように、社会保障カードは年金手帳、健康保険証、介護保険証としての役割を果たし、年金の記録等を自宅においても常時、安全かつ迅速に確認できるものとしつつ、将来的な用途拡大にも対応可能なものとしたい。
 そして、導入に当たりましては、@利用者の利便性の向上と保険者・サービス提供者等の事務効率化を実現する。2ページ目、次のAプライバシー侵害、情報の一元的管理に対する不安が極力解消されるようにすると、それから3番目が費用対効果ということであります。
 3枚目のイメージ図がございますので、これをごらんいただきたいと思います。
 ICカードとすることで不正な読み出しができないものといたしますが、カードに収録する情報は必要最小限にして、その他のデータについては、データベースにアクセスして確認することを考えております。このカード1枚で絵の右上ですが、利用者は年金の相談、医療・介護のサービスを受けることができる。絵の左下ですが、自分の年金記録を常時、安全かつ迅速に確認できる。またこの絵の右下のほうですけれども、医療機関においても窓口で即時の資格確認が可能となることや、保険証情報の転記ミスがなくなることで、事務負担が軽減されるということであります。資格確認につきましては、カードに収録した鍵となる情報を利用して、データベースにアクセスして行う仕組みを考えております。この鍵となる情報については、4つぐらいの選択肢を考えております。
 前のページの2ページ目のAプライバシー侵害云々というところの囲みにありますが、加入者を特定するためのキーとしてカードに収録する情報の選択肢、1各制度の共通の統一的な番号、2カードの識別子、3各制度の現在の被保険者番号、4基本4情報、氏名、生年月日、性別、住所、これ今後検討していきたいと思います。またレセプトオンライン化、住基カード発行の仕組み等に関連する仕組みを最大限に活用して、費用対効果に優れた仕組みとなるように検討を進めたいと思います。
 今後でございますけれども、今後さらに具体的な仕組みの検討を進めていきますけれども、その際に関係府省ともよく連携し、国民の皆様との御理解をいただけるように開かれた議論を心がけてまいりたいと思います。
 以上でございます。

【増田総務大臣】
 2点だけ簡単に申し上げますが、ブロードバンドネットワークの整備などが典型でありますけれども、こうした情報通信基盤整備については、関係省庁の支援制度の連携強化というのが大変大事だろうと。すなわち、農村部について農林水産省がCATVをいろいろ整備したり、中心部の方は総務省がやったりと、こういうことがあるので、今総務省で関係省庁の協力を得て、本当に地域の実情に合った支援策を各省連携強化で進めていくような、そういうことを行っているところであります。
 それから、2つ目ですが、遠隔医療ですとか、テレワークだとか、そういったITの利活用による地域の問題、地方の問題の課題解決というのが今後大変有効になると思うんですけれども、そのためには例えば遠隔医療について必要な制度、それから慣行面の見直しというのが不可欠であります。したがって、このIT戦略本部で総合的な取り組みをしていくわけでありますが、総務省としても遠隔医療について、厚生労働省との連携を今進めています。いろいろ御相談しているわけですが、今後そうしたことに見られるように、省庁の垣根を越えた横断的な取り組みについて、全力を挙げて推進をしていきたい。そのことを申し上げておきます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 次に、IT新改革戦略評価専門調査会の渡辺会長より、活動報告をしていただきます。
 渡辺会長、お願いします。

(5)IT新改革戦略評価専門調査会活動報告について

【渡辺会長】
 それでは、IT新改革戦略評価専門調査会の活動について中間報告をいたします。
 資料4をごらんいただきたいと思います。
 まず1ページでございます。これは評価専門調査会の概要でございます。政府のIT戦略とその取り組み状況を民間の立場から評価・提言するために、03年度末から活動をいたしております。
 2ページをごらんいただきたいと思います。
 評価活動の概要でございます。IT新改革戦略の15の分野を層別して評価をいたしております。本年度は右下の吹き出しの青字にありますように、利用者視点を重視する、それとそれぞれの分野の課題の見える化の更なる徹底ということを方針に掲げまして、分野ごとに重点テーマを選定し、評価の深堀りに取り組んでおります。
 次ページ以降で分野ごとの進捗評価について、御説明をいたします。
 3ページをごらんください。
 医療分野につきましては、「レセプトオンライン化」と「健康情報の活用」を重点テーマとして評価しておりますが、本日はレセプトオンライン化について御報告をいたします。
 レセプト完全オンライン化によりまして、医療事務全体の効率化を実現するためには、レセプト審査基準の明確化、あるいは病名の統一化、電子点数表の見直しといった関連制度や業務の見直しにまで踏み込んだ取り組みが必要であるというふうに考えております。
 4ページ目ごらんいただきたいと思いますが、これは電子行政分野につきましての進捗評価でございます。これは申請・届出のオンライン利用状況について、関係府省からヒアリングを実施して評価をいたしております。オンライン利用が進んでいる手続もあれば、利用率が残念ながら0%という手続もございます。進捗状況にバラツキが見られますので、その成功要因とか失敗要因をしっかりと分析し、本質的な問題にまで踏み込んだ対策を考えるべきだと思っております。
 下段のイラストをごらんいただきたいと思いますが、申請・届出手続の中から、引越しのときの手続の例を示しております。ごらんいただいたとおり、引越しの時は、新旧、それぞれの場所で多くの手続がございます。しかも、個々の手続に多くの添付書類が必要でございます。そこで、対応の方向性といたしましては、青色の矢印の右にありますように、まず引越し、転職といった人生のイベント時の数多くの手続が1回で済むようなワンストップサービスの促進を図ること、そして数多く要求されます添付書類の改善を図るために、その大幅な削減や電子化を進めること。さらに言えば、業務、あるいは手続のフローを分析した上で業務改革と併せて検討することが極めて重要でないかというふうに思っております。
 5ページをごらんいただきたいと思います。
 これは、準重点分野の教育・人材、テレワークの進捗評価でございます。
 関係者にヒアリングを実施し評価してみましたところ、両分野とも利用環境整備は徐々に進みつつありますが、取り組みの拡大につなげるためには、関係者に対する理解活動とか、利用につながる誘導策などの一層の取り組みが必要であるというふうに考えております。
 6ページをごらんいただきたいと思います。
 これは、その他の分野の進捗評価でございます。
 下の表にございますように、10個の分野がございますが、時間の関係で総括のみとさせていただきますが、表の上の矢印にありますように、総じて利用環境整備は徐々に進展しております。こうした中で、昨今の状況から環境分野につきましては今後、より一層の重点的な取り組みが必要ではないかと考えております。
 7ページをごらんいただきたいと思います。
 これまでご説明いたしました分野別評価に基づく全体の進捗評価でございます。
 IT新改革戦略がスタートして2年が経過いたしております。利用環境の整備は進捗しつつありますけれども、必ずしも国民がその成果を実感するには至っていないというのが現状ではないかと思います。したがいまして、中段に記載しておりますとおり、戦略目標の達成のためには、生活者視点で明らかになってきた課題をさらに徹底的に分析し、対応策を打つとともに、一層の業務改革とか、あるいは制度改革を含めて取り組むことが必要だと考えております。例えば、先ほど電子行政分野で申し上げましたように、真のワンストップサービスの実現に向けて、現状の課題の解決に加えて、組織改革とか制度改革に一層取り組むことが重要だと思います。さらに、下の段にありますように、グローバルな課題であります環境問題に、"ITを活用してどう対応できるか"検討すべきだと考えております。また、救急患者のたらい回し等、昨今の諸問題を踏まえて、"生活者視点でITがどう貢献できるのか"ということも打ち出していくべきではないかと考えております。
 例えば、診療報酬体系の抜本的な見直しも含め、ITを活用した遠隔医療等への対応も検討する必要があるかと思います。
 以上が評価専門調査会の活動報告でございますが、最後に8ページの今後のスケジュールでございますが、3月に調査会としての報告書を取りまとめ、次回のIT戦略本部で御報告をさせていただく予定でございます。
 以上でございます。

(6)IT政策ロードマップの策定方針について

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 質問等は次の議事の説明の後、一括して行いたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 引き続きまして、次の議題、IT政策ロードマップの策定方針に移ります。
 私の方から御説明をさせていただきますので、資料5をごらんいただきたいと存じます。
 資料5、1ページ目をごらんください。
 まず、「IT政策ロードマップの基本的な考え方」ですが、ことし1月に閣議決定されました日本経済の進路と戦略を踏まえまして、ITの持つつながり力を徹底活用し、IT新改革戦略に掲げた目標を確実に実現するため、IT政策ロードマップを策定したいと考えております。
 具体的には、IT新改革戦略の中で取組の強化が特に必要な分野として、一番下の枠で囲ってある3つの分野、すなわち、電子行政、医療・社会保障サービスの分野、そして2つ目としてITの安心、そして環境分野、そして3つ目としまして、経済成長関連分野、この3つを抽出し、今後の取組の方向性を明確にしたいと考えております。
 2ページ目をごらんいただきたいと存じます。
 電子行政サービスへの取組ですが、現在のオンライン化利用率は15.3%と低迷をしております。原因としまして、国民・企業がオンライン利用のメリットを実感できていないこと、あるいは行政機関の縦割りのアプローチでは限界があること、こうしたことが原因として考えられます。
 そこで、今後の取組の方向性としまして、1つは利用者負担の軽減を図るため、技術的課題の洗い出しに加え、規制・制度の総点検を行い、法制的見直しに関する考え方などを取りまとめた基本構想を2008年度早期に策定してはどうか。
 また2つ目としまして、総合的・一体的な取組を指示する司令塔や、その実行部隊などの強力な権限を持った推進体制の在り方について検討したらどうか、こういったことを考えております。
 3ページ目をごらんください。
 3ページ目の医療・社会保障サービスへの取組につきましては、まず1つ目としまして、医療の質の向上や業務改革、効率化にしっかりとつなげていく必要があること、さらに地域での遠隔医療や医療連携にITが積極的に活用されていないこと、こういった課題がございます。
 そこで、今後の取組の方向性ですが、1つはIT新改革戦略等で掲げた目標達成までの工程表を、具体的なマイルストーンを示した上で作成し、関係者の取組の一体化、同期化を強力に進めたらどうか。また2つ目としまして、医療連携・遠隔医療について、地域の緊急かつ具体的なニーズを把握し、目に見える成果を早期に出すべきではないか、こういったことを考えております。
 4ページ目をごらんください。
 違法・有害情報対策への取組ですが、現在の課題としまして、違法・有害情報を排除するための国内及び国際的な連携が不足しているということ、また有害情報環境から青少年を守るための行動への理解が不足していること、こうした課題が挙げられます。
 そこで、今後の取組の方向性としまして、1つは政府一体として実効性が高く、かつ、世界の模範となる緊急対策をできるだけ速やかに取りまとめたらどうか。また2つ目としまして、青少年を有害情報から守る国民運動の速やかな浸透と拡大を図ったらどうか、こういったことを考えております。
 5ページ目をごらんください。
 環境への取組ですが、今後、IT社会の本格化に伴い、IT機器の増加や高機能化により、我が国のIT機器のCO2排出量は、2025年には2006年比で約5倍になるとされています。また、世界のエネルギー需要がアジアを中心に急増し、2030年には2002年比で6割も増加するという試算があります。
 そこで、今後の取組の方向性としまして、温暖化対策と経済成長の両立を目指す低炭素社会の実現のため、ITを活用した省エネとIT自体の省エネを実現するグリーンITを国内外で徹底的に取り組んだらどうか、こんなことを考えております。
 6ページ目をごらんください。
 今後の経済成長への取組ですが、現在、情報通信インフラの整備は進んでいますが、一方で、ITの活用が企業の部門内にとどまっており、生産性向上や国際競争力の強化につながっていません。また、日本では企業のグローバルな展開を担う人材が不足しているといった状況にあります。
 そこで、今後の取組の方向性としまして、ITが持つつながり力を最大限活用し、このITの活用が進んでいない分野での活用を抜本的に強化する。また日本の強みを活かして世界市場と共に成長する戦略を持ち、優れた人材を育成する仕組みを産学官一体となって構築してはどうか、こういったことを考えております。
 そして、具体的な方策を取りまとめ、経済成長戦略に反映したらどうか、こんなことを考えている次第であります。
 以上がIT政策ロードマップの策定方針についてであります。
 それでは、自由討議に移りたいと存じます。
 まずは有識者本部員の方から御発言をお願いしたいと存じます。
 まことに恐縮ですが、お一人2分以内で御発言をいただきたいと存じます。
 順番としまして、まずは石塚本部員からお願いしたいと存じます。

【石塚本部員】
 石塚でございます。今回のIT政策ロードマップの策定方針は、国民生活において成果を実感しやすい分野を選定をしておりまして、生活者がメリットや安心感を享受できる方針であると考えております。策定に当たりましては、わかりやすさと安心感がキーワードではないかというふうに思っております。
 電子サービスの実現についてでございますが、非常に引越しや退職等のライフイベント単位の電子行政サービスを先行することは、生活者が利便性を感じ、行政サービスの向上を実感できるというように思っております。さらに、小売業の立場で申し上げますと、お客様の声、あるいは生活者の声がございます。例えば買い物のついでに行政サービスが受けられるというようなことをお客様が望んでおられる。ついでにという概念を取り入れたさらに進んだワンストップ電子行政サービスの実現も求められているのではないかなというふうに思います。
 また、2番目のITを安心して活用できる社会の実現についてでございますが、私どももeコマースを行っている立場といたしまして、事業者としてセキュリティ強化は当然であるというふうに考えておりますが、なかなか難しい違法・有害情報サービスサイトの手口の巧妙化、スピード化、あるいは国際化が進んでおりまして、国の積極的な関与が必要ではないかなというふうに考えております。
 3番目のつながり力発揮による経済成長の実現につきましては、特に労働集約型と言われている小売業ではまだまだITによる生産性の向上の面では発展途上であるということ、中小企業、サービス企業等でさらにITの活用が進んでいくということが全体の生産性向上につながっていくということで、そういったものの策定がぜひ望まれるのではないかなというふうに存じます。
 以上でございます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。なお、本部員の皆さん方の御意見は資料8にまとめてペーパーをとじておりますので、御参照いただければと存じます。
 続きまして、伊丹本部員、お願いいたします。

【伊丹本部員】
 資料8の2枚目が私の用意しました発言メモでございます。
 先ほど大臣から御説明のございましたロードマップの個々に盛られました政策については私は異論があるわけでございませんが、全体を眺め渡したときにやや違和感がございます。その点を1点。それから違和感の背後にある本当の原因は一体何かということについて、ややロードマップ作成とは離れますが、それについて1点。計2点、意見を申し上げたいと思います。
 1つは、ロードマップ作成の基本的視点に全体的に見るとやや偏りがあるのではないか。利用者視点というのを強調されるのは大変賛成でございますが、しかし、供給者視点というのをもっと持たないと、実は国の経済成長だとか、産業の発展とか、経済を発展させるためのところにも力がいかない。そういう意味では、ぜひ供給者視点というのをもっと持ったロードマップ作成が今後は必要ではないか、それが第1点でございます。
 第2点は、そういうことになってしまっている原因は、実はITのハード、ソフトの供給産業、要するに供給者側の話ですが、それの政策が経済産業省と総務省に2つに分かれて策定され実施されているというのが本当の原因なのではないか。したがって、一本化する道を考えるのがIT戦略本部の大きな役割ではないか。ただでさえ弱くなっている先ほど携帯電話の話ございましたけれども、日本で10社も携帯電話つくっている。一体、どうしてそんなことになるのかというようなことを考えましても、どうも2つの省庁に分かれて政策が考えられているということの無駄を私自身も一種被害者でございまして、あちこちへ出かけていかなきゃいかん─強く感じます。
 以上です。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして上野本部員、お願いいたします。

【上野本部員】
 3枚目でございます。
 最初の段落でございますが、IT政策ロードマップの策定の強化分野についてでございます。
 つながり力の発揮ということは、経済成長の実現に、大変重要なことだと思っておりまして、適切な政策目標であると考えております。
 2番目の段落でございます。取組の方向性についてでございますが、中小企業やサービス業など、ITの活用が進んでいない分野での抜本活用を強化すべきという先ほどの資料というのは大変共感ができると思っております。問題提起も大変適切でありまして、ロードマップの作成と公開ということも非常に重要だろうと思っております。
 そこに書いてございますように、異なる会社のパッケージソフトを私ども中小企業はよく使うのですが、これ同士がなかなかつながらないというところがありまして、共通のインターフェースをつくる必要があると思っております。
 3番目のところでございますが、IT戦略の進捗状況についてのところで、電子商取引とIT経営分野の資料には現状の分析データが大変詳しく載っております。これについても具体的なロードマップがあったほうがいいのでないかと考えております。
 以上でございます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして大山本部員、お願いいたします。

【大山本部員】
 東工大の大山でございます。
 次のページが私の意見でありますが、最近は大学の仕事よりも社会保障関係のほうがふだんやっているのが多くて、その関係で、きょうは直接申し上げることの必要なことだけをまとめて申し上げたいと思います。
 その意味で、2番と4番に特化して意見を述べたいと思うんですが、まず年金記録システム等の刷新化というのを担当しておりますが、この中でやはり年金記録のシステムは世界に類を見ないほどの巨大なシステムになっていると。このシステムを刷新化するというのは、日本のIT、あるいはICT産業界全体の力を見せることになるかというふうに期待いたします。それだけ難しいということがございます。
 やはりシステム刷新化というのは、年金に対する国民の不安を払拭するために極めて重要だという認識のもとに、規模、それから既存システムの複雑さ、スパゲッティ状態という言い方を時々しますけれども、こういうのを考えますと、オールジャパンで日本のICT産業界全体の協力をもらわないと多分これはできないというのが私の個人的な意見でございます。そのためにも、社会保険庁と産業界が協力をして、この難題を解決できる環境をつくる。お互いにパートナーシップとしての強力な関係をつくらないとうまくいかないんではないかというふうに心配をいたします。
 その観点から見ますと、政府全体、電子行政サービス全体に言えるんですが、やはりCIOを含むITガバナンスの確保というのが、いまいち重要性が認識されていないんではないかというふうに思います。よく言う話ですが、民間企業においてはCIOを含む、あるいは情報システム自体が企業の収益を左右する場合もあると言われています。そのためのCIOでありますが、そこのところがどうも電子行政サービスを見ていると、まだ不十分という気がいたします。
 それから、4番目の社会保障カード、先ほど舛添厚生労働大臣からも私の名前を挙げていただきましたが、この件について申し上げます。
 健康保険証を兼ねると1.2億枚を超えると。この規模で発行した国は世界中にまだございません。したがって、これも世界に冠たる日本の力を示すことになる可能性を持っています。それだけ社会保障がうまいてこになればと思うわけでありますが、ただ、カード配布時に本人確認レベルをどうするかでありまして、年金の記録をほかの人に見られてしまうというようなことも一つ間違えば起こるわけでございます。健康保険証、年金手帳、パスポート、住基カード等、今配布されているものがありますけれども、これをどう本人確認をするかで、どれに合わせるかというのもありますが、交付に要する手間と時間、総経費が大きく変わると予想されます。
 社会保障サービスを受けている海外の外国の方も当然対象となりますので、その意味では外国人登録を持っているのは自治体ということになります。したがって、自治体の協力なしではできないだろうというふうに思います。
 カード利用者の利便性の向上、安全性の確保、カードシステムの柔軟性、さらには次世代電子行政サービスへの拡張性等、社会保障をきっかけとしてさらに発展させると考えますと、今内閣官房でも検討いただいています電子私書箱の考え方を活用するというのが非常に有効だろうというふうに思います。カードの中にいろいろ書くのではなく、カードの中の情報をサーバー側に持っていくという考え方になります。
 社会保障カードが目指す社会保障サービスを実現するには、そのサービスを基本機能とする電子私書箱の実現を考えるべきだろうと。ねんきん特別便で300億かかっていると伺っておりますが、300億の費用というのはかなりのものでありますので、私書箱を運営する費用としては十分であろうと思っております。
 さらに、一方、民間事業者による電子私書箱サービスの価値向上等の将来性を尊重すべきことから、電子私書箱は官による基本サービスと民による拡張サービスのハイブリッド構造をとったらどうだろうかというふうに思います。
 この電子私書箱はもう既に何回かここでも申し上げましたが、個人の情報フローをみずからコントロールする住民中心のサービスと、まさしくお金のフローをコントロールする金融機関のアカウントと同じような意味づけになって、個人情報のフローをみずからコントロールする世界はまだできていないと思いますので、これはぜひ日本から世界に対して発信すべき内容になるというふうに考えます。
 以上です。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして、清原本部員、お願いいたします。

【清原本部員】
 三鷹市長の清原です。
 IT政策ロードマップの策定方針につきましては、この方向性でぜひ進捗していただければという立場から幾つか気付いた点をお話しいたします。
 IT政策ロードマップにつきましては、昨年決定した政策パッケージ、あるいは重点計画−2007との関係を明確にしていくということ、さらには強化分野として挙げられた3つの点について、ぜひ国民の共感を得られるようなPRをしていく必要があるというふうに思いますし、その担い手は国民本位ではありますけれども、幅広い事業者の皆様にも参画をしていただく協働、コラボレーションの取組ですので、こうしたIT政策ロードマップの策定方針について「共感・共有」を得るということがまず第一に重要だと思います。その上で3つの強化分野について、一言ずつ申し上げます。
 国民本位のワンストップ、電子行政サービスの実現については、私たちは日々、市民の皆様からのニーズもあり、ますます重要だというふうに思っておりますが、細かいことですが、実はICTを活用するときには、「文字コードの標準化」といった本当に基礎的な技術開発というようなものに力を入れておきませんと、信頼を損なってしまうことがあります。ワンストップ電子行政サービスを進めていくということに総論は皆様が賛成されると思いますけれども、こうした地道なことをするという部門の確保が重要だと思います。
 2点目の国民本位のITを活用した医療・社会保障サービスの実現については、私は大変国民の皆様にITの有効感というか、実効性を実感していただける分野だと思います。今後の社会保障カード、電子私書箱構想の展開に関しましては、社会保障国民会議との連携はもちろんのこと、ぜひ具体的に国民、市民と対応させていただく基礎自治体も交えて具体的な検討を進めていただければと思います。
 この4月からいよいよ後期高齢者医療保険制度がスタートしますし、保険者による特定健診制度もスタートします。これらは皆制度が変わるのですが、あわせてデータの管理を伴い、そしてお金のやりとりをいかに的確に正確に確保しつつ運営していくかということが伴います。したがいまして、データ管理には必ず健診の実際の内容、あるいは税や料金の仕組みというものが裏づけされていかなければいけませんので、ぜひ現場の自治体の声も反映していただければと思います。
 3点目、ITを安心して活用できる社会の実現につきましては、セキュリティ会議の皆様の広くアジア、世界に向けての貢献ということについて官房長官からお話もございました。これは、まさに国際的な課題でもありますので、日本国が安全・安心な社会を実現していくためにITがどう活かされるか、ITが決して安全・安心を損なってはいけないという具体的な事例を一つでも多く発信していくということが有効だと思いますので、このIT政策ロードマップの取組が期待されると思います。
 大きな2点目で大変僣越ですが、評価専門調査会の取り組みについて申し上げます。私は今回も渡辺会長の御報告をいただいて、この調査会の取り組みがあり、検証しながら進んでいくからこそ、IT政策ロードマップにも大変人間味が加わったというふうに思っております。真のワンストップサービス、そして生活者視点のICTの貢献を実現していく上で、今後も評価専門調査会の皆様の真摯な評価活動というものが新たな可能性を切り開いていくと思いますので、今後の活動に、ぜひよろしくお願いしたいという期待を申し上げたいと思います。
 ありがとうございました。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして中村邦夫本部員、お願いいたします。

【中村本部員】
 私からはIT政策ロードマップ策定方針の中で、環境とITという点につきまして、まず1点。それからワーク・ライフ・バランスとITについて御意見を申し上げたいと思います。
 1点目は、環境問題、特に省エネ問題が喫緊の課題であります。日本にとりまして急増するIT機器の省エネ化及びITを活用した省エネ環境の実現といった「グリーンIT」の考え方を実践していくことは急務であると考えております。特に、家庭におきましては、環境負荷の削減や省エネのためにITを使って、電気使用量を具体的に回路(機器)別に表示をしていくといった「見える化」をすることによりまして、かなり大きな部分が削減できるのではないかと思っております。またそういった機器、システムができ上がりつつあります。そういうことで、国民一人一人が特に家庭での環境負荷削減を可能にする運動を起こすべきであると思っております。
 企業におきましても、当然のことながら、環境問題を重要な経営指標と捉え、ITシステムで世界中の拠点のエネルギー消費量を見ることによって削減をしていくということがまさに重要な課題であると考えております。そういう点でITを駆使した省エネ活動というものを国民的運動として取り組んでいかねばならないと考えておるところであります。
 2点目は、意見書には載せておりませんが、ITを活用したワーク・ライフ・バランスの実現という点で、在宅勤務の事例を申し上げてみたいと思います。当社の事例で大変恐縮でありますが、当社は今1月現在におきまして、累計1,300名程の社員が週一、二回在宅勤務をするといった取組みを行っております。対象となります事務社員、ホワイトカラーは当社で3万名でありますが、大体1,300名程度がこの在宅勤務を体験しております。そのためにはITの機器、特にパーソナルコンピューター、それから携帯電話、さらに、理想的には、光ファイバーといった高速伝送路が必要となりますが、そういったものを順次整備をして、在宅勤務を拡大していくということは大変大きな環境負荷削減や省エネの解決になります。またそれと同時に、もう一つは当社の場合、通勤時間が首都圏で平均3時間、それから関西で2時間、非常に通勤時間が長うございます。そういった点で在宅勤務を実現するということは、この時間をすべてなくすわけでありますから、極めて業務効率、生産性が上がるという実験データも出ております。また在宅勤務希望者の活用目的の内訳を見ますと、まず出産・育児、それから小学生等の通学の送迎といったこともございますけれども、意外に多かったのが介護でございます。特に男性社員の多くが介護、あるいは通学の送迎といったようなことで行っております。そういう点でも、このITを駆使した在宅勤務の全国的な活動が大きな社会的な効果を生み出すのではないかというふうに考えているところでございます。
 以上でございます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして村井本部員、お願いいたします。

【村井本部員】
 先ほど大臣からご説明いただいた資料5の後ろに参考資料がついてまして、その13ページを見ていただきたいのですが、インフラ分野について書いてあり、これはIT戦略を始めて5年間で世界最高水準を達成するという目標を掲げ、達成できた分野です。よく見ていただくとわかるのですが、まず右下の図をご覧いただくと韓国に追いつかれています。それから上側を見ていただきますとオランダが急追しています。オランダは、光ファイバー網がものすごく発達しています。ということで、1位になるということは必ず追い抜かれるということです。そのような状況を国際的な評価で正しく見ていくことが非常に重要だと思いますので、ぜひ渡辺さんの評価専門調査会でも、国際的な評価を考察していただき、世界最高水準をさらに進めていくことができればと思います。そういった意味で、本日は国際関係について一つ申し上げたいことがあります。ちょうど昨日、中東・インドから帰ってきまして、その前は中国へ行ってまいりました。情報基盤の話をするためでしたが、なぜ今、情報基盤が大事かというと、利用に関して皆さまがお話しされていて、それはそれぞれの国において大事なことですが、私が心配しているのはケーブルの敷設なのです。この前から申し上げていますが、ちょうど今年は日本海に通じたロシアのケーブルが立ち上がります。それから、インドから中東を回って、ドバイに寄ってスエズ運河でEUへ延びる線と、アフリカの東海岸に、海底ケーブルが整備されました。この時期が2008年で、今我々はどのようなことを考えるべきか。以前より申し上げておりますように、日本は太平洋ケーブルでしか世界とつながっていないのですから、ファーウエストで一番左側にあるのです。左下、インド周りで中東、アフリカにつながる基盤を持っていないと、これからビジネスでもあらゆる活動においても発展しないですし、太平洋のケーブルで何かあったら大変なことになってしまうという状況では困ります。現に、先日中東でケーブルがカットされて、幾つかの国が孤立してしまいました。その前にも台湾の地震によるケーブルの切断がありました。危機管理上、国際的なケーブルの敷設が非常に重要になるのですが、これがまた統制のとれていない状況です。先週、旧VSNLを統合したタタ・コミュニケーションズという会社がインドに発足したのですが、この会社が世界の約3分の1のケーブルを持っていることになっています。これに対する日本の位置づけがどこにあるかということは、きちんと考えなければなりません。そういう視点では情報基盤の設置は外交的な側面もあります。アメリカは医療と薬をアフリカに売るために光ファイバー使った情報通信の政策と戦略を持っています。我が国のIT戦略は内閣で推進していて、各省庁、閣僚の方々がいらっしゃる。守備範囲がそれだけ広がっているということの意味は、それぞれの分野をまたがった戦略が立てられるということだと思います。そういった意味での科学技術と、あるいは科学技術ではなくても皆さんがおっしゃったようなすべての分野において、世界に対して日本がどこにあるのかというときの基盤がIT基盤です。ぜひ世界との関係に目を据えて、IT戦略を考えていただきたいと思います。
それに関連して、会議の最初に情報セキュリティの国際的な連携という話が出てきましたが、やはりいい環境だからこそ、安全に対してもそれに対応して先導しているのが我が国です。それをどのようにして国際的に提案ができるかとか、連携できるかとか、ということに結びつけていくことにより、日本の世界の中での位置づけの向上に貢献できると思います。今度G8サミットありますので、ぜひ総理にはメッセージを出される際には、ITの基盤、情報の基盤で日本が果たしていく役割との連携ということを念頭に置いていただいて、明確なメッセージを出していただきたいと願います。
 最後に、私は大学の仕事をしておりますので、教育についても一言述べさせていただきます。私のところに来るような理科系・工学系の学生も含め、近年IT関係の基礎知力がどうも弱っていて、算数や科学、創造性というあたりのことを避ける学生が増えてきているという状況があります。IT社会をこれから世界でリードしていく日本にとって、このことはとても深刻な問題で、一度どこかできちんと議論し、対応を考える必要があると思います。
 以上でございます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして渡辺会長、お願いいたします。

【渡辺会長】
 IT政策ロードマップにつきまして、強化分野としては国民本位のワンストップ電子行政と医療・社会保障サービスの実現など3つの分野が取り上げられておりますけれども、これらは先ほど申し上げました評価専門調査会の活動報告の中で今後重点的に取り組むべき分野としてお示しした内容に沿ったものでありますので、ぜひとも積極的にお取り組みいただきたいと思います。
 特に、グローバルな課題である環境問題への対応とか、あるいはITを安心して活用できる社会を実現するためには、ITを活用してどう対応できるのか、ITがどう貢献できるのかという観点でより重点的に取り組む必要があろうかと思います。また、我が国が世界でリーダーシップをとっていくためには、今も村井先生ありましたけれども、こうした取り組みを世界に情報発信していく。あるいは世界の中でどうベンチマークをしていくかということも大変重要なことと思いますので、この点につきましてもぜひ御考慮いただきたいと思いますし、我々もそういう評価もしていきたいと思います。
 申し上げるまでもなく、IT新改革戦略の目標はITの恩恵を国民が実感できる社会を実現することであります。今後、IT戦略本部にて、ロードマップを策定していただくに当たりまして、国民とか利用者視点でPDCAのサイクルをしっかりと回すとともに、非IT部分が大事だと思いますけれども、それも含めた業務改革とか制度改革まで行うことが、真に国民がITの恩恵を実感できる社会を実現することにつながるんではないかというふうに思います。
 私ども評価専門調査会といたしましても、そのような視点も含めまして、年度報告書の策定を進めておりまして、次回のIT戦略本部で御報告させていただく予定でございます。この本部の皆様におかれましても、ぜひ戦略目標達成に向けてリーダーシップを発揮していただきますようお願い申し上げます。
 以上でございます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 次に副本部長であります佐藤総務副大臣、そして甘利経済産業大臣、それぞれから御発言いただきますが、お一人1分でお願いいたします。

【佐藤総務副大臣】
 それでは、総務省としての取り組みについて申し上げたいと思います。
 ICTを徹底活用し、つながり力を発揮する観点からIT政策ロードマップにおいて経済財政諮問会議の新経済成長戦略に反映をさせることも視野に入れまして、省庁横断的、分野横断的な骨太の課題を提示すべきだというふうに思っております。具体的には、国、地方、行政、医療、労働、教育などの公的分野、中小企業、地場産業などICT活用がおくれている民間分野について、分野横断的に規制制度の総点検に早急に着手いたしまして、遅くても本年度中に課題を整理すべきだというふうに考えております。幅広い課題の点検をロードマップに盛り込んでいきたいというふうに思っております。
また、行政手続のオンライン利用を加速する観点から、利用者から見たオンライン手続の具体的なメリットがわかるインセンティブの付与も重要だというふうに思います。総務省では無線局免許の電子申請に対しまして、4月から手数料を30%値下げを予定しておりますが、全省庁一体となって取り組みを加速すべきというふうに考えております。
 さらに、ICTによる経済成長について、総務省ではICT成長力懇談会を今月から開催をいたしまして、完全デジタル・インフラを我が国の成長力強化に徹底的に活用するための課題・方策の洗い出しを進めてまいりたいと思います。ロードマップに反映させてまいりたいと思っています。
 環境に関しましては地球温暖化問題への対応に向けたICT政策に関する研究会を昨年9月から開催をしておりまして、ロードマップ策定に貢献できるよう早急に検討を進めてまいりたいと思っております。
 よろしくお願いいたします。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 甘利経済産業大臣、お願いいたします。

【甘利経済産業大臣】
 IT政策ロードマップについての岸田大臣の方針を支持をしたいと思います。
 経済産業省は各省と連携しながら以下のような取組を考えております。
 1枚紙参考資料の2、折り畳みでありますけれども、これをごらんになってください。
 まず第1は左上にあります@ですが、便利さが実感できる電子政府であります。インターネットにより、簡単にソフトウエアサービスを提供をするSaaSの仕組みを利用しまして、中小企業50万社が納税等の手続を自動的にできる仕組みを普及すること及び先ほど来話が出ておりますけれども、引越しの際の役所や電力、ガス会社などへの届出を一括して処理できる引越しポータルサイトを構築することなど、国民が便利さを実感できる電子政府の実現に努めたいと思っております。
 第2は、左下Aであります。ITを活用して生産者と消費者をつなぐ仕組み。電子タグを活用しまして、農商工連携により、安全・安心な食材を消費者に提供するなど農業や食品分野でITの活用を図りたいということであります。
 第3であります。右の上Bですが、IT社会における環境、安全・安心対策であります。地球環境問題の解決に向けて、さっき岸田大臣からも話がありましたIT機器自身の省エネ、それからITによる社会の省エネ、この2つを車の両輪とするグリーンIT、これを進めてまいります。
 第4、右下Cでありますが、IT産業の国際競争力の強化であります。人材育成や技術開発の強化、国際標準化の推進などによりまして、IT産業の国際競争力の強化のための対策を戦略的に講じていきたいと思っております。
 経済産業省と総務省との関係につきましては、このIT戦略本部を通じまして、政策の立案実施の面で密接な協力・連携を図っているところでありまして、これからもしっかり連携していきます。
 以上です。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 それでは、時間が押しておりますので、閣僚の皆様方で、どうしてもという方がおられましたら、御発言をいただきますが。
 上川大臣、どうぞ。

【上川内閣府特命担当大臣】
 経済社会の発展、国民生活をより豊かに変えていくために、仕事と生活の調和の視点が重要であると認識しておりますが、先ほど中村本部員の御指摘がございましたとおり、情報通信技術、ITの活用は中小企業の生産性の向上やテレワークによる地域における就労促進、就労環境の改善などを通じて、仕事と生活の調和の推進に大きく貢献するものと考えております。本日決定したプログラム等によりまして、ITの活用が一層促進されまして、仕事と生活の調和が実現されるとともに、地域の活性化が図られることを期待しているところでございます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。ほかによろしゅうございますか。
 活発な御発言ありがとうございました。
 それでは、本日の皆様方の御意見を踏まえまして、IT政策ロードマップの策定に当たりたいと存じます。
 次に、資料6の違法有害情報対策の関係です。
 資料6、昨年12月の閣僚会議で決定されました生活安心プロジェクト緊急に講ずる具体的施策の一環としまして、現在、青少年を有害情報環境から守るための国民運動を推進しております。関係閣僚の皆様の積極的な御協力をお願いいたします。
 そして、資料7ですが、各府省における平成20年度のIT関係予算内示状況を取りまとめたものです。特に説明はしませんが、御参考にしていただければと存じます。
 それでは、デモに移りたいと存じます。
 本日は、石塚邦雄本部員より、三越における電子タグの店頭活用についてとして、デパートにおけるIT技術の利活用について御紹介をいただきます。
 デモの前にプレスが入室いたしますので、しばらくお待ちください。
 それでは石塚本部員、お願いいたします。

【石塚本部員】
 三越の石塚でございます。
 本日は、労働集約的であり、それゆえに生産性が低いというふうに言われております百貨店の店頭の現場で生産性を向上させるための取組として、婦人靴売場で行っております電子タグを活用したオペレーションについて、御紹介を申し上げたいと思います。
 電子タグはこちらに映っておりますが、白いペット素材の中にICチップとアンテナが内蔵されているものでございます。離れていても読み取ることができる、あるいは同時に多数のものを読み取ることができるというようなことで、バーコードの100万倍以上もの情報を詰め込むことができるものでございます。
 それでは、婦人靴売場における取組を御紹介申し上げます。
 私どもの婦人靴売場、婦人靴というのはカラーとかサイズとかいろいろバリエーションがございまして、ここにありますように、さまざまなオペレーション上の課題を抱えております。婦人靴の接客の際に、お客様が御試着が必要だということで、「これがありますか」というふうにお客様から言われるわけでございます。私どもが「少々お待ちください」というふうに申し上げて、サイズ確認のために倉庫を往復する、倉庫を往復した挙げ句に「ございません」というふうに答えるというふうに非常に非効率な商売をいまだに行っているわけでございまして、こういった非効率な商売を電子タグを使ってお待たせしない売場の実現を目指して取組を始めたということを御紹介を申し上げたいと思います。
 スライドの写真にありますように、この仕組みは展示してある婦人靴を店頭にあります端末にかざしまして御希望の色やサイズを選んでいただきますと、それが倉庫に在庫としてあるかないか、その場でわかるということでございます。倉庫に行って帰ってきて「ありませんでした」というふうにお客様にお答えする非効率がなくなったというようなことが挙げられます。それから一方では、お客様で御自身でセルフ検索ができるということで、この取組を始めましてから御自分のサイズを知られたくないというお客様がセルフで利用されているということがよくわかった。実はこの右側に24.5、売り逃し56.3%と、要はお客様がそんなに24.5のお客様はいないと思ったんだけれども、実はたくさんいらっしゃって御自分で検索をされていたというようなことがわかりました。それから、一方、22.0、左側、これも8サイズでございますが、小さな足のお客様がいらっしゃって検索をされていて、60%も実は「ない」というふうにお答えをしていたということがわかったわけでございまして、お待たせをしないということに加えて、こういう検索情報を需要予測としてとらえて品切れをしないような売場づくりに活かすことができたということでございます。
 実証実験を経済産業省の御支援をいただきまして平成16年から始めまして、こちらに書いてありますように接客時間が半減をしたと。13分が6分になったと。紹介点数が1.7足から3.1足にふえた。倉庫の往復回数が25%削減をした。売り上げが10%伸びたということで、非常に大きな成果がございましたことから、平成17年4月より実用化に踏み切ったものでございます。当時、いろいろ電子タグの実証実験が実施をされましたけれども、店頭におきます実用化としてはこの取り組みが第1号と認識をしております。このシステムは三越の先行事例をもとに百貨店協会で検討をいたしまして、NTTコムウェアが開発・運営をしておりますものでございます。今では業界標準システムとして、三越も含め、合計7社24店舗で実運用されているものでございます。
 今後はさらに、お客様のサービスの活用に電子タグ等を活用して需要拡大に努めてまいりたいというふうに思っております。
 本日は、実際に売場に設置してあるものと同じ機器を用意いたしましたので、ぜひ福田総理に御体験をいただければというふうに思います。
 婦人靴でございますが、ぜひお試しをいただきたいと思います。
 店頭で「これがいい」ということでお選びをいただきまして、このサイズがあるか─、これ乗っけていただく。そうすると、サイズとカラーが出てまいります。まずホワイトエナメルを選んでいただきまして23.5があるかどうか。「在庫がございます。販売にお申しつけてください」ということで、「これを出してくれ」というふうに言っていただきますと販売員が倉庫に行って持ってくるという。

【福田内閣総理大臣】
 簡単ですね。

【石塚本部員】
 逆に大きなサイズ、例えば女性の方で25.0、なかなか販売員には言いにくいサイズでございますが、それがございますということであるわけでございます。そのほかにも、いろいろこれからない場合には、例えば別のブランドを探すとか、そういったこともITを使って利用できるということで、今いろいろな販売の非効率をこういった取組で何とか改善をしていきたいということで取組をしたわけでございます。
 ありがとうございました。

【福田内閣総理大臣】
 お安くお願いいたします。幾らですか。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 以上でデモは終了でございます。
 それでは、予定の時間となりましたので、ここで福田総理より御発言がございます。

(6)IT政策ロードマップの策定方針について

【福田内閣総理大臣】
 本日は、一番最初にITによる地域活性化等緊急プログラム、これを本部決定をしていただきました。これは私の施政方針でも申し上げているんですけれども、活力ある地方の創出、これは我が内閣の重要課題の一つでございます。そういう地方対策という観点から方策の一つとしてITによる地域活性化等緊急プログラム、これはぜひきちんとした成果を上げるように今後進めていただきたいと。そのためには関係大臣の連携のもとに、政府一体となったしっかりとした対応がぜひ必要でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、現在進めております取組については、第三者の視点から厳しい進捗評価を引き続きお願いをいたします。
 最後に、IT政策ロードマップの策定に当たりまして、一言申し上げたいんであります。残念ながら、現在のところ、ITのよさが国民に十分に実感されていない。ITが企業、特に中小企業の生産性向上に寄与しているとは言い難いという、そういう状況がございます。そういうような状況の中で、事態の進展を図るためにどういうふうにしたらいいか。まさに大胆な発想の転換なんかが必要なのかどうかな。先ほどの電子行政、これは利用0%みたいな数字が出ておりましたけれども、何かショック療法みたいなことが必要なのかなというような感じがいたします。どういう方法がいいのか。例えば、電子申請を原則にすると、行政サービスは。なんていうようなことを言ったら、どういうふうなことになるのか、よくわかりませんが、そんなような何か課題を与えて、そして進展を図るというようなことについて、ぜひ岸田大臣を中心にして関係大臣が知恵を絞っていただきたい、こんなふうに思っております。また本部員の皆様方にも何かよい知恵を出していただけないかな、こんなふうに思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 そういうことですかな、きょうは。
 ありがとうございました。

(8)閉会

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 以上で、IT戦略本部を閉会したいと存じます。
 なお、本日の会議内容につきましては、この後、内閣官房の事務方からブリーフを行うこととしております。
 本日は、まことにありがとうございました。