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第45回IT戦略本部 議事録


1.日 時:平成20年4月22日(火)18時15分〜19時00分

2.場 所:内閣総理大臣官邸大会議室

3.出席者:[別紙]

4.会議の模様



(1)開会

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ただいまから第45回IT戦略本部会合を開催いたします。
 本日は、お忙しい中、お集まりをいただき、まことにありがとうございます。
 早速ですが、本日の議題に入りたいと存じます。
 最初の議題は、情報セキュリティ政策についてであります。情報セキュリティ政策会議議長の町村内閣官房長官からご説明をお願いいたします。

(2)情報セキュリティ政策について

【町村内閣官房長官】
 この会議の直前に今、情報セキュリティ政策会議を開いておりました。今年度の年度計画である「セキュア・ジャパン2008」のパブリックコメント案を決定をしてまいりました。この中でも特に人の要素が非常に重要であるというご指摘が出され、私もそのように思っております。少子化が進展をする中でこの人材の育成・確保が大変重要となる一方で、具体的な取り組みは必ずしも十分に機能していないのではないかというふうに思います。
 情報セキュリティに関しましても、先ほどの政策会議で社会全体の人材不足に対応するための育成・確保の取り組みは手探り状態である。このIT本部でより強力にこの点を進めてもらいたいというご指摘が出されたところでございます。
 実は政府機関も同様でございまして、定員削減が進んでいる中で限られた人員が精いっぱい取り組みを進めておりますが、なかなかこの日本の政府のセキュリティの水準が上がってきておりません。まして低下してよいというわけではないと思います。私は政府職員の専門教育を進めるとともに、例えば官民間での専門家の流動性向上によって人材の育成・確保を進めることが不可欠であると考えます。
 加えて少ない人員で高水準の対策を実現するための効率化も重要であります。情報セキュリティ対策のサポートサービスなどは組織を超えて統一できるのではないかと考えております。情報セキュリティ政策会議としましては、ITの利活用を図るべく人材面の取り組みに鋭意取り組んでまいりますのでご協力のほどをよろしくお願いを申し上げます。
 また、人材の育成・確保につきましては、この情報セキュリティの分野だけではなくて、さまざまな会議においてもよくご検討をいただきまして、相互に連携を進めてもらうようにお願いを申し上げるところであります。
 以上です。

【岸田内閣府特命担当大臣】 
 ありがとうございました。
 次の議題は、IT新改革戦略評価専門調査会の2007年度報告についてであります。
 評価専門調査会の渡辺会長より報告をいただきます。

(3)IT新改革戦略評価専門調査会 2007年度報告について

【渡辺会長】
 渡辺でございます。
 それでは、IT新改革戦略評価専門調査会の2007年度の報告を申し上げたいと思います。資料2−2が細部でございますが、時間の関係もございまして、資料2−1をごらんいただきたいと思います。この報告書の概要に沿ってご説明をいたします。
 まず、1ページをごらんいただきたいと思います。2007年度の活動概要でございますが、上段にありますとおり、新改革戦略は2010年にいつでも、どこでも、だれでもITの恩恵を実感できる社会の実現を目指すという志と目標に沿いまして、「進めるべき施策が進んでいるかどうか」、「問題の本質は何か」をしっかりと調査し、目標の達成に向けた改善策の方向性の提言にまで踏み込んで評価活動を実施いたしました。
 活動方針は中ほどにありますとおり、利用者の視点の徹底ということ、それから利用者の「実感指標」の精査をすること、そして3つ目が全体最適の徹底を考えて活動してまいりました。最下段にあります重点分野の医療、それから電子政府、準重点分野の教育・人材、IT経営・テレワークなど、次のページ以降でご説明をしたいと思います。
 2ページをお開きください。まず、医療につきましては、上段に書いてありますように、医療保険事務コストの大幅削減を目指しまして、レセプトオンライン化を重点テーマとして評価をしてまいりました。評価結果は下のグラフをごらんいただきたいと思いますが、医療機関の経営者や医師や職員はレセプトのオンライン化をぜひ行いたいという考え方を持っておりますが、右のグラフにありますように、医療報酬点数表が不明確だとか、あるいは審査基準が統一されていないといったような、まだまだ多くの課題がございまして、ぜひこれは業務改革の貫徹が必要ではないかと思っております。
 3ページをごらんいただきたいと思いますが、もう一つの重点分野が電子政府、電子行政でございます。オンライン申請の手続にはさまざまなものがございまして、下の表にございますように、いろいろなことで評価をしてまいりました。上のほうに認知度、利用度、満足度と、こういうのが摘要で書いてございますけれども、それを評価してみましたけれども、それぞれのシステムごとにばらつきが大変大きくなっておりまして、認知自体が不十分な手続があるとか、あるいは利用されない、認知されているけれども利用されていないというのがあります。そういったばらつきが大変多くなっております。こうした状況の中で、国民が電子行政の成果を実感するには、利用者のメリットが明らかになるような促進策が必要だと、こういうふうに思います。そのためにも、ぜひ具体的なテーマを設定して実行に移すことが大変重要なことだと思います。
 例えば、添付書類の廃止とか、あるいは転居の際の多くの手続のワンストップサービス化などに省庁を越えて、また国と地方が一体となって強力に、しかもスピード感を持って取り組んでいただければというふうに思っております。
 4ページを次にごらんいただきたいと思います。準重点分野の教育・人材でございます。これは初等中等教育につきましては、パソコンはもちろんのこと、ブロードバンドを使えるような教室を整備することなど、ITの利用環境を早急に充実させることが必要だと思いますし、さらには高度IT人材の育成につきましては、教員とか、あるいは教材資金など、「ヒト・モノ・カネ」を産学官一体で持続的に投入する仕組みが必要ではないかと思っております。
 5ページ目をごらんください。これはテレワークであります。テレワークの推進には、まず私ども企業側の経営者の意識改革がまず大変重要であると思っておりますが、その意識改革を促進するためにも企業側の導入メリットが見えるようにすること、あるいは道具立てとしてのセキュリティの仕組みの提案とか、あるいは時間管理にとらわれない労働法制への転換などが必要だというふうに考えております。
 6ページをごらんいただきたいと思います。個別分野の進捗評価でありますが、全部で11分野やりました。時間の関係で取り組みの重要度が増している、一番上にあります環境の分野についてだけご報告をさせていただきます。
 この環境のことにつきましては、技術面では省エネ関連技術の開発とか、あるいは省エネに向けた産業界の取り組みは進捗をしているだろうと、こう思います。しかし、エネルギー管理の高度化につきましては、法人への導入は進展している一方で、個人とか家庭のレベルでの取り組みをさらに進めることが必要ではないかと思いますし、IT機器による省エネ化につきましても、既存のIT機器の置きかえが課題でありますし、その促進に向けて、啓発のための情報発信が一層重要ではないかと、こう思っております。
 時間の関係で7ページ、8ページは飛ばさせていただきまして、最後に今後の取り組みについてご説明をいたします。
 今まで簡単にではありますが申し上げた分野別評価に基づきまして全体を総括いたしますと、IT新改革戦略がスタートいたしましてから2年が経過しております。利用環境の整備は着実に進捗しつつありますけれども、必ずしも国民がその成果を実感するには至っていないというのが評価でございます。
 当初、調査会におきましても引き続き民間の立場から経年変化による評価と、あるいはその結果についての要因解析と課題の見える化、改善の方向性の提示に取り組んでいきたいと考えております。その際、全体最適の観点からも、業務改革の状況も評価したいと考えております。今回の報告書のサブタイトルは「利用者視点に立ったIT活用の徹底」ということにさせていただきました。これに加えて国民がより成果を実感するためには、スピード感も大変重要だと、こういうふうに思っております。IT戦略本部の皆様におかれましても、戦略に掲げられましたITによる構造改革をスピード感を持って確実に実施していただきたく、強力なリーダーシップと実行力の発揮をぜひお願いしたいと思います。
 以上でございます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 渡辺会長、ありがとうございました。
 質問等は次の議事の説明後に一括して行いたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。

(4)IT政策ロードマップ 中間報告について


 次の議題に入ります。IT政策ロードマップ中間報告に入りたいと存じます。当初、本会合におきましては、IT政策ロードマップを決定する予定でありましたが、取り組みのさらなる前倒しを検討するため、本日は中間報告とし、6月に開催予定のIT戦略本部にて決定することといたしました。
 それでは、私のほうから資料3−1を用いて概要を説明いたします。なお、本文は資料3−2となっておりますので、あわせてごらんいただければと存じます。
 資料3−1の1ページ目をごらんください。ITの持つ「つながり力」を徹底活用し、「IT新改革戦略」を掲げた目標を確実に実現するため、「IT政策ロードマップ」を策定したいと考えています。前回の会合で策定の方針について説明いたしましたが、具体的には「IT新改革戦略」の中で取り組みの強化が特に必要な分野として一番下の枠で囲ってあります3つの分野、すなわち電子行政、医療・社会保障サービスの分野、そして2つ目としてIT安心、環境分野、そして3つ目として経済成長関連分野、この3つの分野を抽出し、今後の取り組みの方向性を明確化したいと考えております。
 2ページ目をごらんください。まず、我が国の電子政府・電子自治体への取り組みの問題点について申し上げます。国民利用者が電子政府のメリットを実感できない大きな原因としては、まず電子申請を可能とする、公的個人認証を格納する「住基カード」の普及がおくれていることや、カードリーダーを別に装備しなければならないことの煩わしさなどがあること、また、電子申請する際の画面表示や操作性の点で国民の使い勝手が悪いこと、紙の添付書類が求められるケースが多く、国民の大きな負担となっていること、また、行政機関が相互にうまく連携していないため、国民利用者の視点に立ったワンストップ電子行政サービスが満足に受けられない状態であることなどが挙げられます。
 3ページ目に入ります。我が国の目指すべき「ワンストップ電子行政サービスの将来像」ですが、先ほどの問題点を踏まえて、1つはこの行政サービスは電子申請を原則とする社会を構築することを念頭に置き、利用者はパソコンだけではなく、携帯電話やコンビニなど生活に身近なチャンネルを活用することができる環境を整えるとともに、引っ越ししや退職などのライフイベントごとに関連する多数の行政手続が国と地方と民間とを問わず、ワンストップで受けられるようにすることなどが重要であります。
 4ページ目に入ります。今後の工程につきましては、当初のスケジュールを大幅に前倒しし、旅費業務を初めとする政府内部管理業務の抜本的効率化については、内閣官房に検討チームを設置し検討に着手したところであり、5月中をめどにアクションプランを取りまとめます。
 また、電子申請の手数料の引き下げや添付書類の削減、ワンストップ化に向けた実証実験の開始など、国民に目に見えるメリットを訴求できる「先行プログラム」に取り組み、また、電子政府を推進していく上で必要な制度改正、体制強化を含む基本的枠組みについて、本年6月末までに具体的なアクションプランの骨格を作成してまいります。
 これらの検討結果を踏まえ、中間報告でお示ししている「5年間の改革工程表」はよりスピード感を持った前倒しの取り組みを実現できるような形で見直してまいります。
 5ページ目に入ります。引っ越し手続を一例に、ワンストップ電子行政サービスを実現した際の効果を示しています。本年度から先行的に実証実験を開始する予定の引っ越しワンストップの効果については、現在最大で訪問機関が7カ所、添付する書類が13種類にも上りますが、手続をワンストップ化することなどにより、訪問機関は転入先の市町村のみとし、添付書類をすべて省略することを目指します。これにより、官民合わせて約1,000億円のコスト削減効果を見込んでおります。
 6ページ目をごらんください。国民本位のITを活用した医療・社会保障サービスにつきましては、社会保障カード及び電子私書箱の推進を通じて、国民が社会保障に関する自己の情報を安全かつ簡便に入手、閲覧及び活用することができる社会保障サービスを実現いたします。また、異なる医療機関でも継続的な医療を受けることができるような仕組みを構築するとともに、医療連携や遠隔医療による地域における質の高い医療の供給体制を実現します。また、健康情報の全国的な収集分析を通じ、よりよい医療を実現いたします。
 7ページ目に入ります。政策目標を達成するための工程表につきましては、2010年までに各施策の推進及び本格稼動のための基盤整備を行い、2011年度の本格稼動後は各施策の対象範囲の拡大に向けて取り組みを考えています。
 そして、8ページ目に違法・有害情報対策への取り組み、そして9ページ目に環境への取り組みを掲げさせていただいております。
 続きまして、10ページ目に入りたいと存じます。10ページ目、経済成長への取り組みにつきましては、ITが有する「つながり力」を活用し、産業競争力を高め、我が国を世界により開かれた国とし、アジア、世界との「ヒト・モノ・カネ・情報」の流れを拡大し、我が国を世界におけるITの発信拠点、集積基地にいたします。これにより世界経済とともに成長する日本を実現することを考えています。
 政策目標を達成するための工程表については、我が国のIT製品・サービスのグローバル競争力を向上すること、企業の生産性の抜本的な底上げを図ること、既存産業を改革し、新たな事業領域を創出すること、高度IT人材育成の規模の拡大・定着等を図ること、世界のIT拠点の実現を目指すことにより、2010年度までにITの「つながり力」による好循環基盤、そこでは「e−スパイラル」としておりますが、これを確立し、2015年度ごろまでにITによる新しいビジネスやこの市場、「ITクリエイティビティ市場」というふうに記載しておりますが、こうした市場を創出することを考えております。
 私のほうからの説明は以上でございます。

(5)自由討議

 それでは、自由討議に移りたいと存じます。まず、有識者本部員から順番にご説明をお願いいたします。まことに申しわけございませんが、お一人1分程度でのご発言をお願いしたいと存じますので、ご協力お願い申し上げます。
 それでは、まず石塚本部員からお願いいたします。

【石塚本部員】
 石塚でございます。
 今回のIT政策ロードマップは従来の考えにとらわれない柔軟な発想で組み立てられておりまして、大きな期待を感じているところでございます。今後より大きな力で推進できるよう若干の所見を述べさせていただきます。
 まず、目標とする社会像、3つの強化分野は国民生活に直結する分野であり、それぞれ目標とする社会像はロードマップに明記されておりますが、全体を通して将来どのような社会を目指し、生活者がどのような利益を享受できるかという全体像、全体感が生活者に伝わってくることにより、さらに国民的な関心も高まり、実行段階で大きな推進力となるのではないかと考えております。ぜひ、国民に対してIT化の推進により国民生活はこうなるんだという強いメッセージを送っていただきたく存じます。
 また、推進体制でございますが、本ロードマップの推進に当たっては実行段階での進捗を確認し、課題に対処する推進体制、責任部署というようなものが実行性を高める上では重要ではないかというふうに思っております。
 以上でございます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして、伊丹本部員お願いいたします。

【伊丹本部員】
  1分ですので、簡単に。
 第1の点は、今回のロードマップの第3の柱になっております経済成長をITの「つながり力」を利用して大規模にやりたい、大賛成でございます。そのために最も必要なのは、実はIT関連の産業が起こることによって経済成長が起きるのではなくて、既存の産業が大きく変革をして、そこで経済成長が起きる、新事業領域ができる、そういうことではないかと私、最近考えるようになりました。今回のロードマップにもその意見を入れていただきましたが、その点を今後ぜひともIT戦略本部で強力に推進していくべきだというふうに思います。
 もう一つは、ITの「つながり力」で経済全体が循環、普通に動いていきますためには、実は商品や物の動きをきちんとITの電子データの載せるべく、電子認識番号とでもいうべきさまざまなコード体系の整備が極めて地味な仕事でございますが、物すごく大切でございます。この仕事を企業コード、商品コード、さまざまな分野で国が主導的にまさにやるべきことだと思います。
 今、申し上げました2つの点は、実はいずれも管掌が経済産業省と総務省に分かれております。協力体制はあるんですけれども、必ずしも真に一体化された政策がとりやすい状況ではございません。私は前から言っておりますが、情報通信庁のようなものを設け、それをどこに、どの省のもとに置くかは私は事情がよくわかりませんが、一体化した政策をとるべきだというふうに思います。そういった前向きの経済成長に向けてのITを利用するというメッセージを打ち出せるような政策があってもいいのではないかと思います。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして、大山本部員お願いいたします。

【大山本部員】
 東工大の大山でございます。
 3枚目に私の意見をまとめてあります。時間がないということですので、2.の紙を主から従へというところについてだけ説明します。前回のこの本部で首相がご発言なさったことは、本質的かつ重要な課題であると考えます。というのは、この紙を主から従へ変えることは、電子データが主になるので、一種のパラダイムシフトが起きます。これに関係するものを資料に書き出してあります。
 一例をあげます。紙と電子データが混在すると、手間がかかるだけでなく変換ミスを生じます。これがまさしく年金の記録問題の不備につながったわけで、その下に書いてあるように、電子データによる届出を原則化すれば、社会保険庁が犯した入力ミスは完全になくなります。OCRの利用や誤読チェックの作業もなくなるので、結果として手間とコストの削減に資するといえます。このように、単に紙と電子が入れかわるというようにとらえるのでは不十分で、業務の正確性に大きな影響を及ぼすということを、しっかり認識すべきです。
 それから、電子私書箱の話はいろいろなところに出ていますが、黒ポツの3つ目で指摘しているように、紙を対象とする既存の郵便システムがなぜあるのかを整理してみると、電子データが主となれば、その電子データを扱う私書箱システムが郵便に似たサービスを提供することが必要であることがわかります。具体的には、例えば親書も送れるようにしなければならないということです。
 最後に黒ポツの4つ目、一番下ですが、閲覧手段の多様化についてです。電子データが主になれば、どこでも見えるようにすることが必要なので、閲覧手段の多様化が不可欠になります。現状を考えると、携帯電話や、それから先ほども公的個人認証サービスと住基カードの話が出ていましたが、カードのリーダー・ライターは、地上波デジタルテレビについていることから、パソコンに加えて、これらも使えるようにすべきと考えます。そのためには、地上波デジタルテレビ受像機等と社会保障カードとの有機的な連携を実現することが重要であると思います。
 以上です。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして、清原本部員お願いいたします。

【清原本部員】
 三鷹市長の清原です。
 まず、IT政策ロードマップ中間報告についてですが、このペーパーの3項目めから申し上げます。3分野について抽出した理由や背景について丁寧な説明がなされ、これは大変有効な重点化だと思います。ただし、今後のシステム構築や制度運用に向けては何よりもIT新改革戦略評価専門調査会が副題としてつけられた「利用者視点に立ったIT活用の徹底を」という趣旨にのっとって、適切な対応を進めていただければと思います。
 次に、国民個人の情報が行政機関の間であたかも自由に相互利用されるかのような間違った印象が、国民本位のワンストップ電子行政サービスの実現にはついてまいります。特に添付書類の問題などを大変改革的に提案されているこの中間報告は意義がございますけれども、だからこそ不信感が広がるようなことがないように十分な検討と制度的な保護措置の設置、また、国民への丁寧な説明が不可欠だと考えます。
 続きまして、国民「本位のITを活用した医療・社会保障サービスの実現」についてです。私たち三鷹市のような基礎自治体は国民健康保険や介護保険の保険者でもあります。したがいまして、国民・市民にとってICTの恵沢を享受していただくということが実感される上で、今後の社会保障カードや電子私書箱構想の検討が極めて有用であると日々の対応の中から感じています。そこで、当初より適切な形で基礎自治体との協議や情報交換が行われる取り組みをお願いしたいと思います。
 最後に三鷹市でも情報セキュリティマネジメントシステムを導入していますが、特にこれからは情報セキュリティガバナンスといった観点からの取り組みが重要だと考えております。ロードマップにおいて、強化分野として挙げられた3分野に通低するものとして実施段階において、この情報セキュリティガバナンスを取り組むとともに、繰り返しになりますが、評価専門調査会の副題である「利用者視点に立ったIT活用に徹底を」という方向性を貫いていくことが望ましいと考えます。
 以上です。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 次に、中村邦夫本部員お願いいたします。邦夫本部員から維夫本部員、ちょっと資料の順番でやらせていただきます。お願いします。

【中村(邦)本部員】
 中村邦夫でございます。
 私からはこのロードマップの強化分野2−2につきまして、環境に先進的な社会づくりという点について申し上げたいと思います。環境に先進的な社会の実現には「IT機器自体の省エネ」と「IT活用による環境負荷低減」の両輪が求められます。中でもIT活用による省エネは、産業、運輸・交通、また家庭などの身近な分野における取り組みが重要であります。産業部門では工場だけでなくオフィスの省エネも重要であります。
 オフィスの省エネには、人感センサーによる照明の自動消灯や空調機器も含めた集中管理システムの導入が進められてきております。事実、既にITを活用した集中管理によってビル全体で10%以上の省エネを実現している事例もあります。交通・運輸分野で1つだけ事例を挙げますと、ETCであります。ETCは既に全国で約2,200万台のセットが導入されて既設済みでありますが、このETCを導入することによりまして、車1台当たり1本の植林に値するCO2削減効果があると言われております。そういうことで、日本を走るすべての自動車にETCが搭載されれば約7,500万本の森林が生み出されることになると思います。
 あるいは、ITを使った在宅勤務も重要な省エネになると思います。このように身近なところでの実践が大切であり、国を挙げて啓蒙活動を押し進め、環境負荷削減の取り組みが生活の一部となるようにしていくことが肝要であると考えます。
 以上でございます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 それでは、中村維夫本部員お願いいたします。

【中村(維)本部員】
 エヌ・ティ・ティ・ドコモの中村でございます。
 時間がございませんので、ITを安心して使える社会ということで2点だけお話をさせていただきます。まず最初はフィルタリングの問題でございますが、ITの光と影というのはずっとお話をしてまいったところでございますが、青少年がこういったものでいろいろと安心して使えない、いろいろな事故に巻き込まれる、事件に巻き込まれると、こういったところは事業者としても大変大きな問題だというふうに感じております。そういった意味で、こういったフィルタリングということが今始まりまして、私ども通信事業者、それからコンテンツの事業者、ともにいろいろな形でこれに真剣に取り組んでいこうと、こういうふうに始めたところでございます。これはこれからも関係省庁とご相談しながら、一層これに努めていきたいということが1点でございます。
 それから、いわゆるITリテラシーということで、私ども例えば「ケータイ安全教室」というのを実施しております。これは生徒さん、それから先生、保護者、こういったものを対象にしながら安全な使い方、それから無用なトラブルにどうやったら巻き込まれないようにするか、こういったことを学んでいただきたいということで、例えば昨年度だと2,400回ぐらい、2,400校ぐらいでやりまして、今年度はその倍をやろうと思っておりますが、こういったことが情報モラル教育の推進に役立てればと思っておりますし、今後ともその教育機関とか地域のコミュニティなどとご一緒になって、こういったものに取り組んでいければというふうに思っております。
 以上です。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして、村井本部員お願いいたします。

【村井本部員】
 IT戦略本部が始まって以来、ずっと日本のIT環境の状況については議論されてきました。本日最初に官房長官からお話があった情報セキュリティの年度計画では、人材の確保が課題となっており、私も教育に携わる者としては大変大きな責任があります。日本人はIT技術に対するセンスや理解における強さを根底に持っており、それによって今のIT社会が支えられているのだと思います。そういう意味では、本日議論になった利用者視点、国民視点についても、個々の国民の力で正しくITの環境を理解し、使いこなすことによって、創造的な問題解決を図っていく環境に繋がるのだと思います。そのような人材がきちんと十分に育っているかどうかを見直しながら、新しい技術に対応していかなければならないと思っています。今回のロードマップの中にもITを安心して活用できる社会の実現への取り組みがありますが、その社会を実現するためには、国民が正しく最高のクオリティで現在のIT環境と問題を理解して、問題を解決していくという体制が必要です。 2点目は、そのような社会の実現は、世界でも非常に重要な共通の関心事となっており、日本がきちんとした環境ソリューションを打ち出せるかを世界中が見ているということです。したがって、この課題への取り組みは非常に大事ですので、ぜひこのロードマップの中ではしっかりと問題を定義し、その問題に対する解決を図る体制が政策的に内閣によって作られているということを示し、日本では安心で非常に力強いIT社会に向けた政策が進んでいることをアピールしていくことが、次の世代の子供たちを育てるために大事なことではないかと思います。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 それでは、渡辺会長お願いいたします。

【渡辺会長】
 このロードマップは先ほどご報告いたしました評価専門調査会の報告書でお示ししたことが反映されておりまして、ぜひとも積極的にお取り組みをいただきたいと思います。このことによりまして、ITを活用すればこんなに便利で簡単になるという実感が得られるのではないかと、早期に、早急に実効に移すことが重要だと思います。大切なことは、何度も申し挙げて恐縮ですがスピードと実行力、そしてそのリーダーシップだと思います。そのリーダーシップが発揮できるような体制で、ぜひ積極的にお進めいただきたいと思います。
 以上でございます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 では、次に増田総務大臣と新藤経済産業副大臣からご発言をいただきますが、ちょっと時間が押しておりますので、簡潔にお願いいたします。
 増田大臣お願いいたします。

【増田総務大臣】
 次に参考資料で総務省の資料があります。総務省では岸田大臣に全面的に協力して、IT政策に取り組んでいくと。内容は説明しませんが、電子政府、電子自治体、特にこれらについて先行プロジェクトとして早期の実施を図る。中でも電子政府のさらなる前倒しにつきましては、岸田大臣とよく相談をしていきたいと。岸田大臣の指導のもとで進めていきたいというふうに思っております。
 以上です。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いします。
 続きまして、新藤経済産業副大臣お願いします。

【新藤経済産業副大臣】
 甘利大臣は出張中でございますので、副大臣の新藤からお話をさせていただきます。今、増田総務大臣のほうから極めて簡潔なお話になりましたので、私も見習ってやりたいと思います。
 お手元に参考資料の2がございます。私どもといたしましては、各分野に経済産業省として貢献できる部分がたくさんございます。きょう各委員の先生方からご指摘いただいたことも経産省が担っているものがたくさんあるわけでございまして、この参考資料の2にあるように、1、2、3、4という、この大きな柱の中でITによるイノベーションの活性化、豊かな暮らしの実現、こういったものを取り組んでいきたいと、このように思います。
 また、これを前提にして、この下にございますITをめぐる社会基盤の整備というものをやっていかなければならないという意味におきまして、その整備の中のプロジェクトを一つ一つ実用化、産業化させていきたいと、このように思っております。
 また私は、ここに出ておりませんが、例えば地理空間情報という仕事がございます。昨年基本法ができまして、これを新しい国のコンピューター社会の実現に向けて地理空間情報を役立てたいと。こういったものも今、経産省の中では研究会を立ち上げまして仕事を始めておりますし、また、この3次元位置情報の標準化、それから先ほど伊丹先生からもありました空間コード間の連携、こういったものについてもしっかりと検討を内閣全体として行うべきと考えております。経済と産業を担当する省庁、ITの力を活用して中小企業を初めとする産業の活性化や競争力の強化などに取り組んでまいりたいと、このように思っております。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 その他、ご出席の皆様方からご発言ございますでしょうか。
 よろしゅうございますか。
 それでは、活発なご発言、まことにありがとうございました。それでは本日のご意見等を踏まえ、さらにIT政策ロードマップについて検討を深めてまいりたいと存じますので、引き続きましてのご協力をよろしくお願いを申し上げます。

(6)IT利活用に関するデモンストレーション

 それでは、デモに移りたいと存じます。本日は中村邦夫本部員より家庭内で使う電力をテレビで見える化する取り組みについてご紹介いただきます。デモの前にプレスが入室いたしますので、しばらくお待ちください。(プレス入室)

【岸田内閣府特命担当大臣】
 それでは、中村本部員よろしくお願いいたします。

【中村(邦)本部員】
 地球環境保護が主要なテーマとなっております7月の洞爺湖サミットも近づいてまいりました。そこで、本日はグリーンITの考え方に基づいて、ITを用いて家庭内の消費電力を見える化することで省エネ対策を加速する実験システムについてご紹介してみたいと思います。
 皆さんもご存じのとおり、地球温暖化は全世界的な課題であります。そういった流れの中で、家庭における温暖化ガスのCO2の削減は、日本にとりましても喫緊の課題であり、CO2排出の約40%を占める消費電力を抑える省エネ対策が重要であります。
 本日ご紹介するシステムは、どこの家庭にもありますこちらの分電盤の電力計の中に非常に小さな電力計を取りつけることで、さまざまな電化製品の消費電力を測り、その情報をこちらの分電盤からITで結ばれたこちらのテレビに送って映し出します。
 本日はまず最初に、消費電力をテレビでチェックというデモを行います。ここでは、どのご家庭にもあります照明を用います。今、従来のこちらの電球から消費電力の小さいこちらの電球型蛍光灯への切りかえが呼びかけられております。当社の電球型蛍光灯の中にはこちらの細長い蛍光灯がらせん状にコンパクトにまとめて入っておりまして、電球と同じサイズで消費電力を約5分の1にしております。白熱球と比べますと、コスト等々まだまだ改良の余地はあると考えますが、さらに改善努力してまいります。
 それでは、切りかえの効果をごらんいただきたいと思います。正面に2個の照明を置きました。右の照明を電球から電球型蛍光灯にかえたいと思います。
 それでは、まず左の電球のスイッチを入れます。次にかえました電球型蛍光灯にスイッチを入れます。これらの照明の消費電力を分電盤の電力計が計測いたしまして、テレビに送られ表示されます。電球型蛍光灯の消費電力は、計測されてテレビに表示されています。向かって左が従来の電球で、右が同じ明るさの電球型蛍光灯の測定結果であります。消費電力とともに、1日当たりの電気代やCO2も大きく削減されているのがおわかりいただけます。国民の皆様がこれほど節約できるのなら、次は家じゅうの明かりのかえてみようと思われ、省エネが促進されることを期待しております。
 先ほどのシステムは、さまざまな電化製品にも応用ができます。家の照明やエアコンなどをテレビにつなぎ、24時間モニタリングをする応用例を紹介しています。今、リビングでテレビ番組を見ているとします。洞爺湖が気になったとき、こちらのリモコンを用いて簡単にテレビで確認することができます。まず、テレビのメニューからフラッシュポータルを呼び出し、続いてエコモニターを呼び出します。テレビには家庭全体の消費電力の状況がグラフで示されております。このように24時間モニタリングがされ、いつでも確かめることができます。CO2削減の観点で確かめることもできます。上に今月のCO2削減量が示されております。また、その下に最新型の冷蔵庫への買いかえがアドバイスされています。こうした最新型家電への買いかえは極めて効果的であり、例えば当社冷蔵庫では1995年に比べ消費電力を約60%削減しております。今現在、経産省と環境省のご指導のもと進めております省エネ家電普及促進フォーラムでは、買いかえ促進に向けた啓蒙など統一的な取り組みを推進しております。
 以上、試作実験機ですので不完全な部分もありますが、家庭内消費電力の見える化の取り組みを紹介いたしました。最近の総務省研究会でも触れられているとおり、この消費電力の見える化によって、国民の省エネ機運が一層高まるのではないかと考えております。
 ご清聴ありがとうございました。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 中村邦夫本部員、ありがとうございました。
 以上で、デモンストレーションは終了でございます。

(7)内閣総理大臣挨拶

 それでは、予定の時間となりましたので、ここで福田総理よりご発言がございます。

【福田内閣総理大臣】
 最初に渡辺評価専門調査会長、また調査会の委員の皆様に評価の取りまとめにご尽力をいただきまして、どうも御礼申し上げます。
 政策の確実な実施のためには第三者によるその評価というものが、これが重要であるというように考えますので、今後も引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 今回、中間報告されました「ITの政策ロードマップ」で示されました取り組みを強化すべき3つの分野は、いずれも我が国の経済成長を支えて、喫緊に取り組むべき重要な施策でございますので、岸田大臣を中心に関係大臣が一致協力して取り組む体制をつくっていただきたいと思います。
 特に電子政府の進捗は、これは行政のむだを省き、国民の利便性を向上させるという一石二鳥の効果を持つものでございますので、重要な課題だと思っております。国民視点ということを忘れることなく、相当なスピード感で、「相当な」というのがついていますから、スピード感を持って改革工程表を見直していただきたいと思います。当然のことでございますけれども、中間報告の中でも、できることはすぐに取り組んでいただきたいと思います。
 また、医療・社会保障分野につきましては、社会保障カード、また電子私書箱を使って、国民にきちんと情報が見える仕組みをつくっていただきたいと思います。
 厚生労働大臣を初めとする関係大臣が協力して検討を進めていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
 以上でございます。(プレス退出)

(8)閉会

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。皆様方のご協力をいただきまして、ちょうど時間内に収めることができました。ご協力に心から感謝を申し上げながら、以上でIT戦略本部を閉会したいと存じます。
 なお、本日の会議の内容につきましては、この後、内閣官房の事務方からブリーフを行うこととしております。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日はまことにありがとうございました。