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第46回IT戦略本部 議事録


1.日 時:平成20年6月11日(水)17時03分〜17時48分

2.場 所:内閣総理大臣官邸大会議室

3.出席者:[別紙]

4.会議の模様
1.開会
2.情報セキュリティ政策について
3.IT政策ロードマップ及び重点計画-2008について
4.IT利活用に関するデモンストレーション
5.内閣総理大臣挨拶
6.閉会



(1)開会

【岸田内閣府特命担当大臣】
 大変お待たせいたしました。ただいまから第46回IT戦略本部会合を開催いたします。
 本日は、大変お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 福田総理は国会の関係でおくれて出席されます。ご了承いただきたいと存じます。
 恐縮ですが、本日の会合は都合により17時45分には終了したいと考えております。ぜひご協力いただきますようお願い申し上げます。
 早速、本日の議題に入らせていただきます。
 まず、最初の議題ですが、情報セキュリティ政策についてであります。情報セキュリティ政策会議議長の町村内閣官房長官からご説明をお願いいたします。

(2)情報セキュリティ政策について

【町村内閣官房長官】
 電子政府の推進につきましては、福田総理のご指示の下で、諸大臣が中心となって取組を進めておられるところであります。私からは、情報セキュリティ政策会議議長として、次の3点をお願い申し上げます。
 1点目は、電子政府システムのセキュリティは後付けではなくて、企画・設計段階、当初の段階から確保していただきたいということであります。また、これは対策コストやトラブルの対応の手間をトータルで節約することにもつながると考えます。
 先日、私はGSOCという政府機関全体に対するサイバー攻撃を監視・分析するチームを視察してまいりました。現在は本格運用に向けた体制整備を続けております。各省にありましては、連携の確保をはじめ、より一層のご協力をお願いいたします。
 3点目は、情報漏洩事案がいまだ後を絶ちませんが、万一、事案発生の際には、官邸への速報、適切な情報開示等、国民の信頼に足る政府として遺漏ない対応をお願い申し上げます。
 以上3点は、国民が安心して利用できる電子政府を構築するため、我々政府がなすべき責務であると考えます。各府省庁のご理解、ご協力を改めてお願い申し上げます。

(3)IT政策ロードマップ及び重点計画-2008について

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 次の議題はIT政策ロードマップと重点計画-2008についてです。
 それでは、私のほうから、資料2−1を用いて説明させていただきます。なお、IT政策ロードマップの本文は資料2−2、重点計画-2008の本文は資料2−3となりますので、併せてごらんください。
 資料2−1の1ページ目をごらんください。IT政策ロードマップについては、前会合で中間報告をさせていただきましたが、その後、特に電子政府へ取組について、さらなる前倒しを検討いたしました。本日はその見直した部分について説明いたします。
 2ページ目をごらんください。見直し点は主に2点であります。「電子政府の改革工程表」と「政府における内部管理業務の抜本的効率化」です。
 まず、電子政府の改革工程表の見直しについてですが、全体の工程を5年から2年に短縮しております。また、オンライン利用促進について、従来、各省ごとであった行動計画を、政府全体の計画にするとともに、一律50%だった利用率目標について、利用件数の多い重点手続の目標を見直す一方、利用が低調なシステムは廃止も視野に検討するなどメリハリの効いた対応にしております。加えて、公的個人認証サービスの改善とその積極的な普及を明記するとともに、2010年を目途としていた電子行政を推進する基本法制の国会提出時期を1年前倒しいたします。
 ITを活用した政府の内部管理業務の抜本的効率化については、後ほどまとめて説明をいたします。
 3ページ目をごらんください。先ほど説明したことを工程表に落としたものです。先ほどの説明と重複しますので、説明は割愛いたします。
 4ページ目をごらんください。ITを活用した旅費業務の抜本的効率化については、「内部管理業務の抜本的効率化検討チーム」を設置し、検討してまいりました。
 本日デモンストレーションをしていただくキヤノンをはじめ、トヨタなどの民間のご協力をいただき、旅費業務等の業務改革(BPR)の基本方針として、「アクションプラン」をとりまとめたところです。旅費業務の改革(BPR)の基本方針としで、1つは、各府省のバラバラの規程類について、半年間で全部府省統一化・標準化を図るということ。2つ目として、現在、1件の出張当たり各府省平均で13人が決裁しているものを、民間並みに課長に責任をもたせることにより2階層にするなど、決裁階層の大幅な簡素化を図ります。そして、ペーパーレス化の徹底を図るなど、業務改革を行った上で、府省共通のシステム化を図ることとしております。
 5ページ目をごらんください。具体的なアクションプランとして、1つ、各府省の会計事務担当者や民間の実務家も交えた合同チームとして、「官民合同実務家タスクフォース」を新たに編成し、半年間で政府全体の規程類の標準化を図ります。2つ目として、既存の経路検索ソフトについて、半年後から本格的に活用開始をいたします。3つ目として、パック商品等の手配についても民間へのアウトソーシングを2009年度当初から開始できるようにし、2010年度中には府省共通の旅費システムの運用を開始することとしております。
 6ページ目をごらんください。旅費に加えて、それ以外の物品調達等の内部管理業務についても、「官民合同実務家タスクフォース」により、本年度内に具体的な標準化、運用ルールを検討、策定し、概ね2年以内に府省共通のシステム化を図ることとしております。
 7ページ目をごらんください。これからは重点計画-2008について説明をいたします。「重点計画」は毎年定める年度計画です。「重点計画-2008」は、「IT政策ロードマップ」を踏まえ、資料中に記載している「IT新改革戦略」に掲げられた15分野の目標を実現するため、2008年度に実施すべき重点的施策をとりまとめたものです。
 8ページ目をごらんください。重点計画-2008では、各府省で実施される356施策を掲載しています。そのうち、67施策が新規、IT政策ロードマップ関連は121施策となっています。例えば、IT政策ロードマップの強化分野である「『つながり力』発揮による経済成長の実現」に分けた施策を紹介いたします。
 前回会合で、有識者より既存産業のITインフラを利用した産業改革が重要等との意見が出されましたが、その関連として「『サイバー特区』の導入」や「ITを活用した新たな商業空間(e空間)の創出」といった施策があります。
 その他、時間の関係で説明を省略いたしますが、15分野で様々な施策があります。
 9ページ以降は、これまで説明してきた参考資料となりますので、説明は省略いたします。
 ただいま説明した「IT政策ロードマップ」については、本日決定させていただきたいと考えております。
 また、「重点計画-2008」(案)については、本日の議論を踏まえた上で、パブリックコメントを実施することとしています。その結果を踏まえ、次回の7月に開催予定のIT戦略本部で正式決していただくことを考えております。
 私からの説明は以上であります。

(4)自由討議
 それでは、自由討議に移りたいと存じます。
 まず、有識者本部員の方から順番にご発言をお願いいたします。
 なお、発言はお1人2分以内でお願いしたいと存じます。
 それでは、まず最初に上野本部員からお願いしたいと存じます。

【上野本部員】
 それでは、私のほうから意見を申し述べたいと思います。資料4でございます。
 一番最初に、IT政策ロードマップについてでございます。ここに書いてございますように、「つながり力」というのは非常に重要だということを申し上げております。これは今後の中小企業の生産性向上にとって基本となる政策であると私は認識しております。したがって、民間だけに任せるのではなくて、国が先導して推進すべきだと考えております。
 次に、重点計画-2008についてでございます。共通基盤EDIという項目についてでございますが、「EDIの共通基盤の整備」というのは、単に中小企業にとどまらず、大手企業を中心とする我が国製造業の生産性向上を支える産業基盤になると認識しております。そのために、「EDIメッセージの標準化」というものを、EDI共通基盤の実現のために、業界EDIの相互接続の検証・実証を、国が先導して実施するなどの施策が必要と考えています。
 2番目は、ITを活用できる人材の育成支援についてでございます。ここに書いてある重要な政策というのは、中小企業にとってはIT経営実現の決め手になる重要施策であると考えております。その場合に、「CIOの経験者とか中小企業診断士など中小企業の側に立ってCIO的な立場で助言できる外部CIOを集中的に派遣し、コンサンルティングを実施する」という中に、中小企業のIT化支援の中核人材であります「ITコーディネーター」を加えてはどうかということを提案申し上げます。
 以上でございます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして、大山本部員、お願いいたします。

【大山本部員】
 私のほうは、2枚目の資料についております3点に、今、岸田大臣からお話がありました旅費の話をちょっと加えて、簡単に申し上げたいと思います。
 最初に、重点計画-2008につきましては、ここに書きましたとおり、IT新改革戦略の実現に向けた進捗が見られること、環境、エコなどの時代の変化と要求に応える施策として高く評価できるものと考えます。
 2番目は年金システムであります。年金記録システムの刷新化が当初予定より遅れているという状況がございます。年金を取り扱う情報システムは、平成22年1月に発足予定の日本年金機構が行う業務の効率性及び正確性を大幅に向上するのに不可欠なものである。こう考えますと、年金業務の全体最適化に早急に着手すべきであると思います。
 これに関係して、先ほどの旅費もそうなんですが、各府省でバラバラの旅費があるために、システムの再構築に非常に時間がかかっている。年金の話も似たことがございまして、特に、2番目ですが、給付額の裁定については、そのロジックがだれにでもわかるようにすべきものでありますけれども、そこがはっきり見えないために、結果として新システムの開発・運用等にこれをうまくやればコストの大幅削減につながると思います。
 3つ目は、次世代電子行政サービス私書箱、社会保障カード等についてであります。退職・引越のワンストップサービスの実現等、次世代電子行政サービスの実現は、利用者目線に立っているというふうに高く評価したいと思います。また、その実現に大いに期待したいと思います。しかしながら、現在出されている案では、社会保障分野との連携が不十分ではないかという気がします。この点につきましては、密な連携を図っていただき、全体最適化を念頭に置いたシステムの全体像を示すべきだろうと考えます。
 以上です。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして、清原本部員、お願いいたします。

【清原本部員】
 まず1点目に、IT政策ロードマップ及び重点計画-2008の案の策定にあたりまして、基礎自治体の果たすべき機能や役割等をできる限り明確にしていただきたいと、これまで申し上げてまいりましたが、この点についてより明確に記述していただいたことについては大変感謝しております。
 2点目に、重点計画においては、「ITによる医療の構造改革」が掲げられています。その実施にあたりましては、スケジュールも含めまして、関係各方面との協議・合意形成が極めて重要です。基礎自治体としましても、住民に直接説明を行う立場にあります。しっかりとその役割を果たしたいのですが、そのためにも国との十分な連携・協働が必要と考えます。介護保険制度や長寿医療保険制度の初年度の実施において発生しました問題点に学びながら、より円滑にこの取組が進められますよう、力を注いでいただきたいと思います。
 3点目に、重点計画の「1.5 世界一便利で効率的な電子行政」に関連しまして、電子申請の普及において中心的な役割を果たします「住民基本台帳カード」についても言及されています。いわゆる住基カードの普及は全国一律に取り組むことが重要ですが、残念ながら、現在までの総務省の支援スキームでは、地方交付税の制度とリンクされておりまして、相対的に自立度の高い地方交付税の不交付団体である、人口割合で約2割の地域では、この国の支援スキームが利用できず、結果的に自治体、地域住民の経費負担で住基カートの普及を進めざるを得ない状況でまいりました。この住基カードの普及に関しまして、無料化の時限措置が示されておりますので、全国一律に取り組めますよう、スキームの検討に際しては、交付団体・不交付団体の区別ない取組をお願いしたいと思います。
 実は、同様の問題から、これまで小中学校のパソコンの配置について、不交付団体である東京都の取組が全国で最も遅れていたという経過がありますので、同じ轍を踏まない工夫が必要と考えます。
 最後に、先ほど岸田大臣から「アクションプラン」でBPR基本方針の下での行動計画が示されました。半年間で規程類を標準化されるなど、「官民合同実務家タスクフォース」が新たに編成されるということです。内閣官房副長官補の下に進められるこうした取組は、自治体のいわゆる行財政改革(BPR)にも大変有用なモデルになると考えられますので、ぜひ自主的な推進をよろしくお願いいたします。
 以上です。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして、中村維夫本部員、お願いいたします。

【中村(維)本部員】
 ドコモの中村でございます。
 全体につきましては、ペーパーに書いておきましたので、特に電子行政に関しまして、この中身が内容が濃く熱意のある内容にまとまっているんだろうと思います。そういった意味で電子行政が早期に動き出すということは大変うれしいという感じがいたしております。また、管理・進捗におきましては、IT戦略本部や内閣官房の役割を明確にしていただいた点が大変心強いと思っております。
 これから、各論でございますけれども、利用する国民の側に立った視点を絶対に忘れないでやっていきたいと思っております。
 以上です。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして、村井本部員、お願いいたします。

【村井本部員】
 本日の会議の冒頭、官房長官から情報セキュリティ政策会議の話をしていただいた中で、電子政府の情報セキュリティ確保を設計段階から行うというお話がありましたが、政府の情報システムにおいて情報セキュリティが初めから確保できれば、それは民間への浸透にもつながりますし、非常に大事なことだと思います。
 例えば情報システムは多くのエネルギーを消費するシステムですが、これを技術の進歩により、グリーン化等、環境のために消費電力を節約するデザインができるようになってきました。情報セキュリティも、どういうデザインをするかは技術の進歩と深く関わるものです。「設計段階からそれに取り組む」ということは、すなわち、最初から、内閣のIT戦略本部として規範となる政府の情報システムをデザインしたり、取り組んでいくということであり、ITのグリーン化も同時に追求出来る大事な施策です。
 そのためには、企画・デザインができる人材の確保がとても大切になってきます。GSOCのお話もそうですが、つまり、IT戦略本部に強いリーダーシップを期待されていても、それを行使するための人材と体制がなければ、様々な問題には取り組めないという点をどう解決していくか、この課題が一点目です。
 二点目は、甘利大臣のお話もありまして、先日、アブダビから帰ってきましたが、最近、中東、インド、アフリカ、中国、韓国を含めて、情報化という視点で世界を見てみますと、発展がとても速い。この国では教育、あちらの国では貧困や医療の問題という様な社会的な課題に対して情報基盤をどう使うかということで動いてます。そうした速度や状況を鑑みますと、私たちが日本で世界最高の情報環境をつくろうと頑張ってきた成果や経験が、どのようにグローバル社会に貢献できるのかということを、戦略的に考える仕組みが必要となります。これはIT戦略本部で取り組むべき事柄ではないのでしょうか。
 そういう意味では、「IT国際戦略」のような視点をこの本部で考えていく必要があり、今がその時期ではないかと思います。マーケットも技術も、今申し上げたような国々において驚くべき勢いで進んでいますので、そこにこの成果をどうやって活かし、日本の産業がどう関わっていくのかを考えていく事が、大変重要な問題になるということを含め、「IT国際戦略」体制の必要性を充分に考慮していきたいと考えます。
 最後は、デジタル放送についてです。2011年7月24日にアナログ放送が停波しますが、現状をよく聞いてみると、夏場は、家電販売店はクーラーの設置工事で忙しく、アンテナ工事にはとても人が割けないような状態になる。そうすると、2011年の夏に、自分で設置しようとした人が屋根から滑り落ちる事故が起きるのではないか、といった新たな懸念も出てきます。つまり、アナログが停波するというのは、放送事業だけではなく、あらゆるプレイヤーがどういうタイミングで、どのように関わるのかという全体的な移行体制をつくる必要があります。このことも、デジタル化で日本の社会がどう発展するかということに関わる重要な問題であり、残りわずか3年での国策によるスムーズな移行が求められている現状ですので、この点に関してもIT戦略本部が強いリーダーシップをとれる体制が必要ではないでしょうか。
 以上でございます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして、渡辺評価専門調査会会長、お願いいたします。

【渡辺会長】
 はい、渡辺からコメントさせていただきます。
 まず1つ目、「IT政策ロードマップ」についてです。これは、「強化分野」として「国民本位のワンストップ電子行政サービスの実現」、あるいは、「国民本位の医療・社会保障サービスの実現」という項目が盛り込まれておりまして、国民とか利用者実感という点で、私どもがご指摘申し上げたことに関して、大変いいことだと思っております。
 特に電子行政分野の改革工程表が5年から2年ということで、非常にスピード感ある対策になっていること。その中でも、「引越・退職手続等の先行的ワンストップ化」等、国民にわかりやすいテーマがアクションプランに盛り込まれておりますので、大変良いことではないかと思います。
 同時に、「電子行政推進法」の早期整備が明確になったことも大きな前進ではないかと思います。
 今後、ぜひ府省間あるいは地方自治体、民間企業が一体となってスピード感のある実現を目指して進めていただきたいということでございます。
 2つ目、重点計画-2008でございます。これは、私どもの会よりお示しした方向性に概ね沿っていただいております。個々の政策の実行に当たっては今一度利用者、国民視点に立ち返るということを改めてお願いしたいと思います。
 最後ですけれども、IT新改革戦略は、目標年限が2010年でございます。2年余りということになっております。そういう意味で、今年度はこの重点計画を確実に実行することは大変重要な年であると思いますので、ぜひしっかりと進めていただきたいと思いますし、評価専門調査会も本年度は新たな視点で評価をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上でございます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 続きまして、草刈規制改革会議議長からお願いいたします。

【草刈議長】
 ITのロードマップと重点計画、大変クイックに仕上げていただいて、敬意を表したいと思います。中身も大変充実していると思います。これについては、皆さんからコメントありましたので、特にしませんが、私が最近経験したことで、これでいいのかという思いがありますので、ちょっとお話をさせていただきます。
 1枚紙の中に重点計画も入っておりますが、医療のIT化の中でレセプトがあります。今は紙のレセプトのチェックを5,300人、785億かけてやっている。これをどういうふうに合理化できるのかというのを、報告義務を課して厚労省から報告していただいたんですが、ここに書いてありますとおり、抜本的見直しには程遠く、ほとんど誤差の範囲内でしか最終的に合理化にならないという案が出てきています。これでは高いお金を払って何のためのオンライン化かということになので、もう一回再設計してくださいというお願いをしているところです。韓国の例を挙げてありますが、韓国では日本の3分の1ぐらいでやっているので、これはちょっとまずいなということで、もう一回やってくれということを言っております。
 [2]に書いてありますが、BPRのお話が先ほど大臣からもありましたけれども、民間企業ではこれは当たり前の話で、継続的・定期的なBPRが効率化のかぎになっているわけです。このBPR、効率化というのは、まず棚卸して要らない業務を捨てて、必要な業務はITをどういうふうにやっていくかと。これは自ら要件定義をしながら自分の手でやっていくという作業になっているわけですが、この下に書いてあるように、省庁等のやり方を見ていますと、BPRそのものが常態化にはなっていない。これ常態化すべきではないかというのが第1点です。
 2点目に、システムの要件定義を外注化しちゃって、ほかの人にやってもらったのでは、合理化の効果が大きく期待できないのではないか。
 3番目に、予算の単年度主義というのはしょうがないんでしょうけれども、これが外注先への依存を深めているという部分が非常に大きなネックになっているのではないか。この辺も見直すべきではないか。そんな意見を持っております。
 以上でございます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 それでは、大臣発言に入ります。
 まず最初に増田総務大臣、甘利経済産業大臣から、ご発言をいただきますが、先ほど申し上げましたように、きょうは終りの時間が区切られておりますので、2分以内と申し上げたいんですが、1分半でお願いいたします。

【増田総務大臣】
 それでは、総務省の参考資料1はあえて開きません、後でお読みいただきたい。
 総務省としては、岸田大臣に全面協力して電子政府構築を進めていきますが、特に国の手続の関係で言えば、申請件数の多い手続を重点的に攻めていくということで、100万件以上の手続が40手続ぐらいですから、IDパスワードでの本人確認の簡素化とか、添付書類の原則省略化、そういったことを8月までに、具体的なアクションプランを策定する際に盛り込みたい。
 2点目、電子自治体の関係については、自治体の取組が大変遅れている部分がございます。住民基本台帳カードの無料交付の推進、これは先ほど清原市長からも不交付団体についてのお話がございましたが、4月から交付団体について無料交付を行っておりますけれども、不交付団体については今後の検討事項ということにします。
 それから、コンビニの端末での住民票の写しの交付の実現の検討会を立ち上げます。
 それから、住基カードは、引越しして市町村が変わるともう一回、再発行500円ということになっていて、これは何とかしなければいけませんので、ずっと続けられるように。運転免許証などは裏書きして、公安委員会が違っても同じカードを使っていますから、そんなことを検討しているところです。
 それから、公的認証についても、国税庁と来年の確定申告に向けて連携を密にして検討していきますが、市町村窓口の発行体制の強化やソフトウエアのインストール方法の簡略化等の検討を進めていきます。
 最後に、村井先生から地デジの関係でお話がございました。電気屋さんの仕事の関係というのは、私も市町村からいろいろ話を聞いていまして、市町村が出すそういう関係の仕事というのは7月以降出ていきますので、それ以降はそちらのほうにとられるということと、4月、5月、6月なんですが、今お話があったように暑い地域では6月の後半からクーラー工事が出てくる。そうすると、電気屋さんたちはアンテナ工事に動員できるのは4月、5月が一番多い、それから6月前半までですね。そこを重点的に、2011年7月24日までにうまくローテーションが回らないかどうか、今、中で検討しているということでございます。いずれにしても3年を切りますので、この点は精力的にやっていきたいということです。
 以上です。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 それでは、甘利大臣、お願いいたします。

【甘利経済産業大臣】
 4点申し上げます。
 第1に、電子政府を推進するため、旅費について民間の経験を参考にしつつ、既存ソフトの活用や民間へのアウトソーシング等により、徹底的に業務の合理化を進めたいということです。第一段階として、半年以内に目に見える成果を出せるよう、関係省庁とも連携して作業を進めたいということであります。
 第2に、経済産業省ではITの「つながり力」を活用しまして、日本経済の成長力と産業競争力を強化するための政策パッケージをまとめました。3点あります。1としてITによる新産業の創造。2としてITを活用したアジア経済・環境共同体への貢献、3としてITによる中小企業・地域経済の活性化。これらを進めるとともに、個人情報や知的財産に関するルール整備などを進めていきます。
 資料の3ページ目には、フィルタリングソフトの開発普及など、経済産業省が講じている青少年をインターネット上の違法有害情報から守るための政策を掲げております。今後ともIT戦略本部が中心となり関係省庁が一体となって、違法有害情報から青少年を守るための対策に取り組んでいくことが必要と考えております。
 最後に、洞爺湖サミットを来月に控えまして、経済産業省では、IT機器の省エネと、ITを活用した社会の省エネ、この2つを両輪で進める「グリーンITイニシアティブ」を推進しているところであります。省エネに関する技術につきましては、日本のレベルは世界最先端でありまして、各国の注目を集めております。洞爺湖サミットを機に、世界各国にグリーンITの必要性をさらに訴えていきたいと思っております。
 以上です。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 それでは、他の閣僚の皆様からご発言をお願いいたします。
 上川大臣、それから宮下財務大臣政務官、ご発言は以上でよろしゅうございますか。
 では、あとお2人、すみません、1分半でお願いいたします。

【上川内閣府特命担当大臣】
 重点計画におきましては、私の担当する公文書管理に関し、電子媒体による歴史公文書等の移管及び保存、国立公文書館におけるデジタルアーカイブの推進を盛り込みました。これらに関連し、「公文書管理の在り方等に関する有識者会議」におきまして、今後の公文書管理の在り方全般について議論が進められているところであり、引き続き閣僚の皆様方にもご支援、ご協力をいただきますよう、お願い申し上げます。
 以上です。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 それでは、宮下財務大臣政務官、お願いいたします。

【宮下財務大臣政務官】
 国税電子申告(e-Tax)について申し上げます。ご承知のように、国税庁はこの2年間、国税税務申告(e-Tax)の普及に積極的に取り組んでまいりましたけれども、その中で国税庁だけでは解決できない課題があるということを痛感しているところでございます。
 1点目はe-Taxに関連する関係省庁、地方公共団体の手続についてでございます。e-Taxの普及にあたりましては、電子文書の印鑑にあたります電子証明書、具体的には市町村が行っていただいております公的個人認証サービスが必要ですが、住基カードを出して、それからまた個人認証は別途申し込んで、追加でお金を払うという制度のようでございまして、この普及率は非常に低いというところが問題かと思っております。また、法人についても、地方税の電子申告を受け付けていただける市町村がほとんどない。LTaxの導入も、1,800市町村のうち18しか導入されていない。こういうことで、紙の手続が残っているという問題がございます。
 2点目は電子申告を行った際の電子文書の受け入れ環境についてでございます。公共機関の窓口、金融機関の融資審査等で受け入れていただいていないということで、紙にして出してくださいと言われることが現状のようでございます。
 以上のような問題は、電子政府全般にかかわるインフラ整備の問題でございまして、内閣官房と総務省のご指導の下、関係省庁全体で取り組んでいただきたいと思っております。
 よろしくお願い申し上げます。

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 それでは、ご発言は以上とさせていただきます。
 それでは、「IT政策ロードマップ」は、案のとおり決定させていただきたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。
 そして、「重点計画-2008」につきましては、本日のご意見等を踏まえ、必要な修正は行った上で、パブリックコメントを実施したいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、お手元に配布しております資料3は、「重点計画-2007」に掲げられた施策について、4月時点での推進状況をとりまとめたものです。本日は特に説明はいたしませんが、ご参考にしていただければと存じます。

(5)IT利活用に関するデモンストレーション
 それでは、デモンストレーションに移ります。
 本日は、キヤノン株式会社、田中代表取締役副社長にお越しいただき、キヤノンにおける旅費業務等の効率化についてご紹介いただきます。

(プレス入室)

【田中副社長】
 ご紹介いただきましたキヤノンの田中でございます。本日は、弊社における旅費業務の改革について、大変貴重な時間の中で説明する機会をいただきまして、まことにありがとうございます。弊社のこのシステムが果たしてどこまで先進的な取組であるのかというのは甚だ心もとないところでございますけれども、民間企業の一事例ということでご紹介をさせていただきます。
 弊社で旅費業務システムをスタートさせましたのは、7年前の2001年からでございます。当時、社員側と会社側にそれぞれ課題がございました。まず、社員側にとりまして、申請書が複数種類あって大変面倒という問題がございました。当時、出張申請には、その目的に応じまして、近距離の外出、宿泊を伴う国内出張、海外出張、この3種類の帳票がございました。また、日当や手当も大変複雑で、計算に時間がかかるとか、あるいは、人事の手続がどこまで進んでいるのかがなかなか見えにくいなどの問題がございました。要は、社員の立場に立った設計になっていなかったということでございます。
 一方、会社側にも課題がございました。2001年当時というのは、国内はまだ不景気でございました。大変厳しい国際競争にさらされる中で、それまで行ってまいりました製造部門や開発部門の改革に加えまして、管理部門の生産性向上も図るべきだという要請がございました。
 こういった背景の中で具体的な取組に着手したわけでございますが、その際の一番の要諦は、システムを組む前に徹底的に業務の見直しを行うということでございます。
 弊社ではまず日当体系の見直しに着手いたしました。交通インフラの発達によりまして、移動時間が格段に短縮されました。また、賃金もその仕事への対価という考え方に変わってまいりました。それに伴いまして、日帰り外出の手当を廃止し、また、寝台車で移動する際の車中泊手当の廃止等もいたしました。結果、手当の分類は、従来の11種類から6種類まで絞り込みを行いました。
 続いて、承認プロセスでございます。これも課長へ権限を大幅に委譲することによりまして、従来の2階層から1階層にいたしました。これは後ほど述べますが、システムの不正抑止の効果により可能になったわけでございます。
 さらに、グループ会社15社の旅費規程は、それまでは各社、運用や金額が微妙に異なっておりましたが、すべてこれを統一いたしました。
 このような見直しを徹底した上で、弊社ではシステムを自社開発いたしましたが、今であれば非常に便利な市販のパッケージソフトがございますので、それを導入するという選択肢もあったと考えます。
 さて、業務改善の効果でございますが、一番大きかったのは人事部門での生産性の向上でございます。紙ベースの際は、各職場の庶務がとりまとめた上で、人事部門へ送付しておりましたが、それが一切不要になりまして、今では本社7,000人、年間15万件の出張精算を1人の人事担当が処理できるまでになっております。また、以前は手書きの文字をわざわざ読取機でデータ化しておりましたけれども、今は社員のパソコン入力がそのままデータとなり、その後の管理資料作成に役立てております。
 また、社員へのサービスの向上も図られまして、精算から振込まで、従来は7日かかっておりましたが、これが2日まで短縮して、すべての手続の進捗は、出張者へ電子メールで自動送信されることになっております。
 不正抑止効果もございます。以前は申請書を1つ1つ、目視でしかチェックできませんでしたけれども、今は上司及び人事部門が常に過去の古いデータも含めてパソコン上で異常値を確認できるので、不正が起こりにくい環境になっております。
 この後は、実際にデモ画面をごらんいただく予定でございましたけれども、時間の関係で割愛させていただきます。基本は、出張前の申請と、出張後の精算を本人がパソコンを介して上司と手続を行うということでございます。最終的には経理システムとも連動して、2日後には本人の口座に金額が振り込まれます。これで一連の旅費業務の手続がすべて完了することになります。
 以上が私どもからの説明でございますが、最後に一言だけ申し添えさせていただきます。IT戦略本部におかれましては、弊社を含む数社の民間会社から積極的にヒアリングをされまして、先ほど発表がございましたアクションプランをおまとめになりました。先日その概要の説明を受けました弊社会長の御手洗は、非常に迅速な対応に大変感銘を受けまして、坂副長官補をはじめとする事務局の皆様に大変敬意を表しておりました。今後は、実際の導入に向けてさらなるご努力が必要だと思いますけれども、官民を挙げてぜひこれを実現させていただきたいと切に願っております。
 私からの報告は以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

【岸田内閣府特命担当大臣】
 田中副社長、ありがとうございました。

(6)内閣総理大臣挨拶
 それでは、予定の時間となりましたので、ここで福田総理よりご発言がございます。

【福田内閣総理大臣】
 ただいま田中キヤノン副社長からITを活用した旅費業務の効率化ということで、民間の先駆的な事例をご説明いただきまして、大変興味深く伺いました。
 今お話がありましたように、御手洗経団連会長からご紹介がありまして、10万人の旅費精算をたった1人でできるんだということなんですね。ITの威力を痛感いたしました。政府のほうも早速その考えをいただきまして、研究いたしました。そして、これをやろうということで今もう取りかかっているところでございます。できるだけ早くと思っているところでございます。
 きょうは「IT政策ロードマップ」の決定をしていただいたようでございますけれども、改革工程表に沿ってスピード感をもってこの問題に取り組んでいただきたい。今のお話もそうでございますけれども、この工程表を見ますと、今まで5年の計画が2年に短縮されたと。やる気になればできるということがよくわりました。あらゆる部門についてスピード感をもって取り組んでいきたいと思っております。
 その具体的な実施計画であります「重点計画-2008」も早期に策定していただきたいと思います。
 来月はいよいよ洞爺湖サミットでございますが、これで環境の問題が討議されます。ITも、グリーンITという観点から、環境問題に非常にかかわりのあるところでございますので、これについても、我が国の先導的な低炭素社会への転換というような観点から、ぜひこの取組の強化をお願いしたいと思います。
 よろしくお願いいたします。

(7)閉会

【岸田内閣府特命担当大臣】
 ありがとうございました。
 以上でIT戦略本部を閉会したいと存じます。
 なお、本日の会議の内容につきましては、この後、内閣官房の事務方からブリーフを行うこととしております。
 本日もご協力いただきました、まことにありがとうございました。