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IT戦略本部(第49回)


日時:平成20年12月19日(金)16:45〜17:28
場所:内閣総理大臣官邸 大会議室


1.開会

2.情報セキュリティ政策について

3.IT戦略本部の後援等名義の使用等について

4.評価専門委員会からの提言について

5.今後のIT戦略本部の進め方について

6.内閣総理大臣挨拶

7.IT利活用に関するデモンストレーション

8.閉会


(配付資料)
資料1:「第2次情報セキュリティ基本計画(案)」について
資料2−1:高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部の後援等名義の使用について
資料2−2:高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部の後援等名義に関する規程
資料2−3:高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部の後援等名義に関する規程実施細則資料
資料3:いわゆる電子行政推進法案の検討状況について
資料4:評価専門調査会からの提言
資料5:デジタル新時代に向けた新戦略の策定について
資料6:有識者本部員からの発言メモ
参考資料1:経済産業省提出資料


午後 4時45分 開会
○野田内閣府特命担当大臣 お待たせいたしました。ただいまから第49回IT戦略本部会合を開催いたします。
 本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
 本日は、麻生内閣が発足してから最初の本部会合であり、副本部長の一人として、議事進行を務めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 なお、本日は都合により、午後5時20分までに終了いたしますので、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
 また、麻生総理大臣は公務の関係でおくれて出席されるとのことです。
 官房長官のほうも少しおくれるということで、議事に入らせていただきます。
 本来ですと、最初に官房長官からの情報セキュリティに関する報告なんですけれども、ちょっとおくれておられるので、私のほうの次の議題から先に進めさせていただきたいと思います。
 IT戦略本部の後援等名義の使用等についてということでお願いします。
 資料2をごらんください。
 資料2のIT戦略本部の後援等名義の使用についてですが、地方公共団体や学校等がシンポジウムや講演会等を主催する際に、IT戦略本部の後援、協賛、賛助といった名義を使用できるようにするための規程を整備したいと考えています。
 内閣に設置されているほかの会議や本部では既に規程が整備されておりますので、IT戦略本部でもそれにならい、規程を早急に整備することとしました。この案で本部決定とさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、かねてより経団連から強い要望があり、経済財政諮問会議等においても議論されました電子政府を総合的に推進するための司令塔機能の支援・強化や政府全体の共通基盤的なシステムの整備等につきましては、資料3のとおり、いわゆる電子行政推進法案を次期通常国会に提出するべく、現在、内閣官房と総務省で準備を進めておりますので、一言その検討状況をご報告申し上げます。
 まだ、官房長官がお着きにならないので、議事進めさせていただいてよろしいですか。
 それでは、次に、IT新改革戦略評価専門調査会から、IT戦略本部に提言がありますので、渡辺会長からご説明願います。
 よろしくお願いします。
○渡辺会長 それでは、資料4をごらんいただきたいと思います。
 まず、A4の紙からご説明をいたします。
 IT新改革戦略評価専門調査会の8年度の活動概要でございます。
 (1)の基本的な考え方は、今年度は、IT新改革戦略の目標年限でもあります2010年度まで、あと2年余りのタイミングということになっております。目標の達成に向けた今後の道筋を明らかにするとともに、いま一度国民目線、利用者目線での評価に徹して、その達成に貢献したいと考えております。
 (2)活動方針は、以下の2点でございますが、本日ご報告させていただきますのは、1つ目の上の「・」でございますが、国民がITの利便性を実感できて、国や自治体の業務改革、BPRにもつながる提言を行って、スピード感を持ったアクションにつなげていただきたいということで評価をしっかりしたいと、こう思っております。
 その下の(3)に具体的な活動骨子が書いてございますが、@の特別テーマの評価ということで、後ほどご説明いたしましたが、具体的なライフイベントを対象にして、ケーススタディを通じて、現状の手続を評価したいということでございます。その上で、課題を把握し、行政側のBPR等による改善案、あるいは利用者の利便性向上効果、国が行うべき対策の方向性ということを検討してまいりました。
 (4)の評価体制でございますが、このようなサイクルで実施をし、右のほうに、吹き出しで出ておりますようなメンバーでやってまいりました。
 その一番下に、特別テーマ08年度からと書いてありますが、このような評価検討委員会をつくりまして、今評価をしている最中でございます。
 次のページで、A3で少しケーススタディをやっていることをご説明をしたいと思います。
 今回、特別テーマとして取り上げましたイベントは、一番上にありますように、結婚・妊娠・出産・育児というのをケーススタディとして行いました。
 1番の取り組みの背景でございますが、ITの構造改革力を生かして、国民の利便性向上と行政のスリム化を目指すことがうたわれているわけですけれども、その実現に向けては、その2つの課題があるというふうに思います。
 @の課題、行政の内部・行政機関間でのデータ連携が進んでいないため、依然として多くの申請届が必要でありまして、国民の負担感が強く、行政においても、多くの無駄が発生しているのではないか。
 2つ目、国民目線での行政サービスや情報が十分できていないということではないか。
 四角に書いてありますように、以上の課題の突破口として、国民に身近なライフイベントである手続が多くて、省庁や自治体を含む行政横断的な取り組みが必要な結婚・妊娠・出産・育児というものを取り上げて、重点的な評価を行いました。
 2.ですが、グループインタビューとか、あるいはアンケート調査を行った結果、この現状の問題点として、黒く囲いました不便(負担)、あるいは不安というのがございます。手続が不便ということは、例えばその下にありますように、結婚すると名義や住所変更が大変だとか、あるいは出生届や児童手当申請など、子供を抱えてさまざまな手続に走り回らないといけないなど、あるいは不安ということを感じている人が多いということがわかったわけですが、例えば受けることができる行政サービスとか、必要となる申請手続がわからないとか、あるいは初めての出産・育児への不安感があると。あるいは社会から少し孤立感を感じるといったような不安を感じる人が多くいるということがわかりました。
 そこで、下の吹き出しにあります左側で、例えば平均手続数をこの4つのライフイベントで計算いたしますと、女性が何と21種類、男性も7種類、国民の9割が不便と感じているとか。あるいはその下に、行政が国民に提出を求める書類がたくさんあって、6〜7割は、既に行政が例えば住民票とか戸籍などで、もう情報としては保有しているものがさらに提出を求められている。あるいは右側の吹き出しにあります情報不足等による不安という意味では、国民の約7割が感じているようでございます。下に例示が書いてございます。
 そのような課題、問題点に対して、右側の上の今後の方向性でございますが、まず、不便とか、負担の軽減には、無駄な手続がなくなること。一度にすべての手続が済むということが目標になるんではないか。あるいは右側の不安の軽減という面では、信頼できる情報とか、わかりやすい情報がタイムリーに得られること。相談できる相手がいること。そういう状態をつくることではないかと、こう思いました。
 その下に、具体的に1番、@不便、負担の軽減に対して、1つは、データ連携、行政内とか行政間で、データ連携があれば、手続そのものが簡単、あるいは省略できるということではないか。例えば、児童手当の現況届など、ここに書いてあるような簡素化をすれば、随分効果がある。
 その下のA、ワンストップ化によりますと、省略できない手続も負担を軽くすることができる。例えば下にありますような、児童手当の申請を出生届と一体化するということをすれば、随分楽になるんではないか。右の上へまいりまして、B利用者目線でわかりやすく情報提供を行うことで、情報不足による不安を軽減できないか。例えばデータ連携があれば、必要な人に的確なタイミングでわかりやすく情報が提供できるような仕組みがつくれないか。
 あるいはC交流機会や手段の多様化によって、孤立化を防いで、不安を軽減できないか。これはインターネットの活用などによってできるのではないかということでございます。
 このような例を出し、評価をしながら、ぜひIT戦略本部へのお願い、4でございますが、下の2つでございます。今回ご報告いたしました結婚・妊娠・出産・育児につきまして、厚生労働省、総務省など、関係府省には、国民が便利に手続が行えるよう改善すべき点、例えば法律など、手続のルールなどがあると思いますが、そういう点や解決策の方向性をぜひ2009年度の重点計画への反映を前提に、本年度末までに、ぜひ明らかにしていただきたいと思いますし、加えて、不安を軽減するための情報提供の仕組みについても、ご検討いただきたいと存じております。
 2つ目、行政横断的な観点から、業務改革を実行するとともに、国だけではなく、地方を含めた国家戦略的な観点から、IT戦略を推進する司令塔機能をぜひ強化していただきたいということでございます。
 ちょっと端折りましたが、以上でございます。
 次のページは、帳票を整理しておきましたので、ご参考までにごらんいただければと思います。
 以上でございます。
○野田内閣府特命担当大臣 どうもありがとうございます。
 評価専門調査会の提言につきましては、総理が後ほどいらっしゃいましたら改めて渡辺会長のほうから麻生総理にお渡しいただきたいと思います。
 ご発言、よろしくお願いします。
○小渕内閣府特命担当大臣 ただいま渡辺会長からご説明がありました件でありますけれども、データの連携、またワンストップ化等のITを活用した結婚・妊娠・出産・育児に伴う事務手続の簡素化は、小さい子供を抱えて、移動もままならない方々、また手続のために仕事を休まなければならない方々などの負担を軽減するためにも大変有効であると考えております。今後、関係府省が連携・協力して、結婚・妊娠・出産・育児の当事者の方々の負担軽減のためにも、今回の提言内容の実現に向けた検討をぜひ加速していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○野田内閣府特命担当大臣 ありがとうございました。
 少子化担当大臣の小渕大臣には、ぜひとも力強いご支援をお願いします。
 先ほどお話を聞きましたら、小渕大臣みずからも、そのご不便をご経験されたということでありまして、よろしくお願いいたします。
 ほかにございませんか。
 では、順番は戻りますけれども、官房長官がいらっしゃいましたので、最初の議題の予定でありましたけれども、情報セキュリティ政策について、情報セキュリティ政策会議議長の河村内閣官房長官からご説明をお願いします。
 河村内閣官房長官 他の業務といえ、先にご説明申し上げる時間がおくれました。おわび申し上げます。
 情報セキュリティ政策会議の議長という立場で一言申し上げます。
 情報セキュリティ政策会議におきましては、今月の10日に今後3カ年の国家戦略であります第2次情報セキュリティ基本計画に加えて、分野別の個別設計図に当たります政府機関統一基準、そして第2次重要インフラ行動計画、このパブリックコメントはもう決定いたしたところであります。
 情報セキュリティ政策は、新計画のもとでは、事故前提社会への対応力強化をキーワードといたしています。従来、事前対策を中心に取り組みを進めてきたところでありますが、万が一の問題発生も念頭に置いた政策へと充実してまいらなきゃなりません。
 他方、昨今の経済状況を見ますと、企業分野を中心に、情報セキュリティだけではなくて、ITの利活用への投資が必要以上に削減される可能性が出ております。政府では、中小企業の情報セキュリティ対策の促進など、鋭意取り組んでおるところでありますが、このような時期でありますからこそ、官民両方で、今まで以上に取り組みを加速することが大事になっております。安全・安心なIT基盤を構築するとともに、ITの利活用をさらに推進することによって、我が国のイノベーションを進展させ、社会経済活動を活性化させるべきであると考えます。
情報セキュリティ政策会議といたしましては、IT戦略本部との連携をさらに強め、我が国一丸となった取り組みを進めてまいりたいと考えておるところでございます。
 以上でございます。
○野田内閣府特命担当大臣 ありがとうございました。
 今総理がご到着です。
(麻生総理大臣入室)
○野田内閣府特命担当大臣 ただいま麻生総理大臣、ご到着されました。
 次の議題に進ませていただきたいと思います。
 次の議題は、今後のIT戦略本部の進め方に移ります。
 私のほうから説明いたしますので、資料5をごらんください。
 今後のIT戦略本部の進め方としまして、本日、現行のIT新改革戦略に続く、新戦略の策定を提案したいと思っています。
 1ページ目をごらんください。
 現在、我が国経済は、世界的な金融危機に伴い、元気を失いつつあります。また、インターネットの世界では、クラウドコンピューティングといった革命的な新技術が登場するなど、現行の戦略を作成した3年前には想定していなかった状況となっています。
 このような状況にこそ、情報通信技術の持つ問題解決力を使って、直面する危機を乗り越え、古い行政システムを抜本的に改革し、我が国経済の底力を発揮させるために、根本的な情報通信政策の再編成に直ちに着手することが必要だと考えます。
 オバマ次期大統領も新戦略に力を入れることを宣言しておりますし、イギリス、フランス、韓国といった国々でも、新たな戦略を相次いで策定したり、検討をしています。
 そこで、我が国としても、直面する経済危機を乗り越えるとともに、我が国経済力の底力を発揮するため、デジタル新時代を見据えた2015年までの中長期的な戦略を検討したいと考えます。
 検討事項は、資料に一例を記載いたしましたが、これらを含め、本部員の皆様に新戦略にふさわしい鋭角な切り口を提示していただきたいと考えております。
 また、その中で、全治3年の経済危機を克服するため、3カ年に集中した緊急プランを先行して策定したらいかがと思っています。
 2ページ、3ページの説明は省略しますが、これまでのIT戦略策定の経緯と諸外国における情報通信戦略の動向をつけておりますので、参考にしていただければと思います。
 私のほうからは、報告以上です。
 それでは、ここで自由討議に移りたいと思います。
 まずは、有識者本部員の皆様方から順番にご発言をお願いいたします。
 なお、時間の都合で、お一人1分くらいで簡潔によろしくお願いいたします。
 まず、伊丹本部員、よろしくお願いします。
○伊丹本部員 前倒しで新しいIT戦略をつくることは私は大賛成でございます。前回の戦略はやや総花的になり過ぎまして、今回の戦略策定では、それにぜひ気をつけるべきだろうと思います。
 e−Japanから始まりまして、既に3つの戦略がございました。重点分野として掲げられたものの数は、4、7、15と、回を追うごとにふえてまいります。今回は、5つぐらいにとどめるべきかと思います。
 その焦点の一つとして、私はデジタルインターフェイス戦略というのを提案したいというふうに思っております。インターフェイス、つまり人がITを使う、その一番最初の接点、入り口でございます。ここがすべてを制する。ここで使いにくければ、だれも使ってくれない。いかに、その後ろが早くてもだめです。したがいまして、そのデジタルインターフェイスを実にさまざまな観点から徹底的に練り上げるというのが日本の得意技でもあり得ると思いますので、それをぜひ提唱したい。
 それをやって、見事に大成功した例が我々の身近にございます。京都の任天堂でございます。お手元のメモに書きましたが、この2年間で売上高が1兆円ふえております。1兆円です。国内の需要創出にこんなに大きなものはございません。この増加額、世界的に有名なGoogleとほぼ同じ増加額でございます。ただし、任天堂の場合、技術はそんなに先端的ではございません。そこがみそです。ゲームだからというものではございません。非常に使いやすい、使いたくなるインターフェイスを徹底的に考える。日本がおもてなしの精神で十分得意技になり得ると思います。
 以上です。
○野田内閣府特命担当大臣 ありがとうございます。
 続きまして、上野本部員、お願いいたします。
○上野本部員 中小企業・小規模企業の景況について、簡単にご説明します。
 大変、今、発注が減ってまいりまして、なかなか自分たちの内部の改善では追いつかないような状況になってきてございまして、政府に発令していただきました経済対策というのは大変私は有効だと思っています。第2の対策を早目にお願いしたいということでございます。
 それから、IT関係についてでございます。これは、産業分野で、非常にITも進んでまいりました。しかし、EDI関係が、まだやはり大手とつながっていないところがありますので、早目に皆さんに行き渡るような共通のプラットフォームをつくることを国として強力に進めていただきたいというのが第1点でございます。
 それから、もう一つは、中小企業の場合というのは、やはりITの基盤がおくれておりますので、今は経済産業省で進めていただいているSaaSの一層の展開をお願いしたいということが第2点でございます。
 それから、第3点でございます。
 IT戦略本部から発信した「IT経営」というキーワードがITを進めていく上で大変重要だと私は思っています。そして、知的財産について、現在はITを使って、我々のノウハウや知財を蓄積してございます。そのときに大事なのは、営業秘密でありまして、ITの中に全部入っておりますので、これをしっかりと守っていく必要が私はあると思っております。そのような面では、ITを使った「知財経営」というキーワードが必要だと思っていますし、このような営業秘密を守る上では、法整備をぜひご検討いただいたら大変ありがたいと思っております。
 以上でございます。
○野田内閣府特命担当大臣 ありがとうございます。
 続きまして、大山本部員、お願いします。
○大山本部員 東工大の大山でございます。
 私自身、かなりの時間を現在、この分野に割いていますが、その背景を一言だけ申し上げさせていただきたいと思います。
 ここ3年ほど、東京工業大学では、社会問題の解決を図るためのソリューション研究プロジェクトというのが文科省の支援で行われていて、その中で私は、社会保障関係のチームリーダーをしています。この研究プロジェクトのおかげで、年金、医療、介護分野のIT化の研究活動に従事できています。もちろん、電子政府もこの対象になっています。今日、渡辺会長が出された資料に記された特別チームには、私自身も参加させていただいています。また、本日提出した私の意見書は、私のプロジェクトチームに総務省から研究出向していただいている2人にも手伝ってもらってまとめたものです。
 まず、第1は、私の意見の2のところをご覧ください。現状を見ると、オンライン申請・申告の利用率を上げるのに添付書類等の省略を行っている例もありますが、残念ながら、特別テーマで調べたところ、他機関から発行される、例えば、地方自治体等の他の組織からですが、これら各種証明書の添付を、法令あるいは文書管理規程で規定している例があります。これらの規定は、紙で提出されるという想定のもとにつくられた制度であると考えられるため、結果として、ワンストップサービスができません。この問題を解決するには、当然のことながら、省略できる添付書類等の見直しは不可欠ですが、それに加えて、電子的な署名のついた電子文書に置きかえることで、従来紙で証明している内容を電子的にできるようにすることが重要です。そのためには、制度的に受け入れられる環境を整備すべきと考えます。ここに手を打たなければ、ワンストップサービスと言っても、実際のユースケースを見ると、できないというのがはっきりしたと思います。
 他にもお話したいことはいろいろありますが、時間の関係があるので、渡辺会長の意見に出ていることに関して、もう一つだけ申し上げます。それは私の意見書の4に書かれていますが、電子政府を効率的かつ速やかに実現するには、諸外国の実例を見ると、トップダウンでやっているということです。先日、オーストラリア政府の方と話をしましたら、彼らの経験では、トップダウンで実行すべきで、ボトムアップでやっても無理と明言され、大きなショックを受けました。その意味で、司令塔機能を強化すると書いてありますが、できれば司令塔機能だけでなく、組織も明確にしてトップダウンで行うべきではないでしょうか。私自身は、ここで特命のCIOと高度な専門知識を有した職員を配置するのが良いのではないかと考えます。そしてその方たちは5年から10年の任期とし、さらにしっかりとした責任と権限を与えることが非常に大切ではないかと思います。
 以上です。
○野田内閣府特命担当大臣 ありがとうございます。
 清原本部員、お願いします。
○清原本部員 三鷹市長の清原慶子です。
 1点目に、まず先ほどご報告いただきました「3カ年緊急プラン」というのは、まさに今世界経済が悪化している状況にあって、我が国の底力を示す大変重要な方向性だと思いますし、あわせて2015年までの新戦略の策定に向けてスタートされるということは大変時宜を得た対応だと思います。
 2点目に、12月1日は「地上デジタル放送の日」でしたが、やはり地上デジタル放送への円滑な移行というのは、国民・市民の生活にとっては、重要なデジタル新時代へのまさに一歩だというふうに思います。若い世代の理解が何よりも重要ですし、日常的な活用が必要です。学校施設を、地上デジタル放送に対応するには、それなりの整備に財源が必要でございまして、このあたりについても配慮していただきつつ、未来への投資をすることが重要ではないかと思います。
 3点目に、不況の今だからこそ、IT戦略本部及び同評価専門調査会が重視してきた「行財政改革」の視点を生かした電子政府、電子自治体の取り組みは、加速化が必要です。特に、クラウドコンピューティングなどを生かせる日本としては、「電子行政推進法案」に大いに期待したいと思います。どんなに国が良い政策に取り組まれようとされても、市町村がそれを実施できなければいけません。児童手当の例が出ましたけれども、ぜひ担当大臣も力強く言ってくださいましたので、そうした具体的な取り組みで、4点目ですが、安全・安心で暮らしの豊かさというものが見えるという具体事例を、今こそ示していく必要があると思います。何となく、暗い世相なのですが、国民はもっと力があるはずですので、その力を引き出すような電子政府の取り組みを電子自治体のモデルとして、さらに推進していただければ心強いと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○野田内閣府特命担当大臣 ありがとうございます。
 中村本部員、お願いします。
○中村本部員 ドコモの中村でございます。
 中長期的な新戦略の策定につきまして、2つ意見を述べさせていただきたいと思います。
 効率的な電子政府、電子自治体の構築ということ、これ法整備も含めまして、動き始めたということでございますけれども、いろいろと皆様のご意見出ていますように難しい問題いっぱいあるというところで、ぜひぜひそれを克服して実現実行を急いでいかなければならないんだろうなというふうに思っているところでございます。
 それから、だれもが安心にかつ便利に利用できる共通基盤というところの実現ですけれども、これは我々事業者の責任も非常に重いんだろうなというふうに思っております。そういった意味で、光ブロード回線や携帯電話等の新しい通信基盤の作成というのは、世界におくれをとらないというか、世界の最先端のグループとして、ぜひ構築していきたいと思っております。
 以上でございます。
○野田内閣府特命担当大臣 ありがとうございます。
 村井本部員、お願いします。
○村井本部員 最初にIT基本戦略が策定されたときは、5年以内、2005年までという目標を掲げ、大変盛り上がったと思いますが、本日お話しがありました2015年へ向けた新戦略は、当時と状況は全く変わっています。技術も変わりましたし、日本の状況も変わりましたので、強いメッセージの出せる内閣でのIT戦略本部の動きができれば良いと思います。
 本日も海外との比較が多く出てきました。これも繰り返しですが、国外から見た場合、あるいは国外との関係の中でIT戦略を進める時には、やはりそれぞれ各省庁の一致団結した日本の位置づけ、という考え方が必要です。私は、ここではIT国際戦略体制と述べさせていただきますが、やはりそれを議論して、世界の中での日本の位置において、どのようにするのかという国際戦略を考えていくことが、いよいよ必要な時期ではないかと思いますので、ぜひご検討をお願いします。
 以上でございます。
○野田内閣府特命担当大臣 ありがとうございます。
 渡辺評価専門調査会会長、お願いします。
○渡辺会長 ありがとうございます。
 この新3カ年計画、大変国家的、国家戦略的な意味があって、非常に強いものだというふうに認識をしております。そういう意味でも評価専門調査会がお話ししておりますスピード感が大変重要ではないかというふうに思います。その中で、3年という期限を区切ってやっていただくのは大変いいことだと思います。それを実現するためにも、先ほど申し上げました司令塔機能、強いリーダーシップを持った司令塔機能が組織横断的にやるためにも大変重要だということと、もう一点、データの共通性、うまくデータ連携をするということが大変キーになるだろうと思っておりますので、それの実現をぜひお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○野田内閣府特命担当大臣 どうもありがとうございました。
 なお、本日ご欠席の有識者の方々からの意見も提出いただいております。時間の関係で紹介できませんが、資料6にとじてありますので、後でご参照いただければと思います。
 それでは、次に、鳩山総務大臣及び高市経済産業副大臣から1分ずつで発言をお願いします。
 鳩山総務大臣。
○鳩山総務大臣 実質GDP成長に占めるICT関連産業の寄与度が4割に達しておりますから、ICT産業は、即効力のある成長のエンジンとなり得るものでございまして、医療・教育・行政と、社会の各分野のイノベーションを加速する強力な手段になるはずでございます。そういう意味で、金融危機とか少子高齢化とかいろいろありますが、我が国の底力、総理のおっしゃる底力そのものであるICTに関して、新たな戦略を設計することは非常に重要でありまして、総務省では私が主催してICTビジョン懇というのを開催し、先ほどから散々出てきております2015年ごろのICT社会の姿を描き、その実現に向けた検討を開始いたしております。
 野田大臣からご紹介のあった電子行政推進法案については、総務省としても内閣官房と協力して、準備を進めてまいりますので、皆様よろしくお願いを申し上げます。
 きょうITとICTとありますが、私どもはICTで統一をしていただければという願いが若干ございます。
○野田内閣府特命担当大臣 ありがとうございました。
 続いて、高市副大臣、お願いします。
○高市経済産業副大臣 ありがとうございます。
 新たなIT戦略ですが、今は非常に経済、雇用が厳しい状況にございますので、「ITのための戦略」にならぬよう、むしろ経済危機克服のめどがつくまでの間、「経済産業の再生に直結した戦略」を最優先して策定していただけたらと思っております。
 本日の配布資料の下半分の4つの柱をごらんください。それぞれ、ITを活用したものづくりを初めとします日本全体の産業の変革、地域・中小企業の変革、徹底的なアウトソーシングによる国や自治体の新電子政府、日本主導のアジアIT経済圏構築に向けた国際戦略の実現が、極めて重要だと考えます。
 ここでいうITによる産業変革に当たりましては、単にITを導入すればいいということではなく、今日は渡辺会長もおいでですが、自動車産業などのITを利活用する側からの戦略の構築が肝要だと思っております。
 あわせて、ここには書いておりませんが、ユーザー視点に立った抜本的な規制改革を実施すべきだと思います。具体的には、電波の二次利用の促進や基準の緩和といった制度の見直しもご検討いただけたらと思っております。
 なお、既に「テレワーク人口倍増アクションプラン」というものがございます。野田大臣の前々任者であったときに策定したものですが、子育て中の女性や高齢者、障害者、山間・離島居住者の収入源確保という面もあり、地方でもニーズが高まっております。既に実証実験等も順調に進んでいるようですが、このテレワークを更に飛躍的に推進するために、やはり法制面での環境整備が必要です。具体的には、労働関係諸制度の運用改善などについても、ぜひご検討いただけたらと思っております。
 以上です。ありがとうございます。
○野田内閣府特命担当大臣 どうもありがとうございました。
 それでは、本日、いろいろご意見を踏まえた上で、改めて総理のご指示を仰ぎたいと思いますが、その前にプレスが入りますので、少々お待ちください。
(プレス入室)
○野田内閣府特命担当大臣 まず、先ほど渡辺会長より、評価専門調査会のご提言のご説明がありましたが、総理がいらっしゃいましたので、ここで渡辺会長から提言を麻生総理にお渡しいただきたいと思います。
(提言を手交)
○野田内閣府特命担当大臣 渡辺会長、ありがとうございました。
 それでは、ここで麻生総理より、ご発言をいただきます。
○麻生内閣総理大臣 村井先生初め、2001年、これスタートしたときのご記憶がおありだと思いますが、当時、ITなんてこと全然通じませんで、いろいろな呼び方をした方もいらっしゃった時代だったんですが、あれから8年で随分世の中は変わったと思っております。おかげさまで日本の場合も、少なくともブロードバンドに関しては、世界最速で一番安い料金ということでここまでできた。それから、技術が進んで、早い話が、いろいろなサーバー群にアプリケーションを全部集中させて、巨大というか、もうどでかいプラットフォームをつくり上げてというのが、欧米の流れになっているのは、間違いないところだと思いますので、このままいくと、これは明らかに、我が国がおくれるということになりつつある状況にあって、今までと違って、全く新しく戦略を立てなきゃいかぬということになっているというのが今の時代。多分、ここにお見えの方々は、そこらのところよくわかった方がここにお見えなんだと思っております。
 ぜひ、そういった意味で、新しくこれを2015年といいますけれども、ぜひこの緊急のプランというものを来年の3月ぐらいまでにはぜひ新しい戦略というの、きちんとまとめていただいて、全体の新戦略も来年半ばごろ、6月中にはこういったものをきちんとまとめていただけるように、ぜひご尽力をいただきたいと思っております。
 (渡辺会長から)ご提言をいただきました点も、これはワンストップサービスというシングルウィンドウ等いろいろな表現がありますけれども、こういったようなものを、これ随分前から言われていたんですけれども、なかなかいかなかったんだと思っております。ぜひ、これは使い勝手のいいようなものにしないと、今後、少子化だ、いろいろな意味で、こういったものがきちんとしていけない、というところが大事なところだと思うんで、どういうところが見直しが可能なのかというところを、これは厚労大臣とIT担当大臣、いろいろなところでやっていただかなくっちゃいかぬところだと思っています。これは、この8年間でできなかった理由があるわけですから、そんな簡単にはいかないんでしょうから、だからそういった意味で、そこをぜひきちんとまとめていただかなきゃいかぬと思っておりますので、ぜひ大臣の方々というのは、その難しさもよくおわかりのところだと思っておりますので、これをぜひまとめていただきますように、よろしくお願いを申し上げて。これは日本の今後のITに限らず、その他の産業に関しましても、これが成功するか、しないかというのは、非常に他の産業に与える影響も極めて大きいと思っております。ぜひお力添えのほどお願いを申し上げて、御礼方々ごあいさつにかえさせていただきます。
 よろしくお願い申し上げます。
○野田内閣府特命担当大臣 ありがとうございました。
 ただいま総理から力強いご指示、それを踏まえて関係大臣と連携し、スピード感を持って新戦略の策定や渡辺会長からのご提言の実現に向けて、しっかりと検討を進めてまいりたいと思います。
 それでは、デモンストレーションに移ります。
 本日は、村井本部員から、小学校のホームページコンテストについて、ご紹介をいただきます。
○村井本部員 慶應義塾大学の村井です。
 本日、次の次の次の世代かもしれませんが、未来の担い手である小学生が主役である小学校のホームページコンテストを6年間応援している「J−KIDS大賞」をご紹介します。
 現在、全国の小学校の82%がホームページを設立しています。IT戦略が始まった当時と比べると、非常に大きな割合となってきています。そして、今お手元にパソコンを配っておりますけれども、ない方は紙で見ていただきたいと思います。(笑)
 そこに、このホームページが表示されています。小学校のホームページというのは、学校の今を伝えるなど、小学校の本来のさまざまな機能を進めるために使われております。大事なことは、毎日、小学校では元気な子供たちが活動していますが、その子供たちの活動を、お父さんやお母さん、そして地域の方ときちんと共有できるか、ということになります。学校からの適切な役割や指導を与えられると、子供たちの責任感やコミュニケーション能力を培うなどといったことにも非常に役に立つということで、ホームページから情報を発信し、共有する事が進められています。
 また、保護者、地域社会と小学校というのは、とても大事な関係ですので、学校と地域の関係を密にするという視点からも、このホームページが大変重要な役割を果たします。J−KIDS大賞は、全国、津々浦々で、このようなホームページを通じた地道な活動を続けている小学校に、毎年賞を贈り応援するという企画です。今年は18,000校という大変な競争率から選ばれたJ−KIDS大賞となりました。
 さて、本日は、大賞を受賞した愛知県一宮市瀬部小学校の皆さんに名古屋大学へ来ていただき、官邸と名古屋大学とを最先端のNGNインターネットでつないでおります。
 瀬部小の皆さん、こんにちは。
○瀬部小学校児童一同 こんにちは。
○豊福 国際大学の豊福でございます。
 本日は、毎日学校で記事を書いている瀬部小のパソコン委員の皆さんに集まっていただきました。今、皆さん、フリップを持っていらっしゃいますけれども、記事に書くハンドルネームを持っております。
 それでは、私から幾つか質問をしたいと思います。
 まず、皆さん、毎日、記事の分担を決めているそうですが、どんな記事を書いていますか。はい、答えを見せてください。
 給食から授業のことまで、いろいろ分担しているということがわかります。
 それでは、記事を書くときに、特に気をつけているのはどういうことですか。はい、答えを見せてください。
 はい、ありがとうございます。例えば相手にわかりやすく書くとか、それから給食の写真をおいしそうに撮るとか、いろいろなところで工夫をしているということがわかります。
 それでは、官邸から質問をいただきたいと思います。
 何か質問はございますでしょうか。
○村井本部員 それでは、麻生総理、よろしければ、瀬部小学校の子供たちに質問をしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○麻生内閣総理大臣 こんにちは。
○瀬部小学校児童一同 こんにちは。
○麻生内閣総理大臣 おっ、いいあいさつできるね。ここにいる人と大分違う。(笑)
 これ毎日ホームページを立ち上げているんだと思いますけれども、これホームページばっかり、パソコンばっかりやっているっていって、お母さん、ちゃんと理解していた?
○瀬部小学校児童@ お父さんとやっているので怒られません。あと父が記事を見て、楽しいねと言ってくれました。
○麻生内閣総理大臣 本当に?ちゃんと優等生の答えができているんだな。(笑)
 お嬢さんはどうでした?
○瀬部小学校児童A はい。お母さんもお父さんも、おばあちゃんやおじいちゃんも、ホームページを見てくれて、すごいねって応援してくれたりしているから、すごい理解はしてくれています。
○麻生内閣総理大臣 勉強しないで、パソコンばっかりやっているって言われない?
○瀬部小学校児童A あ、言われます。(笑)
○麻生内閣総理大臣 じゃあ、きょう今これちゃんとそっちでホームページで落とせるんだろうから、きょう真面目な、余りパソコンわかっていないような顔の人、ここにいっぱいいるけど、ぜひこういうのをやって、総理官邸とつながってやりましたよというのは、そっちのホームページに載せて?
○瀬部小学校児童一同 はい、載せます。
○麻生内閣総理大臣 ありがとう。
○瀬部小学校児童一同 ありがとうございます。(拍手)
○村井本部員 どうもありがとうございます。
 ITを使いこなす日本の子供たちは、大変頼もしいので、これからもいい環境を整備するということに努めたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
○瀬部小学校児童一同 ありがとうございました。
(プレス退室)
○野田内閣府特命担当大臣 ちょっと反省しました。もっと元気よくやります。
 以上でIT戦略本部を閉会したいと存じます。
 なお、本日の会議の内容につきまして、この後、内閣官房の事務方からブリーフを行うことといたしております。
 本日は、皆さん本当にありがとうございました。
午後 5時28分 閉会