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IT戦略本部(第50回)


日時:平成21年4月9日(木)8:20〜9:06
場所:内閣総理大臣官邸 大会議室


1.開会

2.デジタル新時代に向けた新たな戦略 三か年緊急プランについて

3.IT新改革戦略評価専門調査会 2008年度報告書について

4.情報セキュリティ政策について

5.デジタル放送移行完了対策推進会議の設置について

6.IT利活用に関するデモンストレーション

7.内閣総理大臣挨拶

8.閉会


(配付資料)
資料1:デジタル新時代に向けた新たな戦略 三か年緊急プラン概要
資料2:デジタル新時代に向けた新たな戦略 三か年緊急プラン
資料3:IT新改革戦略評価専門調査会 2008年度報告書概要
資料4:IT新改革戦略評価専門調査会 2008年度報告書
資料5:ITで世界を先導し成長を支えるために
資料6:デジタル放送移行完了対策推進会議の設置について
資料7:有識者本部員からの発言メモ
参考資料1:IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会委員名簿
参考資料2:経済産業省提出資料


午前 8時20分 開会
○野田内閣府特命担当大臣 おはようございます。ただいまから第50回IT戦略本部会合を開催いたします。本日は、お忙しい中お集まりをいただき、ありがとうございます。
 なお、総理大臣のご都合で、9時10分までに会合を終了する必要がございますので、ご了解願います。また、私は本日9時から消費者庁の関連3法案の審議がございまして、国会出席があり、まことに申しわけございませんが、8時50分には退出させていただきます。それ以後の議事進行につきましては、恐縮ですが、河村官房長官にお願いいたしますので、よろしくお願いします。
 それでは、本日の議題に入らせていただきます。
 最初の議題は「デジタル新時代に向けた新たな戦略 三か年緊急プランについて」です。本緊急プランにつきましては、「IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会」において、取りまとめをお願いいたしましたので、南座長からご説明をお願いします。
○南座長 それでは、昨年末の麻生本部長の指示を受けました、三か年緊急プランについて、お手元にございますが、資料1を使ってご報告いたします。
 まず、ページ1をご覧ください。三か年緊急プランの全体像ですが、我が国では3つの柱に沿って取り組むべきと考えております。
 1つ目が、(1)「デジタル特区等による3大重点プロジェクトの推進」です。「電子政府・電子自治体」、「医療」、「教育・人財」の3分野になります。
 2つ目は、(2)「産業・地域の活性化及び新産業の育成」です。
 最後に、(3)の「あらゆる分野の発展を支えるデジタル基盤の整備」です。
 これらの施策を通じまして、今後3年間で3兆円の追加投資により、トータルで約50万人の雇用を下支え・創出することとなります。
 また、取り組みを進めていく際の留意点として、3つの壁、具体的には、(@)情報の「デジタル化がされておらず開示や共有ができない」、(A)情報が「つながらない」、(B)制度上の制約などで、せっかくの情報等が「活用できない」を、いずれの施策においても突破していくということが前提になっております。
 以下、分野別の具体的な取り組みをご説明してまいりますので、ページ2をご覧ください。
 3大重点プロジェクトの1番目は、国民本位の電子政府・自治体の推進です。
 その象徴として、「国民電子私書箱」があります。これは希望する国民・企業に対して、電子空間上の口座を提供することを考えておりますが、これにより煩わしい添付書類を集めて回る苦労から解放されますし、年金記録などを「見える化」することで、国民からの信頼回復にも役立ちます。
 また、今後避けて通るわけにはいかない問題に、個人や企業を一意に特定するための、所謂ID問題がありますが、この電子私書箱の仕組みが国民の理解を得ていく一里塚になることを期待しています。
 ページ3をご覧ください。「医療」分野の情報化です。
 重要課題の一つとして、「地域医療の再生」が書かれておりますが、電子カルテの導入やレセプトのオンライン化を引き続き着実に支援していきます。
 また、地域連携を進め、どの病院・診療所でも高水準の医療サービスが提供できるようにし、これを仮称ですが「日本健康情報コミュニティ」と名づけ、展開していきます。
 ページ4をご覧ください。「教育・人財」分野です。
 まず、教員のデジタル活用を支援する「ICT支援員」の配置促進がデジタル教育の推進に効果的と考えています。
 次に、遅れている、学校のデジタル基盤、この整備を進め、電子教科書や放送番組などの教育コンテンツを充実させていきます。
 次にページ5をご覧いただきたいと思います。
 先の3分野への対処のみならず、新産業を創出する取り組みを記述しております。
 まず、生産性向上が必要です。既存産業の基盤整備と地域や農林水産業の活性化などを記述しております。例えば、中小企業でもインターネット活用型のソフトウェアにより、安価で容易に業務効率化ができますし、ネットワークの構築・活用により、農林水産業を活性化できます。
 また、「グリーンIT」とか「ITS」等についての取り組みについても記述しております。
 ページ6をご覧いただきたいと思います。
 我が国のブロードバンドインフラ整備状況は、現在、世界最先端ですが、一層のデジタル基盤の整備に努める必要があります。
 当面の最重要課題が、地上デジタルテレビジョン放送への円滑な移行です。アナログ放送の跡地電波の有効活用で、新たなサービスの創出も期待されます。
 短い時間でしたが、ご説明は以上です。この三か年緊急プランに沿って、各府省において施策が実施されることを期待いたしております。
 ありがとうございました。
○野田内閣府特命担当大臣 どうもありがとうございました。
 次の議題に移ります。
 IT新改革戦略評価専門調査会から、2008年度の評価活動報告について、渡辺会長からご説明をお願いします。
○渡辺会長 時間がございませんので、簡潔にお話ししたいと思います。昨年度の活動報告でございます。
 左の上、取り組み方針でございますが、評価の基本方針はこの3つ、国民や利用者の視点、あるいは、PDCAのサイクルを回すこと、問題をはっきりさせる「見える化」という3点でございました。
 (2)活動方針でございます。2つございまして、1つはゴシックで書いてありますように、徹底して利用者視点に立って、戦略目標や方策レベルをきちんと評価すること、それが目標と府省の施策との関係がいかに明確になっているかということを評価しました。
 2つ目は、国民がITの利便性を実感できて、国や自治体のBPR、つまり業務改革にもつながる提言を行って、スピード感を持ったアクションにつながっているかどうかという評価をいたしました。
 そういう中で、特にその下の矢印の右のほうにあります「特別テーマ」を取り上げまして、具体的なライフイベントを対象にしたケーススタディで問題を明らかにいたしました。これは別途また後でご報告します。
 大きいU番、08年度活動内容、全15分野ございました。
 特に重点的に医療と電子政府を行いました。特に医療につきましては、評価結果にございますように、レセプトオンライン化については電子点数表の使い勝手の向上とか、あるいは、請求審査業務のさらなる業務改革によって、導入メリットを拡大させることがさらに必要であると、こう考えておりまして、ぜひ2011年度の当初から完全オンライン化の実現を目指して着実に進めるべきだと評価をいたしております。
 その2つ目、その下でございますが、戦略策定時には想定していなかった、今お話もありましたような医療再生につきましては、ITを利用して人的なネットワークづくりとか、医療機関、従事者間の連携をさらにITで支援すべきだと、こう考えております。
 2つ目の重点、電子政府でございます。評価結果は上にありますように、オンライン利用促進のためには、利用者の負担軽減が大切ということと、導入のメリットの拡大に政府を挙げて取り組んでほしいと思います。費用対効果の観点から、さらにメリハリのある対応を実施する。そのためにも、先回も申し上げました、司令塔の機能の強化や政府CIOの設置等々をぜひ進めてほしいと思います。
 2つ目の評価は、業務システムの最適化には既存業務の徹底的な見直し、特にデータ連携をしてほしい。特に国・地方、組織の枠を越えた抜本的な業務改革のためにも、データ連携というのは大変重要だと思っております。
 そのほか13分野、下にアスタリスクで書いてあるような13分野も指標の評価をさせていただきまして、おおむね順調に進捗はしておりますけれども、さらに進めていっていただきたいと、こう思っております。
 右側に参りまして、先ほど申し上げました特別テーマをセットして、具体的に問題を浮き彫りにいたしました。テーマは結婚・妊娠・出産・育児ということをケーススタディとして手続を評価してみました。
 上に書いてありますように、データ連携とITの活用により行政の手続の省略化・簡略化や、きめ細かな情報提供を実現することで、国民の利便性の向上や不安感の軽減につながるという、このITの活用をすべきである。約1,000万人が毎年手続が必要で、負担感も高い児童手当現況届というのがございますが、それを省略するということについて、少しフォーカスを当ててやってみました。
 左側に「不便」と書いてありますが、結婚すると、名義変更とか住所変更が大変でございまして、出生届や児童手当申請等、子供を抱えてさまざまな手続で走り回らなければいけない。住民は4手順、行政は5手順、これをITを活用していけば、改善後は無駄な手続がなくなり、一度にすべての手続が済むというやり方があるのだということが見つかりました。
 右側に「不安」と書いてありますが、受けることができる行政サービス、必要となる申請手続がわからないという不安とか、あるいは、初めての出産・育児への不安感がある。あるいは、そうなった場合に社会から孤立するというような不安もあるようでございまして、それをITを活用して改善していけば、信頼できる情報やわかりやすい情報がタイムリーに得られるような仕組みをつくっていく。あるいは、相談相手が見つかるというような改善ができるのではないかということがわかりました。
 (2)の現状の手続の評価で表現してありますが、既存業務の業務改革や行政機関間のデータ連携によって、この児童手当現況届を廃止するということができそうではないかということで、厚生労働省の皆さんと現在検討が始まりました。先行のモデルケースとして、11年度末までに結論を得て、必要な措置を講じていただけるというお話をいただきました。
 これによりまして、これを突破口にして、結婚・妊娠・出産・育児にかかわる手続を初め、ほかの手続への横への展開ができるのではないかと大変期待しております。
 最後にW番目、次期戦略への提言でございますが、3つございまして、最初は今ご報告の中に何度も出てまいりましたが、行政の業務改革、BPRへの取り組みを強化していただきたい。今申し上げました四角に書いてありますような、今回の例をよき前例として、意識改革、あるいは、行政手続の仕組みの省略とか簡素化をぜひ進めていただきたい。と同時に、国、地方、民間におけるデータ連携が、それが必須になりますので、それを徹底していただきたいと、こう思います。
 2つ目、国民視点での成果指標を設定していただきたいということでございます。これは策定の段階、政策をつくる段階から、目標と施策をしっかりとつなげていって、「見える化」をしていただきたい。それによって国民がどういうメリットがあるかということを見えるようにして示していただくと、進み方が早いのではないかと思っております。
 3つ目、自治体を含むIT政策の推進体制でございますが、先ほども少しふれましたけれども、国のIT政策の司令塔として、政府CIOを設置していって進めていくことが大変重要ではないかと、こう思います。国民に身近な行政サービスの多くを提供していただいている自治体と国が相互に連携・協力すること、その体制を構築していただければ、さらに進んでいくのではないかと、こう思っております。
 以上でございます。
○野田内閣府特命担当大臣 どうもありがとうございました。
 それでは、三か年緊急プラン(案)及び評価専門調査会からの報告等につきまして、討議に移りたいと思います。なお、本日ご欠席の有識者の方々からも意見を提出いただいております。時間の関係で紹介しませんが、資料7にとじてありますので、ご参照いただければと思います。
 まず、有識者本部員の方から順番にご発言をお願いします。なお、発言は恐縮ですが、お1人1分強でお願いいたします。
 それでは、伊丹本部員からお願いします。
○伊丹本部員 お手元にメモがございますので、それをご覧いただくということで私の発言を終えてもよろしいのですが、それではあんまりですので、3点あるということだけを申し上げておきます。
 1つは、産業の競争力の強化とITについての国の政策について、今回産業という3本柱のうちの1つが加わったことは大変いいことだと思いますが、まだまだ内容がより豊富にできるのではないか。
 第2点は、ITの利活用の促進のための政策で新しい焦点を提案したい。それは、利活用する人がITのシステムと対面するときのインターフェイスのデザインをとにかくよくするということをやると、それをやるためには実は行政の手続まで変えなければいかんというような、いろいろな問題がごろごろ出てくる。デザインドリブンイノベーションということを提案したいと思います。
 第3点は、政府のIT戦略の戦略策定と実行の仕組みの検討についてでございまして、今回戦略を考える専門調査会がつくられたのは大変いいことだと思いますが、しかし、全体の体制をシェイクアップする時期に来ていると思います。その検討チームをつくるべきではないか。
 以上です。
○野田内閣府特命担当大臣 ありがとうございます。
 次に、上野本部員、お願いします。
○上野本部員 それでは私のほうから、まず、最初に中小企業の景況について簡単にご説明申し上げます。政府の総合経済対策でのセーフティネット融資での政策金融等の役割は、年明け後の操業率が大幅に下がったことへの対応として、中小企業にとっては大変有効に機能いたしました。次は「仕事づくり」ということになると思っております。
 21年度の予算も早期に成立していただきましたので、その施行に先立ちまして、大幅な補正予算をぜひお願い申し上げたいと思っております。
 三か年の緊急プランについてでございます。私もこの専門調査会の委員としていろいろ提言してまいりました。それで、産業・地域の活性化、新産業の育成ということについて提言したいと思っております。
 1つは、すべての組織や機器がつながるというデジタルネット社会への対応でございますので、小規模あるいは中小企業にとってはリアルな対応のデジタルサポーター、このような人材を養成する必要が非常に大切だと思っております。
 2番目でございます。電子商取引を組み込んだ小規模・中小企業への「SaaS」の普及を図ると同時に、中堅・大企業からの接続・発注も同一のプラットフォームで行われるように促進していきたいと思っております。
 それから、金融機関との電子決済も各行がばらばらでございますので、この共通化ということも非常に重要だと考えております。
 以上でございます。
○野田内閣府特命担当大臣 ありがとうございます。
 続きまして、大山本部員、お願いします。
○大山本部員 東工大の大山でございます。
 私の意見は資料7の5ページにまとめてありますので、ご覧いただきたいと思いますが、補足をさせていただきます。
 まず、国民電子私書箱につきましては、総理からもご指示いただいたということで、提案を2年ほど前にさせていただいた者として非常にありがたく思っております。と同時に、非常に大きな責任を感じています。
 このことに関係するので、5ページ目にある私書箱のことについて少し申し上げます。4のところです。この仕掛けは世界に先駆ける試みと考えています。実現すれば、電子政府・電子自治体のみならず、社会保障に関連する多くの課題を解決できる有力なツールになると思っています。
 このツールをいかにうまくつくり上げ、いかにうまく使うかがこれからの課題で、その意味で、評価専門調査会からも出ていますが、実施の状況を考えると行政CIOの設置が非常に重要と考えます。
 というのも、この私書箱の使い方を考えると、各省との間でうまくインターフェイスを含めてつくり上げていかないと、結局は宝の持ち腐れになってしまうということがあると危惧するからです。
 また、社会保障に関するものは、今までの資料等をご覧いただいてもおわかりのとおり、電子私書箱を中心として、この私書箱は国民が中心になりますが、電子行政と医療、社会保障全体とのつながりが未だきれいに書けていません。ですから、ここを早急に行ない、はっきり書いて示すべきと思います。
 さらに、2015年に向けた戦略に関しては、5番目に書きましたが、この私書箱が実用化されると、実在証明された個人及び法人等による相互のコミュニケーションが可能になります。これは従来のインターネットで言われていた負の部分、すなわち、他人や架空の人物への成りすまし等が避けられるということを意味します。すべてこの空間に移れということではありませんが、必要なことは名を名乗る、日本的な言葉で言うと、名を名乗る空間ができるということであると考えます。
 このことは民間の商取引を初めとするさまざまなところにも非常に大きな効果が現れます。そのためには、金融を初めとして民間分野との連携を通じた電子商取引等のあり方を描くべきと考えます。民間との連携の道を閉ざしてはならないということを強く申し上げたいと思います。
 以上です。
○野田内閣府特命担当大臣 ありがとうございました。
 清原本部員、お願いいたします。
○清原本部員 おはようございます。三鷹市長の清原慶子です。
 まず1点目、三か年緊急プランについて申し上げます。自治体の立場からは、やはり何よりも電子自治体の推進がさらに重要と考えます。国民がICTの有効性を実感できるものとなるように、具体的成果の「見える化」が必要です。
 例えば三鷹市では、近年実施してきました全税目のコンビニエンスストアでの納付は大変好評です。ICTの端末は必ずしも携帯電話とパソコンだけに限りません。今後他のサービスについても、いわば自治体サービスの地域拠点としてコンビニ等とのさらなる連携を視野に加えることが重要と考えます。
 また、電子自治体の推進に当たりましては、基礎自治体の意見が十分に反映されることが重要です。国民にとりましては、今後も保健、医療、福祉、教育、環境等の行政サービスの多くは、基礎自治体がその窓口となります。特に景気対策のためにさまざまなきめ細かい政策が政府から示されておりますけれども、それを的確に実施すべく自治体が窓口となるためには、自治体間に格差が出ないように、平等な支援体制を要望したいと思います。
 特にシステムの開発に当たりましては、国と自治体が一体となって標準化を進めることが肝要で、システム開発への対応によって、自治体に疲弊が生じていることも否定できませんので、きめ細かい対応をお願いします。
 大きな2点目で、何よりも地上波デジタル放送への円滑な移行が不可欠です。国の公共施設のみならず、学校等を含む地域の公共施設の対応についても、より重点化することが必要な段階に入っていると思います。
 さて、本日評価専門調査会から提言をいただきました。提言された全15分野にわたる評価をもとに、具体的な改善・改革に向けた取り組みを本部長を中心に大胆に進めていただければ幸いです。特に自治体の立場からは、児童手当に関する評価・提案は、ぜひ改革の実現に結びつけたいと考えます。これは少子長寿社会の中で、特に子育て支援で大いなるメリットがあると考えます。今後もIT政策の推進体制強化に当たりましては、自治体を含めた横断的な視点で取り組むことをお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○野田内閣府特命担当大臣 ありがとうございました。
 村井本部員、お願いします。
○村井本部員 以前総理とお話をさせていただいた、日本が太平洋側だけでなく左側にどうつながっていくのかという重要な問題について申し上げます。おかげさまでロシア、中東やインドとの接続及び情報基盤の展開が大分できるようになり、その方たちとお話しすることが多くなってきました。そうすると、やはり数年前は日本から学ぶことがあり、日本の機器を買って日本を追いかけていたものの、今は全くその分野での日本の強さを感じなくなったという話を聞きます。今日も中東の情報通信関連の方がいらっしゃっていてお話をしたのですが、やはりそうした印象が非常に強まってきている感があります。
 IT戦略の当初の目標は、世界最高のIT国家になるということでした。この目標は、世界の中で物差しを決めていました。今は、利活用のところで物差しがきちんと決められるなら、やはり世界の中の、激しい変化の中で日本を評価する視点が要ると思います。資料5の説明にあるかと思いますが、「ITで世界を先導し成長を支えるために」という情報セキュリティ政策会議のタイトルなども、こういう物差しが非常に重要になっていくでしょう。
 IT戦略は内閣が進める政策なので、省庁の枠を超えて全てのルールをチェックすることができます。以前に一度、各省庁のルールを全てチェックしましたが、今回は利活用という視点で、何が妨げになっているかという点をチェックできます。甘利大臣がいらっしゃいますけれども、規制制度の総点検という、内閣だからこそできることだと思いますので、そういった取り組みにより、真の意味で世界を先導できるIT戦略をつくるべきだと思います。
 以上でございます。
○野田内閣府特命担当大臣 どうもありがとうございました。
 それでは、南IT戦略専門調査会座長、お願いします。
○南座長 ありがとうございます。
 先ほど三か年緊急プランについてご説明申し上げましたが、この推進に当たっての要望という形で2点追加申し上げたいと思います。
 1点目は、IT分野のこの緊急プランは、行政全体の業務革新と同時に推進していただきたいということです。行政における業務改革、つまり、仕事そのものの改革と一体的に進めることが必要不可欠だということを改めて強調させていただきます。ここに甘利行政改革担当大臣と野田IT担当大臣が座っておられますが、ぜひ連携の上、一段とよろしくお願いしたいと思います。
 2点目は、先ほど渡辺会長からも既にお話が出ましたが、CIOの設置でございます。内閣官房が各府省の強力な調整権限を持つ形で、IT政策や予算執行を全体調整・最適化調整を図っていただくために、このCIOの設置、長い任期で専念するような特命ポストのような形でぜひ設置していただければと、総理の強いリーダーシップを期待したいと思います。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○野田内閣府特命担当大臣 渡辺評価専門調査会会長からお願いします。
○渡辺会長 先ほど申し上げましたので、ほとんど言い尽くしていますが、今、南座長からもお話がありましたように、この三か年緊急プランというのは、大変我々の評価専門調査会の意向を酌んでいただいて大変ありがたいと思っております。
 特にBPRをしっかりとやっていきながら、ITをうまく活用していくということが最大のポイントだと思いますので、省庁間の連携や、あるいは、国・地方の連携、民間との連携をさらに強化して進めていただきたいというのが1点でございます。
 それから、今後策定される中長期の戦略策定ということについては、やはりあらかじめ戦略目標をきちんと立てて、それがいつまでにどこがやるのかということを明確にして進めていくことが大変大事ではないか。その際も、やはり利用者視点と業務のプロセスをどのように改革していくのかということも最大のポイントだと思いますので、組織の壁を越えて、枠を越えて、ぜひ進めていただきたいと思います。
 つまり、最後にちょっと書きましたように、今後の取り組みに当たっては、意識改革、意識を変えていくことと仕組みを変えていくことが最大のポイントだと思いますので、ぜひその点について、IT戦略本部の強力なリーダーシップをお願いをしたいと思います。
 以上でございます。
○野田内閣府特命担当大臣 どうもありがとうございました。
 それでは、次に各閣僚から1分以内に簡潔に発言をお願いします。
 まず、二階経済産業大臣、お願いします。
○二階経済産業大臣 三か年緊急プランを短期間でまとめていただきました関係者の皆さんに、まず敬意を表したいと思います。
 この三か年緊急プランで実現すべきことは、経済を活性化するということに尽きると思います。三か年緊急プランの内容は成長戦略の中にほぼ取り入れさせていただいております。ITの持つ創造と革新の力で社会の仕組みそのものを変革していくという決意が重要だと思います。
 経済産業省としては、ITを変革の牽引者と位置づけ、新しい経済社会システムの実現を目指したいと思っております。
 加えて、地上デジタル放送に関してでありますが、かねて麻生総理が外務大臣の時代に締結していただいた、ブラジルとの間での成功を基本にして、他の中南米諸国へも日本方式を採用することになるよう、さらに積極的な働きかけが必要でありますが、特にこのことは資源外交にもつながるという視点が重要だと思っております。
 また、時間がないようですから簡略に申し上げますが、医療現場、教育現場での取り組み、さらなる協力が必要だと思いますが、我々は積極的にご協力申し上げたいと思います。
 これからの中長期的な政策の策定に際して、率先してご協力申し上げることをお約束したいと思います。
 最後に、南座長の先ほどのご説明の中にありました、このことは中小企業につながるのだと、地域につながるのだと、農業活性化につながるのだというご指摘は、私はまことに当を得たものだと思います。このことについて、私どもは省庁の壁を越えて対応していきたいと思っています。
 以上です。
○河村官房長官 ありがとうございました。
 それでは、以下、私のほうで進めさせていただきます。
 続きまして、鈴木総務大臣政務官、どうぞ。
○鈴木総務大臣政務官 それでは、私のほうからも、まず、短期間で三か年緊急プランを策定いただきました有識者の皆様方、関係者の皆様方のご尽力に、心から敬意を表しながら感謝を申し上げたいと思います。
 現在の経済危機を克服して、経済成長を維持していくためには、ありとあらゆる分野においてICTによる生産性の向上を図ることが肝要であります。私どもといたしましても、関係府省と協力をして、緊急プランの速やかな実行に努めてまいりたいと思っております。
 重点プロジェクトに挙げられております、電子政府・電子自治体、医療・教育の分野におきましても、これまで以上にICTの利活用を徹底をして、広く国民がICTの恩恵を実感ができますように、内閣官房を初めとして政府が一丸となって取り組むことが必要でありまして、総務省からも関係府省のご協力を、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 総務省としましても、ブロードバンド網の整備や地上放送のデジタル化等、ICTの基盤整備に全力を挙げるとともに、ITSの実用化や緊急開発の推進といった新産業の育成や、地域を元気にするための施策にも取り組んでまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
 以上です。
○河村官房長官 ありがとうございました。
 それでは、甘利行政改革担当大臣。
○甘利内閣府特命担当大臣 電子政府・電子自治体の推進は、行政改革推進の上からも極めて重要であります。電子政府・電子自治体を実現する際には、行政における業務改革を進めることが必要条件となりますが、この業務改革の推進は同時に今後の行政改革の進め方を考えるに当たっても、踏まえておくべき基本的な事項であります。
 公務員制度改革の一環としまして、4月から新たな人事評価制度を導入をいたしました。従来は、職員の業務改革の取り組みは人事評価に反映をされていませんでしたけれども、今後は個々の職員の業務改革への取り組みをしっかり評価していくことが必要であります。
 なぜ進まないかというと、そんなことをしても評価されないから進まないのでありまして、そういうことをすれば、人事評価に反映するようにいたします。そうして、各府省を通じて進めていきたいと思っております。
 以上です。
○河村官房長官 ありがとうございました。
 次に、大村厚生労働副大臣。
○大村厚生労働副大臣 私からは、渡辺会長のもとでの戦略評価専門調査会のご報告にありました、児童手当の現況届の問題につきまして申し上げたいと思います。
 昨年末IT戦略本部における総理からのご指導を踏まえて検討を進めてまいりました。国民にとって負担になる手続をできる限り簡素化すべきとの考え方は、私どもも賛同させていただきますので、さまざまな課題はございます。前年の所得とかサラリーマンか否かの別、児童の養育の状況といったものを確認しなければいけないということ等の課題はありますが、国民サービスの向上という観点からは、児童手当の現況届の省略について、早急に検討に着手することとしたいと考えております。
 検討に当たりましては、例えば省略の前提である年金種別の確認一つをとっても、国民の情報管理への信頼を損なうことのないような方策を模索する必要があり、国民の理解を得ながら進める必要がある難しい課題であるということを、そういったものが幾つか課題があるということを申し上げさせていただきたいと思います。
 また、厚生労働省の取り組みだけでは解決に至らない、政府全体にかかわる課題もさまざま含まれておりますので、今後とも内閣官房のリーダーシップをよろしくお願いを申し上げます。
 以上です。
○河村官房長官 ありがとうございました。
 次に、古川環境大臣政務官。
○古川環境大臣政務官 三か年緊急プランにつきまして、環境省より一言申し上げます。
 人類共通の課題であります地球温暖化問題の解決のためには、情報通信機器そのもののCO2の排出削減、そして、情報通信技術の利活用による社会全体のCO2の削減、これらが極めて重要です。現在環境省では、環境対策を通じて景気回復、雇用創出と、地球温暖化など環境問題の解決を同時に実現するため、緑の経済と社会の変革、いわゆる日本版グリーンニューディールの取りまとめ作業を関係省庁のご協力を得ながら行っておりますが、そのような観点から、その柱の一つとして、グリーン情報化の推進を盛り込んでおります。グリーン情報化を通じて、三か年緊急プランの産業・地域の活性化及び新産業の育成を進めていけますよう、環境省はこの新たな戦略の実現に全面的に協力していきたいと考えております。
 以上でございます。
○河村官房長官 ありがとうございました。
 以上で三か年緊急プランにつきましてのご意見をいただきましたが、IT戦略本部におきましては、原案のとおり決定をいたすことでよろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
○河村官房長官 ありがとうございました。
 それでは、原案どおり決定をさせていただきます。
 南座長、渡辺会長にはお取りまとめ、大変ありがとうございました。
 次に、情報セキュリティ政策について入ります。
 このことつきましては、情報セキュリティ政策会議の議長である私のほうから説明をさせていただきます。
 第1点は、まず本年2月、情報セキュリティ分野では初めてとなります「第1回日・ASEAN情報セキュリティ政策会議」を開催いたしました。詳細は、資料5「ITで世界を先導し成長を支えるために」の1ページから4ページにございます。参照いただきたいと思います。
 次に、資料の5ページでございますが、総理の指示、力強い応援がございます電子政府の実現を確実なものとするためには、政府の推進体制を抜本的に強化いたしまして、いわゆるCIO、CISOですね、及びその補佐官が機動的に職務を遂行できることが必要不可欠であります。
 次に、電子政府を強力に推進するに当たりましては、現状の官房長をはじめといたしました、あて職的なCIOや、いわゆるCIO連絡会議が形骸化していることが問題視されております。各省の電子政府推進体制に関しまして、責任と権限を明確にして、スタッフの充実を含め、ガバナンスの早急な強化について、IT戦略本部で早急に検討しなければならないと考えます。
 従来から、人材のニーズとシーズのマッチングが必要と唱えてまいりましたが、電子政府の取り組みが遅れておりますのは、真に必要とする人材を国が確保していないからではないか、こういう指摘を受けておるところでございます。
 スタッフに必要なスキルの明確化及び積極的な登用によりまして、推進体制の脆弱性が解消されるとともに、人材のミスマッチが解消されると、このように確信をいたしております。
 そこで、閣僚各位におかれましても、自府省の推進体制の強化の検討及び見直しにリーダーシップを発揮していただきまして、取り組み状況をしっかりとチェックいただくようにお願いしたい。そのことを申し上げさせていただきます。
 次に、デジタル放送移行完了対策推進会議の設置でございます。この議題についても、私のほうから説明をいたします。
 デジタル放送移行完了対策推進会議は、2011年7月、これが期限でございます。地上放送のアナログからデジタルに完全移行をしなければならない。これに万全を期さなければなりません。そのために、IT戦略本部のもとに設置いたすのが、このいわゆる推進会議でございます。この対策会議は、私を議長といたしまして、関係大臣及び有識者の皆さんにお集まりをいただいて、国を挙げた総合的な移行完了対策を推進するものであります。
 本日の本部で設置についてのご決定をいただきまして、あと4月中にも第1回会合を開催したいと、このように思っておるところでございます。
 それでは、鈴木総務大臣政務官からご発言を願います。
○鈴木総務大臣政務官 ありがとうございます。
 テレビは私が申し上げるまでもなく、国民生活に深く浸透している情報伝達手段でありまして、地上デジタル放送への移行は政府として責任を持って円滑に完了させることが必要であります。総務省としましても、地上デジタル放送への移行に向けて、全力で取り組んでいるところでありますが、例えば、学校や病院を初めとする公共施設のデジタル化、デジタル化に乗じた悪質商法への対策、アナログテレビの廃棄及びリサイクルの問題、お年寄りや障害者に対するサポートといった府省の枠を越えた、これは総務省だけでは解決できませんので、そうした課題が存在することも事実であります。
 2011年7月24日のアナログ放送終了まであと836日となったところでありますが、関係府省におかれましても、政府を挙げてこれらの課題を解決をし、地上デジタル放送への移行を円滑に完了させるための取り組みについて、さらなるご理解とご協力をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上です。
○河村官房長官 ありがとうございました。
 それでは、本議題につきまして、案のとおり決定をさせていただきたいと思います。
 よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
○河村官房長官 原案どおり、それでは、ありがとうございます。デジタル放送移行完了対策推進会議、閣僚レベルに引き上げさせて設置をさせていただきます。
 次に、デモンストレーションに入りたいと思います。
 本日は、富士通、秋草相談役にお越しをいただきまして、電子私書箱を活用した新たな行政サービスについてご紹介をいただきたいと思います。
 ここでプレスが入りますので、少しお待ちください。
(プレス入室)
○河村官房長官 どうぞ。
○秋草取締役相談役 富士通の秋草でございます。
 本日は電子私書箱を活用した新しい行政サービスについて紹介したいと思います。
 行政から通知される年金情報サービス、それと引っ越し手続についてデモを申し上げます。モデルとしては50歳程度の、名前は麻生次郎さんという方が(笑)、電子私書箱を利用するという仮の想定をしております。
 総理、こちらへ移動ください。すみません。
 一応、麻生家の茶の間ということを想定しております。これはテレビでございます。テレビに電源を入れます。麻生次郎さんに行政からお知らせが1件届いております。
 総理、そちらにあるカードをかざしてください。暗証番号を入力してください。番号は3636でございます。本人確認ができましたので「決定」を押してください。
 こちらの画面では、左側に麻生家に送られてきた行政からの連絡、右側にサービスのメニューが表示されております。本日は、ねんきん定期便についての新しいお知らせが来ていますので、これを見たいと思います。
 麻生次郎さんは20歳から国民年金、厚生年金、厚生年金基金と、まじめに、まじめにといいますか(笑)、納付しているようです。今回は65歳から年金をどういう形でもらえるかというようなことを見てみましょう。
 65歳から大体月額17万円ぐらいはいただけるということがわかります。仮に受給年齢を70歳にしたときにはどうなるかということをシミュレーションしてみます。大体24万円ぐらいもらえることが分かります。
 こういう形で安心して自分の年金を想定することができます。
 次に、引っ越しについての手続を行います。画面の右側にサービスがあり、その中に引っ越しというのがございます。「決定」をお願いします。
 引っ越しというのは非常に大変なイベントでございまして、手続がたくさんございます。まず新しい転出先の住所を入れます。面倒くさいから既に全部入っちゃっています(笑)。
 官への手続、民への手続などいろいろな手続がございますが、これを一括で申請します。「決定」をお願いいたします。これで、一括申請が受け付けられました。
 申請を受け付けまして、行政がやるもの、あるいは、民間の住所変更、たとえば銀行の住所変更等を一括してできるようになります。
 他にもいろいろな手続がありますが、いつごろまでに手続が完了するかということが、このように一目でわかります。こういう形で国民が行政から様々な情報を得る、あるいは、サービスをワンストップで受けられるという仕組みが電子私書箱でございます。
 以上でデモンストレーションを終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
○河村官房長官 秋草さん、ありがとうございました。
 以上で、デモンストレーションを終わりました。
 ここで、総理からご発言をいただいて、締めくくりにしたいと思います。
○麻生内閣総理大臣 大変短い期間に、南座長、渡辺会長、おまとめをいたきまして、まことにありがとうございます。関係者の皆様方には改めて厚く御礼を申し上げます。
 今の電子私書箱というのは、引っ越しが最たるものでしょうけれども、煩わしい手続というのは市役所や町役場に行けば、個人で最低でも7、8カ所に行かなければいかんというところを、シングルウィンドウというか、ワンストップで全部できるようにしようという話で、最も先端的な仕組みだと思っております。
 こういったものが利用されると、これは個人から行きますので、いわゆる個人の情報の何とかという話は、これは個人の、自分のほうから行くわけですから、そういった意味では多くの方々でこの種のことになれてられない方の数のほうが、まだまだ圧倒的に多いと思っていますので、そういった方々にもこの電子私書箱から入っていただくというのはいい方法ではないかと思っております。
 また、これは他方、役所側も省庁、それから、自治体、それから、会社側で言えば産業界のほうにとりましても、これは仕事のやり方自体を変えてもらわなければいかんという部分が多く出てきますので、そういった意味では、これは国民全体としてやっていかなければいかんものになるのだと思っています。
 いずれにしましても、緊急プランの中核となって、これを取り組んでいくに当たっては、私どものほうの関係各省庁、所管いたします大臣ももちろんのことですが、一致協力してこれを取り組んでいってもらいたいと思っています。
 これがやっぱり一般的になってきますと、随分とシングルタッチというか、そういったようなもので難しいというイメージから随分変わるのだと思っておりますので、引き続き中長期の新戦略等々よろしく、これの推進方お願いを申し上げておきたいと存じます。よろしくお願いを申し上げます。
(プレス退室)
○河村官房長官 ありがとうございました。
 それでは、大変時間を急ぎまして、はしょりまして恐縮でございましたが、活発なご議論もいただき、デモも無事に終わりましたので、きょうのIT戦略本部会議を閉会にしたいと思います。
 この内容につきましては、内閣官房の事務方からブリーフはさせていただくことになっておるところでございます。
 きょうはどうも本当、早朝からありがとうございました。
午前 9時06分 閉会