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医療評価委員会(第4回)議事要旨


  1. 開催日時:平成18年11月16日(木)10:00〜12:00

  2. 場  所:合同庁舎4号館共用第4特別会議室

  3. 出席構成員:
    石垣構成員、大熊構成員、國領構成員(座長)、田中構成員、平井構成員、藤沢構成員、三宅構成員、山本構成員(座長代理)
    ※その他の出席者:高市IT担当大臣、厚生労働省、事務局(内閣審議官、内閣参事官)


(議事次第)
1.開会

2.ヒアリング
 −重点計画に掲げられた施策の厚生労働省の取組み状況

3.パイロット調査について

4.閉会


(資料)
資料1  :「病院内、地域内の医療情報システムの構築及びその相互接続の推進」
資料1−2:「健康情報の集積・活用について」
資料1−3:「レセプトオンライン化」
資料2  :「パイロット調査について」
資料3  :パイロット調査のアンケート用紙
参考資料1:第2回評価専門調査会関連資料
参考資料2:これまでの意見の概要
参考資料3:重点計画2006(医療分野抜粋)

1.開会
 國領座長より、挨拶が行われた。
 
 高市IT担当大臣
医療分野における情報化の評価に関しまして、私は大変強い関心を持っております。今後、医療費の抑制ということで効率化の問題もありますし、また医療機関間の連携の問題、サービスの質の向上といった点で非常に重要なお仕事をしていただいていると思っております。
 また別途、私はイノベーションを担当する大臣でもございます。非常に将来の日本の競争力にもつながっていく分野かと存じますので、先生方の評価にこれからも大いに御期待申し上げます。
 
2.ヒアリング
 厚生労働省 医政局医療機器・情報室より「病院内、地域内の医療情報システムの構築及びその相互接続の推進」について、健康局生活習慣病対策室より「健康情報の集積・活用について」について、保険局システム高度化推進室より「レセプトオンライン化」について、それぞれ説明が行われた。
 
 各構成員から、以下の発言があり、ヒアリング対象者から補足説明があった。
 
 レセプト請求をただオンライン化するのではなく、診療報酬の制度、体系を見直すことで効率化していくことが重要。保険局が想定しているASPによる診療報酬請求業務の改革や、目検によるレセプトチェックの作業軽減はオンライン化するからこれらができるわけではない。ASPによる事務審査の提供は、診療報酬体系が簡素化されれば医事会計システムで対応可能であり、診療報酬体系の簡素化こそ必要である。
 オンライン化の一番の大きなメリットは、その都度必要な情報がやり取りされることであり、少なくとも外来診療に関しては米国やフランスと同様に、その都度請求が完結するような診療報酬制度自体の簡素化を図ることが必要である。
 都度請求になることにより、例えばインフルエンザが発生したとき、レセプトでインフルエンザという確定病名がその日のうちにデータとして出てくると、リアルタイムでどこでどんなインフルエンザが発生したかということか把握・分析可能であり、非常に意義の高いデータになる。月次請求だと、情報を把握したときにはもう流行は終わっているというようなことになりかねない。
 月次請求のままオンライン化を行うと、情報通信ネットワークには月に1日だけ大量のトラフィックが流れ、残り29日は何も流れないこととなる。これは余りにも無駄なインフラ投資であり、その都度請求をはっきりと目標として定めるべき。
 レセプトオンライン化により、医療機関、患者、保険薬局がネットワークで結ばれることとなる。レセプトオンラインの通信基盤を活用することで、医療機関、保険薬局の自由選択制を担保しつつ、処方箋などの電子化も実現可能になる。
 セキュリティに関するガイドラインが目的毎に存在し、医療機関は複数のガイドラインを参照しないと自分たちのシステム整備ができない状況である。これらは同じ厚生労働省が進める施策なので、医療機関から見ても国民から見ても単純でわかりやすく、かつ確実な方法というものを示してほしい。
 診療報酬体系が改訂されるたび、医療機関は医事会計システムの改訂に多くのコストをかけている。診療報酬改定を4月実施から7月実施に変更し医事会計システムの改修期間を3ヶ月長く確保すれば、改修コストは半分以下になると、経済産業省の相互運用性実証事業の調査において試算された。このような今使われているIT経費を削減することでまた次の投資に結び付けていける。
 IT新改革戦略では生涯利用可能な健康情報の集積ですが、健診データは成人になってから一定の年齢までのものしか集積の対象として検討されておらず、さらに診療情報との統合の観点が抜けている。今後、医療との連携及び健診情報の対象年齢の拡大をうまく進めていくということを視野に入れていただきたい。
 健康情報の管理システムは、国民が自らの健康診断以外の医療の情報もまとめて閲覧できるような形が望ましいのではないか。
 健康情報やレセプトの情報は最終的に事業者の方へ集まっていく。そうすると事業所に自分の健康情報が流れるのが嫌だということで健康診断を受けたくないという従業員が何人か出てくる。そのため、まさに自己責任の時代でもありますので、自分で一連を全部管理できるような仕組みというのはつくれないものか。
 自分の健康を自分で管理するためにこのITがいかに有用であるかというようなイメージなども合わせて出していただけたらありがたい。
 SS−MIXという施策は、医療機関のIT化のレベルが異なる中でも共通のフォーマットをつくっていくという方向性を示した点で非常に重要である。
 医療機関の連携については、技術的な基盤整備に加えて、その他の阻害要因を明確にし、医療機関を定着させるための取組みが重要。ヒューマンネットワークや病診の役割分担の再構築などである。
 新医師臨床研修制度の導入により地域医療の構造改革が進んでいる中、ITを活用した医療連携により地域医療を下支えしていくことが必要。勝ち組の地域と負け組の地域が出てくるということは避けたい。
 健診結果と診療情報のデータを連続して分析できるようにすることが必要。それにより、生活習慣病の予備軍に対し、どのような治療を施すことでどれだけ医療費の増大を抑えることができるのかといった分析が可能となる。連携させなければ、最適な医療を通じて発症と重症化を予防し、医療費を最適化するという最終的なミッションができないのではないか。
 予防医療などのために集積するデータの種類、質をもう一度検討する必要がある。
 レセプトのオンライン化に伴い、審査や点検といった業務のやり方をどう最適化するのかという点について、説明が不十分である。
 介護保険は既にレセプト請求がオンラインでできており、医療に関するレセプトや健診情報の集積なども同じネットワークでできるのではないか。医療、健診、福祉、介護の情報までがシームレスに全部扱えるようなネットワークの構築が一番ではないか。
 健診データのシステムは、保険者のシステム毎に異なり共有性がない。健診データを医療現場で活用するにも、電子カルテの標準化も進んでいない。平成20年度から実施できるのか不安である。
 厚生労働省の各局の話は、すべて医療側からだけの判断である。それが本当に国民全体にとって、医療がIT化されてどれだけ有効に使わるのかが分からない。
 診療報酬の改定時には、一般の医療機関にはかなりコスト・労力をかけ、システム改修をする。例えば、日本医師会はORCAという医事会計システムのバージョンアップをオンラインで可能としているが、このような取組みを医事会計システムベンダーが合同で行うような指導があっていいのではないか。
 医療のIT化は、生涯にわたって自分の健康及び医療、診療の記録を国民一人ひとりが管理できるということと、そういう情報を集積して匿名化することによっていわゆるエビデンスに基づいた医療政策を実行できるという二面性、そういう仕組みをつくるということが、日本版EHRを構築するのが大きな目標である。
 SS−MIXは各医療機関のIT化の段階に合わせて導入できるというような形式は非常にシンプルであり、IT化の手法としては努力されている。
 地域医療の現状を踏まえつつ、医療計画の見直しや地域完結型医療の推進といった制度の検討と、IT化の検討とが連携して進むことが必要。
 これまで取り組んだ地域医療の情報化の失敗例、あるいはその阻害要因というものとIT化の関係をもう少し総合的に整理する必要がある。
 健康に関して、健診結果を生涯にわたって蓄積するということは非常にいいことである。しかし、糖尿病等生活習慣病の場合は、健診結果だけでは不十分で、発症後長期間にわたる診療情報との連携が必要。
 700万人から800万人いる糖尿病患者のすべての人が重症化し、心筋梗塞や失明、あるいは下肢の切断等に陥るわけではなく、例えば遺伝子的に言えば血管凝縮要素の変異を持つ一部の人が重症化する。この重症化の予防のために生涯を通じた健康情報の管理をしなければいけない。
 保険者の県単位への再編では、例えば今の政府管掌を県単位にする、国保を二次医療権単位にする、あるいは社会保険を地域単位にすることによって、地域における予防の推進による医療コストの削減を競争させ、インセンティブとして地域によって保険料が違うという制度にまで踏み込むことも検討することが必要。いかに生涯及び健康医療教育を実現するかという大きな戦略の中で、保険制度はどのように地域完結型医療を実現するのかを考えなければならない。
 全体のグランドデザインとして10年や15年の計画を検討する中では、保険制度の改革も考えた上でのIT化、いわゆる保険のオンライン化というようなことの検討も必要ではないか。
 情報化の阻害要因が何かということを明確にすると、既得権などとぶつかることになる。これは、政治のリーダーシップで解決していくことが必要である。
 文部科学省所管の児童の健診情報、成人後の健診情報、介護保険の情報の3種が統合されないと情報として不十分ではないか。
 生活習慣病の予備軍を抽出しても、個人の行動や生活態度を変容させなければ、目標は達成できない。しかし、これらは非常に困難なことであり、その作戦をきちんと立てる必要がある。
 これまでの健診は病気になってしまったものの早期発見に主眼がおかれていた。これからは、病気の予備軍の段階で発見し、生活指導していく仕組みが良い。
 審査支払機関に関して、審査の労力軽減のため、審査自体もある程度電子化してはどうか。これにより、審査をする側の質の均一性も担保できる。
 レセプトデータを統計的に使用する場合、レセプト病名の問題がある。レセプトには、報酬が認められるように病名が記入されているため、かなりいい加減で本当の病名とは限らない。この辺をちゃんと振り分けるような仕組みが必要である。
 
 (国領座長)
 皆さん共通しているのが、ITで本当にいいことをしようとすると業務改革をきちんとやらなければいけないという論点。
 特定の分野だけではなく横断的に全体がつながるような仕組みにしなければいけないが、厚生労働省内の局同士のバラバラ感が非常に強い。特に、レセプトオンライン化は実施時期が平成23年に決まっていて取組みを先行して進めなければいけないこともあり、全体最適ができていないのではないか。
 理想として国民が自分で管理できる、自分の健康の情報については自分でわかるという状態が理想であるが、それが今のやり方で本当にそうなっているか。患者に情報提供するというような仕組みになっているのか。
 今のまま進めると各局がバラバラにつくるものになる。仮に、IT新改革戦略や重点計画の内容が原因となって、各局の身動きが取れない状態であるとすれば、意見を挙げる必要があると思う。しかし、その反面、先延ばしをする言い訳にだけはされたくないとも思っている。何か大臣からございますか。
 
 (高市IT担当大臣)
 いろいろな阻害要因や不安要因があれば、これを政治的に政治決断で取り除いていくとか、いろいろな措置を行うという話になると思うが、座長がおっしゃった点について、後ほど厚生労働省の御意見も伺いたい。
 レセプトのオンライン化を徹底することで相当コスト面でもメリットが出てくるし、その他の事務の改善、このシステムの幅広い活用も検討が必要だろうと思う。政治的に判断するポイントも洗い出した上で、評価専門調査会に挙げていただきたい。
 個人がずっと自分の健康情報を管理できるようにする場合には、その本人確認をどうするのかという点が重要だろう。また地域医療については、保険制度の地域化という御指摘などを考えると、住基カード等との連携というようなことも将来的には考えられるのかと思う。介護等様々なことに利用していこうということになると、住基カード等との連携を図り本人確認方法の統一を図ることもあり得る。そうなるとますます総務省等とも連携が必要。
 地域格差の問題も、結構地域格差だけではなくて医療機関格差というのもやはり現実に出てくるだろう。電子化のインセンティブとして初診料の3点加算というものがあるが、本当に小さな医療機関にとっては、ほとんど3点加算のメリットを受けられないまま、厳しい経営の上にまた負担がのしかかってくる。ほとんどこのメリットが受けられない小規模な医療機関、大規模でも相当経営が厳しい医療機関に対しての対応をどう考えているのか。教えていただきたい。
 
 (健康局生活習慣病対策室)
 少なくとも今、健康局の健康情報の集積に係るプロジェクトは保険局が進めているレセプトオンラインと整合ができるようなシステムを考えている。
 関係機関とワーキングで調整中であるが、健診データに関しても、1つの方法として、例えば、健診データと健診に係る請求を一緒に、医療機関から支払基金やそういうところを通して医療保険者に流す方法も考えている。大筋その方向でできるのではないかと考えているがもう少しお時間を頂きたい。
 全ての医療保険者は審査支払基金とネットワークが構築され、全ての医療保険者は審査支払基金とネットワークが構築されるため、このネットワークを利用して医療保険者が医療保険者が持つ健診結果とレセプトデータを活用することができると考えている。
 病名マスタについては、レセプト標準病名集があり、医政局がつくっている標準病名、ICD10のコード、レセ電算コードとの対応も整理されている。
 集積されるレセプトと健診結果を病名に基づき組み合わせて分析ができるような仕組みは、医療保険者の中に将来的につくることは可能であると考えている。健診結果とレセプトデータを組み合わせることで、要治療にもかかわらず治療を受けていない被保険者について医療保険者が把握できる。重症化のおそれについても医療保険者でわかるので、医療保険者の方々の保健師、できれば管理栄養士も含めて体制を整備し、予備軍の段階での保険指導、重症化予防も含めた体制ができるような仕組みというものを一緒に考えている。
 レセプトの具体的な仕組みと、医政局が作っている様々な標準的なコードを活用した今回の健診の仕組みを作っております。もしばらばらという印象があったとすれば、なるべくそういうふうなことがないように進めているという段階である。
 
 (国領座長)
 例えば認証基盤とかセキュリティ基準とかというものについて、医政局が考えているものは保険局の方で考えているものとほぼ同一のものであると考えてよいか。
 
 (健康局生活習慣病対策室)
 同一かどうかということよりも、これからそこのところを詰めていく段階であると思う。
 (医政局医療機器・情報室)
 我々としてはこちらの方で行っている基盤についての整備などは、他局の方でも応用できるようになってもらいたいと思っている。前回の医療情報ネットワーク基盤検討会でも、例えばセキュリティの基準等についてもそれぞれガイドラインをつくっているという御指摘を受けており、その辺についてはお互いに連携を密にして現場に御迷惑がかからないようにということは考えている。
 (保険局システム高度化推進室)
 連携についてはしっかり対応していきたいが、我々としては本当に先行してやらなければいけない部分があって、更に先行してやるからにはいろいろな制約がある中で、例えばネットワークであればISDNなり、IP−VPNというものを選択せざるを得ず、そういう決定をした。
 今後の話としては、技術の進歩や他のシステムの実用化の進捗、更にセキュリティとかコスト面ということも考えながら、柔軟に対応していきたいと思っている。
 医療機関が、ISDNやIP−VPN等、既存のネットワークを利用している場合は、新たにこのオンラインシステム用に回線を引いていただく必要は全くない。このシステムだけのために全く新規にお願いしているつもりはなく、そこは十分配慮しているつもり。介護保険でISDNを利用している場合も同様。
 小さな診療所や月間のレセプト件数が少ない場合については、原則平成23年度開始のところを、2年の範囲内で別に定める日と時期をずらしてオンライン化を実施する。
 職能団体による代行請求という制度も合わせて設けており、個々の診療所が紙でその団体にレセプトを提出し、その団体から支払審査機関に対してオンラインで提出する仕組みも設けており、是非そういうものを活用していただきたい。
 
 (国領座長)
 先行して取り組んでいる部局が責められるのは不公平であり、どちらかと言うと先行されている方が早く取り組む必要があると思います。先行側が拡張のための柔軟性を見込むならばどの辺に柔軟性をつくり込んでおかなければいけないかということも考えないといけないと思いますので、是非頑張っていただければと思います。
 評価専門調査会は、否定するためではなく、施策を先に進めるためということを標榜しておりますので、よろしくお願いいたします。今回のヒアリングの結果は評価の報告書に反映させたい。それから、年内をめどに厚生労働省が策定する情報化グランドデザインへの提言を取りまとめたい。よりよい提言とするために12月7日に予定されている第5回医療評価委員会ではグランドデザインの骨子を厚生労働省からお示しいただきたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
 (厚生労働省了解)
 また、恐らく省の取組みの全体統括というところは統括官付の方の役目かと思いますので、是非よろしくお願いします。
 
3.パイロット調査について
 パイロット調査の概要について、事務局より説明が行われた。
 (国領座長)
 パイロット調査については、実感指標は施策との因果関係がとても遠くて、様々な施策を打って実感指標を改善するというのは難しいため、これで責任をとるという話にはなりにくいと認識している。しかし、施策が実感指標の改善につながっているか確認しながら、効果的な施策の展開を打っていくために分析するものである。この位置づけを確認した上で、是非関係者の皆様の御協力をよろしくお願いしたい。
 それでは、本日の会議はこの辺で終了させていただきたいと思います。皆さん、今日はどうも本当にありがとうございました。
以上