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e-Japan2002プログラム

〜平成14年度IT重点施策に関する基本方針〜

平成13年6月26日
IT戦略本部


I 基本的方針

1.IT革命の推進については、昨年7月にIT戦略会議、IT戦略本部を創設し、集中的な検討を行う等政府として着実な取組を進めてきたところである。こうした中、本年1月には、IT基本法(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)に基づき、総理を本部長、全閣僚と民間等の有識者を本部員とし、官民を挙げてIT施策を推進する拠点である新しいIT戦略本部(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部)を発足させた。
 このIT戦略本部においては、1月に「我が国が5年以内に世界最先端のIT国家になる」という目標を掲げた「e-Japan戦略」を決定するとともに、3月には、具体的な行動計画を定めた「e-Japan重点計画」を策定し、政府を挙げたIT革命の推進に向けて新たな一歩を踏み出したところである。
 この間、我が国のインターネット利用者数は平成12年末で約4700万人、対前年比74%増を記録し、インターネット普及率は平成11年末の21%から37%へと大幅に拡大する等、IT化の急速な進展には目覚ましいものがある。しかし、IT化の進展は世界的な潮流であり、「e-Japan戦略」に掲げた目標を達成するには、これまでの政府の動きを一層加速していく必要がある。
 特に、平成14年は、日韓共同でワールドカップが開催され、世界がインターネットと携帯電話を使うようになって以来初めて、世界から膨大な数の人々が日本を訪れることから、日本のIT革命が世界の人々に肌で実感され、評価される年となる。
 このため、今回、「e-Japan戦略」及び「e-Japan重点計画」を各府省の平成14年度の施策に反映する年次プログラムとして、「e-Japan2002プログラム」(平成14年度IT重点施策に関する基本方針)を策定し、この基本方針に基づき施策を推進することにより、政府を挙げて、重点的かつ戦略的にIT施策を一層積極的に実施していくこととする。

2.平成14年度におけるIT施策については、以下の5本の柱を基本的な方針として、重点化を図ることとし、具体的には、Uに述べる分野別施策のとおり実施する。

(1)高速・超高速インターネットの普及の推進
 最近におけるインターネット利用者数の急速な増加や通信料金の低廉化、高速インターネット接続サービスの普及を踏まえつつ、より高速で低廉なネットワークの形成を推進する必要がある。このため、条件不利地域における高速インターネットの普及推進、基盤的研究開発等を推進する。
 また、民間主導によるネットワーク形成を推進するための公正競争の促進、規制改革を引き続き着実に推進するとともに、IT分野関連の規制改革等の今後の競争政策のあり方について、総合規制改革会議とも連携しつつ、今後、IT戦略本部等において検討を進め、この結果に基づいて、所要の制度整備を行うこととする。

(2)教育の情報化・人材育成の強化
 平成17年度までにIT人的資源大国となることを目指すこととし、このために必要となる施策を集中的に実施するための「IT人づくり計画」を推進する。具体的には、学校等におけるインターネット接続環境の整備状況やネットワークインフラの高速化・低廉化の進展状況等を踏まえ、一層の整備促進・接続環境の向上を図るとともに、実際の教育現場におけるITの活用を推進するため、多様な教育用コンテンツの充実・普及を図る等、教育における情報化を促進する。また、国民の情報リテラシーの一層の向上に取り組むとともに、専門的な知識・技能を有する創造的な人材の育成を促進する。

(3) ネットワークコンテンツの充実
 我が国を世界最先端のIT社会とするためには、ネットワーク上で提供され、世界に発信される良質なコンテンツを飛躍的に増大させていく必要がある。コンテンツの制作自体は、主として民間の主体的な取組に期待することになるが、政府としては、そのための環境整備を図っていかなければならない。具体的には、優れたコンテンツクリエーターの育成を図るとともに、知的財産権の保護を含め、優良なコンテンツの制作・流通を促進するための施策を展開する。また、ベンチャー支援のための諸施策を含め、中小企業のIT化に向けた環境整備を加速する。

(4) 電子政府・電子自治体の着実な推進
 平成15年度までに、電子政府を実現し、電子自治体の構築を推進することとされているが、そのためには、必要な基盤整備を平成14年度中に進める必要がある。このため、申請・届出等の電子化に必要とされる地方公共団体による公的個人認証サービス等のシステムの整備等の基盤整備を着実に推進するとともに、国における取組と歩調を合わせて、地方公共団体における取組が行われることとなるよう、これを支援する。また、全てのIT化の基礎となるセキュリティの確保に万全を期すこととする。

(5) 国際的な取組の強化
 我が国からより多くのコンテンツが発信され、我が国がアジアのインターネット網のハブの役割を担えるようにするとともに、知的財産権、消費者保護等、IT関係のルールや規格に関する国際協調を図り、さらにはIPv6の普及や人材育成等を通じてアジアをはじめとした世界的なIT革命の進展に貢献することにより、我が国がアジア地域におけるIT革命の中心的な役割を果たしていくことが重要である。

3.また、2005年に実現される世界最先端のIT国家の姿を国民のみならず世界に広く提示するためのショーケースとして、官民の総力を結集し、「e!プロジェクト」を推進する。具体的には、例えば、国際空港において高速無線LAN環境の整備等を行い(e-エアポート)、また、多機能都市街区において、IPv6による高速インターネット環境の整備(e-オフィス)や、モバイル端末等を利用したショッピング空間の創設(e-ショッピングモール)等を行うこと等により、IT革命の果実を実感できるものとする。

4.なお、平成14年度のIT施策の実施に当たっては、限られた予算の効率化を図ることが重要である。このため、

  1. 「e-Japan戦略」及び「e-Japan重点計画」を踏まえたものであるか
  2. 施策の重複が生じておらず、政府全体として効率的な施策実施の体制が確保されているか
  3. 民間企業に任せるべき領域まで施策の対象としていないか
  4. 費用対効果の観点から適切な施策となっているか
等の観点を踏まえ、既存の施策を大胆に見直すとともに、本基本方針に基づく施策を重点的かつ戦略的に推進することとする。

5.小泉内閣では、積極的な国民との対話を通じて、国民の協力と支援の下に、新しい社会、新しい未来を創造すべく、「小泉内閣メールマガジン」を発行したところである。IT革命とそれを通じた我が国の社会経済構造の改革の実現は、国民の協力と支援なくしては不可能である。メールマガジンの特徴はその双方向性にあり、同メールマガジン等を通じて「e-Japan2002プログラム」に掲げられた施策の実施状況等について国民に広く周知するとともに、国民からの返信をIT施策に反映することにより、IT革命の推進を確かなものとしていくこととする。

6.この「e-Japan2002プログラム」に基づき、IT施策を集中的・包括的に実施することにより、「e-Japan戦略」に掲げられた目標の確実な達成を図るとともに、IT革命の推進を通ずる我が国の社会経済構造の改革を断行していくこととする。

II 分野別施策

1.世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成

現在都市部においては、平成12年度末のCATVインターネット及びDSLの加入者数が約85万件(前年比約4倍)となるなど高速インターネットが急速に普及しつつあるほか、光アクセス、無線アクセス等多様なサービスが本格化しようとしている。また、平成14年度においては、概ね全国へのADSLサービスの拡大が計画されている。一方、条件不利地域等における地理的な情報格差の是正、加入者網の高速化に対応した基幹網の整備が急務となっている。このため、公正競争の促進、高速・超高速インターネットの普及の推進、直轄国道における情報BOX等の全国ネットワーク化、IX等インターネットの中枢機能の整備に必要な技術の確立等を図る。

(1)高速・超高速インターネットの普及推進

  1. 高速・超高速インターネットの普及を推進するため、民間事業者のネットワーク整備を支援するとともに、条件不利地域における高速インターネット整備に資するため、地方公共団体等による広域的な公共ネットワーク整備に対する支援を充実する。(総務省、農林水産省)
  2. 地域間・地域内の幹線系光ファイバ整備を円滑化するため、直轄国道における情報BOX等の全国ネットワーク化など、道路、河川、港湾等の公共施設管理用光ファイバの整備等に併せた収容空間の整備・開放を推進する。(国土交通省)
  3. 民間主導によるネットワーク形成を促進するため、公正競争の促進に向けた取組を推進するとともに、IT分野における独占禁止法違反事件に迅速・的確に対処するため、公正取引委員会の体制強化を図る。(総務省、公正取引委員会)
  4. 高速・超高速インターネットの普及に伴うトラフィックの爆発的増加に対応するため、IX等インターネット中枢機能の整備に必要な技術の確立を図る。(総務省)
  5. 公団住宅等におけるIT化を推進するとともに、集合住宅における高速インターネットアクセスを円滑化するため、住宅のIT化標準を作成し、住宅のIT化を支援する。(国土交通省)

(2)研究開発の推進

  1. IPv6を備えたインターネット網への移行を推進するため、IPv6の機能を拡充・活用する技術やインターネットアクセスをパソコン以外の多様な機器に拡大する技術などIPv6の普及促進に有効な技術の研究開発を推進する。(総務省)
  2. シームレスで高速な移動体通信サービスを普及・促進するため、ITSやGISと連携した移動体通信サービスに必要な技術の研究開発を推進するとともに、第4世代移動通信システム実現に向けて必要な技術の研究開発の推進及び世界標準化案の提案を行っていく。(総務省、経済産業省)

2.教育及び学習の振興並びに人材の育成

現在、平成13年度中に全ての公立小中高等学校等がインターネットに接続されるよう整備が進められている。平成17年度までに概ね全ての公立学校が高速インターネットに常時接続可能な環境に置かれ、子どもたちがそれぞれの能力を高めることなどにより、人的資源大国となることを目指す。平成14年度においては、教育現場でのネットワークを活用した教育の充実を図る。このため、学校のインターネット接続の高速化を図るとともに、ネットワークを活用した多様な教育用コンテンツの充実・普及を図る。

(1)学校教育の情報化等

  1. 高速・超高速インターネットの整備状況等を踏まえつつ、学校のインターネット接続について、ADSLや光ファイバー等による接続への切り替えを推進する。(文部科学省、総務省)
  2. 実際の教育現場でITが十分に活用されるよう、公共機関が保有する映像コンテンツの活用、学習資源等のデジタル・アーカイブ化の促進、ネットワーク提供型のコンテンツの積極的な開発等により、多様な教育用コンテンツの充実・普及を図るとともに、各種の教育用コンテンツの検索、ダウンロードが可能な教育用ポータルサイトの充実を図るなど、教育用コンテンツの普及のための体制を整備する。(文部科学省、総務省、経済産業省)
  3. 学校教育におけるITの活用を一層推進するため、教員のIT指導力の一層の向上を図る。(文部科学省)

(2)IT学習機会の提供

  1. IT基礎技能講習事業等の成果を踏まえ、公共施設のIT環境の整備も含め、国民の情報リテラシーを向上させるための取組を行う。また高齢者や障害者などの情報リテラシーを向上させるための取組を実施する。(総務省、文部科学省、農林水産省)
  2. 雇用対策の観点も踏まえ、離職者等を対象とした多様な水準のIT職業能力開発を、効果的、効率的に推進する。(厚生労働省)

(3)専門的な知識または技術を有する創造的な人材の育成

  1. 専門性・創造性を有し、産業界のニーズも踏まえたIT人材を育成するため、大学、大学院における、IT関連専攻の新設・改組や入学定員の増加等により、高度なIT人材の増加を図る。また、専修学校におけるIT関連プログラムの充実や教育環境の一層の整備促進等を図る。(文部科学省)
  2. ブロードバンド時代に必要とされる、官民の高度なIT人材を育成するため、民間技術者と地方自治体職員等による研究開発プロジェクトを推進する。(総務省)
  3. 高度なIT技術者の育成、活用を容易とするため、IT関連の業務に必要とされるIT技能に関する標準の策定・普及を行う。(経済産業省)
  4. アジア各国において効果的にIT人材を育成し有効に活用するとの観点から、アジア共通のスキル標準を踏まえたコンテンツの提供を行いe-Learning(遠隔教育)の普及を促進する。(経済産業省)
  5. 優れたコンテンツクリエイターを育成するため、コンテンツの国際競争力の強化に配慮しつつ、コンテンツの制作環境や流通構造の改善、インターネット上でのコンテンツ流通の円滑化のために必要な取組を行う。(総務省、経済産業省)
  6. 国際化が進展していく中で、日本語の普及や日本文化の発信を図るため、国内及び海外における日本語の学習環境の整備等を促進する。(文部科学省)

3.電子商取引等の促進

平成12年における電子商取引の市場規模は、事業者間(B to B)が約22兆円(平成10年比約2.5倍)、事業者・消費者間(B to C)が約8,200億円(前年比約2.5倍)とそれぞれ急速に拡大してきている。平成14年度においては、引き続き必要な環境整備を行うとともに、特にネットワーク上で提供されるコンテンツを飛躍的に増大させるため、知的財産権の保護を含め、優良なコンテンツの制作、流通の促進を図る。

(1)規制の見直し(法務省及び関係府省)
 会社関係書類の電子化、インターネットを利用した電子公告の制度の導入等に関する商法改正のほか、電子商取引等を阻害する規制について、必要な見直しを行う。

(2)知的財産権の適正な保護及び利用(文部科学省、経済産業省)
 インターネット上での知的財産権等の適正な保護及び利用を促進するため、コンピューターソフトウェアや映像、音楽などのコンテンツの円滑な流通の確保等に関する著作権、特許等の関連制度について所要の法整備等を行う。

(3)コンテンツ流通の促進(総務省、経済産業省)
 ブロードバンド・コンテンツの流通を円滑化するため、放送コンテンツ等の取引ルールの整備や複製防止技術等の確立のための環境整備等必要な取組を行う。

(4)消費者保護の推進(内閣府、経済産業省、公正取引委員会及び関係府省)
 苦情の円滑な処理のための環境整備や関連情報の提供等により個人情報の保護を図るなど電子商取引等に係る消費者保護の推進を図る。

(5)電子署名・認証制度の円滑な実施(総務省、法務省、経済産業省)
 電子署名・認証制度の円滑な実施を図るため、認証業務の認定について国際的な相互承認を推進するほか、認証業務の安全・信頼性に係る技術の評価に関する調査研究、国民への普及啓発活動を行う等必要な取組を行う。

(6)ADRの拡充・活性化(法務省及び関係府省)
 ADRを拡充・活性化するための制度基盤の整備として、UNCITRAL等の国際的動向も踏まえ、仲裁法制に関する検討を急ぐとともに、ADRに関する基本的な枠組を規定する「ADR基本法」(仮称)の制定を視野に入れた検討を行う。

(7)中小企業を対象としたIT共通基盤整備(経済産業省、農林水産省)
 IT化推進に向けた人材育成や連携推進、「e-中小企業庁」の実施などによる情報提供の充実等、中小企業のIT化に向けた環境整備や支援策を総合的かつ計画的に実施する。また、他分野に比べ遅れている農林水産分野の電子商取引の環境整備を推進する。

(8)国際的なルールの調和(総務省、法務省、経済産業省、内閣府及び関係府省)
 我が国の法制度を踏まえ、WIPO、OECD、UNCITRAL、ハーグ国際私法会議、WTO等における知的財産権侵害、消費者保護、情報セキュリティ、国際裁判管轄・準拠法ルール等の議論に積極的に参画し、国際的な制度の調和を目指す。

4.行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進

平成15年度までに電子情報を紙情報と同等に扱う行政を実現するため、平成14年度中に全府省において、申請・届出等手続の電子化に関わる共通的基盤システムを整備するほか、行政情報の電子的提供、政府調達の電子化等を推進する。

(1)行政情報の電子的提供(総務省及び全府省)
 「行政情報の電子的提供に関する基本的な考え方(指針)」に沿って各府省が策定する「電子的提供の推進に関する実施方針」に基づき、行政組織、制度等に関する基礎的な情報、予算及び決算等に関する情報、社会的な有効活用に資する情報等行政情報の電子的提供の計画的・重点的な取組を行う。

(2)申請・届出等手続の電子化(総務省、財務省及び全府省)
 新たなアクション・プランに基づき、次に掲げる事項を推進する。
  1. 認証システム、汎用受付等システムの整備
  2. 手数料納付の電子化に必要とされるシステムの整備
  3. 個別手続毎に必要なシステムの順次整備
  4. 内部事務処理の効率化に資する審査支援データベース、りん議・決裁、文書管理システム等の整備・機能高度化

(3)公的個人認証基盤の構築(総務省)
 住民基本台帳のデータを活用した地方公共団体による公的個人認証システムの平成15年度からの運用開始に備え、実証実験の実施とともに、法制面を含め必要な制度の整備及びシステム構築を行う。

(4)政府調達の電子化
  1. 非公共事業関係については、入札・開札の電子化に向けた仕様の検討を踏まえ、システム整備、試行運用を行う。(総務省及び全府省)
  2. 公共事業関係については、一部の直轄事業に係る一定規模以上の事業において電子調達システムを運用するとともに、各入札方式に対応したシステム整備等を行う。(国土交通省及び関係府省)

(5)ペーパーレス化(電子化)(総務省及び全府省)
 各府省共通でペーパーレス化(電子化)すべき事務の電子化を図る。また、必要に応じ、既存システムの機能高度化等を行うとともに、本省と地方支分部局等のLAN間接続、国と地方公共団体等を通ずるネットワークの整備を推進する。

(6)地方公共団体への取組支援(総務省及び関係府省)
 国の行政の情報化に係る取組と歩調をあわせて、地方公共団体の取組が行われるよう、地方公共団体の取組を支援する等重点計画の着実な実施を進める。

(7)地方公共団体による広域的なシステム整備(総務省)
 複数の地方公共団体による広域的なシステム構築を進める。このため、ASP等を活用した共同運営システムの整備を進めるべく、実証実験を行う等必要な環境整備を行う。

(8)地方選挙における電子投票(総務省)
 有権者の利便性の向上や開票の迅速化を図るため、地方公共団体の選挙における電子投票の試行を可能とするための取組を行う。

(9)システム開発に係る評価指標の策定・普及(経済産業省及び関係府省)
 ソフトウェア開発・調達プロセス評価指標モデルの策定に係る成果を踏まえ、官民での同モデルの普及に向けた評価者の育成環境を整える等の普及に向けた取組を進める。

(10)公共分野における情報化の推進(関係府省)
 研究開発を推進するとともに、科学技術・学術研究、芸術・文化、保健・医療・福祉、環境、防災、公共交通分野の情報化、ITSやGISの推進等各分野における先進的な情報通信基盤やアプリケーションの積極的導入を進め、重点計画の着実な実施を進める。

(11)効率的な施策の推進(全府省)
 効率的な施策の推進を図るため、@既存システム等の活用、A通信サービスの多様化、技術の進展等に応じた効率的なシステムの構築 B設計・開発成果等の共有化、C施策の重複排除、D施策の整合性の確保等を行う。

5.高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保

情報セキュリティの確保は、IT化を進める上での前提条件となるものである。一方、平成12年におけるコンピュータウイルスの届出件数は1.1万件(前年比約3倍)、不正アクセス被害の届出件数は143件(前年比約2.6倍)と増加してきている。平成14年度においては、特に、電子政府におけるセキュリティ体制やいわゆるサイバーテロに対する対応体制の構築、民間におけるセキュリティ水準の向上等を重点的に図る。

(1)信頼性の高い「電子政府」の構築
  1. 電子政府の情報セキュリティを確保するため、各省庁及び地方公共団体の情報セキュリティに関する支援、並びに各省庁の情報セキュリティの評価・監査、緊急事態への対応を一元的に行う体制を構築するための検討を開始する。(内閣官房)
  2. セキュリティポリシーの継続的な評価・見直しを図るため、「擬似アタック」の実施等を含め、効果的な手法について検討を行う。(内閣官房)
  3. 緊急対応体制の整備や地方財政措置の実施等、地方公共団体の情報セキュリティに関する支援を推進する。(総務省)

(2)サイバーテロ対策の強化(内閣官房、警察庁、防衛庁、金融庁、総務省、経済産業省、国土交通省)
 官民間のいわゆるサイバーテロに係る情報の集約、伝達、蓄積及び官民での共有等を行うための「サイバーテロ対応データベース」(仮称)の構築・機能強化を行うとともに、緊急時に対処するための高度な技術を有する人材の育成、体制整備、国際連携を推進する。

(3)情報セキュリティの意識の向上
 義務教育レベルからの基礎教育、民間のイニシアティブを連携させる枠組の整備、各分野毎のニーズを踏まえた人材育成プログラムへの支援を推進する。(総務省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省)

(4)民間部門における情報セキュリティ対策への支援
  1. 情報セキュリティに係る関係機関・団体における民間への情報提供・受入・指導助言機能の強化、都道府県警察等における民間からの相談受付業務の充実及びハイテク犯罪対策のための体制の強化を行う。(警察庁、総務省、経済産業省)
  2. 情報セキュリティに関する普及啓発活動を行うとともに高度な情報セキュリティ設備の導入や情報セキュリティ関連サービスの購入等を行おうとする民間企業等について、その促進のための支援を行う。(総務省、経済産業省)

(5)情報セキュリティに係る基盤技術の開発(警察庁、防衛庁、総務省、文部科学省、経済産業省)
 暗号技術、情報セキュリティ評価技術等の基盤技術の開発を行うほか、国防・治安関連技術について支障のない範囲内で政府他部門・民間にも公開する。

6.横断的な課題

上述の施策を推進するに当たっては、研究開発の推進、デジタル・ディバイドの是正、雇用問題への対応、国際的な協調及び貢献の推進、IT関連統計の整備・充実といった横断的な課題が存在することから、政府として、これらの課題についても積極的な対応を行っていくこととする。

(1)研究開発の推進
 今後の高度情報通信ネットワーク社会の発展の基盤と産業競争力強化の源泉となる情報通信分野の技術力を戦略的に強化するため、産学官連携の強化、研究開発システムの改革等により技術開発環境を整備しつつ、世界最先端のIT国家の実現に必要な基盤技術等についての研究開発を推進する。具体的には、総合科学技術会議において策定される「平成14年度の科学技術に係る予算、人材等の資源配分の方針」に基づき、情報通信分野の研究開発を戦略的に推進する。

(2)デジタル・ディバイドの是正
 地理的な制約、年齢・身体的な条件等により情報通信技術の利用機会及び活用能力の格差が生じないよう、地理的情報格差の是正につとめるとともに、高齢者や障害者等に配慮した情報通信関連機器・システム等の開発の推進及び高齢者・障害者の情報リテラシーの向上の支援を行い、高齢者・障害者が容易にITを利用できる環境を整備する。

(3)雇用問題への対応
 産業構造の転換に的確に対応するため、今後の雇用の受け皿として期待されるIT分野のベンチャー企業等に対する支援、及びこれら企業等における雇用機会の創出に向けた施策を推進する。また、IT革命の進展に伴い、職業能力に関するミスマッチの発生が懸念されることから、IT関連分野等の雇用増が見込まれる分野への人材の円滑な移動を促進するため官民連携した情報提供機能の強化等を行う。
 一方、IT革命の進展に伴い、あらゆる職種においてIT活用能力が必要とされるようになってきており、また、IT分野での先端的な研究者・技術者の不足が深刻化していることから、職務遂行に必要なIT活用能力の習得のための職業能力開発を、効果的、効率的に推進するとともに、先端的な研究者・技術者の育成を図るための人材育成の環境整備を推進する。

(4)国際的な協調及び貢献の推進
 ITに関する国際・地域機関を通じた協力や二国間協力により、知的所有権、電子商取引に係る課税等のIT関係のルール・規格等に関する国際協調に努めるとともに、IPv6の普及や人材育成等、アジアをはじめとする開発途上国への協力を積極的に進め、国際的デジタル・ディバイドの解消に努める。

(5)IT関連統計の整備・充実
 「e-Japan重点計画」においては、目標の達成状況を定量的に評価するためのベンチマーク(指標)を設定しているところであるが、我が国のIT化の進展状況やITが経済社会に及ぼす影響を適切に把握するためのIT関連統計の一層の整備・充実に努め、これを施策の推進状況の調査及び重点計画の見直しに活用するものとする。

参考1

IT人づくり計画(骨子)

1.学校教育の情報化等

  1. 学校のインターネット接続のADSLや光ファイバー等への切り替え推進
  2. 多様な教育用コンテンツの充実・普及及び教育用ポータルサイトの充実等の体制整備
  3. 教員のIT指導力の一層の向上

2.IT学習機会の提供

  1. IT基礎技能講習事業等の成果を踏まえた国民の情報リテラシーの向上及び高齢者、障害者の情報リテラシーの向上
  2. IT職業能力開発の効果的、効率的な推進

3.専門的な知識または技術を有する創造的な人材の育成

  1. 大学・大学院における、IT関連専攻の新設・改組や入学定員の増加等
  2. ブロードバンド時代に必要とされる官民の高度なIT人材の育成の推進
  3. IT技能に関する標準の策定・普及
  4. アジア各国のIT人材育成のためのe-Learning(遠隔教育)の普及促進
  5. 優れたコンテンツクリエイターを育成するために必要な取組の実施

参考2

「e!プロジェクト」

平成13年6月26日
内閣官房IT担当室
1.コンセプト
2005年に実現される世界最先端のIT国家のイメージをわかり易く国民に示すため、最先端技術を実験的に投入。広く外国へもアピール

2.ターゲット
  • 日本人:一般市民(ヘビーユーザーが満足するものも)
  • 来訪外国人:特にビジネスマン

3.概要(具体例)
国際空港:無線LAN環境整備、モバイルへの情報提供 等
多機能都市街区:超高速のIPv6インターネット環境整備、モバイルを活用したショッピングモール、ITを利用したファッションの展示・販売、ITモデルハウスの展示 等
その他:電子投票、電子申請、電子救急、教育のIT化等