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首相官邸 カテゴリー:IT戦略本部
 トップ会議等一覧IT戦略本部e-Japan重点計画-2002 印刷用(PDF形式)


  1. 電子商取引等の促進

    <目標>
    2003年における事業者間(BtoB)及び事業者・消費者間(BtoC)取引の市場規模が、それぞれ1998年の約10倍、約50倍の規模となる70兆円程度、3兆円程度を大幅に上回ることを目指す。

    (1)現状と課題

     インターネット等高度情報通信ネットワークの急速な普及は、個人の生活様式、社会・経済活動、行政の在り方等広範な分野において大きな変革をもたらしつつある。特に、産業経済面においては、IT関連分野における新しい産業の誕生・成長のほか、取引形態・小売形態などの既存の経済活動の在り方にも大きなインパクトを与えつつあるものと考えられる。
     このような状況において、我が国の電子商取引の現状をみると、2001年のBtoB市場規模は34兆円、BtoC市場規模は約1.5兆円とそれぞれ前年に比べて6割増、8割増と拡大しており、我が国の電子商取引は着実に発展しているということができる。
     今後、電子商取引をさらに促進することにより、ユーザの利便性の向上、生産・流通の効率化、新規産業の創出等を通じ経済が活性化することが期待されるが、このためには、企業の電子商取引の促進やユーザ・消費者の信頼感を醸成するための施策等を迅速かつ集中的に講じていく必要がある。

    <電子商取引市場に関する主要指標(2001年)>
     電子商取引市場規模電子商取引化率
    B to B市場34兆円5.04%
    B to C市場1兆4,840億円0.55%

    (2)施策の意義

     インターネット上での電子商取引は、@誰でも参加できる、A民間主導で市場が形成される、Bスピードが速い、C国境のない市場が形成されるなどのサイバー空間の特徴を持ち、紙ベースで行われていた取引が電子化されることによる利点にとどまらず、eマーケットプレイス1やネットオークション市場2といったこれまで想像もできなかったような市場が形成され、新たな取引形態が生まれると考えられる。
     そのためには、消費者や事業者など、電子商取引の参加者への障壁を取り除くとともに、IT化への支援やトラブルへの的確な対処など、参加者の信頼を得るための方策を着実に進めていく必要がある。
     これまでも、電子商取引等の促進の基盤的制度の見直し・ルール整備を集中的に実施し、一定の成果を確保してきたところであるが、今後は、基幹的制度整備をおおむね完了させるとともに、経済活動のあらゆる局面で電子商取引等の促進が図られるようきめ細かな制度整備を積極的に進めていく必要がある。
     さらに、ブロードバンドの急速な普及に伴い、デジタルコンテンツの流通市場の健全な発展に大きな期待がされていることから、知的財産権の適正な保護を図りつつ、その促進を行う必要がある。
     加えて、電子商取引は、国境を越えたグローバルな取引をも容易に可能とすることから、国際的に整合性を持ったルール整備を行うことも重要である。

    (3)これまでの主な成果

     2001年度において予定していた施策については、着実に実施された。特に、会社法制の見直しや電子契約の効力、インターネットサービスプロバイダーの責任の制限等に関する法律の制定など企業や取引のIT化のための基盤的制度や特許法及び著作権法の改正など知的財産権の適正な保護及び利用を図るための制度について整備が行われた。実施された主な施策は以下のとおりである。

    @ 規制の見直し
    ・ CPのペーパーレス化(金融庁)(2001年6月20日「短期社債等の振替に関する法律」成立、2002年4月1日法施行)
    ・ 統一的システムでの証券取引決済の実現(金融庁)(2002年6月5日「証券決済制度等の改革による証券市場の整備のための関係法律の整備等に関する法律」成立)
    ・ 株主総会運営等におけるITの活用(法務省)(2001年11月21日「商法等の一部を改正する法律」成立、2002年4月1日法施行)
    ・ 会社法制の抜本的見直し(法務省)(2002年5月22日「商法等の一部を改正する法律」成立)
    ・ 行政機関による法令適用事前確認手続の導入(総務省及び関係府省)(2001年度中に該当する手続を有しない省庁を除き導入)
     
    A 新たなルールの整備
    ・ 電子契約の成立時期等に関するルール整備(経済産業省)(2001年6月22日「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」成立、同年12月25日法施行)
    ・ プログラム取引における利用者保護措置に関するルール整備(経済産業省)(2002年3月29日「電子商取引等に関する準則」を経済産業省が公表)
    ・ インターネットサービスプロバイダー等の責任ルールの整備(総務省)(2001年11月22日「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」成立、2002年5月27日法施行)
     
    B 知的財産権の適正な保護及び利用
    ・ 商標等と同一又は類似のドメイン名の不正取得の防止(経済産業省)(2001年6月22日「不正競争防止法の一部を改正する法律」成立、同年12月25日法施行)
    ・ ネットワーク上で取引されるコンピュータ・プログラムの保護の明確化(経済産業省)(2002年4月11日「特許法等の一部を改正する法律」成立)
    ・ 放送事業者及び有線放送事業者に送信可能化権を付与等(文部科学省)(2002年6月11日「著作権法の一部を改正する法律」成立)
     
    C 消費者保護
    ・ 個人情報の保護に関する基本法制の整備(内閣官房)(2001年3月27日「個人情報の保護に関する法律案」を提出)
    ・ インターネット通販に係る規制に関連するルール整備(経済産業省)(2001年10月23日「意に反して契約の申込みをさせようとする行為」を経済産業省が公表)
    ・ 迷惑メール対策(経済産業省)(2002年2月1日「特定商取引に関する法律施行規則の一部を改正する省令」施行、2002年4月12日「特定商取引に関する法律の一部を改正する法律」成立)
      ※このほか、2002年4月11日に「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」が成立している。
    ・ ADRの整備(司法制度改革推進本部)(2002年3月「司法制度改革推進計画」閣議決定、同計画において、ADRに関する関係機関等の連携強化及びADRに関する共通的な制度基盤の整備を行うべきこと及び実施時期を記載)

    (4)具体的施策

    @ 電子商取引等の浸透のための制度整備の充実

     電子商取引市場の安定性や信頼性の確保を図るために必要な基幹的制度整備をおおむね完了させるとともに、経済活動のあらゆる局面における電子商取引等の浸透のためのきめの細かな制度整備を行う。

    ア) 電子商取引等に関する基盤的制度の整備

     電子商取引の円滑な促進を図るために、情報化社会の基本ルールの整備を引き続き行うとともに、取引の安定性・信頼性の確保を図るために、電子署名・認証制度の普及・促進のための施策を行う。

    i) 官報公告の電子化
     2003年度中を目途として、株式会社が減資、合併、会社分割等のときに行う官報又は日刊新聞紙における公告に加え、電磁的方法による公告を行うことを可能とする内容の商法の改正を行う。(法務省)

    ii) 刑事法制の見直し
    〈後掲(5.高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保)〉

    iii) ADRに関する共通的な制度基盤の整備
     2002年3月に策定された司法制度改革推進計画に基づき、所要の施策を進める。具体的には、2003年度までに、関係府省等の連絡会議の設置及び関係諸機関の連絡協議会の体制整備等を通じ、ADRに関する情報提供面及び担い手の確保面での連携強化を図るとともに、ADRの制度基盤を整備するために必要な方策を検討し、仲裁法制の整備を含め、ADRに関する共通的な制度基盤の整備を行う。(司法制度改革推進本部及び関係府省)

    iv) 事業活動の電子化を阻害する規制の見直し
     内閣官房は、関係府省の協力を得て、2002年中に事業活動の電子化を妨げる規制について、総点検を行う。(内閣官房及び関係府省)

    v) 電子署名・認証制度の円滑な実施
     2004年までに電子認証業務の認定についての国際的な相互承認、電子署名・認証制度の発展に関する外国政府機関との協力等の環境整備を行う。また、安全かつ信頼できる電子商取引基盤の整備及び健全な発展のために必要な電子署名・認証業務に関する最新の技術や動向についての調査研究を行うとともに、それらを利用する国民に対する普及啓発や情報提供を行う。(総務省、法務省、経済産業省)

    イ) 電子商取引準則の普及及び見直し

     インターネットを利用した取引や情報財の取引に関する民事法の解釈を明確にするために「電子商取引等に関する準則」を2002年3月に公表したところであるが、2002年度において、その普及を図りつつ必要に応じて見直しを行い、2003年度以降も、引き続き新たな課題について整理・分析等を行う。(経済産業省)
     

    A 商取引の電子化の加速的推進

     電子商取引市場への参加者の増大を図るため、適正な競争が可能となる事業環境の整備、企業におけるIT活用の促進等による新しいビジネス創出と産業競争力の向上に向けた諸般の条件整備を行う。

    ア) 適正な競争条件の確保

     電子商取引市場の拡大やITを活用した新サービスの登場に対応して、市場参加者のすべてが適正な条件で競争できるよう、自由かつ公正な競争を確保するための所要の措置を講じる。

    i) デジタルコンテンツに関する公正かつ自由な競争を促進するため、デジタルコンテンツの取引等について、競争政策の観点から実態を把握し、2002年度末を目途に競争政策上の課題と対応について取りまとめる。(公正取引委員会)

    ii) 2002年度中に、モバイルコンテンツビジネスにおいて公正な事業環境を実現し、違法・有害情報の流通の増大等に対処するため、モバイルコンテンツの公平・安全な利用・提供環境の整備に向けた技術面、制度面等の実証を行う。(総務省)

    iii) デジタルコンテンツの制作者、権利者、流通事業者のそれぞれが正当な報酬を得ることのできる環境の整備のため、2002年度中に、市場実態も踏まえ、コンテンツ市場における競争政策のあり方の整理、コンテンツに関するモデル契約書の策定等を行う。(経済産業省)

    イ) 新しいビジネスの創出と産業競争力の向上

     ITを活用した新たなビジネスの創出・国際的な産業競争力の向上に資するよう、その基礎となる知的財産権の適正な保護及び利用を図るとともに、事業者が積極的にITを活用するような事業環境の整備のための諸般の施策を実施する。

    a) デジタルコンテンツの流通の促進のための知的財産権の適正な保護及び利用

     知的財産権の適正な保護及び利用に関する知的財産戦略会議での議論を踏まえながら、コンテンツに係る契約慣行・流通慣行の見直し、著作権保護等のための技術開発の促進等を通じ、良質なデジタルコンテンツのインターネット上での提供の増大に向けた環境整備を行う。

    i) 著作権等権利処理の円滑化等
     煩雑な著作権等権利処理の円滑化等を通じて、著作権の適正な保護と利用を促進するため、以下の施策を講ずる。
    ・ 2002年度中に、コンテンツID3(識別番号)を活用して権利情報を検索可能とする権利処理システムを開発する。また、民間における著作権等権利処理ルール確立に向けた取組を支援するとともに、信託の仕組みの活用等直接金融による資金調達の促進等のコンテンツ制作部門の強化のための環境整備を行う。(経済産業省)
    ・ 2004年度までに、著作権に関する情報等のコンテンツに関する情報を相互に交換し、不正利用を防ぎつつ流通するための権利処理システムを開発することにより、放送コンテンツを権利者と利用者との間で安全・確実に取引する市場形成を図る。また、当該システムを利用し、コンテンツの流通等に関する多様なビジネスモデルの試行を行い、民間における権利処理ルール確立の支援を図る。(総務省)
    ・ 2004年度までに、コンテンツの創作者と利用者がインターネット上で直接契約等を行えるシステム(バーチャル著作物マーケット)の研究開発を行う。(文部科学省)
    ・ 2002年度中に、テレビ放送番組などの権利関係が複雑なコンテンツを対象として、全ての権利者・権利に関する情報を制作時に整理する仕組みのあり方を検討する。(総務省、文部科学省、経済産業省)

    ii) 技術開発の促進
     デジタルコンテンツ流通増大のための技術開発を促進するため、以下の施策を講ずる。
    ・ 2002年度中に、デジタルコンテンツの複製防止技術等の確立のための環境整備を行う。(経済産業省)
    ・ 2004年度までに、大容量映像デジタルコンテンツが安定的に流通するための技術確立のための方策を講ずる。(総務省)

    iii) 海賊版対策の強化
     海外におけるデジタルコンテンツの海賊版の取締りの強化のために、以下の施策を講ずる。
    ・ 2002年度中に、東アジアを中心とする関係国政府当局との連携の強化、業界による海賊版情報の収集・提供のための現地組織の構築への支援等所要の施策を講ずる。(経済産業省)
    ・ アジア地域におけるインターネット上の著作物の保護のため、2002年度から中国及び韓国との間で著作権保護に関する政府間協議の場を設けるとともに、WIPO4の協力を得てデジタル化・ネットワーク化に対応した著作権制度の構築等の支援を行う。(文部科学省)
     

    b) 企業等におけるIT活用の促進

     企業の経営の効率化や経営革新等を促すため事業活動におけるIT活用の促進を図るとともに、特に、我が国経済の競争力の要となる中小企業においてIT活用に対する経営者の意識の向上、IT活用に必要な経営資源の確保等のための取組を積極的に講ずる。

    i) 戦略的なIT利用のための投資促進(経済産業省及び関係府省)
     企業活動の抜本的な合理化や経営革新につながる戦略的IT投資に係るプロジェクトの活性化を図るため、戦略的IT投資に積極的な事業者の連携、研鑽及び情報の収集を支援し、2005年度までに先進事例となるようなプロジェクトがおおむね1万件創出されることを目標とするとともに、このようなプロジェクトに係る投資を促進するために、2003年度までに、戦略的IT投資を行う企業におけるIT投資負担を軽減するための支援策を講じるため、2002年度中に税制措置を始めとした支援策を検討する。さらに、2005年度までにこのような戦略的IT投資プロジェクトを構築するために必要な高信頼ソフトウェア基盤の開発を行う。

    ii) 中小企業を対象としたIT共通基盤整備(経済産業省及び関係府省)
     日本経済の基盤をなす中小企業がITを積極的に活用し、事業の効率化や収益の拡大につなげていくことは、産業新生のために極めて重要であることから、2003年度中に、中小企業のおおむね半数程度がインターネットを活用した電子商取引等を実施できることを目標とし、先進的な電子商取引等の事例の創出やIT経営に必要な経営資源の確保等の施策を総合的かつ重点を絞って講ずることとする。また、IT化が相対的に遅れている農林水産分野等のIT化のための施策についても充実を図る。
     このため、2003年度末までに、中小企業等の規模や業種・業態の違いによるIT化の進展度合い等に応じて、きめ細かく、かつ、重点を絞った支援を行う。具体的には研修・セミナーの実施やアドバイザーの育成・派遣とともに、中小企業の電子商取引の促進を一層加速するため、より波及効果が高く、経営革新に資するソフトウェアやシステムの開発・普及など共通基盤の整備を図る。併せて、多様な中小企業等の経営に適したIT導入を円滑に進めるに際し、各種情報提供事業を充実させるとともに、中小企業等に不足しがちな経営資源を補完するためのIT貸付等の支援を実施する。

    iii) 商取引の電子化等の基盤となるソフトウェアの開発(経済産業省)
     1つの端末にとらわれず、いつでもどこでも接続できる、十分な伝送容量を備えたネットワーク環境下での円滑な電子商取引を実現するため、2005年度までに、高い信頼性・安全性を有する基盤的ソフトウェアや産業競争力の強化に資する基盤的ソフトウェア(モバイル系基盤ソフトウェア、デジタル情報流通基盤ソフトウェア等)、ネットワーク環境の更なる進化を視野に入れた先進的なソフトウェアの開発を産学官の連携を得つつ実施する。

    iv) ソフトウェアプロセス改善(SPI)5の推進(経済産業省)
     企業におけるソフトウェアの適切な利活用の促進に向けて、2002年度中に、ソフトウェアプロセスの評価手法及び評価体制の整備、評価制度の普及等ソフトウェア工学に裏打ちされたソフトウェアプロセス改善を推進するための環境整備を行う。
     

    c) ICカード6の利用環境の整備(経済産業省)

     2003年度までに、ICカードを活用した行政サービス・民間サービスの連携に配慮しながら、ICカードの機能を活かした電子商取引の実証事業等を行い、汎用的なシステムモデル及び効率的な事業運営モデルを提示する。
     また、ISOにおけるICカードの国際規格の策定に参画し、2003年度までにカードの電磁的性状等に関する国際規格の成立を目指すとともに、日本企業と海外の企業との間の交流・協力を促進し、セキュアなICカードシステムの標準的なモデルの構築を2003年度を目途に国際的に進める。
     

    B 消費者保護対策の充実

     電子商取引の促進に当たっては、個人情報保護対策の推進を図るとともに、取引に係る消費者トラブルの防止及び救済を図る措置を講ずるなど、消費者が安心して電子商取引を利用することができる環境を整備することが重要である。

    ア) 個人情報保護

    〈後掲(5.高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保)〉

    イ) 消費者に対する情報提供等

     電子商取引の発展のためには、消費者の保護を図ることによって、消費者が安心してITを活用できる環境を整備することが不可欠である。
     そのため、電子商取引の分野においては、民間団体等による自主的な対応が重要であるが、政府においても、電子商取引においての消費者トラブルの増加に対応するため、消費者保護に関するルールを整備するとともに、消費者が自己責任のもとで、自らトラブルを回避できるよう、消費者に対する情報提供や啓発活動を行う。

    i) 対消費者電子商取引において行われる不当表示の問題について有効な規制を行うため、2002年度中に電子商取引監視調査システムの運用を開始する。(公正取引委員会)

    ii) 2004年度までにネット利用悪質犯罪に関する情報を全国警察で共有・利用するためのシステムの整備、電子商取引に関係した詐欺等の消費者被害に関する広報・啓発活動等、消費者保護対策に必要な体制の整備を行う。(警察庁)

    iii) 2002年度中に、電気通信分野における消費者対応を一層充実・強化させるため、消費者からの苦情・相談等をデータベース化し、それを基にしたホームページを通じた情報を提供することにより、消費者のIT活用に伴うトラブル防止及び円滑な解決を図る。(総務省)

    iv) 迷惑メール問題に早急かつ適切に対応するため、2002年4月11日に成立した「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」及び4月12日に成立した「特定商取引に関する法律の一部を改正する法律」の早急な施行に努めるとともに、迷惑メールにかかる苦情処理体制の充実、指定法人による適正化業務の遂行に向けた環境整備等所要の施策を2002年度中に講ずる。(総務省、経済産業省)

    v) 2002年度中に、消費者向けの電子商取引にかかるADR(あっせん、調停、仲裁等)に関する実証実験を実施するとともに、個人情報の取扱いを巡る紛争等におけるADRの活用も視野に入れ、利用者の利便性に配慮したADRの運用体制について検討する。(経済産業省)

    vi) 2002年度中に、携帯電話等に対応したインターネット通販に係る規制について、特定商取引法に基づくガイドラインの整備を行う。(経済産業省)

    vii) 2002年度中に、映像コンテンツの光刺激等による生体への影響に関する基礎的な調査を行い、その結果を踏まえ、コンテンツの生体影響指標の標準化を含めた対策のあり方について検討する。(経済産業省、総務省)
     

    C 国際的な環境整備

     国境を容易に越える電子商取引の特性に鑑み、我が国と経済社会的に密接な関係にある諸国家・地域との間で電子商取引に関する制度調和を構築し、国際整合性のあるIT社会を形成する。

    i) 貿易関連手続の電子化・ワンストップ化を図るため、2002年度においては、我が国で開発された貿易金融EDI7システムとアジアの電子商取引EDIとの連携を支援するととともに、アジア諸国又は地域における輸出入申告、輸出入申請その他の対政府手続用システムとの連携を支援する。(経済産業省)

    ii) アジア地域における事業者間電子商取引の基盤整備のために、XML言語を利用したEDIの国際標準化規格(ebXML8)について、アジア地域内の普及促進を図る。そのために、2005年度までに、同規格について、アジア地域における技術的互換性の確保、取引ルールに関する合意及び普及促進のための環境整備などを図る。(経済産業省)

    iii) アジア地域の電子商取引市場の基盤整備等のため、アジア域内における公開鍵基盤(PKI)9に必要な技術仕様、利用基準の明確化のための実証実験を2005年度まで8カ国において実施するとともに、「アジアPKIフォーラム」と協力しつつ、アジア各国の法整備のあり方等について検討するアジア公開鍵基盤(PKI)整備事業を実施し、2005年度を目途にアジア域内で運用可能な公開鍵基盤(PKI)の整備を行う。(経済産業省)

    iv) 2002年度中に、ドメイン名に関する我が国のインターネット利用者の要望をインターネット制度整備に反映させるために、多言語ドメイン名の安定的な導入、ドメイン名における国名の保護等、ドメイン名等をとりまく諸課題の解決に向けて、ICANN、WIPO等への働きかけを行う。(総務省、経済産業省)

    v) 2002年度中に予定されているOECDのセキュリティガイドライン見直しに参画するなど、電子商取引の国際的な円滑化やITサービスの促進に関する議論について積極的に関与する。(外務省、経済産業省、総務省及び関係府省)

    vi) 2002年度中に、WIPOにおける「視聴覚的実演に関する条約(仮称)」及び「放送機関に関する条約(仮称)」に係る議論を推進するために、我が国の先進的な著作権制度の事例の紹介を含め積極的な役割を果たすとともに、2003年度以降も引き続き条約策定に向けた議論に積極的に参画し、インターネットの発達などに対応した著作権に関する新たな国際ルールの構築を図る。(文部科学省、総務省)


1 eマーケットプレイス:複数の売り手(販売側)と買い手(調達側)で、財・サービスの交換を行うインターネット上での取引の場。(インターネット取引所ともいわれている。)調達側のコストの削減と販売側の機会増加という双方のメリットが享受出来るため、企業間電子商取引の中で特に重視されている。

2 ネットオークション市場:オークションの場をインターネット上で実現したもの。ホームページ上で紹介された商品に希望購入価格を書き込んで入札し、締切期限までに一番高い金額をつけた人が落札する仕組みを使って行う電子商取引市場のこと。

3 コンテンツID:コンテンツの流通監視、権利情報の管理等のため、すかし技術等を利用して個々のコンテンツ付与されるユニークな番号(ID)。これにより、コンテンツの利用許諾・課金等の適正な実施、不正コピー・不正利用等の抑制が可能となる。

4 WIPO:世界知的所有権機関(World Intellectual Property Organizationの略)。工業所有権や著作権等の知的所有権保護の国際的な促進を目的として、知的所有権分野における国際的規範と基準の確立、関係諸条約の管理、知的所有権に関する法的・技術的情報の提供及び開発途上国における知的所有権制度の確立のための援助を行う国連の専門機関。1970年設立。本部はジュネーブ。

5 ソフトウェアプロセス改善(SPI):Software Process Improvement。ソフトウェア開発に関する作業に関わる諸問題を整理し、改善することにより、プロダクトの品質向上、コスト低減、納期短縮等を図る活動。

6 ICカード:情報の記憶媒体としてIC(集積回路)を組み込んだクレジットカード大のカード。

7 貿易金融EDI:荷主、運輸、金融機関その他の企業間の貿易関連手続き(貨物の権利の移転に伴う手続き、運送契約、保険契約等)の用に供する文書(船荷証券、インボイス等)の情報を電子化し、インターネットにより伝送するためのシステム。

8 eb XML:Electronic Business XML(eXtensible Markup Language)の略。XML(ウェブページを記述する際などに用いる言語)の企業間電子商取引向けの標準仕様で、アメリカの業界団体OASIS(構造化情報標準化振興機構)、国連内の部局UN/CEFACTが標準化を推進。受発注や見積もり等のビジネス上のデータ交換の手順や表現形式に関して規定。

9 公開鍵基盤(PKI):Public Key Infrastructure。公開鍵暗号技術と電子署名を使って、インターネットで安全な通信ができるようにするための技術基盤。認証局を設けて電子署名による電子証明書とともに公開鍵を発行、管理し、通信相手の正当性を証明する仕組みを提供。