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 別添 

電子政府構築計画(改定)

2003年(平成15年)7月17日
2004年(平成16年)6月14日一部改定
各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定


 
第1 基本的考え方


 電子政府の構築は、行政分野へのIT(情報通信技術)の活用とこれに併せた業務や制度の見直しにより、国民の利便性の向上と行政運営の簡素化、効率化、信頼性及び透明性の向上を図ることを目的とするものである。
 これは言い換えれば、「利用者本位で、透明性が高く、効率的で、安全な行政サービスの提供」と「行政内部の業務・システムの最適化(効率化・合理化)」を図ることにほかならない。
 こうした目的の達成をより確実なものとするため、今後の電子政府の構築に当たっては、以下の原則と目標に基づき取り組んでいくものとする。


 電子政府構築の原則


1) 国民にとって使いやすく分かりやすい、高度な行政サービスの提供
 行政機関ごとの縦割りサービスを排除し、国民が利用したい時間・場所において簡単に行政サービスが受けられる機会を確保する。


2) 政策に関する透明性の確保、説明責務の履行及び国民参加の拡大
 電子政府の総合窓口(以下「e-Gov(イーガブ)」という。)などを通じ、政策に関する多様な情報提供を徹底するとともに、政策立案過程における国民の意見提起の機会を最大限確保する。


3) ユニバーサル・デザイン(誰もが使いやすい設計)の確保
 高齢者、障害者の使いやすさにも十分に配慮されたシステム(音声による読み上げ機能に配慮した情報内容の整備等)の導入に努める。


4) 業務効率の徹底的追求
 業務や制度、システムの抜本的な見直しを行い、行政運営の簡素化、業務効率の向上を徹底的に追求する。


5) 民間活力の活用
 情報通信技術の専門性と変化の早さにかんがみ、業務・システムの最適化に当たり、民間の専門家の活用や民間への委託に努める。


6) 情報システムの安全性・信頼性の確保と個人情報保護
 情報システムについて、常に最高水準の安全性、信頼性を確保するとともに、IT社会の基盤である個人情報保護法制の早急な整備と厳格な運用を図る。


7) 国の行政機関以外の機関との連携及び国際連携の確保
 独立行政法人、地方公共団体、国会、裁判所等国の行政機関以外の機関(以下「関係機関」という。)との連携協力により、国民の利便性・サービスの向上等を総合的・一体的に推進する。また、諸外国とも十分な連携を図りつつ、システム構築等にあたる。


8) 活力ある社会形成への配慮
 電子政府を推進することによって、電子商取引をはじめとする国民生活や企業活動におけるIT利用促進の触媒的機能を十分に果たす。


II 目標


 上記Iの原則に基づく電子政府構築を着実に推進することにより、以下の目標の実現を目指す。


1) 利用者本位の行政サービスの提供
 国民が行政組織等を意識せず、多様な手段により、24時間365日ノンストップで(いつでも)必要な情報を容易に入手し、行政手続等についてワンストップで(インターネット上の一つの窓口で)適切な行政サービスを受けることを可能にする。


2) 予算効率の高い簡素な政府の実現
 業務処理過程の重複等の徹底した排除、各府省共通業務・類似業務における共通システムの利用や業務・システムの一元化・集中化、定型的業務等の外部委託の推進等業務・システムの最適化により費用対効果を高め、人的・物的資源の効率的な活用を通じた行政の簡素・合理化を図ることにより、予算効率の高い簡素な政府を実現する。


III 計画の期間、見直し等


 対象機関
 全府省を対象とし、関係機関についても連携した取組を要請する。


 計画期間
 2003年度(平成15年度)から2005年度末(平成17年度末)までの3か年計画とする。


 計画の評価と見直し
 毎年度、計画の進ちょく状況を把握、分析、評価し、その結果を踏まえ、予算編成日程等を勘案して計画を見直す。
 これに関連して、各府省は、電子政府に係る施策を「行政機関が行う政策の評価に関する法律」に基づく政策評価の対象とすることとし、当該政策評価を実施する場合においては、部外有識者の知見を活用するものとする。
 なお、各府省は、毎年度の概算要求時、遅くとも予算編成時までに、複数年度にわたる電子政府の主要施策の所要経費や効果を明示する。


第2 施策の基本方針


 国民の利便性・サービスの向上


 国民の利便性・サービスの向上に関しては、e-Gov(イーガブ)において、2004年(平成16年)1月から、ライフイベント(就職、結婚、退職など人生の主な出来事)及びサービス分野別の手続案内の導入をはじめ、使いやすいシステム整備を図るとともに、国の行政機関が扱う申請・届出等手続についても、各府省が積極的に取り組んだ結果、そのほとんどすべてをオンライン化するなど、一定の成果を挙げたところである。
 しかしながら、行政情報の電子的提供、電子申請等に係る取組については、分かりやすさ、使いやすさなどの面で、必ずしも十分とは言えない状況にあり、引き続き、利用者視点に立ったシステム整備、サービスの改善に取り組んでいく必要がある。
 これらの状況を踏まえ、以下の取組を推進する。


 行政ポータルサイトの整備、充実
 e-Gov(イーガブ)及び各府省のホームページについて、「行政組織単位による一方向の情報提供」から「利用者の視点に立った行政情報・サービスの提供」へ移行するため、その機能、役割分担等を見直し、ワンストップサービス、政府全体として統一性があり、分かりやすい情報の提供等を行う新たな行政ポータルサイトとして、2005年度末(平成17年度末)までに整備する。このため、「行政ポータルサイトの整備方針」(2004年(平成16年)3月31日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)等を踏まえ、以下の取組を実施する。


(1) 各府省は、国民等利用者のインターネットによる行政情報の入手を容易にするため、書面で公表する情報はすべてホームページに迅速に掲載するなど、情報提供の一層の充実を図る。


(2) 「行政情報の電子的提供に関する基本的考え方(指針)」(2001年(平成13年)3月29日行政情報化推進各省庁連絡会議了承。2002年(平成14年)7月30日改定)に基づき全府省がホームページ上に共通のカテゴリーを設け掲載する情報(パブリックコメント、政策評価等)について、掲載項目の見直し、掲載情報の充実を図るとともに、各府省のホームページ画面上における当該カテゴリーの表示位置の整合性を図ることにより、利便性の向上を図る。


(3) 各府省は、e-Gov(イーガブ)において政府全体として体系的、一元的に提供している申請・届出等の手続案内について、手続概要、提出時期等手続に直接関わる情報に加え、利用者にとって有益な関連情報が掲載されたページへのリンクによる案内の充実を図る。


(4) e-Gov(イーガブ)において、地方公共団体、国会、裁判所等国の行政機関以外の機関、民間団体等が運営するホームページその他の情報提供系サイト(データベースを含む。)へのリンクによる案内を拡充するなど、情報提供の充実を図る。


(5) 上記(1)から(4)に掲げるものを含め、行政情報の電子的提供業務について、各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議(以下「CIO連絡会議」という。)の下、総務省が中心となって、2004年(平成16年)7月までに業務・システムの見直し方針を策定する。


 ワンストップサービスの拡大
(1)輸出入・港湾手続のワンストップ化
 輸出入・港湾手続について、既存システムの相互接続にとどまらず、手続の簡素化、国際標準への準拠など関係府省における手続の徹底した見直しをもとに、より信頼度が高くかつ運用コストの低廉な新たなシステムを構築するため、CIO連絡会議の下、財務省が中心となって、業務・システムに係る最適化計画を2005年度末(平成17年度末)までのできる限り早期に策定する。
 また、手続の簡素化、国際標準への準拠の一環として、外航船舶の入出港に関する手続や必要書類の簡素化を図ることを内容とする「国際海運の簡易化に関する条約(仮称)(FAL(ファル)条約)」の締結を行うための措置を2004年度中(平成16年度中)に講ずる。その際、FAL(ファル)条約で求められる締約国の順守すべき規準については、現在、我が国が採用できないとされる標準規定の項目が諸外国と比較し多数存在するが、これらの項目数を先進国並みにまで引き下げるよう、関係省庁は連携して、着実な対応を図る。


(2)自動車保有関係手続のワンストップ化
 関係府省は、自動車保有関係手続について、2005年中(平成17年中)に手続の電子化によるワンストップサービス・システムの稼動開始を目指す。このため、2004年度(平成16年度)には、2003年度(平成15年度)に開発したシステムの改良を行うとともに、対象地域等を拡大して実用化に係る試験運用を行う。


(3)e-Gov(イーガブ)を活用したワンストップサービスの推進
 電子申請システムの利便性の向上及び効率的な整備を図り、e-Gov(イーガブ)を活用して、申請・届出等手続の案内情報の入手から複数申請の一括提出(複数の府省に同一の申請書類を提出する必要がある共管手続、共管公益法人に係る手続を含む。)までを行えるワンストップサービスの仕組みを整備する。このため、「行政ポータルサイトの整備方針」を踏まえ、以下の取組を実施する。


 利用者にとって便利で使いやすいシステムとするため、各府省の電子申請システムをできる限り統合し、申請方法等を統一する。このため、総務省は、e-Gov(イーガブ)に、申請データの作成・送信、補正、取下げなど共通的に利用者に提供する機能及び申請様式の管理、形式チェック等各府省が共通に利用する機能を2005年度末(平成17年度末)までに整備する。これに伴い、各府省は、それぞれの電子申請システムについて、機能の見直しを行う。


 また、CIO連絡会議の下、総務省が中心となって、2004年(平成16年)7月までに電子申請等受付業務の業務・システムの見直し方針を策定する。


 政府調達手続の電子化の推進
 総務省及び各府省は、政府調達における契約の電子化について、2004年度内(平成16年度内)に具体的な実施方策を検討し、これを踏まえ、政府調達に係る業務・システムの最適化を図るため、契約の電子化を着実に推進する。


 オンライン利用の促進のための環境整備
(1)オンライン利用の促進方策
 国の行政機関が扱う申請・届出等手続のオンライン化の基盤が整ったところであり、今後は、この整備された基盤を活用し、オンライン利用の向上を図っていくことが重要である。
 オンライン利用については、我が国のインターネット普及率と同程度となるよう目指すものとするが、オンラインの利用は国民等利用者の選択によることから、これを促進させるため、年間申請件数の多い(年間申請件数10万件以上)手続を重点に、業務の効率化による実費の手数料への適切な反映、添付書類を含め手続そのものの簡素化・合理化の徹底、業務処理の短縮化を図り、オンライン利用の利便性を実感できるようにする。
 このため、各府省は、2005年度末(平成17年度末)までに以下の取組を実施する。


 「行政ポータルサイトの整備方針」を踏まえ、総務省は各府省の協力を得て上記2(3)アのe-Gov(イーガブ)に整備する共通的に利用者に提供する機能について、各府省は個別手続専用の電子申請システムについて、それぞれ仕様の公開、代理人による手続への対応を図るなど、利用者の利便性向上に資する措置を講ずる。


 利用者の視点に立ったサービスの向上を図るため、「行政ポータルサイトの整備方針」に基づき、総務省において、e-Gov(イーガブ)(e-Gov(イーガブ)に整備する各府省が共通に利用する機能を含む。)の利用方法等についての相談・案内に一元的に対応する電子政府利用支援センターを2005年度末(平成17年度末)までに整備する。


 オンラインによる手続については、利用者が時間的な恩恵を享受できるよう、原則として24時間365日受け付けるものとする。また、受付から審査、結果通知等までの一連の事務処理について、引き続き電子化を進め、処理期間の短縮を図る。


 オンライン利用に係る手数料については、引き続き、業務・システムの効率化による行政経費の低減を図り、実費を適切に反映した手数料を設定する。


 各府省は、申請・届出等手続について、「手続の簡素化・合理化計画」(2004年(平成16年)2月10日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議報告)に基づき、2005年度末(平成17年度末)までに、必要性の乏しい手続の廃止、頻度軽減などの措置を講ずる。
 また、特に、年間申請件数が10万件以上の手続で業務・システムの最適化計画の策定対象となっているものについては、各府省は、計画の策定過程において、手続の簡素化・合理化の観点からの見直しを重点的に実施する。


 添付書類の提出についても、できる限りオンライン化するため、民間が発行する証明書等の電子化について、所管府省は、府省別の計画に沿って、2005年度末(平成17年度末)までに所要の措置を講ずる。
 なお、電子申請システムを利用して送信することができない添付書類(電子的に発行することが困難な証明書等)をスキャナー等を利用して電子化し、オンラインで送信できるようにするための方策については、CIO連絡会議において引き続き検討を進める。


 年金に関する情報など国民等利用者からの照会、相談などが多く、関心が高いものについて、本人確認を厳格に行いつつ、インターネットによる回答、教示等を行うサービスの提供を推進する。


 e-Gov(イーガブ)及び各府省のホームページ並びに広報誌等各種媒体を活用し、オンラインで行える手続、その利用方法、利便性(オンライン利用の際の処理期間、手数料等)などを周知する。また、オンライン利用状況や改善要望等の把握・分析を行い、的確な利用説明会、講習会の開催や申請窓口、関係団体を通じた普及・啓発を行う。


(2)多様な手段による電子政府利用環境の整備(マルチアクセス環境の整備)
 e-Gov(イーガブ)、各府省のホームページや電子申請システム等の国民等利用者と行政との間の情報のやり取りに係る各種システムについて、多様な手段により電子政府を利用できる環境整備を推進するため、各府省は、以下の取組を実施する。


 高齢者や障害者を含めて誰もが容易に利用できるシステムとするため、ウェブコンテンツ(掲載情報)に関する日本工業規格(JIS(ジス))の策定動向を踏まえ、システムの使いやすさ、分かりやすいエラ−メッセージの表示等必要な改善を図る。また、国民等利用者の要望、技術動向等を踏まえた多様なOS(オーエス)(オペレーティングシステム)、ブラウザ(ホームページ閲覧ソフト)、文書作成ソフトウェア等への対応などに留意する。さらに、総務省において、容易にオンラインによる手続を可能とする取組を先行的に進めるとともに、その成果を踏まえ、各府省間の整合性を図りつつ、各府省において所要の措置を講ずる。


 電子的な利用手段を持たない国民等利用者の利便性の向上を図るため、国の出先機関の施設はもとより、地方公共団体等との連携協力を図りつつ、地方公共団体の施設(公民館、図書館等)、郵便局、学校等国民に身近な施設から容易かつ安全に利用することができるよう必要な環境の整備を進める。


 携帯端末、携帯電話の普及など、通信手段の多様化に対応するため、行政情報の提供について、システム、情報内容の見直しを進める。


II IT化に対応した業務改革


 従来の行政事務のIT化は、既存の業務及び制度を前提としたものにとどまり、IT導入に当たって、業務の制度面・運用面からの見直し、さらに見直しに基づいた新たな業務の処理形態に対応したシステムの構築・運用に関する取組が不十分である。また、情報システムの整備についても、各府省に共通する業務、類似の業務に関して各府省において制度との整合性は図りつつも、区々にシステムの整備・運用が行われているなど、IT導入による業務・システムの最適化が十分に図られているとは言い難い状況にある。
 このような認識の下、政府は、昨年12月までに政府全体の業務・システムの体系的な整理を実施し、これを踏まえ、各府省に共通する業務・システム(21分野)及び個別府省の業務・システム(51分野)について、業務や制度の見直し、システムの共通化・一元化、業務の外部委託などを内容とし、業務処理時間や経費の削減効果(試算)を数値で明示する最適化計画を2005年度末(平成17年度末)までに策定することとしたところである。
 これに基づき、政府として、業務・システムの最適化による行政運営の簡素化・効率化・合理化を戦略的、横断的に推進するため、以下の取組を推進する。


 業務・システムの最適化
(1)府省共通業務・システム及び一部関係府省業務・システム
 「府省共通業務・システム及び一部関係府省業務・システム並びに担当府省について」(2004年(平成16年)2月10日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)に掲げる府省共通業務・システム及び一部関係府省業務・システム(内部管理業務の業務・システム及び共通システムについては、2及び3を参照。)については、担当府省が中心となって、2005年度末(平成17年度末)までのできる限り早期に、各業務・システムに係る最適化計画を策定する。
 その際、各府省に共通するシステムについては、政府全体で一元的なシステム構築を行い、全府省が利用する等、システム構築に係る無駄な重複投資を排除し、効率的な予算執行を図る。


(2)個別府省業務・システム
 「個別府省業務・システムについて」(2004年(平成16年)2月10日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議報告)に掲げる個別府省業務・システムについては、2005年度末(平成17年度末)までのできる限り早期に、各府省において、各業務・システムに係る最適化計画を策定する。なお、個別府省業務・システムについては、業務・システムの分析状況等を踏まえつつ、各府省において、適宜、追加等の見直しを行う。
 特に、いわゆる旧式(レガシー)システムについては、当該システムを保有する府省において、次の事項を踏まえつつ、上記の各業務・システムに係る最適化計画の一環として、各府省ごとの「レガシーシステム見直しのための行動計画(アクション・プログラム)」に基づき、引き続き必要な見直しを行う。
1) 刷新可能性調査を通じ、
 汎用パッケージソフトウェアの利用
 オープンシステム化
 ハードウェアとソフトウェアのアンバンドル化(分離調達)
 随意契約から競争入札への移行
 データ通信サービス契約の見直し
 国庫債務負担行為の活用
の可能性について検討する。
2) システムの構成、調達方式等の見直し及び徹底した業務改革により、大幅な費用低減及び業務運営の合理化を図る。システムに係る費用については、システム開発費用、保守等の維持運用費用に加え、通信費、施設利用費など当該システムの開発、運用期間を通じて必要となる費用全体を踏まえて検討するものとする。
3) 他府省の事例や国内外の先行事例、成功事例を収集・分析し、システムの効果的な見直しを図る。
4) 関係する政府内、民間、諸外国のシステムとの相互運用性を確保する。
5) システムの刷新による投資対効果を明らかにする。


(3)業務・システムの見直し方針の策定
 各府省(府省共通業務・システム及び一部関係府省業務・システムにあっては担当府省。以下この項において同じ。)は、各業務・システムの最適化計画の策定に向け、当該最適化の基本理念及び具体的な改革事項を内容とする業務・システムの見直し方針を遅くとも2005年(平成17年)6月までに策定し、政府全体における業務・システムの最適化の具体的な取組事項について、その全容を明らかにする。


(4)業務・システムの最適化に係る作業の透明性、整合性の確保
 最適化計画等の公表
 各府省は、業務・システムの見直し方針及び最適化計画(旧式(レガシー)システムにあっては、上記1(2)の行動計画に基づき行われる刷新可能性調査結果等各段階の取組状況を含む。)について、当該業務・システムのセキュリティ(安全性)に直接かかわる事項のように、公表することが不適切である事項を除き、各府省情報化統括責任者(CIO)補佐官等連絡会議に報告し、助言を受けるとともに、インターネットの利用その他により公表する。
 特に、国民、企業等に密接に関係する業務・システムの見直し方針及び最適化計画については、各府省においてパブリックコメント(意見募集及び結果公表)を行う。
 また、最適化計画に基づき整備するシステムの仕様書等については、情報システムに係る政府調達事例データベースにより、各府省情報化統括責任者(CIO)補佐官等連絡会議を含む政府内の共有を図るとともに、インターネットを通じ広く一般の利用に供する。


 最適化に係る作業の統一的実施手順
 業務・システムの最適化を政府全体として整合性を確保しつつ進めていくため、業務・システムの最適化に係る作業の統一的実施手順を定めた「業務・システム体系一覧作成指針(ガイドライン)」及び「業務・システム最適化計画策定指針(ガイドライン)」を各最適化計画の策定に活用する。
 「業務・システム最適化計画策定指針(ガイドライン)」については、システムの設計手法、管理手法に係る国際標準、事実上の標準の動向を踏まえ、随時見直しを行う。
 なお、「業務・システム最適化計画策定指針(ガイドライン)」に基づき各最適化計画に添付する設計資料については、情報システムの構築過程を通じて適切に作成・更新を行うことにより、業務・システムの最適化を継続的に行う環境を整備する。


 内部管理業務の業務・システムの最適化
 人事・給与等業務、共済業務、物品調達、物品管理、謝金・諸手当、補助金及び旅費の各業務について、業務の改革を行った上で、徹底したシステム統合により重複投資を避けるなど、全体最適の観点から組織横断的に取り組み、業務・システムの最適化を図る。


(1)人事・給与等業務
 人事院、総務省、財務省及び各府省は、「人事・給与等業務・システム最適化計画」(2004年(平成16年)2月27日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)に基づき、情報システムの統一化、情報の電子化と処理の自動化、業務処理手続等の簡素化など、業務・システムの最適化に取り組む。


 人事院、総務省及び財務省は、2004年度末(平成16年度末)までに人事・給与関係業務情報システムの主要な部分を整備する。


 各府省は、2004年(平成16年)6月末を目途に策定する導入計画に沿って、個々に整備・運用している人事・給与等業務に係る既存のシステムを2007年度末(平成19年度末)までに、人事・給与関係業務情報システムに更新する。


 国家公務員の給与の全額振込化について、職員の協力を得つつ推進し、2005年度末(平成17年度末)までに、山間・僻地等全額振込化が困難な地域を除き、各行政機関において原則として100%の実施を目指すとともに、各行政機関別の実施状況を定期的にフォローアップする。


(2)その他官房基幹業務
 共済業務については、CIO連絡会議の下、財務省が中心となって、また、物品調達、物品管理、謝金・諸手当、補助金及び旅費の各業務については、CIO連絡会議の下、経済産業省が中心となって、「官房基幹業務・システム最適化計画(仮称)」を2004年(平成16年)7月までに策定する。


 各府省は、共済、物品調達、物品管理、謝金・諸手当、補助金及び旅費の各業務について、上記最適化計画に基づき、業務・システムの最適化に取り組む。


 共通システムの最適化
 「共通システムの見直し方針」(2004年(平成16年)3月25日行政情報システム関係課長連絡会議了承)に基づき、霞が関WAN(ワン)(電子文書交換システムを含む。)及び政府認証基盤については、行政情報システム関係課長連絡会議における検討を踏まえ、CIO連絡会議の下、総務省が中心となって、2004年度末(平成16年度末)までに、また、府省内ネットワークについては、各府省において、2005年度末(平成17年度末)までのできる限り早期に、それぞれ最適化計画を策定し、システムの見直しを進める。


III 共通的な環境整備


 各府省は、府省内の「情報化推進委員会」等について、情報化に関する方針の策定・推進に加え、IT化に対応した業務の見直し、情報システムの整合性確保、情報化推進に必要な予算・執行の調整、人材育成等も担う組織として充実・強化を図った。
 また、CIO連絡会議に電子政府全般に精通した外部の有識者の参加を図ったほか、各府省にも、原則として、専門的知見を有し、独立性・中立性を有する外部専門家を情報化統括責任者(CIO)補佐官(以下「CIO補佐官」という。)として配置するとともに、各府省のCIO補佐官からなる「各府省情報化統括責任者(CIO)補佐官等連絡会議」を設置し、電子政府構築のための推進体制を充実・強化したところである。
 引き続き、効率的で、安全で、連携のとれた電子政府を構築していくためには、1)推進体制の充実・強化、2)情報システムの整備・運用管理の高度化、3)個人情報の保護を含む情報セキュリティ対策の充実・強化、4)関係機関との連携協力を図っていく必要がある。
 このため、以下の取組を推進する。


 推進体制の充実・強化
(1)府省内各部門の連携強化等
 各府省は、最適化計画と予算要求・執行を連動させ、府省内のシステム投資を統括する仕組みを確立するとともに、情報化統括責任者(CIO)の下、情報システム部門、組織・定員部門、政策部門、会計部門等の関係部門が密接な連携を図り、業務・システムの最適化による行政運営の簡素化・合理化に戦略的に取り組む。
 また、各府省は、研修などの充実により職員の情報活用能力の向上に努め、内部人材の育成を図る。


(2)外部専門家の活用
 各府省は、外部の専門家等を活用し、情報化統括責任者(CIO)補佐官の支援体制、各業務・システムの最適化の取組に係る工程管理(プロジェクトマネジメント)、仕様策定、システム監査などを実施するための支援体制を整備し、府省内の業務・システムの最適化その他電子政府構築に係る推進体制の一層の充実・強化を図る。


 情報システムの整備・運用管理の高度化
(1)情報システムに係る政府調達の改善
 各府省は、「情報システムに係る政府調達制度の見直しについて」(2002年(平成14年)3月29日情報システムに係る政府調達府省連絡会議了承。2004年(平成16年)3月30日改定)に基づき、総合評価落札方式における加算方式による評価、低入札価格調査制度の活用、競争入札参加資格の柔軟な運用、開発工程管理手法(プロジェクトマネジメント手法)の活用を通じた調達過程の適正な管理等、質の高い低廉な情報システムの調達に必要な取組を推進する。


(2)外部委託の推進
 各府省は、「国の行政機関における情報システム関係業務の外注の推進について」(2000年(平成12年)3月31日行政情報システム各省庁連絡会議了承)を踏まえ、引き続き、外部委託を推進する。


(3)技術的共通課題の検討
 各府省が業務・システムに係る最適化計画策定過程等において、各府省共通の課題として検討が必要な技術的共通課題については、行政情報システム関係課長連絡会議において、引き続き検討を進める。


(4)文字情報・コードの整備
 経済産業省及び関係府省は、行政情報化の共通基盤の一環として、将来的な国際標準との整合を視野に入れつつ、官民が汎用的に利用できる文字情報データベースの整備を進め、2005年度末(平成17年度末)までに構築する。


(5)情報システムの高度化
 各府省は、業務・システムの最適化計画を踏まえ、IPv6(アイピーバージョンシックス)等新たな技術革新の成果の導入を順次進め、情報システムの高度化を図る。


 情報セキュリティ対策等の充実・強化
(1)情報システムの安全性・信頼性の確保
 各府省は、「情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」(2000年(平成12年)7月18日情報セキュリティ対策推進会議決定。2002年(平成14年)11月28日一部改定)に沿って2002年度(平成14年度)に改定した情報セキュリティポリシー(情報システムの安全確保の指針)に基づき、引き続き、安全なネットワーク設計、外部監査の実施、外部委託先の適切な管理など情報セキュリティ確保のために必要な措置を講ずる。
 特に、電子政府の基盤となるシステムについては、その安全対策を徹底し、信頼性の確保を図る。


 各府省は、情報セキュリティに関する信頼性の高い情報システムの構築を図るため、「各省庁の調達におけるセキュリティ水準の高い製品の利用方針」(2001年(平成13年)3月29日行政情報化推進各省庁連絡会議了承)に基づき、情報セキュリティに関する評価・認証を受けた製品等の利用を推進する。


 各府省の情報システムの構築に当たり暗号を利用する場合には、「各府省の情報システム調達における暗号の利用方針」(2003年(平成15年)2月28日行政情報システム関係課長連絡会議了承)に基づき、客観的な評価を得た、一定水準以上の安全性・信頼性を有する暗号の利用を推進する。


(2)個人情報保護法制の施行に向けた準備と厳格な運用
 我が国におけるIT社会の急速な進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることにかんがみ、公的部門にふさわしい個人情報の適正な取扱いを定める「行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律」その他関連法律の2005年(平成17年)4月1日からの施行に向け、総務省は、個人情報の適切な管理に関する指針等を策定、同法の周知などを図るとともに、各府省は、個人情報の適切な管理に関する定めの整備、職員への教育研修を行うなど、適切な施行準備を行う。また、施行後は法の適切かつ厳格な運用を行うことにより、個人の権利利益の保護を図る。


 関係機関との連携協力
(1) e-Gov(イーガブ)について、「行政ポータルサイトの整備方針」に基づき、関係機関の協力の下、各機関が運営するホームページその他の情報提供系サイト(データベースを含む。)へのリンクによる案内の充実を図るとともに、e-Gov(イーガブ)から関係機関の電子申請システムにおける個々の手続画面への案内が可能となるよう、e-Gov(イーガブ)と連携する場合のインターフェースに関する仕様等必要な情報を提供する。


(2) 独立行政法人が行う業務については、国の行政機関の取組に準じて業務・システムの最適化を推進するものとし、所管府省は中期目標に最適化計画の策定について盛り込む等の措置を講ずる。
 また、国会、裁判所が行う人事、給与等内部管理業務についても、国の行政機関の取組に準じて業務・システムの最適化を推進するよう要請する。


(3) 国の行政機関と地方公共団体との間のネットワークについては、原則として総合行政ネットワーク(LGWAN(エルジーワン))を活用する。
 また、国の行政機関と独立行政法人、国会等との間においても、業務の効率化・合理化を図るためネットワーク化を推進する。


(4) 国、地方公共団体を通ずる行政の情報化に総合的・一体的に取り組むため、電子行政推進国・地方公共団体協議会(2003年(平成15年)8月29日設置)において、霞が関WAN(ワン)と総合行政ネットワーク(LGWAN(エルジーワン))を利用した情報の交換及び共有の在り方、行政ポータルの連携の在り方などについて、引き続き、意見の交換、情報の共有を行う。