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 トップ会議等一覧IT戦略本部IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会 [印刷用(PDF)]


IT戦略の今後の在り方に関する専門調査会(第3回)議事要旨



  1. 開催日時:平成14年12月17日(火) 16:30〜18:30

  2. 場  所:合同庁舎4号館共用第一特別会議室

  3. 出席委員:
    石黒委員、出井委員(座長)、大江委員、大橋委員、大山委員、小野委員、 清原委員、国領委員、清水委員、鈴木委員、高橋委員、多賀谷委員、田村委員、 成毛委員、廣川委員、村井委員(座長代理)、村上委員

    ※その他の出席者:細田IT担当大臣、事務局(内閣官房)


(議事次第)

  1. 開会

  2. 第16回IT戦略本部の概要報告

  3. 各グループの検討状況報告

  4. 自由討議

  5. 閉会


(配布資料)
 資料1 新戦略の構成(案)
 資料2 新戦略の基本理念(案)
 資料3 現戦略との関係
 資料4 今後の日程(想定)
 資料5 IT戦略:構造改革検討グループ
 資料6 石黒委員提出資料
 資料7 新IT戦略:「新価値創造」の骨子案
 資料8 安心・安全・感動分科会報告


(会議概要)

1.開 会

(1) 細田IT担当大臣から挨拶が行われた。


2.第16回IT戦略本部の概要報告
(1) 事務局から、12月9日に開催されたIT戦略本部において出された意見の概略につき、説明が行われた。


3.各グループの検討状況報告及び自由討議
(1) 座長代理から、新戦略の総論・骨子について、資料1〜3に基づき説明が行われた。これに対し、以下の自由討議が行われた
大前提として、国家戦略を公開するのかしないのかといった議論がある。公開の是非について、総論の中で考えておくべき。国家戦略をやるときにいつも思うが、米国では積極的な外交を行うが、どうしても日本はその辺のところが弱い。携帯電話(PDC)の海外展開についても然り。もう少し企業をサポートする立場を鮮明にしていくべき。ふわっとした戦略だけでは、具体性にも欠け、我が国産業の活性化につながらない。戦略的な動きを明快にやることが大事だが、その時に、公開か非公開かということが大きな問題となる。第三世代携帯電話のインフラ整備の関係で戦略的な動きができるかもしれないが、まずは基本方針としてこのようなことを実行する仕組みを考えることが必要。
新国家戦略に関して、利活用の重視は大きな柱だが、このままだと、既存のインフラを活用するだけか、これまで進めてきたインフラ整備の勢いを止めてしまうのかという誤解を与えかねない。既存インフラでのITの活用と同時に、第一段階で進めてきたブロードバンド化を更に進めるという視点、日本としてユニークなITインフラを作っていくという視点を入れておくことが必要ではないか。
私も全く同じ意見だが、インフラ整備をどういう形で進めていくかを考える時に、どう使われるかという視点を今まで以上にきちんと考える必要がある。
現在のe-Japan戦略の策定にあたっては、インフラを重視しすぎて、ハードに偏っているのではないかという批判を多く浴びた。しかし、インフラがなければアプリケーションもでてこない。インフラはIT基本法に入っているが、アプリケーションだけでなく、インフラについても今後も当然必要。今のADSLでは少々不十分というところもあるし、その辺は、必要に応じて書き込んだほうがよいかもしれない。
ITの利活用というと古いITのイメージが残ってしまう。表記としては、e-Japanだとか、ユビキタスだとかいう形容詞を付けたほうが良い。戦略の公開・非公開については、公開すべきと考える。公開されることによって、新しい刺激を生み、事業に繋がり、広がりを持つ。例えば、結果的には評価が分かれるかもしれないが、第5世代のコンピュータがなかったら、日本にはオブジェクトオリエンテッドな人たちというのはできなかった。やはり公開していくことが非常に重要。
民主導と民任せとは異なる。民主導で動いたストラテジーを、いかに総力でサポートしていくかということが大切。民主導の本当の意味を考えることが大事。
これから取り組むべき課題として、ITの専門家ではない、一般国民のIT利活用がある。ユビキタスやIPv6という用語ではだめ。生活者基点というイメージで、明らかに国民全体にどのような具体的利益があるかわかるようにすべき。国民の興味は、どのようなIT技術を使ったらどうなるかではなく、ITを使ったら現実に医療費が安くなる、ITを使ったら無駄な公共投資がなくなる可能性があるといったところにある。インターネットで面白い映画を見るといったことではなく、一般国民が理解でき、本当に嬉しいと思うことを言わなければ戦略にはならない。かといって、ユビキタスをやるなとかいっているわけではない。これば別のレイヤの話。ただし、個人のIT利活用を国が進めるというのは甚だおこがましい話。国が個人の使いたくなるようなものを作り、その後押しをするというのはおかしなこと。これまでの戦略はインフラ主体でよかったが、次の世代は別であり、国民にとっての具体的な利益を示し、それをイメージできることが重要。
個人の得や社会・組織の得は良いが、利活用というのは不適切であるということか。
IT というインフラを使ったとき医療がスムーズに流れるといったような、具体的なITのイメージを持てることが重要ということ。
利活用するために、例えば、その妨げになっている制度等を見直すというような行政の役割は含まれているということか。
両方の問題があるかもしれない。
IT戦略本部で申し上げたが、ITには素人にもわかり易い部分と玄人にしかわからない部分とがある。セキュリティなどは特にそうだが、専門家でなければ意味がわからないが、やらなければならないもの。双方を含めながら報告を作る必要がある。もうひとつ、経済協力については、個別企業と結びつく形で行うととかく批判される。今後はもっと良い方法を考えていく必要がある。公開・非公開の問題については、仮に公開すべきでないという問題があるなら、その時考慮すべき。基本は公開であると思う。
区役所に実印を取りに行った時、手数料の300円は高いと思うが、役所で本を読んでいる人を見ると、ああいう人も養っているのかと思い、そう高くはないのかなとも思う。こういう議論は結構根が深いところにある。得になるというのは、皆が払う負担が安くなるということと、手続が非常に簡単になるということ。そういうことをあまり手段論で議論してはいけない。
米国の電子政府の担当者に、電子政府の目的は何かと聞くと、ひとつは「減税」であると答える。役人が効率良くなった分だけ消費者に返さなければいけない。企業は効率化すれば価格を安くする。電子政府の場合はそれは減税。国家が合理的になれば減税になるということ。
インフラ整備が進んだので、利活用を進めるという話になっているが、視点が逆であり、自分の目的達成のためにITをどう使うかということが重要ではないか。
ITの利活用については、民も官も全てという視点が必要。
最終的に国民一般に遡及するデモンストレーションを行っていくことと、インフラの構造をどうしていくかという議論はきちんと分けて行うべき。前半のデモンストレーションとR&D或いはインフラ整備は違うレベルで議論しないとおかしなことになる。
利活用というが、ネットワークの利用の範囲が、使う技術によって全く違う形になる。ネットワークの状況が異なる場合では、利用の仕方も大きく異なり、区別して考えないと混乱する。利活用も良いが、全ての人が使え、全てのものが繋がるネットワークを作ろうというテーマがある。結果的にはユビキタスになるのかも知れない。
ITの利活用という言葉は、個々の国民がネットワーク端末や携帯などを持っていないとITが使えないというイメージを持たせる。そうではなく、携帯電話やインターネットを全く使わない人でも、ITのおかげで、こんなに便利になったというイメージが持てる用語の方が良い。結果的に、後段には間違いなくIPv6等への言及があるだろうが、目指す世界がIPv6の普及などというのは滑稽なこと。大多数の国民がITでこんなに便利になるというイメージを持たせ、そのためには、ネットワークの整備や、OSのセキュリティが必要だという順番のはず。専門用語を並べ立てているだけでは、ベンチャーも関心を持てないし、高齢者も興味の持ちようがない。言葉の問題だと思う。
ITによって、薬局でいつも待たされていた薬がすぐにもらえるようになったというようなこと。そういうことをちゃんとしなければいけない。
貴重なご意見感謝。その他のご助言あれば、メール等でいただきたい。
ほかの分科会にも参加したいという意見があったが、原則的にはひとつの分科会の所属としていただき、ご意見があれば事務局か座長代理に意見を送付いただき、専門調査会で意見表明等をしていただきたい。第1フェーズはこのように進めたい。次に、各グループの主査から、5分程度で検討状況の報告をいただきたい。

(2) 各グループ(下記参照)から、それぞれの検討状況につき報告が行われた。これに対し、以下の自由討議が行われた。
安心・安全・感動社会の構築グループの検討状況報告(資料8)
構造改革グループの検討状況報告(資料5)
新価値創造グループの検討状況(資料7)
国際戦略グループの検討状況報告

まず、安心・安全・感動社会の構築に関してご議論いただきたい。
一億総クリエーターという表現があるが、受発信の関係からいうと、完全双方向ということをもう少し強調すべきではないか。高度ダウンロード社会ということではなく、双方向でやっていくことで、そこから感動が生まれるというようにしていただきたい。
国の役割として、特に技術開発・研究開発をしっかりと行うべき。
ITを使ったユニバーサルデザイン等は非常に重要。この分野はある程度政府が傾斜的に努力しないといけない分野。健常者にとって不要なものを導入したりするのでコストが高くなるが、政策的な援助がかなりできる部分だと思う。ユニバーサルデザインなど、米国ではかなり義務化されているものもある。そういう点はかなり取り入れていって良いと思う。
教育について。国民一般のリテラシーについては、教育というより知識交換という観点が強い。即ち、上から教え育てるのではなく、老若男女関係なく、知識交換というイメージが強い。教えるのだというイメージではなく、フラットなイメージの方が、ITを普及させる上で、受け入れられ易いのではないか。
知とか知識とかインテリジェンスとか、そういう言葉をここで使えないかと考えている。
教育分野で、特にここ1、2年で大きく変化があるのは、専門職大学院であり、国が2004年から始めるという状況。このスピードに遅れないような形で議論を進めることで結果を出せるのではないか。IT側でコンセプトを提示しても、相手側で受け皿がなければ話が進まないが、専門職大学院に関しては、ロースクール等ができつつある。そこで、IT関連の専門人材育成についても話が出るが、お金はどうするのか等で結局行き詰ってしまう。できれば、こういった点につき十分議論を行って、手厚く予算をつけていただき、大学が心配しなくても良いようにしていただきたい。
安全について、「第一義的に国や自治体の行政の責務である」と書いてあるが、本当にこれでうまくいくのか。「安全」の保障については、社会の中で強制力があるかというところが重要であるものの、国では到底届かないというところが出てくるので、もう少し民の役割、コラボレーションを書いたほうが良い。
認識は一緒である。
4ページの下に、「ユニバーサルアクセシビリティ」とあるが、どの辺までの扱いと考えているのか。
まだそこまではつめていない。
先程の話で、双方向というのは、まったくそのとおりだと思う。例えば、12Mbpsは双方向ではなく、何か新しいポイント・ツー・ポイント、例えばビデオ会議等を行った場合、全く役に立たないことがわかる。例えば8Mbps をフルに使用する製品が設計されており、それがネットワークに接続された時点で動かなくなる。どういう趣旨で双方向というものを考えているか。
今までの光ファイバの限界という3.2Tbps を超えるため、SC光源とか、100Gbps伝送用IC だとか、そういうものが必要。ADSLを伸ばしていっても、VDSLでさえ60Mbpsが最高 、双方向では30Mbps 程度にしかならない。今の技術を前提とするのではなく、もっと高い技術を前提とした場合に、いろいろなところがボトルネックになるが、それを解消していくため、政策シフトが必要。それを前提とした完全双方向ということ。念頭に置いているのは、光を軸としたユビキタス環境である。
最初に指摘のあった問題がある気がする。例えば、日本はテレビ電話システムをものすごく早く受け入れるかもしれないが、そうすると、映像と音声が双方向に流れることになり、今のシステムをかなり考え直さなければいけない。「新しいコミュニケーションの世界を作る」と言った方が、今の話を技術的には包含しつつ、制度的にも問題点を洗い出しつつ、イメージとしてわかりやすいかなと思う。安心・安全・感動グループの報告は、非常に人に優しい部分であるが難しい。
インターネットの最大のコンテンツは出会い系サイトなどのコミュニケーションである。それを一挙に光まで広帯域に持っていってしまうと議論しにくくなるのではないか。今のADSLレベルでできることもあるのではないか。
難しいというのはどの部分がどう難しいのか。
具体的な施策と評価基準が難しいという点では難しいのではないか。
なぜ感動の視点、安全・安心の視点にこだわったかというと、どう焦点を絞り、戦略としてどのようにとりまとめていくのかを検討するにあたって、コミュニケーションの問題と教育の問題が非常に重要であり、それがクレディビリティにつながると考えているからである。また、次代の安全とネットワーク社会の安全とは相互につながりを持っており、ITの安全を保障するといった場合、国家だけでなくむしろ民がつながりを持って国際的に安全を保障しなければならない。このあたりは他のグループとのつながりを取りながら重点化を図らなければいけないと考えている。

次に、構造改革に関連して議論いただきたい。
定量的な評価指標とあり、2ページ目に表があるが、具体的な評価指標例であれば良いが、あまり定量的な効果測定ばかりにしてしまうと、政策評価の限界であるが、数字が一人歩きしてしまう。本当に必要なところを外して、別なところでモデル的な指標を作ってしまうと危ない。ただ、医療、食、生活、金融という分野については良いと思う。
例示された4分野は、非常に規制が大きく効いており、規制制度の見直しが必要と言われている分野でもある。1ページ目に官民の役割分担が説明されているが、官の規制が邪魔していたから前進しなかった分野で、官の役割を更に大きくするかのような結果とならないようにして欲しい。例えば、競争政策について、公正取引委員会がきちんと出てきて、執行のところをきちんとやるとか、役割分担がはっきり見えるような形で、表現していただけると本当に効果が上がるのではないか。
資料6を配布しているが、公正取引委員会に任せれば大丈夫だとは、今の公正取引委員会については言えないということを書いている。ご参考まで。
アナログ的なシステムの破壊も一緒に行わないとできないことが沢山ある。特区の問題や医療機関の株式会社化の問題なども含まないといけない。そちらのほうが効果が大きい。全ての分野が絡んでいる。その辺をどうやって取り入れるか。ものによっては、アナログ的なシステムの破壊が大きく、ITはごく一部というのもある。これを一緒に書くのか書かないのか非常に難しい問題。
ITとは何か。技術ではなく、ある種のコンセプト、科学なのであって、それが様々な国の規制を排除するとか、不要な慣習を排除するひとつの武器になっている。そういう認識が国民にあれば、ユビキタスをやれ、アジアにブロードバンドを引いても良いという状況になる。ITが古い体制・体質を打破する武器になるのだということを見せることが重要。また、安全についてユーザーが一番不安に思っているのは、わけのわからない国からコールバックで変な電話料金が請求されること。これまでは電話を止めるしかなかったが、本当にやるべきことは自動料金振替の上限を定めること。後は民間同士でトラブルの解決をすれば良い。必ずしもITに解決策を見出さなくても、ITに関連したものは数多くある。ITの技術的側面以外からもITを考える時期に来たのだということ。
評価法として、目標を設定することについては大賛成。特に官民を上げたBPRということが、最後まで残っていて欲しいと思う。BPRをやるからには、官も民も、結果として人員削減が行われなければいけない。そういう意味では単なるQOLではなく、それに関わる官の人員削減が入ってこないと、税金が下がるというのは幻想に過ぎなくなる。構造改革という観点からは、かなりそういう角の尖ったものも入らないといけない。
民では既に行っているとの発言があったが、ひとつの議論として、民はやはりできていないという問題意識もある。
BPRをやっている企業では、結果として多くの人が失職している。
まだ十分できていない民に関してやるべきことがないかどうか。
少なくとも上場している民間企業は、ガバナンスが働いている。それは放っておいても構わないし、放っておいてくれと民は言うと思う。
株価等、マーケットがそれを突きつけると思う。
医療、食、金融等のアナログ的なシステムを倒さなければいけないとのことだが、アナログのシステムを正面から突破しようとしても無理であり、倒せないに決まっている。基本的に新しいシステムの中で、旧体制がスカスカになって倒れていくのを待つ。ITが風穴を開ける。例えば、医療について、株式会社化をしなくても、医者自体に広告を許して、医者に関する情報、例えばある医者がどの程度の医者なのか、どの程度の技術があるのか等の情報がネットワークを流れていくようになれば、医療システムは恐らく根本的に変わるだろう。食肉のトレーサビリティと同様である。消費者が食物を買う前に食物の情報を手に入れる。情報システムの方へ制度の中身を動かすことによって、制度自体が新しく変わってくるだろう。
医療について、電子カルテをはじめとしてかなり普及し始めている。制度的な面でこの書面電子化というのはどこを書かれているのかまずお聞きしたい。医療事務の効率化ができないのは、医療の問題ではなく、別のところの制限による。医療の電子化ではなく、事務の効率化、支払いの電子化というものを徹底すべき。規制緩和の一環として、平成15年度に財務省が行うことになっているが、それを前倒しさせるとか書けないか。ITを使えば良いという話だが、電子化することによって高くなるケースが沢山ある。これは絶対に意味がない。民間企業はIT化を進めてきたと思うが、同じことを政府、自治体、公的機関全てにおいてまず徹底すべき。経費を上げるためではなく下げるためということをはっきりさせないといけない。韓国では、病院の情報システムとして、各種画像、エックス線写真、事務関係の電子化が普及した。その理由は保険点数をつけたからだが、結果として、医療費が3割以上アップした。結局コストが上がっては何もならない。それが基本として位置づけられるべきと思う。
アナログ的なものを打破するということだが、このグループを引き受けた時に、大変なものを引き受けてしまったと感じた。壊すものが出てくるとは思うが、例えば規制の話にしても、これまでは競争政策だとか組織の話が中心であった。今回は、何か新しいビジネスモデルをやろうという方がやれて、その中でアナログ的な制度が崩れていくというように考えている。そういう意味で株式会社化のようなものは記述していない。それは手段であって目的ではない。プロセスを見直し、きちんと利益の出るような形に持っていくために必要な規制改革とは何かを考える。出てくる結果は一緒かもしれないが、今までとは、味付けとか、重みの置き方が多少異なると考えている。その意味で指標が非常に大切である。指標が一人歩きしないようにすることが大切ということも事実だが、それを配慮して、ただぼやっとしたものにしてしまうとただの精神論で終わってしまう。最終的に、官も民もITを使って、生産性が高くなる仕組みにしたい。それを基本理念として、構造改革の枠の中で、ひとつの方向性として進めなければいけない。ITの資産効率を高めるのか、企業、役所全体の効率を高めるのかという議論があるが、どちらかというと後者となる。
医療分野における書面電子化の話だが、現実問題として、日本の医療費の70%が保険料として請求されている。保険組合への請求は実際には紙ベースでやっているが、平均して62日位支払いに要する。したがって、日本の金融機関は、医療機関に対して与信をしているが、電子化によって、医療機関における売り掛け債権に見える「保険料請求をしている総額」に対して与信が可能になり、現実には銀行にとっても、医療機関にとっても楽になるはず。しかし、手書きで処理している限りにおいては、銀行は、医療法人単位での与信をしなければいけない。ITは、ファイナンスと組み合わせ、国レベルで見た時に最大の効果を発揮する。
ポイントは、レセプトの請求を電子化する話だと思う。かつて取組み、政治的決着として動いていない。だから規制緩和を行えというのはわかるが、この場で議論するテーマかどうかはわからない。これは国会でやっていただく話。厚生労働省は嫌がっていないと思う。
IT戦略本部において、総合規制改革会議の宮内議長が、IT関連の規制改革については、IT戦略本部に任せたが、もし何かあるのであれば具体的に総合規制改革会議に戻して欲しいといっている。それに対してどう対応するのかを含めて検討いただきたい。次に新価値創造に関してご議論いただきたい。

コンテンツ等なんとなくダウンロード社会のイメージがある。これについても今後十分議論していくべき。「協調する分野と競争する分野の区分に留意する」とあるが、これは非常に重要な話。例えば、神野直彦教授の『「希望の島」への改革』(日本放送出版協会)という本があったが、本件について、明示的に取り上げて欲しい。
「デジタルコンテンツ立国」や「次世代のセキュアな認証・課金・決算プラットフォームの形成」の項目については、安全・安心・感動グループにおいて検討している内容と重なるように思うが、どのように仕分けるのか。
デジタルコンテンツで、ゲーム、アニメ、CGというのは良く出るが、そうではなく、音楽のような、今までアナログであったものがデジタル化することにより質が変わる、対処の仕方が変わるというようなものが沢山ある。先程のレセプトの話も同様。デジタルコンテンツの話をここに集中させるとユビキタスという話と相矛盾するところがあるのではないかと思う。
多様で膨大なということで何でも入るように書いたつもりである。
その多様というのは、ご指摘のような内容か。
ここに書いてあることは当たり前のことであり、そちらの方が結構効果が大きいのではないかと思う。
質問だが、新価値創造の際の役割のひとつとして、知的財産権の保護を充実させるという議論は出ているのか。
2ページ目のVの7と8のところで言及している。極めて膨大なテーマなのでどこまでやるのかという問題はあるが、テーマとしてはここでやることになる。
今の実態として、著作権者の主張が強すぎて、コンテンツが流れていないという話だが、今後出てくるであろう、従来の知的所有物、著作物とは異なるデジタルコンテンツを含めて、全体として知的所有権を保護しつつ、流通するような仕組みをどうしたらよいかということを検討することになる。
重要なのは、著作権法の内容を知らないがために、悪意なしに、ネットワーク上に流通させてしまうこと多く、著作権者側にかなり不利になっているということ。そういった観点で、クリエーター側に対する対応が必要となってくる。また、情報化時代に合わせて著作権法の改定を著作権審議会においても検討している。
著作権保護の仕組みがはっきりすれば流通するということなので、その辺をしっかりとできればよいと思う。
放送については既に包括処理の仕組みがあり、流通するようになっている。通信についてはそのような仕組みがないため、混乱が生じている。将来、通信・放送融合的なブロードバンドができたらどうするのかということが問題になるだろう。
利用者から見ると、権利者が誰であるかは問題ではなく、使えるか使えないかが重要。それによって初めて使用許可の契約が成立する。その関係から見ると、まず権利者をクリアにするということが必要条件。結局は、権利者と利用者のN対Nの多様な組み合せの中でうまく契約行為として成立し、かつ対価を払った人にその使用許諾を行っていくという仕組みを作ることが重要。そのベースとなるのが著作権の保護だと思う。これについては、特に海外について重要。海外ではまだ全く対応していない国もあり、日本でいかにきちんと法的な対応をしても、海外で模造品がいくらでもできてしまう。かといって日本から法律的に縛れないので、別途対応が必要。知的財産戦略会議においてそのような議論をしている。
資料に、産業界、消費者等の代表者からなる第3者組織が評価するという記述があるが、安全・安心・感動グループでも、「利用者の視点」「消費者の視点」に立った評価体制の確立を記述している。これについては各グループごとではなく、全体にまたがる形で方針を決めていくべきこと。
ICタグのようなものが出てきているが、このようなものが普及してきた時に、どのように社会に受け入れられ、どのように技術として進化し、きちんとしたチェック、レビューのメカニズムができるかということが、大変重要になると思う。知的所有権については、国際的側面もあり、アジアに対して大きな責任があると思う。
つながるということと、ダウンロード型のパラダイムのような話があったが、決してダウンロード型と同じものとして考えてはいない。新しいコミュニケーションということで考えてみたい。競争と協調が大事だということはご指摘のとおりだと思う。むしろ、協調の議論をしていく中で、競争を消してしまわないように留意しつつ検討したい。セキュアなプラットフォームが、安全・安心・感動グループと共通するという指摘があったが、ここで考えているのは、電子商取引、デジタルコンテンツ決済のセキュリティ、マイクロペイメントのあり方のようなところ。家庭部門のセキュリティは、大変大きな問題であり、重要なテーマだが、今のところはそこまで考えていない。第三者評価機関については、どちらかというと、戦略を決めて、それを評価、メトリックスをつめていって評価仕様にして、それを軸に展開していくというアプローチかと思う。この新価値創造のところは、施策の効果は計れるが、施策の成果について、どこまでメトリックスを決められるかという面で限界があるという議論を行った。その際、今できること、第3者による総合的な評価の可視化ということが次善の策としてあり得るのではないか。おそらく全ての分野に共通するテーマになるのではないかと思う。

それでは国際戦略に関する議論をお願いしたい。
今世界の通商・貿易の流れは自由貿易の方向に流れているが、日本は孤立している。シンガポールとの間でFTAができたが、インパクトの少ない分野が中心である。FTAを補完・先行するような意味で、情報通信を促進するような協定を広げていくということもあるのではないか。共感を持つ国と協定を結び、対等な関係で、日本はODAでインフラ整備等の支援を行う、標準化についても日本が意見をとりまとめていくなどが考えられるのではないか。その中で、国境を越えて関係を結べは、フェアにやるために、日本としても競争政策や規制緩和を進めざるを得ない。このような広げ方をしていけば、日本の知的財産権の保護をきちんと相手側にもわかってもらうことができるのではないか。もちろん、言うのは簡単でやるのは難しいと言われるであろうが、そのような視点で国際戦略を考えていければと思う。
あるゲームメーカーから聞いた話だが、対戦型ゲームの売上が減り始めたとのこと。今までは機械と対戦していたが、ブロードバンド化することにより他の人と将棋をするようになり、デジタルコンテンツからデジタルプラットフォームという形にゲームが変わっている。アジア全体でみると、如何にプラットフォームを整備していくかということが、コンテンツの面でも大変重要になる。CGについても、CGを作るだけではなく、バーチャルな空間を作り、それがプラットフォームとして活用され、様々なものが動き始めるというようなイメージに変わってきている。データセンターについても、箱モノではなく、むしろアウトソーシングビジネスと結びつき、情報室のようなものが一緒に入ってきている。どんどんモデルが変わっていくことを留意しつつ、プラットフォームをどうするのかを考えていかなければいけない。日本では、鉄鉱やアルミなどは電力料金が大幅に安くなっているが、電力消費の塊であるデーターセンターの電力料金は安くなっていない。これは、空港の着陸料が高いか安いかというのと同じことで、我が国にどれだけサーバーを設置してもらえるかを左右する重要な要素となる。その辺も含めて、国際比較をしつつ、しっかりと考えていくことが重要ではないかと思う。
技術の標準化については、自由貿易協定とは関係なく、現実にやっている。ITUやIECでは、日本の企業はまさに各国企業と協調しながらやっている。標準化作業というのが大事で、プラットフォームのステージというのは大賛成。アジアの国にネットワークを広げていく際に、入口までやってあとはお任せというのか、中までやるのかというのがひとつの重要な分かれ目だと思う。知的財産については、どのくらいの知的財産の保護レベルが適当かということがあり、経済的に分析した時に厳密にどうなるかというのをきちんと詰めないといけない。プロパテントに戻ってしまうようでは問題である。
最近では、国際会議等で日本は相手にしてもらえないという問題が出てきているのではないか。携帯電話の数にしても、中国の方が大きくなろうとしている。ブロードバンドも、韓国の普及率は非常に高い。そういう中で、日本としては、日本の優位性、尊敬されるところをもって、提案を行っていく必要がある。資金を提供するというソリューションはないと思う。
韓国のブロードバンドについては、人口が都市部に集中し、80%は集合住宅であるなど特殊な条件下で利用が進んだもの。現実にアジアのトラフィックを見ると日本はアジアのハブになっている。アジアの海底ケーブルは採算に乗りにくい。日米間では2.5Gbpsで月額300万なのに対して、アジアでは45Mbpsが月額数百万してしまう。皆欲しいが、誰も商売にならないから、アジアのトラフィックのコストは高くなる。今後議論していきたい。
FTAの問題は非常に難しい。FTAの代わりにインフォメーションを扱うFIAというものをやろうと国際的に呼びかけ、それを相互の政府が一緒にやろう、そのために貢献しようということになれば良いのではないか。どこかにIXを置くとか、ハブになるとか言うよりは、はるかに外交的説得力があると思う。ただ、本当に意味があるのかどうかは議論しなければいけない。FTAも一生懸命行うが、まずはFIAを行おうということも良いのではないか。そうすると、アジア諸国と、取引や知的財産の分野で様々なリンクを結び、様々なものを生み出すことができる可能性がある。また、これまでの本委員会での議論を踏まえて、規制緩和でも良いし、具体的政策でも良いが、政府に対して、これをやれ、これはできないのかということをまとめてみてはどうか。その中で、それを政府ができるのかできないのかという議論もしてみてはどうか。
自由貿易協定は、欧州などでは、もともとは鉄鉱から始まって、それが広がっていった。ある分野から広める、やり易いところから進めるということは非常に重要。日本がそのように考えるというのは、目の付け所として良いのではないか。

4.閉会
本日いただいたご意見も含めて改めてご検討いただきたい。スケジュールについては、また調整させていただきたい。次回以降も2時間開催するということで進めていきたい。各主査にはコミュニケーションの労をお取りいただき、グループ相互間で意見がある場合にも、主査経由で調整ができるように取り計らい願いたい。

(以 上)