| (1)グローバリズムが促す大交流−小さくなる地球、近づき合う人々− |
| 世界がグローバリズムの定着に向けて大きく変わろうとしている。モノ、カネ、技術、情報に加え、人々も世界的規模で行き交う大交流の時代を迎えている。この中で、世界の人々は、国際観光に新しい価値を見出そうとしており、単に観光資源を見るだけでなく、世界の人々とより親しく近づき合おうとしている。世界観光機関によると、全世界の外国旅行者数は、2010年には10億人に、2020年には16億人に増加すると予測されている。 |
| (2)大交流に遅れる日本−開かれた国を目指そう− |
| 外国人旅行者の受入れ、日本への対内直接投資を見ると、日本は世界に十分に開かれた国になっていない。日本がグローバリズムの定着に貢献し、「大交流」の利点を享受しようと思うならば、世界に真に開かれた国となることが何よりも大切である。 |
| (3)高まる文化交流の役割−文化安全保障とソフト・パワーの充実− |
| 大交流時代において、人々の文化交流は、世界の安全保障に大きく貢献するものである。また、日本が観光立国を推進し、そのソフト・パワーの強化を図りつつ、文化交流に力を入れていけば、日本が世界の中で独自のプレゼンスを示し、グローバリズムの定着に貢献することができる。 |
| (4)量から質へ。変わる成長パターン−人間重視の時代− |
| 経済重視の時代から人間重視への時代へと移りつつある中で、観光立国は、このような新しい成長パターンに応えるとともに、国内を外に開かれたものとし、文化的魅力の向上に人々の関心を高める上で大きな役割を果たすものである。 |
| (5)日本における観光の変遷 |
| これまでの典型的な観光旅行のパターンは、名所見物型パッケージ・ツアーが一般的であったが、最近では、観光ニーズの変化に対応して、参加・体験型の観光旅行が注目されるようになった。 |
| (6)進化する観光−観光のもつ高い改革効果− |
| 観光は、自国の国力を高め、文化を諸外国に発信する有力な手段であり、国内のシステムを改革する契機である。同時に、経済に刺激を与え、教育を充実し、国民の国際性を高めることにつながるものである。観光は、まさに国の将来、地域の未来を切り拓く有力な手段であるといっても過言ではない。 |
| (1)ハード・ソフトのインフラ整備を |
| 観光立国を実現するためには、日本の魅力が如何なく発揮できるよう、ハード及びソフト両面のインフラを総合的に整備する必要がある。 |
| (2)日本への入国手続の改善を |
| 治安、不法就労等の問題について適切な対策を実施し、ビザの発給制度の改善に努めるとともに、入国審査に係る時間の短縮を図るべきである。 |
| (3)外国人が一人歩きできるように |
| 日本は、外国人が一人歩きできる環境を整備しなければならない。この問題を解決するためには、海外からの訪問者の視点で課題を洗い出し、早急に解決する必要がある。(情報の提供、英語表示等) |
| (4)観光産業の国際競争力を強めよう |
| 観光産業は、今後のリーディング産業の一つと位置付けられるべきものである。その発展を実現するためには、観光事業を産業として捉え、その国際競争力を強化しなければならない。このため、関係企業がアイデアを出し合い、サービスを競い合うよう、規制をできる限り緩和し、市場機能を高める必要がある。また、海外からの来訪者のニーズに合った多様なサービスを提供し、しかも価格帯が広く、幅広く選択できることが望ましい。 |
| (5)地域に根ざした魅力を高めよう |
| 地域がさらに魅力を高めていくためには、生活文化を軸とした観光資源の整備、創造に加え、周辺地域のネットワーク化を進めることが必要であるが、地域の観光振興に先導的な役割を果たしている「観光カリスマ」にもその期待が高い。それぞれの地域が魅力を競い合い、セールスポイントを高め自律的な努力を促す意味を込めて、「一地域一観光」の国民運動を展開することを提案したい。また、日本の都市をより美しくするため、「街を美しくする」国民運動も展開する必要がある。さらに、都市と農村を双方向で行き交うライフスタイルを選択するといったこれからの生き方を考えさせてくれる「都市と農山漁村の交流」を積極的に進める必要がある。 |
| (6)人材を育てよう |
| 観光立国を実現し、観光産業の国際競争力を強化するには、それに相応しい能力を備えた人材が決め手である。政府及び民間を挙げてその育成に努める必要がある。同時に、高等教育機関における専門の観光リーダー育成の検討を行うべきである。 |