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経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003
(概要)


第1部 日本経済の課題


1.日本経済の体質強化

 構造改革に着実に取り組んできているが、改革は途半ば。
 持続的経済成長の実現のためには、構造改革を推進し、日本経済の体質を改善して「元気な日本経済」を実現するしかない。
 このため、これまでの構造改革の進展を点検・評価した上で、構造改革の基本方針として「3つの宣言」と「7つの改革」という形で新たに提示。

2.デフレの克服

 平成14年度の日本経済の実質成長率は1.5%のプラス成長率となったが、名目成長率は0.7%のマイナスになっており、依然としてデフレが続いている。
 想定以上に厳しい内外経済環境の下で、デフレ傾向は根強く、これを早期に克服することが依然大きな課題として残されている。
 デフレの克服に向け、今後とも政府は日本銀行と一体となって強力かつ総合的に取り組む。
 「改革と展望−2002年度改定」(平成15年1月24日閣議決定)で示したように、集中調整期間の後にはデフレは克服できると見られる。

3.「3つの宣言」と「7つの改革」

 構造改革の目標は「経済活性化」、「国民の『安心』の確保」、「将来世代に責任が持てる財政の確立」。また経済情勢によっては、大胆かつ柔軟な政策対応を行う。

(1)経済活性化

宣言:民間の活力を阻む規制・制度や政府の関与を取り除き、民間需要を創造する。
改革:○規制改革・構造改革特区
 ○資金の流れと金融・産業再生
 ○税制改革
 ○雇用・人間力の強化

(2)国民の「安心」の確保

宣言:持続可能な社会保障制度を構築し、若者が将来を展望でき、高齢者も安心できる社会をつくる。
改革:○社会保障制度改革

(3)将来世代に責任が持てる財政の確立

宣言:財政の信認を確保し、成果を重視する。
改革:○「国と地方」の改革
 ○予算編成プロセスの改革


第2部 構造改革への具体的な取組

 「3つの宣言」を実現するため、7つの分野で構造改革に取り組む。


1.規制改革・構造改革特区

 医療や子育てなどの国民生活に直結した分野や、ビジネスニーズの高い分野等で規制改革・構造改革特区を推進し、消費者の選択肢とビジネスチャンス・雇用の拡大を図る。また、事前規制の緩和、撤廃に併せて、事後チェック体制の充実を図る。

2.資金の流れと金融・産業再生

 資金の面でも「官から民へ」流れが戻り、家計の豊富な金融資産が民間の成長分野に円滑に投資されるよう改革する。

3.税制改革

  持続的な経済社会の活性化を目指し、将来にわたる国民の安心を確保する税制への改革を進める。

4.雇用・人間力の強化

 雇用については、何歳であっても、能力を開発し、拡大するサービス産業などで仕事の機会が得られる労働市場をつくる。特に、若年者の働く意欲を喚起しつつ、すべてのやる気のある若者の職業的自立を促進する。また、女性の能力発揮のための取組の促進を図る。更に、高齢者の活力の活用を図る。教育については、義務教育から大学までの教育の質を高める。

5.社会保障制度改革

  世代間・世代内の公平を図り、持続可能で信頼できる社会保障制度に改革する。

6.「国と地方」の改革

  「三位一体の改革」を推進し、地方が決定すべきことは地方が自ら決定するという地方自治の本来の姿の実現に向け改革。

7.予算編成プロセス改革

 財政構造改革を進めるに当たっては、予算の質の改善・透明性の向上が重要である。このため、事前の目標設定と事後の厳格な評価の実施により、税金がどのような成果を上げたかについて、国民に説明責任を果たす予算編成プロセスを構築する。


第3部 16年度経済財政運営と予算のあり方


1.経済財政運営の考え方

(1)今後の経済動向と当面の経済財政運営の考え方

(平成15・16年度の日本経済)
 15年度は、民間需要中心の緩やかな回復へと次第に向かっていくものと見込まれる。ただし、所得・雇用環境については、厳しい状況が継続する。
 16年度は、民間需要中心の穏やかな回復過程を辿るものと考えられる。
(当面の経済財政運営の考え方)
 政府は、「改革と展望−2002年度改定」の考え方に立って、日本銀行と一体となって、デフレ克服に向け、強力かつ総合的な取組を実施する。経済情勢によっては、大胆かつ柔軟な政策対応を行う。
 政府は、引き続き、規制、金融、税制及び歳出の構造改革を一体的かつ整合的に実行することにより、民間需要が持続的に創出される環境を整備していく。
 日本銀行においても、できる限り早期のデフレ克服を目指し、実効性ある金融政策運営を行うよう期待する。


(2)中期的な経済財政運営の考え方

 民間需要、雇用拡大を最重視した構造改革を加速するとともに、政府・日本銀行一体となってできる限り早期のプラスの物価上昇率の実現に向けて取り組む。
 2006年度までの政府の大きさ(一般政府の支出規模のGDP比)が2002年度の水準を上回らない程度となることを目指す。その後も、それ以前と同程度の財政収支改善努力を継続することなどにより、国と地方を合わせたプライマリーバランスを2010年代初頭に黒字化することを目指す。


2.平成16年度予算における基本的な考え方

(1)歳出改革路線の堅持と財政の持続可能性の確保

 昨年度同様の歳出改革路線を堅持。国債発行額も極力抑制する。
 特別会計、地方も含め、政府の大きさを極力抑制することを目指す。

(2)予算編成に当たっての重点と抑制の考え方

  1)重点化の考え方

 民間の潜在力を最大限引き出す政策を重視(ある目標に向かって、民間のイニシアティブを引き出す政策(規制改革、PFI、民間委託等)と予算との組み合わせ(政策群)という手法)。
 また、重点4分野(「基本方針2002」)に施策を集中。ただし、重点分野においても、施策の絞込み(重点化・効率化)を行う。


  2)抑制の考え方

  • 物価動向、行政サービスの簡素化・効率化を折り込み、単価を引き下げ。
  • 徹底した増員の抑制と一層の定員削減に努め、総人件費を抑制。地域毎の実態を踏まえた公務員給与のあり方の見直し。
  • 「三位一体の改革」を推進する中で地方向け補助金等の廃止・縮減等の改革を行う。

(3)主要予算の改革

  1)社会保障
  2)雇用関連
  3)科学技術
  4)教育・文化
  5)社会資本整備
  6)農林水産関連
  7)地方財政
  8)環境関連・その他

(別紙1)「530万人雇用創出プログラム」の具体的な施策

(別紙2)国庫補助負担金等整理合理化方針
 1「改革と展望」の期間中における基本方針
 2重点項目の改革工程

(以上)