平成19年度予算編成の基本方針平成18年12月1日
閣 議 決 定 |
T 新成長経済に向けた改革の加速・深化 | ||
| 1 新成長経済に向けて | ||
| (我が国経済の現状と見通し) | ||
| 景気は、消費に弱さがみられるものの、回復を続けている。
我が国経済は、世界経済の着実な回復が続く下、企業部門・家計部門ともに改善が続き、改革の加速・深化と政府・日本銀行の一体となった取組等により、物価の安定の下での自律的・持続的な経済成長が実現すると見込まれる。 一方、原油価格の動向が内外経済に与える影響等には留意する必要がある。 | ||
| (成長力強化) | ||
| 我が国の経済システムは、累次の改革の成果が現われ、長い停滞のトンネルを抜け出し、明るい展望が開ける状況となったが、依然として現実とのミスマッチが見られ、我が国の高い潜在力が活かせず、国民の真のニーズにこたえきれていない。このような構造的な問題に対処し、国民生活をより豊かにするため、新たなレジームを創造して日本経済を中長期的に新たな成長ステージへと引き上げていくことが求められている。
このため、「成長なくして日本の未来なし」との理念の下、「戦後レジームからの新たな船出」を行うためには、イノベーションの力とオープンな姿勢により、今後5年間程度で「新成長経済への移行期」を完了するものとし、適切なマクロ経済政策の下、日本経済の潜在成長力を高めるための改革に大胆に取り組む。 | ||
| (地域経済の活性化と再チャレンジ支援) | ||
| 地方の活力なくして国の活力はない。活力に満ちた日本経済は元気な地域経済に支えられて実現する。しかし、地域間で景気回復にはばらつきがみられる。地方分権改革を推進するとともに、政府一体となった地域活性化策などを通じて地域経済の活性化を推進する。また、「魅力ある地方」に生まれ変わるよう、自由に独自の施策を展開するやる気のある地方に対して、「頑張る地方応援プログラム」を実施する。
勝ち組、負け組が固定化することへの懸念など克服すべき課題に対処し、再チャレンジを支援するための施策を推進するなど各般の施策に取り組む。 | ||
| 2 車の両輪としての行財政改革 | ||
| (財政健全化) | ||
| 財政健全化に向け、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(平成18年7月7日閣議決定。以下「基本方針2006」という。)に沿って、歳出・歳入一体改革に正面から取り組むこととし、平成19年度予算において責任ある新たな第一歩を踏み出すこととする。経済成長を維持しつつ、国民負担の最小化を第一の目標に、今後5年間に歳出削減を計画的に実施し、まずは平成23年度に国・地方の基礎的財政収支を確実に黒字化させる。その際、自然増収を安易に歳出に結び付けないようにする。
これらの取組に際しては、「成長なくして財政再建なし」との理念の下、成長力強化と財政健全化の双方を踏まえたバランスの良い経済財政運営を一貫性をもって継続的に行うこととする。 | ||
| (改革の加速・深化) | ||
| 経済、社会全般にわたる構造改革と国民の自助努力により、改革の成果が現われてきている一方で、我が国財政は極めて厳しい状況にあり、人口減少や少子高齢化が進めば、現在の世代よりも将来の世代に一層重い負担がかかることは明らかである。国と地方の行政のより一層のスリム化・効率化を推進することなく国民に負担増を求めることはできないことから、抜本的な行政改革を強力に推進し、21世紀にふさわしい仕組みを作り上げていかなければならない。
このため、「行政改革推進法」に基づき、民間活動の領域を拡大し、行政機構の整理・合理化を図る観点から、事業の仕分け・見直しを行いつつ、政策金融改革、独立行政法人の見直し、特別会計改革、総人件費改革、資産・債務改革を推進する。あわせて、郵政民営化の確実な実施、市場化テストの積極的な実施、規制改革、公務員制度改革、公益法人制度改革等に取り組み、簡素で効率的な「筋肉質の政府」を実現する。 また、道州制の実現のための検討を加速する。 | ||
U 平成19年度における財政健全化への基本的考え方 | ||
| (歳出改革の強化) | ||
| 平成23年度に国と地方の基礎的財政収支を確実に黒字化するとともに、簡素で効率的な政府を実現するため、これまでの財政健全化の努力を継続し、平成19年度予算編成に当たっては、歳出改革路線を強化する。このため、「行政改革推進法」に基づき、行政のスリム化・効率化を一層徹底し、総人件費改革や特別会計改革、資産・債務改革等について、適切に予算に反映させる。また、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、一般歳出及び一般会計歳出について厳しく抑制を図る。足下の経済情勢や税収動向を踏まえ、新規国債発行額について、前年度の水準(29兆9,730億円)より大幅に減額する。
予算の配分に当たり、「公共事業関係費」及び「その他経費」については、「公共事業関係費」の総額を前年度予算額から3%減算した額、「その他経費」の総額を前年度予算額から原則として3%減算した額及び重点化促進加算額の合計額の範囲内とすることを基本に厳しく抑制する。「義務的経費」は、自然増を放置することなく、制度・施策の抜本的見直しを行い、歳出の抑制を図る。また、引き続き予算執行実績を的確に踏まえた予算とする。
予算配分の重点化・効率化に当たっては、Vの「活力に満ちたオープンな経済社会の構築」及び「健全で安心できる社会の実現」に施策を集中する。また、各府省は、各施策について成果目標を提示し、厳格な事後評価を行う。政策評価等を活用し、歳出の効率化・合理化を進める。さらに、民間活力の活用による効率化に努めるとともに、公共サービスの合理化・効率化を織り込み、単価を引き下げ、経費を削減する。 | ||
| (各分野における歳出改革) | ||
| 今後5年間に実施すべき歳出改革の初年度として、「基本方針2006」に沿って、1)から3)までに掲げる各分野について制度・施策の見直しを行う。また、その他の歳出分野についても、同様に、歳出改革に取り組む。 | ||
| 1) | 社会保障 | |
| 少子高齢化が進展する中で、経済・財政と均衡がとれ、将来にわたり持続可能な制度を構築するため、社会保障については、これまでの制度改革の効果を検証しつつ、中長期的な展望に立って、改革努力を継続し、国民が負担可能な範囲となるよう制度全般にわたり不断の見直しを行う。
平成19年度予算においては、雇用保険制度について、失業等給付に対する国庫負担の廃止を含めた在り方の見直し、雇用保険三事業の抜本的な見直し等を行うとともに、生活保護に関して、自立支援の観点を踏まえつつ、母子加算の見直し、生活保護制度に優先した所有不動産を担保とする資金の貸付け等を行う。 また、医療・介護サービスについては、制度を支える費用負担への納得を得る上でも、その質の維持向上を図りつつ、効率化等により供給コストを低減させていくことが極めて重要であり、そのための総合的な取組を計画的に推進する。 | ||
| 2) | 公共投資 | |
| 歳出改革を進める中で、今後とも公共投資に関する改革を継続する。真に必要な社会資本整備を実施するために、地域の自立・活性化、我が国の成長力強化、防災・減災等による安全・安心の確保を推進する観点から、整備水準や施設の利用状況等を踏まえた事業のメリハリ付けを行うとともに、あらゆる分野での官民格差等を踏まえたコスト縮減や入札改革を進め、更なる重点化・効率化を図る必要がある。
具体的には、地域の自主性・裁量性を尊重し、国と地方の役割分担に留意しつつ、地域の自立・活性化を図るための取組を支援する。また、国際競争力を高めるインフラ整備として、三大都市圏環状道路、スーパー中枢港湾、大都市圏拠点空港等を推進する。さらに、引き続き規制手法の活用やソフト施策との連携を図りつつ、防災・減災対策の推進等に取り組む。上下水道、大規模ダム、都市公園、地方道、地方港湾、地方空港、農山漁村の生活環境整備等については、各地域におけるニーズや整備水準等についても十分に踏まえつつ、これまでの「予算編成の基本方針」に基づき、引き続き見直しを行う。 また、地域間の予算配分は、整備状況を踏まえて弾力的に行う。 さらに、既存ストックの有効活用、効率的・計画的な維持管理・更新の推進、PFIを通じた更なる民間活力の活用、規格の見直し等による効率的な公共事業の実施に努め、5年間で、15%の総合コスト縮減を図ることを目標とする公共事業コスト構造改革を引き続き強力に推進する。 特に、談合の排除を徹底し、一般競争方式の拡大や総合評価方式の拡充等を通じた入札・契約の一層の競争性、透明性、公正性の確保に取り組むとともに、引き続き評価結果の予算への反映を徹底するなど、事前・事後の事業評価を厳格に実施する。 また、こうしたコスト縮減や入札改革といった改革を地方に拡大するための方策について検討する。 道路特定財源については、現行の税率を維持しつつ、一般財源化を前提に見直しを行い、納税者の理解を得ながら、年内に具体案を取りまとめる。 | ||
| 3) | 地方財政 | |
| 国と地方の信頼関係を維持しつつ、「基本方針2006」に沿って、平成19年度予算においても、国の取組と歩調を合わせて、人件費、投資的経費、一般行政経費の各分野にわたり地方歳出を厳しく抑制する。
「地方分権改革推進法案」を踏まえて、「新分権一括法案(仮称)」の3年以内の国会提出に向け検討を進める。 国・地方の財政状況を踏まえつつ、交付税、補助金の見直しとあわせ、税源移譲を含めた税源配分の見直しを行うなど、一体的な検討を図る。 地方公共団体間で財政力に隔たりがある現状を踏まえ、その格差の縮小を目指す。 交付税に依存しない不交付団体の速やかな増加を目指す。 その地方独自のプロジェクトを自ら考え、前向きに取り組む自治体に対し、地方交付税等の支援措置を新たに講ずる「頑張る地方応援プログラム」を平成19年度から実施する。また、簡素な新しい基準による交付税の算定方式を平成19年度から導入する。 地方の自己規律による財政健全化を促すため、新たな再生制度の整備に向けた取組を進める。地方公共団体においては、「地方公共団体における行政改革の更なる推進のための指針」(平成18年8月31日)等を踏まえ、より一層積極的に地方行革に取り組む。 | ||
| (税制改革) | ||
| 我が国の21世紀における社会経済構造の変化に対応して、今後、中長期的視点からの総合的な税制改革を推進していくことが求められている。
この中で、喫緊の課題として、我が国経済の国際競争力を強化し、その活性化に資するとともに、歳出削減を徹底して実施した上で、それでも対応しきれない社会保障や少子化などに伴う負担増に対する安定的な財源を確保し、将来世代への負担の先送りを行わないようにする。また、子育て支援策等の充実、地方分権の推進といった政策目的にもこたえていくとともに、いわゆる格差の問題にも留意する必要がある。 上記の視点に立って、平成19年度予算の歳出削減の状況、平成18年度決算の状況、医療制度改革を受けた社会保障給付の実績等を踏まえ、来年秋以降に本格的・具体的な議論を行い、これまでの与党税制改正大綱に示された改革工程に沿って、平成19年度を目途に税体系の抜本的改革を実現させるべく、取り組む。 平成19年度税制改正においては、「成長なくして財政再建なし」の理念の下、経済成長を財政再建、さらには国民負担を可能な限り小さくすることにつなげていくという観点から、我が国経済の成長基盤の整備に向けて税制を見直すこと等を検討する。 | ||
| (予算制度改革) | ||
| 成果目標(Plan)−予算の効率的執行(Do)−厳格な評価(Check)−予算への反映(Action)を実現する予算制度改革を定着させるため、「成果重視事業」や「政策群」の取組を引き続き進める。政策評価の改善・充実を図りつつ、政策評価と予算との連携強化を更に進める。また、「新成長経済への移行期」において、歳出・歳入一体改革が実効性を持つよう、複数年度にわたる歳出をチェック・フォローする観点に立って、経済財政諮問会議における「構造改革と経済財政の中期展望」、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」、「予算の全体像」、「予算編成の基本方針」の策定を踏まえた政策決定プロセスを強化する。 | ||
V 「創造と成長」に向けた予算の重点化・効率化 | ||
| 持続可能な「創造と成長」を実現する観点から、1及び2に掲げる「活力に満ちたオープンな経済社会の構築」と「健全で安心できる社会の実現」に向けた取組で政策効果が顕著なものについて重点的かつ効率的に推進する。また、施策の推進に当たっては、成果目標、政策手段等を明確に掲げ、PDCAサイクルを着実に実施する。 | ||
| 1 活力に満ちたオープンな経済社会の構築 | ||
| (1) | 成長力の強化 | |
| 「経済成長戦略大綱」の基本的考え方と戦略目標の下、生産性向上・技術革新・アジアの活力活用に資する分野への重点化・効率化を徹底し、「経済成長戦略推進要望」も踏まえ、メリハリの効いた配分を行い、成長力の強化に着実に取り組む。
ヒト・モノ・カネ・文化・情報の流れにおいて、日本がアジアと世界の架け橋となる「アジア・ゲートウェイ構想」を推進する。 | ||
| (国際競争力の強化) | ||
| 「第3期科学技術基本計画」(平成18年3月28日閣議決定)や「イノベーション創出総合戦略」を踏まえ、イノベーション・スーパーハイウェイ構想等の施策を戦略的に推進するとともに、世界をリードする新産業群の創出や国家基幹技術の推進を図る。2025年までを視野に入れた長期の戦略指針である「イノベーション25」を策定する。イノベーションの連続的な創出を促進するため、産学官協働による革新的研究開発の促進等を図るとともに、世界最高水準の特許審査の実現など知的財産保護を更に強化する。「総合物流施策大綱(2005-2009)」(平成17年11月15日閣議決定)に基づき、ハード・ソフトの物流インフラの戦略的・重点的な整備や原油価格高騰の影響を受けにくい効率的な物流の実現に取り組む。「21世紀新農政2006」に基づき担い手への施策の集中化・重点化を図るとともに、農林水産物や食品の輸出促進等の「攻めの農政」、林業・木材産業の再生及び国際競争力のある水産業への構造改革を推進する。観光立国の実現に向けた諸施策を推進する。医薬品・医療機器産業の国際競争力の強化に向けた施策を推進するとともに、国内需要中心の産業・製品の国際展開・輸出振興に取り組む。
アジア等海外の成長や活力を日本に取り込むため、ASEAN+1(日本)をはじめとする経済連携協定への取組を加速する。東アジアを含めたアジア太平洋地域において、OECDのような、統計整備や政策提言・調整機能を持つ国際的体制の構築に向けて取り組む。開発ラウンドの成功に向けて「開発イニシアティブ」を通じた支援を展開するとともに、外交の戦略的・効果的な展開を図る。日本文化の国際競争力や世界への情報発信力を強化する。生活者としての外国人に対する総合対策の策定等により多文化共生社会の構築を進める。 世界最先端のエネルギー需給構造の実現、総合的資源確保等からなる資源・エネルギー政策の戦略的展開を図るとともに、アジア環境・エネルギー協力を進める。 国益の増進に資する世界戦略を展開するため、総合的外交力を強化し、在外公館等外交実施体制を充実させる。 | ||
| (ITとサービス産業の革新) | ||
| 「IT新改革戦略」の着実な実施、コンテンツ市場の拡大、次世代IT技術の展開、テレワークの活用等により、ITによる生産性向上と市場創出を図る。また、サービス生産性向上運動を展開することや質の高い効率的なサービスの実現策を講ずること等により、サービス産業の革新を図る。 | ||
| (地域活性化) | ||
| やる気のある地域が独自の取組を推進し、知恵と工夫にあふれた「魅力ある地域」に生まれ変わることができるよう、都市再生、中心市街地活性化、構造改革特区、地域再生をはじめとした取組を更に発展・継続させるとともに、国と地方の双方向の連携を通じた意欲ある地域への情報やノウハウの提供、地域活性化を支える様々な担い手の育成・支援、地場産品の活用や地域ブランドの育成等を通じた地域の産業の発展といった分野での取組を政府が一体となって支援する。その際、1)地域の知恵を引き出し、活かす、2)地域の担い手・人づくりを進める、3)地域固有の有形無形の資源を活かす、4)国際交流・地域間交流を促す、5)地域の持続的・自立的発展のための条件を整えるという5つの視点により施策の充実強化を図るとともに、地域にとって使いやすいメニューとなるよう体系化を検討していく。さらに、個々の地域に積極的に出向き、これまでの支援策を通じたノウハウを活用して出張相談などを行うほか、自治会・NPO・産学官等の様々な担い手が参加・協働して地域の発展や課題解決に取り組む新たなネットワークの構築に向けて、省庁連携によるプログラムの策定に向けた検討を行う。 | ||
| (中小企業支援) | ||
| 我が国経済活力の源泉である中小企業の活性化のため、中小企業者への資金供給の円滑化等を図るとともに、中小企業の新事業展開や研究開発の支援、中小小売商業、小規模企業等の振興、商店街の活性化を推進する。 | ||
| (「人財立国」の実現) | ||
| 全国的な学力調査等による教育の質の向上、産学連携による実践的教育・訓練や地元企業技術者等を活用した理科授業・キャリア教育の推進、ものづくりに対する若者等の関心の向上、健全性を確保した奨学金事業の充実、大学院教育の抜本的強化、高等教育の教育研究資金の確保と第三者評価に基づく重点投資等を図る。また、質の高い留学生の確保に留意しつつ外国人留学生制度の充実を図るとともに、我が国とアジア等との若者レベルの人材交流を進める。 | ||
| (2)再チャレンジ支援 | ||
| 国民一人一人がその能力や持ち味を十分発揮し、努力が報われ、勝ち組と負け組が固定化せず、働き方、学び方、暮らし方が多様で複線化している社会、すなわち、チャンスにあふれ、誰でも再チャレンジが可能な社会の実現を目指す。このため、年内に取りまとめる「再チャレンジ支援総合プラン(仮称)」に基づき、以下をはじめとする支援策を総合的に推進する。また、再チャレンジへの取組に対する内閣総理大臣による表彰制度を新たに設ける。 | ||
| (長期デフレ等による就職難、経済的困窮等からの脱却) | ||
| キャリアコンサルティング、能力開発などによる総合的な就職支援、新卒一括採用システムの見直し、雇用機会の確保を進めることにより、フリーターの常用雇用やニートの職業的自立を促進する。また、パート労働者への社会保険の適用拡大などを進め、正規・非正規労働者間の均衡処遇を目指す。
多重債務の防止や相談充実等による救済に取り組むとともに、再チャレンジする起業家及び事業再生に取り組む中小企業者の資金調達への支援や不動産担保・個人保証に過度に依存しない融資を推進する。 | ||
| (機会の均等化) | ||
| 子育て、長期の離職、心身の障害、保護者の経済環境、犯罪被害、犯罪歴等、様々な事情・困難を抱える人が、就労や学習に積極的にチャレンジできるよう、相談、助言、訓練、指導、情報や学習機会の提供、テレワークの促進等の取組や関係諸機関の連携を強化する。 | ||
| (複線型社会の実現) | ||
| 人生の各段階における働き方、学び方、暮らし方について選択肢を多様化するため、高齢者・団塊世代の活躍の場や社会人の学び直しの機会の拡大、農林漁業への就業支援(「人生二毛作」)をはじめとするUJIターンへの支援や二地域居住への支援等を推進する。 | ||
| 2 健全で安心できる社会の実現 | ||
| (分かりやすく親切で信頼できる社会保障制度の構築) | ||
| 年金、医療、介護等の社会保障制度は、人生のリスクに対するセーフティネットである。自立の精神を大切にしつつ、分かりやすく、親切で信頼できる将来にわたり持続可能な社会保障制度を構築するため、社会保障の一体的改革を進める。
年金については、「被用者年金制度の一元化等に関する基本方針」(平成18年4月28日閣議決定)に基づき、被用者年金制度の一元化を推進する。また、加入者に対し、保険料納付実績や年金額の見込みを定期的に通知する「ねんきん定期便」を前倒して実施する。社会保険庁については、解体的出直しを行う。 医療・介護については、健康寿命の延伸等を図るための「新健康フロンティア戦略」の策定や「がん対策基本法」に基づくがん対策の総合的・計画的な推進を図るとともに、医療サービスの質の向上や効率化に向けたIT化の推進、小児科・産科医療や救急医療の確保等地域医療提供体制の整備、療養病床の転換支援を含む地域ケア体制の整備等を進める。また、「障害者自立支援法」の円滑な運用、発達障害者に対する支援等障害者対策を推進する。 | ||
| (「子育てフレンドリーな社会」の構築) | ||
| 人口減少社会の到来を踏まえ、出生率の低下傾向の反転に向け、国の基本政策として少子化対策を強力に推進し、「子育てフレンドリーな社会」を構築する。このため、「子ども・子育て応援プラン」、「新しい少子化対策について」等に基づき、出産前後や乳幼児期において経済的負担の軽減を含め総合的な対策を講ずるとともに、安心して子育てできる環境整備を図り、放課後子どもプランや保育サービス等地域の子育て支援を推進するなど、子どもの成長に応じた総合的な子育て支援を行う。また、仕事と子育ての両立が可能となるよう、働き方の改革に取り組む。さらに、子育ての素晴らしさや家族の大切さが共有されるよう、社会全体の意識改革に取り組む。 | ||
| (生活におけるリスクへの対処) | ||
| 国民の安全と安心の確保は、政府の基本的な責務であるとともに、安定した経済成長の基盤であるとの認識の下、以下の施策に取り組む。
災害への備えを実践する国民運動を展開しながら、公共施設や住宅等の耐震化、密集市街地の緊急整備、首都直下地震対策等大規模地震対策、大規模水害・土砂災害対策等の防災・減災対策を戦略的・重点的に進める。さらに、迅速・的確な防災情報の提供や災害応急体制の整備、消防等の災害対策を強化する。 子どもが犠牲となっている凶悪事件や組織犯罪、国際的な犯罪等への対策を進め、「世界一安全な国、日本」の復活に向けた治安再生を推進する。総合法律支援の充実や国民への啓発活動をはじめとした裁判員制度の導入に向けた取組等の司法制度改革、犯罪被害者施策の推進及び情報セキュリティ対策の強化等を進める。安全で安心できる国際的に共生した社会の構築に向けて、テロの未然防止等の取組を推進する。 防衛については、我が国の平和と安全及び国際社会の平和と安定を確保するため、引き続き弾道ミサイル等の新たな脅威や多様な事態への実効的な対応等を図りつつ、効率的な防衛力の整備を推進する。 消費者保護の観点を踏まえた住まいや身近な施設等の安全性の確保、鉄道・航空等の事故等の防止、交通安全の確保及びバリアフリー社会の実現に向けた取組等を進める。食の安全と消費者の信頼の確保や国民運動としての食育の推進、食料供給力の維持・向上を図るほか、新たな感染症への対策を進める。 京都議定書の約束期間開始を平成20年に控え、地球温暖化対策の加速化の観点から、省エネ対策、バイオマス等新エネ対策、原子力の推進、森林の整備・保全、京都メカニズムの活用等の取組を進め、「京都議定書目標達成計画」(平成17年4月28日閣議決定)を着実に推進する。3R(廃棄物の発生抑制:Reduce、再使用:Reuse、再生利用:Recycle)、不法投棄対策を通じた循環型社会の構築や自然との共生を進める。環境と経済の両立のため、金融面からの環境配慮、環境技術開発等の取組を進める。 大陸棚の限界に関する情報の提出期限である平成21年に向けて、海域における調査の着実な推進、大陸棚の限界に関する情報の作成等に的確に取り組む。 | ||
| (豊かな生活に向けた環境整備) | ||
| 21世紀の日本にふさわしい教育体制を構築し、教育の再生を図っていくため、教育の基本にさかのぼった改革を推進する。
幼稚園・保育所の教育機能を強化するとともに、幼児教育の将来の無償化について歳入改革にあわせて財源、制度等の問題を総合的に検討しつつ、就学前教育についての保護者負担の軽減策を充実するなど幼児教育の振興を図る。 豊かな人間性や社会性を育む体験活動等の推進、学校・家庭・地域の教育力の強化、いじめ・暴力行為・不登校・児童虐待等への対応や発達障害を含む障害のある子どもへの教育的支援の充実等の取組を進める。また、新しい文化芸術の創造、文化財の保存・活用等文化芸術の振興を図る。さらに、生涯スポーツ社会の実現やナショナルレベルのトレーニング拠点の整備等国際競技力の向上を図る。 | ||