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経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002(概要)

平成14年6月21日

第1部 構造改革の推進と我が国経済社会の活性化
 政府は「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針(平成13年6月26日)を起点として構造改革を推進し、景気・雇用情勢に適切に対応してきた。こうした取組みにより、悪化傾向を続ける経済と財政のトレンドに、一定の歯止めをかけることに成功した。
(本基本方針の目指すところ)
  1. 税制改革や地方行財政改革、社会保障制度改革などを着実に推進し、「経済社会の活力」を高める。「全ての人が負担し合う公正な社会」を構築
  2. 「負担に値する質の高い小さな政府」を実現するため、歳出改革を加速
  3. デフレの克服」を目指し、政府・日本銀行が一体となって強力かつ総合的な取組を行うとともに、構造改革特区の創設等の「経済活性化戦略」を推進し、「民間需要主導の本格的な回復軌道」に乗せる

第2部 経済活性化戦略
1.経済活性化戦略の基本的考え方
 目 的(1) 「選択と集中」による産業競争力強化
(2) 規制改革を通じた「民業拡大」による市場創造
 基本原則(1) 官から民へ
(2) 事後監視型規制へ
(3) 技術基盤の強化
(4) 魅力ある市場環境整備
(5) 多くの国・地域との連携

2.6つの戦略、30のアクションプログラム
(1) 人間力戦略
  • 国立大学の非公務員型法人化による大学の国際競争力アップ
  • IT国民皆教育
(2) 技術力戦略
  • ライフサイエンス等への資源の集中による技術基盤強化
  • 死の谷に橋渡しするプロジェクトベースの研究開発を推進
(3) 経営力戦略
  • 倒産法制の見直し、産業再生法の強化による事業再編、産業再編の促進
  • 起業の促進・廃業における障害除去
(4) 産業発掘戦略
  • 環境、バイオ、ナノ等の新技術の開発や市場化の推進
  • 安心ハウス等生活産業の創造
(5) 地域力戦略
  • 構造改革特区の導入による規制改革の推進、地域の個性ある発展
  • 羽田空港の拡張等による国際競争力のある大都市の再生
(6) グロ−バル戦略
  • FTAの推進
  • 対内直接投資や頭脳流入による競争力の強化

第3部 税制改革の基本方針
1.税制改革の必要性
  • 日本経済の強みの再構築
  • 企業と個人の活力を支えること
  • ライフスタイルの多様化が進む中、一人一人の多彩な個性と能力の尊重
  • 地域と個性と自律性の尊重
  • 長期に持続可能な財政構造と社会保障制度の構築など
2.目指すべき経済社会と税制改革
  • 税制改革が目指すのは、「改革と展望」で示した経済社会の姿
  • 望ましい税制の条件は、「公平・中立・簡素」の3原則。今回の税制改革では、時代の要請に応じてこの3原則を「公正・活力・簡素」と理解
3.税制改革の視点
  • 経済の活力の回復を最重視
  • 多様なライフスタイルの下、国民一人一人が個性と能力を十分に発揮
  • 歳出改革と一体
  • 社会保障制度改革との整合性確保
  • 地方行財政制度の改革と一体
  • 真に必要な場合には低所得層等に配慮
4.税制改革の進め方
  • 税制改革は2003年度に着手し、"広く薄く"等との理念の下、本格的かつ構造的な税制改革に取り組む
  • 税制改革の財源は原則として国債には依存しない
  • 「改革と展望」の期間内に、国と地方双方が歳出削減努力を積み重ねつつ必要な行政サービス、歳出水準を見極め、経済活性化の進展状況と財政事情をふまえ、必要な税制上の措置を判断
  • 2010年代初頭にプライマリーバランスの黒字化を目指す
5.税制改革及びそれに関連する検討項目
  • 持続的な経済成長を実現にために
  • 多様なライフスタイルのために
  • 長期にわたる安心の確保のために
  • 地方の自立と活力のために
  • 負担に対する国民の理解のために

第4部 歳出の主要分野における構造改革
1.社会資本整備
「基本方針」「改革と展望」を踏まえさらなる重点化や効率化
  • 国から地方へ、官から民へ
  • 実効ある重点化の実現:トップダウンの意思決定とボトムアップの選択、経済活性化効果等の観点から重点分野の具体化・絞込み
  • 実効ある効率化の実現:厳格な事業評価とその結果の予算編成への反映、PFIの活用、一般競争入札の拡大等競争性の向上等
  • 既存プロジェクト、公共事業関係計画のあり方の見直し
2.社会保障制度
持続可能で安心できるものとして、国民負担率の上昇を極力抑制
  • 少子化対策の強化
  • 平成16年に予定される年金制度の改革に向けて、国民から信頼され持続可能なものにするため、基本方針について早急に議論を始める
  • 保健医療システム、診療報酬体系、医療保険制度の改革を継続
3.国と地方
地方行財政改革を強力かつ一体的に推進
  • 国の関与を縮小し、地方の権限と責任を拡大。国庫補助負担事業の廃止・縮減について年内を目途に結論
  • 国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分のあり方を三位一体で検討。改革案を今後1年以内を目途にとりまとめ、地方における約14兆円の財源不足を早期に解消し、その後は地方財政の自立
  • 市町村合併の促進、団体規模等に応じた事務や責任の配分
4.その他
(食料産業の改革)
 将来の食料供給への不安と食の安心・安全性への不信の高まりの中で、国民の期待に応えうる「食料産業」の活性化と農業の構造改革を推進
  • 消費者を基点とした行政への転換
  • 農業経営者の意欲と個性が発揮できる政策への転換
  • 流通段階に競争条件を導入するとともに、抜本的な農協改革を促進
  • 農林水産資源を活用したバイオマス産業の育成
(特定財源のあり方の見直し)
 道路等の特定財源については、長期計画や今次税制改革と一体的にそのあり方を見直し、可能なものは15年度から具体化
(公的部門の効率化)
 民間委託やPFI等の活用、国や地方の調達の改善、電子政府等の推進等

第5部 経済財政の姿と15年度経済財政運営の考え方
1.経済財政運営の基本的考え方
  • 「改革と展望」で示した中期的な歳出改革を加速する
  • 「歳出改革の加速」「経済活性化戦略」「税制改革」の三位一体の推進で、「改革と展望」で示した程度の成長は可能
2.平成14年度及び15年度のわが国経済
(1) 当面の景気動向と平成14年度及び15年度経済
  • 我が国経済は循環面では底入れ
  • 企業の設備投資は低調、雇用・所得環境は引き続き厳しく、家計消費の回復は遅れ、横ばいで推移
  • 金融機関の不良債権問題、企業の過剰債務問題への対応が続く中で、依然デフレ傾向にある
  • 年度後半には企業収益の回復が見込まれ、設備投資が増加に向かうと期待されるものの、回復に向けての足取りは全般に緩やかであり、14年度の経済成長(実質)はほぼ横ばいにとどまる見込み
  • 15年度については、全般的には回復過程にあると期待されるが、金融システム不安の払拭の遅れなどから脆弱な側面あり。物価については、下落から安定化に向かう
  • 今後は、循環面の回復を構造改革面から補強し、中期的に持続的な成長につなげることが重要
(2) デフレ対応をはじめとする当面の経済運営
  • 不良債権処理については、市場規律や厳格な資産査定の下、オフバランス化の具体的な処理目標、信託を含むRCCの機能の積極的な活用等累次の施策に則った処理を一層徹底する。債権等の流動化や証券化を促進し、平成16年度には不良債権問題を正常化
  • 企業の再建・整理、産業再編等による産業サイドの構造改革の推進
  • 個人投資家の証券市場への信頼向上のためのインフラ整備等の証券市場の構造改革の推進
  • 活力ある金融システムの確立に向けて、金融システムの中期ビジョンを早急に取りまとめ
  • 金融機関の競争力・収益力の向上を促すため、地域金融機関の合併等を促進。預金者に信頼される金融システムの安定確保に万全を期す
  • 日本銀行による実効性ある金融政策運営を期待
  • 構造改革を通じて、企業の収益回復の動きを設備投資の拡大、新しい事業の展開などにつなげる
  • 経済活性化戦略、税制改革、歳出構造改革などを推進する
  • 基本方針の中で早急に実施できる事項を検討し、可能な限り早期に実施する
3.平成15年度財政運営のあり方
(基本的考え方)
  • 裁量的な支出の効率化・削減にとどまらず、予算の過半を占める非裁量的な、いわゆる制度予算・義務的経費を見直す。中央・地方政府の一段の行政改革
  • 歳出改革と行財政改革を加速し、「負担に値する質の高い小さな政府」を早期に実現
  • 総理主導による意思決定システムを強化するため、予算編成のプロセスと手法の改革をさらに推進
(歳出改革の加速)
  • 非裁量的(制度・義務的)予算の大胆な改革、裁量的経費の「根元」からの洗い直し
  • 一般歳出及び一般会計歳出全体について実質的に14年度の水準以下に抑制
  • 国債発行額についても、「30兆円」からの乖離をできる限り小さくする
(「経済活性化戦略」に沿った新重点4分野)
  • 人間力の向上・発揮――教育・文化、科学技術、IT
  • 魅力ある都市・個性と工夫に満ちた地域社会
  • 公平で安心な高齢化社会・少子化対策
  • 循環型社会の構築・地球環境問題への対応
(その他の歳出分野)
  • 公共投資、社会保障、地方財政、農林水産関係、ODA、防衛、治安
  • 国庫補助負担金、総人件費等
(予算編成プロセスと手法)
  • 総理主導による意思決定システムを強化(諮問会議を活用しつつ、総理が基本方針を示し、各大臣が責任を持って各省の政策・歳出を「根元」から変革)
  • 目的・効果のわかりやすい予算とするため、厳格な政策評価・事業評価を実施、それぞれの重点分野に対応する予算を府省を通じて整理(マトリックス型の手法)