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平成18年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度

平成17年12月19日
閣 議 了 解


1.平成17年度及び平成18年度の主要経済指標
 
 平成17年度及び平成18年度の主要経済指標
 
2.平成17年度の経済動向及び平成18年度の経済見通し
 
(1)平成17年度の経済動向
 
 平成17年度の我が国経済は、年央には、それまでの輸出・生産などに見られた弱い動きを脱し、景気は、緩やかな回復を続けている。
 企業部門の好調さが、雇用・所得環境の改善を通じて家計部門へ波及しており、民間需要中心の緩やかな回復が続くと見込まれる。
 しかし、デフレからの脱却に向けた進展が見られるものの、物価は依然としてデフレ状況にある。実体経済が緩やかに回復し、デフレ圧力の低下により消費者物価の下落幅は縮小しているが、原油価格の高騰により輸入物価が上昇している中、GDPデフレーター(物価変動指数)は下落を続けている。
 こうした結果、平成17年度の国内総生産の実質成長率は、2.7%程度(名目成長率は1.6%程度)になると見込まれる。
 
(2)平成18年度の経済見通し
 
 平成18年度においても、消費及び設備投資は引き続き増加し、我が国経済は、民間需要中心の緩やかな回復を続けると見込まれる。
 物価については、政府・日本銀行が一体となった取組を行うことにより、デフレ脱却の展望が開け、消費者物価やGDPデフレーターも、年度を通して見るとわずかながらプラスに転じると見込まれる。デフレからの脱却の判断に当たっては、物価の基調やその背景を総合的に考慮し、慎重な判断を行うことが必要である。
 こうした結果、平成18年度の国内総生産の実質成長率は、1.9%程度(名目成長率は2.0%程度)になると見込まれる。
 
1)実質国内総生産
(i)民間最終消費支出
 雇用・所得環境が改善することから、引き続き増加する(対前年度比1.6%程度の増)。
(A)民間住宅投資
 雇用・所得環境が改善することから、安定的に推移する(対前年度比0.4%程度の増)。
(B)民間企業設備投資
 企業収益の改善に支えられ、引き続き増加する(対前年度比5.0%程度の増)。
(C)公需
 歳出改革路線の堅持・強化により、公的固定資本形成が減少することや、医療、介護における制度改革により医療や介護の保険給付の自然増が抑制されること等から、減少する(実質経済成長率に対する公需の寄与度マイナス0.2%程度)。
(D)外需
 世界経済の成長が続く中で、引き続き増加する(実質経済成長率に対する外需の寄与度0.4%程度)。
 
2)労働・雇用
 厳しさが残るものの改善に広がりが見られ、完全失業率は前年度に比べ若干低下する(4.1%程度)。
 
3)鉱工業生産
 内需、外需が増加することから、引き続き増加する(対前年度比2.9%程度の増)。
 
4)物価
 国内企業物価は、上昇を続ける(対前年度比0.9%程度の上昇)。消費者物価(対前年度比0.5%程度の上昇)やGDPデフレーター(対前年度比0.1%程度の上昇)は、わずかながらプラスに転じる。
 
5)国際収支
 所得収支の黒字が大きい中、世界経済と国内需要がともに回復を続けることにより、輸出入とも増加し、経常収支黒字はやや拡大する(経常収支対名目GDP比4.0%程度)。
 
 なお、今後の原油価格や世界経済の動向等が我が国経済に与える影響には留意する必要がある。
 
(注1)名目成長率からGDPデフレーターの変化率を差し引くと実質成長率になる。
(注2)本経済見通しにあたっては、「3.平成18年度の経済財政運営の基本的態度」に記された経済財政政策を前提としている。
(注3)世界GDP、円相場、原油価格については、以下の前提を置いている。なお、これらは、作業のための想定であって、政府としての予測あるいは見通しを示すものではない。
 平成16年度平成17年度平成18年度
世界GDP(日本を除く)3.7%3.3%3.4%
円相場(円/ドル)107.5113.6118.4
原油価格(ドル/バレル)38.754.656.5
 (備考)
1.世界GDP(日本を除く)は、国際機関等の経済見通しを基に算出。
2.円相場は、平成17年11月1日〜11月30日の1か月間の平均値(118.4円)で以後一定と想定。
3.原油価格は、平成17年9月1日〜11月30日の3か月間のスポット価格の平均値に運賃、保険料を付加して以後一定と想定(56.5ドル)。
(注4)我が国経済は民間活動がその主体をなすものであること、また、特に国際環境の変化には予見しがたい要素が多いことにかんがみ、上記の諸計数はある程度幅を持って考えられるべきものである。
 
3.平成18年度の経済財政運営の基本的態度
 
 政府は、「改革なくして成長なし」、「民間にできることは民間に」、「地方にできることは地方に」との方針の下、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005」等に基づき、郵政民営化の着実な実施、政策金融改革、総人件費改革、資産・債務改革、市場化テストによる民間への業務開放・規制改革等を通じ「小さくて効率的な政府」を実現するとともに、規制・金融・税制・歳出等の改革を推進するなど、各分野にわたる構造改革を断行する。こうした取組を進めることにより、経済活性化を実現し、民間需要主導の持続的な経済成長を図る。また、デフレからの脱却を確実なものとするため、政府は、日本銀行と一体となって政策努力の更なる強化・拡充を図る。
 なお、今後とも、経済情勢によっては、大胆かつ柔軟な政策運営を行う。
 
 上記の経済見通しの前提となる主要な経済財政政策は以下のとおり。
○規制分野:「市場化テスト」の平成18年度からの本格的導入に向け、「公共サービス効率化(市場化テスト)法案」(仮称)を次期通常国会に提出するなど、規制改革・民間開放を推進する。
○金融分野:金融・投資サービスに関する横断的法制としての「投資サービス法」(仮称)について早期の法制化に取り組むなど、利用者の満足度が高く、国際的に高い評価が得られ、地域経済にも貢献する「金融サービス立国」を実現するための諸施策を着実に実施する。
○税制分野:「平成18年度与党税制改正大綱」(平成17年12月15日)を踏まえ、定率減税、政策減税等について、所要の措置を講じる。
○歳出分野:「平成18年度予算編成の基本方針」(平成17年12月6日閣議決定)等を踏まえ、歳出改革路線を堅持・強化する。
○三位一体の改革:平成18年度までの三位一体の改革に係る「政府・与党合意」等を踏まえ、4兆円を上回る国庫補助負担金の改革、3兆円規模の税源移譲、地方交付税改革を確実に実現する。
○社会保障制度改革:将来にわたり持続可能な制度を構築するための社会保障の一体的見直しの議論等を踏まえ、平成18年度には、医療制度改革大綱(平成17年12月1日)等に基づき、医療、介護その他の分野の制度改革等に取り組む。