ア 電気通信事業分野では、現在、新規参入を一層促進する観点から、一種・二種の事業区分の廃止、参入規制の大幅な緩和(許可制の廃止)等について検討が行われているが、全般的に規制水準を引き下げる方向で抜本的に制度を見直していくべきである。その際は、法益に照らし合わせ、事業者の自由な創意工夫を阻害することのないよう、事前規制については適切な範囲で必要最小限のものとすべきである。【平成14年度中に検討・結論】
また、平成11年7月に、NTTを持株会社の下に、地域通信事業を行う東・西NTT、長距離国際事業を行うNTTコム、移動体通信事業を行うNTTドコモという形にする再編成が行われたが、NTT関係の各事業会社が独立した経営体として相互に競争を行うよう注視すべきである。
イ 電気事業分野では、「規制改革推進3か年計画(改定)」に記載されているように、以下の事項について検討し、結論を得るべきである。
小売自由化範囲の拡大については、需要家が供給者に関する選択肢を確保し得る環境整備を進めつつ、高圧(受電電圧6kV以上の需要家:中小ビル・工場向け)までの自由化を行うとともに、家庭用などの全面自由化に向けたスケジュールを明示し、早急に取り組むべきである。
また、既存事業者間の相互参入を促進し、市場自由化メリットの広範な享受及び事業者の自由な事業展開を実現する観点から、連系送電線を中心とした基幹送電線について、全国的視野からの整備の必要性を踏まえつつ、既存電気事業者に限定されない主体による送電線の整備ルールや整備計画の作成などが行われる仕組みを整備すべきである。
さらに、自家発電設備を所有する事業者が近隣へ電力を供給する場合、特定電気事業や特定供給の場合を除いて、現状では自ら送電線を引いて供給することはできず、電力会社に託送料を支払い電力会社の送電線を使って供給せざるを得ないが、国民経済的観点にも配慮しながら、原則として自由な送電線建設を認めるべきである。その際、送電線建設を認めることで自由化部門では不必要となる特定供給に対する許可規制の在り方や、新規参入事業者が建設したネットワークのオープンアクセスについても併せて検討すべきである。【平成14年度中に検討・結論】<「エネルギー」1に関連記述あり>
ウ ガス事業分野では、大口需要家に対する小売等一定範囲で新規参入が認められているが、今後とも活発な参入が促進されるべく、小売自由化範囲の拡大スケジュールを明確にして、早期にこれを実施するとともに、家庭用を含む小規模需要の自由化の実現性についても検討すべきである。【平成14年度中に検討・結論】<「エネルギー」2に関連記述あり>
エ 国内航空、鉄道、海運、タクシー等の運輸分野については、「規制緩和推進3か年計画」(平成10年3月31日閣議決定)において需給調整規制の廃止が決定され、各分野において規制緩和が行われたが、今後とも、以下の事項を含め、活発な参入を促進すべきである。【平成14年度以降逐次実施】
(ア)港湾運送事業に係る規制【平成15年度中に結論、以降速やかに措置】
主要9港以外の地方港については、需給調整規制を廃止し免許制を許可制にする規制緩和について、平成15年度中に所定の結論を得て、以降速やかに措置を講ずるべきである。<「運輸」1に再掲>
(イ)タクシー事業における緊急調整措置の見直し【逐次実施】
タクシー事業については平成14年2月に需給調整規制が廃止されたが、同時に一定の条件下では需給調整措置を採ることができる緊急調整措置が設けられた。これに関連し当初は140箇所が特別監視地域に指定された。さらに、今年度に入って、沖縄には実際に緊急調整措置が発動され、特別監視地域も212箇所に激増している。特別監視地域が当初より多く、さらに、今年度激増している原因には、その指定要件のうちの実車率の低下率が過去5年間平均対比で「流し地域」では10%超であるのに、「非流し地域(流し比率の著しく低い地域)」では2%超と著しく低く設定されていることもある。緊急調整措置の発動地域が拡大すれば需給調整規制を廃止した趣旨を根底から損ねる危険性があり、その発動は厳に必要性があるケースに限定されなくてはならない。したがって、当会議の第1次答申でも指摘したように、特に、非流し地域における実車率の低下率の数値引き上げを含めて、安易な需給調整規制の復活という事態に至らないよう、制度の不断の見直しを行うべきである。<「運輸」7(1)に再掲>