9 エネルギー
【問題意識】
我が国の国際競争力を高めるとともに国民生活の向上を図るため、エネルギー産業の分野においても、エネルギー・セキュリティ確保や地球温暖化防止等の課題に配慮しつつ、競争的環境の積極的な導入により事業者の経営効率化を促進することで高コスト構造を是正するとともに、サービスの多様化と質的向上を図ることが重要である。電力・ガス事業の分野においては、上記の観点から、これまで小売の部分自由化や送電ネットワークや導管といったいわゆるエッセンシャルファシリティの開放などの施策を通じて段階的に自由化を推進してきているところであるが、これまでの成果を踏まえ、全面的な自由化を視野に入れ、スケジュールを明確化するとともに、今後さらにこれまでの取組を加速する必要がある。
さらに、これまで電力、ガス、石油など個別分野ごとに議論が進められてきたが、自由化が進展する中で、各分野のプレーヤーが相互に競争する現状であることを踏まえ、エネルギー産業全体のあるべき姿を踏まえた市場設計を進めていく必要がある。
【具体的施策】
1 電気事業制度全体の見直し【平成14年度中に措置】
電気事業制度全体の見直しについては、昨年の当会議第1次答申で指摘し、本年3月の「規制改革推進3か年計画(改定)」において閣議決定されたところである。したがって、この閣議決定を着実に実施するべきである。
その際、小売自由化範囲の拡大については、需要家が供給者に関する選択肢を確保し得る環境整備を進めつつ、高圧(受電電圧6kV以上の需要家:中小ビル・工場向け)までの自由化を行うとともに、家庭用などの全面自由化に向けたスケジュールを明示し早急に取り組むべきである。
上記に加え、下記の措置を講ずるべきである。
すなわち、接続供給料金については届出制となっているが、新規参入者にとってはその水準の妥当性の担保が不十分であるとの指摘がなされている。したがって、新規参入者・既存の電気事業者相互の参入などによる競争促進の観点から、現行制度における変更命令発動基準の明確化を行い、コスト削減と料金低減のインセンティブが十分に機能する制度設計を行うべきである。
なお、こうした制度の適切な運用を確保し、昨年度当会議が提言した市場監視及び紛争処理のための監視機関に高度のチェック機能を付与するべきである。
2 ガス事業全体の構造改革【平成14年度中に措置】
ガス事業全体の構造改革については、既定の「規制改革推進3か年計画(改定)」に従い、小売自由化範囲の拡大、卸市場の活性化、既存のガス供給インフラの第三者への開放、ガスパイプライン網の効率的整備促進などの点について所要の措置を講ずるべきである。
その際、小売自由化範囲については、その拡大スケジュールを明確にして、早期にこれを実施するとともに、家庭用を含む小規模需要の自由化の実現性についても検討するべきである。
パイプラインについても、早期に託送制度の対象を大手都市ガス4事業者から他の一般ガス事業者及び他のガス供給用の導管を保有する事業者に拡大すべきである。また、卸託送制度を整備する等、託送制度の改善を図るべきである。
ガス事業においても電気事業と同様に市場の公正性を監視するための機関の設計を検討するべきである。
3 C重油関税の在り方【平成17年度までに措置】
C重油関税は高硫黄C重油で3,202円/klと他の石油製品を上回る税額に設定されている。C重油関税が昭和35年度に国内石炭対策のための財政関税として位置づけられた際には、関税率は低く設定されていたが、外貨割当制度(当時の基本税率は570円/kl)から関税割当制度に切り替えられる中で、無秩序な輸入を制限する観点から2次関税率が2,280円/klと大幅に引き上げられ、その後昭和57年度には更に引き上げられた経緯がある。
このようにC重油関税は石炭対策の財源であるとともに、連産品である石油製品の安定供給確保という目的もあり、その後、関税割当制度は廃止されるとともに、関税率も段階的に引き下げられてきたものの、依然として関税率が高いことから、板ガラスやソーダなどの需要家業界にとって輸入抑制的な関税として機能している。このような高関税率の下では国内需要家は、もっぱら国内精製業者から購入する以外に選択の余地はない一方で、国内の精製業者はC重油を輸入して関税を納めているが、国内の精製業者にとってはそのような輸入を行い関税を支払っても国内の需要家の重油輸入を阻止する観点から十分な代償のあることとの指摘がある。
しかしながら、上記の石炭対策に係る借入金返済のための関税措置は平成17年度で終了することが予定されている。また石油政策についても石油業法の廃止など競争促進的に転換してきているところである。
したがって、今後は平成17年度までの間においても、C重油の需要家の過大な負担が是正されていくよう、C重油関税の見直しを検討するとともに、平成18年度以降のC重油関税の在り方については、このような事態が是正されるよう、厳正に対処するべきである。
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