首相官邸 首相官邸 トップページ
首相官邸 カテゴリーなし
 トップ会議等一覧総合規制改革会議印刷用(PDF)


11 運輸

【問題意識】

 人やモノの輸送に係るサービスを提供する「運輸」については、国民生活の基盤をなす極めて重要な分野であり、この分野のより一層の活性化を通じて、より低廉なコストでより良質なサービスの提供のための条件整備を行うことは、経済社会の発展にとって、必要不可欠である。このような認識に基づき、運輸分野においては、近年、幅広い交通分野にわたり、規制改革に向けての取組が着実に行われ、一定の成果を上げてきたところである。例えば、需給調整規制の撤廃による免許制から許可制への移行、運賃・料金の認可制から届出制への移行に加え、昨年提言した「規制改革の推進に関する第1次答申」を踏まえ、トラック事業における営業区域制度の廃止等も実現される運びとなり、これら施策は国民経済の活性化という観点からも極めて重要な意義を有するものであると考える。
 しかしながら、運輸分野における規制改革は、今後も、引き続き、着実に推進されるべきものである。とりわけ、昨今の日本経済の実勢を踏まえ、経済活性化に係る要請がかつてないほどの高まりをみせている現状においては、事業規制に係る制度的枠組みの在り方、許認可制度の運用の実態について絶えず、検証・検討を加え、必要な施策については速やかに実施する必要がある。また、各種申請・手続のワンストップサービス化を着実に推進し、諸手続に際しての国民の負担軽減を図るための取組も継続的に進めていく必要がある。以上のような認識に基づき、以下の事項を具体的施策として提言する。

【具体的施策】

1 港湾運送事業に係る規制【平成15年度中に結論、以降速やかに措置】
 主要9港以外の地方港については、需給調整規制を廃止し免許制を許可制にするとともに運賃・料金の認可制を事前届出制とする規制緩和について、平成15年度中に所定の結論を得て、以降速やかに措置を講ずべきである。

2 輸出入・港湾手続のワンストップサービス(シングルウィンドウ化)の推進
 輸出入・港湾手続については、平成15年度の出来るだけ早い時期におけるシングルウィンドウ・システム供用開始に向け、関係省庁間で準備が進められているところであるが、その際、利用者からの意見・要望を踏まえ、利用者にとっての利便性向上とコスト低減を最優先目標とするとともに、実施時期についても少しでも繰り上げて早期に実現すべきである。【平成15年度の出来るだけ早い時期に運用開始】
 さらに、昨今の進歩著しい情報技術革新の潮流と今回のシングルウィンドウ化の成果と問題点を踏まえ、既存システムの相互接続にとどまらず、改めて輸出入・港湾に関する全ての手続の徹底した見直しを行い、より信頼度が高くかつ運用コストの低廉な新しいシステム構築について検討すべきである。【逐次検討】

3 自動車保有関係手続のワンストップサービス化【平成17年運用開始】
 自動車保有に関する手続(検査・登録、保管場所証明、自動車関係諸税の納付等)のワンストップサービス化については、平成17年運用開始に向け、現在関係行政機関において作業が進められているところであるが、これについては確実な運用開始を図るとともに、関連する法令の着実な整備を図るべきである。なお、軽自動車についてワンストップサービス化する際には、現在は軽自動車検査協会が独自に行っている軽自動車の登録管理についても接続のインターフェイスを統一化すること等により、申請者負担の軽減が図られるようにすべきである。

4 車検制度に係る検討作業【逐次実施】
 車検・点検整備制度については、従来から車検有効期間の延長等により、相応の規制緩和が進められてきており、最近においても2000年5月に、車両総重量8トン未満の貨物自動車について初回の車検有効期間が1年間から2年間に延長されるとともに、貨物自動車の点検項目が簡素化されたところである。しかしながら、爾後においても、同8トン以上の貨物自動車について同様の延長要望が提出されるなど、車検・点検整備制度の在り方については国民負担の軽減等の観点から、引き続き、要望が提出されている。
 このため、安全で環境との調和のとれた車社会の実現を目指すという車検・点検整備制度本来の目的を念頭に置き、かつ諸要望の内容をも考慮しつつ、望ましい制度の在り方について、必要なデータ等を収集の上、常に検討して改善を図っていくべきである。なお、その際には、国民に対する説明責任を全うするとともに、十分な透明性を確保するべきである。

5 セミトレーラー等の積載条件の見直し【平成15年度検討、平成16年度結論】
 現在、道路を走行する車両に係る重量規制については、車両制限令及び道路運送車両の保安基準により、車両の長さ及び軸距に応じ連結車両総重量最大36トンまでとされているが、総重量44トンのISO規格40フィートフル積載海上コンテナ積載車両等については、許可を得て通行が可能となっている。しかし、物流効率化による高コスト構造是正の観点からは、道路の構造や交通の安全に悪影響を与えずに通行可能なルートについては、当該コンテナ積載車両以外の総重量36トンを超える車両についても通行を認めることが望ましい。このため、物流事業者のニーズ、道路の構造等の実態を踏まえながら、安全性を確保しつつ物流を効率化するための積載条件のあり方について検討すべきである。

6 車高規制の見直し【平成15年度検討、平成16年度結論】
 現在、道路を走行する車両に係る車高規制については、車両制限令及び道路交通法(施行令)により3.8mとされているが、高さ4.1mのISO規格背高海上コンテナ積載車両等については許可を得て通行が可能となっている。しかし、物流効率化の観点からは、道路の構造や交通の安全に悪影響を与えずに通行可能なルートについては、当該コンテナ積載車両以外の車高3.8mを超える車両についても通行を認めることが望ましい。このため、物流事業者のニーズ、道路の構造、交通事故等の実態を踏まえながら、安全性を確保しつつ物流を効率化するための車高規制の在り方について検討すべきである。

7 タクシー事業に係る見直し

(1)緊急調整措置の見直し【逐次実施】

 タクシー事業については平成14年2月に需給調整規制が廃止されたが、同時に一定の条件下では需給調整措置を取ることができる緊急調整措置が設けられた。これに関連し当初は140箇所が特別監視地域に指定された。さらに、今年度に入って、沖縄には実際に緊急調整措置が発動され、特別監視地域も212箇所に激増している。特別監視地域が当初より多く、さらに、今年度激増している原因には、その指定要件のうちの実車率の低下率が過去5年間平均対比で「流し地域」では10%超であるのに、「非流し地域(流し比率の著しく低い地域)」では2%超と著しく低く設定されていることもある。緊急調整措置の発動地域が拡大すれば需給調整規制を廃止した趣旨を根底から損ねる危険性があり、その発動は厳に必要性があるケースに限定されなくてはならない。したがって、当会議の第1次答申でも指摘したように、特に、非流し地域における実車率の低下率の数値引き上げを含めて、安易な需給調整規制の復活という事態に至らないよう、制度の不断の見直しを行うべきである。

(2)NPOによるボランティア輸送に係る有償運送の可能化【平成14年度中に結論】

 また、公共交通機関の利用が困難な高齢者、身体障害者等を個別に又はこれに近い形で輸送するサービスである、いわゆる“STS(スペシャル・トランスポート・サービス)”については、「構造改革特区推進のためのプログラム」において「NPOによるボランティア輸送について有償運送を可能化」とされていることから、その措置内容等を基本にしつつ、今後構造改革特区にとどまらず、全国的にその実現を図る方向で検討し、結論を得るべきである。

(3)タクシーの運賃・料金に係る処理期間の短縮【平成14年度中に措置】

 タクシーの運賃・料金に関しては、改正道路運送法の施行後、意欲ある事業者の創意工夫により様々な運賃・料金が実施されてきており、そのより一層の促進を図るためには、申請に基づき認可が行われるまでの「標準処理期間」の短縮を図ることが重要である。このため、標準処理期間の運用について見直しを行い、類似の内容の申請に対する処分が既に行われている場合等については、その審査結果を活用するなど、処理期間の短縮を図るべきである。