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別 紙

5 「構造改革特区」制度の適切な実施と早期改善に向けて

【問題意識】4 (2)残された課題に対する関係各省の考え方

事 項(関係各省) 関係各省の考え方
○ 株式会社等による学校経営の解禁

(文部科学省)
「公の性質」を有する学校の設置・運営は極めて公共性の高いものであり、また学校教育の非代替性から、学校経営には安定性、継続性が不可欠である。これらを担保する観点から、学校法人以外の者に学校の設置を認めることは、たとえ特区に限った場合であっても不適切であると考える。
○ 大学・学部・学科の設置等の完全自由化(認可制から届出制への転換)

(文部科学省)
設置認可制度に関しては、来年4月より大学の質の保証を図りつつ、認可制から届出制への大幅な制度改正を予定している。その完全自由化は海外でもほとんど例がなく、大学としての最低限の質の保証はもとより、我が国の大学制度・学位制度全体に対する国際的通用性を損なうものであり、たとえ特区に限っても不適切である。
○ 国立大学の教員への裁量労働制の適用

(文部科学省)
裁量労働制を導入する比較優位性のある地域がどのようなものか想定できず、制度の性質として地域の特性に応じて特別の区域に導入するものとしては馴染まないと考える。なお、総合規制改革会議の雇用・労働分野において大学教員の労働時間規制の在り方を平成15年度に検討することが固まりつつあるところであり、まずはその議論を見極めるべきと考える。
○ 小中高一貫教育など、教育課程・教科設定・学習指導要領の弾力化(「構造改革特区研究開発学校制度(仮称)」の運用が、必要以上に厳格なものにならないようにする)

(文部科学省)
「構造改革特区研究開発学校制度(仮称)」の運用については、構造改革特区制度の趣旨を踏まえて対応することとしており、「残された課題」の一部に掲げることは不適当と考える。また、左記の事項については、「特区制度の対象とすることを検討する必要がある」ものではないと考える。
○ 国公立大学の部局等管理職への外国人の任用の解禁

(文部科学省)
外国人の部局等管理職への任用については、当該規定がいわゆる公務員の当然の法理に基づくものであり、制度の性質として地域の特性に応じて特別の区域に導入にするものとしては馴染まないと考える。なお、国立大学については平成16年度に法人化されれば部局等管理職への登用が可能になる。また、公立大学についても、国立大学の法人化の検討状況を踏まえつつ、そのあり方について検討が進んでおり、その結果を見極めるべきと考える。
○ 公立学校と私立学校との間の生徒の負担の平等を確保するための教育切符制の導入

(文部科学省)
本件については、現行の教育財政制度の下で、これに上乗せする形で、地方公共団体の財源により公私の間の負担の平等を確保するための措置を実施することは可能であり、特区として指定する必要性がない。また、本件については、地方公共団体から全く要望が出されていない。
○ 株式会社等による医療機関経営の解禁

(厚生労働省)
医療の提供等人の生命、健康等に関する規制については、一定の地域にのみ異なる規制とすることは不適当である。株式会社は、できる限り多くの利潤を追求することをその本質としており、これを実現するため、人件費等コストの削減や売上げの増大による利益確保のインセンティブが働き、適正な医療を提供できなくなるおそれがあること、収益性の高い医療分野に集中することにより、医療費の高騰を招きかねないこと等から、医療経営への参入は、不適当と考える。
○ 労働者派遣業務の医療分野(医師・看護師等)への対象拡大

(厚生労働省)
医療の提供等人の生命、健康等に関する規制については、一定の地域にのみ異なる規制とすることは不適当である。病院、診療所等への医療関係業務の労働者派遣を容認することは、チームとして医療を提供する中で、その構成員による互いの能力把握や意思疎通が不十分となり、患者の生命、身体に危害が及ぶおそれがあるため、慎重な検討が必要である。
○ いわゆる「混合診療」の解禁

(厚生労働省)
保険診療と保険外診療の併用は特定療養費制度により一定のルールの下に認めているところであり、この無原則な併用は不当な患者負担増大の防止等の観点から、適当でない。自治体等の具体的要望は高度先進医療制度の見直し等により対応する予定である。なお、保険給付内容を特定の地域に限り変えることは全国の保険者の財政に影響を与えることとなる。
○ 日本の医師免許を持たない外国人医師による日本在住外国人への医療行為の解禁(必ずしも「臨床修練」を主目的にしない場合についても解禁)

(厚生労働省)
医療の提供等人の生命、健康等に関する規制については、一定の地域にのみ異なる規制とすることは不適当である。医療は、その担い手である医師は、高度な専門的知識及び技能を有することが求められるため、日本においては免許制度が設けられている。医師の養成課程などの免許付与の条件や、医療に関連する諸制度は、日本と外国では異なっているところである。このため、外国の医師が我が国において医療行為を行うためには、日本の医師免許が必要と考える。
○ 公共職業安定所(ハローワーク)の民営化

(厚生労働省)
以下の理由から、たとえ特区に限っても不適当である。 「国の機関の指揮監督下で、全国的体系の無料の公共職業安定機関を維持しなければならない」旨規定するILO88号条約違反となる。また、公権力の行使を伴う雇用保険事業は国が実施する必要があるが、職業紹介事業を民営化すると、両者一体的な運用が不可能となり、給付の濫給等、制度のモラルハザードが生ずる。さらに、民間は主に求人者から紹介手数料を徴収しており、手数料の支払いが困難な求人者や採算ベースに乗りにくい障害者、高齢者、長期失業者等はサービスが受けられなくなる。
○ 高齢者・障害者に対する最低賃金法の適用除外を、当該自治体の判断で許可

(厚生労働省)
憲法に規定する健康で文化的な生活を営むため低賃金労働者に賃金の最低額を保障するという最低賃金の趣旨に基づき、適用除外を行うに当たっては対象を限定して全国一律の判断基準に基づいて厳格に行っているところであり、たとえ特区に限っても、自治体の判断によって個別に適用除外の判断が異なることは制度上認めることはできない。
○ 幼稚園・保育所の一元化(資格試験の統合、設置基準の統一(保育所にのみ義務付けられた調理室設置義務の廃止等)など)

(厚生労働省)
幼稚園と保育所はそれぞれが整備充実を図る中で、地域の実情に応じた弾力的な設置運営が可能となるよう連携を図っている。両者の一元化は、国・地方の公費負担制度のあり方そのものに影響を及ぼす等の問題があり、たとえ特区に限っても実施することは困難である。また、安全衛生面はもとより、食事を通じた子どもの健全育成、離乳食等きめ細かな対応という観点から、調理室は必要である。

 同  上

(文部科学省)
幼児期についての保護者の多様なニーズに対応するためには、特区であるか否かを問わず、単純に統合・統一するのではなく、両施設が連携することが適切である。今後とも、たとえば公費負担の在り方など連携に係る諸課題について、厚生労働省とも中長期的に検討していく。なお、資格の併有を促進する方策を検討することが「構造改革特区推進のためのプログラム」において決定されているところである。
○ 地方公務員の臨時的任用の要件緩和

(総務省)
臨時的任用は、一般的な行政事務の増加に対応し得るよう正式任用の例外として緊急の場合や臨時の職に関する場合等に限って行う制度であり、特区制度にはなじまないものと考える。なお、幅広い人材の登用のために、自治体の提案する多様な勤務形態や勤務時間、任期を考慮して任用する制度としては、既に非常勤職員や特別職、任期付一般職員の任用制度が設けられている。
○ 公有水面埋立地の用途変更の制限期間(10年)の短縮・撤廃

(国土交通省)
環境問題への関心が高まり埋立てに対する批判が厳しい中で、用途変更の制限期間を短縮することは、免許制度の本質を失わしめ、安易な開発を惹起し、時代の流れに逆行するもので、国民の理解を得られない。必要なものについては、個別の許可の運用で対応でき、これは既に今回の特区プログラムにおいて措置済みである。
○ 強制水先の必要な船舶の範囲の見直し

(国土交通省)
水先は広域的な船舶交通流の安全制度であり、特区内の港向け船舶のみ安全を下げることは困難である。外国籍船の運航体制は国内法の対象外で、国内海事法令や日本語に精通した船員など運航体制全体での安全確保に制度的保障がない。輻輳水域では交通状況に応じた日本語による周辺船舶との連絡調整能力が不可欠である。国際的にも例はない。
○ 株式会社等による農地取得の解禁

(農林水産省)
構造改革特別区域法案において、一定の懸念払拭措置を講じた上で農業生産法人以外の法人の農業経営を可能とする大幅な規制緩和措置を講じたところであり、本措置が未だ施行されておらず、その検証・評価もなく株式会社等による農地取得の解禁の検討が取り上げられることは、適当でない。
○ 外国人弁護士による日本在住外国人向けサービスの解禁

(法務省)
 現行法でも、外国弁護士は、相互の保証の下に、法務大臣の承認により、外国法事務弁護士として一定の法律事務の取扱いが可能である。なお、法務大臣の承認要件(3年以上の実務経験等)は、外国弁護士が供給する法律サービスの質を確保し、依頼者等関係者の不測の損害を防止するための必要最小限の要件である上、充足困難なものではないから、たとえ特区に限っても、これらの要件を撤廃又は緩和するのは相当でなく、その必要性もない。