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4 金融

【問題意識】

 我が国経済・社会の活性化のためには、「事前規制から事後監視へ」という規制改革の流れを進めて、民間企業・個人の潜在力を最大限引き出すことが重要である。
 そのような観点からは、金融分野については、伝統的な間接金融から市場型間接金融へと軸足を移して、成長産業・企業に資金が円滑に流れる構造を早急に作っていくことが必要である。
 一方、個々の金融機関(証券会社を含む。)においては、金融サービス利用者の利便性の向上のため、絶えざる自己変革を行うことが求められる。業態の垣根を撤廃して横断的な金融サービスの提供を可能にすることによって、金融機関のこうした動きが後押しされると考える。特に、旧来型のビジネスモデルに固執して規制改革が進まない分野に対しては、今後も当会議が牽引力を発揮して変革を促す必要があると考える。
 また、ITを始めとする技術進歩がかつてない速度で進んでおり、金融分野においても、例えば、電子マネー市場の更なる拡大を支援するための制度整備を行う等、技術進歩と並走して不断の制度対応を行うことが重要である。

【具体的施策】

1 金融サービス(証券)法制の横断化【平成15年度以降逐次検討・結論】
 我が国の金融・資本市場は、伝統的な間接金融から市場型間接金融へその軸足を移行することの重要性が説かれて久しい。最近では、企業再生ファンドなどの新しい金融の仕組みが登場し、将来は更に多様な資本市場を通じた金融形態が登場することが期待されている。しかし、法制度面においては、資本市場分野全般をカバーした投資者保護の法制が存在しないというのが現状であり、資本市場を通じた資金調達を一層活性化する観点からも、資本市場分野を横断的にカバーする基本法制の整備が強く求められている。
 したがって、現在の証券取引法(昭和23年法律第25号)を改組して、銀行・保険以外の分野(=資本市場分野)を横断的にカバーできる投資者保護法制を構築すべきである。

2 資産流動化の促進のための制度整備

(1)倒産法制の整備【次期通常国会に法案提出(平成15年度中に措置)】

 取引の相手方に与える萎縮的効果を排除すること等により資産流動化を促進するために、不動産・リース債権等の証券化等において極めて重要である賃料債権について、その将来にわたる処分を広範に認めること、及び、適正価格による不動産等の売却に関する否認要件の明確化を図ることが必要である。
 したがって、賃料債権の処分等についての効力の制約を定めた破産法(大正11年法律第71号)第63条の規定を削除し、また、適正価格による不動産等の資産の処分に関する否認の要件を明確化すべきである。

3 各分野における個別事項

(1)銀行

@ 資産運用アドバイス業務の取扱い【平成15年度中に検討・結論】
 平成10年12月に投資信託、平成14年10月に投資型年金の取扱いが可能となる等、銀行において取り扱える金融商品の範囲は拡大しており、顧客の財産管理全般の総合的なアドバイス業務に対するニーズが高まっている。しかし、こうしたアドバイス業務は銀行業に付随する業務として明確になっていない。
 一方、本年3月に公表された「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」を受けて、同年6月に改正された事務ガイドラインでは、金融機関がリレーションシップバンキングの機能の一環として行うコンサルティング業務等、取引先への支援業務が付随業務に該当することを明確化した。
 したがって、銀行が、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律(投資顧問業法)(昭和61年法律第74号)に規定する投資顧問業に該当しない範囲で、顧客の金融資産に対する総合的アドバイス業務(資産運用アドバイス業務)を取り扱う場合についても、「その他付随業務」として認められるよう明確化すべきである。

A 信託兼営金融機関に対する投資一任業務の解禁【信託業法(大正11年法律第65号)が改正された場合、その施行までに措置】
 投資顧問業法が平成15年に改正され、信託兼営金融機関に投資一任業務が解禁された。同改正は平成16年4月に施行されるが、同法附則において引き続き従事が認められた同法施行時に現に投資顧問業を営んでいる信託兼営金融機関以外の金融機関については、金融機関ノ信託業務ノ兼営等ニ関スル法律施行規則(昭和57年大蔵省令第16号)において投資助言業務を営むことができないとされており、同施行規則が改正されないと投資一任業務を行うことができない。
 この点については、法改正の趣旨にかんがみると、すべての信託兼営金融機関に投資一任業務を認めることによって、顧客の資産管理・運用サービスの充実、ひいては我が国証券市場の活性化につながることが期待される。
 したがって、同施行規則を改正して、すべての信託兼営金融機関が投資一任業務  を行えるようにすべきである。

B 子会社におけるネットワーク上のプリペイド事業の解禁【平成15年度中に措置】
 近年のIT技術の進展等に伴い、電磁的方法により金額情報を記録し得る媒体は多様化し、例えばパソコンのハードディスクや小型記録メディア、あるいはインターネット等のネットワーク上で利用する場合は、事業者のサーバー上の記録により、商品売買代金等の資金決済を行うことが可能となっている。
 銀行の金融関連業務子会社によるネットワーク上のプリペイド事業については、当会議の第2次答申において、「銀行子会社によるネットワーク上でのプリペイド事業を金融関連業務の対象とすることについて検討を行い、結論を得るべきである(平成15年度中に検討・結論)」とした。同事業は銀行振込業務やクレジットカード業務と親近性が高い業務であり、金融関連業務として認められるべき性質のものと考えられる。
 したがって、銀行の金融関連子会社におけるネットワーク上のプリペイド事業については、前払式証票の規則等に関する法律(平成元年法律第92号)の適用はないため、銀行の金融関連業務子会社がネットワーク上のプリペイド事業を行えることを明確化すべきである。

C 銀行並びに銀行子会社等及び銀行持株会社の子会社による保険商品の販売規制【平成15年度結論・措置】
 銀行による保険商品の販売は、保険業法及び金融機関等の再生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律(平成12年法律第92号)により、平成13年4月に解禁され、住宅ローン関連の長期火災保険、信用生命保険、債務返済支援保険、海外旅行傷害保険を対象商品として開始された(信用生命保険に関しては、銀行等の子会社・兄弟会社の商品に限定)。その後、平成14年10月には、保険業法施行規則等の一部を改正する内閣府令(平成14年内閣府令第57号)により、取扱商品に個人年金保険、財形保険、年金払積立傷害保険、財形傷害保険が追加されるとともに、住宅ローン関連の信用生命保険に係る子会社・兄弟会社限定が撤廃された。併せて、銀行等が子会社である証券専門会社及び金融関連業務を専ら営む子会社の保険募集については、銀行等が子会社として保険会社を有している場合に限り認められていたが、平成14年10月より、保険子会社の有無にかかわらず、銀行等の証券子会社等において、保険募集(銀行等が営むことができる保険募集の範囲に限る)に関する業務を営むことができるとされた。
 平成9年の保険審議会報告では、銀行等による保険販売については利用者利便の向上につながるとする一方、銀行等がその優越的地位や影響力を行使することにより、1)顧客保護、競争条件の公平性確保等の観点から弊害が生じるおそれがある、2)預金・決済等により得た情報を流用するおそれがある、との指摘があることが示されたが、他方、銀行による投信窓販の取扱開始から約5年が既に経過したが、特に、1)、2)の点での弊害は生じておらず、また、金融商品の販売等に関する法律(平成12年法律第101号)の制定等、保険契約者保護のための環境整備も進んだ。
 当会議としては、銀行等が幅広い保険商品を取り扱う環境は整ったと考え、販売チャネル間の競争促進と利用者である国民が享受する恩恵の最大化という観点から、その全面的な解禁を推し進めるべきであると考える。
 したがって、銀行並びに銀行子会社等及び銀行持株会社の子会社が原則としてすべての保険商品を取り扱えること、その対象はその銀行の子会社又は兄弟会社である保険会社の商品に限定しないことについて引き続き検討を行い、平成15年度中に結論を得て、所要の措置を講ずるべきである。

(2)証券

@ 外国証券会社の海外関連会社からの注文に関する「取引一任勘定取引の禁止」の適用除外の見直し【平成15年度中に検討・結論】
 外国証券会社の海外関連会社(親会社など)であって、外国において証券業を営む者からの注文については、注文に係る一定の要素に関して当該海外関連会社の同意を得ることが要求されているが、実務的には、時差等の要因により、市場の変動等にタイムリーに応じた取引を行うことが困難な状況にある。
 注文の4要素(@売買の別、A銘柄、B数、C価格)すべてについて証券会社が裁量を有することについては、投資顧問会社が認可を得て行う投資一任業務に類似するのではないかとの指摘があるが、そもそも、海外関連会社からの注文に基づく取引はグループ内の自己取引であり、顧客を相手方とする投資一任業務とは異なる。また、証券会社が取引一任勘定取引を行って売買手数料を得る行為は、取引一任勘定取引が禁止される以前は証券会社の業務の一環として認められており、報酬を得て行う投資一任業務とは異なるものである。
 したがって、海外関連会社のための取引に限定した上で、上記の注文の4要素すべてについて、証券会社が定めることを可能とすべきである。

A 有価証券の私募に関する規制の見直し【平成15年度中に措置】

ア 有価証券の記載に関する要件の見直し

 有価証券の私募に際しては、当該有価証券は記名式に限ること、及び社債の券面等に一括譲渡以外には当該債券を譲渡できない旨の記載を行うこと(転売制限の記載)が要件となっている。しかし、こうした要件が無い外国の政府、政府機関、企業等が有価証券のグローバル発行を行う場合や、日本市場をターゲットに有価証券を発行する場合には、法的性格が不明確なまま国内において発行することになる。このため、海外の発行主体から、日本の私募規制の改善が求められている。
 したがって、少人数私募及びプロ私募の社債の券面記載要件について、転売制限等の制限を券面自体に記載するのではなく、別の書面によって譲渡制限を通知する等の代替手段も可能とすべきである。

イ 「同一種類の他の有価証券」の定義の改正

 現在、過去6か月内に発行された「同一種類の他の有価証券」については通算した上で私募の要件を満たしているかが判断されるが、他社株転換社債やクレジットリンク債については証券取引法第2条に規定する定義に関する内閣府令(平成5年大蔵省令第14号)に明示的に規定されていないために、実務上は普通社債の範疇で通算している。その結果、これらの有価証券を発行する案件が少人数向け私募の要件を満たさなくなる場合が生じている。しかし、他社株転換社債やクレジットリンク債は、普通社債とはその性格が異なり、普通社債との通算という取扱いには馴染まないと考える。
 また、現行法令では、日本国外で勧誘される有価証券が、少人数私募における枚数の規制において、「当該有価証券」及び「同種の新規有価証券」に算入されるか否かが明確化されていない。このため、グローバル発行の対象となる社債等の有価証券を少人数私募により勧誘する場合に実務上の支障が生じることがある。
 したがって、上記内閣府令で定める「同一種類の他の有価証券」の定義を改正して、通算の対象となる有価証券の範囲を明確化すべきである。

(3)保険

@ 保険会社の経営破綻時における特別勘定の保全【平成16年度中に検討・結論】
 生命保険会社が経営破綻した場合、現行では保険業法に該当条項が無いため、一般勘定、特別勘定とも同等に扱われる。しかし、特別勘定で運用される資産については、その価額変動リスクを基本的に顧客が負うこととなっており、当該生命保険会社の経営破綻の原因とは無関係であると言えるものである。また、特別勘定へ資金を投入する際には、リスク遮断の観点から一般勘定を経由することなく直接的に行うことも考えられる。
 したがって、こうした特別勘定で運用される資産については、一般勘定との財産的性格の相違や保険会社における負債性の相違から、リスク遮断の厳格化を前提とした上で保険関係請求権の倒産隔離の措置を講ずることを検討すべきである。

A 保険会社の保険業に係る業務の代理または事務の代行を営む保険会社の子会社等による兼営業務の拡大【平成15年度中に検討・結論】
 保険業法施行規則(平成8年大蔵省令第5号)第56条の2第2項に列挙されている金融関連業務について、保険金の支払事務業務といった「保険業に係る業務の代理又は事務の代行業務(同項第1号)」を行う保険会社の子会社等は、「保険募集(同第2号)」、「保険事故等の調査(同第3号)」、「保険募集を行う者の教育(同第4号)」、「法第98条第1項に規定する保険会社の付随業務(同第5号)」に限定して業務の兼営が認められているが、規制改革推進3か年計画(再改定)においては、「危険及び損害の防止・軽減又は損害規模等の評価のための調査・分析・助言業務(同第8号)」、「健康・福祉・医療に関する調査・分析・助言(同第9号)」、「保険事故の報告取次、保険契約の相談(同第11号)」、「自動車修理業者などの斡旋・紹介(同第12項)」についても同一の会社で営むことが可能となるよう、平成15年度中に「兼営可能な業務範囲の拡大について検討し、結論を得る」こととされている。
 これまでも、保険会社は現行規制の範囲内において、事務のアウトソーシングや子会社等の統廃合を実施してきているが、「保険業に係る業務の代理又は事務の代行」を営む子会社等との兼営規制が緩和されれば、一層のアウトソーシングや子会社等の統廃合が可能となり、更なる経営の効率化、ひいては顧客利便性の向上に裨益するものと考えられる。また、既閣議決定の4項目のほか、「保険業に関するプログラムの作成や販売を行う業務、計算受託業務(同第10号)」、「個人の財産形成に関する相談業務(同第30号)」、「データ処理業務(同第31号)」といった業務についても、かかる観点から、同様に兼営を認めるニーズが指摘されている。
 したがって、本業との関連性・親近性や本業の遂行にリスクや支障を及ぼすおそれがないかということを個々に検証した上で、保険会社の子会社等が行う「保険業に係る業務の代理又は事務の代行」との兼営可能な業務範囲を拡大すること、すなわち、「保険業に係る業務の代理又は事務の代行」を行う保険会社の子会社等が、これら既閣議決定の4項目についてのほか、上記の3項目およびその他の金融関連業務を、同一の会社で営むこと、について検討し、結論を得るべきである。

B 複数の保険会社による従属業務子会社等の保有を可能とする収入依存度規制の見直し【平成16年度中に検討】
 近年、事業の選択と集中の観点から持株会社による企業グループ再編やグループを超えた企業間の提携、分社化等が頻繁に行われ、そのための法整備が商法を中心として進められてきているが、金融サービス業においても同様のニーズが存在している。
 しかしながら、保険業法において保険会社の従属業務子会社は「主として当該保険会社又はその子会社の行う業務のためにその業務を営んでいる会社」とされ、親保険会社とその子会社からの収入の額の合計額が総収入額の50%以上でなければならないといういわゆる収入依存度規制が課せられており、複数の保険会社が福利厚生に関する事務業務や印刷業務といった従属業務を営む子会社等を共同設立し、各々当該業務をアウトソーシングすることは認められていない。
 一方、本年3月に金融庁より公表された中小・地域金融機関に係る「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」において、平成16年度末までに行政が取り組むべき取組として「金融機関の経営の合理化を促進するため、顧客保護等適切な運営に十分配慮しつつ、(中略)、システム関連等の従属業務を営む子会社の共同設立等について検討を行う」とされているところであり、保険会社についても、経営の効率化を促進する観点からは、これを認めることについて検討することが望ましい。
 その際、複数の保険会社で共同保有する場合のみ収入依存度規制を緩和することについて、事業の大半が自己と関係ない者からの収入となる他業子会社を持つことになる場合には他業禁止の趣旨やリスク管理の観点からの検討が必要であり、また、保険会社と保険会社以外の会社で共同保有する場合との差異を設けることが適切かという点についても整理が必要である。
 したがって、どのような場合において保険会社の他業禁止の趣旨等の面から実質的に問題が無いかということを踏まえた上で、複数の保険会社による従属業務子会社等の保有を可能とすることについて検討すべきである。

C 保険契約の包括移転にかかわる手続の簡素化【平成16年度中に検討】
 現在、保険業法によって保険会社が他の保険会社との契約によって保険契約を他の保険会社に包括移転させることが認められているが、その際、移転先の保険会社に与える影響の大小にかかわらず移転先の保険会社の株主総会決議が必要とされている。
 一方、商法においては組織再編行為にかかる手続の簡素化及び合理化等の要望に応えるため、例えば合併について存続会社の株主に与える影響が小さい場合には存続会社の合併承認総会決議を不要とする簡易合併という制度を認めている。
 その結果、保険会社間の簡易合併と合併をしないで行う保険契約の包括移転とでは、共に保険契約の包括した移転をもたらすにもかかわらず、前者では株主総会決議が不要であり、後者では常に移転先保険会社の株主総会決議が必要となることとなり、著しい不均衡を生じている。
 他方、保険契約の包括移転について簡素な手続を認める場合には、株式会社への移転において移転に反対する株主の保護についての検討のほか、株式会社とは異なり簡易な合併手続が認められていない相互会社への移転の取扱いや、相互会社の場合の社員(保険契約者)の保護の方策について検討することが必要となるが、臨機・迅速な保険契約の包括移転を可能とする観点からは、総会決議が不要となるよう可能な限り早期に結論を得ることが望ましい。
 したがって、保険会社間の保険契約の包括移転において、移転先保険会社に与える影響が一定程度にとどまるような場合については、相互会社の取扱いや、株主や保険契約者の保護について検討した上で、移転先保険会社の株主総会等の決議を不要とするような措置を講ずることについて検討すべきである。

D 保険代理店の登録制度における特例措置
 保険募集等を行う保険代理店については、保険契約者の保護の観点から登録制度が採られているが、事実上代理店業務に支障が無い場合であっても新たに代理店登録をしなければならない場合があり、その過程において業務の空白期間が生じることがある。
 具体的には、代理店業務が個人の事業として営まれている場合(個人代理店)において代理店主が死亡した場合、当該代理店にたとえ業務を継続し得る従業員(使用人)がいたとしても当該代理店は一旦廃業となり、新たに当該従業員を店主とする代理店を登録し直す必要が生ずる。
 また、代理店業務が法人の事業として営まれている場合(法人代理店)において、複数の法人を消滅させて新たな法人を設立し当該新設法人に代理店業務を承継させる場合や、法人の分割によって新たな法人が設立され当該新設法人に代理店業務を承継させる場合のいずれも新たに代理店の登録をし直す必要が生ずる。
 上記のいずれの場合においても、引き続き保険契約者等に対するサービスの提供を行い得る募集人等が現に存在するにもかかわらず、新たな代理店の登録が完了するまでの間、保険契約の管理や更改・異動(変更)等の手続を行うことができない。
 以上の点については、代理店業務の空白期間を全く生ぜしめないことはできないものの、所管官庁による審査実務等の運用により、相当程度の期間縮減は可能であり、現に運用実務の改善等の検討あるいは審査体制の改善がなされつつあるところであるが、保険契約者の利便の観点からは空白期間無くサービスの提供を受けられるようにすることが望ましいとの指摘もある。しかし、登録制度における特例措置として、結果的に登録拒否要件に該当するか否かの確認をしておらず、登録されていない者に登録代理店として保険募集を認めることについては、保険契約者の保護の観点から慎重な検討が必要である。
 したがって、保険契約者の利便の向上の観点から個人代理店の店主死亡時や法人代理店の組織変更時等、一定の場合において代理店業務の空白期間が極力短くなるよう登録制度の運用の見直しを図るべきである。【平成16年度の早期に措置】
 また、一定期間後において、当該運用実施を踏まえ、個人代理店の店主死亡時の場合について、なお制度整備の必要があるかどうかについて、保険契約者の保護の観点に十分留意しつつ検討すべきである。【平成16年度以降に検討】

(4)その他

@ 商品ファンドに関する申請・届出の簡素化
 商品投資に係る事業の規制に関する法律(平成3年法律第66号)に基づく、3省庁(金融庁、農林水産省、経済産業省)にまたがる主務官庁への同一内容の申請・届出等の手続について、電子媒体による手続の簡素化を図るべきである。【平成15年度中に措置】
 登記簿等の即時電子化を実現することが難しいと考えられる添付書類等に関して、当面の措置として、利用者の事務負担を軽減するため、代表省庁1か所への提出で足りることとするといった、物理的な窓口の一本化を実現することについて、各省庁の窓口体制の調整・整備や書類転送に伴う追加的コストの負担等を検討の上、結論を得るべきである。【平成16年度中に検討・結論】