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皇室典範に関する有識者会議(第2回)議事要旨


日 時:平成17年2月18日(金) 17:30〜19:40
 
場 所:総理大臣官邸3階南会議室
 
出席者:
皇室典範に関する有識者会議メンバー
吉川 弘之産業技術総合研究所理事長、元東京大学総長
岩男 壽美子武蔵工業大学教授、慶應義塾大学名誉教授
緒方 貞子国際協力機構理事長
久保 正彰東京大学名誉教授
佐々木 毅東京大学総長
笹山 晴生東京大学名誉教授
佐藤 幸治近畿大学法科大学院長、京都大学名誉教授
園部 逸夫元最高裁判所判事
古川 貞二郎前内閣官房副長官
◎=座長
政府側
細田 博之内閣官房長官
杉浦 正健内閣官房副長官
山崎 正昭内閣官房副長官
二橋 正弘内閣官房副長官
伏屋 和彦内閣官房副長官補
羽毛田 信吾宮内庁次長
柴田 雅人内閣総務官
千代 幹也内閣審議官
角田 素文内閣審議官
鈴木 武内閣審議官
議事概要
(1)内閣官房長官挨拶
吉川座長及び委員各位におかれては御多忙の中、お集まり頂き御礼申し上げる。
皇位継承については、国会において質問が出されるなど、国民の関心もますます高くなっているところ。
本日から実質的な御議論をいただくこととなる。これからより濃密な御議論をいただくこともあろうかと思うが、宜しくお願いしたい。
 
(2)説明
 資料1「天皇皇后両陛下・皇族殿下のご活動」を宮内庁から、資料2「現行の皇室典範制定時の考え方」、資料2−1「関連する帝国議会質疑等」、資料3「旧皇室典範制定時の考え方」、資料3−1「『資料3』別紙」を事務局から説明。
 
(3)質疑応答・意見交換
【資料1関連】
 これまでの女性の天皇は宮中祭祀を行っておられたのかという質問に対し、宮内庁から、歴代の女性天皇は10代8方あるが、7世紀の持統天皇以降の7代6方を見ると、新嘗祭、大嘗祭が中断されていた時期を除き、新嘗祭、大嘗祭を行っておられた、との説明があった。
 平成15年は天皇陛下がご入院された年であるが、資料1のご活動にはどのような影響があったのかという問に対し、宮内庁から、例えば、皇太子殿下が法令の御署名等の国事行為の臨時代行をなさった、あるいは、本来、天皇皇后両陛下でなさるご活動を皇后陛下だけでなさった、などの事例があるという説明があった。
 宮中祭祀も代行は可能なのかという問に対し、宮内庁から、宮中祭祀については、当然のことながら国事行為の臨時代行とは異なるが、掌典職(公務員ではない内廷の職員)が御代拝というかたちで行うことがあるという説明があった。
 国事行為のほかに、両陛下は、国民への温かいお気持ちを表すようないろいろな仕事をしておられることをあらためて知ることができたのは意義深い。
 天皇の行為のうち「その他の行為」について、内閣が責任を負う、という説明に対し、例えば生物学の御研究、御趣味などについては、日常の行為であるから、内閣が責任を負うと言っても限度があるのではないか、という質問があった。これに対し、宮内庁から、そもそも事柄の性格上、内閣が責任を負わなければならないようなことが起こらないのが普通であるが、天皇の行為である以上内閣としては常に最終的な責任を持つということであり、国事行為等における内閣の責任とは意味合いないしは程度が違うという説明があった。
 
【資料2以下関連】
 新旧皇室典範の制定時の議論については、例えば、なぜ兄弟継承ではなく直系継承が優先されているのか、万世一系というのはどういう概念かなど、今日の視点から見ると、わかりづらい点もあるが、一方で論点には現在の議論と共通する部分もあり、参考になる。
 皇室典範義解は、兄弟継承ではなく直系継承が祖先以来常の法としているが、実際には歴史上兄弟継承が優位だった時期もあるなど、旧皇室典範制定時の議論の中には、やや強引な面もあるという感じがする。
 皇室典範では、皇族の範囲は世代によっては限定されない(永世皇族制)一方、皇族の規模を適正にするための皇籍離脱が可能とされているが、実際に皇籍離脱の例はあるのか、という質問に対し、事務局から、直近の皇籍離脱の例としては、昭和22年10月、当時の状況を背景として、現行皇室典範に基づき、11宮家51方がその御意思によって皇籍を離脱された事例があるとの説明があった。
 現行の皇室典範の制定過程を見ると、大日本帝国憲法から現在の日本国憲法への変動、すなわち、
1) 天皇主権から国民主権への変動
2) 皇室典範の法体系上の位置づけの変動(大日本帝国憲法下では憲法と皇室典範は同じ格であり二元構造を成していたが、日本国憲法では、憲法を頂点とする一元的な法体系になり、皇室典範は法律として位置づけられた)。
3) 皇位継承の在り方の変動(大日本帝国憲法では「皇男子孫之ヲ継承ス」と規定されていたが、日本国憲法第2条では、単に世襲としか規定されていない。)
の3点を十分に踏まえて審議されたという印象を強く持った。
 皇位継承の問題を考えるに当たって一番大事なのは、血のつながり、血統であると思う。 
 憲法でいう世襲とは何かと考えると、生物学的にとか、科学的にというものではなくて、社会的な意味の血のつながりということなのではないか。
 歴史については、どこまでさかのぼって議論すべきかさまざまな考え方がありうるという意見があり、これに対し、事務局としては、天皇の制度が伝統に基づくものである以上、歴史をさかのぼって検討するための資料は示すことが可能な範囲でできる限り用意したいとの説明があった。
 歴史をどう見るのか、また、世の中の通念や国民感情といった視点に立って、この会議で考慮すべき点は何かを議論していく必要があるのではないか。