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皇室典範に関する有識者会議(第5回)議事要旨


日 時:平成17年5月11日(水) 10:00〜12:00
 
場 所:総理大臣官邸大会議室
 
出席者:
皇室典範に関する有識者会議メンバー
吉川 弘之産業技術総合研究所理事長、元東京大学総長
岩男 壽美子武蔵工業大学教授、慶應義塾大学名誉教授
緒方 貞子国際協力機構理事長
奥田 碩日本経済団体連合会会長
久保 正彰東京大学名誉教授
佐々木 毅前東京大学総長
笹山 晴生東京大学名誉教授
佐藤 幸治近畿大学法科大学院長、京都大学名誉教授
園部 逸夫元最高裁判所判事
古川 貞二郎前内閣官房副長官
◎=座長
政府側
細田 博之内閣官房長官
二橋 正弘内閣官房副長官
伏屋 和彦内閣官房副長官補
風岡 典之宮内庁次長
柴田 雅人内閣総務官
千代 幹也内閣審議官
角田 素文内閣審議官
鈴木 武内閣審議官
議事概要
(1)外部の方をお招きして意見を伺う件について
 以下のとおり、行うことについて、了解された。また、記者の傍聴を認めることになった。さらに、識者の方々と議論を行うためのものではないことから、質問は内容の確認程度のものとされた。
第6回会議(5月31日開催予定)
大原 康男  國學院大学教授
高橋 紘  静岡福祉大学教授
八木 秀次  高崎経済大学助教授
横田 耕一  流通経済大学教授
(以上、五十音順)
 
第7回会議(6月 8日開催予定)
鈴木 正幸  神戸大学副学長
高森 明勅  拓殖大学客員教授
所  功  京都産業大学教授
山折 哲雄  国際日本文化研究センター所長
(以上、五十音順)
(2)説明
 資料1「皇位継承制度等の変遷(概要)等」、資料2「皇位継承ルールの典型例」、資料3「日本国憲法第1条・第2条に関連する政府の説明」を事務局から説明。
(3)意見交換
 資料2「皇位継承ルールの典型例」について、この5例を挙げた理由は何かとの質問があり、事務局から、理論的には極めて多様なルールが考えられるが、今回の5例については、例1が現行の皇室典範の考え方、例2〜5が、現行の皇室典範の考え方を基本として、一部だけ条件を変えてみたものという考え方で整理したものであるとの説明があった。
 昭和22年に皇籍離脱した11宮家51方やその子孫の方々が皇籍復帰した場合には、いわば例1の図の中でさらに遠い傍系として位置づけられることになる、また、現在の皇族の養子として皇籍復帰した場合には、どの方の養子となるかにより皇位継承順位が決まることになる可能性があるとの事務局説明に対し、戦後皇籍離脱した11宮家は、すべて伏見宮の系統に属するが、この系統は、今の皇室の系統とは、今から約570年前に分かれており、また、皇籍離脱してから58年経過していることをどのように考えるか検討が必要との意見があった。
 今日は典型例について扱ったが、今後の検討を進めていくに当たっては、世代や平均寿命など、より現実に即した形で進めることとしてはどうか。
 制度の安定性を考える視点として、皇位継承資格者の範囲がどの程度あり、そういう意味での安定性がどの程度あるか、お代替わりに伴う順序の変動や、尊属卑属の逆転があるかないか、順位が早い時期に確定するかなどが考えられるが、他にもこのような視点がないかどうか押さえておく必要がある。
 これまで過去125代男系継承が続いてきたことは、大きな伝統である。これを維持するために、さまざまな工夫や努力が重ねられてきているのではないか。
 皇位継承資格は、明治の皇室典範で男子に、現行皇室典範で嫡出子にと、それぞれ狭められている。男系男子を継続していく上ではかなり窮屈な条件になっていることをよく認識する必要がある。
 象徴天皇の制度を維持していくことが前提であり、伝統を守りながら国民に受け入れられる方法を選択していくということが、この有識者会議に課せられた課題である。
 伝統というものをどのように考えるのか、非常に狭すぎるように使われることはないか、ある伝統を守ろうとすると他の伝統との間で問題をおこし、いわば伝統同士がぶつかることはないか、伝統という言葉の使い方には細心の注意を要する場合がある。
 古代以来の伝統のほか、過去60年の伝統もまたたいへん重い伝統である。
 伝統という場合には、その時代で創意工夫しながら、大事な本質を維持しようとして格闘してきた結果が伝統なのではないかと考えられる。現行憲法の制定により主権が変動したが、憲法は、一つの血がつながっているという天皇という存在を象徴として取り入れて、大事にしていこうということなのではないかと考えられる。
 5つの典型例にはそれぞれの特徴があるが、考える視点としては、単純明快か、常識に適う世襲継承の原理か、ということが挙げられる。
 象徴としての天皇に対する国民の気持ちをどういう形で守り続けていくかという視点が挙げられるのではないか。
 宮家の継承は、他の系の皇族から養子を迎えてなされている例があるが、そのような例を見ると、血のつながりを重んじるというよりは、一つの家としての家督の相続という感じが強いのではないか。
養子や婚姻は、法律的には義務づけはできないことに留意する必要がある。
本日の事務局説明と意見交換を通じて、次のような総括ができるのではないか。
 皇位継承制度を検討するに際しては、憲法上の要請として、
 象徴という地位にふさわしい継承制度であること
 世襲という要請に反しないものであること
 天皇の地位が国民の総意に基づくという意味で国民の支持が得られるものであること
 が必要であり、その具体的内容については、さらに、議論を深めていく必要がある。
 また、制度論として考えた場合には、
 歴史や伝統との関係をどのように考えるか
 皇位継承の安定性との関係をどのように考えるか
 という視点が必要であり、その際、例えば、皇位継承資格者の安定的な確保が可能か、歴史・伝統の内容をどう捉えるか、一義的に明確に順位が決まるか、継承順位設定のルールが分かりやすいか、どの時点で継承順位が確定するか、などさまざまな点を総合的に考慮することが必要である。