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皇室典範に関する有識者会議(第9回)議事要旨


日 時:平成17年7月20日(水)16:00〜18:00
 
場 所:総理大臣官邸大会議室
 
出席者:
皇室典範に関する有識者会議メンバー
吉川 弘之産業技術総合研究所理事長、元東京大学総長
岩男 壽美子武蔵工業大学教授、慶應義塾大学名誉教授
緒方 貞子国際協力機構理事長
奥田 碩日本経済団体連合会会長
久保 正彰東京大学名誉教授
佐々木 毅前東京大学総長
笹山 晴生東京大学名誉教授
佐藤 幸治近畿大学法科大学院長、京都大学名誉教授
園部 逸夫元最高裁判所判事
古川 貞二郎前内閣官房副長官
◎=座長
政府側
細田 博之内閣官房長官
杉浦 正健内閣官房副長官
二橋 正弘内閣官房副長官
伏屋 和彦内閣官房副長官補
風岡 典之宮内庁次長
柴田 雅人内閣総務官
千代 幹也内閣審議官
角田 素文内閣審議官
鈴木 武内閣審議官
議事概要
論点の整理(案)を議題とし、意見交換を行った。
 問題の構造は、皇位継承資格が一番大きな議論であって、継承順位や皇族の範囲の問題は、その上で検討すべき課題ということではないか。
 この問題には、たいへん重要な課題なので国民の方々の意向も十分に反映すべきという面と、やはり責任を持って有識者会議を運営する以上会議としてきちんと答を出すべき、という2つの側面がある。論点整理は、そのようなことを踏まえてとりまとめるべき。
 一般の国民の方々がこの内容をより理解しやすくするように工夫が必要なのではないか。この有識者会議は、1月から審議を重ねてきており、我々委員にはわかるようになった概念であっても、一般の方にはなじみのない言葉が多いことから、工夫した方がよいのではないか。同じ言葉でも、一般の方の使い方とは必ずしも同じではない場合があることが、一般の方に難しい、わかりにくいと思われるおそれがある原因の一つなのではないか。
 ある程度わかりにくくなることは仕方がない面があるが、議論の中心になるような概念については、冒頭にまとめて掲載するなどの工夫を行って、国民の方々の理解に資するようにしてはどうか。
 この会議のすすめ方は、最初から議論を戦わせて集約するのではなく、現在の状態を分析的に見たうえで、多くの人が納得できる方向を探るということではないか。論点整理は、ある方向に踏み出す前に、その前提となる要件を、委員の間でも、国民の間でもできるだけ共有し、一緒に考えてほしいという問題提起の側面があり、そういう意味で中立的なもの。
 この問題を考える人は、専門家から一般の方々まで、きわめて多様であるが、その人たちすべてに有益な論点整理を行う必要がある。
 論点の整理をあまりに易しくするのは困難であると思うので、この論点の整理がどういう性格のものなのか、この有識者会議がどういう立場にあるのかということについては、座長から対外的に十分に説明してもらうようにしてはどうか。
 皇室典範の問題は、我が国にとってたいへん重要なテーマであるが、一方、他の分野の法律問題であれば、多かれ少なかれいろいろな形で国民の生活に直接かかわってくるのに対して、皇室典範の場合はどうなのかということも踏まえながら、とりあえず、有識者会議でどういうことを議論しているのか、また今後何をもとに検討を行うのか、ということを示すことが必要なのではないか。
 憲法を前提に考えるのであり、基本的な検討の視点として、まず、国民の理解と支持という点が挙げられる。
 ヒアリング等で示されたさまざまな考え方について、論拠と問題点の指摘が明確に理解できるように整理することが重要である。
 論点の整理の内容として、例えば、検討の前提となる歴史や現行制度などの事実と、論点そのものとはきちんと分けて考えることが必要であり、体裁のうえでも明確に区別すべき。
 歴史・伝統には、事実として見えている現象的なものやその背後にあるメカニズムなどレベルの異なるものがある。旧宮家の復活にせよ、女系へと広げるにせよ、どちらも何らかの意味で歴史を踏み出すことになるものであり、ただ、その踏み出し方が異なるのではないか。どういう踏み出し方が良いのか、という議論がこれからの課題ではないか。
 どのような世代がこの会議で扱っている問題に興味をもち、この論点の整理をよむかと考えると、おそらく若い人は少なく、年配の方が多いのではないか。
 若い人でも、意外にこの問題に関心があるように思う。自分の周囲を見ていると、皇室をとても自由な発想で見ているが、それは、おそらく、少なくとも現在の天皇陛下のご努力のゆえんではないか。
 論点の整理に関連して、現在の皇室が築いてこられた伝統や両陛下のご活動を、国民にも十分に伝えていくことが必要ではないか。
 この論点の整理が難しいと感じられる原因の一つに、この会議でとりあげ、論点の整理にもでてくる、例えば世襲、長子といった言葉は、多くの国民の日常生活とは今や乖離しているという事情があると思うが、これは単なる用語の問題ではなく、皇室の状況と戦後の我々の生活のありようとの関係にも関連する部分があるのではないか。
 この会議で取り扱っている問題は、論理的に結論が導かれるものではないということが、この論点の整理で明らかになったように思う。9月以降は、委員の議論により結論をさがしていくことが必要ではないか。
 論点整理は、世論を二分するようなものであってはならない。結論的な選択肢の背後には非常にたくさんの要素があって、これを読んだ人が、その個々の要素について考えられるようなものにすべきではないか。
本日の議論をもとに修正を加え、次回会議(26日)において再度議論を行い、まとまれば公表することとされた。また、夏休み明けは、8月31日に開催することとされた。