公的年金制度の一元化に関する懇談会

第11回公的年金制度の一元化に関する懇談会 議事録



日 時:平成13年2月28日(水)14:00〜

場 所:内閣府地下1階講堂

  1. 開  会

  2. 議  事
    報告書案について

  3. 閉  会

【神代座長】それでは、定刻になりましたので、ただいまより第11回公的年金制度の一元化に関する懇談会を開催いたします。
 委員の皆様には、お忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 初めに、事務方から委員の出欠状況の報告をお願いいたします。

【吉武内閣審議官】本日の委員の出欠状況につきまして御報告を申し上げます。本日は、G委員、F委員、E委員が所用により欠席されておられます。
 それから、事務局の方でございますが、農林水産省の須賀田局長が国会に出席をしておりますため欠席でございまして、代わりに林審議官に出席をお願いしております。
 それから、厚生労働省の辻年金局長も国会に今、出席をいたしておりまして、国会の質疑が終了しまして間に合いますれば、この懇談会に後ほど出席をする予定でございます。
 以上でございます。

【神代座長】それでは、本日の議題に入りたいと思います。前回の一元化懇での各委員の御意見を踏まえまして、私の方で再検討させていただいた報告書案を用意しております。事務方から、前回の案文との違いを中心に説明してください。また、これまで委員から求めのありました資料につきましても、併せて御説明をお願いいたします。

【榮畑内閣参事官】それでは、案文でございますが、お手元に二通り配らせていただいておりますが、「参考」と書いてあります「前回懇談会報告書案を修正したもの」というもに沿いまして、違いを中心に御説明せさていただきます。
 1ページでございますが、「はじめに」の下の最初のくくりでございますが、1行目と3行目にかぎ括弧をつけさせていただいておりまして、昭和59年2月の閣議決定の中身がどこからどこまでかというのがはっきりできるように、かぎ括弧でそこはくくらせていただいております。
 それから、2つ目のくくりでございます。一番下の行でございますが、本日を入れまして11回ということで回数を書かせていただいております。
 それから、2ページ目は特に修正点はございません。
 3ページ目でございますが「さらに、今後、被用者年金制度の」というくくりでございますが、前回この会議で1階、2階というのは何かよく理解できないということで御指摘がございまして、よく考えてみますと、ここの「さらに」のくくりは厚生年金、共済年金と同じだろうということで「1階」という部分は削らせていただきまして、いわゆる2階部分ということで整理をさせていただきました。
 そことの関連で、ちょっと恐縮でございますが4ページを見ていただきますと「関連する事項」というところの最初のくくりでございますが、ここは言わば1階部分の話でございますから、ここに3ページの先ほどのところと同じ表現を合わせるために言葉を追加させていただいております。「いわゆる1階部分」ということで、「いわゆる1階」が4ページ、「いわゆる2階」が3ページというふうに書かせていただいております。
 それから、恐縮でございますが3ページに返っていただきまして、先ほどの「さらに」のところでございますが、その下から2行目でございますが「21世紀初頭に向けて」ということで前回書かせていただいておりましたけれども、表現がおかしいという御指摘がございましたから、「21世紀初頭の間に結論が得られるよう検討を急ぐ」ということで、前回ここの会議の場で御意見をいただいた表現に訂正させていただいております。
 その下の「その他」のくくりでございますが、2行目の「引き続き検証」という言葉を「検証」ではなく「検討」ではなかろうかという御指摘が前回ここの場でございましたから、「検討」に変えさせていただいております。
 3ページはそれぐらいでございまして、4ページでございますが「3.関連する事項」の最初のくくりは、先ほどお話しさせていただいたところでございますし、その下の2つ目のくくりでございますが、ここに書いてございます小規模、零細な事業所に雇用される方々につきましての適用の在り方につきまして、書く順番なり勘案事項について、もう一回整理をきちんとしてくれというふうな御指摘、御意見をちょうだいいたしましたから、このような形に順番を整理させていただいて、併せて「さらに」以下の3行を削らせていただいたというところでございます。それが、前回のここでの御議論、御指摘を踏まえまして修正させていただいたところでございます。
 なお、併せまして、厚生労働省ということで「一元化懇談会における資料要求事項について」ということで、別とじの資料をつけさせていただいておりますが、それをちょっと続けまして御説明させていただければと思っております。
 別とじの資料の2枚目からごらんになっていただきますと、今、御説明いたしました修正案文の4ページの厚生年金の適用の関連する事項の2つ目のくくりでございますが、厚生年金の適用の事項の関係でございまして、前回ここでどういうところが厚生年金の適用がされていないのか、よく資料で整理してみてくれというふうな宿題がございました。それが、この図でございまして、厚生年金の言わば適用されている事業所を一番頭に書かせていただいておりまして、「任意適用」と書いています白抜きのところが、実はここの4ページの「関連する事項」に掛かる適用されていない小規模、零細事業所のところでございまして、事業所の設立主体を法人、個人に分けまして、かつ、何人の従業員を抱えておられるかで人数で区分けしたときに、この白抜きのところが厚生年金は現行制度下では適用されていない、法律上強制、当然に適用されていないということで、ここの問題がまず1つございます。
 それから、2つ目に、では、そういう厚生年金強制適用であっても、その適用事業所に勤務している、働いておられる方がどうなのかということにつきましては、所定労働時間・労働日数が4分の3という要件がございまして、4分の3より低いような方については、厚生年金適用事業所に働いていても厚生年金に適用されないというような現行制度になっておるところでございまして、そこが言わば勤務時間が短時間だから適用されないというような方が、まず2つ目の問題として出てきます。
 それから、一番下、では、派遣の方というまた違う御指摘がございまして、派遣の方がどうなっておるかということでございますが、派遣労働者というのは実は派遣事業を行う派遣元において厚生年金の適用があるわけでございますが、そのうちの常用型、登録型と2つに区分されるうちの後者のいわゆる登録型と称しておりますが、派遣元、派遣事業者に登録されていて、どこかの企業、会社に派遣されている期間のみ、その派遣元の派遣事業者に雇用されているという整理になっている登録型派遣労働者と呼んでおりますが、そういうような方々につきましては、一番下の黒と白が交代交代になっておりますが、派遣期間は厚生年金に適用されて、派遣元に名前が登録されて仕事がまだ来ない、派遣がない、言わば待機している期間については厚生年金は適用されておりません。したがいまして、派遣、待機、派遣、待機と続きますと、そのうちの派遣期間だけが適用されて、この図で申しますと適用されないと書いてある白抜きの期間が適用されないということで、これが言わば交互に続くという極めて事務的に言っても複雑な形になっておるということで、この待機期間がある方については適用されていないというような実情になってございます。
 こういうような言わば小規模、零細事業者の方々、労働時間、労働日数が短時間、短日数の方々、それから、特に登録型を中心とする派遣労働者の方々、こういうふうな方々につきましての厚生年金の適用問題があるということでございます。
 それから、恐縮でございますが、1ページに返っていただきまして、横長の資料でございますが、これは実は昨年に資料要求がございまして、数字を精査させていただいて時間が掛かっておるのでございますが、厚生農業協同組合連合会、略称厚生連の医療機関に対しまして、国からの補助金がどういうふうになっておるかと、厚生省からの補助金がどういうふうになっておるかということを平成9年、平成10年、平成11年の3か年で調べた数字でございます。ただ、大変恐縮でございますが注の1番目に書いてございますが、実はまだ数字につきまして完全に掌握し切れておらないところでございまして精査中でございます。それで、施設・設備整備費なり運営費なりそれぞれにつきまして仕分けして書かせていただいておりますが、どういうふうな整備費、運営費について補助が出ているかということを、それぞれ注3、注4に書かせていただいております。
 結果といたしましては、なお数字は精査中でございますが、平成9年20億円、平成10年32億円、平成11年39億円と、それぞれ現在までのところこれぐらいの補助金が出ているということを調査して作ったところでございます。
 とりあえず以上でございます。

【神代座長】どうもありがとうございました。
 それでは、ただいま事務方の方から御説明のありました報告書案及び資料につきまして、御意見等がございましたらお願いいたします。なお、座長といたしましては、本日意見の集約を行って当懇談会としての報告書を取りまとめたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。

【D委員】資料2ページ目への質問なんですが、我々は「130万円以上」の収入要件もあると思っていましたが、収入要件はないんですか。収入要件はないということですね、わかりました。
 それから、上の「適用事業所」のところで個人事業所のうち、強制適用と任意適用の事業所数及び人数はどのくらいあるのか、具体的な数字を後でいいから教えていただければと思います。
 それから、下の「適用事業所に勤務する労働者」のところはパート労働者が中心になろうかと思いますけれども、4分の3以上の適用労働者の数がどれくらいいるのか。パートはほとんど未適用と思っていますから、実際に適用されている人がいるのかいないのか。
 それから、常用型派遣労働者でも派遣先の労働時間の4分の3未満の派遣労働者が結構いるはずなんです。この人たちは未適用になっている人たちが多いと思います。この辺の数字を教えていただきたい。
 それから、登録型派遣労働者で適用されている労働者と適用されていない労働者の数、これも両方教えていただきたい。
 以上です。

【榮畑内閣参事官】数字はまた精査いたしまして、後で御説明させていただきますが、ただ、1つ登録型の方の実は適用されている、適用されていないという方の数は恐らくわからないと思いますが、できる限り把握できるものについては後ほど数字として御説明させていただきます。

【吉武内閣審議官】ちょっと補足的に御説明申し上げますと、今、D委員からお話がありました収入の下限ですね、月収の下限の問題は、実は被扶養者の概念が第3号被保険者ではあるわけですけれども、ここでいう厚生年金あるいは健康保険の被用者本人についてはないわけですけれども、ただ、ここにありますように端的に申し上げますと、標準報酬の最下限を最低賃金の月収換算に相当するものに大体置いておりますので、ちょっと手元に数字はありませんが、今の状態では多分9万円から10万円ぐらいという形になります。したがいまして、ここにございますような例えば4分の3未満の方でありますとか、一番下にありますような登録型派遣労働者のような方という形で、想定している状態よりも言わば勤務時間数が少ない方について標準報酬をどういうふうにして考えていくかというのは、多分この検討の中で併せて検討しないと、つまり、月収が3万円の方でも9万円とみなして保険料をいただいているという形、4万円でも9万円と割り切らせていただいていますので、そういった問題にも、D委員のお話にありましたような月収の下限みたいな問題、あるいは月収が非常に少ない方について、被用者年金あるいは保険を適用するときにその負担についてどう考えるかという問題は、検討すべき事項として出てくるのだろうというふうに考えております。

【神代座長】ほかによろしいですか。

【原田社会保険庁年金保険課長】先ほど質問がありました適用事業所の5人未満事業所でございますが、5人未満のところが法人事業所が161万人でございまして、72万事業所です。それから、個人事業所の任意適用でございますが、これについては19万人で、9万事業所でございます。
 それから、先ほど4分の3のところの適用は何人かということでありますが、これについては、ちょっと数字を把握しておりませんので出すことが今のところはできませんというふうな状況。4分の3について区分けしているデータを持っておりませんので、ちょっとこれは取り上げるのは難しいと思いますけれども、また、持ち帰って調べてみたいと思います。

【神代座長】ほかにございませんか。

【D委員】修正されたものにつきましては、前回いろいろ言葉の意味合い等を通じて確認させていただきましたし、いろいろな調整の結果でありますから受け入れたいと思いますが、1つだけ事務方に要望を申し上げておきたいわけであります。平成7年の前回の一元化懇の報告書と平成8年の閣議決定においては、相当な内容の乖離がございました。どうしてそうなったかという説明はなかったんですけれども、我々としては大変遺憾だと思っております。最終的には閣議が決めることでありますけれども、今回の報告書について最大限内容が変更されることなく閣議決定されるよう、事務方の格段の努力をお願いしたいということでございます。

【A委員】私は、前回の懇談会で報告書の3ページの2つ目の○の2行目ですが、「厚生年金保険等との財政単位の一元化も含め」という表現では不十分であると申し上げました。そして、更に残る3共済は、次期財政再計算時までに統合一本化の道筋について明確な方向を示し、統合を目指すことをはっきりと記述するように要請をいたしました。しかし、今日示された報告書には統合という表現が入っていないのは残念であります。そこで、私は1つ確認をしておきたいと思います。ここでいう財政単位の一元化とは、残る3共済と厚生年金との統合や財政調整などを含んだものと私は考えておりますが、内閣の見解をお伺いしたいと思います。
 以上です。

【吉武内閣審議官】ただいまA委員から1の(1)の一番最後のパラグラフでございますけれども、3ページの中段のところでございますが、そこにございます厚生年金保険等との財政単位の一元化の趣旨といいますか意味について御指摘がございましたけれども、ただいま御指摘がございましたとおり、この厚生年金保険等との財政単位の一元化とは、全制度の統合あるいは全制度間の財政調整などを含むものと考えております。この点につきましては、今後、当懇談会におきましても並びに政府関係者においても検討を進めていくべきものというふうに私どもは考えております。

【A委員】今の御説明で了解しましたが、もう一つ、D委員が今、発言されたことについてですけれども、前回もそういう経験がありましたので申し上げるわけですが、この報告書の趣旨が閣議決定でこの内容がそのまま十分に尊重されるように、関係の方々の御努力をお願いしたいと思います。
 以上です。

【C委員】ただいまのA委員の御発言とも関連するわけですが、同じ3ページの上から2行目に、国共済と地共済との関係について「次期財政再計算はこの財政単位の一元化を前提として」とありますが、前回の事務局の御説明では、たしか財政調整というふうな御説明だったと思いますが、とすると、今のA委員の御質問に対する吉武審議官の御説明とは違うわけでございまして、やはり同じ言葉ですから、世間は同じように理解するのが当たり前でございます。ということで、疑問が残るわけですけれどもいかがでしょうか。

【吉武内閣審議官】時期としては上も下も一緒でございます。ただ、懇談会の御議論で委員の方には十分認識していただいていると思いますけれども、6月から始めまして農林共済の移換金あるいは統合の在り方についての御議論をしていただく前に、既に国共済あるいは地共済の問題については相当懇談会でも御議論していただき、それから、勿論、それと平行して関係者の方々にも随分御努力をいただいているわけでございます。これまで例えば自治省から御説明をいただいておりますのは、財政単位の一元化という中で、具体的には地共済、国共済については、次期の財政再計算に向けては財政調整的な手法を中心として検討を進めていこうかという状態になっているという状態でございますが、しかし、そのこと自体もこの財政単位の一元化の概念には広義に入るわけでありますので、そういう少し進度の違いがあるということであろうというふうに私どもは考えております。ただ、地共と国共のこれからの御検討もまだ確定しているわけではありませんから、これからの御検討によって財政単位の一元化という中で具体的にどういう選択肢を考えていくかということであろうというふうに思っています。私の感じで申し上げますと、ここで例えば地共と国共の問題についても確定的にこういう手法というふうに書ける段階には至っていないだろうというふうに考えております。

【神代座長】よろしゅうございますか。
 それでは、ほかに特に修文に係る御意見はないということで、報告書案につきましては、原案通り御了承いただいたものというふうにさせていただきたいと思います。

(「異議なし」と声あり)

【神代座長】どうもありがとうございました。

【B委員】農林共済の立場で一言御礼を申し上げたいというふうに思っております。6月以降、半年以上にわたりまして農林年金と厚生年金との統合につきまして御理解、御尽力をいただいてまいりました。そして、本日きちんとした統合の方向を出していただいたわけでありまして、ありがとうございました。この間、委員各位から出されました、1つは、統合後におきましても第1次産業の農林漁業をしっかり活性化していかなければいかぬぞということでありましたし、2つは、共済組合の職員の雇用に不安がないようにしなければいかぬということにつきましても、御注文をいただいておったわけでありますし、3つは、この懇談会の前半部分におきまして、農林団体は、労使関係の改善にもきちんと努めろよという御意見をいただいておったわけであります。それにつきまして、精いっぱい努力をしてまいるということであります。今後とも御支援、御指導をお願いしたいというふうに思いますし、更にまた、統合法案が今国会に掛かるわけであります。来年の4月1日には、この懇談会の取りまとめの方向に従いまして、円滑に統合が進みますよう、この点もよろしくお願いしたいというふうに思っております。
 以上です。どうもありがとうございました。

【吉武内閣審議官】先ほど懇談会の報告、それから、今後の閣議決定等についての御要請がございましたので、懇談会の御報告をこういう形でお取りまとめをいただきましたので、私ども事務方といたしましては、この懇談会の報告の趣旨を最大限尊重いたしまして、今後1つは統合法案の作成がございます。それから、今後の公的年金一元化の進め方について、これから政府内で協議をいたしまして、多分閣議決定を考えていくということになるというふうに思っておりますので、懇談会の御報告の趣旨を最大限尊重いたしまして、これからの作業を進めてまいりたいというふうに考えております。

【神代座長】どうもありがとうございました。
 それでは、以上の文案を当懇談会の報告書とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。皆様方のお許しをいただければ、座長役の私から厚生労働大臣にお渡しすることといたしますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

【神代座長】なお、本日配付いたしました前回懇談会の報告書案の修正版につきましては、委員限りの取扱いとさせていただきたいと思います。特に、御異存がないようでございますので、そのように取り扱わせていただきたいと思います。
 最後に、私から一言ごあいさつ申し上げたいと存じます。
 当懇談会は、政府の公的年金制度に関する関係閣僚会議の要請の下に、昨年6月に第1回目の懇談会を開きまして、以後、今日まで11回にわたり開催させていただきました。その間、委員の皆様方には大変お忙しい中を当懇談会に御出席いただき、かつ、精力的に御検討を賜りまして、誠にありがとうございました。政府におきましては、この報告書の趣旨を十分に踏まえまして、速やかに必要な対応策をまとめられますよう要請いたします。
 これまでの皆様方の御協力に対しまして、重ねてお礼を申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。どうも大変ありがとうございました。