首相官邸 首相官邸 トップページ
首相官邸 カテゴリーなし
 トップ会議一覧国と地方の協議の場


「国と地方の協議の場(第2回)」議事要旨



日 時:平成16年10月12日(火) 16:30〜18:00

場 所:官邸3階南会議室

出席者:

<政府>内閣官房長官細 田 博 之
総務大臣麻 生 太 郎
財務大臣谷 垣 禎 一
文部科学大臣中 山 成 彬
厚生労働大臣尾 辻 秀 久
内閣府副大臣西 川 公 也
 
<地方六団体>全国知事会会長梶 原  拓
全国都道府県議会議長会会長上 田 信 雅
全国市長会会長山 出  保
全国市議会議長会会長片 山  尹
全国町村会会長山 本 文 男
全国町村議会議長会会長代理山 田 寅 幸

議事:

1.開 会

2.意見交換
 ○文教・科学振興関係
 ○社会保障関係

3.閉 会



(内閣官房長官) それでは、ただいまから第2回「国と地方の協議の場」を開会いたします。
 9月14日に関係各大臣及び地方六団体の出席の上で、第1回の「国と地方の協議の場」を開催いたしました。
 その際、地方六団体から国庫補助負担金等に関する改革案の基本的考え方を説明いただいた後、関係各大臣の御意見、御質問を伺わせていただきました。
 本日の会議におきましては、更に議論を深めていく観点から、文教・科学振興関係及び社会保障関係を順次テーマとし、所管大臣から説明した上で、地方団体からの御意見・御質問を伺わせていただきたいと思っております。
 なお、テーマごとの会合については、お手元の資料にありますように、本日を含め3回の会合を予定しており、26日の会合では、総論的な事項等について議論したいと考えておりますのでよろしくお願い申し上げます。
 三位一体の改革については国民の関心も高いわけでございますので、総理も御発言されていますように、積極的にこの国と地方の協議の場において各論、具体論を議論していただくようお願いいたします。

(報道関係者退室)

(内閣官房長官) 御存じのように、内閣改造もございまして、今日、初めて御説明をされる方も何人かおられます。
 それでは、まず、文部科学大臣から文教・科学振興関係につきまして、改革案の実現に向けての取り組み等を御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

(文部科学大臣) 今回の内閣改造で文部科学大臣を拝命いたしました、中山成彬でございます。よろしくお願いいたします。
 今回の改革案のとりまとめに当たりましては、全国知事会で深夜に及ぶ大激論を展開されたと聞いております。
 このように、地方団体は大変な苦労をされたわけでございますから、これから国においても補助金改革の検討に当たっては、しっかりとした議論をする必要があると考えております。
 その際、どういう国づくりを目指すのか、国と地方の役割分担はどうあるべきかを真剣に議論する中で、負担金、補助金の在り方や、地方交付税の在り方等、財政面の課題についての検討をすることが必要であると考えます。
 地方六団体から廃止すべきとされた文教科学関係の国庫補助負担金については、憲法の保障する教育の機会均等の確保や、教育水準の維持・向上、更に公私間格差の是正、教育条件の整備等を図る観点から、国が果たすべき責務を実現するための極めて重要な施策であり、日本の国の将来を左右しかねない課題であると認識しております。
 このため、今、申し上げた政府部内での議論、検討におきましては、教育につきましても単なる数字合わせの財政論ではなく、国家百年の大計に立った教育における国の役割、地方の役割など、教育の重要性を十分に踏まえた議論が必要であり、多くの国民が心配しているように、三位一体改革が教育改革どころか、教育改悪になってしまっては元も子もないと考えます。義務教育改革は、ある意味では三位一体改革より上位の命題ではないかとさえ考えております。
 今回の地方の改革案のうち、文教科学関係につきましては、1兆1,460 億円が対象とされており、このうち義務教育費国庫負担金8,500 億円が大半を占めております。義務教育費国庫負担制度につきましては、現在、進められている教育改革の中で、中央教育審議会におきまして、義務教育制度の在り方の一環として検討を行い、これも踏まえつつ、平成18年度末までに所要の検討を行うことが閣議決定や、総務、財務、文部科学、3大臣合意等で決められております。
 教育、とりわけ義務教育につきましては、国民の間でさまざまな不満があります。義務教育の在り方は、まさに我が国の存立の基盤であって、国民の期待に応える義務教育の改革を進めることは、国の責任であると考えます。
 私は、義務教育全体の大きな改革に取り組む決心であります。具体的には、義務教育の到達目標の明確化、教員養成の大幅改革、学校と教育委員会の見直し、教育内容の改革に取り組んでまいります。
 このような考えの下で、今後改革を進めてまいりますが、この場で義務教育及び義務教育費国庫負担制度について、私の基本的な考え方を説明させていただきます。
 義務教育につきましては、憲法の要請により、全国どこにおいても、すべての国民に対して等しく、無償で提供されなければならないものとされております。
 義務教育の根幹は、説明するまでもございませんが、機会均等、水準の維持・向上、無償制にあります。この3つの要請を国と地方が共同して、国全体で確実に実施するため、義務教育費国庫負担制度があると考えます。
 義務教育費国庫負担制度の検討に当たりましては、歴史的経緯、主要先進国の動向、地域間格差の問題の3つの観点があります。
 まず、第1に歴史的経緯を見ますと、我々の先人は、明治5年に邑に不学の戸なく、家に不学の人なからしめんことを期すと高らかに理想を掲げて以来、我が国の義務教育の確立に心血を注いでまいりました。
 明治33年に完全就学を実現するために、国庫補助による無償制の確立、昭和15年には教職員の給与を財政力の弱い市町村から、府県単位とし、その2分の1を国庫負担といたしました。
 シャウプ勧告に基づき、昭和25年に義務教育費国庫負担金が廃止され、新たに地方財政平衡交付金が設けられましたが、地域間格差が拡大いたしました。そこで、全国知事会の決議等により、昭和28年度に国庫負担制度が復活いたしました。以後50年間、我が国の義務教育の向上に貢献してきたと考えております。
 2番目に主要先進国におきましても、フランスや韓国など、多くの国が義務教育の教職員給与については、その全額を負担しています。
 アメリカやイギリスなど、全額負担していない国でも知識の量と質が国の繁栄を決めることを認識し、中央政府が財源保障について積極的に役割を果たすようになっております。これらの国は、いずれも教育投資を増やす方向にあり、我が国の国庫負担制度の廃止は、世界の潮流に逆行し、将来に禍根を残すことになると考えます。
 先進国の中でも、ドイツは州を単位として教育行財政が担われておりますが、州ごとの学力格差が著しく、このことがドイツの全体的な学力水準を低くしています。この事態は、ドイツ国内において深刻に受け止められているところであります。
 我が国において、大都市と町村部で学力の地域間格差が明確には見られないのと対照的であります。
 第3番目に、仮に義務教育費国庫負担制度を廃止した場合に、試算によりますと、地域間の税収格差により、40道府県で教育費の財源不足に陥ることになります。この財源不足を地方交付税で調整するとしましても、そもそも地方交付税自体、既に5年間で2割も減っています。
 更に、三位一体改革により総額が抑制されると、今後、地方交付税による財源保障機能は低下していきます。このため、多くの県で義務教育に必要な予算が確保できず、結果として教育条件に著しい地域間格差が生じることとなります。
 このように考えるのは、昭和60年度に一般財源化された教職員旅費と教材費について、その措置状況が地方公共団体の財政状況に左右されているという実例があるからです。教職員旅費と教材費のいずれも一般財源化の当初は、交付税の積算以上に措置されておりましたが、その後、地方財政が厳しくなるのに伴って、国の目安を下回り、現在、85%程度の措置状況になってしまっております。
 一般財源化されると、地方交付税があっても、実際の予算措置においては、各地域の財政事情の影響を受けるおそれが強く、結果として教育費が減ってしまう例ということができます。
 また、一般財源で措置されている学校図書整備費につきましても、都道府県により格差が大きくなっていることも憂慮すべきことであります。
 義務教育にかかる経費の7割を占める教職員人件費について、同じような地域間格差が生じた場合には、教育に与える影響ははるかに大きなものとなるでしょう。
 私は、地方六団体の各位の教育に取り組む熱意には敬意を表するものでありますが、義務教育は憲法が保障する、国民の権利であるとともに、主要先進国を見ても国家・社会の発展を担う人材育成という国家・戦略に位置づけられています。
 今日の総理の所信表明演説でも、新しい時代の国づくりの基盤は人であるという文言がありました。私は、厳しい経済環境の中で国際競争に勝ち抜くには、たくましい人材の養成とともに、この世に生まれたありがたさを自覚し、幸せで有意義な人生を送れるようにするための教育改革が必要だと考えます。
 教育基本法の改正に合わせて、義務教育全体の改革もスピード感を持って進めていくことが喫緊の課題と認識しております。
 そこで、国が教育改革の方向性をしっかりと打ち出すとともに、地方公共団体がそれぞれの地域の特性、伝統・文化を生かした、地域色豊かな若人たちを世に送る教育活動を積極的に進め、そうした各地域の教育予算は国がしっかり担保するという協調体制が必要であると考えます。
 教育分野における地方分権について、私の考えを申し上げれば、教育分野におきましては、これまでも地方の創意工夫を生かした地域に開かれた学校づくりを目指し、地方分権を重視してまいりました。
 義務教育におきましても、学級編制や教職員の人事、研修などについて、設置者である市町村や学校の裁量を更に高めていく方向で改革していくことが基本だと考えています。この考えに立ちまして、義務教育費国庫負担金につきましても、平成16年度から総額裁量制を導入したところであります。
 これにより、客観的で簡便な算式で出される国庫負担額の範囲内であれば、各都道府県はその裁量を活かして、教職員数や給与水準を自由に決めることができるようになりました。地方からも使い勝手が大幅によくなっているとの評価を受けています。
 また、総額裁量制をきっかけとして、小人数学級の実施も増えており、教育条件の改善にも貢献しているところであります。
 今後、平成17年度からは、小中盲聾学校と養護学校の二本立てになっている国庫負担制度を一本化することにより、教職員配置の弾力化を図るなどの制度改革を考えております。
 こうした改革の実現のためにも、国としてまとまった教育費を確保しつつ、その使い方については、地方の裁量を高めていくということが重要であると考えます。
 以上、申し上げた義務教育以外にも、文教科学関係の補助負担金のほとんどが税源移譲対象として廃止するよう求められていることから、本日は特に私学助成、幼稚園就園奨励、公立学校等施設整備の3点について申し上げます。
 まず、私立高等学校等経常費助成費補助金については、これまで私学振興に対する国の一定の財政責任を果たしつつ、都道府県における助成の核として、その水準を引き上げる役割を担ってまいりました。これが一般財源化されれば、地方交付税での十分な調整が期待されない中、財政状況の厳しい都道府県を中心に助成水準の低下や、さらなる公私間格差、あるいは都道府県間の格差の拡大を招きかねず、学費の引き上げや、教育条件の低下につながるおそれがあります。
 私立学校は公立と並んで我が国の公教育を支える重要な役割を果たしており、本補助金も義務教育費国庫負担金と共通するものであることから、引き続き国庫補助を行っていくことは必要不可欠と考えます。
 また、幼稚園就園奨励費補助金につきましても、一般財源化されれば、市町村の財政事情等により、就園奨励事業が縮小され、保護者の負担が増大し、幼児の就園機会が失われるなど、小学校以前の教育に影響を及ぼすことが懸念されます。幼児期は人間形成の基盤が培われる極めて重要な時期であり、国として幼稚園教育を希望するすべての幼児に対して就園機会を保障するため補助を行うことは重要であります。
 更に、公立学校等施設整備費負担金・補助金につきましては、義務教育の機会均等と水準の維持向上を図るためのものであり、義務教育費国庫負担制度と同様、憲法の要請するものであります。
 現在でも耐震性が確保されている建物が半数に満たないなど、耐震化への取り組みが遅れている中、国として安全・安心な学校づくりが必要であり、本負担金、補助金を廃止することは適切ではないと考えます。
 また、これら以外の国庫補助金・負担金についても、これまで一定の財源確保が必要と考えてきたものばかりであります。
 今回は、義務教育費国庫負担金を含む、ほとんどすべての補助金負担金が廃止対象としてあげられていることから、義務教育費国庫負担金を含めた全体の議論を踏まえつつ、しっかりとした検討が必要であると考えます。
 終わりになりますが、文教科学分野につきましては、平成15、16年度の2年間を通じて、約5,800億円の補助負担金を廃止・縮減しております。そのうち、約4,300億円が税源移譲の対象とされたところであり、これは政府全体の税源移譲額約6,600億円の3分の2に相当します。
 したがいまして、国庫補助負担金改革に関して、文教・科学分野におきましては、これまでも十分貢献してきたものと考えます。
 私としては、各地方がそれぞれ創意工夫を活かして教育を実施していくことができるよう、地方分権の着実な推進を重視してまいります。
 そして、国は、財源保障をしっかり行うことで、教育に対する国の責務を果たしていくことが重要だと考えていることを重ねて申し上げます。
 このため、私としましては、国と地方の役割・責任を含めた義務教育の在り方について、官房長官のもとで、総務大臣、財務大臣とともに議論してまいりたいと考えています。
 また、今度の改革案は、地方六団体の総意によりまとめられたものでありますので、それを受けて、政府全体として真摯に議論していくべきものと考えていることを申し上げます。
 なお、文部科学省といたしましては、総額裁量制の一層の改善を図ってまいる所存でありますが、地方六団体の御提案の義務教育国庫負担金、中学校分の8,500 億円を含む、1兆1,000 億円強の国庫補助負担金の廃止につきましては、そのまま受け入れることは極めて困難であり、18年度末までに所要の検討を行うという、これまでの3大臣合意以来の閣議決定等の内容も含め、日程的には官房長官からの御指示を踏まえつつ、平成18年度までに検討をしていきたいと考えております。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。

(内閣官房長官) 文部科学大臣のただいまの御説明につきまして、地方団体の方から御意見、御質問、御発言をお願いいたします。
 前にも河村前大臣からいろいろ御説明があり、伺ったところと余り変化がないようでございますから、むしろ地方としての教育についてのお考えや国と地方の哲学の相違その他について、是非お考えのことを発言していただいた方が、先々の議論に非常に有益かと思います。いかがでございましょうか。

(全国知事会会長) 官房長官がおっしゃいましたように、私たちはそれぞれのお役所の個別の意見を反復してお聞きしているというのはいかがなものかということで、お手元の配付資料の1、2でも官房長官に申し入れをさせていただいたわけでございましたが、改めて確認させていただきたいと思います。
 資料の1でございますが、第1回目の協議の場が9月14日に行われました。各省庁の大臣のそれぞれの御都合で御発言をいただくだけで、非常に私たちは失望いたしました。各省庁大臣も国務大臣として内閣の一員ではないかと、そういうお立場で骨太の方針のように国を変えていこうという理念の下に御所見があろうかと思うんですが、そういうものは一切聞こえてこないと。
 それで、この場は個々のテーマ別に議論して決着をつけるというものではないというふうに思っております。
 資料の2、これも申し入れさせていただきましたけれども、地方分権の進め方等についても、国務大臣として御意見をいただきたいというふうに思います。
 我々の案は受け入れられないというお話がありましたが、これは政府部内でおとりまとめされるときのことではありますけれども、どういう案があるか、参考までにお聞きしたいということでございます。
 それから、総論的な問題は別途機会を設けるということで、私たちは了承いたしましたけれども、そのことをこの機会に確認させていただきたいというふうに思います。
 資料の3でございますが、2003年の基本方針と2004年の基本方針と2つございますが、5ページは2004の基本方針です。我々から見れば2003に比べて大きく進歩したというふうに思っておりまして、5ページの上から3行目にありますが、国から地方へといった改革について、より本格的な取組を行うという決意表明がございます。
 真ん中よりちょっと上に、地域の知恵が主導するという経済社会システムをつくりあげると。これが我々が求めている地方分権というものの大きな理由の1つなんでございますが、そういった点をどのようにお考えなのか、文部科学大臣からも後ほどお考えをいただきたいというふうに思います。
 6ページの一番下ですけれども、交付税というのは信用できないというようなお話がございました。この点について、総務大臣も御出席でございますので、閣議決定されたこういう文書、方針があるわけですから、それが否定されかねないようなお話もあったかと思うんですね。その点について御所見をお伺いしたいと。
 僣越ですけれども、文部科学大臣から、まず骨太の方針に基づく三位一体改革というのをどうお考えなのかコメントいただければと思うんですが。

(文部科学大臣) 地方分権ということについてのお尋ねでございましたけれども、全体の地方分権についての考え方はまたありますが、教育について申し上げれば、これまでもそうだったんですけれども、教育というのは、国が大筋のものを示すと同時に、やはり現場の地方地方のいろんな特色、風土もあれば、伝統・文化もあるわけですから、それこそ今、知事が言われました知恵、地域の知恵の創意として、創意工夫を重ねて、先ほど申し上げましたけれども、地域色豊かな、そういう香りのする子たちをどんどん輩出いただきたいと。
 そういう意味で、今、私どもも例えば総額裁量制だとか、いろんな形で地方が本当に使い勝手のいい、自分たちの考えに基づいて教育ができるような方向で、今、やっていますし、これからもやってまいりたいと。教育に関しては、そういった形で地方分権を進めていきたいと考えております。

(全国知事会会長) 時間がないので、総務大臣に1つ。
 6ページの一番下のところに、特に町村会長、今日は御本人が出席されていますが、非常に町村にとっては深刻な問題でもあるわけで、この方針どおり措置されるのかどうか。

(総務大臣) 梶原さん、本年平成16年6月の閣議決定で、国庫補助金の廃止、いわゆる税源移譲額が国庫補助金の廃止額に見合わない場合、足りない場合、財政力の弱い団体については、交付税により適切に対応することというのは、その点に関して基本的には6月の閣議決定で決まっていますので、それが前提にならないと、少なくとも三位一体の話は前に進みませんから。

(全国知事会会長) それで、資料の7ページでございますが、14年の12月18日、総務・財務・文部科学3大臣の合意というのがございます。
 2.の最後の方に、先ほど文部科学大臣からもお話がありましたが、「『改革と展望』の期間中(平成18年度末まで)に国庫負担金全額の一般財源化について所要の検討を行う」と、こういう表現が明記されておるわけです。
 それで、私たちはこういうものを念頭に、また、過去の経緯も共有しながら、この方針を打ち出したんですが、8ページに、そういうような関係大臣の協定もございますが、私どもとしては、義務教育というものが地方自治事務に、平成12年施行の地方分権一括法で全面的にそうなったということ。
 それから、それ以前から、ここにございますように、一般財源化だとか、負担率のカットとか、着々と進んでいるんですね。平成16年の一般財源化も3大臣合意に基づいてなされていると。
 3大臣合意というものは、単なる絵空ごとではなくて、具体的に実行されていくという可能性が非常に高いと私たちは思っております。
 こういうような諸点を考えて、とりあえず中学校分の一般財源化というものを提案していると、こういう趣旨でございまして、見解の相違ですから議論して決着するつもりはございませんが、私たちの考え方の背景というものをこの機会に御説明申し上げておきたいと。 
 それで、財務大臣にお聞きしたいんですけれども、7ページの3大臣合意、こういうものを拝見していると、義務教育費国庫負担金負担率2分の1というものが、文部科学省が御主張されているように、未来永劫堅持されるものかどうかですね。財政当局としてどうお考えなのか、ちょっと御見解を伺いたい。

(文部科学大臣) では、私の方から。

(全国知事会会長) いや、財務大臣、この協定について。

(財務大臣) この12月18日の合意ですか。

(全国知事会会長) はい。

(財務大臣) これは、私ども前任者がなさったわけですけれども、基本的にはこれに縛られているというふうに私どもは思っております。
 ただ、更に上位の閣議決定、そのほかいろんなものがありますから、いろんな文脈の中で、これも複雑な連立方程式みたいになっているところがございますけれども、基本的にこれに縛られているというふうに思っております。

(全国知事会会長) それから、9ページにまいりまして、国と地方の役割分担ですね。そういうもの抜きで、金の議論ばかりされているということでございますが、先ほどお話がありましたように、私たちは深夜に及んでいろいろ議論しました。これは金の問題だけではなくて、教育はいかにあるべきかということを当然議論して、結果、ああいう形になったんでございますが、おおざっぱに絵を書きますと、左が現状でございますが、将来的には、市町村を中心に持っていくべきではないかということでございます。
 市町村教育委員会において、ローカル・オプティマム、その地域でベストの選択をしていくというようなことが、先ほども文部科学大臣がおっしゃったように、地域の伝統等いろいろあると、こういうことでございまして、それを補完するために県の教育委員会があって、ローカル・スタンダードというものを維持していきたいと。これは、その下にありますナショナル・ミニマムを超えるローカル・スタンダードというものを決めていきたいということでございまして、しかも、ローカル・オプティマムというのは、世界の特に先進国で、どういうベストな教育が行われているかという世界モデルを参考に、ローカル・オプティマムというものを選択していきたいと。国内に縛られないと、そういうことが理想ではないかと。
 岐阜県では、県から市町村への権限移譲を大々的に本格的に行うことを、今、検討しておりまして、次のページにまいりまして、岐阜県の例でございますが、あくまでも児童・生徒の個性・能力を引き出す児童・生徒本位の改革でなければいけないと。金がどっちこっちという前に、児童・生徒本位の改革ということでございまして、私どもは、最初の囲みにございますように、教育協議会だとか、市町村教育会議とか、教育改革懇談会とか、教育改革研究会と、いろんな自治体教育の体制づくりをしておりまして、また、岐阜県まるごと学園構想(All for One )と言っておりますが、ブロードバンドで全部学校を結びまして、縦、横、斜めに県内の教育資源を児童・生徒がどんどん活用できるという本当の意味の教育の機会均等化ということを、今、進めているということでございます。
 特に人事というのは非常に大事でございまして、なるべく市町村教育委員会が主体性を持てるように、今、改革を進めている。
 次のページにまいりまして、岐阜県は少人数指導というものを今年度に完全実施いたします。これは非常に児童・生徒あるいは父兄からも評判のいい結果が出ておりますが、来年度から少人数学級を組み合わせていくということで、これは先駆的な試みでございますが、このようにして自治体教育というものを充実して、国によるいろんな拘束を外して、児童・生徒のためにベスト・プラクティスの教育をやっていきたいと、こういう考え方でございます。
 それから、いちいち各論で議論を申し上げるつもりはございませんが、私立高等学校助成金のお話がございました。いわゆる補助率は実質的に6分の1ぐらいになっておるんでしょうか、非常に低率補助で、このことが決定的な役割を果たすというふうには思えないわけでございます。
 それから、耐震工事なんかのお話がございましたが、3兆円ぐらい必要なところ、実際は1,160 億円ぐらいしか国の予算はないわけで、これは4%ぐらいにしか相当しないんです。こういうものがあるか、ないかということによって、どうだと、これも余り意味がないんではないかと。例えば、国庫補助のない高等学校の耐震化率が49.9%でございますが、国庫補助のある小中学校は47.5%、補助のない方が耐震化率が進んでいると。
 これは、予算編成のいろんなメカニズムがございまして、4%でも補助金が出るならば、それを活用しようということで、やはり財政当局は順番待ちということになってしまって、国の予算が少ないものだから、後ろに押せ押せになってしまう。これは良い悪いは別にして実態でございます。そこのところを御承知願いたいと。
 それから、幼稚園の補助金でございますけれども、これは山出さんからお話ししていただいた方がいいかと思いますが、どうでしょうか。

(全国市長会会長) 今、梶原さんがおっしゃったとおり、耐震化が進まないというのも、補助金待ちという、いい悪いは別にして、そういう側面がないわけではなかろうかと、私もそんなふうに思っています。
 それから、就園奨励費の補助金でございますが、これも現実は3分の1の補助ということになっておりますけれども、実質の交付率ははるかに低いです。これは財務大臣、お調べいただいたらわかると思いますが、実質の交付率は低いと。私の計算ですけれども、3分の1ですと33.3%、実質は29.2%ぐらいに落ちています。
 もう一つ、私は申し上げたいのでありますが、就学困難な児童・生徒にかかる就学奨励費補助というのがあるんですが、これが政令によって補助基準は2分の1ということになっておるんですが、実質の交付率は、私は2分の1どころか5分の1だと思っています。これも財務大臣、お調べいただきたいと。ことほどさように、決して十分な額になっておりません。
 それから、先ほどの学校施設の整備費がございましたが、保育所の整備費と、学校の施設の整備費の補助率は違うんです。
 そうすると、一般の住民から見ますと、何とも理解に苦しむ、保育所の方が補助率が高いんです。ですから、こういうのは一般財源化すれば、むしろ住民の皆さんにはわかりいいと、私は実はそういうふうに思っています。

(全国知事会会長) それから、冒頭に申し上げるべきだったんですが、資料の9番目の16ページですが、国による関与・規制の見直し等について、私ども改革案で提示しております。どうも金の話に偏っているんではないかと思いますので、是非過剰な関与、規制の見直し、是非、官房長官のところでお取り上げいただきたいと。財務大臣も第1回の協議のときに、こういうことは進めるべきだという力強い御支援のお言葉をいただきましたけれども、このことも併せてお願いをしてまいりたいと、よろしくお願いいたします。

(文部科学大臣) では御発言させていただきますが、最初の7ページの3大臣の合意の話でございますが、平成18年度ですから、再来年度末までに所要の検討を行うということになっておりますので、先ほどの10月28日の期限の話もあるわけですけれども、中教審でそんなことを教育改革としてやっているものですから、後でまた3大臣でいろいろ協議しなければいかぬと。
 その中で、最初に金目の問題だけがぽんと出ますと、そこで議論が止まってしまうものですから、その辺のところの猶予をいただきたいということが1つでございます。
 それから、平成12年の一括法で自治事務になったんだと言われましたけれども、これはもともと地方の事務でございまして、戦前は国の事務だったんですが、戦後はずっと地方の事務ということで、ただ、それをきちんと団体委任事務とか、そういったのがありましたから、それをきちんと自治事務に区分けしたというふうに私たちは考えております。決して、平成12年度に変わったということではないと、このように考えております。
 それから、いろいろとまさに岐阜県で教育改革に取り組んでおられると、私も大臣になりましてからお聞きしまして、すばらしいことだと思います。まさに、そのことが一番求められていることだろうと思うんです。特に、市町村を中心にしてやれと、これは私も全くそのとおり賛成だと思うわけでございまして、現場の創意工夫と言いますか、自分たちの子どもは自分たちが育てるんだという地域の熱意というものが一番大事であろうと思いますし、逆に言いますと、いろいろ金がかかるものについて、国もちゃんと担保しますよということがあってこそ、いろいろなことができるんじゃないかと思います。しかし、そういうことができるところと、できないところがございます。梶原知事みたいに非常に熱心な方もいらっしゃるし、熱心なんだけれども、なかなか金が伴わないというところもありますから、やはり広く、これは郵政民営化でも出てきますけれども、ユニバーサルサービスといいますか、それを踏まえてどこに育っても最低限のことをちゃんと日本国民として受けられるんだということが、私は義務教育国庫負担制度ではないかなと、このように考えておりまして、そういう意味では賛成できるところもありますが、義務教育国庫負担ということについては、きちんと堅持していきたいということは改めて申し上げたいと思います。
 なお、私学助成につきましては、非常に比率が少ないと。実際に一般財源の方で5,000 億ぐらいですか、国の方で1,000 億ぐらいですから、額は小さいんだけれども、それがあるからこそ、格差是正とか、そういったことにも、私は役立っているんじゃないかと、こういうふうに考えておりまして、これがないときは、格差が5.5倍ぐらいあったのが、今、1.7倍ぐらいに下がってきているという意味では格差是正に役立っているんじゃないかなと考えております。
 ちょっと早口になりますけれども、耐震の話、本当はもっとこの辺も、増やしたいわけでございますけれども、なかなか国の財政上許さないということだと思っていますし、幼稚園就園奨励費につきましても落ちてきているので、むしろこれは増やしたいと思っているんですけれども、現実にはなかなか増やせない中で、それでもとにかくどこに生まれ育っても、きちんとした幼稚園教育ができるということで、格差是正ということでやっている。国がそういう旗振りをやっているんだということを、国民の皆さん方が理解していただくという意味では非常に意味があるんではないかなと、このように考えております。
 あと、先ほどの施設整備の関係についてもお話がございましたけれども、これも先ほど申し上げましたけれども、教員の負担と同様、そういったものもトータルとして、私は日本のどこに生まれても、育ってもきちんとした教育を受けられるということの基本ではないかと考えていることを御理解いただきたいと思っております。

(総務大臣) これで時間は終わるんでしょうけれども、中山大臣、5ページのところの一番下のところの「日本が教育費を削減すれば世界的潮流に逆行する」と書いてあるんですけれども、今回の三位一体改革の話というのは、教育費の削減の議論ではありませんから、そこのところだけは、文部科学省どういうあれで書いたんだか知らないけれども、教育費の削減をするという話をしているんではなくて、教育費にかかる義務教育の話を地方にという話をしているのであって、削減の話をしているんではないと思いますので、これは少し違うんじゃないかなと、ぱっと読んだときの感じです。

(文部科学大臣) それについては、ちょっと申し上げますが、例えばイギリスでございますけれども、イギリスもサッチャーさん、あれは1988年でございましたが、教育改革ということを打ち出しまして、教育予算を増やして、私はイギリスがよみがえったと思っているんですけれども、教育を地方に任せたらだめだと、やはり一般財源でやっても教育ではないことに使えるということで、もっと教育にきちんと重点を置いた、そういう投資をしてもらいたいということで、国の方でもっと増やそうと、こういう話になっています。地方ではなくて、国で増やそうと。これはアメリカでも、どこでもそうでございまして、むしろ地方がやっているよりも国で負担を増やすべきだという世界的な潮流があるということだけは御理解いただきたいと思います。

(総務大臣) 世界的潮流とおっしゃるけれども、地方公務員の国、例えば、OECDの調査でも、国家公務員で全額国庫負担でやっているイタリアよりカナダの方が学力がはるかに高いという資料は、この前お示ししたと思いますので、これは地方に任せたら地方が何をやるかわからぬという信用関係、信頼関係の話の根底が一番問題なんだと思いますので、このところはイギリスとかほかの国の例を引かれるよりは、この国において、例えば、県立高校でいけば、私の福岡県で言えば、修猷館と隣の熊本の濟々黌とどっちが高校のレベルが高いかとか、佐賀高校と福岡高校とどっちが九大に入る率が高いかとか何かという話になったら、ほとんど全国余り変わってない。したがって、これは国の補助金はゼロですから、その意味では地方は教育のことに関しては、結構水準としてはきちんとしておるんであって、また小中学校においても、いわゆるそんなに地方でも都会でも余り差がないと言われている最大の理由というのは、これはきちんとしたものをしなければいかぬという標準法の話と、いわゆる財源保障というのがきちんとしているからであって、財源の種類の話とは少し違うんじゃないかという感じが私の読んだ感じです。

(文部科学大臣) まさに財源保障がきちっとされているということが一番大事で、それが義務教育費国庫負担法だと思っているんですけれども、カナダの話をされましたが、例えば、ドイツでは、先ほど御説明しましたけれども、州に任せていて、非常にアンバランスになってきているということで、これではいかぬということで見直しが、もっと国の方で金をしっかり出すべきだということになっているということも御紹介しておきます。

(全国知事会会長) 私、民主主義の根幹に関わることなんで申し上げたいんですけれども、どうもこの自治体不信という意識がおありではないか。自治体の長あるいは議員は、有権者によって選出されているわけです。国会議員の皆様方も、同じ有権者から選ばれているわけなんです。そこに差が出てくるということは、どういうことなのか、我々は解せないんです。中央の官僚に決定権を持たせた方がいいのか、あるいは民主主義の原則に立って、選挙の洗礼を受けてきている知事、市町村長、あるいは議員、どっちを信頼するのか、非常に私はいつも疑問に思うんです。発展途上国であれば別ですよ、ここまで近代国家として成熟してきて、市民レベルも非常に高いんです。そのレベルが、官僚のレベルより低いということはいかがなものかと、これが1点と。
 第2点は、でこぼこ、でこぼこということをよくおっしゃるけれども、国はナショナル・ミニマムを維持すればいいと思うんです。そのミニマムを下回る場合どうするか、これはそういうスタンダードを法律でお決めになればいいし、お金が心配だとおっしゃれば、交付税措置と相まって、これだけの最低基準は守れという法的な拘束を自治体にかければいいと、それで十分だと思うんです。何も国庫負担でなければいけないという決定的な理由はないように思うんです。
 つまり、私は金で引っ張っていくという時代ではないと思います。そこのところの、これは見解の相違だからいいんですけれども、民主主義に対する考え方と、金による誘導策について、これからの時代においてどう考えていくか、その点がちょっと私たちと見解の相違があるので、申し上げておきたいと思います。

(財務大臣) 財政当局から一言言わせていただいてよろしいでしょうか。要するに、義務教育をより質の高いものにしていくためには、どういう仕組みがいいのかというのが、やはり根本の議論だと思うんです。そういう議論を詰めていくと、この義務教育の負担の在り方の議論も、だんだん詰まってくるんじゃないかと思うんですが、六団体の御提案は一般財源にしていけということですが、やはり教育内容や何かをどういうふうに決めて、どういう組織でやって、さっき教育委員会や何かのお話もありましたけれども、どういう仕組みでやっていけば、そういう質を高める効率化に向かっていくかという観点が必要ではないかと私は思うんです。
 特に、私どもの今回の議論の前提は、地方の自由度を高めていった方が、そういう意味での効率化と言いますか、より適切な教育の質の向上につながっていくんじゃないかというのが、おおよその理解の前提にあると思うんです。勿論、そこのところはそうじゃないんだという議論があれば、それもやる必要がありますが、そういう議論の中で、一般財源化していくことが、本当に教育の質の向上につながっていくのかどうかという議論があると思うんです。
 私、ありていに申し上げれば、これはややざっくばらんにものを言い過ぎるんですが、今までの議論を伺っていますと、結局教育の質を高めるのは金の水準だという、財務当局はいつも財政論で教育をやってはいかぬと言われているんですが、そういう残滓がまだ議論の中に残っているような気が、これはあえて乱暴な発言をいたしますが、そういう気がいたします。と申しますのは、やはりこの間少子化が進んでいく中で、義務教育1人当たりどれぐらいかけるかという額は相当増やしてきているんです。恐らく十数年で、7、8割、かつてを100 とすると、今は170 、180 になっていると思うんですけれども、では質が上がってきたのかというと、私はちょっと首をひねらざるを得ないところが正直言ってございます。財務当局としては、そういう観点も含めて、一般財源化をしていくのが、本当に教育の質の向上になるのかどうか、そこを議論していただきたいと思います。
 ちょっと乱暴な意見かもしれませんが。

(文部科学大臣) 済みません。まさに、これはもう地方を信頼しないということではありません。先ほども言いましたように、地方の方々に創意工夫してやってもらいたい、これが基本でございますが、先ほど言われましたけれども、ミニマムなスタンダードがあって、それ以上のことについては、まさにやっていただきたいんですが、これから財政も厳しくなります。先ほど言いましたけれども、やろうと思ってもできない。そういうときどうするか、ミニマム・スタンダードを下回る場合どうするかということで、今、スタンダードをつくって、法的な拘束をつくれと言われましたけれども、これはまさに私は2分の1、国庫負担の義務教育の負担制度じゃないかと、ここできちっとこうだということを、国が示していると。私はそういうふうに理解しております。

(全国知事会会長) 私は、今、財務大臣のお話に関連して申し上げますと、前に経済財政諮問会議にも出しましたペーパー、高コスト不満足社会から低コスト満足社会へと、これが国家の財政再建の基本だと我々申し上げたわけですが、卑近な例、私どもPTAとか、そういうところから要望を聞くんですが、自分たちでやれることまで補助してくれと言ってこられるので、私はやってもいいけれども、税金増やしますよと、税金増えますよと申し上げている。自分たちでできることは自分たちの子どもたちのためだからやってくださいというふうに協力を求めております。
 これは、そういうことがやりやすいのは、やはり権限、財源が住民に近いところにあるからいいんですね。国から何か下りてくるということだと、それを使わなければ損だという発想が働いてしまうんです。そこらは、財務大臣のお話にも関連しますけれども、民主主義の問題と、本当の財政再建をどうするかという、そういう根幹に関わることではないかというふうに私は思いました。

(内閣官房長官) かなり本質的な議論が出されたと思います。新しい文部科学大臣も、今日の地方の御要請を踏まえました形で、更に御検討いただきたいと思います。28日までに検討をお願いしたいということは、全大臣にも申し上げておることでございます。よろしくお願い申し上げます。
 それでは、次に厚生労働大臣の説明がございます。文部科学大臣どうもありがとうございました。

(文部科学大臣) どうもありがとうございました。

(内閣官房長官) どうもありがとうございました。

(文部科学大臣退室)

(厚生労働大臣入室)

(全国町村会会長) 財務大臣、さっきのお話で、円筒型の教育をやるからだめなんです。だから、我々は一言も教育に関しては発言権がないんです。知事以下全部ないんです。だから、みんなが意見が出されるような、そういう制度をつくるためには、どうしても財源が地方へ移らないとできないんです。国から決められたことだけしかやりませんから、いい教育ができないと、私はそう思っています。
 だから、みんなが意見を出される。地方は地方の特色を活かした教育をやれば、子どもはどんどん伸びていくんです。ところが、今、円筒型ですから、それから外のものが出てこないんです。そこら辺りが、私たちの最大のお願い事項なんです。そこをひとつ覚えておいていただきますように。

(財務大臣) ですから、その辺りの議論を闘わせていただきたいんですね。

(全国町村会会長) 政策論では、私ども勝てませんからね。

(財務大臣) いや、それがまさに政策論じゃないかという気がするんですけれどもね。

(内閣官房長官) 次に、厚生労働大臣、お願いします。

(厚生労働大臣) 厚生労働大臣の尾辻でございます。早速に説明に入らせていただきます。
 説明資料は、お手元に差し上げてあると思います。ごらんいただければおわかりのとおりに、1番目に基本的な考え方、2番目に地方六団体の御提案いただきましたものに対する問題点、3番目に厚生労働省の対応の方向ということで、整理をさせていただいております。
 最初の1番目の基本的な考え方についてでございます。資料で差し上げてありますものの1ページ、2ページですが、余りこの文章に沿ってお話し申し上げませんので、そのつもりでお聞きをいただきたいと思います。
 まず、この問題に触れますときに、日本の地方分権をどんな形でとらえるのかというのが基本にあるんだろうと思いますが、今日のところは連邦制度にするものではないでしょうということだけまず申し上げておきたいと思います。
 そして、国は地方にやさしく、地方は国に対して毅然としておるというのが、私は一番いい姿であろうと思っております。
 私がまず申し上げたいことは、特に社会保障の分野では、言わば国と都道府県、市町村の関係がオール・オア・ナッシングとでも言いましょうか、また、ちょっと表現を変えて言いますと、補助率を10分の10のものと、10分の0のものとに分けておいて、10分の10のものは連邦国家がおやりください。10分の10のものは州がやりますと、こんな形ではなかろうということを基本的に申し上げたわけです。
 今日、この1のところで強調して申し上げたいのは、やはり国と地方、協力・分担してやっていくのが一番いい姿だと思いますということを強調したいわけであります。
 そこで、このことに触れてなんですが、もう一点、ちょっと違う角度で申し上げさせていただきたいと思います。私は、選挙は全国比例区の人間なんですが、鹿児島の出身でございまして、県議会に籍を置いたこともございます。その立場で、今、大変心配をいたしております。改めてですが、国税三税、基幹税を見ましても、東京、大阪、愛知の3都府県で、結局法人税の62%、消費税の53%、所得税の48%を納めているという形なんですが、我が鹿児島はどうなるかというと、所得税も実は0.7 %しか納めておりません。したがって、所得税を全部住民税に移したとしても、鹿児島に入ってくる額というのは1,200 億であります。
 やはり、この実態をどうしても私たちは踏まえて、いろんなことを考えなければいかぬと思うんですが、本日も鹿児島県は2006年度にも再建団体転落のおそれがあるといって、緊急事態宣言をしております。
 こうした事態になりますと、結局その辺の話は今日の本来の議論ではありませんが、今日、私が申し上げたいのは、こんな事態を踏まえても、とにかく社会保障を国と地方が協力し合って、仲よくやっていく以外に方法はないだろうなということを申し上げておるところであります。憲法25条を持ち出すまでもありません。国には国民のすべての生活面で、社会保障の向上増進に努める義務がございますし、全国民に一定水準のサービスを保障する責任もございます。
 また、一方、地方自治体の皆様方には、社会保障の実施主体として、大変大きな役割を担っていただかなければなりませんから、もう本当に何回も申し上げておりますが、お互いの応分の負担、責任を分担しながらやっていきたいということをまず申し上げたところでありまして、1ページと2ページには、その辺のことを述べたつもりでありますので、そうお読みいただければ大変ありがたいと思います。
 次に、大きく2番目と3番目の話でございます。差し上げてあります資料では、4ページ以降に述べておるところでございます。私は、このところ、厚生労働大臣になったばかりでありますけれども、厚生労働省に強く言っております。それは、この三位一体の改革、決して渋々取り組むとか、いやいややるというのは絶対だめだというふうに言っております。私たちは、今まさに世界に例を見ない、急速な少子・高齢化が進行する中で、日本の社会保障をどうするんだという実に大きな問題に直面をいたしております。これはあちこちで議論もしていただいておりますが、一番代表的なのが、官房長官の下の「社会保障の在り方に関する懇談会」でありますし、そしてだれよりも私たちが真剣に取り組まなければいけないというところで頑張っておるつもりであります。
 そういう中での三位一体の改革でありますから、私は今、申し上げた通り強く言っておりますのは、改革の絶好の機会だととらえろと、その中で日本の社会保障をどうするんだという大きな流れの中で、この問題にも取り組もうと言っておるわけでございまして、できる限り、私が今日申し上げますのは、そういう社会保障の大きな流れの中で、三位一体という切り口で見ればどうなるのか、断面図をお示しすればどうなるんだということを申し上げたいと思っておりますので、そんなことでお聞きをいただければ、大変ありがたいと思います。
 そこで、2の御提案いただいたことに対する意見も少し述べさせていただいておいていただかなければいけませんので、そのところは差し上げてございます資料では、5〜9ページのところで述べさせていただきました。
 まず、今、私が申し上げたようなことで言いますと、今度の御提案、日本の社会保障をどうするんだという、そういう大きな理念みたいなものもお示しいただければ大変ありがたかったと思うのでありますが、そういう御提案ではなかったということだけをちょっと申し上げておきたいと思います。
 そして、このお手元に差し上げてあります資料の6ページをお開きいただきたいと思います。そこに、何を言いたくてこの表を出しているかと言いますと、おわかりいただけると思うんですが、その円の中の少し黒くなっているところの方が、介護費用だとか、老人医療だとか、国民健康保険だとか、生活保護など、全部書いておりますが、ここについて全く触れていただいてなかったこと、これはもう少し御提言を広くしていただければよかったのになということを、率直に思いますということを今、申し上げておるわけであります。
 そして、御提案を見せていただきまして、つい私はこんなたとえ話が頭の中に浮かんできました。それは、私たちは積み木を一つずつ、それぞれの事業をきれいに積んでおるつもりであります。その積んである積み木のところに来て、これ気に入ったからちょうだいとか、これは持って行くよとか、一つずつぱっぱっと抜かれますと、ある山はちょっといびつな形になりますし、あるものはどうしてももう山全体が崩れてしまうという、そんなことになると困るけどなと、実は正直に申し上げて、ちょっと失礼なたとえ話をしているかもしれませんが、そんなたとえ話が頭の中に入ってきたんです。
 そして、率直に申し上げた方がいいと思いますので、あえて申し上げするんですが、お好きな積み木というのは、どんなものかなというふうに見ますときに、例えば、児童福祉と高齢者福祉という分け方をしますと、どうしても高齢者福祉は国でやれと、それで児童福祉の方に目が行っておられるような気がする。今後の対象者の数の増減ということで言いますと、結局児童福祉の方は、どちらかというと負担が軽く済む方でありますから、ちょっと辛い方をやれと言われてもなという気がしますということを、率直に申し上げているわけであります。
 同じような見方で、今度はハードとソフトという見方をしますと、やはりハードの方をやろうとなさっておられる。そうすると、社会保障、これも言うまでもありませんけれども、施設をつくるのはまあつくれますけれども、その後をどう運営するかというのが、一番の大問題でありまして、そっちは国でやれと言われても、国としても辛いところがありますということを率直に申し上げたところであります。
 そこで、積み木がいびつな形になりますよという表現をしましたので、それは8ページをお開けください。8ページの一番上の方のこの例で申し上げておきたいと思います。要するに、障害者の福祉なんですけれども、なぜかここに書いてあります、障害児の施設のところだけが、ぽこっと、ぽこっとという表現はよくないのかもしれませんが、ぽこっと抜かれると、私どもなりに言わせていただくと、そんなことになって、これでは全体の調和が取れなくなって、いびつになるんですということを、1つの例として申し上げたわけであります。
 それから、山全体が崩れますということを申し上げた例として、次の9ページに代表的なものをお示ししたつもりでございます。これをいちいち説明しておりましたら、それこそ時間がなくなりますので、今日は御説明は申し上げません。ただ、一点だけ、新エンゼルプランと書いております、ここのところだけはちょっとだけ申し上げておきたいと思います。私たちは、最初にエンゼルプランをつくりました、それで新エンゼルプランをつくって、実はこの後、来年度から新新エンゼルプランというのは、余りスマートな名前ではないから、何か考えろと今、言っておりますが、そんなものをつくろうとしておる矢先であります。
 そして、小泉内閣としては、もう御案内のように、待機児童ゼロ作戦ということで、目玉にして言ってきました。そして、今日の総理の御発言の中でも、待機児童の解消に必要な措置を引き続き講じていくというふうにはっきりおっしゃったわけでありまして、こうしたまさに少子化対策の部分が、お示ししてあるようなことで、ずばっと抜けてしまうと、山が崩れてしまうので困りますと。国としての責任が果たせなくなりますということを申し上げたところでございます。
 以上、いろいろ申し上げましたけれども、その辺の整理は5ページにさせていただいたつもりでございます。改めて5ページを見ていただければと思います。そこに整理をさせていただいたつもりであります。どういう整理したかと言いますと、最初の「特別会計事業関係」とありますけれども、これはまさに特別会計事業でございまして、事業主の皆さんに日本の将来を担う子どもたちのために出してくださいと言って、1,000 分の0.9 ですけれども、事業主拠出金というのをいただいております。
 あと、一部事業主の保険料も財源になっておりますけれども、そうした財源による特別事業でございますから、これは今回の三位一体の改革と外れた外の話ではなかろうかと思ったものですから、特に1つずつ整理をさせていただいております。
 私どもの対案ということで申し上げます。ページは14からになります。申し訳ありません、それでは14からの話をさせていただきたいと思います。
 先ほど、とにかく社会保障全体どうあるべきかという視点でこの問題をとらえたいという、私どもの基本的な考え方を申し上げましたけれども、それからもう一点言わせていただきたいと思います。今、そういう日本の社会保障改革の中で、進むべき、いかにあるべきかという、いろんなことを言わなければならないんですが、私はそのうちのキーワードの1つが自立だというふうに思っております。今日の御審議には関係ないんですけれども、実は今日、私どもは障害者の皆さんに対する福祉について、極めて大胆な提案をさせていただきました。
 私は、かつて、前に障害者の皆さんとお話し申し上げたときに、障害者の方から、自分たちはタックス・イーターからタックス・ペイヤーになりたいんだとおっしゃった。これは大変感動して聞いたせりふであります。すべてが私はキーワードをそこに持っていかなければいかぬというふうに思っております。
 したがって、今後、私たちの社会保障というのは、大きなキーワードが1つ自立になるということを前提にして、今日の御提言を申し上げるという意味で、今の話をさせていただきます。
 それで、14ページでございますが、先にその話をいたしましたので、生活保護、児童扶養手当、これは、皆さん方の自立を是非していただけるように、いろいろ制度を私たちなりに見直してみたいということで、まず御提言申し上げるところであります。
 内容につきましては、その次の、最初が国民健康保険についてですから、17、18が生活保護の話ですし、19が児童扶養手当の中身でございますから、要するに、そういうことで、そしてまた地方自治体の方の裁量を是非大きくさせていただいた上での見直しということを考えておるということを、ざっと申し上げました、後ほどまたお話でもあればお答えさせていただきたいと思います。
 それから、大きくもう一つ、国民健康保険のことを取り上げました。これはまた大問題でありまして、大問題というのは、日本の医療をどうするかというのが大問題であります。平成18年度に、私どもは今後の日本の医療をどうするかということを提案するつもりでございましたけれども、この機会でございますから、まさにいい機会だととらえまして、少し国保の分だけを前倒しの議論をして、こういう御提案をさせていただきたいというふうに思っておるところでございます。これは、県に是非主導的な医療計画の中での、既に今そういう県が策定主体になっておるわけでございますが、更に今後の日本の医療費の適正化などで、主導的な役割を果たしていただければありがたいということで、御提案を申し上げたいと思っております。
 したがって、今、国が持っております、財政調整機能というのを県に一部お渡しすることによって、財源もおわたしすることによって、そういう役割を果たしていただきたいというような御提案をさせていただきたいと思いまして、その辺のところは今の15、16のところで述べておるところでございます。
 大変早口になりましたけれども、本当に走って御説明を申し上げたところでございまして、最後に私どもは更に具体的な代替案というのは、今月28日に提出期限と言われておりますから、それまでにきっちりとお出ししたいと思います。
 何回も申し上げますが、御提案いただいたもの、全部だめだとか、そんなことを言うつもりは全くありません。とにかく、仲よく国と地方でやらせていただきたいと思いまして、また私どもなりの代替案を出させていただくつもりでございますから、よろしくお願い申し上げます。

(内閣官房長官) それでは、この提案に対して、ご意見・ご質問をどうぞ。

(全国知事会会長) まず、配布資料の15ページの8をごらんいただきたいんですが、15年度から16年度、実質を見ますと、国が1.9 %増、地方が地財計画ペースで1.8 %減と、結果的にこの国の増を地方の減で賄っているということになっているんです。結果的に、この国の増を地方の減で賄っているということになっているんです。
 中身を見ますと、国の方は社会保障関係なんです。これが国家財政を圧迫して、その跳ね返りが地方財政に来ていると。簡単に言うとそういう構図ではないかと思うんです。そこを、国の方も抜本的に改革してもらわないと、地方にとっても迷惑な話なんですね。
 そこで、今回の三位一体改革は、16、17、18年度という3か年計画なんです。私たちは、それだけでは全体像が出てこないので、19、20、21年度と後期の3か年計画をこちらで構想して、その6年間で全体像だと考えておるんです。
 そこでいろいろ御指摘ございましたが、理念がないだとか、いろいろお話ございましたが。

(厚生労働大臣) 理念がないというのは、ちょっと言い過ぎたかもしれませんけれども、私なりの表現です。

(全国知事会会長) これは、その全体像をごらんいただかないと、前期だけをごらんになっても、児童関係ばかりではないかと、いいところ取りしているんじゃないか、積み木のいいところだけ取ったら、積み木が崩れるぞと、これはいかがなものかと思うんです。
 私たちは、社会保障制度全体について、官房長官のところでも懇談会が設けられているし、我々の支援費の問題も、ソフトが抜けているんじゃないかとおっしゃるけれども、そういうものを改革される途上に今あるわけです。
 そういう諸要素を勘案して、大改革とおっしゃいましたけれども、そういうものに関連するのは、この後期で考えていこうというのが我々の考え方で、そのときには、消費税の問題とかいろいろあるだろうということで、前期と後期と分けているということです。これをよく御理解いただかないと、何か別に分けてしまって、考え方が一貫していないんじゃないかと、こういう話はいかがなものかと私たちは思うわけです。
 それから、チャンスだからということで事務当局に指示されたと、それは我々も非常に歓迎すべきだと思うんですが、結果として出てきたのが、補助率カットですね。これで改革ということは、私たちは全然肯定できない話であって、骨太の方針にございますように、地方が主体性、自主性を持って、改革していくようにという大方針があるのに、補助率をカットしたから自主性が高まるとか、そういうものではない。だから、我々はこの種のものは、法定受託事務なんか典型ですが、その中でも一律に給付とかやらなければいけないと、これは国の責任においてやっていくべきことであって、我々は裁量を働かせる余地がないんです。そういう我々が義務的にやっていかなければいけないものについて、一方的に補助率をカットして、これが三位一体改革だと言われても、我々は全く理解できない。土俵がもともと違うと思うんです。三位一体改革という、国の形を変えていこうというような土俵と、ただ補助率カットしますという土俵は、全く土俵が違って、我々から見れば別の土俵で一人相撲されているという印象しか持たないんです。
 市長会から、どうぞ。

(全国市長会会長) 大臣のお話を聞きまして、かみ合わん、大臣は社会保障制度の在り方を議論しろと、その中で応分の負担をして、お互いにとおっしゃいますね。議論をずらされているような、率直にそういう感じを受けました。
 我々は、この骨太の方針2004を閣議決定したと、これが政府の方針だと、それは地方分権と三位一体の改革を進めることだと、こういうことからスタートしているわけです。ついては、補助負担金の廃止縮減をやって、そしてそれに代わる税源移譲をやるんだと、ここからスタートしておるわけでありまして、我々はそれに忠実にお答えをして、そして案を出してきたわけであります。
 ですから、私にとりますと、政府は我々六団体のそうした取り扱いについて、素直にお答えをしてほしいと。私はそのことをまず一つ申し上げたいと思います。
 そこで、いろいろおっしゃいました。どうもこの六団体の案というのは、児童福祉を軽視して、高齢者福祉にウェートを置いた議論ではなかろうかというお話が一つありました。これも、実は児童福祉の中身は、保育所であったり、保育所の運営であったりするわけです。私たちは、保育所というのはもう明治3年からスタートしておるわけです。それで、託児所になって、そして児童福祉法ができてから保育所になって、もう定着しておるわけです。しかも、こういうものについて縛りがあるから、そんな縛りはもういいじゃないかというのが、我々の議論であるわけです。
 ところが、高齢者福祉になりますと、介護保険が関わってくる。介護保険は、今、議論している最中ですね。ですから、議論している最中だから、我々はこの税源移譲対象のリストから、当分は外していこうと。また、後ほど議論しようというスタンスであるということを一つ理解してほしい。
 それから、施設にウェートを置いて、そしてソフトを軽視していこうということでありましたけれども、今、申し上げましたとおり保育所なんかを事例に取れば、こんなものはずっと我々やっておるので、学校なんかと一緒に、もう我々にとりますと経常的な仕事だと申し上げてよかろうと。こういうものは、一般財源化していいじゃないかということでありまして、ソフトを軽視するということではありません。ソフトは、言わば先ほど申し上げたとおり、国民健康保険とか、介護保険なんかはまさにソフトですから、これは今、議論しているんですから、これはここの移譲の対象から外そうという趣旨でございます。
 それから、障害者施策についてお触れでございましたけれども、これは障害児については措置費だと、障害者については支援費だと、こういう扱いになっておるわけです。ここに1つ問題があるので、ここの基本を厚生労働省はきちっとしてほしいと、こういうことを申し上げたいと思っています。
 こういうことを前提とした上で、仲よくやろう、我々も代替案を持ってくるぞということでありますが、先ほどのお話を聞きますと、私も梶原さんと一緒でありまして、やはり補助金の負担率を下げろということになるわけでして、その中に生活保護がありました。生活保護というのは、地方分権一括法によって、機関委任事務から法定受託事務に変わったわけです。原則国の仕事です。それを我々が代わって行っておると、恩に着せた言い方になるかもしれませんけれども、苦労しながらやっておるのは市町村だと、これを大臣に知っていただきたいと思っています。
 負担率を引き下げると、どちらかと言えば給付が適正化される。そして保護率が下がるんだという御指摘もありますけれども、しかし、負担率と保護率の間に、私は相関関係はない。これは、過去の実績が語っておりますし、それから何と言ったって保護率は、完全失業率と相関しています。北海道とか。

(厚生労働大臣) 相関率結構高いですね。違うところもありますけれども、私が具体名を挙げることではないでしょうが。

(全国市長会会長) ですから、やはり景気対策と大きい関わりがあるので、このことも一つ是非御承知おきいただきたいと思います。
 地方の自由度を高めて、自立支援をやるよという言い方をなさいますけれども、生活保護と言うのが、決められたものを支給して、そして自立・更生をさせるというのは、生活保護の基本です。こんなことを別に言わなくても、当然のことだと。それは、未来永劫、生活保護を受けたままでいいんだという人はだれもいませんよ。生活保護費を支給されることで、肩身が狭いという人がほとんどなんです。そうすると、私は自立支援云々ということを、それは生活保護費を支給すれば、自立・更生というのは当たり前のことだと、だからそういうことについて国と地方と一緒に力を合わせてよくしようとおっしゃってくだされば、私は賛成したいと思っています。
 次に国保でありますけれども、これは大臣、私もお隣の人も、実施主体。大変辛い。なぜ辛いかというと。

(厚生労働大臣) 保険者として、非常にお辛い立場だというのは、よく承知をしております。

(全国市長会会長) なぜ辛いかと言ったら、保険料をこれ以上上げられないということなんです。この制度がスタートしたときは、自営業者と農業従事者の保険でした。それでは、お互いに地方都市の中で、自営業者がいるか、屋の付く商売屋さんはみんな消えていく。酒屋も、八百屋も、米屋も、そうすると自営業者がいないと、それでは農業後継者がいますかというと、いない。そうすると、スタート時点の構成というのが、全く変わってきたわけです。変わって、だれかと言ったら、リストラによる無職者、そして高齢者、これが被保険者だと。
 そうすると、保険料を上げたいと思っても上げられないんです。私は、ルーズで怠けて上げないのではありません。しかし、実態から考えたらなかなか、今の国民健康保険の最高限度額は53万円です。よその保険から見たらはるかに高い。これ以上こういうものを上げろとおっしゃっても大変難しい。
 そうすると、どうなるかといったら一般会計から出すしかないわけです。私は、この出し方についても、ルールをちゃんとつくるべきだという思いはあります。しかし、一般会計から出さざるを得ないと。一般会計から出すということは、サラリーマンの税金を使うということですから、そうするとサラリーマンにとりますと、職場の保険にかけて、そして人様の保険料も払うことになりますから、論理としたらもう制度は破綻していますよ。だから、私は国が今、議論していただいておるんだなと思っておるんです。 やはり、そういう基本のところをきちっとしないで、そして制度をいじくるというのは、私はいかがなものかなという思いがあります。
 こういうことを次から次とやられると、国と地方との信頼関係というのは崩れていきます。大変寂しい、残念なことです。もしもこういうことを強行されるとしたら、私は国民年金を国がお取りになったんだから、また取ってもらえばいいなと、そんな気持ちさえします。
 それから、これと同様の意味は、児童扶養手当ですけれども、ここでもカットしようということですね。地方への負担転換と。そして、私はもう一つここに付け加えたい。それは、ここに来て、介護保険の中に支援費を突っ込もうと。その支援費の予算が足りなくなったと。だから、介護保険料の会計に突っ込んだらいいと、介護保険と一緒にしたらいいと、これは統合の議論です。そうすると。

(厚生労働大臣) 途中で申し上げますが、私どもは基本的にそういう考え方ではございません。

(全国市長会会長) そういう意味で言うんでなしに、統合しようという。そうすると、非常に便宜的ですよ。私から見たら。お金がないから、支援費の予算が足りなくなったから介護保険と一緒にしようと、そういうものの考え方というのは、先ほど来の補助率カットの議論と根底は一緒ではないかと。私はそういうふうに思えてならないんです。ということは、ここに来て、厚生労働省は財務省に矛先を向けるべきであるのに、我々地方に矛先を向けていらっしゃると、私はそんなふうに取れてしようがないんです。やはり地方の弱い立場とか、そういう弱い立場のもののことを考えなければいかぬなと、血の通った行政、政治とは言えぬのではないかと、そんなふうに思えてなりません。
 そこで、もうすぐやめますけれども、実は今度の三位一体改革ですけれども、官房長官がいろいろ苦労されて、三位一体改革の推進について、こういう閣僚懇で発言をなさったわけです。ここには三位一体改革のためだと、そして地方からの改革案の実現を原則として、取り組みについて説明してほしいということがここに書かれてあるわけです。
 そこで、私は最後にこういうことを申し上げたいと思います。三位一体改革は補助金を廃止して、地方の自主性を高めようということなんです。ところが、補助率カットということは、補助金の決定権限を残したままということですから、このことは三位一体改革とは無縁だと言いたい。

(全国知事会会長) ちょっと私、都道府県に関係する御提案がありますので、一言申し上げたいと思うんですが、国保の事務について、突如として都道府県もスタイルを変えるというふうに引っ張り込まれて、負担を持ちなさいと。これは、降って湧いたような話なんです。
 私たちは、この社会保障制度全般の見直しが今、進められていると。大臣も大問題だとおっしゃって、その中で一部前倒しをしていくとおっしゃるんですが、やはり全体の中で議論していくべきことが、何か都合のいいことだけ前倒しされていると。先ほど大臣が地方の連中は好きな積み木だけ持って行ったということとは、全く逆の御発想ではないかと思うんです。
 この大議論をしなければいけない、大改革しなければいけないにもかかわらず、部分的に前倒しで、しかも地方の負担を増やすということだけおやりになろうとしていると。これは、まさに好きな積み木だけ持って行くという御批判、それをもうそのままお返ししたいと思います。

(内閣官房長官) 6時の予定された時間も過ぎましたが、文科省と厚労省は全く逆の対応をされまして、片方は従来の姿勢を変えたくない、片方は見方を変えて、新たな提案を。これに対して、地方は全くのめないということで、これは28日までにどう結果を出すことになるのかということですが、現実的な案にならなければいけませんので、また更に今日の御意見を踏まえ、反論は反論としてまた議論を整理していただきたいと思います。

(全国市長会会長) 補助率カットだけである。

(全国知事会会長) 三位一体改革とは言えない。

(厚生労働大臣) 我々は我々で、今の話には相当反論もありますが、今日はもう時間がありませんから、この場での発言は控えさせて頂きます。

(内閣官房長官) 新大臣もお迎えしての議論も意味があってと思います。これから4つのテーマを2回に分けて議論しますけれども、説明をお聞きいただき、またその県・市町村のお立場をしっかりおっしゃっていただきたいと思います。今日のところはこれにて散会をさせていただきたいと思います。 本当にどうもありがとうございました。



(参考)

国と地方の協議の場の開催について(案)

 
第2回 国と地方の協議の場 10月12日(火)(16:30〜18:00)
○文教・科学振興関係(45分)
政 府官房長官、総務大臣、財務大臣、経済財政政策担当大臣、文部科学大臣
地方団体地方六団体(原則)
○ 社会保障関係(45分)
政 府官房長官、総務大臣、財務大臣、経済財政政策担当大臣、厚生労働大臣
地方団体地方六団体(原則)
 
第3回 国と地方の協議の場 10月19日(火)(16:30〜18:00)
○経済産業、沖縄・北方対策、その他の補助金関係(45分)
政 府官房長官、総務大臣、財務大臣、経済財政政策担当大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、沖縄及び北方対策担当大臣
地方団体地方六団体(原則)
○第2回目の会合の積み残しのテーマ(45分)
政 府官房長官、総務大臣、財務大臣、経済財政政策担当大臣、関係大臣(文部科学大臣又は厚生労働大臣)
地方団体地方六団体(原則)
 
第4回 国と地方の協議の場 10月26日(火)(17:00〜18:30)
○ 公共事業関係(45分)
政 府官房長官、総務大臣、財務大臣、経済財政政策担当大臣、農林水産大臣、国土交通大臣、環境大臣
地方団体地方六団体(原則)
○総論的な事項等(45分)
政 府官房長官、総務大臣、財務大臣、経済財政政策担当大臣
地方団体地方六団体(原則)
 
(注) 日程は、国会審議等の都合により変更される可能性がある。