これまでの現地視察等一覧

東京都 港区立港陽小学校

 学力向上、基礎・基本の定着を図るため、夏休み中、希望児童に「算数と国語の補習」を実施しており、教室では子供達が声をそろえて元気良く詩や文章を「音読」したり、漢字練習、百ます計算などに取り組んでいました。お台場を活用した環境教育は自然体験にもなっています。港区教育委員会の活動では、基礎基本の徹底のほか「学校法律相談制度」の創設など新しい試みがなされています。



東京都 品川区立小中一貫校日野学園

 6才〜15才までの生徒が同じ学舎に集う「施設一体型の小中一貫教育」が行われていました。品川区では、平成18年4月から全ての小・中学校(小40校、中18校)で小中一貫教育をスタートさせています。義務教育の9年間を一貫した系統的・継続的なカリキュラムを編成しています。 特に、子供の心や身体の発達をふまえ基礎基本の定着に重点をおく1〜4年生、学力の定着を図り個性、能力を伸ばす5〜7年生と8、9年生の3つのステージに分けて、カリキュラムと教室配置に配慮して教育しています。校長先生など関係者は、この4−3−2の区分けが、有効だと確信しているとお話されていました。

 同学園では、スマイルスクールという「品川区版」放課後子どもプランも視察しました。
 (参考)http://www1.cts.ne.jp/~hinogaku/



 品川区では、「プラン21」という教育改革プランで、このほか、区内全域で学校選択制、学校の外部評価制度なども実施しています。
 (参考)http://www.city.shinagawa.tokyo.jp/hp/menu000006200/hpg000006152.htm

東京都 世田谷区立船橋小学校

 世田谷区では世田谷「日本語」教育特区の認定を受けて、平成19年度から全ての公立小・中学校で教科「日本語」の授業を行っています。教科「日本語」では、深く考える児童・生徒の育成、表現能力・コミュニケーション能力の育成、日本の文化や伝統に対する理解を深め、それらを大切にする態度の育成を目指しています。
 例えば、1,2年生の教科書では、宮沢賢治の「雨にも負けず」や論語の言葉、やさしい漢詩、和歌などが取り入れられており、日本語のリズムや響きを楽しみながら、表現し、考える力を養い、日本の文化にも親しむ機会となっています。
 この日の2年生の教科「日本語」の授業では、正岡子規の俳句を題材に取り上げ、クラスみんなで、意見を出し合いながらその詠まれている情景を想像し、元気良くそろって唱和していました。



秋田県 秋田市立下浜中学校

 小規模校における教育実践状況について、秋田県の下浜中学校を視察。
 下浜中学校は全校生徒で56名。当日は下浜の羽川地区に古くから伝わる伝統芸能「羽川剣ばやし」(秋田市無形民俗文化財)を全員で演じて迎えてくれました。
 授業視察後は、学校関係者の他、下浜中学校の卒業生でもある日本PTA全国協議会の赤田会長なども交えて、小規模校の利点や課題などについて意見交換を実施。
 下浜中学校には隣接の小学校もあり、子供たちは幼少時から地域で一緒に育つ、また、生徒の家庭のおよそ7割は3世代同居世帯であるなど、まさに学校、家庭、地域が総がかりで子供たちを育んでいる様子を伺いました。
 秋田県は平成18年度の全国学力、学習状況調査でも良い結果をあげており、視察を通じて野依座長は「自然環境に恵まれ、地域総がかりでの教育が実践されており、子供たちが学力だけではなく、人生を生き抜く力を身につけることができる素晴らしい教育環境」と評価。中嶋委員からも「全国のモデルになる教育であり、地域の人には、秋田の教育に自信を持ってほしい」と応援のコメントがありました。



東京都 都立大江戸高等学校

 一人ひとりの個性や能力、習熟度に応じて自分のペースで学ぶことのできる開校4年目のチャレンジスクールです。自己管理能力を育成するためノーチャイム制を採っており、伝統・文化、情報・ビジネス、生活・福祉の3つの系列に特色ある講座が数多く設置されています。
 東京都の推進する伝統文化の授業を開校時より実施しており、当日は籐細工による籠の製作に生徒たちが熱心に取り組んでいました。
 また、生徒の悩みや迷いに応え学校生活への定着を図るため、カウンセリング体制も充実しており、スクールカウンセラーやフレンドシップアドバイザー(心理学科の大学院生)によるサポート体制についても伺いました。



(参考)チャレンジスクールとは
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/pickup/p_gakko/kanaerugakko/pamphlet2.htm

 小・中学校での不登校や高校での中途退学を経験した生徒など、これまで能力や適性を十分に生かしきれなかった生徒が、自分の目標をみつけ、それに向かってチャレンジする学校です。生徒の学習意欲を重視した入学者選抜、カウンセリングや教育相談の充実、生活スタイルや学習ペースに合わせて学習を進められる昼夜間三部制の総合学科定時制高校であることなどが特長です。

東京都 都立六郷工科高等学校

 六郷工科高等学校は、企業と学校が一緒に生徒を育成するデュアルシステムに特徴を持つ、東京都で初めての単位制工科高校です。
 デュアルシステムは、企業で数ヶ月間働く訓練(長期就業訓練)が卒業単位の一部になるもので、「働きながら学ぶ」職業人養成の教育システムです。
 卒業生の50%が実習協力先の企業に就職するなど、生徒達の適性の見極めや職業選択において高い評価を上げています。インターンシップ(長期就業訓練)は、198社の地元企業の協力の下で進められており、地域特性、地元との連携を活かした職業教育が進められています。
 インターンシップ先にも視察に伺いましたが、ものづくり現場の一員として真剣に実習に取り組む生徒達の姿が印象的でした。



東京都 都立産業技術高等専門学校

 都立産業技術高等専門学校は、都立工業高等専門学校と都立航空工業高等専門学校を統合・再編し、平成18年4月1日に開校しました。首都東京の産業振興や課題解決に貢献するものづくりスペシャリストの育成を目指しています。5年間の本科と大学の3,4年次に相当する2年間の専攻科が設けられており、新しいものを自分で考え、設計し、創りあげるプロジェクト型実践教育を重視しています。
 先生方との意見交換では、「ものづくりには感性が大事なので、これを活かす体験的な実践教育が重要である」、「高等専門学校は、中学卒業生に対して本科5年間の一貫した技術者教育を行う。科学、技術、技能をバランス良く教育することに教育の特徴があり、大学との明確な違いがある。特に、感性を育む実技教育、卒業研究、インターンシップには力を入れている」、「ものづくりスペシャリストの育成のみならず、人間形成を図る教養教育を重視し、自立した良識ある社会人・職業人の育成を教育目標にしている」などのお話を伺いました。



東京都 杉並区立和田中学校

 土曜日の午前中(月に3回平均)に学生ボランティアの方の協力の下、3時間の自主学習サポートなどを実施する「土曜日寺小屋」が運営されています。

 家にいてもゲームやテレビを見てゴロゴロしているばかりだったり、勉強しようにもどうしていいのかわからない子供たちに学習のきっかけをつかんでもらおうと始められたものです。土曜日寺子屋では、自分でやってわからない問題を学生ボランティアの方と一緒に解いたり、チャレンジコースとして検定試験(英検・漢検)の勉強をしたりしていました。子供たちは、自分のやりたい勉強に自分のペースで取り組みます。

 民間出身の校長先生のリーダーシップの下、このほか、1コマを45分授業とすることによる授業時数の増加、学校支援本部の設置による地域ボランティアの協力を得る活動など、様々な改革が進められています。



東京都 江戸川区立宇喜田小学校

 コミュニティの絆が強い江戸川区の地域特性を活かして保護者や地域との信頼関係の支えのもと、思いやりのある子供達を育んでいます。
 江戸川区では、「放課後子どもプラン」のベースになった「すくすくスクール」を区内の全小学校で実施しており、地域ボランティアなどの協力のもとに魅力的なプログラムを展開しています。当日は「すくすくスクール」の実施状況について、江戸川区教育委員会からご紹介いただきました。「すくすくスクール」の活動を通じて、友達はもちろん、多くの地域の方々との交流など、学校内外の大人も含めた豊かな人間形成の場として運営されています。また、地域住民の目による見守りにより、子供達の安全も向上しているとの事でした。
 また、特色ある授業として「ドラムサークル」を実施しており、輪になって一緒に太鼓をたたくことで、共にいることの嬉しさが育まれ、元気あふれるドラムの音とともに子供達の心も一つにまとまっていくようです。
 教員との意見交換では、提出されたプリントをその日のうちに返す、あるいは子供達に細やかな目配りを行うためにゆとりがない中で、日々頑張っている先生方から貴重なご意見を伺いました。



(参考)「すくすくスクール」
http://www.city.edogawa.tokyo.jp/sec_sukusuku/index.html

 江戸川区立の小学校で行われている江戸川区版の「放課後子どもプラン」

東京都 大田区立馬込第二小学校

 劇団四季の社会活動の一環として、「美しい日本語の話し方教室」が小学校の総合的な学習の時間に5,6年生を対象として展開されていました。

 俳優と社員・スタッフが小学校の教室を訪れ、劇団四季の50年を超える歴史の中で培われてきた方法論を通して、美しい日本語の話し方について分かりやすく教えます。授業の後半では、ミュージカルのテーマ曲を使って、歌詞を正しく伝える方法とともに、「思いやり」や「友情」の大切さについて教えます。



東京都 杉並区立杉並第七小学校

 6年生を対象として、体育・総合学習の時間を活用したマナーキッズテニス教室等が開催されていました。この取り組みは、スポーツ・文化活動に親しみながら、日本の伝統的な礼法を体験し、「体」、「徳」、「知」のバランスのよい子どもを育てる活動を行っているNPO法人マナーキッズプロジェクトが主催しています。
 マナーキッズテニス教室では、小笠原流礼法の鈴木万亀子総師範からお辞儀、挨拶の指導を受けて、みんなで「よろしくお願いします」、「ありがとうございます」と元気よく挨拶をしながら、指導ボランティアの協力をいただき、スポンジボールを使ったテニスに取り組んでいました。その他にも、総合学習の時間を活用したお辞儀・挨拶の仕方・食事のマナーなどの学習や鈴木総師範の保護者への講話も行われました。



(参考)マナーキッズテニス教室
 子供達にテニスというスポーツに親しんでもらい、礼儀作法の基本的マナーの習得、スポーツマンシップの体得、子供の体力・運動能力の低下に歯止めをかけることなどを目指した取組。
 (財団法人日本テニス協会HP)
 (NPO法人マナーキッズプロジェクトHP)

栃木県 栃木市立栃木第五小学校・栃木市立皆川中学校

 栃木市教育委員会では、1)将来にわたるぶれない教育を推進するため「教育研究所」を再編し、ここに学識経験者、保護者等を含めた委員会を設置して新たな教育に取り組んでいるほか、2)9年間のスムーズな義務教育を進めるため、市内全ての中学校区で小・中学校間の教師の壁を壊す「小中合同研修会」を実施しています。さらに、3)特別支援教育では、コーディネータ等について市独自の人材育成のため、トータルサポートセンターを設置するほか、教職員、保護者等への継続的な研修の開催、臨床心理士の学校現場への派遣を行っています。



 また、放課後子どもプランについては、正確な情報が市側に伝わっていなかったことが現地視察の際にわかり、急遽市教育委員会で実施の検討が始まり、独自のプランによる放課後子どもプランが進められることになりました。国の予算が委託費から補助金に変更されたこともあり、自治体には地方交付税措置されているものの実際には予算化されていない事態も判明しました。国としても新たな手立てが必要なことがわかり、その後教育再生会議の公教育マップの提言などにつながっています。

 栃木市の放課後子どもプランでは、家庭教育との関連も意識して以下の取組を始めています。
 1)平成19年9月より、コミュニティセンターを会場に発達障害のある子供と障害のない子供が共に過ごす放課後教室を開催。

 2)同年10月より、(財)日本財団、(財)日本ゲートボール連合の協力も得て、市内の県立特別支援学校・市民団体・市が連携し、特別支援教育の対象となる子供たちの居場所づくりを社会総がかりで開始。

 3)同年9月より、家庭の教育力を高めるために、PTAが主体となり、家庭教育学級等で「親学」を開始。

東京都 東京都発達障害者支援センター、子どもの生活研究所(めばえ学園、すこやか園、おおらか学園)…運営主体:社会福祉法人嬉泉

 東京都発達障害者支援センターでは、発達障害がある人やそのご家族に対する支援を総合的に行う地域の拠点として、相談窓口を設置し、情報提供や具体的な支援につながるよう、関係機関等との連絡調整も行っています。

 同センターの事業を受託している社会福祉法人嬉泉は、言葉や人間関係の発達に「遅れ」や「つまづき」が見られる子どものための幼児通園施設「子どもの生活研究所めばえ学園」、自閉症をはじめとした発達障害がある人たち(18歳以上の方)のための通所更生施設「おおらか学園」を併設し、幅広いライフステージにかかわる支援を行っています。また、認可保育園「すこやか園」も設置されており、「めばえ学園」の園児との交流保育も行われています。
 教育再生会議委員との意見交換の場では、知的障害のない発達障害の場合、その障害の本質が外側からみてわかりにくく、誤解されやすいことから、家庭や学校で必要なケアを受けられず、結果的に二次障害を起こしている事例が少なくない。特に学校でいじめられたり周囲からの孤立により不登校となるケースも多く、学校卒業後も就労できず、家庭や地域社会における生活上の困難が顕著となっている人が大変多くなっている。教育委員会や学校等の関係者との情報の共有が必要との声が強く出されました。

京都府 京都市教育委員会

 京都市教育委員会では、1)教員志望の学生、社会人等を対象に、現職教員等による実践的な講義や実習を通じ、教員に求められる資質を育成する「京都教師塾」を運営にしているほか、2)優れた学習指導案(11,000点)や教育関連図書(16,000点)、模範授業のDVD等、45,000点の資料と指導主事を配置し、教員の自主的な研修・研究や校内研修を支援する「カリキュラム開発支援センター」が活動しています。

 さらに、3)土曜日をはじめ学校休業日に 京都ならではの多様な学習資源を活かして市民ぐるみで子どもたちを育んでいこうという「みやこ子ども土曜塾」の運営など様々な教育改革への取組が行われています。



京都市教育委員会の更なる取組

・「学校問題解決支援チーム」の設置
 学校に対する保護者の理不尽な要求などに起因する教育活動の停滞や、当該保護者の児童・生徒の教育権侵害などの事態に対し、教育委員会が学校現場を支援し、問題解決に取り組むため、平成19年8月に「学校問題解決支援チーム」を発足させました。同チームは弁護士、医師、臨床心理士、警察官OB、保護者代表などで構成されています。

・「自律促進教育チーム」設置
 児童・生徒が暴力等の問題行動を繰り返し、学校の教育活動を妨げ、自らの学びと育ちをも害するような事態に対し、その子供への直接的な指導や保護者への働きかけ、学校復帰に向けた体制づくり等、総合的な学校支援を展開するため、上記のチームを平成19年11月に発足させました。同チームは,弁護士,医師,警察官,児童相談所,発達障害専門家、臨床心理士などで構成されています。

東京都 新宿区立四谷子ども園

 平成18年10月から全国でスタートした「認定こども園」の1つとして、四谷子ども園を視察しました。認定こども園制度とは、既存の幼稚園、保育所等のうち、1)就学前の子どもに対する教育及び保育と、2)地域における子育て支援を総合的に提供する機能を備える施設を、施設からの申請に基づき都道府県が「認定こども園」として認定する仕組みです。



広島県 東広島市

 社会学、医学等のエビデンスを元に、個々の認知や学習スタイルに応じた指導プログラムを導入する広島少年院を視察しました。

 また、図書館では読書ボランティアによる読み聞かせの取組を、西条駅前の酒蔵通りでは小・中学生によるボランティアガイドの取組を視察しました。



秋田県 国際教養大学

 平成16年4月に国内初の公立大学法人として開学した同学では、リベラルアーツ(教養教育)を主体としたカリキュラムの下、あらゆる講義が少人数かつ英語で実施されており、実際の議論やプレゼンテーションを通して、個々の学生が卓越した語学力やグローバルな知識を修得している様子を見ることができました。
 先生方との意見交換では、国際的に通用するカリキュラムや、学長を中心としたマネジメント体制のほか、教職員の質を高めるための採用段階の工夫や、業績評価制度の導入等の取組についてのお話を伺いました。



東京都 日本科学未来館

 超伝導、ナノテクノロジー、情報技術、ゲノムや脳などの生命科学など先端科学技術を分かりやすく伝える工夫がなされています。特に、インタープリター(展示解説員)やボランティアと対話しながら体験できる点や展示・解説・企画展等、伝える手法を開発している点が特徴です。

 また、同館では、高校生が科学技術に関する校外連携活動についての発表やディスカッションを行い、高校生、小・中・高等学校教員、教育支援者(大学・研究機関、科学館等)の交流機会を設ける「科学教育連携シンポジウム」も開催しています。

 なお、科学に興味を持つ子供たちへのメッセージとして野依良治座長と毛利衛館長との対談[PDF]が行われました。是非お読み下さい。