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第三十五回道路関係四公団民営化推進委員会議事録

平成14年12月6日(金)13:00 〜16:25
道路関係四公団民営化推進委員会室(虎ノ門第10森ビル3階)


○今井委員長 それでは、ただいまから「道路関係四公団民営化推進委員会」の第35回会議を始めます。
 まず、事務局長から報告事項をお願いします。

○坂野事務局長 本日は、意見案を御審議いただき、御決定をいただきたいと存じております。
 お手元に配布しております資料について、点検を兼ねて御紹介申し上げます。
 いつものとおり、まず、議事次第のほか3枚の資料がございます。
 その下に、資料1今井委員長提出案。
 その下に、5名の委員の方からの提出資料で意見書案。
 その後の資料2以下は、前回の会議でお配りをしておりましたものの再提出でございます。2−1、2−2、2−3、2−4、2−5と、2−6は前回猪瀬委員が御提出になりました案と、事務局案とを2−5と同様に対比をしたものを事務局で追加作成をしましたので、お目にかけるものでございます。
 以上が、今回の意見案の審議に関係する資料でございます。
 その下に、猪瀬委員提出資料というのがございます。ファミリー企業実態調査関係の報告。
 その下に、交通需要推計の第三者チェックの結果について。
 一番下が、交通需要推計検討資料。これは、国交省道路局から提出された参考資料でございます。
 この意見案に関するもの以外で、ファミリー企業に関する部分。それから、交通需要推計の第三者チェックに関する部分は、事務局からの報告案件であり、かつ委員会でいろいろ御論議をいただくべき案件の性質のものでございます。

○中村委員 済みません。私もちょっと準備をしてきたので、機会があったら提出させていただきたいと思います。

○今井委員長 どうぞ、お願いします。
 それでは、まず今まで資料の提出がなくて遅れておりました、ファミリー企業の実態調査結果と、交通需要推計の検討資料の両方につきまして、これは猪瀬委員提出の分と片方は国土交通省ですが、だれが説明することになりますか。

○坂野事務局長 それでは、第三者チェックに関して、事務局が先に御説明申し上げてよろしゅうございますか。

○今井委員長 はい。

○坂野事務局長 それでは、第三者チェックについて、事務局から御説明申し上げます。

○松田委員 その前に、前回に休憩に入る前に、委員長交代の動議を出しておりましたけれども、この席をもって正式に取り下げさせていただきますので、そのことを申し上げておきたいと思います。委員長を続けてください。

○今井委員長 ありがとうございました。わかりました。

○酒井参事官 それでは、お手元の資料の一番下に入っております、「交通需要推計の第三者チェックの結果について」御報告申し上げます。
 これは、先週の火曜日の委員会におきまして、その方針について御了承いただいた件の結果でございます。
 1ページ目をおめくりいただきたいと思います。
 東北大学の森杉先生、横浜国立大学の井上先生、日本経済研究センターの上村先生、この3名の先生にお忙しい中、極めて短時間で精力的に調査をいただきまして、12月2日に御報告をいただきました。
 本編が6ページのものになっておりますので、これについて簡単に御報告申し上げます。この報告書は、2つに分かれておりまして、1つは「I 交通需要推計検討結果」。
 もう一つは、4ページ目になりますが「II 提言」という2部構成になっております。まず、1ページ目をお願いいたします。
 「1 始めに」。
 「旅客推計において、地域・年齢・性別・免許保有などの属性を使って、時系列推計が可能なものについてはほぼすべての変数について時系列推計を試み、社会経済情勢の変化に対応した道路生成交通量の予測を行うことを試みている本予測手法に関しては高く評価したい」としておりますが、最後のところで「しかし、個々の推定・推計に関しては、以下に述べる問題点があるので、今後も継続的に再推定・再推計を行うことを希望する」というふうに報告していただいております。
 具体的な問題点は、2番に書いてございます。大きく3つあります。
 Aに書いてあるものは、推計開始時点では利用不可能であったが現時点で利用可能なデータをすべて使っていないという問題。
 Bは、テクニカルな課題でございますが、時系列データの推計において、誤差項の系列相関とその推定値に対する影響を考慮していないものがあるという点。
 次のページになりますが「C.定数項補正」。予測に当たっては1999年を基準年として、この時点におけるデータと予測値が一致するように定数項補正がなされている。このような処理はほとんどすべての予測において行われているが、その根拠についても、いかなる形で補正を行うべきかについても合意があるわけではなく、その妥当性の検討も行われていない。今後、基準年の取り方と定数項補正の在り方についての検討が必要である。
 大きくこの3つの御指摘がありました。
 具体的に、幾つかについて再推計チェックをしていただきましたが、結果が3ページの最後の「D.全体評価」というところでございます。
 乗用車保有比率、人口当たりの就業者比率、観光原単位の3つの要素について、それぞれ修正をさせたということです。
 ちなみに、この乗用車保有比率というのは、先ほどの1ページの問題でいきますと、Bに当たる時系列相関の問題。それから、人口当たりの就業者比率、それから観光原単位というのは、1ページの問題でいきますと、Aの問題で、最新のデータを入れさせたというものでございますが、これらすべてを修正した後の再推計値は、国交省が改めて出しました中位推計に比べまして、乗用車走行台キロのベースでいきますと、2010年で0.8 %、2020年で1.1 %、2030年で1.5 %、2040年で1.6 %、2050年で2%低くなったということでございます。
 ただ、この3つの指標を集計した結果でありますが、すべてを反映した推計値ではないので、次のページの「II 提言」に示すように、必要なモデルについては、再推定が望まれるということでございます。
 4ページをお開けいただきたいと思います。
 「II 提言」でございますが、大きく3つに分かれております。
 1.推計の基礎的条件の整備が必要
 2.系列相関処理のマニュアル化
 3.モデルの構造についてということでございます。
 特に1点目の基礎的条件の部分でございますが、今回の推計は、従来に比べ、より細かい推計を試みており、その姿勢は継承されるべきであり、その内容を一層充実させるべきであると考える。そのためには以下のような条件整備が必要だと。
 ここも3つのパラグラフに分かれておりまして、1つは、各種交通施設構想などの政策シナリオとGDP、人口、地域別社会経済指標などの基礎的なマクロ変数の予測値が与えられることが必要だと。こういう作業は、政府の各部門で予測を行うに当たって必要となるので、政府の共通した当面の予測値を提示しておくことが望ましいというのが1点目です。
 基礎的データの整備、基礎的調査の一層の充実及びそれらのデータの効率的利用を図るべきだと。その基礎的データの整備をきちんとやれというのが2点目です。
 3点目は、今回指摘した部分で見られたように、推計開始時点でのデータに基づく推定値が、最新のデータに基づく推定値と大きく異なることがあるので、その時点で利用可能なすべてのデータを用いて、推計を更新していくことが必要であり、そのような更新を可能とするシステムの構築が望ましいというのが、基礎的条件の整備の提言です。
 2点目。これは1ページ目の問題で示したBに当たるものでして、かなりテクニカルな御提言でございます。
 最後の3行目ぐらいのところですが、時系列相関を考慮すると、係数の安定度も適合度も飛躍的に上昇する可能性があるので、すべての時系列推定において、系列相関の有無の判定及び必要に応じた系列相関修正を作業マニュアル化することを推奨する。
 3点目のモデルの構造について。モデルの構造方程式に関しては、さまざまな見解があり、正しいモデル構造というものは存在するとしても、提示することは困難であると考える。ただ、今回わかったことであるが、乗用車保有台数と乗用車走行台キロの間の感度が低すぎるような印象を受けた。この点については、両者ともに重要なモデル出力であるので、モデル構造の再検討が必要ということであります。
 なお、別添資料をいろいろ付けてございますが、今回、第三者チェックに当たりまして、3人の先生と、推計作業を実際に行ったコンサルトの間のやりとりですとか、各種の試算結果、データなどを各委員のテーブルには置いてございますけれども、これらについてはすべてホームページ上で公表することとしております。
 また、国交省に対しましても、御提言を踏まえて検討をいただくべく送付したいというふうに思っております。
 以上でございます。

○今井委員長 この点につきまして、御意見等ございませんでしょうか。

○猪瀬委員 若干補足させていただきます。
 今回のチェック作業に当たっては、3人の先生方に実質一週間ぐらいという短いスケジュールの中、時間調整していただいて大変感謝しております。
 交通需要推計の委託先である、計量計画研究所に3日間ずっと詰めっぱなしで徹夜みたいな感じでやっていただいて、そこで30時間以上作業して、休日も返上して報告書をまとめていただいたわけです。
 時間がないので、ごく手短に補足しますが、作業した先生方の意見によると、今回、修正を加えることができたものは、現時点で使用可能なデータを使っていないものなど、計量計画研究所側も拒否できないような部分について修正を求めたということであって、非常に限定的な修正にとどまっているということなんです。
 ほかにも指摘したい点は幾らでもあったそうなんですけれども、全推計をやり直すと膨大な時間がかかるので、今回はそういう修正にとどめざるを得なかったということです。
 あと、ポイントだけごく短く言いますが、1つ指摘しておきたいのは、現況値補正という問題なんですけれども、例えば免許保有率の推計の際に現況値補正ということについて問題があると、私が前に指摘しました。やはり、先生方の中でも、現況値補正について問題があるという指摘をしております。現況値補正をした箇所をすべて教えてほしいというふうに聞いたところ、免許保有率だけでなく、その他のすべての点で現況値補正をしているということでした。私が前に免許保有率のことで現況値補正のことを言いましたが、免許保有率は現況値補正したという回答でしたけれども、現況値補正というものが、その推計のために、余りよくないことなんだけれども、これこれこういう場合は現況値補正をやるんだというふうなちゃんとした基準をつくってやってもらわないと困りますよということです。
 しかし、国土交通省には、そういう現況値補正はどういうときにやるのかという基準がないじゃないかということで、これは非常に問題であると。現況値補正を多用していくと、もし現況値補正をしなかったらどんな結果になったろうということも併せて、現況値補正後、現況値補正前というか、そういうものを見せてもらわなければならない。今回、その作業はできないので、時間的に見送ることになったというわけです。
 2番目のポイントは、就業率とか、GDPなどの推計方法の問題です。もし、こういう指摘を踏まえて、すべての推計をやり直した場合には、旅客の需要がかなり減るのではないかという意見も委員の中に見られたわけでございますけれども、限定的とは言え、今回のチェックではかなり重要な変数は修正したということなので、それ以外で重要な変数として、原単位や人口、就業率などがあるわけです。しかし、これらの要素は、国交省の推計以前の段階で、ベースとなる推計値なので、この部分を修正するとしても、どう修正するのかという妥当性の判断が難しいということであります。
 でも、先生方の間では、女性の就業率や国交省で独自に集計したGDPの推計値については、過大推計ではないかと、これは明らかに過大だったわけですけれども、そういう疑問が大勢を占めたと言っております。
 本来ならば、こういう推計値や推計方法については広く世間に公表して、妥当かどうかを問い、やはり問題があるのではないかという意見が大多数であれば、中位とか、低位ケースをベースに考えるべきだろうというふうなことを指摘しています。
 もう一つだけ最後に指摘しますと、乗用車保有台数と走行台キロの間の感度が低過ぎるということを言っています。今回の指摘に基づいて再推計を行ったところ、乗用車保有台数は全予想期間でほぼ5%減少したと。しかし、それにもかかわらず、乗用車走行台キロ、トータルの交通需要ですが、それは0.7 %しか減少率はないと言うんです。それは少しおかしいんではないか。そうすると走行台キロの1台当たりの距離が長くなってしまうんですからね。
 そういうことで、もう少しこの数字は違ってくるんではないかと。論理的には5%減ったら走行台キロは0.7 ではなくて2%ぐらい減少するのが当たり前ではないかと、0.7 %の減少というのはおかしいんではないかという疑問を出しています。台数が減っても1台当たりの走行距離がぐんぐん伸びるということになってしまいますから、それだと変ですね。先生方の感触では、そういうことがあったということで、とにかくそういうモデルを論理的に考えて、台数の減少に比べて走行距離の減少が少な過ぎるのではないかということです。
 ほかにも幾らでも指摘するポイントはあったようですけれども、非常に時間が限られていたということであります。
 それから一番後ろに検討資料とございますけれども、交通需要推計検討資料というのは、昔は公開されていなかったんですが、この間、交通需要推計問題でいろいろ私の方で言ってから、夏にホームページで載せるようになりましたが、更にそれの修正版が11月に出ていますので、こういうのを見て、普通の国民の方もこれはインターネットで見れますから、それが今まで公開されていなかったということだったんだけれども、こういうのが公開されましたので、国民ができるだけ検証できる、説明責任を国交省が果たしていない場合は、国民が検証して、間違いを指摘することもできるということになりました。
 ただ、国土交通省や計量計画研究所ができるだけアクセスすれば見れるデータをもっときちんと増やすべきであると。大体そんなところで、本当に先生方御苦労様ということでお礼を申し上げたいと思います。私だけではなく、皆さんもそういうふうに思っていただければと思います。
 これについては以上です。

○今井委員長 ほかに御意見ございませんか。
 それでは、猪瀬さんファミリー企業についてお願いします。

○猪瀬委員 これも手短にやります。

○川本委員 委員長、ファミリー企業をなさる前に、私もこれまでの財務関係で、各公団からいただいたさまざまな数字を若干整理をいたしましたので、後ほどお配りをしたいと思います。これは、現在の御審議に直接関係のあることではなくて、単に数字を整理したものを後で配らせていただきたいと思います。


○今井委員長 わかりました。どうぞよろしくお願いします。どうぞ猪瀬さん。

○猪瀬委員 お手元にたくさんの資料がありますけれども、時間がないと思いますので、簡単に報告しますと、基本的には11月30日の委員会でお配りした資料の詳細版というふうな形で思ってもらえばいいんですが、猪瀬直樹委員提出資料で、これは15ページありますけれども、今ここで読み上げるのは時間がないので省略しますけれども、かなり詳細な形で分析した結果がここにあります。
 この内容で明らかになったことは、改めて箇条書き的に申し上げますと、道路四公団本体とファミリー企業、これは行政コスト計算書と公団からの受注額が売上の半分以上を占めている実質的なファミリー、それをファミリー企業として、その役職員を合計すると、5万8,000 人以上の巨大な道路公団グループとなることが判明した。それがポイント1です。ポイントの2は、公団からのOBを受け入れれば受け入れるほど、公団から多くの仕事をもらえるという構造が判明。これは比例の構造になっていると。
 ポイントの3は、公団からの受注額が売上の半分以上を占めるような準ファミリーにOBが集中して天下っている。公団からの受注額が売上の半分以上を占めるほど、つまり半分以上の公団依存度の高い企業は、8割方公団OBが代表権を持っている企業である。
 つまり、公団OBの雇用維持と、公団関係者の利益独占のために天下りの集中的な受皿企業をつくり、そこへOBを代表役員として天下りさせて、特に公団と関係の深いファミリーをつくり上げている。公団からの業務は、このような公団と関係の深い企業に優先的に発注されている。
 ポイントの4は、社員給与の面から見ても、公団OBは特別優遇されていることが判明した。特に社員平均給与は、プロパー職員よりも公団OBの方が1.5 倍になっているということです。
 ポイントの5番目ですが、ファミリー企業同士の株式持ち合いの実態が委員会による調査の結果、初めて正式に公表されたということです。
 ポイントの6番目ですが、公団の維持管理業務を委託されているようなファミリー企業、料金収入やパトロールの会社などが、SA・PAのテナント、いわゆるハイウェイショップも兼業していることが判明したと。
 ポイントの7番目ですが、行コス対象外のファミリーも、相当程度に今回の実態調査によって捕捉できた。
 ポイントの8番目ですが、公団は新会社発足までに排他的入札要件を撤廃し、新規参入企業を呼び込むこと、そして公正な競争原理を働かせる環境をつくり、発注原価を下げていくことで、管理費の3割削減を確実に実施すこと、これが必要だと提言したいということです。
 これは、かなり詳しいので、後で終わってから読んでいただければと思います。
 それから資料をいっぱいくっつけてありますが、調査回答について、拒否したところの名前とか全部発表してありますから、こういうのは新聞が協力しないファミリー企業という名前を載せてくれるといいんですが。
 それから委員限りという、調査の過程で、どうしても委員だけしか今のところ公表できないという資料もありますが、これは本当は公表して構わないんです。ただ、そういう約束でやってきたということでありますから、ちらっとこの前に申し上げましたけれども、私がその辺に置き忘れていくかもしれないので、興味のある人は拾って持っていってくださればと思います。
 以上であります。

○水上参事官 今、委員が御紹介しました資料の中のA4一枚紙で、タイトルに調査回答について非公表扱いの要求があった企業。

○坂野事務局長 今、御説明している資料は、事務局の資料の積み方が間違っていて申し訳ないんですが「交通需要推計の第三者チェックの結果について」というのでクリップをしておるんですが、これは事務局の手違いで、今のものも一緒にクリップしてしまっておりますので「交通需要推計の第三者チェックの結果について」のクリップを外していただきますと、下の方に今の資料が付いております。誠に申し訳ございません。

○水上参事官 少し補足的に簡単に御報告します。
 公団等との取引が5割以上を占める会社については、今回、非公表として回答をしている項目の公表扱いについて、先週来依頼文をお送りし、先方との確認を行いました。対象が、一番上の○にありますように、212 社ございまして、そのうち調査の回答時点で、非公表扱いとして答えた項目については、なお非公表とされたいというふうに回答したのが117 社のこのリストでございます。これらの会社については、今後とも調査結果については公表として答えた項目以外、非公表扱いの項目については、なお非公表として扱われたいという要求があったものでございます。
 主な理由が、一番下の方に書いてございます。これらについての公表扱いというのは、現時点ではなかなか難しいんではないかというふうに考えております。
 以上でございます。

○今井委員長 それでは、時間の関係もございますので、今日の議事に入りたいと思いますが、まず私から11月30日土曜日の前回第34回会議以降の経過報告をさせていただきます。前回の30日は、大変異常な結末で終わってしまったわけでございまして、私は委員長として12月2日の月曜日に石原大臣、根本副大臣と一緒に総理に経過報告をいたしました。そのとき総理からは、これまでの議論をずっと聞いていて、いい線にいっているじゃないかと、成果は大変上がっているじゃないかと、もう少しだと、最後まで共同して努力してほしいというお話がございました。
 12月6日まであと4日もあるので、石原、根本両大臣に調整方努力させるので頑張ってほしいというお話がございました。
 私は、そういう話を受けまして、そういう調整の前に会議を開いても冷静な議論ができない。それで石原大臣がそういう環境整備に努力をされるというお話もございましたので、12月3日の会議を中止させていただきました。そして、調整結果を待っていたわけですが、12月4日の水曜日になりましても、結果が私のところに入ってまいりませんので、期限が迫ってまいりましたので、とりあえず12月4日に12月6日の本日の会議を開催いたしますという通知を発送させていただきまして、その後も、石原、根本両大臣と緊密に連絡を取ってまいったわけでございます。
 昨日の午後まで待ちましたけれども、調整案というのが私の手元に届きませんでしたので、私といたしましては、何らかの結論を出す必要があるということで、お手元にありますような、これまでの成果を生かして、そして対立しているところは明らかに示した上で意見を出して、政府に具体的な検討を進めてもらいたいということで、私の意見案を出したわけでございます。
 よろしければ、本文のところだけ2ページと少しでございますので、読ませていただきます。

○坂野事務局長 事務局で読みましょうか。

○今井委員長 そうしてください。

○坂野事務局長 読み上げます。
 本委員会は、本年6月の初会合以来計35回にわたる審議を重ね、その結果に基づき、本委員会の意見として別添1及び別添2のとおりとりまとめ、提出する。
 本委員会は、「特殊法人等整理合理化計画(平成13年12月19日閣議決定)」に基づき、これを前提としてその具体化へ向けて、これまでの間、意見集約を重ねつつ審議を進め、既に実質的には多大な成果を挙げてきている。その成果は、次に挙げるような事項であるが、どの事項をとっても、本委員会であるからこそ得ることができたものであり、特殊法人改革の先鞭となるにふさわしい内容となっている。

○民営化の基本方針の確立、これによる債務の確実な返済
 国民負担の最小化を基本原則とし、なるべく早期の債務返済を確実に行うこととし、民間企業としての自主性の確保、効率的な事業経営、抜本的なコスト削減等の民営化の基本方針を確立。

○新会社が今後行う建設投資の歯止め
 新会社が行う建設投資について、新たな交通量推計に基づき、「債務は総額を減少させつつ、かつ、一定の期間内に削減する」、「新会社の主体的判断」等の歯止めを明確にすることにより、これまでの建設計画の大幅縮小を方向付け。

○新会社及び保有・債務返済機構の設置
 新会社は特殊会社として設置。また、債務を確実に返済することを最優先として、公租公課による資金の外部流出を避けるため、保有・債務返済機構を設置。

○建設コストの大幅削減(2割)
 規格変更、工法、契約方法等の見直しにより、高速道路の建設コストについて、概ね2割のコスト削減方法を具体的に提示。

○新規建設の優先順位の基準作成
 高速道路建設の優先順位を、採算性のみならず、事業効率や住民生活の利便性等の外部効果を含め、数字によって具体的に表す客観的基準を確立。これにより、公共事業の透明性、信頼性の大幅な向上に貢献。

○将来の交通需要予測の精度の向上
 将来の交通需要予測について、科学的な根拠に基づき国土交通省に予測の修正を求め、より精度の高い推計を行わせることとし、客観性・合理性の向上に大きく寄与。

○料金の引下げ
 民営化の果実を国民に還元するため、民営化と同時に弾力的な料金設定による料金の引下げを行う方針を確立し、特に本四架橋、アクアラインについて料金の大幅な引下げ方針を提示。

○地域分割
 新会社について、民営化実施時期までに5つに地域分割する方針を確立。キャッシュフローをベースに検討し、収支率等が分割後の会社間で極端な差が出ないようにすること、首都高速、阪神高速については現行ネットワークを核として検討すること等、具体的な分割の視点を提示。

○本四公団の債務処理
 本四対策について、料金の大幅な引下げ(2分の1程度)と債務の適切な処理を同時に進めることとし、これについては、本四料金、国の出資、地方出資(15年程度の延長)及び道路料金の活用並びに所要の債務カット(国の道路特定財源)により行う方針を確立。〇関連公益法人、ファミリー企業の改革・管理コストの削減
 関連公益法人の収益事業部門の廃止及び道路サービス施設の新会社への移転。規制緩和等により関連事業の積極的な展開の条件を確保。また、ファミリー企業の実態を多角的に洗い出し、これを国民の目に明らかにするとともに、外注業務における競争条件の徹底的な確保を通じた管理コストの大幅な引下げを実現する方途を提示。

○民営化に向けて直ちに取り組むべき措置
 施行命令の全面執行の見直し、企業会計原則に基づく財務諸表の作成・公表、発注契約方式の見直しや新規参入の目標設定によるコスト削減の計画的実施等、民営化の実施の前に、かつ、民営化の準備のために、実施に移すべき事項を具体的に提示。
 もとより、これらの成果は、「特殊法人等整理合理化計画」の具体化のために本委員会に求められた課題に着実に応えるものである。
 しかしながら、以上の成果を挙げつつも、なお主として次の4点について、本委員会においては、基本的な考え方の相違を克服することができず、意見集約に至らなかった。

・新会社による道路資産の買取・保有

・新会社による今後の道路建設における既存のネットワークからの料金収入の一部活用

・新会社が支払うべき貸付料の具体的な設定方式

・料金の総額1割引下げ
 なお、相違するそれぞれの主張は、別添1及び別添2の各該当部分に記述されているとおりである。
 本委員会における論議は、全て公開の下に行われ、かつ、議事録も公表されている。上に述べた成果とともに意見の相違点は、これらによって既に具体的に明らかにされている。政府においては、上に挙げた成果を含め、本委員会におけるコンセンサスを着実に実現するため、早急に具体的な検討作業に取り組むよう、本委員会として強く要請するものである。

○今井委員長 以上でございますけれども、要するに趣旨は、今まで私どもは閣議決定に沿って審議しろという趣旨で、150 時間も審議をしてまいりまして、7人共同で、ここに決定したような大変大きな成果を上げているわけでございますので、成果は成果として、確実に実行していただいて、そして意見の分かれたところは、それぞれの主張が入っている両案を添付いたしまして、そして総理、行政の判断に委ねたいということでありますが、御意見をちょうだいいたしたいと思います。

○中村委員 私は、1つにまとまらなかったということは本当に残念だと思いますが、これだけ議論して、どうしても折り合いのつかなかったことですので、2つ案を一緒に出すというのは、やむを得ないと思いますので、今のような方向で結構だと思います。

○松田委員 ここに書かれている、今までの各委員のまとめた成果というのは、私はそのとおりだと思います。
 しかしながら、こういう形で両案を添付して、基本的なところについての意見を決めないで委員会の意見にするというのには、私は反対させていただきます。

○大宅委員 私も成果そのものが成果ではなくなってしまう形になるということを危惧いたします。どうにか1つにまとめたいというふうに思います。

○川本委員 私もこれまでの成果は、評価をいたしますけれども、両案を添付するのではなく1つの意見にまとめる方がいいというふうに思います。

○猪瀬委員 丸印を付けた11の項目は、非常に共通していて、よくここまで丸印付けたところがまとめられたなと、私は150 時間の審議の努力を多としたいと思います。ただ、最後の方の丸ポツが付いている辺りが、もう少し詰め切らなかったので、ここのところを詰めておかないと、いろんな11の丸印のところが生きてこないこともあるので、やはり丸ポツの付けた後ろの4項目辺りは、もう少し詰めていきたかったなという意味で、これはできるだけ詰めていった方がよかったということで、やはりここは両案というわけにはいかないというふうに思いました。

○田中委員長代理 急に風邪を引いて変な声になっていまして、ごめんなさい。
 皆さんの御努力は買うんですけれども、いろいろ言いたいことはあるんですが、私も一本にするために、自分の意見を抑えて協力したつもりです。にもかかわらず、非常に大事な点について意見の一致をみるに至らなかった。集約の方法に私は問題があったと思いますが、少なくとも政府に出すのに、こういう形では後の監視も非常に難しくなってきます。こういう出し方については、残念ながら反対せざるを得ないということであります。
 聞きづらくて申し訳ございません。

○今井委員長 それでは、私の意見に対して反対の方が多いようでありますが、ほかにまとまる意見というものを御説明いただきたいと思います。
 お手元に5人が署名されている案がございますが。

○中村委員 私のはまとめではなくて、最後の意見ですので。

○大宅委員 今ではなくていいですか。

○中村委員 今ではなくて結構です。


○今井委員長 それでは、手元に5人の方が署名されたのを、今、初めて見たわけでございますが、これはこの間松田案といって出されました案と、どこか違うところがございますのでしょうか。その辺を御説明いただければと思います。

○松田委員 1つは、前回はまだファミリー企業の検討結果の前でございましたから、ファミリー企業のところの扱いについては空欄にしてございました。今度は、検討結果で、今日再度猪瀬委員の資料が出ておりますが、それを踏まえた文章をこれに入れております。なお、そのほか若干の修文をしております。ですから、基本的にはファミリー企業以外のところは変わっておりませんが、もしよろしければ一応読ませていただいてはと思いますが、いかがですか。

○今井委員長 全文ですか。

○松田委員 全文でも結構ですし、ファミリー企業のところでも結構です。

○今井委員長 はい。

○松田委員 それでは、目次はさっと目でごらんいただきまして、改革の意義と目的、基本認識、民営化の基本方針、新たな組織のあり方、地域分割について、通行料金について、今後の道路建設について、「ファミリー企業」の改革、改革の推進の手順及び移行時期等、これは立て方については変わっておりません。
 あと内容で、前文の最初の部分で19世紀からという壮大なものを少し戦後に変えたというようなやり方はありますけれども、ここの何とかなんて言われないようにちゃんとしたつもりです。
 あとは、内容的には基本は変わっておりません。したがって、20ページの「8 『ファミリー企業』の改革」というところを読ませていただきたいと存じます。

○坂野事務局長 事務局が読みましょうか。

○松田委員 短いから私が読みます。

8 「ファミリー企業」の改革

(1)基本認識
 本意見において「ファミリー企業」とは、出資関係はないものの、業務上のつながりが極めて強い公団関連企業をいう。実態は公団OBの天下り先であり、公団からの外注業務を独占してきた公団の利益共同体である。公団本体が巨額の債務を抱え、国民に高額な通行料金と税金の負担を求める一方で、ファミリー企業は道路ビジネスを独占し汗をかかずに利益をあげる構造を作り上げてきた。国民は、公団本体とファミリー企業の両者から負担を強いられてきたのである。
 ファミリー企業の改革は、公団の高コスト体質の改革そのものであり、新会社の経営資源の確保という観点で極めて重要である。今回の改革にあたっては、ファミリー企業改革は公団改革の根幹を成すという位置づけで、臨む必要がある。

(2)実態調査の結果報告
 本委員会はファミリー企業の実態調査を行い、その結果、これまで「民間企業」であることを盾に巧妙に隠蔽されてきた公団とファミリー企業との構造的な問題点を資料3に示すとおり捕捉することができた。
 日本道路公団OBが700 社に2,500 人、首都高速道路公団OBが300 社に530 人、阪神高速道路公団OBが150 社に280 人、本州四国連絡橋公団OBが90社に150 人天下っていることが判明した。ほぼ全社が四公団と取引関係があり、公団OBの受け入れ人数と公団等からの業務受注に明白な相関関係がみられた。OB受け入れ先企業に優先的に業務を発注しており、業務の必要性というよりもOBの雇用の維持という目的から、これら企業が存在していると考えられる。
 ファミリー企業間では、相互に株式を持ち合っている実態が確認された。くわえてファミリー企業間での受注業務は複雑に入り組んでおり、この資本と業務が網の目のように絡みあう癒着構造の解消が早急に必要である。

(3)改革の方針
 こうした基本認識を踏まえたうえで、以下に示す改革方針を提案する。
本委員会は新会社発足までの間、ファミリー企業の改革の監視を継続する。

(1) 維持補修等の業務

ア 新会社は、自動車道事業にかかる原価を最小にすることで通行料金の引き下げに努め利用者の利益を守る公益的な使命を担っている。このため自動車道事業にかかる維持補修、料金収受、交通管理、保全点検などに要する管理費は徹底した合理化を行い最小限にとどめることが求められる。

イ しかし従来はこれら維持補修等の外注業務を、公団本体と利害が一致するファミリー企業が独占していたため、必要以上に高い外注費が支払われファミリー企業に不自然に利益が蓄積される傾向にあることが本委員会の調査等により明らかになった。

ウ よって、維持補修等の業務の外注にあたっては、外注先の選定を厳正な競争条件を確保した上で行い、市場競争原理によってファミリー企業の淘汰・再編が図られることを基本とする。

エ 各公団は、高コスト体質の原因であるファミリー企業との不公正な癒着構造をただちに解消する。2003年度以降、各公団はOB受け入れを通じて人的つながりの強い企業とは取引関係を極力もたないよう努めることとする。
 ただし、子会社等への外注及びインハウス化がより合理的であると新会社が判断する場合はそれを妨げるものではない。なお、子会社化等を行う場合には、ファミリー企業に対する国民の厳しい批判及び特殊法人改革の趣旨、現在の四公団の組織・人員規模のスリム化の必要性を踏まえ、厳正に行う。

オ 四公団は、現在外注している維持補修等の業務について、管理実績等の入札参加資格の要件を2002年度内に撤廃する。また、新規参入の目標を設定・公表し、外注業務についての新規参入を促進する。

(2) 関連事業
 自動車道事業との区分経理を明確に行う観点から、関連事業は新会社の子会社において行うことが望ましい。このために必要な諸手続きを、新会社発足までの間に速やかに実施する。

(3) 財団法人の取扱い
 現在、四公団の業務に関連して財団法人(*)が所有しているパーキングエリア等における建物等については、新会社が実質的に保有することができるよう、所要の手続きをとる。これにより財団法人は解散する。
 以下、日本道路公団から所管の公団名が書いてあります。

(3)民間とのアライアンス
 新会社が関連事業や新規事業を展開する上で重要なことは、顧客利便性の向上と収益の最大化という視点である。経営陣に経験者を登用することによって、広く外部の意見を取り入れることは当然行われるべきである。
 さらに、新会社発足までの間に、ファミリー企業間及び公団との間で相互に利害が絡み合っている癒着構造を素早くスムーズに絶つという観点からも、広く民間から事業アイデア、提携のプランニング提案等を積極的に受け入れ、先入観なしによい提案は採用していくなど、民間の知恵を存分に利用する。
 それが大体ファミリー企業のところであります。
 更に、20ページに戻っていただきまして、20ページのファミリー企業の直前のところに、今日御説明いただきました、将来交通需要推計について一文を入れてあります。(3)のところであります。

(3)将来交通需要推計について
 本委員会の調査等により、国土交通省が作成している将来交通需要推計について一部不適切な部分があったことが判明した。当該推計は、長期にわたる予測を行うものであり、今後は、最新のデータ、知見、科学的な根拠等に基づき、社会経済動向等の変化に対応して逐次見直しを行い、より信頼性や精度の高いものとする必要があるということであります。
 そういうことで、追加した、変わったところはそういうところでございまして、必要ならば全文を読んでもいいんでありますが、基本論は同じでございます。

○猪瀬委員 一応、新しく追加したところを松田さんが読みましたけれども、そこは今度は逆に抜いて、坂野さんの方から、一応微妙に違ったところがあるかもしれませんので、もう一回頭から読んでいただければと思います。
 今、特に新しく追加したところを松田さんがお読みしたわけでございますけれども、一応頭から坂野さんに読んでいただいて、今のところはもちろん抜くわけですけれども、読んでいただいた方がよろしいかと思いますが。

○今井委員長 前に松田さんが全部お読みになって、そこと変わったところがあれば、そのところだけ指摘していただければと思います。私は前のを全部読んでおりますので。

○松田委員 大きいところは、今日、読ませていただいたところだけです。後は「てにをは」と考えていただいて結構です。

○猪瀬委員 ただ、微妙に文章とかも違っているところがありますので、読み上げれば10分ぐらいで読み上げられますので、今、松田さんが読み上げたところを省略しながら、初めからきちんと確認された方がよろしいかと思います。

○松田委員 委員長、そうしていただけませんか。

○今井委員長 では、そうしましょう。

○坂野事務局長 4ページ目から本分になりますので、4ページ目から読み上げをさせていただきます。
 日本国民は、戦後、廃墟の中から立ち上がった。戦争によってもたらされた惨禍を乗り越え、乏しい資金を元手に努力と勤勉を積み重ねて世界第二位の経済大国としての地位を得るに至った。努力が報われる、勤勉は富をもたらす、そう信じて働いた結果である。また日本国民は優れた製品を輸出することで、国際社会における評価をおおいに高め誇りをもつことができた。戦後の復興と経済成長は日本国民一人ひとりの力の集積であったが、官僚機構もまたよくそれを陰で支えたといえる。
 しかしバブル経済崩壊後、日本国は「失われた10年」と呼ばれる空回りの停滞期に突入するようになる。原因をさぐれば、官僚機構の変質と肥大化と向き合わざるを得ない。官僚機構は縄張り争いをしつつ、天下りをはじめとする利権を拡張し民間の自由な経済活動を阻害するさまざまな規制を張り巡らせた。特殊法人、認可法人、その傘下に群がる社団・財団法人、さらにはファミリー企業をつぎつぎと自己増殖させ、国民の利益をむしりとりはじめていたのだった。
 そういうなか国民の危機の認識を背景に小泉内閣が誕生し、歴史的使命として構造改革が宣言された。その大きな柱のひとつが、「民間にできることは民間に」という、小さな政府を実現しながら市場の活力を回復させるための特殊法人等の改革である。約40兆円もの巨額な負債を抱え込んだ道路関係四公団、すなわち日本道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、本州四国連絡橋公団の民営化は特殊法人等改革の天王山として位置づけられた。
 道路関係四公団民営化推進委員会は、国民に対して開かれた委員会にすべきと考え、審議のプロセスを原則公開した。約40兆円もの債務の中心となっている郵便貯金等は国民から借りたものであり、高い通行料金を支払って高速道路を利用するのは国民なのだから当然である。東京湾アクアライン、本州と四国を結ぶ3本の橋、その通行料金は常軌を逸しているが、それだけではなく多くの不採算路線の建設はいずれも密室で作成された非科学的で無責任な需要予測と高コストの建設費がもたらした。
 われわれはこうした過ちの原因を審議の過程でできるかぎり示してきた。そして二度と同じ失敗を犯さないために、国民負担が少なくなるような債務の返済方式と必要性の乏しい道路はつくらない仕組みを考察した。
 今後の道路関係四公団は、競争原理を導入するために5つの分割民営化会社(以下、「新会社」という。)として再生し、より地域に根ざした、地方に住む人びとの意思が反映される存在に近づく。産業道路として、観光資源として、医療や福祉のために、国民経済的な観点からも高額な通行料金を是正しその引き下げも提案した。
 国民が望む国民のための高速道路とは、安い通行料金、顧客に対するサービスの向上、低いコストと採算性に見合った建設である。道路関係四公団の改革は国民に元気をもたらす改革でなければならない。虚偽と不正は常に厳しく糾弾され、まじめに働く者の努力が報いられ、未来に希望を抱くことのできる日本国にするための改革である。
 道路関係四公団民営化推進委員会は、存在そのもの、その審議のあり方、その他あらゆる面で民意を代弁する政策意思決定の新しいひとつのかたちを示すべく努めた。
 われわれは内閣総理大臣に以下の「意見」を具申する。
 なお、「意見」に到るまでの具体的な経緯等は次のとおりである。
 本委員会は、道路関係四公団民営化推進委員会設置法に基づき、日本道路公団等に代わる民営化を前提とした新たな組織及びその採算性の確保に関する事項について調査審議することとされ、本年6月の設置以来計35回にわたり議論を重ねた。意見は、昨年12月に閣議決定された「特殊法人等整理合理化計画」を前提として、それを具体化したものである。政府においては、この意見を尊重して早急に実施に必要な措置を講じ、遅くとも、2004年の通常国会までに関係法律を提出し、2005年4月1日に新たな組織を発足させるとともに、政府における施策の具体化にあたっては、本委員会は、委員会設置法に基づき適切に監視機能を発揮する。今後とも、政府及び関係四公団に対しては、本委員会に対して積極的な協力を行うよう求める。
 このたびの改革の推進に当たっては、これまでの高速道路整備のあり方を抜本的に見直す必要がある。国が取り組むべきことは言うまでもないが、高速道路整備について地方が責任を持って関わる必要があり、地方の理解と協力が不可欠である。

1 改革の意義と目的
 道路関係四公団改革は、小泉構造改革の大きな柱として昨年から取り組まれている163 の特殊法人等改革の範として位置づけられなくてはならない。
 甘い交通需要の見通しと建設費の増加等によって膨らんだ約40兆円に達する道路関係四公団の債務を国民負担ができる限り少なくなるよう返済していくためには、必要性の乏しい道路をつくらない仕組みを考える必要がある。
 必要性の乏しい道路をつくらない。国民が負う債務を出来る限り少なくする。道路関係四公団改革のいわば基本理念といえるこの二点を実現する解として、昨年12月、特殊法人等整理合理化計画において民営化方針が決まったのである。
 必要性の乏しい道路建設をストップし、現在の約40兆円に達する道路関係四公団の債務を国民負担ができる限り少なくなるよう長期固定で確実に返済していくことを第一優先順位とするとともに、民営化の果実を国民に還元するため、民営化と同時に弾力的な料金設定等による料金引き下げやサービスの向上が実現するような、国民全体にメリットのある改革を実現するのが民営化の目的であり、本委員会が達成すべき目標である。

2 基本認識

(1)公団方式による高速道路等の建設は限界
 料金のプール制と財投資金等の借入・償還を前提に新規路線を建設する現行公団方式は、もはや限界にきており、道路関係四公団については民営化を行い経営の健全化を図らなければならない。

(2)経営の自律性の欠如
 高速自動車国道等の建設は国による施行命令等に基づき実施される仕組みとなっており、組織として自主的な意思決定が行われず、経営責任が不明確となっている。

(3)事業運営の非効率性・不透明性
 道路関係四公団は、計画と実績との検証を行わないまま、財投資金等をもとに、次々と新規路線の建設を進めるなど、効率性の観点を著しく欠いた事業運営に陥っている。
 また、企業会計原則に基づいた会計処理がなされていないことから、公団内においてコスト意識が働いておらず、とりわけファミリー企業との不透明な取引等により、非効率・不透明な事業運営が行われる結果となっている。

(4)厳しい財務状況
 現在の道路関係四公団の財務状況は、本委員会が行った試算の結果、企業として存立していく上では極めて厳しいものとなっている。

3 民営化の基本方針

(1)国民負担の最小化を基本原則とし、50年を上限としてなるべく早期の債務返済を確実に実施する。

(2)新たな組織は、自らの経営判断に基づき事業経営を行うことにより、自己責任原則の下、民間企業としての自主性を確保する。

(3)民間企業のノウハウの発揮、採算性を重視した事業経営の実施等を実現し、経営の効率化、利用者のニーズに応じた多様なサービスの実現、サービスレベルの向上等を図るとともに、通行料金引き下げ、採算性を確保した上での新規路線の建設に取り組む。また、関連事業を積極的に展開する。

(4)民間企業としてコスト意識を徹底する。管理コストについては、現在の四公団の維持管理費用を徹底的に見直した上で民営化を行う。
 維持・管理の外注業務については、競争を徹底するとともに、新規参入を促進する。現在建設中及び計画中の路線に係る規格構造を見直すとともに、発注・契約方針を改善し、建設コストの縮減を図る。


4 新たな組織のあり方

(1)基本的な考え方
 新たな組織は、次の考え方により構築する。

ア 新会社各社の収益調整を図り、長期債務の返済をできるだけ早期に実現するため、保有・債務返済機構(仮称。以下「機構」という。)を設立する。機構は、四公団に係る道路資産(新会社に承継されるもの並びに国等に譲渡されるものを除く。以下、同じ。)及びそれに対応する長期債務を一括して承継する。新会社は機構から道路資産を借り受け、貸付料を支払う。

イ 機構は、道路資産の所有及び長期債務の返済、借換えのみをその業務とする。

ウ 新会社は、パーキングエリア等の資産を承継して発足する。その際、経営管理面での組織としての適正規模を確保するとともに、競争を通じたコスト意識・増収意識の醸成を図るため、地域分割により5つの新会社を設立する。

エ 新会社は、発足後10年を目途に、機構の所有する道路資産を買い取る。この時、機構は解散する。

オ 新会社は、当初国が全株式を保有する特殊会社として発足するが、機構から道路資産を買い取った後は、早期に上場し、最終的には国が保有する全株式を売却することを目指す。

(2)長期債務の返済

(1) 考え方

 機構は、新会社から徴収した貸付料収入を債務の元利返済に充当し、毎期確実に期中債務の平均残高を減少させる。

(2) 長期債務の範囲

ア 新会社及び機構は、承継資産(*)に係る長期債務を承継する。
 *新会社及び機構が承継しない主な資産は、次のとおり。
 ・営業損益で赤字が生じていることが明らかな路線に係る道路施設
 ・建設中の路線又は区間に係る道路施設のうち、新会社が残事業を実施しないもの
 ・「バイパス型」の一般有料道路のうち、新会社発足までの間に国等に譲渡されたものイ建設仮勘定に係る長期債務については、全て機構が承継する。

ウ 本州四国連絡橋公団の負担している長期債務のうち、早期に処理することとされた債務については、国等が承継する。

(3) 債務返済状況の監視

ア 債務返済を確実に進めるため、機構は、移行時に毎年の債務残高の目安を定め、これを遵守する責務を負う。とくに、移行から10年後の債務残高については、目標を定め、機構はこれを遵守する。

イ 機構は、国に対して、四半期ごとに、債務の期中平均残高等財務状況を報告する。国は、確実に債務返済が進むよう機構に対して指導する。

(4) 本州四国連絡橋公団に係る債務の処理等

ア 料金収入、国の出資、地方自治体の出資(現行よりも15年延長)及び他の道路関係公団の道路料金の活用、並びに所要の債務切り離しにより、本州四国連絡道路の通行料金の大幅な引き下げ(2分の1程度)と債務の適切な処理を同時に進める。

イ 債務の切り離しの財源は、国の道路特定財源とする。債務の切り離しについては、次の5ヵ年計画の期間内において早期に処理することとし、その額については2003年度予算編成過程において、政府において適切に決定する。

ウ 民間債務の返済条件等の変更については、市場の状況も視野に入れて柔軟に行う。

(3)新会社の具体的内容

(1) 事業

ア 新会社は、自動車道事業(*)及びこれに附帯する事業を経営する。
 *現在、四公団が所有する高速自動車国道等についての運営、管理等、並びに道路建設等をいう。

イ その他の事業については、自動車道事業の遂行に支障のない範囲において、新会社の経営の自由、自主性が発揮し得るよう、事業範囲をできるだけ広げることが必要である。(2)資産

ア 新会社は、パーキングエリア等(*)の資産を承継する。
 *「パーキングエリア等」のイメージ
 ・休憩施設(パーキングエリア、サービスエリア等)、給油所等
 ・有料自動車駐車場
 ・トラックターミナル
 ・インターチェンジ等
 ・管理施設(本社、支社等に係る土地、建物等)
 ・研修施設、社宅・寮等の福利厚生施設
 ・巡回用車両等

イ 日本道路公団から関連会社への出資株式については、原則として当該関連会社の事業エリアを管轄する新会社が承継する。

(3) 債務
 新会社は、承継資産に係る長期債務を承継する。

(4) 金融・税制措置

ア 資金の円滑な調達を図るため、上場までの間に限り、政府保証等の必要な措置を講ずる。

イ 当初機構が、買取り後は新会社が所有することとなる道路資産に係る固定資産税については、国鉄改革に際して旅客鉄道会社等に適用された特例措置等を参考にしつつ、大幅に軽減することが必要である。

(5) 国による監督規制
 新会社の経営者が経営について権限と責任を持ち、経営の自由、自主性を発揮できるよう、人事、財務、事業運営等に対する国の監督規制は、必要最小限にとどめる。また、現行有料道路の新規建設に係る監督業務を担当する部局以外の部局が、新会社を監督する。(6)ディスクロージャー
 新会社は、上場企業と同程度の財務情報等の公開を行うよう努めるものとする。

(7) 民間企業経験者の登用
 新会社の経営陣には、民間企業経験者(官庁での管理職経験がない者)等を複数登用する。

(4)機構の具体的内容

(1) 基本的な考え方
 新会社の経営に機構が介入することにより、新会社の経営の自主性を阻害し、又は経営責任を不明確なものにすることのないよう、機構の業務等を次の考え方に基づき厳格に法定する。

(2) 業務

ア 機構は、営利を目的とせず、法令で定める一定の貸付料を徴収するとともに、債務の返済、借換えのみをその業務とする。機構による経営介入の排除、新会社の経営の自主性の確立などの観点から、「機構から新会社、国等への新規投資資金の一部の支出」は機構の業務とはしない。

イ 設備投資の決定についての判断は経営の重要な要素であり、新会社の自主的判断と責任の下に行われるべきものであるので、高速自動車国道等の維持更新工事及び改良工事については関係する新会社が自ら行う。その場合、維持更新工事等により形成された資産は、新会社に帰属する。なお、大規模な災害復旧の取扱いについては、危険分散の必要性も含め、新会社の自立性を尊重して政府において検討の上決定する。

ウ 機構は新会社各社から支払われる事務費によって運営される。この事務費は実費相当額とし、機構はこれを他目的に流用できない。長期定額の貸付料は、全額債務の元利返済のみに充当する。

エ 機構は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書について、会計監査人の監査を受けなければならない。

オ 機構は、必要最小限の職員で運営するため、その所有する資産管理等の事務処理を新会社各社に委託するなどの方策をとる。

(3) 資産

ア 営業損益で赤字が生じていることが明らかな路線(*)に係る道路施設については国等に譲渡(**)し、機構は所有しない。
 *中部縦貫自動車道( 油坂峠道路) 、富津館山道路及び深川留萌自動車道をいう(2001年度決算による)。
 **譲渡の態様(有償・無償の別、有償の場合は譲渡価額等)については、従前の例による。

イ 「ネットワーク型」(*)の一般有料道路については、高速自動車国道と一体として取り扱うこととし、機構が承継する。「バイパス型」(*)の一般有料道路については、原則として、国、地方公共団体等に譲渡する(**)
 *現行の一般有料道路は、高速自動車国道と一体となって機能する路線(ネットワーク型)と、単独に機能する路線(バイパス型)に区分する。
 **譲渡の態様(有償・無償の別、有償の場合は譲渡価額等)については、従前の例による。

ウ 新会社発足時に供用されている路線又は区間に係る道路施設は機構が承継する。

エ 建設中の路線又は区間に係る道路施設については、新会社が残事業を実施するものを機構は承継し、その他は国等に譲渡する。

オ 新会社発足後に新規に建設が開始された路線又は区間に係る道路施設については、機構は所有しない。

カ パーキングエリア等については新会社が承継し、機構は所有しない。

キ 機構は、企業会計原則に基づき、減損会計の手法を活用するなど厳格な会計処理を行う。

(4) 債務

ア 機構は承継資産に係る長期債務を承継する。

イ 建設仮勘定に係る長期債務については、全て機構が承継する。

ウ 出資金の取扱いについては、別に検討する。

(5) 貸付料

ア 機構が新会社から徴収する貸付料の総計年額は、承継債務の総額を基に、約40年間(*)の元利均等返済をベースとして算定する。
 *返済期間については、新会社発足までの間に、企業会計原則に基づいて適正な前提条件により今後の収支見通しを作成した上で、50年を上限とし、その短縮を目指して設定する。

イ 新会社各社が負担する貸付料の額(*)は、収支見通しを見極めた上で各社の収益性に著しい格差が生じないよう検討し、長期定額として設定する。
 *新会社各社が支払う貸付料の額は、アにより算定される貸付料の総計年額を、各社の収益力に基づき按分した額とする。この際、貸付料を算定する基となる債務総額は、各公団由来の債務ではなく、四公団の承継債務の合計額とする。

ウ 毎年の貸付料とは別に、新会社が、経営の効率化等によって生じた余裕資金を機構の債務返済に充てることができるような仕組みを検討する必要がある。このため、機構は、債務残高を新会社ごとに管理する(*)こととし、債務返済のための臨時の受け入れ額についても会社別に管理して、買取り時の価額に反映させるものとする。
 *機構は、新会社ごとに債務残高を管理する「区分経理」を行う。具体的には、発足時に新会社ごとに債務額を定め、徴収した貸付料、債務返済のための臨時の受け入れ額、国等の出資金等を、該当する新会社ごとに計上し、買取り時の価額に反映させる。

(6) 金融・税制措置

ア 借換え資金の円滑な調達を図り、金利変動による債務返済への影響を最小限にするため、債券に対する政府保証等の措置を講ずる。

イ 債務の返済をできるだけ早期に行わせるため、機構は法人税を負担しない。

ウ 当初機構が所有することとなる道路資産に係る固定資産税については、国鉄改革に際して旅客鉄道会社等に適用された特例措置等を参考にしつつ、大幅に軽減することが必要である。

(7) 機構の解散

ア 新会社は、経営基盤の確立等株式上場に向けた諸条件が整ったと判断し次第、機構が所有する道路施設を買い取るものとし、その時点で機構は解散する。

イ 資産の買取りは、10年を目途にこれを行う。

ウ 買取りの具体的条件等はあらかじめ法定する。
 ・買取りの手続き‥‥新会社の申請により開始される
 ・買取り価額‥‥‥‥新会社ごとの債務残高を基準に決定する
 ・買取り方法‥‥‥‥対象資産の買取り価額として同額の債務を承継する

5 地域分割について


(1)基本的な考え方
 経営管理面で組織の適正規模を確保すること、地域の実情に即した運営が行われること、競争を通じコスト意識や増収意識の醸成、サービスの向上を図ることなどを総合的に考慮し、日本全国を5つの地域に分割して新会社を設立する。その際、キャッシュフローをベースに、利益率等について新会社各社で極端な差が生じないようにする。

(2)日本道路公団
 日本道路公団については、県境等を考慮し、3つの事業エリアに分割して新会社を設立する。

(3)首都高速道路公団及び阪神高速道路公団
 首都圏エリア及び阪神圏エリアにおいては、現在の首都高速道路公団、阪神高速道路公団の管轄する路線を核として、それぞれのエリアにおける都市高速道路等のネットワークが機能的に維持・発展できるよう配慮して決定した事業エリアを有する新会社を、それぞれ設立する。

(4)本州四国連絡橋公団
 本州四国連絡橋公団については、日本道路公団を分割した新会社のうち近接の新会社と統合する。

(5)全国5分割の概要
 具体的な地域分割のイメージは、次のとおり。(資料1参照)
 東日本:北海道、東北、新潟、関東
 拡大首都高速:首都高速、第三京浜道路、横浜新道、京葉道路、東京湾アクアライン等中日本:東海四県(東名、名神、中央道全線)
 拡大阪神高速:阪神高速、近畿道、阪和道、関空道、名神の一部等
 西日本:近畿、北陸三県、中国、本四道路、四国、九州、沖縄

6 通行料金について

(1)民営化の成果としての通行料金引き下げについて
 民営化の目に見える成果として、通行料金の平均1割引き下げを民営化と同時に実施する。
 国民にとって大きな負担となっている高額な通行料金は、採算性を無視した野放図な建設が原因である。非効率で無制限な建設のあり方が改められ、その結果として高止まりしている通行料金が引き下げられることこそ、国民が今回の改革に期待している成果なのである。
 よって、新しくできる5つの新会社各社は、夜間料金の半額割引や通行台数1万台以下の道路の通行料金の3割引き下げ、ターミナルチャージの撤廃など、実情に応じた弾力的な引き下げ策を講じて、平均で1割の通行料金引き下げを民営化と同時に実現する。
 通行料金は新会社発足時の水準より引き上げない。なお、本州四国連絡道路の通行料金は、債務の処理と同時に大幅な引き下げ(2分の1程度)を進める。また、東京湾アクアラインの通行料金については大幅な引き下げを検討する。

(2)通行料金のあり方について

ア 新会社が徴収する通行料金については、能率的な経営の下における適正な原価を償い、かつ適正な利潤を含むものとし、新会社の経営者が自主的に決定することを基本とする。イ「ネットワーク型」の一般有料道路については、高速自動車国道と一体として取り扱うこととし、通行料金については、料金水準や徴収期間等について、高速自動車国道と同様に取り扱う。

ウ 新会社に効率化インセンティブを働かせるため、料金に対する規制については、上限価格制の導入などを検討する。

7 今後の道路建設について

(1)基本認識
 甘い交通需要の見通しと建設費の増加等によって膨らんだ約40兆円(2001 年度末) に及ぶ長期債務の返済は、新会社による最大限の経営効率化と大幅な租税の軽減措置を前提としても、例えば金利の上ぶれリスクなどを考慮すれば決して容易ではない。そうした現状の厳しさからすれば、既存路線の通行料金に依存して(機構への返済原資を一部流用して)従来どおり建設を続けようとするのは容認し得ない。
 まして、建設中の路線や建設予定路線の多くが採算性の点で極めて厳しいものばかりであることを考えると、それは言わばガラス細工のような既存債務の返済スキームに新たな負荷をかけるに等しく、そうした考え方は採るべきではない。
 したがって、今後の道路建設、とりわけ財源問題については、民営化の目的・意義を踏まえた上で、全く新しい仕組みを構築し、その下で当事者間の負担のルールを定めることが必要である。

(2)今後の道路建設について

ア 新会社発足までの間、各公団は、本委員会においてとりまとめた基準による個別路線の優先順位に基づき、重点的な予算配分を行う。

イ 新会社発足時における建設中の路線又は区間に係る道路施設については、新会社が残事業を実施するものを機構は承継し、その他は国等に譲渡する。建設仮勘定に係る長期債務については、全て機構が承継する。

ウ 今後の道路建設に関し、新会社は、公益性にも配慮しつつ、採算性の範囲の中で当該自動車道事業(路線又は区間ごと)に参画する。その場合、新会社は、当該事業への参画について自社の経営状況、投資採算性等に基づき判断し、自主的に決定する。なお、工事により形成された資産は、新会社に帰属する。

エ 新会社は、その設立目的に照らし、今後の高速道路の建設に関し相応の役割を果たすべきであり、本委員会としては、そうした点を配慮の上で新会社が設備投資の意思決定をすることを希望する。

オ 新会社の採算を超える部分について、その財源は国及び地方公共団体が負担する。このため、高速自動車国道や都市高速道路の建設において、合併施行方式による建設など国、地方公共団体等の費用負担等を前提にした新たな制度を、政府において早急に検討する。その際、本委員会での審議経過を踏まえ、新会社に対する新たな税制・納付金制度の導入、貸付料の増額等による機構からの支出又はそれに類する建設資金の拠出方式は行わないこと。また、財投資金の借入れを前提とした道路建設は行わないこと。

カ 新会社は、国等の委託を受けて建設工事を行うことができる。この場合、新会社は資金負担をしない。

キ 新会社が行う道路建設等の設備投資資金は、新会社が自ら調達する。資金の円滑な調達を図るため、上場までの間に限り、政府保証等の必要な措置を講ずる。ただし、新会社の資金調達には市場規律がはたらくようにするため、財投資金の活用を認めない。

ク 現行の道路整備特別措置法に基づく施行命令等により高速道路の建設を強制する仕組みは廃止し、これに代わる上記ウ及びオ〜キの内容を満たす新たな制度を、地方公共団体の意見を聴取した上で政府において早急に検討する。

ケ 上記の条件を踏まえた今後の道路建設の制度設計については、資料2のようなパターンが考えられる。政府において具体的な制度設計を検討する場合に、資料2に示す採用し得るケースに沿うよう提言する。また、採用すべきでないケースについても資料2に示すとおりである。

(3)将来交通需要推計について、これは先ほどお読みになったとおりでございます。

8 「ファミリー企業」の改革、これも先ほどお読みになったところであります。
 23ページでございます。

9 改革の推進の手順及び移行時期等

(1)直ちに取り組むべき措置

(1) 新会社発足までの間の高速自動車国道等建設の計画見直し
 道路関係四公団は、新会社発足までの間の工事について、本委員会においてとりまとめた基準による個別路線の優先順位に基づき、建設の計画を見直し、重点的な予算配分を行う。

(2) 民間企業経験者の登用等
 直ちに、道路関係四公団の現首脳陣に代わり企業経営について豊かな経験と知見を有する複数の民間人を登用する。また、2002年度決算、遅くとも2003年度中間決算から公認会計士等の活用による民間企業の会計原則に基づく財務諸表を作成する等、民間企業経験者の知恵を導入し、民営化に備える。

(3) コスト削減計画の作成
 道路関係四公団は、新会社発足までに管理費(人件費等の一般管理費を含む。)を、具体的な業務の必要性に立ち返って徹底的に見直し、概ね3割縮減することを目指す。また、規格構造等の見直し、発注・契約方式の見直しに沿った建設コスト(人件費を含む。)の削減計画を策定する。道路関係四公団は、これらを踏まえて、役員退職金の廃止・見直しを含む総額人件費抑制計画を盛り込んだコスト削減のための計画を2002年度内に作成する。(4)入札資格要件の撤廃
 道路関係四公団は、現在外注している維持補修等の業務について、管理実績等の入札参加資格の要件を2002年度内に撤廃する。また、新規参入の目標を設定・公表し、外注業務についての新規参入を促進する。

(2)移行までの間に取り組むべき措置

(1) 民営化の成果としての通行料金引き下げ
 民営化の目に見える成果として、通行料金の平均1割引き下げを民営化と同時に実施する。

(2) パーキングエリア等における建物等の移管
 現在、道路関係四公団の業務に関連して財団法人が所有しているパーキングエリア等における建物等については、新会社が実質的に保有することができるよう、所要の手続きを進める。これにより財団法人は解散する。

(3)企業会計原則に基づく財務状況の把握
 現在、2003年9月を目途に道路関係四公団において進められている企業会計原則に基づく財務諸表の作成により、本委員会は、各公団の財務状況を正確に把握し、同時に各公団は、財務諸表等を公表する。

(4)改革関連法案等に対する監視機能の発揮
 改革関連法案、関連政令・省令案等の作成に対し、本委員会は、委員会設置法に基づき適切に監視機能を発揮する。

(5)改革の推進体制
 この改革を円滑かつ確実に実施するため、政府及び道路関係四公団においては、速やかに必要な体制をしく。

(6)移行時期
 道路関係四公団の民営化は、2005年4月1日に実施する。
 以上でございます。

○今井委員長 私が指摘いたしました意見が分かれているところの問題点については、ほとんど同じでございますね。
 御意見ございますか。

○猪瀬委員 委員長がおっしゃるように、確かに意見が分かれているところがあるわけですが、できるだけ最終答申は一本に絞っていった方がいいと思いますので、どうでしょうか、委員長の方で皆さんの意見をまとめていただけませんでしょうか。

○今井委員長 私は、前々から申し上げておりますように、こういう委員会で多数決で裁決するということは反対でございまして、やはり総理からも何回も共同で閣議決定に沿ってとりまとめてくれというふうに言われております。
 要するに国民から選ばれた国会議員が多数決で決めるのと違って、総理から指名された有識者というのが申し述べた意見につきまして、できるだけ集約をしながら、対立がある場合は、やはり意見として両論を併記するのが正しいやり方だと思っておるわけでございますが。

○中村委員 松田さんの案の中身は、たくさんあるのでどれがどれだか、しかも早く読まれたので追いかけるので精一杯で、混乱しているところもあるのかもしれませんが、松田委員提出資料というのと、今回の意見書という本人のお名前で書かれたのと、前回の意見案のと3つ見比べながら、ずっとフォローしていたんですけれども、委員長のさっきのお話のところの4つの点に関しては、言葉遣いが少し変わったのかなという程度の違いで、ほとんど変わっていないと思いました。
 お読みいただくというので、1つになる方向で書かれているんではないかと思って大きな期待を持って一生懸命聞いていたんですが、残念ながらそういうふうになっていないといので、非常にがっかりしたというところでございます。

○猪瀬委員 いろいろとできるだけ近づけようとする努力はしてみましたが、やはり150 時間も議論をした末のことですので、少しでもということもありましたが、大臣もいろいろ御努力いたしましたし、私も努力しましたが、基本的にはわずかな部分が違うだけだと思っておりまして、後ろの方に書いてあるので言えば、料金の総額というか、平均値にはなっていますけれども、少しそういうところが違ってきているかなというふうには思いますが、大きな流れは、先ほど委員長が御提案された11ある丸印で、ある意味では逆に共有点が多いということで、わずかに違うところがあったなというふうに思っていますけれども、細かいことを言うと、またいろいろありますので、それは後でと思っています。

○今井委員長 10年経って買い取るということは、機構をつくるという趣旨から言いますと、公租公課の外部流出を避けるという観点から機構をつくっているわけですが、わずか10年を目途に買い取ると。この買い取るということになりますと、いろいろな公租公課の問題が全部おかしくなりますね。
 それから、道路建設は料金収入からはやらないと言っているわけですが、我々は料金収入からやらないという課題を受けて、この問題を検討したわけではございませんので、そういうことを断言し、貸付料の設定方式がそういうふうにやられているということについては、私は了解できない。
 それから、40年返済と1割料金削減というようなことをやっていきますと、これは本当に今の料金でもできるのかどうかというような問題になりまして、いろいろな論理的な問題がこの案には含まれておりまして、したがいまして、私は両論併記ということを進めたいと思うんでございますけれども、もし皆さんが多数決で5人の案を採用されるということであるならば、私は多数決ということにつきまして、初めから賛成しておりませんので、それは委員長代理からもお話がありましたが、今までの議事運営の不適切というようなことがございまして、私は、さっきも申し上げたように、各良識ある委員が、それぞれの意見を言って、少数意見も取り入れるべきであるというふうに思います。多数決でどうしてもおやりになるということなんでしょうか。そこをもう一回確認したいと思いますが。

○松田委員 やはり、この議論がぎりぎりまでのところで対立をしてまいりますと、どこの世界でも、国際会議でも何でもすべてマジョリティーということで決めるのが普通のやり方であり、またそれ以外の決め方はないように思います。
 したがって、私は、やはりマジョリティーの意見を大事にするということで意見を決めていただきたい。ここまで百数十時間にわたって公開の席でいろいろ議論をしたわけですから、そのことの少数の意見、あるいは個々人の意見の対立点というのは、皆さんが十分承知しているわけですから、どうか私どもの御提出申し上げた意見書案について、是非御賛成をいただきたいと思います。

○大宅委員 私も、これは対立するのは当然のイシューなんです。それを前提に、例えばこういう政令ができているわけで、私たちも数で押し切るとか、そういうことは本意ではないんですが、一応出席したものの過半数で決し、可否同数のときは委員長の決するところによると。多数決というのが、日本人のメンタリティーになかなか合わないというようなところもわからなくはないんですけれども、今、松田さんがおっしゃったように、明らかに対立が前提としてわかっていて、それを決するすべがないので、それも今までも多数決として別に手を挙げては来ませんけれども、田中さんとか、川本さんが降りたのは、みんなの体制がこっちだったら、不本意だけど降りましょうという形でことが動いてきたわけでして、もう一度お考えいただきたいんですが、絶対にだめですか、5人の案には乗れませんか。

○今井委員長 今、申し上げたように、4つの点というのは、非常に重要な点でありまして、私は閣議決定の線からも外れているというふうに思っております。
 したがいまして、私は多数決でやるということについては賛成できないということであります。

○中村委員 そういうことならば、私の準備してきた意見も読ませていただけるとありがたいんですが。よろしいですか、これは数がないので、後で配っていただければと思います。
 では、読ませてもらいます。
 今までの議論に関しましての私の意見でございます。
 私は、本委員会の委員に任じられて以来、この委員会に課せられた課題、すなわち道路四公団を民営化し、効率的な道路事業の経営を実現するという改革の趣旨に立って、その具体的方策を作成するという任務を果たすべく、自らの持つ知識と経験を生かしつつ、中立的な立場に立って、その職務に当たってきた。
 もとより、私は高速道路を際限なく建設すべきとは考えておりません。地域の自然環境、更に地球規模の環境問題を考えるとき、自動車交通の増加を好ましいと思っているものではなく、現在も交通と環境の問題についての国際共同研究をリーダーとして鋭意進めております。
 同時に、債務の膨脹も国民にとってゆゆしき問題であり、これを確実に返済すべき策を講ずるのは当然と考えております。
 しかしながら、高速道路はまだ充足されたと言うにはほど遠く、その不足のために道路混雑や、交通不便で知られている地域は、大都市、地方を問わず、まだたくさんございます。このような状況は将来の長きにわたって、国民生活の向上を阻害し、国際競争力を損うものであり、このような状態を子や孫の代まで続けるわけにはいかないのであります。
 このように考えるとき、私はこの民営化の目標は、これは前にも申しましたが、
 1、巨額の債務を着実に減らし、50年以内に完済する。
 2、必要とされる道路は、明確な順位のもとに建設を進め、早期の完成を図る。
 3、道路利用料金は、路線別、時期別に柔軟に設定し、既存道路の有効利用を図る。
 4、高速道路の建設運営・管理の合理化を図り、効率の向上を実現する。
と考えております。
 これは多くの方々に十分同意のいただける正当な考えであると思っております。これらの目標のすべてが実現できる案として、資産保有・債務返済機構による、資産保有、債務返済及び料金収入の一部を建設へ支出するというのを提案してきました。際限のない建設や、無駄な施設を排除する実効性の高い方策として、各路線の客観的評価による、優先度の判定方法をつくり、それを公表するという提案をしてきました。
 また、設計基準の見直しなどにより、無駄な、あるいはぜいたくな道路をなくし、建設支出を減らすことも提案してきました。これは、国民監視の下で、厳格な歯止めをかけた高速道路の建設の方法でありました。これほど厳格な歯止めというのは、私はないと思います。
 また、競争環境の促進のために、入札制の下に新たな道路事業者の参入可能性をつくることも提言しました。しかし、特に機構からの建設費用の支出については、否定的な意見が多くの委員から強く主張されましたので、これらの委員との協調により、何とか有意義な改革を果たすために、私はこの案に固執することをやめ、これに変わるべきよりよい案が出されることを前提に、11月12日の意見集約に示される案に合意いたしました。
 こうした各段階での意見集約を忠実に踏まえてまとめられたのが、最終報告の事務局原案であると私は思っております。
 私は当然、これに必要な修正を加えて、本委員会の最終報告が作成されると考えておりました。しかしながら、11月29日に提出された松田委員のおつくりいただいた案は、こうした各段階での集約された意見を十分に取り入れることなく、自らの従来の主張に固執した案であります。
 債務返済を重視するというのは、もっともであります。しかし、それだけでは現在の道路公団体制でも、建設を凍結し、管理費を節減し、ファミリー企業を改革し、天下り禁止等を求めれば、それでも同じことであるとも言えるのであります。
 民営化するのは、それだけではなくて、初めに言いました4つの目標、この全部を可能にして、国民すべてに不満や不公平感を与えることなく、よい国土をつくるためであるということは明らかであると思っております。
 また、この松田委員案に関しましては内容的にも、今、委員長も御指摘されましたが、論理的な矛盾も多く、到底実現可能な方策を提言しているとは私には思えないものであります。現在と未来の我が国の国民にとって最もよい改革案を作成するため、私は冷静に、分析的かつ客観的な検討を行い、同時に他の委員とも可能な限り強調を図ろうとしてきたつもりであります。
 しかし残念ながら、実現可能な改革案の作成よりも、今出てきている案は、現行体制の打破のみを旨とする案でございます。こうした意見には、私は到底相容れることはできません。
 多大な時間をかけて実行し、委員会で議論を重ねてきたにもかかわらず、1つのまとまった優れた改革案づくりに達することができないのは、本当に私も残念であります。しかし、このような実現不可能な矛盾に満ちた案を多数決により決して、これを最終報告とすることには、私はとても同意することはできません。そのことをもう一度申し上げて、私の考えをここに書いて残しておきたいと思います。

○松田委員 内容については、十分に審議しておりますから、個別に中村先生の意見にいちいち反論するつもりはありませんが、2つだけ言わせていただきます。
 少なくとも私どもは、この案を提出いたしましたのは、実現不可能であるとは思っておりません。実現可能であり、最善の案であると思うから御提案申し上げているということが1つであります。
 私もこれだけの時間をかけて、意見が一本にならなかったということは残念であるということは、だれしも同じ思いであります。
 そういう中で、ぎりぎりのところで、我々もいろいろと調整をしなければいけないという努力を、この数日でもやってきたことも事実でございます。石原大臣にも随分お世話になっています。しかし、それでもなお基本の考え方が、やはり若干現実認識と基本の考え方がすれ違っているということは、もう中村先生も御認識のとおりでございます。したがって、そういうことを踏まえてお決めいただければと思います。

○猪瀬委員 私も一言だけ言わせていただきます。
 今、中村先生がおっしゃることも非常によくわかります。そして、私は採算性と進捗率と、B/Cと、それ以外にどういう方法があるのかなと、それを中村先生の御努力で総合していただいて、優先順位ができたということは最大の成果だと思っています。
 それから、委員長が先ほどおっしゃいましたことで、私はそんなに離れていないなと思いましたのは、10年で買い取るというのは、むしろ10年を目標にして一生懸命働きましょうと、今の公団だと目標がないので、目標を設定すると一生懸命働くんです。そういうインセンティブを与える1つの目途ということだと理解しています。
 それと、我々の意見で出ている、今、委員長がおっしゃった40年間の元利均等という話しがあますけれども、その下に50年を上限として返済期間を設定するというフォローも入っておりまして、その短縮を目指すんですけれども、50年の返済期間というのも一応入れてありまして、それは先ほどの道路料金の活用が含まれていないじゃないかとおっしゃいましたけれども、これは50年の返済期間で、できるだけ短縮を目指すという中で、実は将来のキャッシュフロー、つまり道路料金の収入により、将来のキャッシュフローを前提にしながら、資金調達ということを次のページで書いてありますが、そのときに、資金調達について政府保証等の措置も講ずるということであれば、十分に道路料金が活用されているんだと理解できると思います。
 そういう意味で、できるだけ溝は埋めてあるのではないかなというふうに理解して、この案を推しているわけであります。
 以上です。

○田中委員長代理 今日は、余りしゃべらないようにしようと思ったんだけれども、誠に残念ながら、ちょっと過労がたたって風邪を引いたんですが、私は可能だと思っております。
 いかなる改革をするときでも、役所側はそれはできないという主張をよくします。しかし、今、猪瀬さんの言ったことに大体賛成なので、数字的な目標を掲げておりますが、すべて目指すとか、その方向で頑張っていくということを言っておるわけでありまして、私たちの提言は可能であるというふうに思っております。詳細は、こういう状況なので勘弁していただきたいと思います。

○今井委員長 結局、私が申し上げているように、本当に猪瀬さんがどこかのテレビでおっしゃっていましたけれども、29階までできて、あと1階だというお話なんですけれども、その1階が上ではなくて下の方の1階なものですから、これはビルが建たないわけでございまして、したがって、その1階分は両論併記でいいんではないかと申し上げているわけでございますが、どうしても多数決でおやりになるということなんでしょうか。そこのことを最後に確認したいんですが。

○大宅委員 委員長、私はやはり1つの意見にまとまるべく私個人としても譲歩できることは譲歩し、多数派に従うということで努力を重ねてまいりました。ですから、やはり多数派に従うということで、議事を進めていただければというふうに思っております。

○猪瀬委員 委員長が29階の話をおっしゃいましたけれども、せっかくここまで来たんですから、これは少し政府税調のやり方があるんですけれども、これは答申ですね、それと別に答申に盛り込まれていない主な意見というのがあるんです。

○今井委員長 それは今年から始めたんですけれども、今までそうではないんです。

○猪瀬委員 そういうことで、どんどん新しくなってきますから、そういう意味で、今、委員長の御提案なさったこととか、中村先生の御意見なども答申に盛り込まれていない主な意見の方に入れていただいて、そして多数の意見は、こちらの方の答申の方に入れるというのはいかがでございましゅうかね。

○今井委員長 ですから、それを私は両案添付ということで申し上げいるわけでございます。

○猪瀬委員 答申に盛り込まれないということですから、正式な答申ではないんですが、そういうことで両案添付ということで、理解の仕方が少し違うかもしれませんが、これは答申ですから、そこのところがきちんと区別されていればいいんですけれども。

○今井委員長 ですから、どうしても両案添付に反対で、5人の多数決でおやりになるということなら、私は今まで申し上げておりましたように、7人共同で多数決は行わないで運営してきたわけでございまして、要するに私の議事運営に不信任だということと取りまして、私は委員長を辞任いたしまして、田中委員長代理の下で議事運営を行っていただきたいと、かように思うわけでございます。

○根本副大臣 私は、委員ではありませんが、この審議会を預かる立場から、先ほど来、多数決しか決する方法はないと、政令の解釈で言われておりますので、これは有識者の大変有能な皆さんのお集まりの審議会でありますから、この審議会の性格につきましては、事務局の方から、中央省庁改革のときの閣議決定の審議会の在り方の考え方もありますので、その前に事務局の方から審議会の性格について説明させていただきたいと思います。

○坂野事務局長 この審議会の施行令にございます規定は、現在、政府が設けられております各審議会にも、標準的な規定のスタイルとして存在をするものでございます。
 私が、今から申し上げますのは、こういう規定が設けられることになった沿革、その趣旨を申し上げるということでございます。
 中央省庁改革の以前は、各省の審議会は、法律または政令により設置されることにしておりまして、その掟の中に、多数決をやるかどうかという規定が大半は設けられておりませんでした。
 例えば、有名な土光臨調は、そのような規定がございませんでした。ただ、土光臨調の際は、委員会が発足してから決める議事則において、意見の一致を図るべく最大限の努力を尽くす、そして最後の最後でどうしてもしょうがないというときは、委員長の裁定によって多数決によることがあり得るものとする。そういうような表現で議事則が決められている例はあるにはあったわけでございますが、当然その理解は、当時の土光臨調の方々も、田中委員も御存じでございますけれども、多数決ということをできるだけ避けるという趣旨で当時の議事則が設けられておったわけでございます。
 そのような実績を踏まえて、中央省庁改革におきましては、各審議会におけます運営に関する共通的なルールは、法律または政令で規定しておくべきことにしようと、そういう方針が設けられて、このような規定を等しく置くことにしたわけですが、その規定の解釈としては、有識者が高度かつ専門的な御意見、そういうものをお持ちで、そういう方の御意見をお聞きして、政府がいろいろ政策決定をしていくための審議会ということであれば、やはり政策決定の責任というのは内閣または国務大臣にある。そういうことを踏まえて、各省審議会においては審議を尽くして、なお意見の対立がある場合であっても、例えば複数の意見を表記する、あるいは審議の結果、その他多様な見解が表現されるような、そういう方式も考えていただきたい。その上で、なおぎりぎりの措置として、どうしても必要だという場合は、多数決によるんだと、言わばぎりぎりのところをこの標準スタイルで書いたと、そういう趣旨であると考えております。
 ただ、何度も申し上げますが、こういうルールは、確かに松田委員がおっしゃるように基本的なルールでございます。そういうものを明らかにしたわけではありますけれども、その経緯と趣旨は、以上のようなものであったということでございます。

○猪瀬委員 この間の流れで、例えばそれぞれの皆さんが、御自分の自説を展開したりしながら、自分が少数であると自主的に降りてきたということがあったわけです。
 私なんかの場合でも、本州四国の債務のところでは、私が少数派だったので、降りるということにいたしましたし、田中一昭さんなんかは、上下一体論ということで、やはり少数派だったので降りるという、川本さんもありましたけれども、少しずつ何らかの形で、実は多数決の形で実は進んできていて、それは実質的に多数決を取らないで降りていくという流れであったというふうに思います。
 そういう意味で、少数意見を取り入れるということを実はやりながら、それを十分にこなしてきたというか、少しずつ自分の意見を言いながら、全体で多数であるというときは、少数意見は、少しずつ何かを加味しながら消えていくというか、そういう形で150 時間皆さん努力してきたというふうに思うので、ぎりぎりであれば私は何らかの判断をされた方がいいかもしれないと思いますが、委員長は余り自説を降りなかったような気がするんです。それはともかくとしまして、少しずつ皆さんが降りていくということが大事だと思うんです。
 だから、そういう意味では、委員長も全体の意見を見ながら、少数のときには降りるということもあってもいいなかというふうに考えるわけですけれども、また今ぎりぎりのところに来ているんではないかなと思いますが。

○松田委員 今、事務局長からお話がありましたが、私はぎりぎりいっぱいのところに今の時点は来ていると思います。ですから、決して高らかに声を高めて多数決をする規定でやれとは必ずしも言いたくはないんですが、ぎりぎりのところで今日決めなければいけないという段階だと私は思っていますし、これ以上、この点についての意見をやりましても、私と今井委員長との間の合致というのができるかと言ったら、あと何十時間やってもそれは無理だと思うんです。
 ですから、委員長には誠に失礼ですけれども、やはりこの際は多数決の原理で裁決に臨んでいただきたいというふうに思います。

○猪瀬委員 坂野さん、これは委員長への不信任ではなくて、今やっているのは議事進行のお願いですから、そこがさっきの説明で少し違うかなと思ったんですけれども、委員長がぎりぎりでとりまとめていただくのが、私は一番いいと思います。

○今井委員長 ですから、私は多数決ということをやらないようにやってきたわけでございまして、多数決というのは私の考え方に反します。したがいまして、皆さんが多数決で意見書と書かれている5人の案を御採用になるのであれば、私は委員長を辞任いたしまして、田中委員長代理に今後の議事進行をお願いしたいと、かように思います。
 そして、私の行政当局に対するお願いでございますけれども、私の両論の案は、採用されませんでしたけれども、この案の中には、今まで7人が本当に討議して、そして大変大きな成果が上がっている、それを書き出したつもりでございます。こういう全員一致の成果というものを是非取り上げていただくようにお願いいたしたいと思います。
 私は多数決に反対でございますので、田中委員長代理に譲りまして、私は裁決に加わらないということにいたしたいと思います。誠に残念ですけれども、わがままをお許しいただきたいと思います。
 どうも長い間、御協力ありがとうございました。

○中村委員 もう一度お願いしますが、委員長の最初の案のように、両方の案を添付するということで、今回は最終報告をつくるということはできませんか。


○猪瀬委員 私は政府税調のやり方であれば、よろしいのかなというふうに思いますけれども。

○大宅委員 中村先生、もう一度お願いしますけれども、5人の方に歩み寄っていただくわけにはいきませんか。

○猪瀬委員 委員長がおっしゃいましたけれども、むしろ委員長は多数決を取らないでずっとこれまで運営をとりまとめてきたわけで、その運営はみごとなものだと思いますので、最後まで責任を持っておまとめになった方がよろしいかなとは思いますけれども、せっかくここまで来たのだからと思いますが、是非もう一度改めてお願いします。

○今井委員長 要するに、両案添付というのは、前の松田案を今日お出しいただいた案にやっていただきたいというふうに申し上げたんだけれども、どうしても両案添付はだめだと、多数決で1つを選ぶとおっしゃるので、私はこれ以上の議事運営をできませんということなので、誠に申し訳ないけれども、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

○田中委員長代理 確認ですが、こういう理由で委員長が降りられるということは、5条3項の規定に該当しますか。

○坂野事務局長 5条3項とは、設置法のですか。

○田中委員長代理 はい。

○大宅委員 委員長をおやめになるのと、委員をおやめになるのとは一緒ではないですね。

○今井委員長 私は、委員長をやめて、そして議事の裁決に参加しないと申し上げておきます。

○坂野事務局長 先ほどお尋ねの設置法第5条3項、委員長に事故があるときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。この事故というのは、通常この規定の想定しているのは委員長が存在をしておりまして、しかし、何らかの事情で会議に出席できない、あるいは事務局の事務の監督に一次的に当たれない、そういう場合には代理の方が職務を代行するというのが通常の想定でございます。
 しかし、委員長が、その職におられた方が委員長の職におられなくなる、そういう状態であれば、先ほど申し上げた当然の想定を超える想定ではありますが、解釈としては第5条3項による事故があるときと見なすべきだと考えております。

○中村委員 この案でこの委員会の最終報告とされるとすれば、とてもこの最終報告に私も共同責任を持つという行動はできない。特にこれから先、この最終報告に沿った線で実施されることを監視していくということには、とてもやっていくわけにはいかないと、そういうふうな気持ちでございます。

○今井委員長 それでは、どうもありがとうございました。御協力ありがとうございました。わがままをお許しください。

(今井委員長 退室)

○田中委員長代理 予想しない事態が生じました。しかも、私がこういう声であるというのは非常に残念に思っております。聞こえますか。言っている意味がわかればいいんですが。
 こういう事態の下で、やむなく法律に基づき、私が委員長を代行させていただきます。採決するまでもなく、今井委員長は委員長を降りられ、中村委員はおられますが反対であるということで、他の委員が提出したペーパーは既に名前が挙がっておるわけでありますから賛成であるということでありますので、この5人で出したペーパーを本委員会の正規の意見としてお諮りしたいと思いますが。

○中村委員 本当に5人のチームと、1人のチームが最後のファイナルのPKをやって、そして5人の方がということで決めようという気におなりになりますか。

○田中委員長代理 どうぞ、御意見があれば、せっかく中村委員が問題提起されましたので、御意見を賜わりたいと思います。

○松田委員 中村さん、まさに先生もいろんな形で、国内だけではなくて、国際会議の議長もおやりになっている。多数決の意見というのは、もともと民族が違い、宗教が違い、意見が違うという人たちが一生懸命議論をして、最後の最後に何を基本にして、その会の意見とするかということを決めるのは、マジョリティーの原則であります。
 したがって、もともと日本はすぐこういうやり方をすると感情論的なものが出ますけれども、御存じのとおり、いろんな国の集まったところでは、当然の客観的なルールとなっているのは御存じのはずです。別に感情論的に何も考える必要はなくて、やはりたんたんとして、それを決めていくのが1つのやり方だろうと。もともと100 人が100 人が意見が同じだということを前提にしていない中から出てきたルールでありますから、日本は和をもって尊しというのがもともとの原則ですから、それができるのが一番いいんでありますが、そうではない限り、私はやはりやむを得ないというふうに思います。
 別に先生とゴールを争って、サッカーをやるつもりは全くございません。もっとたんたんとして。

○中村委員 例えが悪くて申し訳ありません。だけど私は、いつも5人対私というふうな形で議論が進んできたというふうな印象を持っております。いつもいつもそうだったかというと、必ずしもそうではないと思いますが、でも大概のときはそうだった。
 私ども7人の委員というのは、例えば選挙などの形で国民全体から何らかの形で選ばれるということならいいんでしょうけれども、最初からそれなりの考えを持った立場の人が選ばれている中でということですから、私は5対1とか、あるいは委員長も加われば5対2とか、そういう印象を持つので、こういう委員会が、そんな多数決で一つの考え方だけにしてしまっていいんだろうかと。ここは極めて技術的な具体的な議論をする場であり、そして、それらの異なった考えをまとめるところであるというふうに思っていたものですから、そういう多数決は、よもやおやりにならないだろうと思っておりました。
 感情的には、全く松田さんに賛成です。

○田中委員長代理 せっかく中村さんの問題提起でありますから、一言ずつどうぞ。

○猪瀬委員 中村先生とは、ずっと論争して楽しかったですけれども、だから中村先生の意見は、委員長のおっしゃられた両案併記ではないけれども、先ほどから申し上げている答申に盛り込まれていない主な意見という中にきちんとそれを残すということに是非したいと、できると思いますけれども、そういうふうな形でいくのがよろしいんではないかと思うんです。
 私は、中村先生が御心配なさっている建設の件でも、本当にいろんなやり方があって、先ほどから申し上げていますけれども、道路料金の活用というのも将来キャッシュフローを担保にしてやっていくわけですし、そしていろんな中村先生のおつくりになった基準を設けて、それから合併施行の方式もあるし、いろんな形で建設は5分割しながら、地方分権的な要素も入れ、道路特定財源の効率的な使い方も含めて、私はこの150 時間の議論の中で、かなり具体的な方法まで出てきたのではないかと。本当にこの委員会が始まるまでの道路のつくり方、高速道路のつくり方というのは、全くずさんであったし、コスト意識もなくて、中村先生の規格の見直しだとか、2割も削減できるという本当に画期的なアイデアも出てきたわけで、そういう意味では中村先生が今の5人の意見と少し隔りがある部分があるけれども、できたら一緒に賛成していただきながら、なおかつ中村先生の意見は答申に盛り込まれていないけれども、主な意見という形で集約できたらいいと思いますけれども。

○中村委員 猪瀬委員は、今までのまとめで大変苦しかっただろうと思います。現実的な問題を理解していただいて、いろいろ考えて、なおかつせっかくこれだけやったのだからまとめようとされた努力というのを大変多とするものでございます。
 それと、こういう問題が極めて大事だということを、こうして世の中に認識させるようにされたというのは、猪瀬さんだけではないんですが、大きい仕事だと思います。
 それとさっきお話がございました需要予測の問題です。需要予測というのは幾らやったって問題がいつまでも出てくるんですが、それを極めて丁寧に緊張感を持って、行政も、それを手伝うコンサルタント等もやるべきだ、ということを認識してもらったということも大きいと思います。
 猪瀬さんだけではなくて、ほかの方々、みんなそれぞれ懸命にやってこられた。百数十時間というんですが、大学の講義だと十何単位もらえるわけで、博士にはなれなくても、修士ぐらいは出してもいいぐらいのものです。我々は予習、復習にたっぷり時間を使いましたから、それでも結局落第だというんでは、余りにも悲しい話です。松田委員の案が多数だとすれば、少数かもしれませんが、事務局で準備していただいた案、あるいは私の書いたものなんかをそれに添付していただきたい。猪瀬さんが言われるようなことで何とか添付していただけるのではないかという気持ちでございます。

○田中委員長代理 中村委員の提起された問題は、幾つかあると思いますが、猪瀬さんはさっき言っていたように、今日5人の出したペーパーが多数の意見であるとすれば、どこかに何らかの少数意見として書くのか、どういう表現の仕方があるか、あるいはここは降りていただくのか、いろいろ御意見があろうかと思います。そのほかにもあるかもしれませんが、どうぞ、大宅さん、川本さん、何かございましたら。

○大宅委員 今までの審議会の答申で、両論併記となったときはほとんどつぶれているんです。
 だから、私は経験上、両論というのをやると政治は動かないんだなというふうに理解していますので、どうにか一本にしたい。
 特にこの委員会は、国民に対して本当にこんなに明らかになったことはないので、国民の期待がものすごいんです。私は委員会でもしょっちゅう言っていましたように、何かにじり寄ったようなものを出してしまっていて、何だあいつらと、両方どっちもだめになってしまうという気がするんです。
 総理が別に国会を通る、通らないは考えなくてもよろしいとおっしゃったのであるとすれば、私はやはり一本にしたいというふうに思います。

○田中委員長代理 川本さん。

○川本委員 私もやはり一本にしていただければというふうに思っています。この委員会で、私は自分で正しいということは主張させていただいてきました。中村委員は、自分は6対1の1だったことが多いとおっしゃいましたけれども、論点によっては私も6対1の1であったり、5対2の2の少数派であったことも多かったように思います。
 ただ、やはり1つの意見にまとめることがいいと思い譲歩してまいりました。その点を、ここで述べさせていただきたいと思います。

○松田委員 先ほど委員長代理から言われましたように、やはり、この5人の意見をこの委員会の正式の意見にしていただきたい。そのことをきちんと決を取った方がいいと思います。
 それから、猪瀬さんがおっしゃったように、正式の意見に入らない部分、つまり対立点の部分について異論がありましたというのは、併存ではなくて、つまり正式の意見ではありませんが、こういう意見はありましたというのを別にまとめて、それを添付するというのなら、それはそれで結構です。ただし、この委員会の意見としては、これを御採用願いたい。こういうふうに思います。

○猪瀬委員 中村先生が、とりあえず6人が一致するのが一番いいのかなと思います。そして、中村先生の意見を答申に採用されなかった主な意見という形で添付するというふうなことで、もしこれに賛成していただければ全員一致ということになるんですけれども、先生いかがでしょうか。

○中村委員 誠に申し訳ないし残念ですが、こうなったら決を取っていただければいいと思いますが、私は反対ということでございます。

○田中委員長代理 それでは、決を取るまでもなく、公開しておりますから明解でございます。よろしゅうございますか。

(「はい」と声あり)

○田中委員長代理 それでは、どうもありがとうございました。今日5人で提案した意見を我々の委員会の意見として総理に提出するということになります。
 提出の手順等は、事務局長どういうことになりますか、石原大臣にお願いしたいと、私は思っています。

○石原大臣 委員の皆様におかれましては、35回、百数十時間にわたる真剣な御意見をいただき、本日ここに最終意見を決定されましたことに、心から御礼を申し上げます。
 最終意見につきましては、私が責任を持ってお預かりをさせていただき、小泉総理にお届けをさせていただきます。
 本委員会においては、これまでの審議により、既に数々の成果が上がっております。その点につきましては、今井委員長のおっしゃられましたとおり、40兆円に上る債務の確実な償還を第一にするといったような点、それを実現するために、保有・債務返済機構を設置する。あるいは、これまで野放図と言われていた新規建設の歯止め、また中村委員の御努力によりまして、建設コストを2割も削減し、4兆円の無駄を省くといったような点、あるいは新規路線の優先順位の基準の作成、また本日猪瀬委員から意見の開陳のございました交通予測の精度の向上、あるいは料金の引き下げ、また本日も猪瀬委員が御議論いただいたファミリー企業の実態解明など、どの事柄を取りましても、本委員会であったからこそ得られた画期的なものだと考えております。
 ただ、残念なことに、これまで委員会の運営に全身全霊を捧げ御努力をいただいてきて今井委員長が委員をやめられ、猪瀬委員からもその運営はみごとであったというような言葉もあったと思います。また、中村委員も反対票を投じられるという極めて異例の事態の中で、最終意見が決定されたことは政府としては遺憾であると申し上げざるを得ません。皆様方も地方の公聴会にお出ましをいただいて、生の声をお聞きになっていると思いますが、地方の皆様方の意見を考えますと、果たして政治的にこれでもつのかという疑問が残ります。
 いずれにいたしましても、政府としては、本意見の趣旨を踏まえまして、地方自治体などの関係者の御協力と同意を得つつ、速やかに実行可能な具体策を作成し、実行に移してまいりたいと考えております。
 長い間、本当にありがとうございました。

○田中委員長代理 大臣、どうもありがとうございました。

○猪瀬委員 意見の中に資料3とありますけれども、これは今日入れた文面ですので、それで今日発表した付録資料があります。それが資料3ですので、添付のところに間違いなく入れておいてください。

○坂野事務局長 そういうことも含めて、いろいろ事務的に申し上げなければならないことがありますので。

○田中委員長代理 その前に、お礼を申し上げさせていただきます。
 突然の代行でございます。私も個人的には35回にわたる会議でいろいろございました。それこそ川本委員が言ったように、1対6か、2対5か、そういうことも多々あったと思います。しかし、ひたすら何とかまとめたいという気持ちで本日までまいりました。
 今井委員長の御努力は、猪瀬さんが言いましたように、今更申し上げる必要もございません。ただ、皆様方に御努力いただいて、こういう中で異例ではございますが、一通りの意見をまとめることができた。いろいろあったにしても、とにかく形のある有意義なものができたと思っております。ここに改めて委員の皆様に御礼を申し上げるとともに、いろいろ側面から御教示賜わった石原大臣、根本副大臣に心から御礼を申し上げます。また、いろいろ私どもの自由奔放な要求に協力してくださった事務局にも心から御礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
 私たちは、多数決という決は取りませんでしたけれども、委員会として複数のものを添付するのではなくて、あるいは両論を併記するのではなくて、まとまった意見を提出することができたということを確認しておきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

○猪瀬委員 坂野さん、実務的にそういうことになります。だから、結局さっきの政令のあれで言えば、そういうことになるということです。

○坂野事務局長 多数決をしなかったということでございますか。

○猪瀬委員 今、実質多数決なんですが。

○坂野事務局長 法律、政令上の解釈は多数決だと思います。

○猪瀬委員 だから、それは1つの案になったということに基本的になりますね。

○坂野事務局長 その前提で、事務的な処理がありますから、少し御相談を申し上げると、よろしゅうございますか。
 まず、先ほど石原大臣からお話がございましたように、総理に対しては、石原大臣が責任を持って、石原大臣がお預かり申し上げ、お届けをするということでございますので、総理への提出は、石原大臣に私が正式にお渡しをして、お届けをいただくということにしたいと考えております。
 もう一つ、事務的なことでございますが、今日5人の委員の方々から提出されました意見書案のスタイルをどうするかということでございますが、表紙をまずどうするかということ、それから中身はこのままいくわけですけれども、その後ろにすべての審議会の答申がそういうことでやる慣例でございますが、委員名簿を付けます。
 もう一つ、これまでの審議実績、つまり何回の会議を何月何日にやって、議題は何だったかという表をつくって、それを付けます。それだけを後ろに付けて、そして意見とするという形にしたいと思っておりますので、それをつくりまして、皆様方にお目にかける必要があると思っておりますので。

○田中委員長代理 それでは、その間は休憩としましょう。

○坂野事務局長 もう一つ、表紙は、御署名をいただいているものを表紙にするというわけにはいかないので、意見書として、委員会として、それで何月何日という日付を入れる、そういう表紙にさせていただくと。
 もう一つ、委員名簿については、7名の委員のお名前を書きますけれども、委員長が委員長職を辞任されたので、委員名簿には今井敬委員となります。
 もう一つ、備考を付ける必要がございます。それは、今、中村委員がお話になったように、中村委員は意見に反対したということは、備考で注記する必要があります。
 それから、今井委員長が決定に先立ち辞任をされたこと、それから決定に先立って委員会を退席されたということをここに書いておかないと、つまりどういう意思の分布があったかということは、委員名簿で明らかにしておく必要がある。そういう注記も付けて作成をしたいと思います。
 少しお時間をいただきたいと思います。

○田中委員長代理 それでは、しばらく休憩にしたいと思います。

(休 憩)

○田中委員長代理 それでは再開します。事務局長、お願いします。

○坂野事務局長 ただいま、各委員にお配りをしております「意見書」という表紙が付いたクリップをした資料、これが総理に提出される意見書になります。
 このうち、A3で2種類の資料がファミリー企業関係で入っております。カラー印刷したものと、そのカラー印刷したものの下に、白黒印刷をした表がございます。この両方ともが委員限りの扱いになります。
 ただし、カラー版については、すべてが非公表データではございません。したがって、カラー版のページでいきますと、カラーの3枚目に掲げてある企業については右側の欄、非公表データは空白になって、対外的には印刷して配られるという扱いになります。総理には、委員限りのもの全部がきちんといくことになります。その点だけは、よろしくお願いしたいというふうに思っております。
 以上が、意見の説明でございますが、この委員会閉会後、記者会見をお願いしたいと考えております。記者会見は、ここの部屋で、一番向こうの奥、窓側に各委員が横に並んでいただいて記者会見をしていただくように、少し造作を変えますので、その間、また少しお時間をいただきたいと思います。
 以上が、私が申し上げることでございます。

○中村委員 後の意見は、どこに付いているんですか。

○坂野事務局長 中村委員、あるいは今日の今井委員長の意見については、答申本体はこれでございますので、この答申本体とは別に、やはり審議の経過をきちんといろんな方に知っていただく必要があると思っておりまして、そういう資料を別に印刷をして、できるだけ一緒に説明して回れるようにしたいと思っておるわけでございますが、今急でございましたので、またそういうものをちゃんとつくるということはお約束をさせていただきたいと思っております。

○田中委員長代理 ありがとうございました。そうすると、大臣にこれを持って行ってもらうと。

○坂野事務局長 大臣は、記者会見に来られるという予定は聞いておりません。

○松田委員 これを提出しましたということは、どうやるんですか。

○坂野事務局長 それについては、今、石原大臣が総理の時間を調整しておられると思います。大臣が行くといった情報が入れば、皆様方にもきちんとお伝えをしますし、できれば私がその場に立ち合う必要がある。
 というのは、今、委員長代理が責任者ですので、委員長代理の名前での総理あての別添のとおり提出しますという公文書が付くんです。それを持っては私は行かなければなりませんので、確実に渡したときは、私が現場を確認して御報告ができるかと思いますが、時間によっては、私ども事務局から皆様方にきちんと御連絡をさせようと思います。

○田中委員長代理 そのことは、記者会見の前後関係はどうなりますか。

○坂野事務局長 まだ総理の時間が決まっていないので、それを待っていて記者会見をするというと、いつになるかわかりませんから、もう記者の方もお待ちなので、できればこの造作を変えて、ここで記者会見をやっていただけないかというのが、私の願いでございます。

○田中委員長代理 何か質問とか、議論しておくべきことはありますか。なかったら、事務局、それだけですね。

○坂野事務局長 はい。

○田中委員長代理 それでは、待機することにしましょう。

○坂野事務局長 ここで閉会をお願いします。

○田中委員長代理 本日の第35回会議を閉会いたします。