@ 基本的な考え方
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新会社の経営に機構が介入することにより、新会社の経営の自主性を阻害し、又は経営責任を不明確なものにすることのないよう、機構の業務等を次の考え方に基づき厳格に法定する。
A 業務
ア 機構は、営利を目的とせず、法令で定める一定の貸付料を徴収するとともに、債務の返済、借換えのみをその業務とする。機構による経営介入の排除、新会社の経営の自主性の確立などの観点から、「機構から新会社、国等への新規投資資金の一部の支出」は機構の業務とはしない。
イ 設備投資の決定についての判断は経営の重要な要素であり、新会社の自主的判断と責任の下に行われるべきものであるので、高速自動車国道等の維持更新工事及び改良工事については関係する新会社が自ら行う。その場合、維持更新工事等により形成された資産は、新会社に帰属する。なお、大規模な災害復旧の取扱いについては、危険分散の必要性も含め、新会社の自立性を尊重して政府において検討の上決定する。
ウ 機構は新会社各社から支払われる事務費によって運営される。この事務費は実費相当額とし、機構はこれを他目的に流用できない。長期定額の貸付料は、全額債務の元利返済のみに充当する。
エ 機構は、財務諸表、事業報告書(会計に関する部分に限る。)及び決算報告書について、会計監査人の監査を受けなければならない。
オ 機構は、必要最小限の職員で運営するため、その所有する資産管理等の事務処理を新会社各社に委託するなどの方策をとる。
B 資産
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ア 営業損益で赤字が生じていることが明らかな路線(*)に係る道路施設については国等に譲渡(**)し、機構は所有しない。
*中部縦貫自動車道(油坂峠道路)、富津館山道路及び深川留萌自動車道をいう(2001年度決算による)。
**譲渡の態様(有償・無償の別、有償の場合は譲渡価額等)については、従前の例による。
イ 「ネットワーク型」(*)の一般有料道路については、高速自動車国道と一体として取り扱うこととし、機構が承継する。「バイパス型」(*)の一般有料道路については、原則として、国、地方公共団体等に譲渡する(**)。
*現行の一般有料道路は、高速自動車国道と一体となって機能する路線(ネットワーク型)と、単独に機能する路線(バイパス型)に区分する。
**譲渡の態様(有償・無償の別、有償の場合は譲渡価額等)については、従前の例による。
ウ 新会社発足時に供用されている路線又は区間に係る道路施設は機構が承継する。
エ 建設中の路線又は区間に係る道路施設については、新会社が残事業を実施するものを機構は承継し、その他は国等に譲渡する。
オ 新会社発足後に新規に建設が開始された路線又は区間に係る道路施設については、機構は所有しない。
カ パーキングエリア等については新会社が承継し、機構は所有しない。
キ 機構は、企業会計原則に基づき、減損会計の手法を活用するなど厳格な会計処理を行う。
C 債務
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ア 機構は承継資産に係る長期債務を承継する。
イ 建設仮勘定に係る長期債務については、全て機構が承継する。
ウ 出資金の取扱いについては、別に検討する。
D 貸付料
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ア 機構が新会社から徴収する貸付料の総計年額は、承継債務の総額を基に、約40年間(*)の元利均等返済をベースとして算定する。
*返済期間については、新会社発足までの間に、企業会計原則に基づいて適正な前提条件により今後の収支見通しを作成した上で、50年を上限とし、その短縮を目指して設定する。
イ 新会社各社が負担する貸付料の額(*)は、収支見通しを見極めた上で各社の収益性に著しい格差が生じないよう検討し、長期定額として設定する。
*新会社各社が支払う貸付料の額は、アにより算定される貸付料の総計年額を、各社の収益力に基づき按分した額とする。この際、貸付料を算定する基となる債務総額は、各公団由来の債務ではなく、四公団の承継債務の合計額とする。
ウ 毎年の貸付料とは別に、新会社が、経営の効率化等によって生じた余裕資金を機構の債務返済に充てることができるような仕組みを検討する必要がある。このため、機構は、債務残高を新会社ごとに管理する(*)こととし、債務返済のための臨時の受け入れ額についても会社別に管理して、買取り時の価額に反映させるものとする。
*機構は、新会社ごとに債務残高を管理する「区分経理」を行う。具体的には、発足時に新会社ごとに債務額を定め、徴収した貸付料、債務返済のための臨時の受け入れ額、国等の出資金等を、該当する新会社ごとに計上し、買取り時の価額に反映させる。
E 金融・税制措置
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ア 借換え資金の円滑な調達を図り、金利変動による債務返済への影響を最小限にするため、債券に対する政府保証等の措置を講ずる。
イ 債務の返済をできるだけ早期に行わせるため、機構は法人税を負担しない。
ウ 当初機構が所有することとなる道路資産に係る固定資産税については、国鉄改革に際して旅客鉄道会社等に適用された特例措置等を参考にしつつ、大幅に軽減することが必要である。
F 機構の解散
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ア 新会社は、経営基盤の確立等株式上場に向けた諸条件が整ったと判断し次第、機構が所有する道路施設を買い取るものとし、その時点で機構は解散する。
イ 資産の買取りは、10年を目途にこれを行う。
ウ 買取りの具体的条件等はあらかじめ法定する。
- 買取りの手続き‥‥新会社の申請により開始される
- 買取り価額‥‥‥‥新会社ごとの債務残高を基準に決定する
- 買取り方法‥‥‥‥対象資産の買取り価額として同額の債務を承継する